JP5099010B2 - n型半導体カーボンナノ材料の製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

n型半導体カーボンナノ材料の製造方法および半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明はn型半導体カーボンナノ材料の製造方法および半導体装置の製造方法に関し、特に、半導体性を有するカーボンナノ材料を導電化してなるn型半導体カーボンナノ材料の製造方法および半導体装置の製造方法に関する。
カーボンナノチューブや、グラフェンシートおよびその積層体や、カーボンナノリボン等のカーボンナノ材料は、例えば、ガスセンサ等の各種センサ材料や、単一電子トランジスタ等の高機能電子デバイス材料として注目されている。例えば、電子デバイス分野では、カーボンナノチューブを、電極間や配線間を接続するための配線材料として用いたり、FET(Field Effect Transistor)等の半導体装置のチャネル等の電極材料として用いたりする試みがなされている。
ところで、カーボンナノ材料をFET等の半導体装置の各種電極材料に応用するためには、n型、p型双方の半導体性のカーボンナノ材料を作り分けることが必要である。通常得られる半導体カーボンナノ材料は、大気中に放置する等して酸素(O2)が吸着するとp型になる傾向があり、現在では、そのような性質を利用してp型半導体カーボンナノ材料を比較的容易に作製することが可能になっている。
一方、n型半導体カーボンナノ材料は、真空中の熱処理で酸素を脱離させる方法のほか、例えば、カーボンナノチューブでは、形成時にカリウム(K)等のアルカリ金属をドーピングしたり特定の物質を吸着させたりする等の方法を用いて作製することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、そのような方法で得られるn型半導体カーボンナノ材料は、いずれも安定性が不十分であり、そのまま放置するとp型に変化する傾向が強い。
なお、従来、カーボンナノ材料をウェットプロセスで化学修飾してその性質を変化させる方法もいくつか提案されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。このほか、従来、有機半導体の導電型を化学反応によって変化させる方法(例えば、特許文献5参照。)や、カーボンナノ材料を所定基板上に分散させそれをチャネルとするFETを作製する方法(例えば、特許文献6参照。)等が提案されている。
特開2004−284852号公報 特表2004−530646号公報 特開2004−168570号公報 特開2005−3687号公報 特開2004−158710号公報 特開2005−93472号公報
ウェットプロセスでは、比較的溶媒から不純物が混入する可能性が高く、このような不純物の混入は、半導体カーボンナノ材料のn型化と性質の安定化を阻害し、またn型半導体性の低寿命化を招く大きな原因となる。
ウェットプロセスで、特に、n型半導体カーボンナノチューブを作製しようとした場合、溶媒中でカーボンナノチューブ同士がバンドル化しやすいため、均一に高速で反応を行うことが難しい。生成するn型半導体カーボンナノチューブの均質化、反応の高速化を図るために、厳しい条件で反応を行ったり、長時間の反応を行ったりすると、カーボンナノチューブが劣化する可能性が大きい。
このようなことから、ウェットプロセスで得られるn型半導体カーボンナノ材料をFET等の半導体装置に用いたとしても、これまでは、所望の性能や安定性を備えたデバイスを作製することが難しかった。さらに、ウェットプロセスは、ドライプロセスに比べて環境負荷が高いという問題もあった。
また、ドライプロセスで半導体カーボンナノ材料をn型化する場合には、前述のように、真空中熱処理、アルカリ金属のドーピング、特定の物質の吸着等の方法を用いることが可能である。しかし、これらの方法では、従来、長期にわたって安定なn型半導体カーボンナノ材料を作製することが極めて難しかった。
このように、これまで均質で安定なn型半導体カーボンナノ材料を作製する方法がなかったことが、カーボンナノ材料のデバイスへの実用的応用に大きな障害となっていた。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、均質で安定なn型半導体カーボンナノ材料の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような半導体カーボンナノ材料を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
発明では、n型半導体カーボンナノ材料の製造方法において、半導体性を有するカーボンナノ材料の表面で、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質から解離して前記官能基のラジカルを発生させ前記ラジカルと前記カーボンナノ材料とを反応させ、前記カーボンナノ材料に前記官能基を共有結合させることを特徴とするn型半導体カーボンナノ材料の製造方法が提供される。
このようなn型半導体カーボンナノ材料の製造方法によれば、半導体性を有するカーボンナノ材料の表面で、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質、または揮発性の物質から解離して官能基のラジカルを発生させ、それを半導体性を有するカーボンナノ材料と反応させることによって、そのカーボンナノ材料に官能基を共有結合させる。これにより、p型への変化が起きにくい安定なn型半導体カーボンナノ材料が作製される。また、半導体カーボンナノ材料のn型化をドライプロセスによって行うため、ウェットプロセスに比べて環境負荷が低く、また、ウェットプロセスで生じる可能性のあったバンドル化や不純物の混入が抑制されるようになる。
また、本発明では、カーボンナノ材料を用いた半導体装置の製造方法において、チャネル領域に半導体性を有するカーボンナノ材料を形成する工程と、形成された前記カーボンナノ材料の表面で、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質から解離して前記官能基のラジカルを発生させ、前記ラジカルと前記カーボンナノ材料と反応させ、前記カーボンナノ材料に前記官能基を共有結合させる工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
このような半導体装置の製造方法によれば、半導体性を有するカーボンナノ材料を、チャネル領域に形成し、そのカーボンナノ材料に、電子供与性基となる官能基を共有結合させる。これにより、p型への変化が起きにくい安定なn型半導体カーボンナノ材料をチャネルに持つ半導体装置が得られるようになる。
本発明では、半導体性を有するカーボンナノ材料に電子供与性基を共有結合させることによって、そのカーボンナノ材料にn型の性質を付与するようにした。その際には、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質、または揮発性の物質と、半導体性を有するカーボンナノ材料とを反応させることによって、そのカーボンナノ材料に電子供与性基を共有結合させる。これにより、均質でかつ信頼性・安定性の高い、n型の性質を有する半導体カーボンナノ材料を製造することができる。また、このようなn型半導体カーボンナノ材料を用いることにより、信頼性・安定性の高い半導体装置が実現可能になる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1はn型半導体カーボンナノ材料の構成例を示す図である。なお、図1では、カーボンナノ材料の要部を展開図によって図示している。
n型半導体カーボンナノ材料1は、半導体性を有するカーボンナノ材料1aに、電子供与性を示す種々の官能基(電子供与性基)、例えばアルキル基(R=Cn2n+1)やアミノ基(N−R2基(R=Cn2n+1,水素(H)))が、その特定部位に共有結合した構造を有している。
このような構成を有するn型半導体カーボンナノ材料1を作製するため、ここではドライプロセスを採用し、カーボンナノ材料1aを、それに結合したときに電子供与性基となる官能基を有する物質を含んだガス状物質、または揮発性の物質と反応させることによって、その官能基をカーボンナノ材料1aの特定部位、特に表面の特定部位に共有結合させる。
なお、「ガス状物質、または揮発性の物質」とは、常温付近で気体状態の物質のみならず、常温付近で蒸気圧の高い、いわゆる揮発性の高い物質を噴霧状にして希釈した状態のガス状混合物、あるいは常温付近で蒸気圧の高くない、いわゆる揮発性の低い物質を、加熱し高温にしてから速やかに噴霧状にする、等の処理を行ったものを含む。また「反応性ガス」とは、上記の「ガス状物質」を、不活性ガスで希釈したものを含む。「ドライプロセス」とは、上記のようなものを用いたプロセスをいう。以下「ガス状物質」と記す。
カーボンナノ材料1aに結合したときに電子供与性基となる官能基としては基本的には制限はなく、アルキル基やアミノ基のほか、その他に例えばアルコキシ基(O−R基(R=Cn2n+1))、ヒドロキシル基(OH基)、−R1−O−R2(エーテル結合を含む官能基;R1,R2はアルキル基だが、これ自体にエーテル結合等のC以外のヘテロ元素を含む電子供与性基(例えば−R−O−R(エーテル結合を含むアルキル基)等)も含まれる)等が挙げられる。また、このような官能基を有する物質としては、アミン類(R123−N(R1,R2,R3=Cn2n+1,H)、ただしRにはエーテル結合等のC以外のヘテロ元素を含む電子供与性基(例えば−R−O−R(エーテル結合を含むアルキル基等)も含まれる)、ハロゲン化アルキル類(R−X(X=ハロゲン(塩素(Cl),臭素(Br),ヨウ素(I))、ただしRにはエーテル結合等のC以外のヘテロ元素を含む電子供与性基(例えば−R−O−R(エーテル結合を含むアルキル基)等)も含まれる)、アルコール類(R−OH(R=Cn2n+1))、エーテル類(R1−O−R2(R1,R2=Cn2n+1)(R1,R2はアルキル基だが、エーテル結合等のC以外のヘテロ元素を含む電子供与性基(例えば−R−O−R(エーテル結合を含むアルキル基)等)も含まれる))等が挙げられる。なお、一般式中、Cは炭素、Nは窒素、Oは酸素である。
そして、このような官能基を有する物質を含んだガス状物質、例えば、このような物質と不活性ガスとの混合ガスを、それにVUV(Vacuum UltraViolet)を照射する等、一定のエネルギーを供給しながら、カーボンナノ材料1aと反応させる。
例えば、上記のような物質を含んだガス状物質へのエネルギー供給手段としてVUVを用いる場合には、キセノン(Xe)ガスを封入したエキシマUVランプを用いることができる。Xeガスを封入したエキシマUVランプの発生波長は一定の幅を持ち、波長分布はおおよそ150nm〜190nmであり、最も強度が大きくなる波長は172nmである。
なお、XeエキシマUVランプから発生するVUVを、例えば石英ガラスを介して、上記のような物質を含んだガス状物質に照射する場合、波長160nm以下のVUVは石英ガラスにほとんど吸収されるので、石英ガラスを使った系では実用上利用されるのは160nm〜190nmと考えるのが妥当である。
強度ピーク波長172nmのVUVが持つ光子エネルギーは、約696kJ/molである。これはC−H結合やC−N結合等の多くの化学結合を開裂させるのに足るエネルギー量である。例えば、主な化学結合の解離エンタルピーは、C−H結合が334kJ/mol〜464kJ/mol、C−N結合が423kJ/mol、メタノール(CH3OH)のC−O結合が378kJ/molである。したがって、ここに例示したような各化学結合は、VUVの照射によって開裂させることが可能である。
カーボンナノ材料1aと、それに結合して電子供与性基となる官能基を有する物質を含んだガス状物質とが存在する環境下で、そのガス状物質に対してVUVを照射すると、例えば、その物質の所定の化学結合が開裂し、その物質の構造に応じて、アミノラジカル(・N−R2)、アルキルラジカル(・R)、アルコキシラジカル(・O−R)、活性酸素(ヒドロキシラジカル(・OH)、一重項酸素等)の活性な化学種が発生する。このような活性な化学種がカーボンナノ材料1aの近傍に存在すると、ラジカルは不安定で反応性が高いため、カーボンナノ材料1a、特にその五員環、七員環部分やダングリングボンドといわれるラジカル性C原子末端といった比較的反応性の高い部分に、速やかに結合する。その結果、その物質の官能基とカーボンナノ材料1aとの間に共有結合が形成されるようになる。
あるいは、カーボンナノ材料1aと、それに結合して電子供与性基となる官能基を有する物質を含んだガス状物質とが存在する環境下でVUVを照射したときに、カーボンナノ材料1aに吸着したその物質の所定の化学結合が開裂して、その物質の官能基とカーボンナノ材料1aとの間に新たな共有結合が形成されるようになる。
いずれの場合においても、カーボンナノ材料1aに結合した官能基は、電子供与性基として働き、共有結合を通してカーボンナノ材料1aに電子を送り込み、半導体性のカーボンナノ材料1aにn型の性質を付与する。上記のような電子供与性基は、それ自体が化学的に安定であり、また、カーボンナノ材料1aとの間に形成される共有結合も安定で反応性の低い結合である。そのため、このようにして電子供与性基が共有結合したn型半導体カーボンナノ材料1は、経時変化を起こしにくい性質、すなわちn型半導体性を消失しにくい性質を有している。
なお、実験では、例えば、トリエチルアミン((CH3CH23N)などのアミン類、またはアンモニア(NH3)と、窒素(N2)の混合をVUV照射しながらカーボンナノ材料と反応させることによって、そのカーボンナノ材料にアミノ基またはその誘導体基が導入される等の結果が得られている。また、別の研究により、ウェットプロセスでアミノ基またはその誘導体基を結合させた半導体カーボンナノ材料がn型の性質を示すことが既に知られている所である。n型半導体カーボンナノ材料の作製の詳細については具体的な例を挙げて後述する。
続いて、上記のようなn型半導体カーボンナノ材料の作製に用いる化学処理装置について説明する。
図2は化学処理装置の原理図である。
n型半導体カーボンナノ材料の作製には、図2に示すような構成を有する化学処理装置10を用いることが可能である。この化学処理装置10は、VUVを照射するVUVランプ11、およびカーボンナノ材料が配置される反応室12を備えている。
VUVランプ11は、適当な冷媒を用いて冷却することができるように構成されている。また、反応室12内には、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いてカーボンナノ材料が形成された基板20が載置されるステージ13が備えられている。このステージ13は、X−Y方向に移動する移動機構、および載置された基板20の温度制御を行う温度調節機構を備えている。
反応室12には、カーボンナノ材料と結合したときに電子供与性基として働く官能基を有する物質を含んだガス(反応性ガス)を導入することができるようになっている。基板20を反応室12のステージ13上に載置した状態で、そのような物質を含んだ反応性ガスを導入し、VUVランプ11によってVUVを照射することにより、その物質と基板20上のカーボンナノ材料とを反応させることができるようになっている。
ここで、上記構成を有する化学処理装置10におけるVUVランプ11周辺部の構成例について説明する。
図3はVUVランプ周辺部の一例を示す図である。
化学処理装置10は、例えば図3に示すように、ステージ13に対向して噴射口14aが設けられた反応性ガス導入路14を有しており、この反応性ガス導入路14の噴射口14aと反対の側の近傍に、VUVランプ11が配置されている。この場合、反応性ガス導入路14の少なくともVUVランプ11側の壁部材は、VUVの透過率が高い材料、例えば石英ガラス、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)等の、VUVに対して透明な部材によって構成される。なお、反応性ガス導入路14全体をそのようなVUV透過率の高い材料を用いて構成してもよい。
VUVランプ11には、例えば、強度ピーク波長172nmのVUVを発生するXeガスを封入したエキシマUVランプを用いることができる。VUVランプ11には、種々の形状のものを用いることが可能であるが、例えば、円筒状のものを用いることができる。なお、用いるVUVランプ11の形状に応じ、反応性ガス導入路14の噴射口14aの形状が選択される。
VUVランプ11は、冷媒流路15内に配置されていて、この冷媒流路15に適当な冷媒、例えばVUVを吸収しない、アルゴン(Ar)、N2等の不活性ガスを適宜流通させることによって、冷却することができるようになっている。
VUVランプ11周辺部をこの図3に示したような構成とした場合には、まずステージ13上に基板20を載置した後、VUVランプ11からVUVを照射しながら、反応性ガス導入路14に反応性ガスを導入する。導入する反応性ガスは、前述のようにアミノ基やアルキル基といった所定の官能基を有する物質を含んだガス状物質であり、そのような物質を不活性ガスと混合して導入する。なお、反応性ガスを反応室12内に導入する際には、反応性ガス、反応室12内および基板20の各温度を、反応条件に応じて適切に制御する。
反応性ガス導入路14を流れる反応性ガスは、例えば、反応性ガス導入路14の壁部材を透過して照射されるVUVによって活性化されてラジカル(アミノラジカルやアルキルラジカル等)を発生し、そのラジカルが噴射口14aから基板20に向かって吹き付けられる。そして、その吹き付けられたラジカルが基板20上のカーボンナノ材料20aと反応し、そのカーボンナノ材料20aにアミノ基やアルキル基等の官能基が共有結合するようになる。カーボンナノ材料20aが半導体性を有するものであれば、結合したその官能基が電子供与性基として働くことにより、その半導体性のカーボンナノ材料20aがn型の性質を有するようになる。なお、図3では、基板20上のカーボンナノ材料20aとしてカーボンナノチューブを例示している。
なお、反応性ガス導入路14全体をVUV透過率の高い材料を用いて構成すれば、噴射口14aから噴射された後の反応性ガスやカーボンナノ材料20aに対してもエネルギーの供給が可能になる。それにより、ラジカルの発生率、カーボンナノ材料20aの反応率を向上させることが可能になる。
また、上記のような処理時には、噴射口14aの形状に応じ、基板20を載置したステージ13をX−Y方向に移動させ、処理の均一化を図るようにしてもよい。
図4はVUVランプ周辺部の別の例を示す図である。なお、図4では、基板20上のカーボンナノ材料20bとしてグラフェンシートを例示している。
化学処理装置10は、例えば図4に示すように、反応室12の天井部分にXeエキシマUVランプ等のVUVランプ11を配置し、そのVUVランプ11に、金属ブロック16内部に冷媒流路16aを備える冷却機構を設けた構成を有している。また、反応室12には、反応性ガスを流通(導入および排気)させることができるようになっている。
流通させる反応性ガスは、前述のようなアミノ基やアルキル基といった官能基を有する物質を不活性ガスと混合したものを用いることができる。また、冷媒流路16aには、N2等の不活性ガスのほか、水等の液体冷媒を用いることもできる。
VUVランプ11周辺部をこの図4に示したような構成とした場合には、まず反応室12内に基板20を載置した後、VUVランプ11からVUVを照射しながら、反応室12内に反応性ガスを流通させる。なお、反応性ガスを反応室12内に流通させる際には、反応性ガス、反応室12内および基板20の各温度を、反応条件に応じて適切に制御する。
反応室12を流れる反応性ガスは、例えば、VUV照射によって活性化されてラジカル(アミノラジカルやアルキルラジカル等)を発生し、そのラジカルが基板20上のカーボンナノ材料20bと反応して、そのカーボンナノ材料20bにアミノ基やアルキル基等の官能基が共有結合するようになる。カーボンナノ材料20bが半導体性を有するものであれば、結合したその官能基が電子供与性基として働くことにより、その半導体性のカーボンナノ材料20bがn型の性質を有するようになる。
このように、化学処理装置10は、VUVランプ11周辺部のVUV照射機構のほかは比較的簡易な構成とすることができ、処理自体も低コストで行うことが可能である。また、反応条件の制御も比較的容易であり、処理時の不純物混入等も抑えることができ、信頼性の高いn型半導体カーボンナノ材料を安定的に作製することができる。
なお、上記図2から図4に示した原理構成を有する化学処理装置10を用いてn型半導体カーボンナノ材料を作製する際には、反応性ガスの導入時に、それに含まれるアミノ基やアルキル基といった官能基を有する物質が試料近傍に揮発あるいは遊離する温度等の条件、例えばその沸点よりも10℃〜50℃程度低い温度条件に設定し、あるいは揮発または遊離した反応性ガス組成物が試料近傍に移送される構成とすることが好ましく、そのような状態でVUVを照射することが極めて好ましい。
また、上記化学処理装置10を用いてn型半導体カーボンナノ材料を作製する際には、その基本的手順は変えずに、反応性ガスに用いる物質の種類を変更することによって、得られるn型半導体カーボンナノ材料の物理、化学的性質(例えば、トランジスタ等半導体デバイスに応用した際のデバイス特性、あるいは、n型化したカーボンナノ材料の化学的性質等)を詳細に制御することが可能である。
例えば、反応性ガスに用いる物質中のアルキル基を、メチル基、エチル基、プロピル基等と置換された物質を用いることにより、すなわち化学的性質は極めて類似しているが蒸気圧が異なる物質を選択することによって、反応条件を制御することができる。また、それによって性質の異なる種々のn型半導体カーボンナノ材料を作り分けることも可能になる。
また、上記化学処理装置10を用いてn型半導体カーボンナノ材料を作製する際には、反応性ガスとして、上記のように、アミノ基やアルキル基といった官能基を有する物質を、不活性ガスで希釈した混合ガスを用いることが望ましい。
最適反応条件の安定性確保のためには、VUVランプ11と基板20との間の距離を適当に離しておく、すなわちワーキングディスタンス(光源−試料間距離)を一定以上確保しておくことが望ましい。しかし、この化学処理に適した官能基を有する上記のような物質は、VUVの吸光係数が大きい場合が多い。また、VUVは、空気中での吸光係数が大きく、光源から1cmから高々数cm以内で吸収されてしまうことが多い。
したがって、カーボンナノ材料20aの化学処理では、上記のような所定の官能基を有する物質を不活性ガスで希釈することが望ましく、そのような物質の混合ガス中における濃度を、例えば0.0001%〜50%程度、好ましくは0.01%〜10%とする。濃度は、その物質の種類、反応性ガスの導入温度、反応室12内の温度、基板20の温度、その他種々の反応条件を基に設定する。
以上説明したように、n型半導体カーボンナノ材料を作製するために、ドライプロセスを採用し、半導体性を有するカーボンナノ材料を、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質と反応させることによって、その官能基をそのカーボンナノ材料の特定部位に共有結合させるようにした。
このようなドライプロセスを採用することにより、比較的簡易な処理装置を用い、低コストで半導体カーボンナノ材料をn型化することができる。
また、ウェットプロセスによる半導体カーボンナノ材料のn型化に比べ、不純物の混入を効果的に抑制することができ、さらに、環境負荷も低く抑えることができる。さらにまた、ウェットプロセスの場合には、処理時の、特にカーボンナノチューブ同士のバンドル化の問題が避けられなかったが、上記のようなドライプロセスの場合には、処理時のそのような問題も回避することができる。
このように、ドライプロセスを採用することにより、信頼性の高いn型半導体カーボンナノ材料を簡易かつ安定に低コストで作製することが可能になる。
また、このようなドライプロセスによるn型半導体カーボンナノ材料の作製では、反応性物質の構造やそれを用いたときの反応条件を細かく変化させることが可能であり、それによって、反応あるいはn型半導体カーボンナノ材料の特性を制御することができる。
また、上記化学処理装置10ではn型半導体カーボンナノ材料を作製することができるが、他方、p型半導体カーボンナノ材料を作製することもできる。すなわち、上記電子供与性基に代わって、カーボンナノ材料と結合したときに電子吸引性を示す種々の官能基(電子吸引性基)を有する反応性ガスを導入して、上記と同様にしてVUVランプ11によってVUVを照射することにより、その物質と基板20上のカーボンナノ材料とを反応させる。そして、電子吸引性基とカーボンナノ材料との間に共有結合が形成される。その結果、カーボンナノ材料に結合した電子吸引性基によって、共有結合を通してカーボンナノ材料から電子を引っ張り、半導体性のカーボンナノ材料にp型の性質を付与することで、p型半導体カーボンナノ材料が作製される。また、n型の場合と同様に、カーボンナノ材料との間に形成される共有結合も安定で反応性の低い結合である。そのため、このようにして電子吸引性基が共有結合したp型半導体カーボンナノ材料は、経時変化を起こしにくい性質、すなわちp型半導体特性を消失しにくい性質を有している。
この場合、例えば、グラフェンシートに、反応性ガスとして1%のO2ガスを用いて、上記と同様にVUVを照射すると、グラフェンシートの特定部位、特に表面の特定部位に電子吸引性基であるカルボキシル基(COOH基)が共有結合されて、p型半導体グラフェンシートを作製することができる。
以上、ドライプロセスでのn型半導体カーボンナノ材料の作製方法について説明したが、このような方法は、FET製造プロセスに容易に適用可能である。
例えば、nチャネルFETを作製する場合には、まず、ソース電極−ドレイン電極間でチャネルとなる領域(チャネル領域)に半導体カーボンナノ材料を形成し、それを所定の官能基を有する物質を含むガス状物質と反応させてn型半導体カーボンナノ材料とし、これをチャネルとして使用する。このような方法は、トップゲート構造、バックゲート構造の、いずれのnチャネルFETの作製にも適用することができる。
なお、このようにn型半導体カーボンナノ材料をチャネル材料に用いる場合には、デバイス安定化のため、nチャネルFETの構造に応じ、適当な段階で、表面にパシベーション膜を形成するようにしてもよい。パシベーション膜の材質や形成条件等は、カーボンナノ材料を変質させるものでなければ、特に制限されない。
また、pチャネルFETを作製する場合には、上記で説明したp型半導体カーボンナノ材料を適用させることもできる。
ここで、上記のようなn型半導体カーボンナノ材料のFETへの適用例について説明する。
図5はトップゲート型カーボンナノ材料FETの構成例であって、(A)は斜視模式図、(B)は断面模式図である。
この図5に示すnチャネルFET30は、絶縁性基板、例えばサファイア基板31上に、触媒作用のあるソース電極32と、このソース電極32に対向するように設けられたドレイン電極33とを有し、ソース電極32−ドレイン電極33間に、チャネルとなるn型半導体カーボンナノ材料34が設けられている。n型半導体カーボンナノ材料34は、絶縁膜、例えばSOG(Spin On Glass)膜35によって埋め込まれている。SOG膜35の、n型半導体カーボンナノ材料34の表面を覆う部分は、ゲート絶縁膜35aとして機能し、このゲート絶縁膜35a上にゲート電極36が設けられている。また、サファイア基板31の裏面には、接地電極37が設けられている。
なお、図5はn型半導体カーボン材料34がn型半導体カーボンナノチューブである場合について示している。また、n型半導体カーボンナノ材料34が、n型半導体グラフェンシートの場合、n型半導体カーボンナノ材料34の下の層はSOG膜や、その他、例えば絶縁体でなければならない。
このような構成を有するnチャネルFET30は、例えば、次の図6〜図14に示すようなプロセスを経て作製することができる。
ここで、図6はソース電極形成プロセスの断面模式図、図7はドレイン電極形成プロセスの断面模式図、図8は半導体カーボンナノチューブ成長プロセスの断面模式図、図9は半導体カーボンナノチューブのn型化プロセスの断面模式図、図10はソース電極−ドレイン電極形成プロセスの断面模式図、図11は半導体グラフェンシート成長およびn型化プロセスの断面模式図、図12は絶縁膜形成プロセスの断面模式図、図13はゲート電極形成プロセスの断面模式図である。
なお、nチャネルFET30において、ソース電極32−ドレイン電極33間に形成されるカーボンナノ材料は、カーボンナノチューブまたはグラフェンシートのいずれかによって作製プロセスが異なる。以下、それぞれについて説明する。
カーボンナノ材料が、カーボンナノチューブである場合について説明する。
まず、図6に示すように、サファイア基板31上に、レジストパターン(図示を省略)をマスクとして、スパッタ法により、例えば厚さ5nmのアルミニウム(Al)膜32aおよび例えば厚さ1nmの鉄(Fe)膜32bを順次堆積させた後、レジストパターンを除去し、ソース電極32を形成する。なお、Fe膜32bは、カーボンナノチューブ34a成長時の触媒となる。
次いで、図7に示すように、再びレジストパターン(図示を省略)をマスクとして、スパッタ法により、例えば厚さ6nmのAl膜を、ソース電極32と例えば5μmの間隙をあけて対向するように堆積させた後、レジストパターンを除去し、ドレイン電極33を形成する。
次いで、図8に示すように、CVD法を用いて、プロセスガスとしてアセチレン(C22)ガスを用いるとともに、キャリアガスとしてArガスもしくはH2ガスを用い、ソース電極32−ドレイン電極33間(チャネル領域)に、直流電界を印加した状態で、例えば、圧力100Pa、成長温度600℃の条件で、複数本のカーボンナノチューブ34aを成長させる。
このとき、600℃の成長温度において、ソース電極32の表面を構成するFe膜32bは、温度の影響により粒子状になるが、この粒子の径は下地のAl膜32aとの濡れ性を反映して小径となるので、成長するカーボンナノチューブ34aは、半導体性を有する単層カーボンナノチューブとなる。
また、成長過程において、ソース電極32−ドレイン電極33間に直流電界を印加しているので、カーボンナノチューブ34aは、ソース電極32上のFe膜32bを成長起点としてドレイン電極33に向かって成長する。カーボンナノチューブ34aがドレイン電極33に充分達した時点で成長を終了する。ちなみに、成長時間は、例えば40分とする。
そして、図9に示すように、成長させた半導体性のカーボンナノチューブ34aを、例えばVUVを照射しながら上記のような所定の官能基を有する物質を含んだ反応性ガス34bと反応させてn型化し、それによってチャネルとなるn型半導体カーボンナノチューブ34aを作製する。その際には、上記構成を有する化学処理装置10を用いることが可能である。
一方、カーボンナノ材料が、グラフェンシートである場合について説明する。
まず、図10に示すように、絶縁体、例えば、サファイア基板31上に、レジストパターン(図示を省略)をマスクとして、スパッタ法により、例えば厚さ3nmの金(Au)膜を堆積させて、ソース電極32cとドレイン電極33cとを例えば5μmの間隔をあけて形成し、ソース電極32cとドレイン電極33cとの間に例えば厚さが1nmのFe膜32bを形成する。
次いで、図11に示すように、Fe膜32bを触媒として、従来既知の方法でグラフェンシート34cを成長させて、上記化学処理装置10によるカーボンナノチューブ34aのn型化と同様に、成長させた半導体性のグラフェンシート34cをVUVで照射しながら、反応性ガス34bと反応させてn型半導体グラフェンシート34cを作製する。
以上の作製プロセスによって、nチャネルFET30において、ソース電極32−ドレイン電極33間にn型半導体カーボンナノ材料34が作製される。以下からの作製プロセスはカーボンナノチューブ34aおよびグラフェンシート34cに共通して適用させることができる。なお、以下からは図9に引き続き作製する場合について示す。
次いで、図12に示すように、スピンコートおよびアニールにより、n型半導体カーボンナノ材料34表面上に堆積する厚みが例えば10nmになるようにSOG膜35を堆積させてn型半導体カーボンナノ材料34を埋めると共に、n型半導体カーボンナノ材料34上に堆積した部分をゲート絶縁膜35aとする。
次いで、図13に示すように、レジストパターン(図示を省略)をマスクとして、スパッタ法により、例えば厚さ10nmのチタン(Ti)膜36a、例えば厚さ100nmの白金(Pt)層36b、および例えば厚さ10nmのTi膜36cを順次堆積させた後、レジストパターンを除去し、ゲート電極36を形成する。
最後に、サファイア基板31の裏面にAlからなる接地電極37を設けることによって、図5に示した構成のnチャネルFET30が作製される。
また、図14はバックゲート型カーボンナノ材料FETの構成例であって、(A)は斜視模式図、(B)は断面模式図である。
この図14に示すnチャネルFET40は、ゲート電極として、導電性基板、例えば高濃度に不純物を添加したシリコン(Si)基板41が用いられている。Si基板41の一方の面(裏面)には、TiやPt等を用いたバックゲート用金属層42が設けられ、また、その反対の面(表面)には、ゲート絶縁膜となる、例えば酸化シリコン(SiO2)膜43が設けられている。SiO2膜43上には、所定の間隙をあけて対向させた、触媒作用のあるソース電極44およびドレイン電極45が設けられ(触媒層は図示を省略)、ソース電極44−ドレイン電極45間には、チャネルとなるn型半導体カーボンナノ材料46が設けられている。n型半導体カーボンナノ材料46は、パシベーション膜47によって被覆されている。
このような構成を有するnチャネルFET40は、例えば、まずSi基板41の表面にSiO2膜43を形成した後、その上に、例えばFe膜とAl膜の積層構造からなるソース電極44およびドレイン電極45を形成する。そして、ソース電極44−ドレイン電極45間(チャネル領域)に、半導体性のカーボンナノ材料を成長させる。なお、図示は省略するが、このとき、カーボンナノ材料は、その端部が、ソース電極44およびドレイン電極45の上面に形成されていても構わない。
このようにして形成された半導体性のカーボンナノ材料を、例えばVUVを照射しながら上記のような所定の官能基を有する物質を含んだ反応性ガスと反応させてn型化し、チャネルとなるn型半導体カーボンナノ材料46を作製する。なお、その際には、上記構成を有する化学処理装置10を用いることが可能である。
n型半導体カーボンナノ材料46の作製後は、それをパシベーション膜47によって被覆し、また、Si基板41の裏面には、バックゲート用金属層42を形成する。これにより、図15に示した構成のnチャネルFET40が作製される。
また、例えば、半導体カーボンナノ材料を用いた相補型FETを作製する場合には、まず、pチャネルFET、nチャネルFETを形成する領域のチャネル領域に、それぞれ半導体カーボンナノ材料を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術を用い、pチャネルFETを形成する領域をマスクし、nチャネルFETを形成する領域のみを露出させた状態とし、その上で、nチャネルFET側に形成されているカーボンナノ材料を所定の官能基を有する物質を含むガス状物質と反応させて、n型半導体カーボンナノ材料とする。これにより、pチャネルFET側にp型半導体カーボンナノ材料、nチャネルFET側にn型半導体カーボンナノ材料が形成され、p側とn側のチャネルの作り分けが行えるようになる。この方法は、上記例示したようなトップゲート構造とバックゲート構造の、いずれにも適用可能である。
なお、このような作り分けの手法は、異なる性質を有するn型半導体カーボンナノ材料をチャネルに用いた複数種のFETを作製するような場合にも、同様に適用可能である。また、カーボンナノ材料を用いたFETと、カーボンナノ材料を用いないFETとを基板上に混載するような場合にも、同様に適用可能である。
また、FETの作製に当たり、カーボンナノ材料を形成する場合には、半導体カーボンナノ材料と共に形成され得る金属性カーボンナノ材料の存在に留意し、カーボンナノ材料の形成後、必要に応じ、高電流を流して金属性カーボンナノ材料を焼き切る等の処置を施すようにしてもよい。
以下、n型半導体カーボンナノ材料の例として、上記のようなドライプロセスでのn型半導体カーボンナノチューブとn型半導体グラフェンシートとの作製の場合についてそれぞれ説明する。
まず、n型半導体カーボンナノチューブについて説明する。
なお、処理するカーボンナノチューブは、単層ナノチューブ(Single Wall carbon NanoTube,SWNT)であるか、二層ナノチューブ(Double Wall carbon NanoTube,DWNT)であるか、あるいは多層ナノチューブ(Multi Wall carbon NanoTube,MWNT)であるかを問わない。また、処理するカーボンナノチューブは、基板上に直接成長させたもののほか、形成後のカーボンナノチューブを基板上に塗布または分散させたもの等、半導体装置の製造プロセスに適合する、あらゆる形態のものを用いることが可能である。
<実施例1>
上記図2および図3に示した化学処理装置10を用い、VUVランプ11として、光出力30mW/cm2、発光長400nm、強度ピーク波長172nmのVUVを発生するXeエキシマUVランプを用いた。
試料には、Siウエハ(p型,(100)面)上に長さ約1.5μmのMWNTを形成したものを用いた。MWNTは、Siウエハ上にニッケル(Ni)をスパッタリングにて膜厚25nmで形成した後、C22ガスを原料にした温度650℃でのフィラメントCVD法により成長させた。
この試料を空気中、400℃、15分の条件でベークしてあらかじめカーボンナノ材料以外の可燃性不純物を除去した後、速やかに化学処理装置10に移した。そして、(CH3CH23Nを、その蒸気圧が1気圧で酸素濃度が5%程度となるように純窒素で希釈したガス状物質を反応性ガスとし、毎分1Lの流量で反応性ガス導入路14に導入し、Siウエハ上のMWNTの処理を行った。
処理前後の試料をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光装置)およびIR(Infrared Spectroscopy:赤外分光装置)によって分析したところ、処理前のMWNTに存在しなかったアミノ結合が確認され、処理後にカーボンナノ材料上にアミノ基が形成されているのが確認された。
<実施例2>
実施例1で用いたのと同じ化学処理装置10を用い、試料として、Siウエハ(p型,(100)面)上にSWNTを形成したものを用いた。SWNTは、Siウエハ上にアーク放電法により生成した。その後、実施例1と同条件のベーク処理を行った。
このような化学処理装置10および試料を用い、実施例1と同じ組成および流量の反応性ガスを反応性ガス導入路14に導入し、Siウエハ上のSWNTの処理を行った。ただし、処理時間は、MWNTに行った処理の10%とした。
処理前後の試料をXPSおよびIRによって分析したところ、処理前のSWNTに存在しなかったC−N結合が、処理後に形成されているのが確認された。
<実施例3>
実施例2で用いたのと同じ化学処理装置10を用い、試料として、チャネルをSWNTで構成したFETを用いた。このような化学処理装置10および試料を用い、実施例1,2と同じ組成および流量の反応性ガスを反応性ガス導入路14に導入し、SWNTの処理を行った。
処理前後の試料をXPSおよびIRによって分析したところ、処理前には弱いp型特性を示していたSWNTが、処理後にはn型特性を示すようになったことが確認された。また、n型特性は、処理直後のみならず、持続することも確認された。
<実施例4>
上記図2および図4に示した化学処理装置10を用い、VUVランプ11として、光出力30mW/cm2、発光長400nm、強度ピーク波長172nmのVUVを発生するXeエキシマUVランプを用いた。
試料には、Siウエハ(p型,(100)面)上に長さ約10μmのMWNTを形成したものを用いた。MWNTは、Siウエハ上にNiをスパッタリングにて膜厚25nmで形成した後、C22ガスを原料にした温度650℃でのフィラメントCVD法により成長させた。
この試料を空気中、400℃、15分の条件でベークしてあらかじめカーボンナノ材料以外の可燃性不純物を除去した後、速やかに化学処理装置10に移した。そして、エタノール(CH3CH2OH)を、その蒸気分圧が1%程度となるように純窒素で希釈したガス状物質を反応性ガスとし、毎分1Lの流量で反応室12に導入し、Siウエハ上のMWNTの処理を行った。
処理前後の試料をXPSおよびIRによって分析したところ、処理前にほとんど存在しなかったヒドロキシル基が(0.1%以下)、処理後に全C元素比で約2%形成されているのが確認された。
<実施例5>
実施例4で用いたのと同じ化学処理装置10を用い、試料として、Siウエハ(p型,(100)面)上にSWNTを形成したものを用いた。SWNTは、Siウエハ上にアーク放電法により生成した。その後、実施例4と同条件のベーク処理を行った。
このような化学処理装置10および試料を用い、実施例4と同じ組成および流量の反応性ガスを反応室12に導入し、Siウエハ上のSWNTの処理を行った。ただし、処理時間は、MWNTに行った処理の10%とした。
処理前後の試料をXPSおよびIRによって分析したところ、処理前にほとんど存在しなかったヒドロキシル基が、処理後に全C元素比で約2%形成されているのが確認された。
<実施例6>
実施例5で用いたのと同じ化学処理装置10を用い、試料として、チャネルをSWNTで構成したFETを用いた。このような化学処理装置10および試料を用い、実施例4,5と同じ組成および流量の反応性ガスを反応室12に導入し、Siウエハ上のSWNTの処理を行った。
処理前後の試料をXPSおよびIRによって分析したところ、処理前には弱いp型特性を示していたSWNTが、処理後にはn型特性を示すようになったことが確認された。また、n型特性は、処理直後のみならず、持続することも確認された。
次に、n型グラフェンシートについて説明する。
グラフェンシートは、安価で、電子移動度が大きく、バンドルが生じないために安定である。そして、カーボンナノチューブよりも取り扱いが容易であり、プレーナ型トランジスタに作りこみやすいという利点がある。なお、処理するグラフェンシートは、単層または多層のグラフェンシートであるかを問わない。また、処理するグラフェンシートは、基板上に直接成長させたもののほか、形成後のグラフェンシートを基板上に塗布または分散させたもの等、半導体装置の製造プロセスに適合する、あらゆる形態のものを用いることが可能である。
上記実施例と同様に、図2および図3、または、図2および図4に示した化学処理装置10を用いて、カーボンナノチューブに代わり、グラフェンシートの処理を行った。そして、上記実施例と同様に処理前後の試料に対して、XPSおよびIRによる分析を行ったところ、n型グラフェンシートが作製されていることが確認された。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
n型半導体カーボンナノ材料の構成例を示す図である。 化学処理装置の原理図である。 VUVランプ周辺部の一例を示す図である。 VUVランプ周辺部の別の例を示す図である。 トップゲート型カーボンナノ材料FETの構成例であって、(A)は斜視模式図、(B)は断面模式図である。 ソース電極形成プロセスの断面模式図である。 ドレイン電極形成プロセスの断面模式図である。 半導体カーボンナノチューブ成長プロセスの断面模式図である。 半導体カーボンナノチューブのn型化プロセスの断面模式図である。 ソース電極−ドレイン電極形成プロセスの断面模式図である。 半導体グラフェンシート成長およびn型化プロセスの断面模式図である。 絶縁膜形成プロセスの断面模式図である。 ゲート電極形成プロセスの断面模式図である。 バックゲート型カーボンナノ材料FETの構成例であって、(A)は斜視模式図、(B)は断面模式図である。
1,34,46 n型半導体カーボンナノ材料
1a,20a,20b カーボンナノ材料
10 化学処理装置
11 VUVランプ
12 反応室
13 ステージ
14 反応性ガス導入路
14a 噴射口
15,16a 冷媒流路
16 金属ブロック
20 基板
30,40 nチャネルFET
31 サファイア基板
32,32c,44 ソース電極
32a Al膜
32b Fe膜
33,33c,45 ドレイン電極
34a カーボンナノチューブ
34b 反応性ガス
34c グラフェンシート
35 SOG膜
35a ゲート絶縁膜
36 ゲート電極
36a,36c Ti膜
36b Pt層
37 接地電極
41 Si基板
42 バックゲート用金属層
43 SiO2
47 パシベーション膜

Claims (7)

  1. n型半導体カーボンナノ材料の製造方法において、
    半導体性を有するカーボンナノ材料の表面で、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質から解離して前記官能基のラジカルを発生させ、前記ラジカルと前記カーボンナノ材料とを反応させ、前記カーボンナノ材料に前記官能基を共有結合させることを特徴とするn型半導体カーボンナノ材料の製造方法。
  2. 前記カーボンナノ材料が、カーボンナノチューブ、またはカーボンナノリボン、あるいはグラフェンシートおよびその積層体であることを特徴とする請求項1記載のn型半導体カーボンナノ材料の製造方法。
  3. 前記官能基は、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、エーテル結合を含むアルキル基、またはヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1記載のn型半導体カーボンナノ材料の製造方法。
  4. 前記ガス状物質と前記カーボンナノ材料とを反応させる際には、
    前記ガス状物質に含まれる前記物質からの前記官能基の解離に要するエネルギーを供給することを特徴とする請求項1記載のn型半導体カーボンナノ材料の製造方法。
  5. 前記エネルギーは、VUVであることを特徴とする請求項4記載のn型半導体カーボンナノ材料の製造方法。
  6. カーボンナノ材料を用いた半導体装置の製造方法において、
    チャネル領域に半導体性を有するカーボンナノ材料を形成する工程と、
    形成された前記カーボンナノ材料の表面で、電子供与性基となる官能基を有する物質を含むガス状物質から解離して前記官能基のラジカルを発生させ、前記ラジカルと前記カーボンナノ材料と反応させ、前記カーボンナノ材料に前記官能基を共有結合させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記カーボンナノ材料が、カーボンナノチューブ、またはカーボンナノリボン、あるいはグラフェンシートおよびその積層体であることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
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