JP2007177231A - 高分子系材料及びそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子系材料及びそれを用いた高分子発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光や燐光の化合物を含む高分子材料で、発光素子に用いたとき低電圧で駆動でき、発光効率、発光色の色調等実用性に優れる発光素子を与えられる高分子材料の提供。
【解決手段】式(1)で示される化合物の残基を含む高分子(A)又は該(A)の構造と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)又は該(B)の構造とを含む高分子系材料。(式中、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表し、A環、B環及びC環の一つ又は二つは非芳香族環である。)
Figure 2007177231

【選択図】なし

Description

本発明は、高分子系材料及びそれを用いた高分子発光素子に関するものである。
高分子量の発光材料は低分子量のそれとは異なり、溶媒に可溶で塗布法により発光素子における発光層を形成できることから種々検討されている。
その例として、発光層に用いる発光材料として、共役系高分子と蛍光又は燐光を示す化合物を含有する高分子材料が研究されている(非特許文献1及び特許文献1参照)。
Material Chemistry and Physics93、2005年、95−99頁 特開2003−73480号
しかしながら、上記の高分子材料を用いた高分子発光素子は、発光効率が低い、又は駆動電圧が高い、発光色の色調が未だ十分でない等、実用的には、その性能が不十分であった。
本発明の目的は、蛍光又は燐光を示す化合物を含有する高分子材料であって、それを発光素子に用いたとき、低電圧で駆動でき、その発光効率、発光色の色調等、実用性に優れる発光素子を与えることができる高分子材料を提供することにある。
即ち本発明は、以下の通りである。
[1]下記式(1)で示される化合物の残基を含む高分子(A)又は該(A)の構造と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)又は該(B)の構造とを含むことを特徴とする高分子系材料。
Figure 2007177231

(式中、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表し、Z、Z、Z、Z、及びZはそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を表し、Qは置換基又は水素原子を表し、zは0又は1を表し、A環とB環はZ以外の環の原子を共有していてもよく、A環、B環及びC環の一つ又は二つは非芳香族環である。)
[2]前記高分子(A)と前記分子(B)とを含む組成物である[1]記載の高分子系材料。
[3]前記高分子(A)が、下記式(1−1)〜(1−3)のいずれか一つで示される繰り返し単位を含む[1]又は[2]記載の高分子系材料。
Figure 2007177231

(式中、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表し、Z、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を表し、Qは置換基又は水素原子を表し、zは0又は1を表し、A環とB環はZ以外の環の原子を共有していてもよく、また、各環の置換基同士が結合して、さらに環を形成していてもよく、A環、B環、及びC環のうち、結合手を持たない環の1つ以上が非芳香族環である。)
[4]上記式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)において、A環、B環、及びC環の骨格を形成する原子が全て炭素原子である[3]記載の高分子系材料。
[5]前記式(1−1)で示される繰り返し単位が、下記式(2−1)で示される繰り返し単位である[3]又は[4]に記載の高分子系材料。
Figure 2007177231

(式中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、D環は置換基を有していてもよい非芳香族環を表し、aは0〜2の整数を表し、bは0〜3の整数を表し、R及びRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。また、R及び/又はRとD環は結合して環を形成していてもよく、Q及びzは前記と同じ意味を表す。)
[6]前記式(2−1)で示される繰り返し単位が、下記式(3−1)で示される繰り返し単位である[3]又は[4]に記載の高分子系材料。
Figure 2007177231

(式中、R、R、D環、Q、z、a及びbは前記と同じ意味を表す。)
[7]前記式(3−1)で示される繰り返し単位が、下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)及び(4−4)で示される構造から選ばれる[6]記載の高分子系材料。
Figure 2007177231

Figure 2007177231

(式中、R1a、R1b、R2a〜R2c及びR3a〜R3gはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。式(4−1)〜(4−3)において、R2cとR3gは互いに結合して環を形成してもよい。式(4−4)において、R2cとR3eは互いに結合して環を形成していてもよい。)
[8]さらに下記式(5)、式(6)、式(7)又は式(8)で示される繰り返し単位を含む[1]〜[7]のいずれか一項に記載の高分子系材料。
Figure 2007177231

(式中、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。X、X及びXは、それぞれ独立に、−CR=CR10−、−C≡C−、−N(R11)−、又は−(SiR1213−を表す。
及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基又は置換アミノ基を示す。ffは1又は2を表す。mは1〜12の整数を表す。R、R10、R11、R12及びR13がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
[9]前記(A)の構造と前記(B)の構造とを同一分子内に含む高分子である[1]及び[3]〜[8]のいずれか一項に記載の高分子系材料。
[10]前記(A)の構造の高分子の主鎖に、前記(B)の構造を有する、[9]記載の高分子系材料。
[11]前記(A)の構造の高分子の側鎖に、前記(B)の構造を有する、[9]記載の高分子系材料。
[12]上記高分子(A)の末端に、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)を有する、[9]記載の高分子系材料。
[13]前記(B)の構造の分子が金属錯体である[9]〜[12]のいずれか一項に記載の高分子系材料。
[14]さらに正孔輸送材料及び電子輸送材料から選ばれる少なくとも1種類の材料を含む[1]〜[13]いずれか一項に記載の高分子系材料。
[15]前記分子(B)又は前記(B)の構造が、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体のいずれかである有機金属錯体である[1]〜[14]のいずれか一項に記載の高分子系材料。
[16]前記分子(B)又は前記(B)の構造が金属錯体で、該金属錯体の中心金属がW、Re、Os、Ir、Pt、Au、Ru、Rh、Pd、Ag、Ni、Cu、若しくはZnのいずれかであり、金属に配位する原子が少なくとも1つは炭素原子であり、かつすべての配位子が置換基を有する芳香環からなる有機金属錯体である、[1]〜[14]のいずれか一項に記載の高分子系材料。
[17]前記分子(B)又は前記(B)の構造が、下記構造のいずれかを部分構造とする配位子を少なくとも1つ有する金属錯体である、[16]記載の高分子系材料。
Figure 2007177231

(上記中、Mは中心金属、環は置換基を有していてもよい、5員環、6員環又はこれらを含有する縮合環を表す。)
[18][1]〜[17]のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする液状組成物。
[19]粘度が25℃において1〜20mPa・sである[18]記載の液状組成物。
[20][1]〜[17]のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする発光性薄膜。
[21][1]〜[17]のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする導電性薄膜。
[22][1]〜[17]のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする有機半導体薄膜。
[23]陽極及び陰極からなる電極間に、[1]〜[17]のいずれか一項に記載の高分子系材料を含む層を有することを特徴とする発光素子。
[24]陽極及び陰極からなる電極間にさらに電荷輸送層及び電荷阻止層を含む[22]記載の発光素子。
[25][23]又は[24]に記載の発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
[26][23]又は[24]に記載の発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
[27][23]又は[24]に記載の発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
[28][23]又は[24]に記載の発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
[29][23]又は[24]に記載の発光素子を用いたことを特徴とする照明。
上記高分子系材料は、上記高分子(A)と上記分子(B)とを含む組成物であるか、又は上記(A)の構造と上記(B)の構造とを同一分子内に含む高分子であることができる。
本発明の高分子系材料は、発光素子の材料として用いた場合、素子性能に優れた発光素子を与える。
以下、本発明における高分子系材料について説明する。
本発明の高分子系材料は、下記式(1)で示される化合物の残基を含む高分子(A)と、可視域に蛍光又は燐光を示す材料(B)とを含む組成物であるか、又は該(A)の構造と該(B)の構造とを同一分子内に含む高分子である高分子系材料であり、これを発光層に用いた高分子発光素子は、その発光効率、発光色の色調等の素子性能において優れる。
本発明の高分子系材料における、高分子(A)及び該(A)の構造について説明する。
高分子(A)又は該(A)の構造は、下記式(1)で示される化合物の残基を含むことを特徴とする。
Figure 2007177231

式(1)において、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表す。
芳香族環としては、環構造中にπ電子が4n+2個含まれるものが挙げられる。具体的には、ベンゼン環、シクロデカンペンタエン環等の芳香族炭化水素環;フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、などの芳香族複素環が挙げられる。
非芳香族環としては、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプタン環、シクロヘプテン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロオクタン環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、シクロオクタトリエン環、シクロオクタテトラエン環、シクロノナン環、シクロノネン環、シクロノナンジエン環、シクロノナントリエン環、シクロデカン環、シクロデセン環、シクロデカンジエン環、シクロデカントリエン環、シクロデカンテトラエン環、シクロドデカン環、シクロドデセン環、シクロドデカンジエン環、シクロドデカントリエン環、シクロドデカンテトラエン環、シクロドデカンペンタエン環、シクロウンデカン環、シクロウンデセン環、シクロウンデカンジエン環、シクロウンデカントリエン環、シクロウンデカンテトラエン環、シクロウンデカンペンタエン環、シクロウンデカンヘキサエン環などの脂環式環;ピラン環、チオピラン環、などの非芳香族性の複素環が挙げられる。
芳香族環又は非芳香族環が置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基がさらに好ましい。
ここに、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度であり、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度であり、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度であり、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。C〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。C〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
〜C12アルキルフェノキシ基として具体的には、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
アリールチオ基は、炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度であり、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基が好ましい。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度であり、好ましくは炭素数3〜48である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピリシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
アミド基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが例示される。
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基が挙げられ、炭素数が4〜20程度であり、具体的には以下に示す基などが例示される。
Figure 2007177231
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環の骨格を形成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、下記構造が示される。
Figure 2007177231

Figure 2007177231

Figure 2007177231

Figure 2007177231

上記式において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。
中でも、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが好ましく、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基がさらに好ましい。
置換カルボキシル基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基をいい、炭素数が通常2〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
上記式(1)中Z、Z、Z、Z、及びZはそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を表し、Qは、置換基又は水素原子を表し、zは0又は1を表す。
Qにおける置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基及びニトロ基等が挙げられ、その定義具体例等は、前記のそれらと同様である。
A環とB環はZ以外の環の原子を共有していてもよく、A環、B環及びC環の一つ以上二つ以下は非芳香族環である。
好ましくは、A環とB環がZ以外に1つの環の原子を共有している場合である。また、非芳香族環が一つの場合が好ましい。
また、本発明の高分子化合物は繰り返し単位として下記式(1−1)〜(1−3)で示される繰り返し単位を含むことが好ましい。
Figure 2007177231

(式中、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表し、Z、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を表し、Qは置換基又は水素原子を表し、zは0又は1を表し、A環とB環はZ以外の環の原子を共有していてもよく、また、各環の置換基同士が結合して、さらに環を形成していてもよく、A環、B環、及びC環のうち、結合手を持たない環の1つ以上が非芳香族環である。)
式(1−1)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

Figure 2007177231

等及びこれらが置換基を有するものが挙げられる。
式(1−2)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

これらが置換基を有するものが挙げられる。
式(1−3)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

これらが置換基を有するものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−3)で示される繰り返し単位の中で、電荷輸送性を調整する観点から、A環、B環及びC環の骨格を形成する原子が全て炭素原子であることが好ましい。
高分子化合物の溶解性を高める観点、発光波長を調整する観点、電荷輸送性を調整する観点から、A環、B環、C環のいずれかが置換基を有していることが好ましい。
さらに、電荷輸送性の観点からは、上記式(1−1)及び(1−2)で示される構造の繰り返し単位が好ましく、合成のしやすさの観点から、上記式(1−1)で示される構造がさらに好ましい。
さらに、上記式(1−1)が下記式(2−1)であることがより好ましい。
Figure 2007177231

(式中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、D環は置換基を有していてもよい非芳香族環を表し、aは0〜2の整数を表し、bは0〜3の整数を表し、R及びRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。また、R及び/又はRとD環は結合して環を形成していてもよく、Q及びzは前記と同じ意味を表す。)
上記式(2−1)を含む繰り返し単位が、下記式(3−1)で示される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2007177231

(式中、R、R、D環、Q、z、a及びbは前記と同じ意味を表す。)
式(3−1)で示される繰り返し単位の中で、電荷輸送性を調整する観点から、下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)及び(4−4)で示されるものがさらに好ましい。
Figure 2007177231

(式中、R1a、R1b、R2a〜R2c及びR3a〜R3gは置換基を表す。式(4−1)〜(4−3)において、R2cとR3gは互いに結合して環を形成してもよい。式(4−4)において、R2cとR3eは互いに結合して環を形成していてもよい。)
互いに結合して形成される環としては、芳香族環、非芳香族環等が挙げられ、その具体例等は、前記に記載と同様である。
なお、式(4−1)〜(4−3)の単位は、式(3−1)でz=1の場合に含まれ、
式(4−4)の単位は、式(3−1)でz=0の場合に含まれる。
上記式(4−1)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

が挙げられる。
式(4−2)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

が挙げられる。
式(4−3)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

が挙げられる。
上記式(4−4)で示される繰り返し単位の具体例としては、
Figure 2007177231

Figure 2007177231

が挙げられる。
式中、Meはメチル基、Etはエチル基をそれぞれ表す。
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(3−1)、(4−1)、(4−2)、(4−3)及び(4−4)で示される構造である繰り返し単位の合計は、本発明の高分子化合物が有する全繰り返し単位の合計の通常1モル%以上100モル%以下であり、5モル%以上100モル%以下であることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(3−1)、(4−1)、(4−2)、(4−3)及び(4−4)で示される繰り返し単位に加え、それ以外の繰り返し単位を1種類以上含む共重合体が好ましい。
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(3−1)、(4−1)、(4−2)、(4−3)及び(4−4)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、下記式(5)、式(6)、式(7)又は式(8)で示される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2007177231

式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリーレン基又は2価の複素環基を示す。X、X及びXは、それぞれ独立に、−CR=CR10−、−C≡C−、−N(R11)−、又は−(SiR1213−を示す。R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基又は置換アミノ基を示す。ffは1又は2の整数を示す。mは1〜12の整数を示す。R、R10、R11、R12及びR12がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下記式1〜3)、ナフタレンジイル基(下記式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下記式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下記式20〜25)、フルオレン−ジイル基(下記式36〜38)、ターフェニル−ジイル基(下記式26〜28)、縮合環化合物基(下記式29〜35)、スチルベン−ジイル(下記式A〜D),ジスチルベン−ジイル(下記式E及びF)などが例示される。
中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
また、Ar、Ar、Ar及びArにおける2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環の骨格を形成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基:ピリジン−ジイル基(下記式39〜44)、ジアザフェニレン基(下記式45〜48)、キノリンジイル基(下記式49〜63)、キノキサリンジイル基(下記式64〜68)、アクリジンジイル基(下記式69〜72)、ビピリジルジイル基(下記式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下記式76〜78)など。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下記式79〜93)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(下記式94〜98)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下記式99〜108)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下記式109〜112)。
ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下記式113〜119)。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基(下図記120〜125)。
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
上記の式1〜125において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。また、式1〜132の基が有する炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
さらに、上記式(5)、(6)、(7)、及び(8)で示される繰り返し単位の中では、下記式(9)、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、及び式(14)で示される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2007177231

(式中、R14は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。nは0〜4の整数を示す。R14が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2007177231

(式中、R15及びR16は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。o及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。R15及びR16がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2007177231

(式中、R17及びR20は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。q及びrはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。R17及びR20が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2007177231

(式中、R21は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。sは0〜2の整数を示す。Ar13及びAr14は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。ss及びttはそれぞれ独立に0又は1を示す。
は、O、S、SO、SO、Se、又はTeを示す。R21が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2007177231

(式中、R22及びR25は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。t及びuはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。Xは、O、S、SO、Se、Te、N−R24、又はSiR2526を示す。X及びXは、それぞれ独立にN又はC−R27を示す。R24、R25、R26及びR27はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基を示す。R22、R23及びR27が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
式(11)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。
Figure 2007177231

(式中、R28及びR33は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。v及びwはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R29、R30、R31及びR36は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。Arはアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。R28及びR33が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
また上記式(6)で示される繰り返し単位の中で、下記式(15)で示される繰り返し単位が、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点からも好ましい。
Figure 2007177231

(式中、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を示す。Ar10、Ar11及びAr12はそれぞれ独立にアリール基又は1価の複素環基を示す。Ar、Ar、Ar、Ar、及びAr10は置換基を有していてもよい。x及びyはそれぞれ独立に0又は1を示し、0≦x+y≦1である。)
上記式(15)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下の式133〜140で示されるものが挙げられる。
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
上記式においてRは、前記式1〜132のそれと同じである。
溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
上記式においてRがアルキルを含む置換基においては、高分子化合物の溶媒への溶解性を高めるために、1つ以上の環状又は分岐のあるアルキルが含まれることが好ましい。
さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
上記式(15)で示される繰り返し単位において、発光波長を調節する観点、素子特性等の観点から、Ar、Ar、Ar及びArがそれぞれ独立にアリーレン基であり、Ar10、Ar11及びAr12がそれぞれ独立にアリール基を示すことが好ましい。
Ar、Ar、Arは、それぞれ独立に、無置換のフェニレン基、無置換のビフェニル基、無置換のナフチレン基、無置換のアントラセンジイル基であることが好ましい。
Ar10、Ar11及びAr12としては、溶解性、発光効率、安定性の観点から、それぞれ独立に、3つ以上の置換基を有するアリール基が好ましく、Ar10、Ar11及びAr12が置換基を3つ以上有するフェニル基、3つ以上の置換基を有するナフチル基又は3つ以上の置換基を有するアントラニル基であることがより好ましく、Ar10、Ar11及びAr12が置換基を3つ以上有するフェニル基であることがさらに好ましい。
中でも、Ar10、Ar11及びAr12が、それぞれ独立に下記式(15−1)であることが好ましい。
Figure 2007177231

(式中、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す。)
前記式(15)で示される繰り返し単位において、Arが下記式(15−2)又は(15−3)であることが好ましい。
Figure 2007177231

(ここで、(15−2)、及び(15−3)で示される構造に含まれるベンゼン環は、それぞれ独立に1個以上4個以下の置換基を有していてもよい。それら置換基は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。また、複数の置換基が連結して環を形成していてもよい。さらに、該ベンゼン環に隣接して他の芳香族炭化水素環又は複素環が結合していてもよい。)
上記式(15)で示される繰り返し単位として、特に好ましい具体例としては、以下の(式141〜142)で示されるものが挙げられる。
Figure 2007177231

(式中、Re〜Rgは前述の通りである。)
上記式においてRe〜Rgは、前記式1〜132のそれと同じである。溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
上記式においてRがアルキル鎖を含む置換基においては、高分子化合物の溶媒への溶解性を高めるために、1つ以上に環状又は分岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。
さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
なお、本発明の高分子化合物は、発光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)、及び式(5)〜式(15)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、これらの繰り返し単位や他の繰り返し単位が、非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、及び以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。
Figure 2007177231
本発明の高分子(A)の中では、上記式(1−1)で示される繰り返し単位のみからなるもの、及び/又は(1−2)で示される繰り返し単位のみからなるもの、及び/又は(1−3)で示される繰り返し単位のみからなるもの、実質的に上記式(1−1)及び/又は(1−2)及び/又は(1−3)と上記式(5)〜(15)で示される繰り返し単位の1以上とからなるものが好ましい。
次に本発明の高分子(A)の製造方法について説明する。
本発明の高分子化合物のなかで、例えば、式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)で示される繰り返し単位を有するものは、下記式(16−1)、(16−2)及び(16−3)
Figure 2007177231

(式中、A環、B環、C環、及びZ〜Zは前述の通り。Y、Y、Y、Y、Y及びYはそれぞれ独立に重合に関与する置換基を表す。)
で示される化合物を原料の一つとして用いて重合を行うことで製造することができる。
式(16−1)で示される化合物の中で、式(17−1)で示される化合物が好ましい。
Figure 2007177231

(式中、R、R、a、b、D環、Q、z、Y及びYは前記と同じ意味を表す。)
式(17−1)で示される化合物の中では、式(18−1)、(18−2)、(18−3)及び(18−4)で示される構造がさらに好ましい。
Figure 2007177231
また、式(16−2)で示される化合物の中で、式(17−2)で示される化合物が好ましい。
Figure 2007177231

(式中、B環、C環、Z、Z、Z、Y及びYは前記と同じ意味を表す。Z、Z及びZはそれぞれ独立にC−(Q)z又は窒素原子を示す。Z1a、Z5a及びZはそれぞれ独立に炭素原子を示す。Q、及びzは前記と同じ意味を表す。Rは置換基を示す。eは0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよく、R同士が結合して環を形成していてもよい。)
また、式(16−3)で示される化合物の中で、式(17−3)で示される化合物が好ましい。
Figure 2007177231

(式中、A環、B環、Z、Z、Z、Y及びYは前記と同じ意味を表す。Z10、Z11、Z12及びZ13はそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を示す。Z2a及びZ3aはそれぞれ独立に炭素原子を示す。Q、及びzは前記と同じ意味を表す。Rは置換基を示す。fは0〜2の整数を示す。Rが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよく、R同士が結合して環を形成していてもよい。)
本発明の製造方法において、重合に関与する置換基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)、ホルミル基、シアノ基、ビニル基等が挙げられる。
ここに、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。重合度を向上させる観点からは、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが例示される。
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2007177231

式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHMe、−CHPh
(Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPh(Xはハロゲン原子を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPO(OR’)(Xはハロゲン原子を示し、R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
重合に関与する置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒又はパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホネート基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、−B(OH)などが挙げられる。
特に、式(4−1)の繰り返し単位を有する高分子化合物は、式(4−2)〜(4−4)の繰り返し単位を有する高分子化合物を、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、又はこれらを混合した貴金属を活性炭上に担持させた触媒によって水素化しても得ることができる。
逆に、式(4−2)〜(4−4)の繰り返し単位を有する高分子化合物は、式(4−1)の繰り返し単位を有する高分子化合物を2、3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1、4−ベンゾキノン(DDQ)や、塩基条件下で臭素化テトラブチルアンモニウムを用いて酸化することによっても得ることができる。
また、本発明の高分子化合物が、式(1−1)又は式(1−2)又は式(1−3)以外の繰り返し単位を有する場合には、式(1−1)又は式(1−2)又は式(1−3)以外の繰り返し単位となる、2個の重合に関与する置換基を有する化合物を共存させて重合を行えばよい。
上記式(16−1)、(16−2)又は(16−3)で示される化合物に加えて、下記式(19)〜(22)のいずれかで示される化合物を原料として用いることができる。
Figure 2007177231

(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、ff、X、X及びXは前記と同じである。Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y13、Y14はそれぞれ独立に重合可能な置換基を示す。)
上記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で示される単位に加えて、順に上記式(5)、(6)、(7)又は(8)の単位を1つ以上有する高分子化合物を製造することができる。
また、上記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、上記式(15)に対応する2個の重合に関与する置換基を有する化合物としては、下記式(15−7)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007177231

(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10、Ar11、Ar12、x及びyは前記と同じ。Y15及びY16はそれぞれ独立に重合に関与する置換基を示す。)
さらに好ましくは、式(15−8)又は式(15−9)で示される化合物である。
Figure 2007177231

(式中、Re〜Rgは前述の通りである。Y17、Y18、Y19、Y20はそれぞれ独立に重合に関与する置換基を示す。)
次に、本発明の高分子(A)の製造方法について説明する。
本発明の高分子(A)は、具体的には、モノマーとなる、縮合重合に関与する置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で重合することにより製造することができる。
例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley & Sons,Inc.),1965年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley & Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
本発明の高分子(A)の製造方法において、重合を行う方法としては、上記式(16−1)〜(16−3)及び(22)〜(25)で表される化合物の重合に関与する置換基に応じて、既知の重合反応を用いる。
本発明の高分子化合物の重合による製造において、二重結合が生成する場合は、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、又はホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重合、スルホニウムメチル基を2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重合、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
本発明の高分子化合物が重合によって主鎖に三重結合を生成する場合には、例えば、Heck反応、Sonogashira反応が利用できる。
また、二重結合や三重結合が生成しない場合には、例えば該当するモノマーをSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、又は適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、及びSuzukiカップリング反応による重合、Grignard反応による重合、ニッケルゼロ価錯体による重合が、構造制御がしやすいので好ましい。
本発明の製造方法の中で、式(16−1)、(16−2)、(16−3)、(17−1)、(17−2)、(17−3)、(18−1)、(18−2)、(18−3)及び(18−4)から選ばれる1種類を、単独で、又は式(19)〜(22)から選ばれる少なくとも1種類と共に重合する際に、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18、Y19、及びY20がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基であり、ニッケルゼロ価錯体存在下で縮合重合を行う製造方法が好ましい。
原料化合物としては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物あるいはハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。
また、本発明の製造方法の中で、式(16−1)、(16−2)、(16−3)、(17−1)、(17−2)、(17−3)、(18−1)、(18−2)、(18−3)及び(18−4)から選ばれる1種類を単独で、又は式(19)〜(22)から選ばれる少なくとも1種類と共に重合する際に、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17、Y18、Y19、及びY20が、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、−B(OH)、又はホウ酸エステル基であり、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計と、−B(OH)及びホウ酸エステル基のモル数の合計の比が実質的に1(通常K/Jは0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル又はパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法が好ましい。
具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物又はビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物又はジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。
また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物が挙げられる。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示され、単一溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いてもよい。これらの中で、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがさらに好ましい。
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
本発明の高分子化合物を高分子LED等に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
本発明の高分子化合物の原料として有用な(16−1)〜(16−3)、(17−1)〜(17−3)及び(18−1)〜(18−4)は、上記式のY〜Yを水素原子に置き換えた構造の化合物を臭素化することによって得られる。
特に、式(18−1)の構造の化合物は、式(18−2)〜(18−4)の構造を有する化合物を、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、又はこれらを混合した貴金属を活性炭上に担持させた触媒によって水素化を行っても得ることができる。
逆に、式(18−2)〜(18−4)の構造を有する化合物は、式(18−1)の構造を有する化合物を2、3−ジクロロ−5、6−ジシアノ−1、4−ベンゾキノン(DDQ)や、塩基条件下で臭素化テトラブチルアンモニウムを用いて酸化することによっても得ることができる。
また、本発明の高分子は、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光又はりん光の量子収率の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりも、ブロック性を帯びたランダム共重合体やブロック又はグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも本発明の高分子に含まれる。
また、本発明の高分子(A)の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明の高分子においてはその分子鎖末端の少なくとも一方が、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基又は式量90以上のアリール基から選ばれる芳香族末端基であることが好ましい。この芳香族末端基は1種類でも2種類以上であってもよい。芳香族末端基以外の末端基は、蛍光特性や素子特性の観点から、全末端の30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、実質的に存在しないことがより好ましい。ここで、分子鎖末端とは、本発明の製造方法により高分子化合物の末端に存在する芳香族末端基、重合に用いた単量体の脱離基であって重合時に脱離しないで高分子化合物の末端に存在する脱離基、高分子化合物の末端に存在する単量体において重合体の脱離基が外れたものの芳香族末端基が結合しないで代わりに結合したプロトンを言う。これらの分子鎖末端のうち、重合に用いた単量体の脱離基であって重合時に脱離しないで高分子化合物の末端に存在する脱離基、例えば、原料としてハロゲン原子を有する単量体を用いて本発明の高分子化合物を製造する場合等には、ハロゲンが高分子化合物末端に残っていると蛍光特性等が低下する傾向があるため、末端には単量体の脱離基が実質的に残っていないことが好ましい。
高分子化合物においてはその分子鎖末端の少なくとも一方を、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基又は式量90以上のアリール基から選ばれる芳香族末端基で封止することにより、高分子化合物にさまざまな特性を付加できることが期待される。具体的には、素子の輝度低下に要する時間を長くする効果、電荷注入性、電荷輸送性、発光特性等を高める効果、共重合体間の相溶性や相互作用を高める効果、アンカー的な効果等などが挙げられる。
1価の芳香族アミン基としては、前記式(15)の構造において2個有する結合手のうちの1つをRで封止した構造が例示される。
複素環配位金属錯体から誘導される1価の基としては、前述の金属錯体構造を有する2価の基において2個有する結合手のうちの1つをRで封止した構造が例示される。
本発明の高分子化合物が有する芳香族末端基のなかで、式量90以上のアリール基としては、炭素数は通常6〜60程度である。ここにアリール基の式量とは、アリール基を化学式で表したときに、該化学式中の各元素について、それぞれの元素の原子数に原子量を乗じたものの和をいう。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレン構造を有する基、縮合環化合物基などが挙げられる。
末端を封止するフェニル基としては、例えば
Figure 2007177231

が挙げられる。
末端を封止するナフチル基としては、例えば、
Figure 2007177231

が挙げられる。
アントラセニル基としては、例えば、
Figure 2007177231

が挙げられる。
フルオレン構造を含む基としては、例えば、
Figure 2007177231

が挙げられる。
縮合環化合物基としては、例えば、
Figure 2007177231

が挙げられる。
電荷注入性、電荷輸送性を高める末端基としては、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、縮合環化合物基が好ましく、1価の複素環基、縮合環化合物基がより好ましい。
発光特性を高める末端基としては、ナフチル基、アントラセニル基、縮合環化合物基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基が好ましい。
素子の輝度低下に要する時間を長くする効果がある末端基としては、置換基を有するアリール基が好ましく、アルキル基を1〜3個有するフェニル基が好ましい。
高分子化合物間の相溶性や相互作用を高める効果がある末端基としては、置換基を有するアリール基が好ましい。また、炭素数6以上のアルキル基が置換したフェニル基を用いることによりアンカー的な効果を奏することができる。アンカー効果とは末端基がポリマーの凝集体に対してアンカー的な役割をし、相互作用を高める効果をいう。
素子特性を高める基としては、下記構造が好ましい。
Figure 2007177231

Figure 2007177231

式中のRは前述のRが例示される。
本発明の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は通常10〜10程度であり、好ましくは10〜10である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は10〜10であり、好ましくは10〜5×10である。
次に、本発明の高分子材料における、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)及び該(B)の構造について説明する。
可視域に蛍光を示す分子としては、低分子化合物の蛍光性材料、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが挙げられる。
可視域に燐光を示す分子としては、中心金属が遷移金属やランタノイドである金属錯体が挙げられ、
また、前記分子(B)又は前記(B)の構造が金属錯体で、該金属錯体の中心金属がW、Re、Os、Ir、Pt、Au、Ru、Rh、Pd、Ag、Ni、Cu、若しくはZnのいずれかであり、金属に配位する原子が少なくとも1つは炭素原子であり、かつすべての配位子が置換基を有する芳香環からなる有機金属錯体であることが好ましい。
また、前記分子(B)又は前記(B)の構造が、下記構造のいずれかを部分構造とする配位子を少なくとも1つ有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2007177231

(上記中、Mは中心金属、環は置換基を有していてもよい、5員環、6員環又はこれらを含有する縮合環を表す。)以下、燐光を示す分子の例を示す。
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231
Figure 2007177231

(上記化合物中のRaは、一部がフッ素で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリーレン基、ハロゲン基を表し、同一化合物の中で複数のRaは同一でも異なっていてもよい。)
そのほかに、Nature,(1998),395,151、Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4、Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.(2001),4105(Organic Light−Emitting Materials and DevicesIV),119、J.Am.Chem.Soc.,(2001),123,4304、Appl.Phys.Lett.,(1997),71(18),2596、Syn.Met.,(1998),94(1),103、Syn.Met.,(1999),99(2),1361、Adv.Mater.,(1999),11(10),852、Jpn.J.Appl.Phys.,34,1883(1995)、WO0141512、WO03033617、04−2有機EL研究会予稿集(2004)、WO2005/103195A1、情報科学用有機材料第142委員会C部会第1回研究会資料64頁(平成16年6月16日)、光電相互変換第125委員会EL分科会(第30回)情報科学用有機材料第142委員会C部会(有機光エレクトロニクス)(第10回)合同研究会資料17−26頁などに記載されている公知のものが例示される。
なお、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造とは、可視域に蛍光又は燐光を示す分子の化学構造を意味する。
可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造は、本発明の高分子(A)の分子構造内に含まれるか、又は分子(B)が高分子(A)と共に組成物の成分として含まれていてもよく、本発明の高分子系材料の態様としては、
(ア)高分子(A)と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)とを含む組成物である高分子系材料。
(イ)高分子(A)の構造と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を同一分子内に有する高分子を含む高分子系材料が挙げられる。
(イ)としては、例えば、高分子(A)の主鎖に可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を有する高分子を含む高分子系材料;高分子(A)の末端に可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を有する高分子を含む高分子系材料;高分子(A)の側鎖に可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を有する高分子を含む高分子系材料;等が挙げられる。
上記(ア)における、高分子(A)と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の量、上記(イ)における、高分子(A)の構造と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造の量は、組み合わせる高分子(A)の種類や、最適化したい特性により異なるので、特に限定されないが、高分子(A)又は該(A)の構造の量を100重量部としたとき、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)又は該(B)の構造は通常0.01〜80重量部、好ましくは0.1〜60重量部である。
上記(イ)の態様である高分子の例としては、一般式(1)で示される部分構造を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10であり、その側鎖、主鎖、及び/又は末端に燐光性発光材料を有するものが挙げられる。
高分子(A)の側鎖に可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を有する高分子構造はたとえば下式で示される。
Figure 2007177231

〔式中Ar18は、二価の芳香族基、または、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、リン原子、ホウ素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子からなる群から選ばれる原子を一つ以上有する二価の複素環基を表し、該Ar18は、−L−Xで示される基1個以上4個以下を有し、Xは三重項励起状態からの発光を示す一価の基を表し、Lは、単結合、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−SO−、−SO−、−SiR6869−、NR70−、−BR71−、−PR72−、−P(=O)(R73)−、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、置換されていてもよいアルキニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、または置換されていてもよい2価の複素環基を表し、該アルキレン基、該アルケニレン基、該アルキニレン基が−CH−基を含む場合、該アルキレン基に含まれる−CH−基の一つ以上、該アルケニレン基に含まれる−CH−基の一つ以上、該アルキニレン基に含まれる−CH−基の一つ以上がそれぞれ、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−SO−、−SO−、−SiR7475−、NR76−、−BR77−、−PR78−、−P(=O)(R79)−からなる群から選ばれる基と置き換えられていてもよい。R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基およびシアノ基からなる群より選ばれる基を示す。Ar18は、−L−Xで示される基以外にさらにアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい。nは1〜4の整数を表す。Ar18が複数の置換基を有する場合、それらは同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。〕
ここで、2価の芳香族基とは、フェニレン、ピリジニレン、ピリミジレン、ナフチレン、あるいは上記一般式(1)であらわされるような環が例としてあげられる。
高分子(A)の主鎖に、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を有する高分子構造は、例えば、下式で示される。
Figure 2007177231

〔式中L、Lは燐光性発光性分子の構造を示し、式中の2価または3価の結合基は、燐光性発光性分子の構造が高分子主鎖を形成する繰り返し単位と結合している。〕
高分子(A)の末端に、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を有する高分子の構造は、例えば、下式で示される。
Figure 2007177231

〔式中Lは燐光性化合物(B)の構造を含む一価の基を表し、1価の結合基は、燐光性化合物(B)材料が有していて、Xと結合している。Xは単結合、置換されていてもよいアルケニレン基、置換されていてもよいアルキニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、または置換されていてもよい2価の複素環基を表す。〕
可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)の構造を側鎖、主鎖、末端に有する高分子は、例えば、該(B)の構造を有する単量体を、原料の一つとして用いて、前記の方法を用いて製造することができる。
本発明の高分子系材料は、さらに正孔輸送材料及び電子輸送材料から選ばれる少なくとも1種類の材料を含んでいてもよい。
正孔輸送材料としては、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体など、これまで有機EL素子に正孔輸送材料として使われているようなものが挙げられる。電子輸送材料としては、同様にこれまで有機EL素子に電子輸送材料として使われているような、オキサジアゾール誘導体アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体が挙げられる。
本発明の高分子系材料と正孔輸送材料と混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子系材料と電子輸送材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子系材料と正孔輸送材料及び/又は電子輸送材料を混合する場合にはその混合物全体に対して本発明の高分子系材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送材料と電子輸送材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、本発明の高分子系材料の含有量は99wt%〜20wt%である。
混合する正孔輸送材料、電子輸送材料は、上記で例示した公知の低分子化合物又は高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。高分子化合物の正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体が例示される。
次に本発明の液状組成物について説明する。
本発明の高分子系材料は、特に液状組成物として高分子発光素子等の発光素子の作製に有用である。液状組成物は、本発明の高分子系材料(組成物及び高分子化合物)が必要に応じて溶媒を含んでなるものである。本明細書において、「液状組成物」とは、素子作製時において液状であるものを意味し、典型的には、常圧(即ち、1気圧)、25℃において液状のものを意味する。また、液状組成物は、一般的には、インク、インク組成物、溶液等と呼ばれることがある。
高分子発光素子の作製の際に、この液状組成物(例えば、溶液状態の組成物等)を用いて成膜する場合、該液状組成物を塗布した後、乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用できるので、製造上非常に有利である。なお、乾燥の際には、50〜150℃程度に加温した状態で乾燥してもよく、また、10−3Pa程度に減圧して乾燥させてもよい。
液状組成物を用いた成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
液状組成物中の溶媒の割合は、該液状組成物の全重量に対して、通常、1重量%〜99.9重量%であり、好ましくは60重量%〜99.9重量%であり、さらに好ましく90重量%〜99.8重量%である。液状組成物の粘度は印刷法によって異なるが、25℃において0.5〜500mPa・sの範囲が好ましく、インクジェットプリント法等液状組成物が吐出装置を経由するものの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において0.5〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。また、前記式(1−1)、(1−2)で表される繰り返し単位を含む重合体及び燐光発光を示す化合物の重量の和、又は前記高分子化合物の重量が、液状組成物から溶媒を除いた全成分の合計重量に対して、通常は20重量%〜100重量%であり、好ましくは40重量%〜100重量%である。
液状組成物に含まれる溶媒としては、該液状組成物中の該溶媒以外の成分を溶解又は分散できるものが好ましい。該溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルベンゾエート、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの溶媒は、1種単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。前記溶媒のうち、ベンゼン環を少なくとも1個以上含む構造を有し、かつ融点が0℃以下、沸点が100℃以上である有機溶媒を1種類以上含むことが、粘度、成膜性等の観点から好ましい。
溶媒の種類としては、液状組成物中の溶媒以外の成分の有機溶媒への溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等の観点から、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メシチレン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、メチルベンゾエート、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトンが好ましく、キシレン、アニソール、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシルメチルベンゾエートのうち少なくとも1種類を含むことがより好ましい。
液状組成物に含まれる溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
液状組成物に2種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、1種類の溶媒は沸点が180℃以上のものであり、他の1種類の溶媒は沸点が180℃以下のものであることが好ましく、1種類の溶媒は沸点が200℃以上のものであり、他の1種類の溶媒は沸点が180℃以下のものであることがより好ましい。また、粘度の観点から、60℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶媒に溶解することが好ましく、2種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶解することが好ましい。
液状組成物に3種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1〜2種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、3種類の溶媒のうちの少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であり、少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることが好ましく、3種類の溶媒のうちの少なくとも1種類の溶媒は沸点が200℃以上300℃以下の溶媒であり、少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、3種類の溶媒のうちの2種類の溶媒には、60℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶媒に溶解することが好ましく、3種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶媒に溶解することが好ましい。
液状組成物に2種類以上の溶媒が含まれる場合、粘度及び成膜性の観点から、最も沸点が高い溶媒が、液状組成物に含まれる全溶媒の重量の40〜90重量%であることが好ましく、50〜90重量%であることがより好ましく、65〜85重量%であることがさらに好ましい。
液状組成物に含まれる溶媒としては、粘度及び成膜性の観点から、アニソール及びビシクロヘキシルの組み合わせ、アニソール及びシクロヘキシルベンゼンの組み合わせ、キシレン及びビシクロヘキシルの組み合わせ、キシレン及びシクロヘキシルベンゼンの組み合わせ、メシチレン及びメチルベンゾエートの組み合わせが好ましい。
液状組成物に含まれる溶媒以外の成分の溶媒への溶解性の観点から、溶媒の溶解度パラメータと、本発明の組成物に含まれる重合体又は本発明の高分子化合物の溶解度パラメータとの差が10以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。これらの溶解度パラメータは、「溶剤ハンドブック(講談社刊、1976年)」に記載の方法で求めることができる。
次に本発明の高分子系材料の用途について説明する。
本発明の高分子系材料は、通常は、固体状態で蛍光又は燐光を発し、高分子発光体(高分子量の発光材料)として用いることができる。
また、該高分子系材料は優れた電荷輸送能を有しており、高分子発光素子用材料や電荷輸送材料として好適に用いることができる。該高分子系材料を用いた高分子発光素子は低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子発光素子である。従って、該高分子発光素子は液晶ディスプレイのバックライト、又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
また、本発明の高分子系材料はレーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いることができる。
さらに、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
次に、本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の高分子系材料を含むことを特徴とする。
有機層は、発光層、正孔輸送層、電子輸送層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料を含んでいてもよい。
本発明の高分子発光素子が有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
高分子LED作製の際に、本発明の高分子材料を用いることにより、溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
本発明の発光素子としては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた発光素子、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた発光素子、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた発光素子等が挙げられる。
陽極及び陰極からなる電極間に、さらに電荷輸送層及び/又は電荷阻止層を有することもできる。
上記発光素子としては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子LED、発光層と陰極の間に正孔阻止層を設けた高分子LED等が挙げられる。ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。また、電荷阻止層とは、正孔又は電子を発光層に閉じ込める機能を有する層を意味し、電子を輸送し、かつ正孔を閉じ込める層を正孔阻止層、正孔を輸送し、かつ電子を閉じ込める層を電子阻止層と呼ぶ。
また、上記少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けた高分子LED;少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して平均膜厚2nm以下のバッファー層を設けた高分子LEDも本発明の発光素子の例として挙げられる。
具体的には、以下のa)〜e)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/発光層/正孔阻止層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
本発明の発光素子としては、本発明の高分子材料が正孔輸送層及び/又は電子輸送層に含まれているものも含む。
本発明の高分子材料が正孔輸送層に用いられる場合には、本発明の高分子材料が正孔輸送性基を含む高分子化合物であることが好ましく、その具体例としては、芳香族アミンとの共重合体、スチルベンとの共重合体などが例示される。
また、本発明の高分子材料が電子輸送層に用いられる場合には、本発明の高分子材料が電子輸送性基を含む高分子化合物であることが好ましく、その具体例としては、オキサジアゾールとの共重合体、トリアゾールとの共重合体、キノリンとの共重合体、キノキサリンとの共重合体、ベンゾチアジアゾールとの共重合体などが例示される。
本発明の発光素子が正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
また、低分子化合物の正孔輸送材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の発光素子が電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた発光素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10以下がより好ましく、10−5S/cm以上10以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10−5S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
通常本発明の高分子LEDが有する陽極及び陰極の少なくとも一方が透明又は半透明である。陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策を採ることが好ましい。
本発明の高分子LEDは面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
本発明の高分子材料は、有機半導体薄膜として高分子電界効果トランジスタとしても用いることができる。高分子電界効果トランジスタの構造としては、通常は、ソース電極及びドレイン電極が高分子からなる活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていればよい。
高分子電界効果トランジスタは、通常は支持基板上に形成される。支持基板の材質としては電界効果トランジスタとしての特性を阻害しなければ特に制限されないが、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
電界効果トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。
活性層を形成する際に、有機溶媒可溶性の高分子を用いることが製造上非常に有利であり好ましい。高分子を有機溶剤に溶解した溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法を用いることができる。
高分子電界効果トランジスタを作成後、封止してなる封止高分子電界効果トランジスタが好ましい。これにより、高分子電界効果トランジスタが、大気から遮断され、高分子電界トランジスタの特性の低下を抑えることができる。
封止する方法としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiON膜などでカバーする方法、ガラス板やフィルムをUV硬化樹脂、熱硬化樹脂などで張り合わせる方法などが挙げられる。大気との遮断を効果的に行うため高分子電界効果トランジスタを作成後封止するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中など)行うことが好ましい。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(数平均分子量及び重量平均分子量)
ここで、数平均分子量及び重量平均分子量については、GPC(島津製作所製:LC−10Avp(商品名))によりポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。測定する重合体は、約0.5wt%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(商品名、東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(商品名、東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A(商品名))を用いた。
実施例1
下記高分子1にイリジウム錯体Aを2wt%添加した混合物の、1.8wt%トルエン溶液を調製した。
高分子1
Figure 2007177231

イリジウム錯体A
Figure 2007177231
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、BaytronP(商品名))を用いてスピンコートにより50nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で200℃で10分間乾燥した。次に、上記調製したトルエン溶液を用いてスピンコートにより2500rpmの回転速度で成膜した。膜厚は約80nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極バッファー層として、LiFを約4nm、陰極として、カルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、EL素子を作製した。なお真空度が、1×10−4Pa以下に到達したのち、金属の蒸着を開始した。
得られた素子に電圧を引加することにより、620nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.62、y=0.30であり、非常に良好な赤色を示した。また該素子は4.1Vから発光開始が見られた。最大発光効率は2.9cd/Aと高い効率を示した。
なお、高分子1は下記のように合成して得た。
化合物A(0.557g)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.096g)、及び2,2’−ビピリジル(0.548g)を、脱水したテトラヒドロフラン140mLに溶解した後、アルゴンでバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(0.965g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール140mL/イオン交換水140mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、トルエン40mlに溶解させた。溶解後、溶液にラヂオライト1.6gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムに通して精製を行った。次に5.2%塩酸水80mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて4%アンモニア水80mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約80mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール160mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物1と呼ぶ)の収量は0.33gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.6x10、Mw=8.7x10であった。
<化合物Aの合成>
Figure 2007177231

(化合物A)
アルゴン置換した反応容器に化合物A5.8g(18mmol)と酢酸:ジクロロメタン=1:1の混合溶媒115mlを入れ、室温で撹拌し溶かした。続いて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム14g(36mmol)を入れ、撹拌しながら塩化亜鉛を三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムが完全に解けるまで加えた。反応をHPLCで追跡しつつ、適宜三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムと塩化亜鉛を加えた。反応終了後、反応液をクロロホルムと水で分液し、有機層を抽出し、2回水洗後、炭酸カリウム水溶液で中和した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製後、エタノール:ヘキサン=10:1混合溶媒から再結晶し、化合物Bを白色の粉末として5.08g得た。
MS(APPI(+))476(M
H−NMR(300MHz/CDCl)δ7.53〜7.43(4H,m)、7.33(1H,d)、2.90〜2.84(2H,m)、2.33〜2.22(2H,m)、2.05〜1.96(1H,m)、1.83〜1.64(2H,m)、1.32〜1.05(13H,m)、0.85〜0.81(3H,m)
<N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミンの合成>
Figure 2007177231

不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド350mlを入れ、N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン5.2gを溶解した後、氷浴下でN−ブロモスクシンイミド3.5g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、一昼夜反応させた。
反応液に水150mlを加え、析出した沈殿をろ過し、メタノール50mlで2回洗浄し白色の固体4.4gを得た。
H−NMR(300MHz/THF−d8):
δ(ppm)=1.3〔s,18H〕、2.0〔s,12H〕、6.6〜6.7〔d,4H〕、6.8〜6.9〔br,4H〕、7.1〔s,4H〕、7.2〜7.3〔d,4H〕
MS(FD)M738
イリジウム錯体Aは、WO03・040256A2に記載の方法に準じて合成した。
本発明は、蛍光又は燐光を示す化合物を含有する高分子材料であって、それを発光素子に用いたとき、低電圧で駆動でき、その発光効率、発光色の色調等、実用性に優れる発光素子を与えることができる高分子材料を提供する。

Claims (29)

  1. 下記式(1)で示される化合物の残基を含む高分子(A)又は該(A)の構造と、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)又は該(B)の構造とを含むことを特徴とする高分子系材料。
    Figure 2007177231

    (式中、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表し、Z、Z、Z、Z、及びZはそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を表し、Qは置換基又は水素原子を表し、zは0又は1を表し、A環とB環はZ以外の環の原子を共有していてもよく、A環、B環及びC環の一つ又は二つは非芳香族環である。)
  2. 前記高分子(A)と前記分子(B)とを含む組成物である請求項1記載の高分子系材料。
  3. 前記高分子(A)が、下記式(1−1)〜(1−3)のいずれか一つで示される繰り返し単位を含む請求項1又は2記載の高分子系材料。
    Figure 2007177231

    (式中、A環、B環及びC環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環又は非芳香族環を表し、Z、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立に、C−(Q)z又は窒素原子を表し、Qは置換基又は水素原子を表し、zは0又は1を表し、A環とB環はZ以外の環の原子を共有していてもよく、また、各環の置換基同士が結合して、さらに環を形成していてもよく、A環、B環、及びC環のうち、結合手を持たない環の1つ以上が非芳香族環である。)
  4. 上記式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)において、A環、B環、及びC環の骨格を形成する原子が全て炭素原子である請求項3記載の高分子系材料。
  5. 前記式(1−1)で示される繰り返し単位が、下記式(2−1)で示される繰り返し単位である請求項3又は4に記載の高分子系材料。
    Figure 2007177231

    (式中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、D環は置換基を有していてもよい非芳香族環を表し、aは0〜2の整数を表し、bは0〜3の整数を表し、R及びRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。また、R及び/又はRとD環は結合して環を形成していてもよく、Q及びzは前記と同じ意味を表す。)
  6. 前記式(2−1)で示される繰り返し単位が、下記式(3−1)で示される繰り返し単位である請求項3又は4に記載の高分子系材料。
    Figure 2007177231

    (式中、R、R、D環、Q、z、a及びbは前記と同じ意味を表す。)
  7. 前記式(3−1)で示される繰り返し単位が、下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)及び(4−4)で示される構造から選ばれる請求項6記載の高分子系材料。
    Figure 2007177231

    Figure 2007177231

    (式中、R1a、R1b、R2a〜R2c及びR3a〜R3gはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。式(4−1)〜(4−3)において、R2cとR3gは互いに結合して環を形成してもよい。式(4−4)において、R2cとR3eは互いに結合して環を形成していてもよい。)
  8. さらに下記式(5)、式(6)、式(7)又は式(8)で示される繰り返し単位を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の高分子系材料。
    Figure 2007177231

    (式中、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。X、X及びXは、それぞれ独立に、−CR=CR10−、−C≡C−、−N(R11)−、又は−(SiR1213−を表す。
    及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基又は置換アミノ基を示す。ffは1又は2を表す。mは1〜12の整数を表す。R、R10、R11、R12及びR13がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
  9. 前記(A)の構造と前記(B)の構造とを同一分子内に含む高分子である請求項1及び3〜8のいずれか一項に記載の高分子系材料。
  10. 前記(A)の構造の高分子の主鎖に、前記(B)の構造を有する、請求項9記載の高分子系材料。
  11. 前記(A)の構造の高分子の側鎖に、前記(B)の構造を有する、請求項9記載の高分子系材料。
  12. 上記高分子(A)の末端に、可視域に蛍光又は燐光を示す分子(B)を有する、請求項9記載の高分子系材料。
  13. 前記(B)の構造の分子が金属錯体である請求項9〜12のいずれか一項に記載の高分子系材料。
  14. さらに正孔輸送材料及び電子輸送材料から選ばれる少なくとも1種類の材料を含む請求項1〜13いずれか一項に記載の高分子系材料。
  15. 前記分子(B)又は前記(B)の構造が、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体のいずれかである有機金属錯体である請求項1〜14のいずれか一項に記載の高分子系材料。
  16. 前記分子(B)又は前記(B)の構造が金属錯体で、該金属錯体の中心金属がW、Re、Os、Ir、Pt、Au、Ru、Rh、Pd、Ag、Ni、Cu、若しくはZnのいずれかであり、金属に配位する原子が少なくとも1つは炭素原子であり、かつすべての配位子が置換基を有する芳香環からなる有機金属錯体である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の高分子系材料。
  17. 前記分子(B)又は前記(B)の構造が、下記構造のいずれかを部分構造とする配位子を少なくとも1つ有する金属錯体である、請求項16記載の高分子系材料。
    Figure 2007177231

    (上記中、Mは中心金属、環は置換基を有していてもよい、5員環、6員環又はこれらを含有する縮合環を表す。)
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする液状組成物。
  19. 粘度が25℃において1〜20mPa・sである請求項18記載の液状組成物。
  20. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする発光性薄膜。
  21. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする導電性薄膜。
  22. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の高分子系材料を含有することを特徴とする有機半導体薄膜。
  23. 陽極及び陰極からなる電極間に、請求項1〜17のいずれか一項に記載の高分子系材料を含む層を有することを特徴とする発光素子。
  24. 陽極及び陰極からなる電極間にさらに電荷輸送層及び電荷阻止層を含む請求項22記載の発光素子。
  25. 請求項23又は24に記載の発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  26. 請求項23又は24に記載の発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  27. 請求項23又は24に記載の発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  28. 請求項23又は24に記載の発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
  29. 請求項23又は24に記載の発光素子を用いたことを特徴とする照明。
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