JP2014001349A - 組成物、高分子化合物およびそれらを用いた発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な組成物および高分子化合物を提供する。
【解決手段】以下の組成物および高分子化合物に関する:アリーレン基または2価の複素環基を有するジアミン化合物からなる構成単位(1)と、置換基を有するアリーレン基または2価の複素環基を有する化合物からなる構成単位(2)と、を含む高分子化合物(A)と、フラーレンもしくはフラーレン誘導体、アズレンもしくはアズレン誘導体、またはスチルベンもしくはスチルベン誘導体である化合物(B)を含む第一の組成物;高分子化合物(A)と、フラーレン、フラーレン誘導体、アズレン、アズレン誘導体、スチルベンおよびスチルベン誘導体を含む構成単位(c−1)を含む高分子化合物(C)とを含む第二の組成物;構成単位(1)、(2)および構成単位(c−1)を含む高分子化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、高分子化合物、有機薄膜、不溶化有機薄膜および発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」という)に用いる高分子化合物として、例えば、アリールアミンから誘導された下記の繰り返し単位を含む高分子化合物(特許文献1)、および、特定位置に置換基を有する下記のフェニレン基を繰り返し単位として含む高分子化合物(特許文献2)が知られている。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
特開2004−143419号公報 特開2010−189630号公報
しかしながら、上記の高分子化合物を用いた発光素子は、その輝度寿命が必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な組成物および高分子化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、当該組成物または高分子化合物を含む有機薄膜、不溶化薄膜および発光素子を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下の組成物、高分子化合物、当該組成物または高分子化合物を含む有機薄膜、不溶化有機薄膜および発光素子を提供する。
〔1〕式(1)で表される構成単位(1)と、式(2)で表される構成単位(2)と、を含む高分子化合物(A)と、
フラーレンもしくはフラーレン誘導体、式(3)で表されるアズレンもしくはアズレン誘導体、または、式(4)で表されるスチルベンもしくはスチルベン誘導体である化合物(B)と、を含む組成物。
Figure 2014001349
[式中、
Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar2およびAr4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる群から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基である。
1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2およびR3はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合していてもよく、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(Ra1)−または−C(Ra12−を介して結合していてもよい。Ra1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ra1が複数個存在する場合、各々のRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
xおよびyは、それぞれ独立に、0または1である。]
Figure 2014001349
[式中、
Ar5は、R4以外の置換基を有していてもよいアリーレン基またはR4以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。R4が複数個存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は、Ar5を構成する炭素原子のうち、他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に、直接結合している基である。
aは1以上の整数である。]
Figure 2014001349
[式中、
xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のRは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。]
Figure 2014001349
[式中、
nは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRnは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Ar6およびAr7は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ar6およびAr7はそれぞれ、隣接するRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
〔2〕化合物(B)の含有量(合計含有量)は、高分子化合物(A)に含まれる全構成単位のモル数および化合物(B)のモル数の合計に対して、0.001〜50モル%である、上記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記式(1)で表される構成単位(1)と、前記式(2)で表される構成単位(2)と、を含む高分子化合物(A)と、
フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位、前記式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位、および、前記式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である構成単位(c−1)を含む高分子化合物(C)と、を含む組成物。
〔4〕高分子化合物(C)に含まれる構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、高分子化合物(A)および高分子化合物(C)に含まれる全構成単位に対して、0.001〜50モル%である、上記〔3〕に記載の組成物。
〔5〕フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位が、式(5−1)で表される構成単位である、上記〔3〕または〔4〕に記載の組成物。
Figure 2014001349
[式中、
Ar8は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基、または、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar14は、置換基を有していてもよいアリーリジン基または置換基を有していてもよい3価の複素環基である。
7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリーレン基、または、これらを組み合わせた2価の基である。
5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基である。
環Fはフラーレンである。
qは1〜4の整数である。pは0又は1である。
7が複数個存在する場合、各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar14が複数個存在する場合、各々のAr14は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5が複数個存在する場合、各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。R6が複数個存在する場合、各々のR6は互いに同一であっても異なっていてもよい。pが複数個存在する場合、各々のpは互いに同一であっても異なっていてもよい。環Fが複数個存在する場合、各々の環Fは互いに同一であっても異なっていてもよい。pが0のとき、R5で置換されている炭素原子とR6で置換されている炭素原子は直接結合していない。]
〔6〕式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位が、式(12−1)で表される構成単位である、上記〔3〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の組成物。
Figure 2014001349
[式中、Rxは、前記と同義である。]
〔7〕式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位が、式(7a)で表される構成単位、式(7b)で表される構成単位および式(7c)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の組成物。
Figure 2014001349
[式中、
nおよびAr7は、前記と同義である。
Ar9は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基または1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。]
Figure 2014001349
[式中、
nは、前記と同義である。
Ar9’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。各々のAr9’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar9’はRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
Figure 2014001349
[式中、
n、Ar7およびAr9’は、前記と同義である。
n’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar9’はRn’と直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
〔8〕式(1)で表される構成単位(1)は、式(1a)で表される構成単位である、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の組成物。
Figure 2014001349
[式中、
9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
9aが複数個存在する場合、各々のR9aは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9bが複数個存在する場合、各々のR9bは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9cが複数個存在する場合、各々のR9cは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyは、式(1)のAr1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyと、それぞれ同義である。
h、iおよびjは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。]
〔9〕Ar1およびAr3が、置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
Ar2またはAr4が、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニリレン基および置換基を有していてもよいフルオレンジイル基からなる群から選ばれる1種の基である、上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔10〕Ar5が、フェニレン基またはフルオレンジイル基である、上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔11〕高分子化合物(A)は、架橋基を有する構成単位をさらに含む、上記〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔12〕高分子化合物(C)は、架橋基を有する構成単位をさらに含む、上記〔3〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔13〕架橋基が、式(Q−1)で表される基である、上記〔11〕または〔12〕に記載の組成物。
Figure 2014001349
[式中、ベンゾシクロブテンは、置換基を有していてもよい。]
〔14〕上記式(1)で表される構成単位(1)と、
上記式(2)で表される構成単位(2)と、
フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位、上記式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位、および、上記式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である構成単位(c−1)と、を含む高分子化合物。
〔15〕構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.001〜50モル%である、上記〔14〕に記載の高分子化合物。
〔16〕フラーレンもしくはフラーレン誘導体を含む構成単位が、上記式(5−1)で表される構成単位である、上記〔14〕または〔15〕に記載の組成物。
〔17〕式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位が、上記式(12−1)で表される構成単位である、上記〔14〕〜〔16〕のいずれか一項に記載の高分子化合物。
〔18〕式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位が、上記式(7a)で表される構成単位、上記式(7b)で表される構成単位および上記式(7c)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である、上記〔14〕〜〔17〕のいずれか一項に記載の高分子化合物。
〔19〕式(1)で表される構成単位(1)は、上記式(1a)で表される構成単位である、上記〔14〕〜〔18〕のいずれか一項に記載の高分子化合物。
〔20〕Ar1およびAr3が、置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
Ar2またはAr4が、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニリレン基および置換基を有していてもよいフルオレンジイル基からなる群から選ばれる1種の基である、上記〔14〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の高分子化合物。
〔21〕Ar5が、フェニレン基またはフルオレンジイル基である、上記〔14〕〜〔20〕のいずれか一項に記載の高分子化合物。
〔22〕高分子化合物は、架橋基を有する構成単位をさらに含む、上記〔14〕〜〔21〕のいずれか一項に記載の高分子化合物。
〔23〕架橋基が、上記式(Q−1)で表される基である、上記〔22〕に記載の高分子化合物。
〔24〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の組成物または上記〔14〕〜〔23〕のいずれか一項に記載の高分子化合物と、溶媒と、を含む液状組成物。
〔25〕上記〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の組成物または上記〔14〕〜〔23〕のいずれか一項に記載の高分子化合物を含む、有機薄膜。
〔26〕上記〔25〕に記載の有機薄膜を、不溶化させた、不溶化有機薄膜。
〔27〕上記〔25〕に記載の有機薄膜または上記〔26〕に記載の不溶化有機薄膜を備える、発光素子。
〔28〕上記〔25〕に記載の有機薄膜または上記〔26〕に記載の不溶化有機薄膜が、正孔輸送層である、上記〔27〕に記載の発光素子。
本発明によれば、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な組成物および高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、当該組成物または高分子化合物を含む有機薄膜、不溶化有機薄膜および発光素子を提供することができる。
<用語の説明>
以下、本明細書において共通して用いられる用語について、必要に応じて例を挙げて説明する。
「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Ph」はフェニル基を示し、「t−Bu」および「tBu」は、tert−ブチル基を示し、「n−Bu」は、ノルマルブチル基を示し、「n−Hex」はノルマルヘキシル基を示し、「n−Oct」はノルマルオクチル基を、示し示す。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。「繰り返し単位」とは、高分子化合物中に2個以上存在する単位を意味する。
「Cx〜Cy」(x、yはx<yを満たす正の整数である。)とは、この用語の直後に記載された官能基名に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。すなわち、「Cx〜Cy」の直後に記載された有機基が、複数の官能基名を組み合わせて命名された有機基(例えば、Cx〜Cyアルコキシフェニル基)である場合、複数の官能基名のうち「Cx〜Cy」の直後に記載された官能基名(例えば、アルコキシ)に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。例えば、「C1〜C12アルキル基」は炭素原子数が1〜12個であるアルキル基を意味し、「C1〜C12アルコキシフェニル基」は「炭素原子数が1〜12個であるアルコキシ基」を有するフェニル基を意味する。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、その直後に記載された化合物または基を構成する水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよいことを意味する。別途明確な記載のない限り、前記置換基としては、例えば、下記の置換基が挙げられる。一方、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30のヒドロカルビル基、炭素原子数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、および、炭素原子数1〜30のヒドロカルビルメルカプト基が挙げられ、これらの中でも、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基、炭素原子数1〜18のヒドロカルビルオキシ基、または、炭素原子数1〜18のヒドロカルビルメルカプト基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のヒドロカルビル基、または、炭素原子数1〜12のヒドロカルビルオキシ基がより好ましく、ハロゲン原子、または、炭素原子数1〜12のヒドロカルビル基が特に好ましい。置換基の数は1個または複数個であり、置換基が複数個の場合には各置換基は同じであっても異なっていてもよい。
本明細書における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、イミン残基、アミド化合物残基、酸イミド残基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基およびシアノ基が挙げられる。これらの基は、上記から選ばれる置換基をさらに有していてもよい。
「アルキル基」は、置換基を有していてもよく、アルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基および環状アルキル基(シクロアルキル基)のいずれであってもよい。直鎖状アルキル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。分岐状アルキル基および環状アルキル基のの炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜12である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基およびドデシル基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルコキシ基、分岐状アルコキシ基および環状アルコキシ基(シクロアルコキシ基)のいずれであってもよい。直鎖状アルコキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。分岐状アルコキシ基および環状アルコキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜12である。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基およびドデシルオキシ基が挙げられる。
「アルキルチオ基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキルチオ基、分子鎖状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基)のいずれであってもよい。直鎖状アルキルチオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜12である。分岐状アルキルチオ基および環状アルキルチオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜12である。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基およびドデシルチオ基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合した水素原子1個を除いた残りの原子団である。アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基は、ベンゼン環を有する基および縮合環を有する基のいずれであってもよい。アリール基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基およびフルオレニル基(例えば、2−フルオレニル基)、ナフチレン基が挙げられる。
「アリールオキシ基」は、−O−Ar50で表される基(Ar50は、置換基を有していてもよいアリール基である。)であり、アリールオキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、2−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基および2−フルオレニルオキシ基が挙げられる。
「アリールチオ基」は、−S−Ar60で表される基(Ar60は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)であり、アリールチオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、1−アントラセニルチオ基、2−アントラセニルチオ基、9−アントラセニルチオ基および2−フルオレニルチオ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルケニル基、分岐状アルケニル基および環状アルケニル基のいずれであってもよい。直鎖状アルケニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10である。分岐状アルケニル基および環状アルケニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10である。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基および1−オクテニル基が挙げられる。
「アルキニル基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキニル基、分岐状アルキニル基および環状アルキニル基のいずれであってもよい。直鎖状アルキニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10である。分岐状アルキニル基および環状アルキニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10である。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基および1−オクチニル基が挙げられる。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよい。「置換アミノ基」は、置換基を有するアミノ基を意味し、好ましくはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基からなる群から選ばれる1個または2個の置換基で置換されたアミノ基である。該置換基はさらに置換基(以下、有機基の有する置換基が、さらに有する置換基を、「二次置換基」ということがある。)を有していてもよい。置換アミノ基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜60、より好ましくは2〜48、さらに好ましくは2〜40である。
置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ビス(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、ビス(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジニルアミノ基、ピラジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基および2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
「シリル基」は、置換基を有していてもよい。「置換シリル基」は、置換基を有するシリル基を意味し、好ましくはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基からなる群から選ばれる1個〜3個の置換基で置換されたシリル基である。該置換基は二次置換基を有していてもよい。置換シリル基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは1〜60、より好ましくは3〜48、さらに好ましくは3〜40である。
置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基およびジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
置換シリルオキシ基とは、置換シリル基に酸素原子が結合した基である。置換シリルオキシ基としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリ−iso−プロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基およびジメチルフェニルシリルオキシ基が挙げられる。
置換シリルチオ基とは、置換シリル基に硫黄原子が結合した基である。置換シリルチオ基としては、例えば、トリメチルシリルチオ基、トリエチルシリルチオ基、トリプロピルシリルチオ基、トリ−iso−プロピルシリルチオ基、tert−ブチルジメチルシリルチオ基、トリフェニルシリルチオ基、トリ−p−キシリルシリルチオ基、トリベンジルシリルチオ基、ジフェニルメチルシリルチオ基、tert−ブチルジフェニルシリルチオ基およびジメチルフェニルシリルチオ基が挙げられる。
置換シリルアミノ基とは、アミノ基の水素原子の1または2個が置換シリル基で置換された基である。置換シリルアミノ基としては、例えば、トリメチルシリルアミノ基、トリエチルシリルアミノ基、トリプロピルシリルアミノ基、トリ−iso−プロピルシリルアミノ基、tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、トリフェニルシリルアミノ基、トリ−p−キシリルシリルアミノ基、トリベンジルシリルアミノ基、ジフェニルメチルシリルアミノ基、tert−ブチルジフェニルシリルアミノ基、ジメチルフェニルシリルアミノ基、ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(トリエチルシリル)アミノ基、ジ(トリプロピルシリル)アミノ基、ジ(トリ−iso−プロピルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ基、ジ(トリフェニルシリル)アミノ基、ジ(トリ−p−キシリルシリル)アミノ基、ジ(トリベンジルシリル)アミノ基、ジ(ジフェニルメチルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジフェニルシリル)アミノ基およびジ(ジメチルフェニルシリル)アミノ基が挙げられる。
「アリールアルケニル基」は、置換基を有していてもよい。アリールアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは8〜20であり、より好ましくは8〜15である。アリールアルケニル基としては例えばスチリル基が挙げられる。
「アリールアルキニル基」は、置換基を有していてもよい。アリールアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは8〜20であり、より好ましくは8〜15である。アリールアルキニル基としては例えばフェニルアセチレニル基が挙げられる。
「カルボキシル基」は、置換基を有していてもよい。「置換カルボキシル基」は、置換基を有するカルボキシル基を意味し、好ましくはアルキル基およびアリール基からなる群から選ばれる1個の置換基で置換されたカルボキシル基である。該置換基は二次置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素原子数は、二次置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20である。置換カルボキシル基としては、例えば、メチルエステル構造を有する基、エチルエステル構造を有する基およびブチルエステル構造を有する基が挙げられる。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、フッ素原子が好ましい。
「アシル基」としては、例えば、−C(=O)−R44(R44は、アルキル基、アリール基または1価の複素環基である。)で表される基が挙げられる。アシル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18、さらに好ましくは2〜16である。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基およびベンゾイル基が挙げられる。アシル基が置換基を有している場合、置換基としては例えば、ハロゲン原子が挙げられる。置換基を有するアシル基としては、例えば、トリフルオロアセチル基およびペンタフルオロベンゾイル基が挙げられる。
「アシルオキシ基」としては、例えば、−O−C(=O)−R45(R45は、アルキル基、アリール基または1価の複素環基である。)で表される基が挙げられる。アシルオキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18、さらに好ましくは2〜16である。
アシルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基およびベンゾイルオキシ基が挙げられる。アシルオキシ基が置換基を有している場合、置換基としては例えば、ハロゲン原子が挙げられる。置換基を有するアシルオキシ基としては、例えば、トリフルオロアセチルオキシ基、およびペンタフルオロベンゾイルオキシ基が挙げられる。
「オキシカルボニル基」としては、例えば、−C(=O)−O−R46(R46は、アルキル基、アリール基または1価の複素環基である。)で表される基が挙げられる。オキシカルボニル基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18、さらに好ましくは2〜16である。
「1価の複素環基」は、複素環式化合物の環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団である。1価の複素環基は単環の基であってもよく、縮合環を有する基であってもよい。1価の複素環基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物であり、かつ、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含む化合物である。
1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。1価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物の環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団である。芳香族複素環式化合物としては、例えば、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等のヘテロ原子を含む複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等のヘテロ原子を含む複素環それ自体は芳香族性を示さなくとも、該複素環に芳香環が縮環されている化合物が挙げられる。
「複素環オキシ基」は、−O−Ar70(Ar70は1価の複素環基である。)を意味する。複素環オキシ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
複素環オキシ基としては、例えば、ピリジルオキシ基、ピリダジニルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、ピラジニルオキシ基およびトリアジニルオキシ基が挙げられる。
「複素環チオ基」は、−S−Ar80(Ar80は1価の複素環基である。)を意味する。複素環チオ基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
複素環チオ基としては、例えば、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジニルチオ基、ピラジニルチオ基およびトリアジニルチオ基が挙げられる。
「イミン残基」は、式:H−N=C(R472または式:H−C(R48)=N−R49で表される構造を有するイミン化合物から、該式中の「H」を除いた残基を意味する。式中、R47、R48およびR49は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基または1価の複素環基である。各々のR47は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに連結してそれぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。
イミン残基としては、例えば、以下の各構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2014001349
「アミド化合物残基」は、式:H−N(R50)−C(=O)R51または式:H−C(=O)−N(R522で表される構造を有するアミド化合物から、該式中の「H」を除いた残基を意味する。式中、R50、R51およびR52は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基または1価の複素環基である。各々のR52は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに連結してそれぞれが結合する窒素原子とともに環構造を形成していてもよい。
アミド化合物残基としては、例えば、ホルムアミド残基、アセトアミド残基、プロピオアミド残基、ブチロアミド残基、ベンズアミド残基、トリフルオロアセトアミド残基、ペンタフルオロベンズアミド残基、ジホルムアミド残基、ジアセトアミド残基、ジプロピオアミド残基、ジブチロアミド残基、ジベンズアミド残基、ジトリフルオロアセトアミド残基およびジペンタフルオロベンズアミド残基が挙げられる。
「酸イミド残基」は、酸イミドからその窒素原子に直接結合した水素原子1個を除いて得られる残基を意味する。酸イミド基は、置換基を有していてもよい。酸イミド残基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜16である。
酸イミド残基としては、例えば以下の式で表される基が挙げられる。
Figure 2014001349
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合した水素原子2個を除いた残りの原子団である。アリーレン基は、ベンゼン環を有する基であってもよく、縮合環を有する基であってもよい。アリーレン基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
アリーレン基としては、例えば、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基等のフェニレン基;1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル基等のナフタレンジイル基;1,4−アントラセンジイル基、1,5−アントラセンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基等のアントラセンジイル基;2,7−フェナントレンジイル基等のフェナントレンジイル基;2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基等のジヒドロフェナントレンジイル基;1,7−ナフタセンジイル基、2,8−ナフタセンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基等のナフタセンジイル基;2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基等のフルオレンジイル基;1,6−ピレンジイル基、1,8−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、4,9−ピレンジイル基等のピレンジイル基;および、3,8−ペリレンジイル基、3,9−ペリレンジイル基、3,10−ペリレンジイル基等のペリレンジイル基が挙げられる。
「2価の複素環基」は、複素環式化合物の環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団である。2価の複素環基は単環の基であってもよく、縮合環の基であってよい。2価の複素環基の炭素原子数は、特記しない限り、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜60、より好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。
2価の複素環基としては、2価の芳香族複素環基が好ましい。2価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団である。
2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等のピリジンジイル基;2,6−キノリンジイル基等のキノリンジイル基;1,4−イソキノリンジイル基、1,5−イソキノリンジイル基等のイソキノリンジイル基;5,8−キノキサリンジイル基等のキノキサリンジイル基;2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基等の2,1,3−ベンゾチアジアゾール基;4,7−ベンゾチアゾールジイル基等のベンゾチアゾールジイル基;2,7−ジベンゾシロールジイル基等のジベンゾシロールジイル基;ジベンゾフラン−4,7−ジイル基、ジベンゾフラン−3,8−ジイル基等のジベンゾフランジイル基;および、ジベンゾチオフェン−4,7−ジイル基、ジベンゾチオフェン−3,8−ジイル基等のジベンゾチオフェンジイル基が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアルキル基」としては、置換基を有していないアルキル基および置換基を有するアルキル基が挙げられる。アルキル基が有する置換基は、特記しない限り、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
「置換基を有していてもよいアリール基」としては、置換基を有していないアリール基および置換基を有するアリール基が挙げられる。アリール基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
「置換基を有していてもよい1価の複素環基」としては、置換基を有していない1価の複素環基および置換基を有する1価の複素環基が挙げられる。1価の複素環基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
「置換基を有していてもよいアリーレン基」としては、置換基を有していないアリーレン基および置換基を有するアリーレン基が挙げられる。アリーレン基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
「置換基を有していてもよい2価の複素環基」としては、置換基を有していない2価の複素環基および置換基を有する2価の複素環基が挙げられる。2価の複素環基が有する置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
「置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基」としては、例えば、2,7−ビフェニリレン基、3,6−ビフェニリレン基等のビフェニリレン基のように、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基から選ばれる2個の基が単結合で連結している2価の基が挙げられる。アリーレン基および2価の複素環基が有していてもよい置換基は、特記しない限り、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、複素環オキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であることが好ましい。
以下、本発明の組成物、高分子化合物、有機薄膜、不溶化有機薄膜および発光素子の好適な実施形態について詳細に説明する。
<第一の組成物>
本発明の第一の組成物は、高分子化合物(A)と、化合物(B)と、を含む組成物である。
(高分子化合物(A))
高分子化合物(A)は、式(1)で表される構成単位(1)と、式(2)で表される構成単位(2)と、を含む高分子化合物である。
−式(1)で表される構成単位(1)−
式(1)で表される構成単位(1)について説明する。
Figure 2014001349
式(1)中、
Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar2およびAr4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる群から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基である。
1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2およびR3はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合していてもよく、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(Ra1)−または−C(Ra12−を介して結合していてもよい。Ra1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ra1が複数個存在する場合、各々のRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
xおよびyは、それぞれ独立に、0または1である。
式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましい。このため、前記式(1)で表される構成単位は、式(1a)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014001349
式(1a)中、
9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
9aが複数個存在する場合、各々のR9aは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9bが複数個存在する場合、各々のR9bは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9cが複数個存在する場合、各々のR9cは互いに同一であっても異なっていてもよい。
h、iおよびjは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyは、式(1)のAr1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyと、それぞれ同義である。
式(1a)において、R9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立に、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基である。
式(1a)において、h、iおよびjは、それぞれ独立に、好ましくは、0〜3の整数であり、より好ましくは、1〜3の整数である。
式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4としてのアリーレン基としては、例えば、フェニレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基)、ナフタレンジイル基(例えば、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基)、アントラセンジイル基(例えば、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基)、フェナントレンジイル基(例えば、2,7−フェナントレンジイル基)、ジヒドロフェナントレンジイル基(例えば、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基)、ナフタセンジイル基(例えば、5,12−ナフタセンジイル基)、フルオレンジイル基(例えば、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基)またはペリレンジイル基(例えば、3,8−ペリレンジイル基)を選択することができる。
式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4としての2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基またはジベンゾシロールジイル基を選択することができる。
式(1)において、Ar2およびAr4で表される、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基から選ばれる同一または異なる2以上の基が連結している2価の基としては、例えば、下記式(B−1)、式(B−2)、式(B−3)、式(B−4)、式(B−5)、式(B−6)または式(B−7)で表される基を選択することができ、式(B−1)で表される基であることが好ましい。なお、式(B−1)〜(B−7)で表される各基は置換基を有していてもよい。式(B−1)、式(B−2)および式(B−3)で表される基は、ビフェニリレン基と呼ばれることがある。
Figure 2014001349
式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4としてのアリーレン基および2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、「用語の説明」で挙げた各基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基である。
式(1)において、Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基であり、特に好ましくは式(1b)で表わされる基である。
Figure 2014001349
式(1b)中、
10aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、アルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
各々のR10aは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1b)において、R10aは、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
式(1)において、Ar2およびAr4は、それぞれ独立に、好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる群から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基、または、置換基を有していてもよい同一もしくは異なる2つのアリーレン基が連結している2価の基(該基は、置換基を有していてもよい。)であり、さらに好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニリレン基または置換基を有していてもよいフルオレンジイル基であり、特に好ましくは置換基を有していてもよいフルオレンジイル基であり、とりわけ好ましくは、式(1c)で表される基である。
Figure 2014001349
式(1c)中、
11aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のR11aは互いに同一であっても異なっていてもよい。
12aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
各々のR12aは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
式(1c)において、R11aは、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基である。
式(1c)において、R12aは、好ましくは、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していもよいアルコキシ基または置換基を有していもよいアリール基であり、より好ましくは置換基を有していもよいアルキル基または置換基を有していもよいアリール基であり、さらに好ましくは、2つのR12aの一方は置換基を有していもよいアリール基であり、他方は置換基を有していてもよいアルキル基である。
高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、輝度寿命)がより優れるので、式(1)においけるxおよびyは、x+y=1を満たすことが好ましい。すなわち、x=0かつy=1であるか、または、x=1かつy=0であることが好ましく、x=1かつy=0であることがより好ましい。
式(1)で表される構成単位は、式(9a)、式(9b)、式(9c)または式(9d)で表される構成単位であることが好ましく、式(9c)または式(9d)で表される構成単位であることがより好ましく、式(9c)で表される構成単位であることがさらに好ましい。
Figure 2014001349
式(9a)〜式(9d)中、
41およびR41aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のR41は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。各々のR41aは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
式(9a)〜(9d)において、R41は、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換基を有していてもよいアシル基または置換基を有していてもよいシアノ基であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基である。
式(9c)において、R41aは、好ましくは、水素原子、置換基を有していもよいアルキル基、置換基を有していもよいアルコキシ基または置換基を有していもよいアリール基であり、より好ましくは置換基を有していもよいアルキル基または置換基を有していもよいアリール基であり、さらに好ましくは、2つのR41aの一方は置換基を有していもよいアリール基であり、他方は置換基を有していてもよいアルキル基である。
式(9a)〜(9d)で表される各構成単位は、式(9−001)〜式(9−070)で表わされる各構成単位であることが好ましく、式(9−012)〜(9−059)で表される各構成単位であることがより好ましく、本発明の高分子化合物(A)を含む第一組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるので、(9−020)〜(9−059)で表される各構成単位であることがさらに好ましく、(9−036)〜(9−059)で表される各構成単位であることが特に好ましい。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
高分子化合物(A)は、式(1)で表される構成単位(1)を一つのみ有していてもよいし、二つ以上有していてもよい。高分子化合物(A)が式(1)で表される構成単位(1)を二つ以上有する場合、式(1)で表される構成単位(1)は一種であってもよいし、異なる二種以上であってもよい。
式(1)で表される構成単位の含有量(合計含有量)は、輝度寿命の観点から、高分子化合物(A)中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜50モル%であることが好ましく、1〜49モル%であることがより好ましく、3〜45モル%であることがさらに好ましい。
−式(2)で表される構成単位(2)−
式(2)で表される構成単位(2)について説明する。
Figure 2014001349
式(2)中、
Ar5は、R4以外の置換基を有していてもよいアリーレン基またはR4以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。R4が複数個存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は、Ar5を構成する炭素原子のうち、他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に直接結合している基である。
aは1以上の整数である。
式(2)において、Ar5におけるR4以外の置換基を有していていもよいアリーレン基およびR4以外の置換基を有していていもよい2価の複素環基におけるアリーレン基および2価の複素環基は、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4におけるアリーレン基および2価の複素環基の例および好ましい例と同様である。
式(2)において、R4が結合するAr5を構成する炭素原子は、式(2)で表される構成単位以外の他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子である。
式(2)において、Ar5で表される基は、好ましくはR4以外の置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくはR4以外の置換基を有していてもよいフェニレン基またはR4以外の置換基を有していてもよいフルオレンジイル基であり、さらに好ましくはR4以外の置換基を有していてもよいフルオレンジイル基である。
式(2)において、R4は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換基を有していてもよいアシル基またはシアノ基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基であり、さらに好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。
式(2)において、aは、好ましくは1または2であり、より好ましくは2である。
式(2)で表される構成単位としては、式(10a)〜式(10d)で表される各構成単位が好ましく、式(10a)または式(10c)で表される構成単位であることがより好ましく、本発明の高分子化合物(A)を含む第一組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(10c)で表される構成単位であることがさらに好ましい。
Figure 2014001349
式(10a)〜(10d)中、
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
各々のR14は互いに同一であっても異なっていてもよい。R15が複数個存在する場合、各々のR15は互いに同一であっても異なっていてもよい。隣り合うR14同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよく、隣り合うR15同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよく、隣り合うR14およびR15は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
式(10a)〜(10d)において、R14およびR15は、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよい置換アミノ基、置換基を有していてもよいアシル基またはシアノ基であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、または置換基を有していてもよいアリール基である。
式(10a)〜式(10d)で表される各繰り返し単位において、1つ以上のR14は、R4である。
式(10c)〜式(10d)において、R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のR8は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
式(10c)〜式(10d)において、R8は好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基またはアリール基である。
式(10a)〜(10d)で表される構成単位は、式(10−1)〜(10−117)で表される各構成単位であることが好ましく、式(10−1)〜式(10−18)、式(10−41)〜式(10−117)で表される各構成単位であることがより好ましく、本発明の高分子化合物(A)を含む第一組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(10−59)、式(10−68)〜式(10−74)、式(10−81)、式(10−86)〜式(10−89)、(10−105)〜式(10−117)で表される各構成単位であることがさらに好ましい。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
高分子化合物(A)は、式(2)で表される構成単位(2)を一つのみ有していてもよいし、二種以上有していてもよい。高分子化合物(A)が構成単位(2)を二つ以上有する場合、構成単位(2)は一種であってもよいし、互いに異なる二種以上であってもよい。異なる二種以上の構成単位は、交互に繰り返していてもよいし、それぞれグループにまとまっていてもよいし、ランダムであってもよい。
式(2)で表される構成単位の含有量(合計含有量)は、輝度寿命の観点から、高分子化合物(A)中に含まれる全構成単位に対して、1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、30〜50モル%であることがさらに好ましい。
高分子化合物(A)は、式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位を含んでいればよく、他の構成単位をさらに含んでいてもよい。
―架橋基を有する構成単位―
高分子化合物(A)は、式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位のほかに、架橋基を有する構成単位を含むことが好ましい。これにより、高分子化合物(A)を含む組成物を含有する薄膜を正孔注入層または正孔輸送層として用いて、この上に溶液を塗布して発光層を形成して発光素子を製造する場合に、高分子化合物(A)を含む組成物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換することができる。架橋基を有する構成単位は、架橋基を1つまたは2つ以上含んでいてもよい。架橋基を有する構成単位が2つ以上の架橋基を含む場合、それらは異なる種類の架橋基の組み合わせであってもよい。
〔架橋基〕
架橋基は、通常は1価または2価の架橋基である。架橋基としては例えば、式(Q−1)、(Q−2)および(Q−01)〜(Q−19)で表される各基が挙げられる。これらのうち、原料となるモノマー合成が容易となるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)、(Q−06)〜(Q−19)で表される各基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)および(Q−09)〜(Q−19)で表される各基がより好ましく、式(Q−1)および(Q−2)で表される各基がさらに好ましい。以下、式(Q−1)、式(Q−2)および(Q1−01)〜(Q−19)を順に説明する。
Figure 2014001349
式(Q−1)中、ベンゾシクロブテンは、置換基を有していてもよい。
式(Q−1)におけるベンゾシクロブテンが有していてもよい置換基としては、例えば、水素原子、二次置換基を有していてもよいアルキル基、二次置換基を有していてもよいアルコキシ基、二次置換基を有していてもよいアルキルチオ基、二次置換基を有していてもよいアリール基、二次置換基を有していてもよいアリールオキシ基、二次置換基を有していてもよいアリールチオ基、二次置換基を有していてもよいアミノ基、二次置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、二次置換基を有していてもよいアシル基、二次置換基を有していてもよいアシルオキシ基、二次置換基を有していてもよいイミン残基、二次置換基を有していてもよいカルバモイル基、二次置換基を有していてもよい酸イミド基、二次置換基を有していてもよい1価の複素環基、二次置換基を有していてもよいカルボキシル基、シアノ基およびニトロ基が挙げられる。
式(Q−1)としては、例えば、式(Q−1−1)および(Q−1−2)が挙げられる。原料となるモノマー合成が容易であるため、式(Q−1)は式(Q−1−1)であることが好ましい。
Figure 2014001349
式(Q−1−1)および(Q−1−2)中、
tは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい酸イミド基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、シアノ基またはニトロ基である。各々のRtは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
「*」は結合手を示す。
式(Q−1−1)および(Q−1−2)において、Rtは、原料であるモノマー合成が容易となるため、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基または置換基を有していてもよい1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基であることがより好ましく、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基であることがさらに好ましい。
Figure 2014001349
式(Q−2)中、
nfは、0または1である。
21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基である。
波線の存在する二重結合は、nfの付された括弧で括られた構成単位がE体、Z体、またはE体およびZ体の混合物のいずれでもよいことを意味する。
式(Q−2)において、nfは、原料となるモノマー合成が容易となるため、0が好ましい。
式(Q−2)において、R21、R22、R23、R24およびR25は、正孔輸送性および耐久性の観点から、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、ハロゲン原子またはシアノ基であることが好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
式(Q−01)〜(Q−19)中、
sは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい酸イミド基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、シアノ基またはニトロ基である。Rsが複数個存在する場合、各々のRsは互いに同一であっても異なっていてもよい。
wは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
「*」は結合手を示す。
式(Q−01)、(Q−02)および(Q−04)〜(Q−19)において、Rsは、原料であるモノマー合成が容易となるため、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基または置換基を有していてもよい1価の複素環基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基がより好ましい。
式(Q−01)、(Q−02)、(Q−05)および(Q−06)において、Rwは、原料であるモノマー合成が容易になるため、アリール基で置換されたアルキル基、置換基を有していてもよいアシル基または置換基を有していてもよい1価の複素環基が好ましい。
架橋基を有する構成単位としては、例えば、式(3A)で表される構成単位および式(4A)で表される構成単位が挙げられる。以下、各構成単位を順に説明する。
〔式(3A)で表される構成単位〕
Figure 2014001349
式(3A)中、
bは1〜4の整数である。
Ar10は、置換基を有していてもよい(2+b)価の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい(2+b)価の複素環基である。R20は、単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基またはこれらを組み合わせた2価の基である。R20が複数個存在する場合、各々のR20は互いに同一でも異なっていてもよい。
1は1価の架橋基である。Q1が複数個存在する場合、各々のQ1は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(3A)において、bは、架橋性の観点から、1〜3の整数であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(3A)において、Ar10としての、置換基を有していてもよい(2+b)価の芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常、6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜14である。
式(3A)において、Ar10としての(2+b)価の芳香族炭化水素基は、2価、3価、4価または5価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、3価または4価の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
式(3A)において、Ar10としての「(2+b)価の芳香族炭化水素基」とは、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合した(2+b)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、ベンゼン環を有する基および縮合環を有する基が含まれる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、1−テトラセン、ピレン、ペリレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、クリセンおよびコロネンが挙げられる。高分子化合物(A)の安定性がより優れ、かつ、高分子化合物(A)を用いて製造される発光素子の正孔輸送性がより優れるので、芳香族炭化水素は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、フェナントレンまたはジヒドロフェナントレンが好ましく、ベンゼン、ナフタレンまたはフルオレンがより好ましい。
式(3A)において、Ar10としての置換基を有していてもよい(2+b)価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常、3〜60であり、好ましくは3〜20である。
式(3A)において、Ar10としての(2+b)価の複素環基としては、2価、3価、4価または5価の複素環基であることが好ましく、2価、3価または4価の複素環基であることがより好ましい。
式(3A)において、Ar10としての「(2+b)価の複素環基」とは、複素環式化合物から環を構成する炭素原子に直接結合した(2+b)個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、単環の基、縮合環を有する基を含む。複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアジアゾールおよびジベンゾシロールが挙げられる。
式(3A)において、Ar10で表される(2+b)価の芳香族炭化水素基および(2+b)価の複素環基が有していてもよい置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。
式(3A)において、Ar10は、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性が優れるので、置換基を有していてもよい(2+b)価の芳香族炭化水素基が好ましい。
式(3A)において、R20におけるアルキレン基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよい。原料となるモノマー合成が容易であるため、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状アルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6である。分岐状のアルキレン基および環状アルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常3〜20であり、好ましくは3〜10であり、より好ましくは3〜6である。
式(3A)において、R20におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,3−ブチレン基、1,3−ペンチレン基、1,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、1,4−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,6−オクチレン基、1,8−オクチレン基等が挙げられる。
式(3A)において、R20におけるフェニレン基としては、例えば、o−フェニレン、m−フェニレンおよびp−フェニレンが挙げられる。フェニレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
式(3A)で表される構成単位としては、正孔輸送性および耐久性の観点から、式(3a)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014001349
式(3a)中、
dは1または2である。
20の定義、例および好ましい範囲は、式(3A)におけるR20の定義、例および好ましい範囲と同一である。R20が複数個存在する場合、各々のR20は互いに同一であっても異なっていてもよい。
1は式(3A)におけるQ1と同義である。Q1が複数個存在する場合、各々のQ1は互いに同一でも異なっていてもよい。
30は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい1価の複素環基または置換基を有していてもよい複素環オキシ基である。
式(3a)において、dは、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性がより優れ、かつ、当該組成物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点からは、2であることがより好ましい。
式(3a)において、R30は、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性がより優れるので、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましく、置換基を有するアリール基であることがより好ましく、アルキル基で置換されているアリール基であることがさらに好ましい。
式(3a)において、フルオレン環は、R20およびR30以外の置換基を有していてもよく、該置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。
式(3A)で表される構成単位としては、例えば、式(3−101)〜(3−136)で表される各構成単位が挙げられ、好ましくは、式(3−101)〜(3−111)、(3−113)〜(3−115)、(3−119)および(3−125)〜(3−136)で表される各構成単位が挙げられ、より好ましくは、式(3−101)〜(3−104)、(3−106)〜(3−108)、(3−111)、(3−114)、(3−115)、(3−118)、(3−125)、(3−127)、(3−129)、(3−131)および(3−133)〜(3−135)で表される各構成単位が挙げられ、さらに好ましくは、式(3−103)、(3−104)、(3−111)、(3−115)、(3−125)、(3−131)および(3−133)で表される各構成単位が挙げられる。式中、波線の存在する二重結合は、E体およびZ体のいずれでもよいことを意味する。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
高分子化合物(A)は、架橋基を含む構成単位として、式(3A)で表される構成単位を一種のみ有していてもよいし、上述した式(3A)で表される構成単位のうち異なる複数の構成単位を有していてもよいが、有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換する観点からは、式(Q−1)で表される1価の架橋基を1種以上含むこと、式(Q−2)で表される1価の架橋基を1種以上含むこと、式(Q−1)および式(Q−2)で表される1価の架橋基をそれぞれ1種以上含むことが好ましく、式(Q−1)および式(Q−2)で表される1価の架橋基をそれぞれ1種以上ずつ含むことがより好ましい。
〔式(4A)で表される構成単位〕
次に、式(4A)について説明する。
Figure 2014001349
式(4A)中、
tは0または1である。
Ar11およびAr13は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar12は、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基から選ばれる同一又は異なる2以上の基が連結している2価の基である。
2は1価の架橋基である。
3は1価の架橋基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
式(4A)において、tは、原料であるモノマー合成が容易であり、かつ、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性より優れるため、0であることが好ましい。
式(4A)において、Ar11、Ar12およびAr13で表される基は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基であることが好ましい。これにより、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性をより向上させることができる。
式(4A)において、Ar11、Ar12およびAr13としてのアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基または3,8−ペリレンジイル基を選択することができ、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基または1,6−ピレンジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基がさらに好ましい。
式(4A)において、Ar11、Ar12およびAr13としての2価の複素環基としては、例えば、2,5−ピロールジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基または2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基を選択することができる。
式(4A)において、Ar12における置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基から選ばれる同一又は異なる2以上の基が連結している2価の基としては、式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−5)、(B−6)または(B−7)で表される基であることが好ましく、式(B−1)で表される基であることがより好ましい。なお、式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B−5)、(B−6)および(B−7)で表される基は置換基を有していてもよい。
式(4A)において、Ar11、Ar12およびAr13におけるアリーレン基および2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基およびシアノ基が挙げられ、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。
式(4A)において、Q2で表される1価の架橋基としては、例えば、式(Q−1)、(Q−2)および(Q−01)〜(Q−19)で表される基が挙げられ、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性がより優れるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)および(Q−06)〜(Q−18)からなる群から選ばれる式で表される基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)および(Q−07)〜(Q−18)からなる群から選ばれる式で表される基がより好ましく、式(Q−1)で表される基がさらに好ましい。
式(4A)において、Q3で表される1価の架橋基としては、例えば、式(Q−1)、(Q−2)および(Q−01)〜(Q−19)で表される基が挙げられ、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて製造される発光素子の正孔輸送性および耐久性がより優れるため、式(Q−1)、(Q−2)、(Q−01)、(Q−03)、(Q−04)および(Q−06)〜(Q−18)からなる群から選ばれる式で表される基が好ましく、式(Q−1)、(Q−2)および(Q−07)〜(Q−18)からなる群から選ばれる式で表される基がより好ましく、式(Q−1)で表される基がさらに好ましい。
式(4A)において、Q3としてのアルキル基の定義および例は、「用語の説明」の「アルキル基」の定義および例と同様であるが、好ましくは、C1〜C20アルキル基である。
式(4A)において、Q3としてのアリール基の定義および例は、「用語の説明」の「アリール基」の定義および例と同様であるが、好ましくは、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基または2−フルオレニル基である。
式(4A)において、Q3としての1価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の「1価の複素環基」の定義および例と同様であるが、好ましくは、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基またはキノリル基である。
式(4A)において、Q3は、原料となるモノマー合成が容易になるため、Q1と同様に1価の架橋基であることが好ましい。
式(4A)において、Q3のアルキル基、アリーレン基または2価の複素環基が有していてもよい置換基は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、アシル基またはシアノ基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基またはアリール基である。
式(4A)で表される構成単位としては、例えば、式(4−101)〜(4−105)で表される構成単位が挙げられ、式(4−101)、(4−102)、(4−104)または(4−105)で表される構成単位が好ましく、式(4−101)または(4−102)で表される構成単位がより好ましく、式(4−101)で表される構成単位がさらに好ましい。
Figure 2014001349
高分子化合物(A)が架橋基を有する構成単位を含有する場合、該構成単位の含有量(合計含有量)は、第一の組成物を用いて発光素子を作製する際に、架橋性により優れるので、高分子化合物(A)中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、1〜25モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることがさらに好ましい。
−高分子化合物(A)の構造および性質−
高分子化合物(A)において、各構成単位の存在形態は特に限定されない。同じ種類の構成単位同士が連続して結合していてもよく、また異なる種類の構成単位同士が結合していてもよい。
本発明の高分子化合物(A)を含む第一組成物を用いて製造される発光素子の特性(例えば、発光効率)がより優れるので、高分子化合物(A)は、式(1)で表される構成単位(1)同士が実質的に隣り合わないことが好ましい。また、高分子化合物(A)が式(1)で表される構成単位(1)および式(2)で表される構成単位(2)以外の構成単位(X以下、式(1)で表される構成単位(1)および式(2)で表される構成単位(2)以外の構成単位を、構成単位Xと言うことがある。)を含む場合は、式(1)で表される構成単位(1)同士、構成単位X同士、式(1)で表される構成単位(1)と構成単位Xが、それぞれ、実質的に隣り合わないことが好ましい。つまり、式(1)で表される構成単位(1)および構成単位Xが、式(2)で表される構成単位(2)とそれぞれ隣り合うことが好ましい。
ここで、実質的に隣り合わないとは、全ての構成単位同士の結合の個数に対する式(1)で表される構成単位(1)同士が隣り合う結合の個数の合計が0.05未満であり、全ての構成単位同士の結合の個数に対する構成単位X同士が隣り合う結合の個数の合計が0.05未満であり、全ての構成単位同士の結合の個数に対する式(1)で表される構成単位(1)と構成単位Xが隣り合う結合の個数の合計が0.05未満であることを意味する。
高分子化合物(A)の末端基に重合性基がそのまま残っていると、高分子化合物(A)を含む組成物を用いて作製した発光素子の発光特性または寿命が低下する可能性がある。そのため、高分子化合物(A)の末端基は安定な基であることが好ましい。安定な基としては、例えば、アリール基および1価の複素環基(好ましくは、1価の芳香族複素環基)が挙げられる。
高分子化合物(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×103〜1×107であり、より好ましくは1×104〜5×106である。また、高分子化合物(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1×104〜5×107であり、より好ましくは5×104〜1×107である。
発光素子を製造するための様々なプロセスに対する耐久性が優れ、製造される発光素子の耐熱性が良好となるので、高分子化合物(A)のガラス転移温度は、70℃以上であることが好ましい。
−高分子化合物(A)の合成方法−
以下に高分子化合物(A)の好ましい製造方法を説明する。高分子化合物(A)は、例えば、縮合重合により製造することができる。
縮合重合の方法としては、Suzuki反応により重合する方法(ケミカル レビュー(Chem. Rev.),第95巻,2457頁(1995年))、Grignard反応により重合する方法(共立出版、高分子機能材料シリーズ第2巻、高分子の合成と反応(2)、432〜433頁)、およびNi(0)により重合する方法(プログレス イン ポリマー サイエンス(Prog.Polym.Sci.),第17巻,1153〜1205頁,1992年)などが挙げられる。
式(1)で表される構成単位(1)および上記構成単位Xが、式(2)で表される構成単位と隣り合うように高分子化合物(A)を重合する場合、シーケンスを制御できる重合方法でSuzuki反応により重合する方法が好ましいが、シーケンスを制御できる重合法であればSuzuki反応以外の反応を採用してもよい。
以下、Suzuki反応により重合する方法について説明する。高分子化合物(A)は、例えば、式(1M)で表される化合物と式(2M)で表される化合物とを、または式(3M)で表される化合物と式(4M)で表される化合物とを縮合重合させることにより製造することができる。高分子化合物(A)には、式(1)および式(2)で表される構成単位以外の構成単位が縮合重合により導入されていてもよい。
Figure 2014001349
式(1M)中、
Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2、R3、xおよびyは、上記と同義である。
Aは、置換基A群から選択される基である。
Figure 2014001349
式(2M)中、
Ar5、R4およびaは上記と同義である。
Bは置換基B群から選択される基である。
Figure 2014001349
式(3M)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2、R3、x、yおよびBは、上記と同義である。
Figure 2014001349
(4M)
式(4M)中、Ar5、R4、aおよびAは、上記と同義である。
・置換基A群
塩素原子;
臭素原子;
ヨウ素原子;および
−O−S(=O)231(R31は、アルキル基、または、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子およびシアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいアリール基である。)で表される基。
・置換基B群
−B(OR322(R32は、水素原子またはアルキル基であり、各々のR32は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合してそれぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF410(Q10は、Li+、Na+、K+、Rb+およびCs+からなる群より選ばれる1価の陽イオンである。)で表される基;
−MgY1(Y1は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)で表される基;
−ZnY2(Y2は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)で表される基;および
−Sn(R333(R33は水素原子またはアルキル基であり、各々のR33は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合してそれぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
式(1M)、(2M)、(3M)または(4M)で表される化合物としては、予め合成し単離した化合物を用いてもよく、反応系中で化合物を合成してそのまま用いてもよい。得られる高分子化合物(A)を含む組成物を発光素子の製造に用いる場合、その純度が発光素子の性能に影響を与える。そのため、これらのモノマーは蒸留、クロマトグラフィー、昇華精製、再結晶等の方法、またはそれらの組み合わせで精製されていることが好ましい。
Suzuki反応により重合する方法においてモノマーを重合する際には、触媒および/または塩基を用いることが好ましい。
触媒としては、例えば、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム錯体等の遷移金属錯体、および、これらの遷移金属錯体にトリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の配位子が配位した錯体が挙げられる。
触媒は、予め合成して用いることもできるし、反応系中で調製してそのまま用いることもできる。これらの触媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒を用いる場合には、式(1M)、(2M)、(3M)又は(4M)で表される化合物のモル数の合計に対する触媒の金属原子の量は、0.00001〜3モル当量であることが好ましく、0.00005〜0.5モル当量であることがより好ましく、0.0001〜0.2モル当量であることがさらに好ましく、0.0001〜0.01モル当量であることが特に好ましい。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムまたはリン酸三カリウム等の無機塩基、および、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。これらの塩基は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基を用いる場合には、その使用量は、式(1M)、(2M)、(3M)又は(4M)で表される化合物のモル数の合計に対して、0.5〜20モル当量であることが好ましく、1〜10モル当量であることがより好ましい。
縮合重合は、通常、有機溶媒等の溶媒の存在下で行われる。
有機溶媒は、式(1M)、(2M)、(3M)又は(4M)で表される化合物の種類および/または反応によって適宜選択できるが、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミドである。副反応を抑制するために、溶媒に対して、脱酸素処理をしておくことが望ましい。溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、式(1M)、(2M)、(3M)又は(4M)で表される化合物の合計濃度が、通常、0.1〜90質量%、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%となる量である。
縮合重合の反応温度は、好ましくは−100〜200℃であり、より好ましくは−80〜150℃であり、さらに好ましくは0〜120℃である。
反応時間は、反応温度等の条件によるが、通常、1時間以上であり、好ましくは2〜500時間である。
重合反応において、高分子化合物(A)の末端に重合性基が残存するのを避けるために、連鎖停止剤として、式(1T)で表される化合物を用いてもよい。これにより、末端がアリール基または1価の複素環基(好ましくは、1価の芳香族複素環基)である高分子化合物を得ることができる。
T−ArT (1T)
式(1T)中、
ArTは置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
Tは置換基A群および置換基B群からなる群から選ばれる基である。
ArTにおけるアリール基および1価の複素環基の例は、それぞれR4におけるアリール基および1価の複素環基の例と同様である。
重合反応の後処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応溶液を加えて、析出させた沈殿を濾過、乾燥させる方法などの方法を、単独でまたは組み合わせて行うことができる。
高分子化合物(A)の純度が低い場合には、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製すればよいが、高分子化合物(A)を含む化合物を発光素子の製造に用いる場合、その純度が発光特性等の発光素子の性能に影響を与えるため、縮合重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
(化合物(B))
化合物(B)は、フラーレンもしくはフラーレン誘導体、式(3)で表されるアズレンもしくはアズレン誘導体または式(4)で表されるスチルベンもしくはスチルベン誘導体である。この中でも、好ましくはフラーレンまたはフラーレン誘導体である。
−フラーレンまたはフラーレン誘導体−
フラーレンとしては、例えば、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78およびフラーレンC84が挙げられ、好ましくは、フラーレンC60、フラーレンC70またはフラーレンC84であり、より好ましくは、フラーレンC60またはフラーレンC70であり、さらに好ましくは、フラーレンC60である。
フラーレン誘導体とは、フラーレンを構成する骨格の炭素−炭素間の2重結合を構成する1つの結合が切断されることで生じる2つの結合手のそれぞれが、2つの1価の基または1つの2価の基で置換されている化合物をいう。切断される炭素−炭素間の2重結合は1つでもよいし、2つ以上でもよい。
フラーレン誘導体の例としては式A−1〜A−23で表される分子が挙げられる。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
Figure 2014001349
式A−1〜A−23中、
環Aは、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、およびフラーレンC84からなる群より選ばれるフラーレン環である。
Rは水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基である。Rが複数個存在する場合、各々のRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
nnは0〜10の整数である。
式A−1〜A−23において、環Aは、好ましくは、フラーレンC60、フラーレンC70またはフラーレンC84であり、より好ましくは、フラーレンC60またはフラーレンC70である。
式A−3、A−5、A−6、A−8、A−9、A−11〜A−16、A−22およびA−23において、Rとしての1価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基およびシアノ基が挙げられる。
フラーレンまたはフラーレン誘導体は、好ましくはフラーレンであり、より好ましくはフラーレンC60、フラーレンC70またはフラーレンC84であり、さらに好ましくは、フラーレンC60またはフラーレンC70であり、特に好ましくは、フラーレンC60である。
−式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体−
式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体について説明する。
Figure 2014001349
式(3)中、
xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のRxは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
式(3)において、Rxとしてのアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子、アシル基、1価の複素環基、カルボキシル基、ニトロ基ならびにシアノ基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(3)において、Rxとしては、好ましくは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基または置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基であり、さらに好ましくは水素原子である。各々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体としては、例えば、下記式で表される各化合物が挙げられる。
Figure 2014001349
−式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体−
式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体について説明する。
Figure 2014001349
式(4)中、
nは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基および置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRnは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Ar6およびAr7は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ar6およびAr7はそれぞれ、隣接するRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。
式(4)において、Rnとしてのアルキル基、アルコキシ基、アリール基ならびに1価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(4)において、Rnは、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいアリール基であり、さらに好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいフェニル基である。
式(4)において、Ar6およびAr7としてのアリール基ならびに1価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(4)において、Ar6およびAr7は、それぞれ独立に、好ましくは、置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアントラセニル基、置換基を有していてもよいナフチレン基または置換基を有していてもよいフルオレニル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基である。
式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体としては、輝度寿命の観点から、式(11−1)〜式(11−16)で表されるスチルベンまたは各スチルベン誘導体が好ましく、式(11−1)と式(11−7)〜式(11−10)で表されるスチルベンまたは各スチルベン誘導体がより好ましい。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
式(11−1)〜式(11〜16)中、
yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRyは互いに同一であっても異なっていてもよい。
8は、式(10c)〜式(10d)におけるR8と同義である。
式(11−1)〜式(11〜16)において、Ryとしてのアルキル基、アルコキシ基、アリール基ならびに1価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(11−1)〜式(11〜16)において、Ryは、輝度寿命の観点から、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいアリール基であり、さらに好ましくは水素原子または置換基を有していてもよいフェニル基である。
式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体としては、式(11−1)の好ましい形態である式(11−01)、式(11−7)の好ましい形態である式(11−07)、式(11−8)の好ましい形態である式(11−08)、式(11−9)の好ましい形態である式(11−09)、または、式(11−10)の好ましい形態である式(11−010)で表される各化合物が好ましい。
Figure 2014001349
−第一の組成物の組成−
第一の組成物において、化合物(B)の含有量(合計含有量)は、本発明の第一の組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、高分子化合物(A)に含まれる全構成単位のモル数および化合物(B)のモル数の合計に対して、0.001〜50モル%であることが好ましく、0.1〜30モル%であることがより好ましく1〜10モル%であることがさらに好ましい。
<第二の組成物>
本発明の第二の組成物は、高分子化合物(A)と、高分子化合物(C)と、を含む組成物である。
第二の組成物において、高分子化合物(A)は、第一の組成物中の高分子化合物(A)の定義、例および好ましい例と同様である。
以下、高分子化合物(C)について説明する。
(高分子化合物(C))
高分子化合物(C)は、構成単位(c−1)を含む高分子化合物である。構成単位(c−1)は、フラーレンもしくはその誘導体を含む構成単位、式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位、および、式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる一種以上の構成単位である。これらの中でも、構成単位(c−1)としては、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位であることが好ましい。
−フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位−
フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位は、フラーレンまたはフラーレン誘導体から、フラーレンを構成する骨格の炭素−炭素間の2重結合を構成する1つの結合が切断された原子団を含有する基を含む構成単位(切断される炭素−炭素間の2重結合は1つでもよいし、2つ以上でもよいが、1つであることが好ましい。)であれば特に限定はされないが、式(5−1)で表される構成単位または式(5−2)で表される構成単位であることが好ましく、式(5−1)で表される構成単位であることがより好ましい。以下、式(5−1)および式(5−2)を順に説明する。
Figure 2014001349
式(5−1)中、
Ar8は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基、または1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar14は、置換基を有していてもよいアリーリジン基または置換基を有していてもよい3価の複素環基である。
7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリーレン基、または、これらを組み合わせた2価の基である。
5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基である。
環Fはフラーレンである。
qは1〜4の整数である。pは0又は1である。
7が複数個存在する場合、各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar14が複数個存在する場合、各々のAr14は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5が複数個存在する場合、各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。R6が複数個存在する場合、各々のR6は互いに同一であっても異なっていてもよい。pが複数個存在する場合、各々のpは互いに同一であっても異なっていてもよい。環Fが複数個存在する場合、各々の環Fは互いに同一であっても異なっていてもよい。pが0のとき、R5で置換されている炭素原子とR6で置換されている炭素原子は直接結合していない。
式(5−1)において、Ar8としてのアリーレン基としては、例えば、フェニレン基(例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基)、ナフタレンジイル基(例えば、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基)、アントラセンジイル基(例えば、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基)、フェナントレンジイル基(例えば、2,7−フェナントレンジイル基)、ジヒドロフェナントレンジイル基(例えば、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基)、ナフタセンジイル基(例えば、5,12−ナフタセンジイル基)、フルオレンジイル基(例えば、2,7−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基)およびペリレンジイル基(例えば、3,8−ペリレンジイル基)が挙げられる。
式(5−1)において、Ar8としての2価の複素環基としては、例えば下記の基が挙げられる:N−メチル−2,5−ピロールジイル基等のピロールジイル基;2,5−フランジイル基等のフランジイル基;2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等のピリジンジイル基;2,4−キノリンジイル基、2,6−キノリンジイル基等のキノリンジイル基;1,4−イソキノリンジイル基、1,5−イソキノリンジイル基等のイソキノリンジイル基;3,6−カルバゾールジイル基等のカルバゾールジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基およびジベンゾシロールジイル基。なお、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(5−1)において、Ar8は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基が好ましく、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいフルオレンジイル基であることがより好ましい。
式(5−1)において、Ar14で表される置換基を有していてもよいアリーリジン基(「3価の芳香族炭化水素基」といわれることもある。)の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常6〜30であり、好ましくは6〜16である。
Ar14で表される置換基を有していてもよい3価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常6〜30であり、好ましくは6〜16である。ヘテロアリーリジン基は、芳香環を形成する原子として、炭素原子に加え、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を含んでよい。
式(5−1)において、Ar14としてのアリーリジン基としては、例えば、フェニリジン基、ナフタレントリイル基、アントラセントリイル基、フェナントレントリイル基、ナフタセントリイル基、フルオレントリイル基、ペリレントリイル基およびクリセントリイル基が挙げられる。
式(5−1)において、Ar14としての3価の複素環基として、例えば、ピロールトリイル基、フラントリイル基、ピリジントリイル基、キノリントリイル基およびイソキノリントリイル基が挙げられる。
式(5−1)において、R7は、好ましくは単結合または置換基を有しない炭素原子数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくは単結合または置換基を有しない炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
式(5−1)において、R5およびR6は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子である。
式(5−1)における、環Fとしてのフラーレンとしては例えば、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78およびフラーレンC84が挙げられ、好ましくは、フラーレンC60、フラーレンC70またはフラーレンC84であり、より好ましくは、フラーレンC60である。ここで、フラーレンは、その表面にアルキル基またはシアノ基を有していてもよい。
式(5−1)において、qは、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1又は2である。
式(5−1)において、pは、好ましくは0である。
Figure 2014001349
式(5−2)中、
Ar8は、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリーレン基、または、これらを組み合わせた2価の基を示す。
aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20ののアルコキシ基、または、R7との直接結合である。各々のRaは互いに同一であっても異なっていてもよい。
環Fはフラーレンである。
qは1〜4の整数を示す。
7が複数個存在する場合、各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。環Fが複数個存在する場合、各々の環Fは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(5−2)において、Ar8、R7、環Fおよびqは、式(5−1)におけるAr8、R7、環Fおよびqとそれぞれ同義である。
式(5−2)において、Raは、好ましくは水素原子である。
上記式(5−1)で表される構成単位は、式(6)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2014001349
式(6)中、
7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリーレン基、または、これらを組み合わせた2価の基を示す。Rが複数ある場合、各々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
bは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
sは1または2である。
フラーレンはフラーレンC60である。
7は、式(5−1)および式(5−2)中のR7と同義である。
式(6)において、R7は、好ましくは単結合または置換基を有しない炭素原子数1〜20のアルキレン基であり、より好ましくは単結合または置換基を有しない炭素原子数1〜6のアルキレン基である。
式(6)において、Rbで示される、アルキル基、アルコキシ基、アリール基ならびに1価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(6)において、Rbは、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは置換基を有しないアルキル基または置換基を有するアリール基である。
式(6)で表される構成単位の例としては、式(6A−1)〜(6A−11)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
−式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位−
式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位としては、式(3)のRXを1個除いた原子団からなる基を含む構成単位、および、式(3)のRXを2個除いてなる構成単位が挙げられ、好ましくは、式(3)のRXを2個除いてなる構成単位である。
式(3)のRXを2個除いてなる構成単位としては、式(12−1)〜(12−6)で表される構成単位が好ましい。より好ましくは式(12−1)、式(12−2)、式(12−4)、式(12−5)または式(12−6)で表される構成単位であり、特に好ましくは式(12−1)で表される構成単位である。
Figure 2014001349
式(12−1)〜(12−6)中、Rxの定義、例および好ましい範囲は、式(3)におけるRxの定義、例および好ましい範囲と同様である。
式(12−1)〜(12−6)で表される構成単位例としては、式(12−01)〜(12−013)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは、式(12−01)〜(12−06)で表される構成単位であり、より好ましくは式(12−01)〜(12−03)で表される構成単位であり、さらに好ましくは式(12−01)で表される構成単位である。
Figure 2014001349
−式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位−
式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位としては、式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体からR、Ar6およびArからなる群から選ばれる1つ以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を1個除いた原子団からなる基を含む構成単位、および、式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体からR、Ar6およびArからなる群から選ばれる1つ以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を2個除いた原子団からなる基を含む構成単位が挙げられ、好ましくは式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体からR、ArおよびArからなる群から選ばれる1つ以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を2個除いた原子団からなる基を含む構成単位である。
式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体からR、Ar6およびArからなる群から選ばれる1つ以上の基における環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子を2個除いた原子団からなる基を含む構成単位としては、式(7a)で表される構成単位、式(7b)で表される構成単位および式(7c)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位であることが好ましく、これらの中でも式(7a)で表される構成単位であることがより好ましい。以下、式(7a)、(7b)および(7c)を順に説明する。
Figure 2014001349
式(7a)中、
nおよびAr7は、前記と同義である。
Ar9は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基または1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Figure 2014001349
式(7b)中、
nは、前記と同義である。
Ar9’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。各々のAr9’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar9はRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。
Figure 2014001349
式(7c)中、
n、Ar7およびAr9’は、前記と同義である。
n’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
Ar9’はRn’と直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。
式(7a)、(7b)および(7c)において、Rnの定義、例および好ましい範囲は、式(4)におけるRnの定義、例および好ましい範囲と同様である。
式(7a)および(7c)において、Ar7の定義、例および好ましい範囲は、式(4)におけるAr7の定義、例および好ましい範囲と同様である。
式(7a)において、Ar9で表わされるアリーレン基ならびに2価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(7a)において、Ar9は、好ましくは、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくは、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいフェニレン基、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいナフタレンジイル基、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアントラセンジイル基および1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいフェニレン基である。「1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい」とは、1つ以上の置換基を有し、複数の置換基を有する場合には、各々の置換基が互いに同一であっても異なっていてもよいことを意味する。
式(7b)および(7c)において、Ar9’で表わされるアリーレン基ならびに2価の複素環基の定義および例は、「用語の説明」の各基の定義および例と同様である。
式(7b)および(7c)において、Ar9’は、好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基およびフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基である。
式(7c)において、Rn’で表されるアリーレン基ならびに2価の複素環基の定義および例は、上述の「用語の説明」の定義および例と同様である。
式(7c)において、Rn’は、好ましくは、置換基を有していてもよいアリーレン基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基およびフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基である。
式(7a)で表される構成単位としては、輝度寿命の観点から、式(7a−1)〜式(7a−11)で表される各構成単位が好ましく、式(7a−1)、式(7a−7)〜式(7a−10)で表される各構成単位がより好ましい。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
式(7a−1)〜式(7a−11)中、
yは、式(11−1)〜式(11−16)中のRyと同義である。
8は、式(10c)〜式(10d)中のR8と同義である。
cは0〜3の整数である。
各々のRyは互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。各々のR8は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
式(7a−1)〜式(7a−11)において、cは、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
式(7a)で表される構成単位としては、式(7a−10)の好ましい形態である式(7a−20)、式(7a−1)の好ましい形態である式(7a−30)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014001349
式(7b)で表される構成単位としては、輝度寿命の観点から、式(7b−1)〜式(7b−9)で表される構成単位が好ましく、式(7b−1)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
式(7b−1)〜式(7b−9)中、
yは、式(11−1)〜式(11−16)中のRyと同義である。
8は、式(10c)〜式(10d)中のR8と同義である。
各々のRyは互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。各々のR8は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
式(7b)で表される構成単位としては、式(7b−1)の好ましい形態である式(7b−20)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014001349
式(7c)で表される構成単位としては、輝度寿命の観点から、式(7c−1)〜式(7c−3)で表される各構成単位が好ましい。
Figure 2014001349
式(7c−1)〜式(7c−3)中、
yは、式(11−1)〜式(11−16)中のRyと同義である。
式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位は、式(7c−1)の好ましい形態である式(7c−20)、または、式(7c−2)の好ましい形態である式(7c−30)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2014001349
高分子化合物(C)は、構成単位(c−1)を一つのみ有していてもよいし、二つ以上有していてもよい。高分子化合物(A)が構成単位(c−1)を二つ以上有する場合、構成単位(1)は一種であってもよいし、異なる二種以上であってもよい。
第二の組成物において、高分子化合物(C)に含まれる構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、第二の組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、高分子化合物(A)および高分子化合物(C)に含まれる全構成単位に対して、0.001〜50モル%であることが好ましく、0.001〜30モル%であることがより好ましく、0.01〜10モル%であることがさらに好ましい。
−高分子化合物(C)の構造および性質−
高分子化合物(C)は、構成単位(c−1)を含んでいればよく、構成単位(c−1)以外の構成単位を含んでいてもよい。例えば、式(1)で表わされる構成単位および/または式(2)で表わされる構成単位を含むことが好ましい。これにより、高分子化合物(C)を用いて製造される発光素子の電荷輸送性、発光効率および輝度寿命をより向上させることができる。さらに、架橋基を有する構成単位を含むことがより好ましい。これにより、第二の組成物を含有する薄膜を正孔注入性または正孔輸送層として用いて、この上に溶液を塗布して発光層を形成して発光素子を製造する場合に、第二の組成物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換することができる。
架橋基を有する構成単位は、架橋基を1つまたは2つ以上含んでいてもよい。架橋基を有する構成単位が2つ以上の架橋基を含む場合、それらは異なる種類の架橋基の組み合わせであってもよい。架橋基の例および好ましい例は、高分子化合物(A)の欄で挙げた例および好ましい例と同様である。
架橋基を有する構成単位としては、例えば、式(3A)で表される構成単位および式(4A)で表される構成単位が挙げられる。式(3A)で表される構成単位および式(4A)で表される構成単位の例および好ましい例は、高分子化合物(A)の欄で挙げた例および好ましい例と同様である。
高分子化合物(C)が架橋基を有する構成単位を含有する場合、該構成単位の含有量(合計含有量)は、第一の組成物を用いて発光素子を作製する際に、架橋性により優れるので、高分子化合物(C)中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、1〜25モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることがさらに好ましい。
高分子化合物(C)の末端基に重合性基がそのまま残っていると、高分子化合物(C)を含む組成物を用いて作製した発光素子の発光特性または寿命が低下する可能性がある。そのため、高分子化合物(C)の末端基は安定な基であることが好ましい。安定な基としては、例えば、アリール基および1価の複素環基(好ましくは、1価の芳香族複素環基)が挙げられる。
高分子化合物(C)のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×103〜1×107であり、より好ましくは1×104〜5×106である。また、高分子化合物(C)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1×104〜5×107であり、より好ましくは5×104〜1×107である。
発光素子を製造するための様々なプロセスに対する耐久性が優れ、製造される発光素子の耐熱性が良好となるので、高分子化合物(C)のガラス転移温度は、70℃以上であることが好ましい。
−高分子化合物(C)の製造方法―
以下に高分子化合物(C)の好ましい製造方法を説明する。高分子化合物(C)は、当該高分子化合物に含まれる基に対応する化合物(モノマー)を縮合重合して得ることができる。モノマーは、予め合成し単離された化合物を用いてもよく、反応系中で合成してそのまま用いてもよい。得られる高分子化合物(C)を含む組成物を発光素子の製造に用いる場合、モノマーの純度が発光素子の性能に影響を与える。そのため、これらのモノマーは蒸留、昇華精製、再結晶等の方法、またはそれらの組み合わせで精製されていることが好ましい。
縮合重合の方法としては、上述の「高分子化合物(A)の製造方法」の記載と同様の方法が挙げられる。
高分子化合物(C)は、式(5−1)で表される構成単位および式(5−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位を含む場合には、予め縮合重合によって合成した前駆体高分子化合物と、フラーレンとを反応させることにより得ることもできる。前駆体高分子化合物としては、例えば、式(2a)、(2b)または(2c)で表される各構成単位を有する化合物が挙げられる。
Figure 2014001349
式(2a)〜(2c)中、
Ar8、R5、R6およびR7は、式(5−1)のAr8、R5、R6およびR7とそれぞれ同義である。
前駆体高分子化合物とフラーレンとの反応の例を以下に示す。
Figure 2014001349
式中、Ar8、R5、R6およびR7は、式(5−1)のAr8、R5、R6およびR7とそれぞれ同義である。
Figure 2014001349
式中、Ar8およびR7は式(5−1)中のAr8およびR7とそれぞれ同義である。
Figure 2014001349
式中、Ar8およびR7は式(5−1)中のAr8およびR7とそれぞれ同義である。
前駆体高分子化合物とフラーレンとの反応は、通常、有機溶媒等の溶媒の存在下又は無溶媒下で行われ、好ましくは有機溶媒等の溶媒の存在下で行われる。
有機溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはトリクロロベンゼンであり、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはトリクロロベンゼンが好ましく、ジクロロベンゼンまたはトリクロロベンゼンがより好ましい。
有機溶媒の使用量は、有機溶媒中の前駆体高分子化合物の合計濃度が、通常、0.1〜90質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%となる量である。
前駆体高分子化合物とフラーレンとの反応温度は、好ましくは60〜250℃であり、より好ましくは100〜220℃であり、さらに好ましくは180〜220℃である。
反応時間は、反応温度等の条件によるが、通常、1時間以上であり、好ましくは10〜500時間である。
反応に使用するフラーレンの量は、前駆体高分子化合物中に含まれる全架橋基のモル数に対して、0.5〜5当量が好ましく、1.0〜4当量がより好ましく、1.5〜3当量がさらに好ましい。
反応に使用するフラーレンの純度は、発光素子の特性が優れるので、98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
反応後処理は、メタノール等の低級アルコールに上記反応で得られた反応液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥する方法等の公知の方法で行うことができる。
反応後、高分子化合物に担持されていないフラーレンは除去されることが好ましい。高分子化合物に担持されていないフラーレンとは、(前駆体)高分子化合物と反応しないが、高分子化合物中に遊離している未反応のフラーレンである。
高分子化合物に担持されたフラーレン(固定フラーレン)および担持されていないフラーレン(遊離フラーレン)は、例えば、GPC−UVにより定量することができる。すなわち、GPCでの溶出時間の差を利用して固定フラーレンと遊離フラーレンとを分離し、それぞれ、フラーレンのUV吸収(335nm)を測定することによって定量することができる。フラーレンC60の場合の遊離フラーレンの定量は、例えば、以下の(1)〜(4)の手順に従って行うことができる。
(1)フラーレンC60のトルエン溶液を、異なる濃度で複数調製し、それぞれGPC−UV(335nmで検出)測定を行う。
(2)(1)の測定で得たクロマトグラムを用い、検量線(フラーレン濃度に対するフラーレン溶出ピーク面積値)を作成する。
(3)実試料のGPC−UV測定を行う。
(4)(3)の測定で得たクロマトグラムのフラーレン溶出ピーク面積値および(2)の検量線を用いて、実試料中の遊離フラーレン量を算出する。
フラーレンC60の場合の固定フラーレンの定量は、例えば、以下の(1)〜(5)の手順に従って行うことができる。
(1)前駆体高分子化合物に、フラーレンC60を異なる濃度で混合した標準サンプルを複数調製し、それぞれUV吸収スペクトルを測定する。
(2)(1)で得たUV吸収スペクトルから335nmにおける吸収の相対強度を求め、検量線(335nmにおける吸収の相対強度に対する混合したフラーレン量)を作成する。
(3)実試料中の高分子化合物溶出画分(固定フラーレンを含む)をGPCで分取し、高分子化合物溶出画分を得る。
(4)(3)で得た高分子化合物溶出画分のUV吸収スペクトルを測定する。
(5)(4)で得たUV吸収スペクトルから335nmにおける吸収の相対強度を求め、(2)の検量線を用いて、実試料中の固定フラーレン量を算出する。
高分子化合物に担持されていないフラーレンを除去するための精製方法としては、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法が例示される。
精製方法がカラムクロマトグラフィーによる精製の場合、シリカゲル、アルミナ、活性炭を用いることが好ましく、シリカゲル、活性炭がさらに好ましく、それらを併用して用いることが特に好ましい。
前駆体高分子化合物は、「高分子化合物(A)の製造方法」の記載と同様の製造方法で製造することができる。
−第二の組成物の組成−
第二の組成物において、高分子化合物(A)の含有量(合計含有量)は、第二の組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、高分子化合物(A)に含まれる全構成単位および高分子化合物(C)に含まれる全構成単位の合計に対して、0.1〜99.9モル%であることが好ましく、1〜99モル%であることがより好ましく、10〜90モル%であることがさらに好ましい。
第二の組成物において、高分子化合物(C)に含まれる構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、本実施形態に係る第二の組成物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、高分子化合物(A)に含まれる全構成単位および高分子化合物(C)に含まれる全構成単位の合計に対して、0.001〜50モル%であることが好ましく、0.1〜30モル%であることがより好ましく、1〜10モル%であることがさらに好ましい。
(高分子化合物)
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される構成単位(1)と、式(2)で表される構成単位(2)と、構成単位(c−1)と、を含む高分子化合物である。構成単位(c−1)は、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位、式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位、および、式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の構成単位である。
本発明の高分子化合物において、式(1)で表される構成単位(1)は、第一の組成物における式(1)で表される構成単位(1)の定義、例および好ましい範囲と同様である。
本発明の高分子化合物において、式(2)で表される構成単位(2)の定義、例および好ましい範囲は、第一の組成物における式(2)で表される構成単位(2)の定義、例および好ましい範囲とと同様である。本発明の高分子化合物においても、式(1)で表される構成単位(1)同士が実質的に隣り合わないことが好ましい。また、本発明の高分子化合物が構成単位Xを含む場合は、式(1)で表される構成単位(1)同士、構成単位X同士、式(1)で表される構成単位(1)と構成単位Xが、それぞれ、実質的に隣り合わないことが好ましい。つまり、式(1)で表される構成単位(1)および構成単位Xが、式(2)で表される構成単位(2)とそれぞれ隣り合うことが好ましい。
ここで、実質的に隣り合わないとは、全ての構成単位同士の結合の個数に対する式(1)で表される構成単位(1)同士が隣り合う結合の個数の合計が0.05未満であり、全ての構成単位同士の結合の個数に対する構成単位X同士が隣り合う結合の個数の合計が0.05未満であり、全ての構成単位同士の結合の個数に対する式(1)で表される構成単位(1)と構成単位Xが隣り合う結合の個数の合計が0.05未満であることを意味する。
本発明の高分子化合物において、構成単位(c−1)の定義、例および好ましい範囲は、第二の組成物における構成単位(c−1)の定義、例および好ましい範囲と同様である。
本発明の高分子化合物において、式(1)で表される構成単位(1)は式(2)で表される構成単位(2)と結合することが好ましい。
式(1)で表される構成単位(1)の含有量(合計含有量)は、本発明の高分子化合物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、本発明の高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜50モル%であることが好ましく、1〜49モル%であることがより好ましく、5〜45モル%であることがさらに好ましい。
式(2)で表される構成単位(2)の含有量(合計含有量)は、本発明の高分子化合物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、本発明の高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、50〜99.9モル%であることが好ましく、50〜99モル%であることがより好ましく、50〜95モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、本発明の高分子化合物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、本発明の高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.001〜50モル%であることが好ましく、0.001〜30モル%であることがより好ましく、0.01〜10モル%であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物は、構成単位(1)、構成単位(2)および構成単位(c−1)を含んでいればよく、他の構成単位をさらに含んでいてもよい。
本発明の高分子化合物は構成単位(1)、構成単位(2)および構成単位(c−1)のほかに、架橋機を有する構成単位を含むことが好ましい。これにより、本発明の高分子化合物を含む組成物を含有する薄膜を正孔注入層または正孔輸送層として用いて、この上に溶液を塗布して発光層を形成して発光素子を製造する場合に、本発明の高分子化合物を含む有機薄膜を不溶化有機薄膜に変換することができる。
架橋基を有する構成単位としては、例えば、式(3A)で表される構成単位および式(4A)で表される構成単位が挙げられる。式(3A)で表される構成単位および式(4A)で表される構成単位の例および好ましい例は、高分子化合物(A)の欄で挙げた例および好ましい例と同様である。
架橋基を有する構成単位の含有量(合計含有量)は、本発明の高分子化合物を用いて発光素子を作製する際に、熱架橋性により優れるので、本発明の高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、1〜25モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×103〜1×107であり、より好ましくは1×104〜5×106である。また、本発明の高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1×104〜5×107であり、より好ましくは5×104〜1×107である。
発光素子を製造するための様々なプロセスに対する耐久性が優れ、製造される発光素子の耐熱性が良好となるので、本発明の高分子化合物のガラス転移温度は、70℃以上であることが好ましい。
−本発明の高分子化合物の合成方法−
本発明の高分子化合物は、縮合重合により合成されることが好ましい。本発明の高分子化合物において、式(1)で表される構成単位(1)および上記構成単位Xが、式(2)で表される構成単位(2)と隣り合うように重合する場合、シーケンスを制御できる重合方法でSuzuki反応により重合する方法が好ましいが、シーケンスを制御できる重合法であればSuzuki反応以外の反応を採用してもよい。Suzuki反応により重合する方法は、上述の「高分子化合物(A)の製造方法」と同様である。
本発明の第一の組成物および第二の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群より選ばれる1種以上の材料をさらに含有していてもよい。また本発明の高分子化合物は、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群より選ばれる1種以上の材料とともに、組成物を構成していてもよい。以下、これらの組成物について説明する。正孔輸送材料および電子輸送材料は、主に電荷(正孔および電子)バランスの調整の役割を担う。
正孔輸送材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、並びにポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体が挙げられる。その他にも、たとえば、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、および特開平3−152184号公報に記載された各正孔輸送材料も挙げられる。
低分子の正孔輸送材料(例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体およびトリフェニルジアミン誘導体)の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。高分子バインダーは、電荷輸送を極度に阻害しないことが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないことが好適である。高分子バインダーとしては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ならびに、ポリシロキサンが例示される。
ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体は、例えば、ビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランおよびその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、正孔輸送材料としてのポリシロキサンおよびその誘導体は、側鎖または主鎖に上記低分子の正孔輸送材料の構造を有することが好ましく、正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有することがより好ましい。
本発明の第一の組成物および第二の組成物が正孔輸送材料を含む場合の正孔輸送材料の含有割合は、本発明の第一の組成物または第二の組成物100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部であり、より好ましくは3〜20質量部であり、さらに好ましくは3〜10質量部である。これにより、電荷バランスが良好となる。
本発明の高分子化合物と正孔輸送材料を組み合わせて組成物とする場合、正孔輸送材料の含有割合は、本発明の高分子化合物100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部、より好ましくは3〜20質量部、さらに好ましくは3〜10質量部加えられる。これにより、電荷バランスが良好となる。
電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、並びにポリフルオレンおよびその誘導体等が挙げられる。その他にも、例えば、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、および特開平3−152184号公報に記載された各電子輸送材料も挙げられる。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、または、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムまたはポリキノリンがさらに好ましい。
本発明の第一の組成物および第二の組成物が電子輸送材料を含む場合の電子輸送材料の含有割合は、本発明の第一の組成物または第二の組成物100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは5〜30質量部であり、さらに好ましくは5〜20質量部である。これにより、電荷バランスが良好となる。
本発明の高分子化合物と発光材料を組み合わせて組成物とする場合、電子輸送材料の含有割合は、本発明の高分子化合物100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部加えられる。これにより、電荷バランスが良好となる。
発光材料としては、例えば、発光材料として公知の、低分子量の化合物、高分子量の化合物および三重項発光錯体が挙げられる。
低分子量の化合物としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系等の色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体が挙げられる。そのほかに例えば、特開昭57−51781号公報および特開昭59−194393号公報に記載されている各化合物が挙げられる。
高分子量の化合物としては、例えば、国際公開第99/13692号、国際公開第99/48160号、独国特許出願公開第2340304号明細書、国際公開第00/53656号、国際公開第01/19834号、国際公開第00/55927号、独国特許出願公開第2348316号明細書、国際公開第00/46321号、国際公開第00/06665号、国際公開第99/54943号、国際公開第99/54385号、米国特許第5777070号明細書、国際公開第98/06773号パンフレット、国際公開第97/05184号、国際公開第00/35987号、国際公開第00/53655号、国際公開第01/34722号、国際公開第99/24526号、国際公開第00/22027号、国際公開第00/22026号、国際公開第98/27136号、米国特許第573636号明細書、国際公開第98/21262号、米国特許第5741921号明細書、国際公開第97/09394号、国際公開第96/29356号、国際公開第96/10617号、欧州特許出願公開第0707020号明細書、国際公開第95/07955号、特開2001−181618号公報、特開2001−123156号公報、特開2001−3045号公報、特開2000−351967号公報、特開2000−303066号公報、特開2000−299189号公報、特開2000−252065号公報、特開2000−136379号公報、特開2000−104057号公報、特開2000−80167号公報、特開平10−324870号公報、特開平10−114891号公報、特開平9−111233号公報もしくは特開平9−45478号公報等に開示されている化合物(例えば、ポリフルオレン、ポリフルオレンの誘導体の共重合体、ポリアリーレン、ポリアリーレンの誘導体の共重合体、ポリアリーレンビニレン、ポリアリーレンの誘導体の共重合体、芳香族アミン、および芳香族アミンの誘導体の(共)重合体)が例示される。
三重項発光錯体としては、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、FIrpic、COM−1、COM−2、COM−3、COM−4、COM−5、COM−6、COM−7、COM−8、アメリカンダイソース社から市販されているADS066GE等のイリジウム錯体、白金を中心金属とするPtOEP等の白金錯体、または、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等のユーロピウム錯体が好ましい。これらの三重項発光錯体の構造式を以下に示す。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
本発明の第一の組成物および第二の組成物が発光材料を含む場合の発光材料の含有割合は、本発明の第一の組成物または第二の組成物100重量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜70質量部、さらに好ましくは5〜80質量部加えられる。
本発明の高分子化合物と発光材料を組み合わせて組成物とする場合、発光材料の含有割合は、本発明の高分子化合物100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは5〜70質量部、さらに好ましくは5〜80質量部加えられる。
(液状組成物)
本発明の第一の組成物または第二の組成物、または、本発明の高分子化合物は、溶媒、好ましくは有機溶媒に溶解または分散させた組成物(以下、「液状組成物」ということがある。液状組成物としては、溶液および分散液の形態がある。)としてもよい。このような液状組成物は、インク、ワニスとも呼ばれる。発光素子に使用する有機薄膜を形成するためにこの液状組成物を用いる場合、液状組成物は、溶液であることが好ましい。
液状組成物には、上述の正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有していてもよい。また、液状組成物には、本発明の効果を妨げない限りにおいて、その他の物質が添加されていてもよい。その他の物質としては、酸化防止剤、粘度調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
ここで、有機溶媒としては、本発明の第一の組成物または第二の組成物、または、本発明の高分子化合物が溶解または分散する限り、特に限定されないが、例えば以下のような有機溶媒が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒:例えば、トルエン、キシレン(各異性体またはそれらの混合物)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、2−フェニルブタン、tert−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、イソアミルベンゼン、ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、3−プロピルトルエン、4−プロピルトルエン、1−メチル−4−プロピルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジプロピルベンゼン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、インダン、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)等。
脂肪族炭化水素系溶媒:例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、デカリン等。
芳香族エーテル系溶媒:例えば、アニソール、エトキシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブチロキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、シクロペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン、シクロヘキシルオキシベンゼン、ヘプチルオキシベンゼン、オクチルオキシベンゼン、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、4−エチルアニソール、4−プロピルアニソール、4−ブチルアニソール、4−ペンチルアニソール、4−ヘキシルアニソール、ジフェニルエーテル、4−メチルフェノキシベンゼン、4−エチルフェノキシベンゼン、4−プロピルフェノキシベンゼン、4−ブチルフェノキシベンゼン、4−ペンチルフェノキシベンゼン、4−ヘキシルフェノキシベンゼン、4−フェノキシトルエン、3−フェノキシトルエン、1,3−ジメトキシベンゼン、2,6−ジメチルアニソール、2,5−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール等。
脂肪族エーテル系溶媒:例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等。
ケトン系溶媒:例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等。
エステル系溶媒:例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エチルセルソルブアセテート等。
塩素化溶媒:例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等。
アルコール系溶媒:例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、フェノール等。
多価アルコールおよびその誘導体:例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等。
非プロトン性極性溶媒:例えば、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等。
これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を混合溶媒として使用してもよい。
混合溶媒を用いる場合、上記の溶媒群から二種または三種以上を組み合わせることが好ましいが、上記例示の同じ系の溶媒群から複数を組み合わせても、異なる系の溶媒群から1種以上ずつを組み合わせてもよい。その組成比は、各溶媒の物性や、高分子化合物等の溶解性を考慮して決めることができる。
同じ系の溶媒群から複数種を選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、芳香族炭化水素系溶媒から複数種、芳香族エーテル系溶媒から複数種等が挙げられる。異なる系の溶媒群から1種以上ずつを選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる:芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒の組み合わせ;芳香族炭化水素系溶媒と芳香族エーテル系溶媒の組み合わせ;芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族エーテル系溶媒の組み合わせ;芳香族炭化水素系溶媒と非プロトン性極性溶媒の組み合わせ;芳香族エーテル系溶媒と非プロトン性極性溶媒の組み合わせ等。単独溶媒または混合溶媒には水を添加してもよい。
これらの有機溶媒のうち、ベンゼン環を含む構造を有し、融点が0℃以下であり、且つ沸点が100℃以上である有機溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒が、粘度、成膜性等の観点から好ましく、なかでも芳香族炭化水素系溶媒、芳香族エーテル系溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒が好ましい。
有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を混合溶媒として使用してもよいが、成膜性を制御する観点から混合溶媒を用いることが好ましい。また、有機溶媒は、必要に応じ、洗浄、蒸留、吸着剤への接触等の方法により精製を行ってから使用してもよい。
上記液状組成物によれば、本発明の第一の組成物または第二の組成物、または、本発明の高分子化合物を含有する有機薄膜を容易に製造することができる。具体的には、上記液状組成物を基板上に塗布して、加熱、送風、減圧等により有機溶媒を留去することにより、本発明の第一の組成物または第二の組成物、または、本発明の高分子化合物を含有する有機薄膜を製造することができる。有機溶媒の留去は、使用される有機溶媒に応じて条件を変更することができ、例えば、50℃以上の250℃以下の温度で加熱する工程、または10-3Pa程度の減圧雰囲気に保持する工程等が挙げられる。
塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
上記液状組成物の好適な粘度は印刷法によっても異なるが、25℃において、好ましくは0.5〜1000mPa・sであり、より好ましくは0.5〜500mPa・sである。また、インクジェットプリント法のように上記液状組成物が吐出装置を経由する場合、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを防止するために25℃における粘度は、好ましくは0.5〜50mPa・sであり、より好ましくは0.5〜20mPa・sである。液状組成物中の本実施形態の高分子化合物の濃度は、特に限定されないが、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
(有機薄膜)
本発明の有機薄膜は、本発明の第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物を含む。本発明の有機薄膜は、本発明の液状組成物から容易に製造することができる。
本発明の不溶化有機薄膜は、本発明の有機薄膜を不溶化させた不溶化有機薄膜である。不溶化は、通常、加熱または光照射等の外部刺激およびその後の硬化により行うことができる。不溶化により、本発明の第一の組成物、第二の組成物および高分子化合物を架橋させることができる。本発明の不溶化有機薄膜は、溶媒に難溶のため、発光素子の積層化等の際に有利である。
不溶化を加熱により行う場合の温度は、特に限定されることはないが、一般的には室温〜300℃の範囲であり、その上限は発光効率の観点から250℃であることが好ましく、200℃であることがより好ましく、180℃であることがさらに好ましい。また、下限は不溶化有機薄膜形成の容易さの観点から、50℃が好ましく、70℃がより好ましく、100℃がさらに好ましい。
不溶化を光照射により行う場合に用い得る光は、特に限定されることはないが、一般的には紫外光、近紫外光または可視光が使用され、紫外光または近紫外光を用いることが好ましい。
本発明の有機薄膜および不溶化有機薄膜は、後述する発光素子における正孔注入層または正孔輸送層として好適に使用することができる。また、有機トランジスタ、有機太陽電池等の有機半導体素子にも好適に使用できる。本発明の有機薄膜は、第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物を含有するため、発光素子の正孔注入層または正孔輸送層として使用した場合に、発光素子の輝度寿命をより向上させることができる。
(発光素子)
本発明の発光素子は、本発明の有機薄膜または不溶化有機薄膜を備える。
本発明の発光素子は、通常、陽極と、陰極と、該陽極および該陰極の間に本発明の有機薄膜または不溶化有機薄膜からなる層と、を有する。本発明の有機薄膜または不溶化有機薄膜からなる層は、正孔注入層または正孔輸送層として機能することが好ましい。なお、本発明の有機薄膜または不溶化有機薄膜からなる層が正孔注入層または正孔輸送層として機能する場合は、当該層は上記の不溶化有機薄膜からなる層であることが好ましい。
本発明の発光素子としては、例えば、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた発光素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子、および、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子が挙げられる。
本発明の発光素子としては、例えば、a)〜d)の各積層構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、「/」は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
本発明の発光素子が正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層には本発明の第一の組成物、第二の組成物、または高分子化合物を用いることができる。また、正孔輸送層には、これら以外の正孔輸送材料も用いることができる。本発明の第一の組成物、第二の組成物、または高分子化合物以外の正孔輸送材料の例は、本発明の第一の組成物が含有してもよい正孔輸送材料の例と同様である。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。高分子の正孔輸送材料では、溶液(即ち、正孔輸送材料を溶媒と混合して得られる溶液)からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコールおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、および、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶液からの成膜方法としては、例えば、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なるので、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、ピンホールが発生しない程度の厚さであることが好ましい。一方、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなることがあり好ましくない。従って、正孔輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の発光素子が電子輸送層を有する場合、電子輸送層には電子輸送材料を用いることができる。この電子輸送材料の例としては、前述の本発明の第一の組成物が含有してもよい電子輸送材料の例と同様である。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子の電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、および溶液または溶融状態からの成膜による方法が例示され、高分子の電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法が例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、低分子の正孔輸送材料に関して説明した高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒の例は、正孔輸送層の項において、正孔輸送層の溶液からの成膜に用いる溶媒の例と同様である。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶液または溶融状態からの成膜方法の例は、正孔輸送層の溶液からの成膜方法の例と同様である。
電子輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、ピンホールが発生しない程度の厚さであることが好ましい。一方、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなることがあり好ましくない。従って、電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
電極に隣接して設けた正孔輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有する層は、正孔注入層と一般に呼ばれることがある。電極に隣接して設けた電子輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有する層は、電子注入層と一般に呼ばれることがある。以下、正孔注入層および電子注入層の総称を「電荷注入層」ということがある。
電極との密着性向上および/または電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して電荷注入層または絶縁層を設けてもよい。また、界面の密着性向上、混合の防止等のために電荷輸送層および/または発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番、数、および各層の厚さについては、発光効率および/または素子寿命を勘案して適宜決定することができる。
本発明の発光素子が電荷注入層を有する発光素子である場合、発光素子としては、例えば、陰極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子が挙げられる。発光素子の積層構造としては、例えば、e)〜p)の各積層構造が挙げられる。
e)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
k)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
m)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
p)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
本発明の発光素子は、前述のとおり、本発明の第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物が、正孔輸送層および/または電子輸送層に含まれている発光素子を含む。また、本発明の発光素子としては、本発明の第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物が、正孔注入層および/または電子注入層に含まれている発光素子も含む。
本発明の第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物が正孔注入層に用いられる場合には、電子受容性化合物と同時に用いられることが好ましい。本実施形態の第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物が電子注入層に用いられる場合には、電子供与性化合物と同時に用いられることが好ましい。ここで、複数の材料を「同時に」用いるための方法としては例えば、混合、共重合、側鎖としての導入等の方法が挙げられる。
電荷注入層としては、例えば、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、および、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層が挙げられる。
電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましい。発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103S/cm以下とするために、通常、導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオンおよび樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびテトラブチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
電荷注入層の厚さは、通常、1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極および/または隣接する層の材料によって適宜選択すればよく、例えば、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、および、カーボンが例示される。
絶縁層は、電荷注入を容易にする機能を有する層である。絶縁層の厚さは、通常、0.5〜7.0nmである。絶縁層の材料としては例えば、金属フッ化物、金属酸化物および有機絶縁材料が挙げられる。
絶縁層を設けた発光素子としては、例えば、陰極に隣接して絶縁層を設けた発光素子、および陽極に隣接して絶縁層を設けた発光素子が挙げられる。絶縁層を設けた発光素子の積層構造としては、例えば、q)〜ab)の各積層構造が挙げられる。
q)陽極/絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/絶縁層/陰極
s)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
t)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
v)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
w)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
y)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
z)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
ab)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
本発明の発光素子としては、例えば、a)〜ab)に例示した積層構造を有し、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層からなる群より選ばれる層が、本発明の高分子化合物または第一の組成物を含む発光素子が挙げられる。好ましくは、正孔注入層および/または正孔輸送層に本発明の第一の組成物、第二の組成物または高分子化合物を含む。
本発明の発光素子は、通常、基板上に形成される。電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しない基板であればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルムおよびシリコン基板が挙げられる。不透明な基板を用いる場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明または半透明であることが好ましい。通常、本発明の発光素子が有する陽極および陰極の一方または両方が透明または半透明である。陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、通常、導電性の金属酸化物膜、および、半透明の金属薄膜が用いられる。陽極の材料は、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、それらの複合体(例えば、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド)等の金属酸化物からなる導電性ガラスを用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅等の金属が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイドまたは酸化スズが好ましい。陽極の作製方法としては例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびメッキ法が挙げられる。また、陽極として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜調整することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μm、さらに好ましくは40nm〜500nmである。
陽極上に、電荷注入を容易にするための層を設けてもよい。電荷注入を容易にするための層としては例えば、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン、金属酸化物、金属フッ化物および有機絶縁材料からなる群から選ばれる材料を含む層が挙げられる。
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、それらの金属から選ばれる2つ以上の金属の合金、それらの金属から選ばれる1つ以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステンおよび錫からなる群から選ばれる1つ以上の金属との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金およびカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の厚さは、電気伝導度および/または耐久性を考慮して、適宜調整することができるが、例えば、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、または金属薄膜を熱圧着するラミネート法が用いられる。陰極と有機層との間に、導電性高分子からなる層、または、金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等の材料からなる層を設けてもよい。発光素子には保護層および/または保護カバーを設けてもよい。これにより、発光素子を外部から保護することができ、発光素子を長期安定的に用いることができるので好ましい。保護層および/または保護カバーは、通常、陰極作成後に設けられる。
保護層の材料としては、例えば、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、金属窒化物または有機無機ハイブリッド材料等を用いることができる。保護カバーとしては、例えば、ガラス板、または、表面に低透水率処理を施したプラスチック板を用いることができる。保護カバーの設置方法としては、保護カバーを熱硬化樹脂または光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。保護カバーと発光素子との間にスペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。空間に窒素、アルゴン等の不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができる。酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより、製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。保護カバーを設ける際には、スペーサーを用いる空間の維持、空間への不活性なガスの封入、および空間内への乾燥剤の設置からなる群から選ばれる1つ以上の方策をとることが好ましい。
本発明の発光素子は、例えば、曲面状光源、平面状光源等の面状光源(例えば、照明等);セグメント表示装置(例えば、セグメントタイプの表示素子等)、ドットマトリックス表示装置(例えば、ドットマトリックスのフラットディスプレイ等)、液晶表示装置(例えば、液晶表示装置、液晶ディスプレイのバックライト等)等の表示装置に用いることができる。
本発明の発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得る方法としては、例えば、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、および、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法を適用することにより、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。
面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源または表示装置としても使用できる。
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(数平均分子量および重量平均分子量)
数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)については、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析し、その分析結果からポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を算出した。
<分析条件>
測定装置:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
カラム:PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:40℃
移動層:テトラヒドロフラン(以下、「THF」ということがある。)
流量:2.0mL/min
検出波長:228nm
(NMRの測定)
NMRの測定は、特に記載がない限りは、測定試料5〜20mgを約0.5mLの有機溶媒に溶解させて、NMR(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:MERCURY 300)を用いて行った。
(LC−MSの測定)
LC−MSの測定は、以下の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に1μL注入した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびそれらの混合溶液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
<合成例1:単量体CM1および単量体CM1〜CM14の合成>
CM1は、特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
CM2は、特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
CM3は、下記の方法により合成した。
CM4は、下記の方法により合成した。
CM5は、WO2009/131255号記載の合成法に従い合成した。
CM6は、WO2002/045184号記載の合成法に従い合成した。
CM7は、WO2009/131255号記載の合成法に従い合成した。
CM8は、特開2008−106241号公報記載の合成法に従い合成した。
CM9は、特開2010−215886号公報記載の合成法に従い合成した。
CM10は、WO2011/049241号記載の合成法に従い合成した。
CM11は、下記の方法により合成した。
CM12は、WO2011/161417A1合成法に従い合成した。
CM13は、WO2005/049546号記載の合成法に従い合成した。
CM14は、下記の方法により合成した。
CM15は、特開2006−169265号公報記載の合成法に従い合成した。
CM16は、特開2010−189630号公報記載の合成法に従い合成した。
Figure 2014001349
Figure 2014001349
<合成例2:単量体CM3の合成>
単量体CM3は以下の第一工程〜第七工程に従い合成した。
Figure 2014001349
(第一工程)
アルゴンガス雰囲気下、還流冷却装置を取り付けた反応容器内、3−ブロモ−4−クロロトルエン(上記化合物CM3a、30.82g、150mmol)、2,5−ジメチルフェニルボロン酸(上記化合物CM3b、24.75g、165mmol)、無水炭酸カリウム(124.39g、900mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.67g、6mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(1.68g、12mmol)、ジメチルアセトアミド(市販脱水品、600ml)、ピバル酸(15.32g、150mmol)の混合物を150℃に設定した油浴で加熱しながら10時間攪拌した。トルエン(500ml)で希釈した後に、イオン交換水を用いて3回洗浄分液を行った。続いて、得られた油層に活性白土(和光純薬工業株式会社製、60g)を加えて2時間攪拌した後に不溶物をセライトおよびシリカゲルパッドに通液することにより除去する操作2度繰り返した。得られた溶液から溶媒を減圧濃縮により除去した後に、再結晶精製(クロロホルムとエタノールの混合溶媒)を行い、析出した結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM3c(35.5g)を薄黄色〜白色を呈する固体として得た。収率は51%であった。得られた化合物CM3cのHPLC面積百分率値は99.3%(UV254nm)を示した。
(第二工程)
アルゴンガス雰囲気下、上記化合物CM3c(14.58g、75mmol)に、トリフルオロ酢酸(11.15mL、150mmol)、クロロホルム(市販脱水品、400mL)を加え、均一とした混合物を、氷浴を用いて5℃以下に冷却した。そこへ、混合物の温度が5℃を超えることが無いように注意しながら、臭素(8.46mL、165mmol)をゆっくりと加えた後、氷浴を外し、室温にて4時間攪拌し反応溶液を得た。得られた反応溶液に、亜ジチオン酸ナトリウムの飽和水溶液を加え、余剰の臭素を分解した後に、減圧下で濃縮することにより溶媒を除去し、固体を得た。得られた固体にテトラヒドロフラン(1L)を加え、70℃にて1時間攪拌した後に、室温まで冷却し、水を加え、析出している無機塩を溶解させた後に再度減圧下で濃縮することによりテトラヒドロフランを除去したところ、固液混合物を得た。析出している固体をろ取し、トルエンを加え溶解させた後に、シリカゲルショートカラムに通液し、得られたトルエン溶液を濃縮することにより固体を得た。得られた固体をトルエンとイソプロパノールの混合溶媒を用いて再結晶精製する操作を繰り返すことにより、目的物である化合物CM3d(22.3g)を得た。収率は84%であった。得られた化合物CM3dはHPLC面積百分率値(UV254nm)で>99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ(ppm)=7.67(s,2H),7.58(s,2H),3.79(s,2H),2.48(s,6H).
(第三工程)
上記化合物CM3d(12.22g、34.70mmol)にピリジン(34.70mL)を加えた後に、室温にて、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)(下記に従い調製、0.87mL)を加え、反応容器内に大気を通気させながら、40℃のオイルバスで加熱し、16時間攪拌した。その後、再度、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)(下記に従い調製、0.87mL)を加え、60℃のオイルバスで加熱し、8時間攪拌することにより、反応溶液を得た。得られた反応溶液にイオン交換水と酢酸を加え、酸性条件とした後に、室温にて1時間攪し、析出した黄色固体をろ取し、水でよく洗浄した。得られた固体は、乾燥した後に、テトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(テトラヒドロフラン/メタノール=4/30(v/v))に分散させ、80℃のオイルバスで加熱しながら1.5時間攪拌し、室温まで冷却した後に析出している固体をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM3e(11.87g)を黄色固体として得た。収率は93.5%であった。得られた化合物CM3eはHPLC面積百分率値(UV254nm)で96.7%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ(ppm)=7.77(s,2H),7.36(s,2H),2.47(s,6H).
LC/MS(APPI(posi)):364[M]+
(ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)の調製)
ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%メタノール溶液)(「TRITON B」と呼ばれることがある。関東化学株式会社製、50mL)に対してピリジン(50mL)を加えた後にエバポレーターにて25mL以下まで濃縮し、再度、ピリジンを加えて50mLになるように希釈することにより調製した。この操作により得られた溶液を、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(40%ピリジン溶液)と呼ぶ。
(第四工程)
アルゴンガス雰囲気下、3,5−ジ−n−ヘキシル−1−ブロモベンゼン(上記化合物CM3f,13.82g、42.5mmol)をテトラヒドロフラン(市販脱水品、324mL)に溶解させた溶液を攪拌しながら、−78℃のドライアイス−メタノールバスを用いて冷却した。その後、上記溶液の温度が−75℃以下を保持するように、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.63mol/L、25.7mL)をゆっくりと滴下することにより加え、更に1時間攪拌した。次いで、上記化合物CM3e(11.87g、32.4mmol)を、上記溶液の温度が−75℃以下を保持するように、少量ずつ加え、更に、2時間攪拌した後に、メタノール(約20mL)をゆっくりと滴下により加えてから、ドライアイス−メタノールバスを外し、室温までゆっくりと昇温した。得られた反応溶液は、溶媒を減圧濃縮により留去した後に、ヘキサンを加え、イオン交換水で洗浄することにより、油層を得た。得られた油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、不溶分をろ別した後に、減圧濃縮により溶媒を留去し、更に、再結晶精製(ヘキサン)を行い、ろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM3g(9.12g)を白色固体として得た。収率は45%であった。得られた化合物CM3gはHPLC面積百分率値(UV254nm)で97.9%を示した。
LC/MS(ESI(posi)):610[M]+
(第五工程)
アルゴンガス雰囲気下、上記化合物CM3g(9.12g、14.89mmol)、トリエチルシラン(4.53mL、59.6mmol)、ヘキサン(39mL)を混合し、70℃のオイルバスで加熱を開始した後に、トリフルオロ酢酸(4.5mL、59.6mmol)を滴下により加え、更に3時間加熱下で攪拌することにより反応溶液を得た。得られた反応溶液を室温まで冷却した後に、10重量%濃度のリン酸カリウム水溶液を加え、更に、有機層を飽和食塩水により洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、不溶物をろ別した後に、減圧濃縮および減圧乾燥により溶媒を留去し、化合物CM3hを含む油状物(8.9g)を得た。得られた油状物は、これ以上の精製は行わずに次工程に用いた。
LC/MS(ESI(posi)):594[M]+
(第六工程)
アルゴンガス雰囲気下、上記化合物CM3hを含む油状物(8.9g)にN,N−ジメチルホルムアミド(74mL)を加え均一な溶液を得た。アルゴンガスバブリングを15分間行い、次いで、氷浴を用いて5℃以下に冷却した後に、水酸化カリウム(2.76g、49.1mmol)をイオン交換水(2.4mL)に溶解させた後にアルゴンガスをバブリングすることによりアルゴンガス雰囲気に置換した水酸化カリウム水溶液を加えた。続いて、ヨウ化メチル(6.34g、44.7mmol)を滴下により加え、0〜5℃にて4時間攪拌した。氷浴を外し、イオン交換水を加え、更にヘキサンにより抽出することにより、油層を得た。得られた油層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、不溶物をろ別、溶媒を留去した後に、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製した。目的物である化合物CM3iを含むフラクションを統合し、濃縮した後に、再結晶精製(ヘキサン−イソプロパノール)を行い、得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM3i(7.10g)を白色固体として得た。収率は77%であった。得られた化合物CM3iはHPLC面積百分率値(UV254nm)で>99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ(ppm)=7.57(s,2H),7.35(s,2H),6.83(s,1H),6.71(s,2H),2.50−2.44(m,10H),1.79(s,3H),1.54−1.45(m,4H),1.34−1.17(m,12H),0.84(t,6H).
LC/MS(ESI(posi)):608[M]+
(第七工程)
アルゴンガス雰囲気下、ビスピナコールジボロン(9.10g、35.9mmol)、
酢酸カリウム(7.04g、71.7mmol)、1,4−ジオキサン(36mL)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(1:1)(Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2、CAS番号95464−05−4、Sigma−Aldrich Co.LLC製、0.293g、0.36mmol)の混合物を115℃のオイルバスで加熱しながら攪拌した中へ、別途調整した、上記化合物CM3i(7.13g、11.9mmol)を1,4−ジオキサン(36mL)に溶解した溶液を2時間掛けて滴下することにより加えた後に、同温度で約18時間攪拌することにより、反応溶液を得た。得られた反応溶液を室温まで冷却した後に、トルエンを加えて希釈し、続いて、セライトおよびシリカゲルパッドに通液することにより不溶物と極性成分を除去した。得られた溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、不溶物をろ別した後に、減圧濃縮により溶媒を留去してから、トルエンを加え均一な溶液を得た。得られた溶液に活性炭を加え、70℃のオイルバスで加熱しながら30分間攪拌し、室温まで冷却した後に不溶物をセライトろ過により除去する操作を行い、得られた溶液を濃縮した後に再結晶精製(トルエン−アセトニトリル)を行った。得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である単量体CM3(6.94g)を白色固体として得た。収率は82%であった。得られた単量体CM3はHPLC面積百分率値(UV254nm)で>99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ(ppm)=7.64(s,2H),7.55(s,2H),6.81(s,2H),6.77(s,1H),2.62(s,6H),2.48−2.42(m,4H),1.85(s,3H),1.55−1.45(m,4H),1.31(s,24H),1.31−1.17(m,12H),0.83(t,6H).
LC/MS(ESI(posi)):704[M]+
<合成例3:単量体CM4の合成>
化合物CM4は以下の第一工程〜第七工程に従い合成した。
Figure 2014001349
(第一工程)
反応容器に、アセトアミド(59.1、1.00mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.66g、4mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(「Xantphos」と呼ばれることがある。6.94g、12mmol)、炭酸セシウム(391g、1.20mol)、1,4−ジオキサン(800ml)およびイオン交換水(7.2ml)を加え、更にアルゴンガスをバブリングすることにより反応容器内をアルゴンガス雰囲気に置換した。100℃まで加熱した後に、9,9−ジヘキシル−2,7−ジブロモフルオレン(上記化合物CM4a、98.5g、200mmol)を1,4−ジオキサン(300ml)に溶解した溶液を約0.5時間かけてゆっくりと加えた後に、同温度で4時間攪拌した。得られた反応混合物をシリカゲルパッドに通液し、得られたろ液を濃縮してからイオン交換水中に、ゆっくりと加え、攪拌することにより析出した固体をろ取し、イオン交換水で洗浄し、減圧乾燥することにより、94.5gの固体を得た。得られた固体を、エタノール−イオン交換水を用いて再結晶した後に、更に、クロロホルム−ヘキサンで2回再結晶し、更に、エタノールに溶解した状態で活性炭を加えて加熱還流した後にセライトろ過により活性炭をろ別した。その後、ろ液を濃縮し、ヘキサンを加え固体を析出させる操作を行うことにより精製した。得られた固体を、ろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM4b(52.8g)を肌色固体として得た。収率は58.9%であった。得られた化合物CM4bのHPLC面積百分率値は97.6%を示した。
1H−NMR(300MHz,THF−d8)δ(ppm)=9.05(s,2H),7.69(s,2H),7.51(t,4H),2.06(s,6H),1.95(m,4H),1.10(m,12H),0.78(t,6H),0.66(m,4H)
13C−NMR(75MHz,THF−d8)δ(ppm)=169.1,152.9,140.8,138.3,120.9,119.6,115.3,56.9,42.7,33.7,31.9,25.8,25.3,24.6,15.5
(第二工程)
上記化合物CM4b(43.1g、96mmol)、炭酸カルシウム(11.5g、115mmol)、クロロホルム(384ml)、メタノール(384ml)を混合し、窒素ガスをバブリングすることにより反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした。遮光下で、上記混合物を攪拌しながら、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(89.84g、230mmol)を1時間掛けて少しずつゆっくりと加えた。その後、室温で17時間攪拌し、ついで、50℃に加熱しながら、2時間攪拌し、再び室温で23時間攪拌し、50℃で9時間攪拌した。室温まで冷却した後に、不溶物をろ過により除去した後に、10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(384ml)を加え、1時間攪拌した後、水層を分液により除き、得られた油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(384ml)、イオン交換水(384ml)、15重量%食塩水(384ml)で順次洗浄し、減圧濃縮することにより、約80gの固体を得た。得られた固体を酢酸エチル(400ml)に室温にて溶解させた後に、シリカゲル(40g)を加え、30分攪拌してから、シリカゲルをろ過により除去し、得られたろ液を濃縮した。酢酸エチル(80ml)に加熱溶解させ、ヘキサン(320ml)を滴下し、室温まで冷却してから、析出した固体をろ取した。得られた固体を、再度酢酸エチル(68ml)に加熱溶解させ、ヘキサン(280ml)を滴下し、室温まで冷却してから、析出した固体をろ取した。得られた固体を、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM4c(39.0g)を薄黄色固体として得た。収率67.0%。得られた化合物のHPLC面積百分率値は98.5%を示した。なお、再結晶のろ液を合一して濃縮した後に、同様の条件で再結晶精製し、得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、化合物CM4c(7.56g)を回収した。収率は13.0%であった。得られた化合物CM4cのHPLC面積百分率値は96.6%を示した。以上より総収率は80.0%であった。
1H−NMR(300MHz,THF−d8)δ(ppm)=8.36(s,2H),8.26(s,2H),7.96(s,2H),2.16(s,6H),1.98(m,4H),1.11(m,12H),0.79(t,6H),0.68(m,4H)
13C−NMR(75MHz,THF−d8)δ(ppm)=169.5,152.8,139.1,137.8,125.5,120.0,114.8,57.3,41.9,33.5,31.7,25.8,25.2,24.6,15.5
(第三工程)
上記化合物CM4c(42.5g、70mmol)、ブチルボロン酸(28.5g、280mmol)、酢酸パラジウム(157mg、0.70mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(204mg、0.70mmol)、無水炭酸カリウム(58.1g、420mmol)、市販脱水トルエン(700ml)を混合し、アルゴンガスをバブリングすることにより、反応容器内の気体をアルゴンガス雰囲気とした。オイルバスで加熱し、還流下で19時間攪拌した。HPLCにより反応進行を確認した後に、トルエン(350ml)および酢酸エチル(350ml)で希釈し、室温まで冷却した後に、セライトろ過およびシリカゲルパッドへの通液を行うことで不溶物および極性の高い不純物を除去した。得られた溶液を濃縮した後に、酢酸エチルを用いて再結晶精製し、得られた結晶をろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM4d(19.3g)を白色固体として得た。得られた化合物のHPLC面積百分率値は99.2%(UV254nm)を示した。収率は49.1%であった。なお、上記で用いたセライト、シリカゲルの残渣から目的成分をクロロホルムで抽出し、上記と同様の操作で精製することにより、化合物CM4d(8.7g)を白色固体として回収した。得られた化合物CM4dのHPLC面積百分率値は99.3%(UV254nm)を示した。収率は22.1%であった。以上より総得量で28.0g、収率は71.2%であった。
1H−NMR(300MHz,THF−d8)δ(ppm)=8.30(s,2H),7.66(s,2H),7.49(s,2H),2.66(t,4H),2.07(s,6H),1.93(m,4H),1.67(m,4H),1.44(m,4H),1.15(m,12H),0.99(t,6H),0.79(t,6H),0.73(m,4H)
13C−NMR(75MHz,THF−d8)δ(ppm)=169.1,150.7,139.9,137.3,135.6,121.5,121.3,56.5,42.3,34.3,33.6,33.2,31.9,26.7,25.9,24.8,24.6,15.6,15.5
(第四工程)
上記化合物CM4d(28.0g、50mmol)を2−プロパノール(500ml)に室温にて溶解させた後に、48重量%濃度のHBr水溶液(569ml)、イオン交換水(50ml)を加え、加熱還流下で33時間攪拌した。この時、フラスコ内は白色のスラリー状であった。反応終了後、室温まで冷却し、析出した固体をろ取、イオン交換水(250ml)で2回洗浄した。その後、室温で5時間減圧乾燥した後に、50℃で一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM4e(26.3g)を白色固体として得た。収率は82.2%であった。得られた化合物CM4eのHPLC面積百分率値は92.7%を示した。
1H−NMR(300MHz,Methanol−d4)δ(ppm)=7.93(s,2H),7.44(s,2H),4.91(s,6H),2.85(t,4H),2.09(m,4H),1.80(m,4H),1.56(m,4H),1.07(m,18H),0.77(t,6H),0.59(m,4H)
13C−NMR(75MHz,Methanol−d4)δ(ppm)=152.4,143.0,137.8,130.6,124.1,119.9,57.3,42.0,34.2,33.5,32.2,31.4,24.7,24.3,15.2,15.1
(第五工程)
上記化合物CM4e(12.8g、20mmol)、市販脱水テトラヒドロフラン(1000ml)、市販脱水エタノール(200ml)、48重量%濃度のHBr水溶液(60ml)を順次加えた。この時、溶液は薄黄色透明を呈していた。氷浴により内温を1℃まで冷却してから、亜硝酸−tert−ブチル(「tert−BuONO」といわれることがある。含量90%、4.82g、42mmol)を市販脱水テトラヒドロフラン(252ml)に希釈した溶液を30分間かけて滴下することにより加えた。氷浴のまま、更に30分間攪拌した後に、50重量%ジ亜燐酸水溶液(H3PO2、200ml)を1時間かけて滴下することにより加えた。滴下終了後、氷浴のまま、5時間攪拌した後に、室温にて一晩静置した。得られた反応溶液にイオン交換水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を合一してから、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、イオン交換水、15重量%食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮することにより、10.8gの黒色アメ状物を得た。
上記と同様の操作により、化合物CM4e(9.58g)から得た7.98gの黒色アメ状物と合一した後に、中圧シリカゲルクロマトグラフィー(φ6x30cm、ヘキサン)で精製し、目的物が含まれるフラクションを合一し、活性白土(31g)を加え、1時間室温にて攪拌した後に、固体をろ別し、ろ液を濃縮することにより、目的物である化合物CM4f(10.72g)を黄色油状物として得た。収率は68.6%であった。得られた化合物CM4fのHPLC面積百分率値は95.1%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm)=7.49(s,2H),7.20(d,2H),7.08(d,2H),2.68(t,4H),1.89(m,4H),1.67(m,4H),1.40(m,4H),1.04(m,14H),0.95(t,6H),0.76(t,6H),0.66(m,4H)
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)=148.8,141.56,141.52,127.4,122.9,119.7,54.6,40.7,36.2,34.3,31.9,30.2,24.2,23.0,22.9,14.40,14.36
(第六工程)
上記化合物CM4f(10.1g、23mmol)、クロロホルム(345ml)を加え、アルゴンガスをバブリングした後に、遮光下、室温にて、N−ブロモスクシンイミド(12.31g、69mmol)を加え、室温にて、10分間攪拌した。氷浴にて、0℃に冷却した後に、トリフルオロ酢酸(85ml)を30分間かけて滴下することにより加えた。滴下終了後、氷浴を外し、室温にて1.5時間攪拌した。別の容器に移した後、メタノール(1700ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。析出した固体をろ取、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、11.1gの白色固体を得た。中圧シリカゲルクロマトグラフィー(φ5x30cm、ヘキサン)で精製し、目的物が含まれるフラクションを合一し、濃縮後、ヘキサン(232ml)で溶解させ、活性白土(23g)を加え、1時間室温にて攪拌した。その後、固体をろ別し、ろ液を濃縮し、その後酢酸エチルから再結晶、ろ取、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM4g(10.85g)を薄黄色結晶として得た。収率は74.8%であった。得られた化合物CM4gのHPLC面積百分率値は99.52%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm)=7.49(s,2H),7.43(s,2H),2.79(t,4H),1.86(m,4H),1.67(m,4H),1.45(m,4H),1.05(m,12H),0.99(t,6H),0.78(t,6H),0.63(m,4H)
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)=149.1,148.2,130.5,120.9,83.5,54.8,40.3,36.3,36.2,31.8,31.0,25.3,24.0,23.3,22.9,14.5,14.4
TLC/MS:[M]+=604
(第七工程)
上記化合物CM4g(10.6g、17.5mmol)に、ビスピナコラートジボロン(13.3g、52.5mmol)、市販脱水1,4−ジオキサン(140ml)を加え、45℃に加熱し溶解させた後に、アルゴンガスで30分間バブリングした。酢酸カリウム(10.3g、105mmol)を加え、再度アルゴンガスでバブリングした後に、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)・CH2Cl2、400mg、0.49mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、290mg、0.53mmol)を加え、オイルバスにより加熱しながら、還流下で20時間攪拌した。トルエン(100ml)で希釈し、室温まで冷却した。その後、セライトを敷いたろ過器に通液することにより、不溶物を除去し、更にセライトをトルエン(100mlで2回)洗浄し、ろ液を合一した後に、濃縮した。次に、ヘキサン(280ml)、活性炭(21g)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した後に、室温まで冷却し、セライトを敷いたろ過器に通液することにより、不溶物を除去した。更にセライトをトルエン(100mlで2回)洗浄し、ろ液を合一した後に、濃縮するという操作を二回繰り返した後に、エタノール(250ml)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、固体をろ取、エタノール(30mlで2回)洗浄し、減圧乾燥することにより、11.3gの白色固体を得た。ヘキサン(45ml)に加熱完溶させ、エタノール(270g)を滴下することにより加え、室温まで冷却した後に、析出した固体をろ取、少量のメタノールで洗浄し、減圧乾燥するという操作を2回繰り返すことにより、目的物である単量体CM4(9.88g)を白色結晶として得た。収率は69.8%であった。得られた単量体CM4のHPLC面積百分率値は99.96%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm)=7.66(s,2H),7.49(s,2H),2.95(t,4H),1.93(m,4H),1.59(m,4H),1.41(m,28H),1.08(m,12H),0.95(t,6H),0.76(t,6H),0.64(m,4H)
13C−NMR(75MHz,CDCl3)δ(ppm)=149.1,148.2,130.5,120.9,83.5,54.8,40.3,36.3,36.2,31.8,31.0,25.3,24.0,23.3,22.9,14.5,14.4
TLC/MS:[M]+=698
<合成例4:単量体CM11の合成>
単量体CM11は、Eur.J.Org.Chem.2005年,pp.2207に記載の方法に従って、合成した。
窒素雰囲気下、3口ナスフラスコにアズレン(3.0質量部)を仕込み、ヘキサンを加えて攪拌した。氷浴を用いて0℃まで冷却し、NBS(N−ブロモスクシンイミド)(10.4質量部)を、反応温度を保ちながら少しずつ加えた。反応終了後、得られた混合物を室温で2時間攪拌し、その後溶媒を除去した。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびヘキサンから再結晶を行い精製した。目的とする化合物1Aは、再結晶からの回収分として3.75質量部(HPLC純度100%)、および、ろ液からの回収分として2.83質量部(HPLC純度99.6%)が得られた。全収率は99.1%であった。単量体CM11の構造はNMRにより確認した。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ(ppm)=8.32(d,12Hz,2H),7.81(s,1H),7.68(t,12Hz,1H),7.27(m,2H).
13C−NMR(75MHz,CDCl3):δ(ppm)=140.36,138.50,137.01,136.07,124.33,102.99.
<合成例5:単量体CM14の合成>
単量体CM14は以下の第一工程〜第六工程に従い合成した。
Figure 2014001349
<第一工程:化合物CM14cの合成>
窒素ガス雰囲気下、1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(化合物CM14a、650g)およびテトラヒドロフラン(6.5L)からなる溶液に、−75〜−70℃にてn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液、1237mL)を1時間かけて滴下し、同温度でさらに4時間攪拌した。次いで、2,7−ジブロモフルオレノン(化合物CM14b、613g)を−75〜−70℃にて1時間かけて加え、攪拌しながら反応混合物の温度を室温まで上げた。次いで2M塩酸(982mL)を加え、反応混合物のpHを7に調整した。減圧下、テトラヒドロフランを除去し、残った混合物にn−ヘキサンを加え攪拌し、分液して得られた油層を水洗した。該油層に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌し、濾過したのち、濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をn−ヘキサンによって再結晶することにより、目的とする化合物CM14c(674g)を得た。
<第二工程:化合物CM14dの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM14c(674g)にn−ヘキサン(1215mL)を加え、10℃にて攪拌しながらトリフルオロ酢酸(877mL)を加え、次いで、トリエチルシラン(147g)およびn−ヘキサン(300mL)からなる溶液を10−15℃にて滴下した。次いで、反応混合物を室温にて一晩攪拌した。次いで、得られた反応混合物に、10℃にて水(1200mL)をゆっくり加え、減圧濃縮により溶媒を除去した。得られた混合物に、n−ヘキサンを加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から分離した。得られた油層に、10%リン酸カリウム水溶液(5L)を加え、2時間攪拌し、静置後分液した水層を油層から分離した。該油層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムを加え攪拌し、濾過した濾液を減圧濃縮することによって溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をジクロロメタン(610mL)に溶解して調整した溶液を、攪拌したメタノール(8.5L)に1時間かけて加え、さらに3時間攪拌し、析出した結晶を濾過し、減圧下乾燥することにより、目的とする化合物CM14dを538g得た。
<第三工程:化合物CM14eの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM14d(25g)、1−ブロモオクタン(12.9g)、テトラエチルアンモニウムクロライド(Aldrich製:商標Aliquat336)からなる混合物に、攪拌しながら85℃にて26.7重量%水酸化カリウム水溶液をゆっくり加え、同温度にて20時間攪拌した。得られた反応混合物に、室温にて、水(120mL)およびジクロロメタン(250mL)を加え攪拌し、静置後分液して得られた水層を油層から除去した。該油層に無水硫酸ナトリウムを加えて攪拌し、濾過して得られた濾液を減圧濃縮し、溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物にジクロロメタンとメタノールを加え、再結晶することにより、白色固体を得た。該固体をイソプロピルアルコールから再結晶することにより、目的とする、化合物CM14eを22g得た。
<第四工程:化合物CM14fの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM14e(125g)、2,4,6−トリメチルアニリン(54.63g)、トルエン(1.7L)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(0.84g)、トリ−tert−ブチルフォスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu3・BF4H、0.400g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(53g)を還流下、16時間攪拌した。次いで、室温にて、水(400mL)を加え攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をトルエン(500mL)に溶解して溶液を調整し、セライトを敷き詰めた濾過器、シリカゲルを敷き詰めた濾過器の順に該溶液を通した。得られた濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物にイソプロピルアルコールおよびジクロロメタンを加え、静置して析出した結晶を濾過し、黄色固体を得た。該固体をイソプロピルアルコールおよびトルエンにて再結晶することにより、目的とする化合物CM14fを94g得た。
<第五工程:化合物CM14gの合成>
窒素ガス雰囲気下、化合物CM14f(94.2g)、ブロモベンゼン(32mLg)、トルエン(1.4L)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(1.09g)、トリ−tert−ブチルフォスフィンテトラフルオロボレート(t−Bu3・BF4H、0.69g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(34.4g)を還流下、一晩攪拌した。次いで、室温にて、水(300mL)を加え攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。該油層を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物をトルエン(200mL)に溶解して溶液を調整し、セライトを敷き詰めた濾過器、シリカゲルを敷き詰めた濾過器の順に該溶液を通した。得られた濾液を減圧濃縮して溶媒を除去し、油状物を得た。該油状物にイソプロピルアルコールおよびメタノールを加え攪拌し、静置して分液した上澄みを除去し、得られた油状物を減圧下溶媒を除去することにより、目的とする化合物CM14gを82g得た。
<第六工程:単量体CM14の合成>
化合物CM14g(55.8g)およびクロロホルム(550mL)からなる溶液に、攪拌しながら−15℃にてN−ブロモスクシンイミド(NBS、21.2g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(550mL)からなる溶液を滴下し、同温度で3時間攪拌した。次いで、室温にてメタノール(400mL)を加え攪拌し、水(400mL)を加え攪拌し、減圧下濃縮して溶媒を除去した。得られた混合物を静置した後、上澄みを除去して褐色固体を得た。該固体にジクロロメタン(500mL)を加え溶解させ、水を加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。次いで、10%炭酸ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加えて攪拌し、静置後分液した水層を油層から除去した。得られた油層を減圧下で溶媒を除去し、褐色の油状物を得た。該褐色の油状物を、セライトとシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーを行い、溶媒を除去することにより、透明な油状物を得た。該透明な油状物にイソプロピルアルコールとトルエンを加えて攪拌し、静置した後、上澄みを除去して粘性の高い固体を得た。次いで、該固体にメタノールを加えて激しく攪拌し、得られた固体を濾過した。次いで、メタノールおよび酢酸n−ブチルを使用して再結晶することにより、目的とする単量体CM14を40.6g得た。
<合成例3:燐光発光材料1の合成>
燐光発光材料1は、国際公開第2002/066552号明細書に記載の合成法に従い合成した。
Figure 2014001349
<重合例1:高分子化合物1の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(4.9717g、9.90mmol)、単量体CM13(7.7427g、8.50mmol)、単量体CM8(0.7924g、1.50mmol)およびトルエン(243mL)を加え、105℃に加熱した。ここに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(35g)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)(8.9mg)を加え、反応液を7.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(122mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(35g)およびジクロロビス[トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム(8.8mg)を加え、12.2時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物1を6.55g得た。高分子化合物1のポリスチレン換算の数平均分子量は3.3×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は13.7×104であった。
高分子化合物1は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例2:高分子化合物2の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(0.9947g、2.00mmol)、単量体CM13(1.4575g、1.60mmol)、単量体CM8(0.1057g、0.20mmol)、単量体CM9(0.0920g、0.20mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)(1.8mg)およびトルエン(47mL)を混合し、105℃に加熱した。得られた反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7mL)を滴下し、23時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)およびジクロロビス(オルトメトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)を加え、9時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物2を1.46g得た。高分子化合物2のポリスチレン換算の数平均分子量は1.6×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.0×105であった。
高分子化合物2は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例3:高分子化合物3の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(1.0465g)、単量体CM2(0.4817g)、単量体CM13(2.7367g)、単量体CM10(0.2253g)およびトルエン(83ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.43mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.1g)を加え、還流下で約30時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(42.5mg)、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.45mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.1g)を加え、更に還流下で約17.5時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.94g)をイオン交換水(39ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら3時間攪拌した。その後、得られた有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物3(2.62g)を得た。高分子化合物3のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=1.3×10、Mw=5.2×104であった。
高分子化合物3は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例4:高分子化合物4の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(0.9967g)、単量体CM14(1.7587g)、単量体CM8(0.1057g)、単量体CM9(0.0920g)およびトルエン(55ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.77mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.5g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。
次に、フェニルボロン酸(26.1mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.5g)を加え、更に還流下で約15時間攪拌した。
次に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(26ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。
得られた有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物4(1.57g)を得た。高分子化合物4のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=3.5×104、Mw=2.8×105であった。
高分子化合物4は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例5:高分子化合物5の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM3(1.4093g)、単量体CM13(1.4574g)、単量体CM8(0.1057g)、単量体CM9(0.0920g)およびトルエン(58ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(3.53mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.29g)を加え、還流下で約4.5時間攪拌した。
次に、フェニルボロン酸(24.4mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.76mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.29g)を加え、更に還流下で約18時間攪拌した。
次に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(27ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。
得られた有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物5(1.77g)を得た。高分子化合物5のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.7×104、Mw=2.8×105であった。
高分子化合物5は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例6:高分子化合物6の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM3(1.4093g)、単量体CM14(1.7587g)、単量体CM8(0.1057g)、単量体CM9(0.0920g)およびトルエン(45ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.81mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.3g)を加え、還流下で約9時間攪拌した。
次に、フェニルボロン酸(24.6mg)、ジクロロビス(トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン)パラジウム(1.74mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.4g)を加え、更に還流下で約13.5時間攪拌した。
次に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.11g)をイオン交換水(31ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。
得られた有機層をイオン交換水で2回、3.0重量%酢酸水溶液で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物6(1.92g)を得た。高分子化合物6のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=6.4×104、Mw=2.9×105であった。
高分子化合物6は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例7:高分子化合物7の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM4(1.4924g)、単量体CM13(1.6539g)、単量体CM10(0.1375g)およびトルエン(57ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.80mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.57mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.7g)を加え、還流下で約6時間攪拌した。
次に、フェニルボロン酸(26.3mg)、酢酸パラジウム(0.82mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.58mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(7.7g)を加え、更に還流下で約14.5時間攪拌した。
次に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.21g)をイオン交換水(24ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。
得られた有機層をイオン交換水で2回、3重量%酢酸で2回、イオン交換水で3回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物7(2.148g)を得た。高分子化合物7のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=4.2×104、Mw=2.9×105であった。
高分子化合物7は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<実施例1:高分子化合物8の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(1.0043g、2.02mmol)、単量体CM13(1.4028g、1.54mmol)、単量体CM11(0.0172g、0.06mmol)、単量体CM8(0.1057g、0.20mmol)、単量体CM9(0.0921g、0.20mmol)およびトルエン(46mL)を加え、105℃に加熱した。ここに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.9g)およびジクロロビス[トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム(1.8mg)を加え、得られた反応液を6.0時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.6mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.9g)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)(1.8mg)を加え、14.0時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物8を1.52g得た。高分子化合物8のポリスチレン換算の数平均分子量は3.42×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は66.8×104であった。
高分子化合物8は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<実施例2:高分子化合物9の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(1.0033g、2.01mmol)、単量体CM13(1.4028g、1.54mmol)、単量体CM12(0.0248g、0.06mmol)、単量体CM8(0.1056g、0.20mmol)、単量体CM9(0.0921g、0.20mmol)およびトルエン(47mL)を加え、105℃に加熱した。ここに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.9g)およびジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)(1.8mg)を加え、得られた反応液を7.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.9g)およびジクロロビス[トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム(1.8mg)を加え、14.0時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物9を1.52g得た。高分子化合物9のポリスチレン換算の数平均分子量は12.4×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は59.5×104であった。
高分子化合物9は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<実施例3:高分子化合物10の合成>
反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした後、高分子化合物1(3.25g, 6.93mmol)、フラーレン(シグマアルドリッチ社製)(1.49g,2.08mmol)およびオルトジクロロベンゼン(349ml)を混合させた。得られた溶液を窒素ガスで30分間バブリングを行った後、190℃に加熱し、24時間撹拌した。その後、得られた反応溶液をメタノール(1500ml)に再沈殿し、ろ過、減圧乾燥を行った。
乾燥後、得られた粗ポリマーにTHF(183ml)を加え溶解させた。その後、桐山ロートに、活性炭(6.85g)、活性炭(6.93g)およびシリカゲル(32.97g)の混合物、並びに、セライト(6.71g)に仕込み、最下層に活性炭、中層に活性炭とシリカゲルの混合物、最上層にセライトとなるように積層させ、ここにポリマー溶液を通液させた。
通液後の溶液に、活性炭(6.90g)を仕込み、この懸濁液を活性炭(13.9g)に通液させたのち、減圧濃縮してTHFを留去した後、トルエン(100mL)を加えて溶解させた。
上記で得られたポリマーのトルエン溶液をメタノール(1000ml)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物10を1.85g得た。高分子化合物10のポリスチレン換算の数平均分子量は9.5×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は20.7×104であった。
得られた高分子化合物10のポリマー全体に対するフラーレン担持量は6.9mol%、担持していないフラーレンは0mol%であった。なお、高分子化合物10におけるフラーレンを含む構成単位は、上記式(6A−1)で表される構成単位であると推測される。
<重合例8:高分子化合物11の合成>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM3(5.1791g、7.35mmol)、単量体CM13(5.8070g、6.38mmol)、単量体CM8(0.5943g、1.13mmol)およびトルエン(222mL)を加え、105℃に加熱した。ここに、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(26g)および、ジクロロビス[トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム(6.6mg)を加え、得られた反応液を6.0時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(92mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(26g)およびジクロロビス[トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム(6.6mg)を加え、13.2時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。その沈澱をろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物11を7.61g得た。高分子化合物11のポリスチレン換算の数平均分子量は3.3×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は12.3×104であった。
高分子化合物11は単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例9:高分子化合物12の合成>
反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした後、高分子化合物11(3.26g, 5.70mmol)、フラーレン(シグマアルドリッチ社製)(1.23g,1.70mmol)およびオルトジクロロベンゼン(285ml)を混合させた。窒素ガスで30分間バブリングを行った後、190℃に加熱し、24時間撹拌した。その後、得られた反応溶液をメタノール(1500ml)により再沈殿し、ろ過、減圧乾燥を行った。
乾燥後、得られた粗ポリマーにTHF(184ml)を加え溶解させた。桐山ロートに活性炭(6.84g)、活性炭(6.86g)およびシリカゲル(33.55g)の混合物、並びに、セライト(6.49g)に仕込み、最下層に活性炭、中層に活性炭とシリカゲルの混合物、最上層にセライトとなるように積層させ、ここにポリマー溶液を通液させた。
通液後の溶液に、活性炭(6.90g)を仕込み、この懸濁液を活性炭(13.8g)に通液させたのち、減圧濃縮してTHFを留去した後、トルエン(100mL)を加えて溶解させた。
上記で得られたポリマーのトルエン溶液をメタノール(1000ml)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物12を1.56g得た。高分子化合物12のポリスチレン換算の数平均分子量は9.4×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は20.9×104であった。
得られた高分子化合物12のポリマー全体に対するフラーレン担持量は6.7mol%、担持していないフラーレンは0mol%であった。なお、高分子化合物10におけるフラーレンを含む構成単位は、上記式(6A−1)で表される構成単位であると推測される。
<重合例10:高分子化合物L1の合成>
反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM6(9.0g、16.4mmol)、単量体CM15(1.3g、1.8mmol)、単量体CM5(13.4g、18.0mmol)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(43.0g、58.3mmol)、酢酸パラジウム(8mg、0.04mmol)、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.05g、0.1mmol)およびトルエン(200mL)を混合し、90℃で8時間加熱攪拌した。次いで、フェニルボロン酸(0.22g、1.8mmol)を添加し、得られた混合物を14時間撹拌した。放冷後、水層を除去し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液を添加し撹拌した後、水層を除去し、得られた有機層を水、3%酢酸水で洗浄した。得られた有機層をメタノールに注いで高分子化合物を沈殿させた後、濾取した高分子化合物を再度トルエンに溶解させ、シリカゲルおよびアルミナのカラムに通液した。高分子化合物を含む溶出トルエン溶液を回収し、回収した前記溶出トルエン溶液をメタノールに注いで高分子化合物を沈殿させた。沈殿した高分子化合物を50℃で真空乾燥し、高分子化合物L1(12.5g)を得た。高分子化合物L1のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.1×105であり、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.9であった。
高分子化合物L1は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<重合例11:高分子化合物L2の合成>
反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM1(0.8222g)、単量体CM7(0.8507g)、単量体CM16(0.2097g)およびトルエン(37ml)の混合物を約80℃に加熱した後に、酢酸パラジウム(0.41mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(2.30mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.8g)を加え、還流下で約4時間攪拌した。次に、フェニルボロン酸(40.6mg)を加え、更に還流下で約2時間攪拌した。その後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.46g)をイオン交換水(9ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。その後、得られた有機層を3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で5回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで沈殿を生じさせ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物L2(1.110g)を得た。高分子化合物L2のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.7×104、Mw=2.3×105であった。
高分子化合物L2は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 2014001349
<実施例D1:発光素子D1の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、正孔注入材料としてポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)を用いてスピンコートにより35nmの厚さで成膜し、これを大気雰囲気中において、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥させた。
次に、高分子化合物1と高分子化合物10とをそれぞれ、キシレンに溶解させ0.7質量%のキシレン溶液を調製した。
次に、高分子化合物1と高分子化合物10との固形分の質量比が80:20となるように、高分子化合物1のキシレン溶液と高分子化合物10のキシレン溶液を混合した。このキシレン溶液を用いてスピンコートすることにより、厚さ20nmの有機薄膜を形成した。これを窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱した。
次に、高分子化合物L1をキシレンに溶解させ、1.3質量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いてスピンコートすることにより厚さ60nmの有機薄膜を形成し、窒素ガス雰囲気中において150℃で10分加熱乾燥させた後、陰極としてフッ化ナトリウムを約7nm、次いでアルミニウムを約120nm蒸着して、発光素子D1を作製した。なお、真空度が、1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
得られた発光素子D1に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、72.5時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D2:発光素子D2の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて、高分子化合物2を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。
得られた発光素子D2に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、85.0時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D3:発光素子D3の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて、高分子化合物3を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D3を作製した。
得られた発光素子D3に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、46.4時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D4:発光素子D4の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1に代えて、高分子化合物4を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D4を作製した。
得られた発光素子D4に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、96.0時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D5:発光素子D5の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10に代えて、高分子化合物5および高分子化合物12を用いたを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D5を作製した。
得られた発光素子D5に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、109.0時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D6:発光素子D6の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10に代えて、高分子化合物6および高分子化合物12を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D6を作製した。
得られた発光素子D6に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、137.6時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D7:発光素子D7の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10に代えて、高分子化合物7および高分子化合物12を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D7を作製した。
得られた発光素子D7に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、56.4時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D8:発光素子D8の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1と高分子化合物8との固形分の質量比が20:80となるように調整したキシレン溶液を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D8を作製した。
得られた発光素子D8に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、46.9時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D9:発光素子D9の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1と高分子化合物9との固形分の質量比が20:80となるように調整したキシレン溶液を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D9を作製した。
得られた発光素子D9に電圧を印加したところ、この素子から465nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、39.4時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D10:発光素子D10の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1とフラーレンC60との固形分の質量比が97:3となるように調整したキシレン溶液を用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D10を作製した。
得られた発光素子D10に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、197.7時間であった。結果を表1に示す。
<実施例D11:発光素子D11の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物10のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子D11を作製した。
得られた発光素子D11に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、289時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD1:発光素子CD1の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。
得られた発光素子CD1に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、26.4時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD2:発光素子CD2の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物2のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD2を作製した。
得られた発光素子CD2に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、49.9時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD3:発光素子CD3の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物3のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD3を作製した。
得られた発光素子CD3に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、13.7時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD4:発光素子CD4の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物4のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD4を作製した。
得られた発光素子CD4に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、63.9時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD5:発光素子CD5の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物5のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD5を作製した。
得られた発光素子CD5に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、46.4時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD6:発光素子CD6の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物6のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD6を作製した。
得られた発光素子CD6に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、75.0時間であった。結果を表1に示す。
<比較例CD7:発光素子CD7の作製と評価>
実施例D1における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物7のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D1と同様にして、発光素子CD7を作製した。
得られた発光素子CD7に電圧を印加したところ、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が2500cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、18.9時間であった。結果を表1に示す。
実施例D10と比較例CD1との比較から、本発明の高分子化合物(A)および化合物(B)を含む第一の組成物は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用であることがわかる。
また、実施例D1と比較例CD1との比較、実施例D2と比較例CD2との比較、実施例D3と比較例CD3との比較、実施例D4と比較例CD4との比較、実施例D5と比較例CD5との比較、実施例D6と比較例CD6との比較、実施例D7と比較例CD7との比較、実施例D8と比較例CD1との比較、実施例D9と比較例CD1との比較から、本発明の高分子化合物(A)および高分子化合物(C)を含む第二の組成物は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用であることがわかる。
さらには、実施例D11と比較例CD1との比較から、本発明の高分子化合物は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用であることがわかる。
Figure 2014001349
<実施例D12:発光素子D12の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、正孔注入材料としてポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)を用いてスピンコートにより65nmの厚さで成膜し、これを大気雰囲気中において、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥させた。
次に、高分子化合物1と高分子化合物10とをそれぞれ、キシレンに溶解させ0.7質量%のキシレン溶液を調製した。次に、高分子化合物1と高分子化合物10との固形分の質量比が80:20となるように、高分子化合物1のキシレン溶液と高分子化合物10のキシレン溶液を混合した。このキシレン溶液を用いてスピンコートすることにより、厚さ20nmの有機薄膜を形成した。これを窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱した。
次に、高分子化合物L2と燐光発光材料1をそれぞれ、キシレンに溶解させ2.0質量%のキシレン溶液を調製した。次に、高分子化合物L2と燐光発光材料1との固形分の質量比が70:30となるように、高分子化合物L2のキシレン溶液と燐光発光材料1のキシレン溶液を混合した。このキシレン溶液を用いてスピンコートすることにより厚さ80nmの有機薄膜を形成し、窒素ガス雰囲気中において150℃で10分加熱乾燥させた後、陰極としてフッ化ナトリウムを約7nm、次いでアルミニウムを約120nm蒸着して、発光素子D12を作製した。なお、真空度が、1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
得られた発光素子D12に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、119.1時間であった。結果を表2に示す。
<実施例D13:発光素子D13の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1に代えて、高分子化合物3を用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子D13を作製した。
得られた発光素子D13に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、86.5時間であった。結果を表2に示す。
<実施例D14:発光素子D14の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1と高分子化合物8との固形分の質量比が20:80となるように調整したキシレン溶液を用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子D14を作製した。
得られた発光素子D14に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、93.0時間であった。結果を表2に示す。
<実施例D15:発光素子D15の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1と高分子化合物9との固形分の質量比が20:80となるように調整したキシレン溶液を用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子D15を作製した。
得られた発光素子D15に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、93.0時間であった。結果を表2に示す。
<実施例D16:発光素子D16の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1とフラーレンC60との固形分の質量比が97:3となるように調整したキシレン溶液を用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子D16を作製した。
得られた発光素子D16に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、123.1時間であった。結果を表2に示す。
<実施例D17:発光素子D17の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物8のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子D17を作製した。
得られた発光素子D17に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、104.6時間であった。結果を表2に示す。
<実施例D18:発光素子D18の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物9のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子D18を作製した。
得られた発光素子D18に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、92.5時間であった。結果を表2に示す。
<比較例CD8:発光素子CD8の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物1のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子CD8を作製した。
得られた発光素子CD8に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、58.9時間であった。結果を表2に示す。
<比較例CD9:発光素子CD9の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物2のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子CD9を作製した。
得られた発光素子CD9に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、65.5時間であった。結果を表2に示す。
<比較例CD10:発光素子CD10の作製と評価>
実施例D12における高分子化合物1および高分子化合物10を混合したキシレン溶液に代えて、高分子化合物3のみのキシレン溶液を用いた以外はを用いた以外は実施例D12と同様にして、発光素子CD10を作製した。
得られた発光素子CD10に電圧を印加したところ、この素子から520nmにピークを有するEL発光が得られ、初期輝度が24000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(LT60)は、23.0時間であった。結果を表2に示す。
実施例D16と比較例CD8との比較から、本発明の高分子化合物(A)および化合物(B)を含む第一の組成物は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用であることがわかる。
また、実施例D12と比較例CD8との比較、実施例D13と比較例CD10との比較、実施例D14と比較例CD8との比較、実施例D15と比較例CD8との比較から、本発明の高分子化合物(A)および高分子化合物(C)を含む第二の組成物は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用であることがわかる。
さらには、実施例D17と比較例CD9との比較、実施例D18と比較例CD9との比較から、本発明の高分子化合物は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用であることがわかる。
Figure 2014001349

Claims (28)

  1. 式(1)で表される構成単位(1)と、式(2)で表される構成単位(2)と、を含む高分子化合物(A)と、
    フラーレンもしくはフラーレン誘導体、式(3)で表されるアズレンもしくはアズレン誘導体、または、式(4)で表されるスチルベンもしくはスチルベン誘導体である化合物(B)と、を含む組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar2およびAr4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる群から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基である。
    1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2およびR3はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合していてもよく、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(Ra1)−または−C(Ra12−を介して結合していてもよい。Ra1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ra1が複数個存在する場合、各々のRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
    xおよびyは、それぞれ独立に、0または1である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar5は、R4以外の置換基を有していてもよいアリーレン基またはR4以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。R4が複数個存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は、Ar5を構成する炭素原子のうち、他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に、直接結合している基である。
    aは1以上の整数である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のRXは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    nは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRnは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Ar6およびAr7は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ar6およびAr7はそれぞれ、隣接するRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
  2. 化合物(B)の含有量(合計含有量)は、高分子化合物(A)に含まれる全構成単位のモル数および化合物(B)のモル数の合計に対して、0.001〜50モル%である、請求項1に記載の組成物。
  3. 式(1)で表される構成単位(1)と、式(2)で表される構成単位(2)と、を含む高分子化合物(A)と、
    フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位、式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位、および、式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である構成単位(c−1)を含む高分子化合物(C)と、を含む組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar2およびAr4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる群から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基である。
    1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2およびR3はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合していてもよく、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(Ra1)−または−C(Ra1)2−を介して結合していてもよい。Ra1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ra1が複数個存在する場合、各々のRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもい。
    xおよびyは、それぞれ独立に、0または1である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar5は、R4以外の置換基を有していてもよいアリーレン基またはR4以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。R4が複数個存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は、Ar5を構成する炭素原子のうち、他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に、直接結合している基である。
    aは1以上の整数である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のRxは互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    nは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRnは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Ar6およびAr7は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ar6およびAr7はそれぞれ、隣接するRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
  4. 高分子化合物(C)に含まれる構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、高分子化合物(A)および高分子化合物(C)に含まれる全構成単位に対して、0.001〜50モル%である、請求項3に記載の組成物。
  5. フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位は、式(5−1)で表される構成単位である、請求項3または4に記載の組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar8は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基、または、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar14は、置換基を有していてもよいアリーリジン基または置換基を有していてもよい3価の複素環基である。
    7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリーレン基、または、これらを組み合わせた2価の基である。
    5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基である。
    環Fはフラーレンである。
    qは1〜4の整数である。pは0又は1である。
    7が複数個存在する場合、各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar14が複数個存在する場合、各々のAr14は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5が複数個存在する場合、各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。R6が複数個存在する場合、各々のR6は互いに同一であっても異なっていてもよい。pが複数個存在する場合、各々のpは互いに同一であっても異なっていてもよい。環Fが複数個存在する場合、各々の環Fは互いに同一であっても異なっていてもよい。pが0のとき、R5で置換されている炭素原子とR6で置換されている炭素原子は直接結合していない。]
  6. 式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位が、式(12−1)で表される構成単位である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、Rxは、前記と同義である。]
  7. 式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位が、式(7a)で表される構成単位、式(7b)で表される構成単位および式(7c)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    nおよびAr7は、前記と同義である。
    Ar9は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基または1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    nは、前記と同義である。
    Ar9’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。各々のAr9’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar9’はRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    n、Ar7およびAr9’は、前記と同義である。
    n’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar9’はRn’と直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
  8. 式(1)で表される構成単位(1)は、式(1a)で表される構成単位である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
    9aが複数個存在する場合、各々のR9aは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9bが複数個存在する場合、各々のR9bは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9cが複数個存在する場合、各々のR9cは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyは、式(1)のAr1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyと、それぞれ同義である。
    h、iおよびjは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。]
  9. Ar1およびAr3が、置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
    Ar2またはAr4が、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニリレン基および置換基を有していてもよいフルオレンジイル基からなる群から選ばれる1種の基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. Ar5が、フェニレン基またはフルオレンジイル基である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 高分子化合物(A)は、架橋基を有する構成単位をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 高分子化合物(C)は、架橋基を有する構成単位をさらに含む、請求項3〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 架橋基が、式(Q−1)で表される基である、請求項11または12に記載の組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、ベンゾシクロブテンは、置換基を有していてもよい。]
  14. 式(1)で表される構成単位(1)と、
    式(2)で表される構成単位(2)と、
    フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む構成単位、式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位、および、式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である構成単位(c−1)と、を含む高分子化合物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar1およびAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar2およびAr4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよい2価の複素環基、または、置換基を有していてもよいアリーレン基および置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる群から選ばれる同一もしくは異なる2以上の基が連結している2価の基である。
    1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、R1、R2およびR3はそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合していてもよく、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(Ra1)−または−C(Ra12−を介して結合していてもよい。Ra1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ra1が複数個存在する場合、各々のRa1は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
    xおよびyは、それぞれ独立に、0または1である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar5は、R4以外の置換基を有していてもよいアリーレン基またはR4以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。R4が複数個存在する場合、各々のR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は、Ar5を構成する炭素原子のうち、他の構成単位と結合を形成する炭素原子の隣の炭素原子に、直接結合している基である。
    aは1以上の整数である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    xは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。各々のRxは、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して各々が結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    nは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。各々のRnは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Ar6およびAr7は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基である。Ar6およびAr7はそれぞれ、隣接するRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
  15. 構成単位(c−1)の含有量(合計含有量)は、高分子化合物中に含まれる全構成単位に対して、0.001〜50モル%である、請求項14に記載の高分子化合物。
  16. フラーレンもしくはフラーレン誘導体を含む構成単位が、式(5−1)で表される構成単位である、請求項14または15に記載の組成物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    Ar8は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基、または、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar14は、置換基を有していてもよいアリーリジン基または置換基を有していてもよい3価の複素環基である。
    7は、単結合、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20のアリーレン基、または、これらを組み合わせた2価の基である。
    5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基である。
    環Fはフラーレンである。
    qは1〜4の整数である。pは0又は1である。
    7が複数個存在する場合、各々のR7は互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar14が複数個存在する場合、各々のAr14は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5が複数個存在する場合、各々のR5は互いに同一であっても異なっていてもよい。R6が複数個存在する場合、各々のR6は互いに同一であっても異なっていてもよい。pが複数個存在する場合、各々のpは互いに同一であっても異なっていてもよい。環Fが複数個存在する場合、各々の環Fは互いに同一であっても異なっていてもよい。pが0のとき、R5で置換されている炭素原子とR6で置換されている炭素原子は直接結合していない。]
  17. 式(3)で表されるアズレンまたはアズレン誘導体を含む構成単位が、式(12−1)で表される構成単位である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 2014001349
    [式中、Rxは、前記と同義である。]
  18. 式(4)で表されるスチルベンまたはスチルベン誘導体を含む構成単位が、式(7a)で表される構成単位、式(7b)で表される構成単位および式(7c)で表される構成単位からなる群からなる群から選ばれる1種以上の構成単位である、請求項14〜17のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    nおよびAr7は、前記と同義である。
    Ar9は、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよいアリーレン基、または、1つの置換基を有し、かつ、それ以外の置換基を有していてもよい2価の複素環基である。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    nは、前記と同義である。
    Ar9’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。各々のAr9’は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Ar9’はRnと直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
    Figure 2014001349
    [式中、
    n、Ar7およびAr9’は、前記と同義である。
    n’は、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基である。
    Ar9’はRn’と直接結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成してもよい。]
  19. 式(1)で表される構成単位(1)は、式(1a)で表される構成単位である、請求項14〜18のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 2014001349
    [式中、
    9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、置換基を有していてもよいイミン残基、置換基を有していてもよいアミド化合物残基、置換基を有していてもよい酸イミド残基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基またはシアノ基である。
    9aが複数個存在する場合、各々のR9aは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9bが複数個存在する場合、各々のR9bは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9cが複数個存在する場合、各々のR9cは互いに同一であっても異なっていてもよい。
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyは、式(1)のAr1、Ar2、Ar3、Ar4、xおよびyと、それぞれ同義である。
    h、iおよびjは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。]
  20. Ar1およびAr3が、置換基を有していてもよいフェニレン基であり、
    Ar2またはAr4が、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニリレン基および置換基を有していてもよいフルオレンジイル基からなる群から選ばれる1種の基である、請求項14〜19のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  21. Ar5が、フェニレン基またはフルオレンジイル基である、請求項14〜20のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  22. 高分子化合物は、架橋基を有する構成単位をさらに含む、請求項14〜21のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  23. 架橋基が、式(Q−1)で表される基である、請求項22に記載の高分子化合物。
    Figure 2014001349
    [式中、ベンゾシクロブテンは、置換基を有していてもよい。]
  24. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物または請求項14〜23のいずれか一項に記載の高分子化合物と、溶媒と、を含む液状組成物。
  25. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物または請求項14〜23のいずれか一項に記載の高分子化合物を含む、有機薄膜。
  26. 請求項25に記載の有機薄膜を、不溶化させた、不溶化有機薄膜。
  27. 請求項25に記載の有機薄膜または請求項26に記載の不溶化有機薄膜を備える、発光素子。
  28. 請求項25に記載の有機薄膜または請求項26に記載の不溶化有機薄膜が、正孔輸送層である、請求項27に記載の発光素子。
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