JP2001329259A - 高分子蛍光体およびそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子蛍光体およびそれを用いた高分子発光素子

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JP2001329259A JP2001073808A JP2001073808A JP2001329259A JP 2001329259 A JP2001329259 A JP 2001329259A JP 2001073808 A JP2001073808 A JP 2001073808A JP 2001073808 A JP2001073808 A JP 2001073808A JP 2001329259 A JP2001329259 A JP 2001329259A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子LEDとしたときにより高い発光効率を
達成することのできる高分子蛍光体または高分子蛍光体
溶液、それを用いてなる高分子LEDを提供する。 【解決手段】〔1〕 固体状態で蛍光を有し、ポリスチ
レン換算の数平均分子量が1×103〜1×107である
高分子蛍光体において、式(1)で示される繰り返し単
位を1種類以上含み、かつカールフィッシャー法で測定
した含有する水分量が1000ppm以下である高分子
蛍光体。 −Ar1−(CR1=CR2n− ・・・・・(1) 〔Ar1は、アリーレン基等である。R1、R2は、水素
原子、アルキル基等である。nは0または1である。〕
〔2〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を
有し、該発光層が〔1〕の高分子蛍光体を用いてなる高
分子発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子蛍光体およ
びそれを用いた高分子発光素子(以下、高分子LEDと
いうことがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量の発光材料(高分子蛍光体)は
低分子系のそれとは異なり溶媒に可溶で塗布法により発
光素子における発光層を形成できることから種々検討さ
れていり、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)
[WO9013148号公開明細書、特開平3−244
630号公報、アプライド・フィジックス・レターズ
(Appl.Phys.Lett.第58巻、1982
頁(1991年)など)、ポリフルオレン(ジャパニー
ズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J
pn.J.Appl.Phys.)第30巻、L194
1頁(1991年)]、ポリパラフェニレン誘導体(ア
ドバンスト・マテリアルズ(Adv.Mater.)第
4巻、36頁(1992年))などが開示されている。
【0003】しかし、同じ構造の高分子蛍光体を用いて
高分子LEDを製造しても、高分子蛍光体または塗布に
用いる高分子蛍光体溶液の調製条件等により高分子LE
Dの発光効率が異なる場合があり、高分子LEDとした
ときにより高い発光効率を達成することのできる、高分
子蛍光体または高分子蛍光体溶液が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子LEDとしたときにより高い発光効率を達成すること
のできる高分子蛍光体または高分子蛍光体溶液、それを
用いてなる高分子LED、およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情をみて鋭意検討した結果、特定の繰り返し単位を
特定の量含み、含有する水分量が1000ppm(重量)
以下の高分子蛍光体、または特定の繰り返し単位を特定
の量含む高分子蛍光体を特定量含み、含有する水分量が
1000ppm(重量)以下の高分子蛍光体溶液を用いて
高分子LEDを製造すると、発光効率がより高いことを
見出し、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、〔1〕 固体状態で蛍光を
有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103
1×107である高分子蛍光体であって、下記式(1)
で示される繰り返し単位を1種類以上含み、かつカール
フィッシャー法で測定した含有する水分量が1000p
pm(重量)以下である高分子蛍光体に係るものであ
る。 −Ar1−(CR1=CR2n− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、アリーレン基または2価の複素環
化合物基であり、該アリーレン基、2価の複素環化合物
基は1つ以上の置換基を有していてもよい。またR1
2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
ル基、1価の複素環化合物基およびシアノ基からなる群
から選ばれる基を示し、該アリール基、1価の複素環化
合物基は1つ以上の置換基を有していてもよい。nは0
または1である。〕 また本発明は、〔2〕固体状態で蛍光を有し、ポリスチ
レン換算の数平均分子量が1×103〜1×107であ
り、上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上
含む高分子蛍光体を0.1重量%以上5重量%以下含
み、含有する水分量が1000ppm(重量)以下である
高分子蛍光体溶液に係るものである。さらに本発明は、
〔3〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を
有し、該発光層が〔1〕の高分子蛍光体を用いてなる高
分子発光素子に係るものである。次に本発明は、〔4〕
少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極お
よび陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有し、
該発光層が〔2〕の高分子蛍光体溶液を用いて作成され
た高分子発光素子に係るものである。次いで本発明は、
〔5〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を
有し、該発光層が、固体状態で蛍光を有し、ポリスチレ
ン換算の数平均分子量が1×103〜1×107であり、
上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含む
高分子蛍光体を含む高分子発光素子の製造方法におい
て、上記〔2〕の高分子蛍光体溶液を用いて該発光層を
形成する工程を含む高分子発光素子の製造方法に係るも
のである。また本発明は、〔6〕上記〔3〕または
〔4〕の高分子発光素子を用いた面状光源に係るもので
ある。さらに本発明は、〔7〕上記〔3〕または〔4〕
の高分子発光素子を用いたセグメント表示装置に係るも
のである。また本発明は、〔8〕上記〔3〕または
〔4〕の高分子発光素子を用いたドットマトリックス表
示装置に係るものである。次いで本発明は、
〔9〕上記
〔3〕または〔4〕の高分子発光素子をバックライトと
する液晶表示装置に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高分子蛍光体およ
びそれを用いた高分子LEDについて詳細に説明する。
本発明の高分子蛍光体は、固体状態で蛍光を有し、ポリ
スチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×107
ある高分子蛍光体であって、前記式(1)で示される繰
り返し単位を1種類以上含みかつ含有する水分量が10
00ppm(重量)以下であることを特徴とする。該高
分子蛍光体において、ポリスチレン換算の数平均分子量
が1×104〜1×107 であることが好ましい。ま
た、該高分子蛍光体における前記式(1)で示される繰
り返し単位は、それらの合計が全繰り返し単位の10モ
ル%以上100モル%以下であることが好ましく、更に
50モル%以上100モル%以下が好ましく、より好ま
しくは90モル%以上100モル%以下である。
【0008】本発明の高分子蛍光体は、含有する水分量(以
下、含水率ということがある)が1000ppm(重量)
以下であり、500ppm(重量)以下であることがより
好ましく、50ppm(重量)以下であることが更に好ま
しい。該高分子蛍光体を用いることにより、後述の本発
明の高分子体溶液を容易に製造できる。
【0009】含水率の測定は、カールフィッシャー(Kar
l Fischer)法を用いる。簡便には、通常用い
られている種々の方法、例えば、赤外線などによる加熱
乾燥重量測定方式法などを用いることができる。高分子
蛍光体がカールフィッシャー法水分測定用溶媒に溶けや
すい場合は、該蛍光体を固体状態のまま水分測定に供す
ることができる。また、高分子蛍光体がカールフィッシ
ャー法水分測定用溶媒に溶けにくい場合は、該蛍光体を
よく溶かす十分に脱水した溶媒に溶解した後、その溶液
の含水率をカールフィッシャー法水分測定に供すること
で、該蛍光体の含水率を求めることができる。
【0010】含水率を低くする方法としては、高分子蛍光体
の製造時の取り出し、洗浄、乾燥など各工程において種
々の方法をとることが可能である。例えば、製造時に
は、高分子蛍光体の合成後、取り出し時に乾燥雰囲気下
で乾燥した溶剤を用いて取り出し処理する方法などが考
えられる。また、洗浄方法としては、溌水性溶剤を用い
て高分子蛍光体を洗浄する方法などが考えられる。ま
た、乾燥方法としては、加熱乾燥、減圧または真空乾
燥、さらにはそれらの組み合わせなどがあげられる。
【0011】上記式(1)において、Ar1は、アリーレン基
または2価の複素環化合物基である。また該アリーレン
基、2価の複素環化合物基は、1つ以上の置換基を有し
ていてもよい。
【0012】本発明において、アリーレン基とは、芳香
族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団である。
ここに芳香族炭化水素とは、芳香族化合物の母体となる
炭化水素であって、ベンゼン環を含む炭化水素をいい、
縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環が
直接またはビニレン等の基を介して結合したものが含ま
れる。アリーレン基は、通常炭素数6〜60、好ましく
は6〜20であり、フェニレン基(例えば、下図の式1
〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、ア
ントラセニレン基(下図の式14〜19)、ビフェニレ
ン基(下図の式20〜25)、トリフェニレン基(下図
の式26〜28)、縮合環化合物基(下図の式29〜3
8)などが例示される。なおアリーレン基の炭素数に
は、置換基の炭素数は含まれない。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】 本発明において、2価の複素環化合物基とは、複素環化
合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、炭
素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20である。な
お2価の複素環化合物基の炭素数には、置換基の炭素数
は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をも
つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけ
でなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ
原子を環内に含むものをいう。2価の複素環化合物基と
しては、例えば以下のものが挙げられる。ヘテロ原子と
して、窒素を含む2価の複素環化合物基;ピリジンージ
イル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基
(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式
49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜
68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、
ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナン
トロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。ヘテ
ロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフ
ルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。ヘテ
ロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5
員環複素環化合物基:(下図の式94〜98)が挙げら
れる。ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンな
どを含む5員環縮合複素環化合物基:(下図の式99〜
108)が挙げられる。ヘテロ原子としてけい素、窒
素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環化合物基でそ
のヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっ
ている基:(下図の式109〜110)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含
む5員環複素環化合物基でそのヘテロ原子のα位でフェ
ニル基に結合している基:(下図の式111〜117)
が挙げられる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシ
リル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキ
シ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、ア
リールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリール
アミノ基、複素環化合物基およびシアノ基からなる群か
ら選ばれる基を示す。上記の例において、1つの構造式
中に複数のRを有しているが、それらは同一であっても
よいし、異なる基であってもよく、それぞれ独立に選択
される。Ar1が複数の置換基を有する場合、それらは
同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
溶媒への溶解性を高めるためには、置換基を1つ以上有
していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し
単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
【0027】アルキル基は、直鎖、分岐または環状のい
ずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピ
ル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル
基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙
げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル
基が好ましい。
【0028】アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状の
いずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具
体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ
基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、
オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニ
ルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチ
ルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2
−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−
ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0029】アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状
のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、
具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチ
オ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブ
チルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、
オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチ
オ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ
基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、
ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシル
チオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ
基が好ましい。
【0030】アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環
状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であ
り、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プ
ロピルシリル基、 i−プロピルシリル基、ブチルシリ
ル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペン
チルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリ
ル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチ
ルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル
基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリ
ル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、
プロピルジメチルシリル基、 i−プロピルジメチルシ
リル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチル
シリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチ
ルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメ
チルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル
基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル
基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラ
ウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリ
ル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチ
ルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチ
ルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキ
シルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2
−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチル
シリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル
基が好ましい。
【0031】アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環
状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアル
キルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であ
り、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、
エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ
基、 i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、 i−
ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ
基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシル
アミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−
ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙
げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチ
ルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミ
ノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0032】アリール基は、芳香族炭化水素から、水素
原子1個を除いた原子団であり、炭素数は通常6〜60
程度であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アル
コキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であ
ることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アル
キルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基など
が例示され、 C1〜C12アルコキシフェニル基、C1
12アルキルフェニル基が好ましい。
【0033】アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜6
0程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1〜C12
アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキ
シ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基な
どが例示され、 C1〜C12アルコキシフェノキシ基、
1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0034】アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜
60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12
ルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12
ルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アル
キル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナ
フチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C
12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C
12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好まし
い。
【0035】アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7
〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12
アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C
12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C
12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ
基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示
され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコ
キシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコ
キシ基が好ましい。
【0036】アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜6
0程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1
12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12
ルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2
−ナフチルアミノ基などが例示され、C1〜C12アルキ
ルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニ
ル)アミノ基が好ましい。
【0037】1価の複素環化合物基とは、複素環化合物
から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数
は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、
1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル
基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが
例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル
基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ま
しい。
【0038】Rの例のうち、アルキル鎖を含む置換基におい
ては、それらは直鎖、分岐枝付きまたは環状のいずれか
またはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない
場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、
3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−
1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示され
る。高分子蛍光体の溶媒への溶解性を高めるためには、
Ar1の置換基のうちの1つ以上に環状または分岐のあ
るアルキル鎖が含まれることが好ましい。また、アルキ
ル鎖の一部の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられてい
てもよく、それらのヘテロ原子としては、酸素原子、硫
黄原子、窒素原子などが例示される。さらに、Rの例の
うち、アリール基や複素環化合物基をその一部に含む場
合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していても
よい。
【0039】上記式(1)において、nは0または1であ
る。上記式(1)におけるR1、R2は、それぞれ独立に
水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環化合
物基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。
【0040】R1、R2が、水素原子またはシアノ基以外の置
換基である場合について述べると、アルキル基は、直
鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1
〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基
などが挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
【0041】アリール基は、炭素数は通常6〜60程度であ
り、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフ
ェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを
示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェ
ニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示さ
れ、 C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アル
キルフェニル基が好ましい。
【0042】1価の複素環化合物基は、炭素数は通常4〜6
0程度であり、具体的には、チエニル基、C1〜C12
ルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル
基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チ
エニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル
基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0043】また、高分子蛍光体の末端基は、重合活性基が
そのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿
命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されて
いても良い。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有し
ているものが好ましく、例えば、ビニレン基を介してア
リール基または複素環化合物基と結合している構造が例
示される。具体的には、特開平9−45478号公報の
化10に記載の置換基等が例示される。
【0044】本発明において、高分子蛍光体の合成法として
は、主鎖にビニレン基を有する場合には、例えば特開平
5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。す
なわち、ジアルデヒド化合物とジホスホニウム塩化合物
とのWittig反応による重合、ジビニル化合物とジ
ハロゲン化合物とのもしくはビニルハロゲン化合物単独
でのHeck反応による重合、ジアルデヒド化合物とジ
亜燐酸エステル化合物とのHorner−Wadswo
rth−Emmons法による重合、ハロゲン化メチル
基を2つ有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮
合、スルホニウム塩基を2つ有する化合物のスルホニウ
ム塩分解法による重縮合、ジアルデヒド化合物とジアセ
トニトリル化合物とのKnoevenagel反応によ
る重合などの方法、ジアルデヒド化合物のMcMurr
y反応による重合などの方法が例示される。
【0045】また、主鎖にビニレン基を有しない場合には、
例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング
反応により重合する方法、Grignard反応により
重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法、F
eCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に
酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間
体高分子の分解による方法などが例示される。
【0046】なお、該高分子蛍光体は、蛍光特性や電荷輸送
特性を損なわない範囲で、式(1)で示される繰り返し
単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、式
(1)で示される繰り返し単位や他の繰り返し単位が、
非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位
にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造
としては、以下に示すもの、以下に示すものとビニレン
基を組み合わせたもの、および以下に示すもののうち2
つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、
Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、A
rは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。
【0047】
【0048】また、該高分子蛍光体は、ランダム、ブロック
またはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中
間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びた
ランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の高
い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共重合
体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロック
またはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれが
あり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含ま
れる。
【0049】また、薄膜からの発光を利用するので該高分子
蛍光体は、固体状態で蛍光を有するものが好適に用いら
れる。該高分子蛍光体に対する溶媒のなかで良溶媒とし
ては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、
テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。
高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0050】該高分子蛍光体は、分子量がポリスチレン換算
で1×103〜1×107であり、それらの繰り返し単位
の合計数は、繰り返し構造やその割合によっても変わ
る。成膜性の点から一般には繰り返し構造の合計数が、
好ましくは20〜10000、さらに好ましくは30〜
10000、特に好ましくは50〜5000である。
【0051】これらの高分子蛍光体を有機EL素子の発光材
料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与え
るため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等
の方法で精製したのちに重合することが好ましく、また
合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の
純化処理をすることが好ましい。
【0052】次に本発明の高分子蛍光体溶液について説明す
る。本発明の高分子蛍光体溶液は、固体状態で蛍光を有
し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1
×107であり、上記式(1)で示される繰り返し単位
を1種類以上含む高分子蛍光体を0.1重量%以上5重
量%以下含み、含有する水分量が1000ppm(重量)
以下、好ましくは500ppm(重量)以下、更に好ま
しくは50ppm(重量)以下である。本発明の高分子
蛍光体溶液の含水率は、カールフィッシャー法で測定す
ることができる。また、本発明の高分子蛍光体溶液のな
かで、含有する水分量が1000ppm(重量)以下の
溶媒に高分子蛍光体を溶解して製造されるものが好まし
い。本発明の高分子蛍光体溶液を得る方法としては、該
溶液の含水率が1000ppm(重量)以下になる方法
であれば特に限定されない。例えば、(a)あらかじめ、
高分子蛍光体溶液の含水量が1000ppm(重量)以
下になるように含水量を調整した高分子蛍光体と溶媒を
混合して高分子蛍光体溶液を得る方法、(b)高分子蛍光
体溶液を公知の種々の方法で乾燥する方法などが挙げら
れる。上記(b)の方法の中では、含水率が1000p
pm(重量)以下である溶媒を用いることが好ましく、
本発明の特定の含水率の高分子蛍光体と含水率が100
0ppm以下(重量)である溶媒を用いる方法がさらに
好ましい
【0053】次に、本発明の高分子LEDについて説明す
る。本発明の高分子LEDは、少なくとも一方が透明ま
たは半透明である一対の陽極および陰極からなる電極間
に、少なくとも発光層を有し、該発光層が本発明の高分
子蛍光体を用いてなることを特徴とする。また本発明の
高分子LEDは、少なくとも一方が透明または半透明で
ある一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくと
も発光層を有し、該発光層が本発明の高分子蛍光体溶液
を用いて作成されたことを特徴とする。
【0054】また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と
発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽
極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LE
D、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽
極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED
等が挙げられる。例えば、具体的には、以下のa)〜
d)の構造が例示される。 a)陽極/発光層/陰極 b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極 c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極 d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極 (ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示
す。以下同じ。)
【0055】ここで、発光層とは、発光する機能を有する層
であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する
層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有す
る層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して
電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層
は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0056】また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のう
ち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素
子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注
入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれること
がある。
【0057】さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注
入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又
は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面
の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光
層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層す
る層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効
率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0058】本発明において、電荷注入層(電子注入層、正
孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接
して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して
電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。例え
ば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。 e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極 f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極 g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極 h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極 i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極 j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入
層/陰極 k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極 l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極 m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入
層/陰極 n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送
層/陰極 o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入
層/陰極 p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送
層/電荷注入層/陰極
【0059】電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分
子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極
材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値
のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と
電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に
含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有す
る材料を含む層などが例示される。
【0060】上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場
合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以
上103以下であることが好ましく、発光画素間のリー
ク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上10
2以下がより好ましく、10-5S/cm以上101以下が
さらに好ましい。通常は該導電性高分子の電気伝導度を
10-5S/cm以上103以下とするために、該導電性
高分子に適量のイオンをドープする。
【0061】ドープするイオンの種類は、正孔注入層であれ
ばアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニ
オンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、ア
ルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオ
ンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイ
オン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチ
ルアンモニウムイオンなどが例示される。電荷注入層の
膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2n
m〜50nmが好ましい。
【0062】電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層
の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンお
よびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポ
リフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレ
ンビニレンおよびその誘導体などの導電性高分子、金属
フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンな
どが例示される。
【0063】膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にす
る機能を有するものである。上記絶縁層の材料として
は、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げ
られる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED
としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設
けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶
縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0064】具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造
が挙げられる。 q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極 r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2n
m以下の絶縁層/陰極 t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/陰極 u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁
層/陰極 v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送
層/陰極 x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁
層/陰極 y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送
層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/電子輸送層/陰極 aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2n
m以下の絶縁層/陰極 ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0065】発光層作成の際に、これらの有機溶媒可溶性の
高分子蛍光体を用いることにより、溶液から成膜する場
合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけで
よく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合にお
いても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利であ
る。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キ
ャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビア
コート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバ
ーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ス
クリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、
インクジェットプリント法等の塗布法を用いることがで
きる。
【0066】発光層の膜厚としては、用いる材料によって最
適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるよ
うに選択すればよいが、例えば1nmから1μmであ
り、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ま
しくは5nm〜200nmである。
【0067】本発明の高分子LEDにおいては、発光層に上
記高分子蛍光体以外の発光材料を用いても良いし、それ
らを混合して使用してもよい。また、本願発明の高分子
LEDにおいては、発光層に上記高分子蛍光体以外の発
光材料を混合して使用してもよい。該発光材料として
は、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例え
ば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導
体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサ
ンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−
ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳
香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしく
はその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしく
はその誘導体などを用いることができる。具体的には、
例えば特開昭57−51781号、同59−19439
3号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可
能である。
【0068】本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場
合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカル
バゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその
誘導体、側鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘
導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチ
ルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニ
リンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその
誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその
誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)も
しくはその誘導体が例示される。
【0069】具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭6
3−70257号公報、同63−175860号公報、
特開平2−135359号公報、同2−135361号
公報、同2−209988号公報、同3−37992号
公報、同3−152184号公報に記載されているもの
等が例示される。
【0070】これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材
料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導
体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖
に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導
体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)
もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレン
ビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料
が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール
もしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、
側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサ
ン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高
分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0071】ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体
は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジ
カル重合によって得られる。
【0072】ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミ
カル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、13
59頁(1989年)、英国特許GB2300196号
公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法も
これらに記載の方法を用いることができるが、特にキッ
ピング法が好適に用いられる。
【0073】ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキ
サン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖
または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するも
のが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミン
を側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0074】正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分
子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液か
らの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸
送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0075】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸
送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶
媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸
エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等の
エステル系溶媒が例示される。
【0076】溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピ
ンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコー
ト法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート
法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレ
ーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフ
セット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を
用いることができる。
【0077】混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送
を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対す
る吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バ
インダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等
が例示される。
【0078】正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によっ
て最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値とな
るように選択すればよいが、少なくともピンホールが発
生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子
の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸
送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、
好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましく
は5nm〜200nmである。
【0079】本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場
合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用
でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン
もしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導
体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノン
もしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタ
ンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニ
ルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノ
ン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその
誘導体の金属錯体等が例示される。
【0080】具体的には、特開昭63−70257号公報、
同63−175860号公報、特開平2−135359
号公報、同2−135361号公報、同2−20998
8号公報、同3−37992号公報、同3−15218
4号公報に記載されているもの等が例示される。
【0081】これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベン
ゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくは
その誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはそ
の誘導体の金属錯体が好ましく、2−(4−ビフェニリ
ル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、ト
リス(8−キノリノール)アルミニウムがさらに好まし
い。
【0082】電子輸送層の成膜法としては特に制限はない
が、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、
または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、
高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜
による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態
からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよ
い。
【0083】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸
送材料および/または高分子バインダーを溶解させるも
のであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホル
ム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、
エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示
される。
【0084】溶液または溶融状態からの成膜方法としては、
スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア
コート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコ
ート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、ス
プレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、
オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布
法を用いることができる。
【0085】混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送
を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対
する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子
バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、
ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもし
くはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もし
くはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)
もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリシロ
キサンなどが例示される。
【0086】電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によっ
て最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値とな
るように選択すればよいが、少なくともピンホールが発
生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子
の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸
送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、
好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましく
は5nm〜200nmである。
【0087】本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極
を形成し、導電性高分子からなる層を塗布により形成
し、電解ドープの際に変化しないものであればよく、例
えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン
基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対
の電極が透明または半透明であることが好ましい。
【0088】本発明において、陽極側が透明または半透明で
あることが好ましいが、該陽極の材料としては、導電性
の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具
体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およ
びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド
(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる
導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)
や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウ
ム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極
として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフ
ェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用い
てもよい。陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを
考慮して、適宜選択することができるが、例えば10n
mから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmで
あり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロ
シアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる
層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料
等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0089】本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料とし
ては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウ
ム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマ
リウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムな
どの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるい
はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガ
ン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫の
うち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイ
ト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグ
ネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マ
グネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、
リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム
合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミ
ニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構
造としてもよい。陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を
考慮して、適宜選択することができるが、例えば10n
mから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmで
あり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0090】陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等
が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性
高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化
物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を
設けても良く、陰極作製後、該高分子LEDを保護する
保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安
定的に用いるためには、素子を外部から保護するため
に、保護層および/または保護カバーを装着することが
好ましい。
【0091】該保護層としては、高分子化合物、金属酸化
物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることがで
きる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低
透水率処理を施したプラスチック板などを用いることが
でき、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と
貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペー
サーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防
ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような
不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止すること
ができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設
置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメ
ージを与えるのを抑制することが容易となる。これらの
うち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0092】本発明の高分子LEDを用いて面状の発光素子
を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように
配置すればよい。また、パターン状の発光を得るために
は、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設け
たマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に
厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極
のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成
する方法がある。更に、ドットマトリックス素子とする
ためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して
直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の
異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィル
ターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部
分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドット
マトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、T
FTなどと組み合わせてアクティブ駆動しても良い。こ
れらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、
携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビュー
ファインダーなどの表示装置として用いることができ
る。さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であ
り、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるい
は面状の照明用光源として好適に用いることができる。
また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や
表示装置としても使用できる。
【0093】また本発明の高分子LEDの製造方法は、少な
くとも一方が透明または半透明である一対の陽極および
陰極からなる電極間に、少なくとも発光層を有し、該発
光層が、固体状態で蛍光を有し、ポリスチレン換算の数
平均分子量が1×103〜1×107である高分子蛍光体
において、下記式(1)で示される繰り返し単位を1種
類以上含む高分子蛍光体を含む高分子LEDの製造方法
において、本発明の高分子蛍光体溶液を用いて該発光層
を形成する工程を含むことを特徴とする。発光層の形成
方法については、前記した溶液からの成膜の方法を用い
ることができる。
【0094】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。ここで、ポリスチレン換算の数平均分子量は、ク
ロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)により求めた。
【0095】実施例1 <高分子蛍光体1の合成>2、5−ビス(クロロメチ
ル)−4’−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ビフ
ェニル 1.83gと2−メチル−5−(3,7−ジメ
チルオクチル)―p−キシリレンジブロミド 1.63
gと2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)
−p−キシリレンジクロリド 0.244gとを、脱水
1,4−ジオキサン 660gに溶解した。この溶液
を、20分間窒素バブリングすることで系内を窒素置換
した後、窒素雰囲気中、95℃まで昇温した。この液
に、あらかじめ、脱水1,4−ジオキサン 80gに、
カリウム−t−ブトキシド 4.7gを溶かした溶液
を、およそ10分間で滴下した。滴下後、97℃で2.
5時間重合した。重合後、重合液を50℃まで冷却した
後、酢酸を加えて中和した。室温まで冷却した後、この
重合液を、メタノール800g中にそそぎ込み、生成し
た沈殿を回収した。この沈殿を、エタノールで洗浄した
後、減圧乾燥した。得られた重合体 1.5gを、TH
F 400gに溶解した。この溶液を、メタノール 8
00g中にそそぎ込み、生成した沈殿を回収した。この
沈殿を、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合
体 1.4gを得た。この重合体を、高分子蛍光体1と
呼ぶ。高分子蛍光体1のポリスチレン換算数平均分子量
は、2x105 であった。
【0096】<素子の作成および評価>スパッタ法により1
50nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ
(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレン
スルフォン酸(PEDOT:Bayer製、Bytron P T
P AI 4083)の懸濁液を0.5μmメンブランフィルタ
ーで濾過した後、スピンコートにより70nmの厚みで
成膜し、真空オーブンで120゜C、1時間乾燥した。モ
レキュラシブスで乾燥したクロロホルム溶液に上記高分
子蛍光体1を溶解して、0.4%溶液を調整した。この
ときのクロロホルム溶液の含水率をカールフィッシャー
法で測定したところ1ppm(重量)以下であった。こ
の液を用いて、上記PEDOTを塗布したITO膜付き
基板上にスピンコートにより100nmの厚みで発光層
を成膜した。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥
した後、陰極として、フッ化リチウムを約0.4nm相
当、次いでカルシウムを40nm、さらにアルミニウム
を70nm蒸着して、高分子LED素子を作製した。蒸
着のときの真空度は、すべて8×10-6Torr以下で
あった。得られた素子に電圧を5.0V印加したとこ
ろ、電流密度10mA/cm2 の電流が流れ、輝度55
0cd/m2の黄色のEL発光が観測された。このとき
の発光効率は5.6cd/Aであり、また素子の発光ス
ペクトルは、560nmにピークを有していた。
【0097】比較例1 モレキュラシーブスで脱水したクロロホルム20gに純
水を0.04g添加して、含水率2000ppm(重
量)のクロロホルム溶液を調整した。モレキュラシーブ
スで脱水したクロロホルム溶液の代わりに、水を添加し
たクロロホルム溶液を用いる以外は実施例1と同様にし
て、高分子LED素子を作製した。得られた素子に電圧
を5.0V印加したところ、電流密度5.6mA/cm
2 の電流が流れ、輝度150cd/m2の黄色のEL発
光が観測された。このときの発光効率は2.7cd/A
であった。
【0098】
【発明の効果】本発明の高分子蛍光体または高分子蛍光
体溶液を用いて製造した高分子LEDは発光効率がより
高くなる。したがって、該高分子LEDは、バックライ
トとしての曲面状や面状光源、セグメントタイプの表示
素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレ
イ等の装置に好ましく使用できる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体状態で蛍光を有し、ポリスチレン換算
    の数平均分子量が1×103〜1×107である高分子蛍
    光体であって、下記式(1)で示される繰り返し単位を
    1種類以上含み、かつカールフィッシャー法で測定した
    含有する水分量が1000ppm(重量)以下であるこ
    とを特徴とする高分子蛍光体。 −Ar1−(CR1=CR2n− ・・・・・(1) 〔ここで、Ar1は、アリーレン基または2価の複素環
    化合物基であり、該アリーレン基、2価の複素環化合物
    基は1つ以上の置換基を有していてもよい。またR1
    2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリー
    ル基、1価の複素環化合物基およびシアノ基からなる群
    から選ばれる基を示し、該アリール基、1価の複素環化
    合物基は1つ以上の置換基を有していてもよい。nは0
    または1である。〕
  2. 【請求項2】含有する水分量が500ppm(重量)以
    下であることを特徴とする請求項1記載の高分子蛍光
    体。
  3. 【請求項3】固体状態で蛍光を有し、ポリスチレン換算
    の数平均分子量が1×103〜1×107であり、請求項
    1記載の式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上
    含む高分子蛍光体を0.1重量%以上5重量%以下含
    み、含有する水分量が1000ppm(重量)以下である
    ことを特徴とする高分子蛍光体溶液。
  4. 【請求項4】含有する水分量が1000ppm以下の溶
    媒に高分子蛍光体を溶解して製造されることを特徴とす
    る請求項3記載の高分子蛍光体溶液。
  5. 【請求項5】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有し、該発光層が請求項1または2記載の高分子
    蛍光体を用いてなることを特徴とする高分子発光素子。
  6. 【請求項6】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有し、該発光層が請求項3または4記載の高分子
    蛍光体溶液を用いて作成されたことを特徴とする高分子
    発光素子。
  7. 【請求項7】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とす
    る請求項5または6記載の高分子発光素子。
  8. 【請求項8】陽極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とす
    る請求項5または6記載の高分子発光素子。
  9. 【請求項9】陰極と発光層との間に、該発光層に隣接し
    て電子輸送性化合物からなる層、および陽極と発光層と
    の間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる
    層を設けたことを特徴とする請求項5または6記載の高
    分子発光素子。
  10. 【請求項10】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも発
    光層を有し、該発光層が、固体状態で蛍光を有し、ポリ
    スチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×107
    あり、請求項1記載の式(1)で示される繰り返し単位
    を1種類以上含む高分子蛍光体を含む高分子発光素子の
    製造方法において、請求項3または4記載の高分子蛍光
    体溶液を用いて該発光層を形成する工程を含むことを特
    徴とする高分子発光素子の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項5〜9のいずれかに記載の高分子発
    光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  12. 【請求項12】請求項5〜9のいずれかに記載の高分子発
    光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  13. 【請求項13】請求項5〜9のいずれかに記載の高分子発
    光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表
    示装置。
  14. 【請求項14】請求項5〜9のいずれかに記載の高分子発
    光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示
    装置。
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