JPH09276503A - パチンコ機の入賞球処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソレノイドに掛かる負荷を減少すると共に、
入賞球の排出処理を円滑かつ確実に行うことができるよ
うにする。 【解決手段】 入賞球が一列で導かれる入賞球通路１４
の終端に入賞球検出器１６とソレノイド１８の作動によ
って回動するフリッカー部材１９と球受棚１７とを設
け、前記フリッカー部材１９は、入賞球通路１４の先頭
に位置する入賞球を支持する球支持部２１と、該球支持
部２１から球受棚１７上に落下して待機する入賞球を入
賞球排出通路２２に押し出す押出部２３とを一体に備
え、前記球受棚１７は、フリッカー部材１９の押出部２
３方向に向けて下り傾斜し、かつその下流端に球止部３
１を設けてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、入賞球通路の入賞
球を電気的に検出して所定数の景品球を払い出すと共
に、景品球払出終了後に入賞球通路の入賞球を１個ずつ
球切りしながら排出処理するパチンコ機の入賞球処理装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ機の入賞球処理装置とし
て、入賞球が一列で導かれる入賞球通路と、上下方向へ
回動自在に設けられ、下方に回動されたとき入賞球通路
の先頭の入賞球を受け止める球止部と上方に回動された
とき球止部で受け止めた入賞球を受け入れて保持し、か
つ下方に回動されたときその入賞球を排出通路に排出す
る球受部とが一体に設けられたフリッカー部材と、該フ
リッカー部材の球止部で受け止められた入賞球を検出す
る入賞球検出器と、前記フリッカー部材を回動させるソ
レノイドと、からなる構成を有するものが知られていた
（例えば実開平５−１５９８６号公報参照）。

【０００３】このような構成からなるパチンコ機の入賞
球処理装置は、入賞球検出器によって入賞球が検出され
るとパチンコ球払出装置を作動して所定数のパチンコ球
を景品球として払い出すと共に、ソレノイドを作動して
フリッカー部材を上下に回動させ、それによって入賞球
を１個ずつ入賞球排出通路に排出処理するようになって
いた。

【０００４】上記した従来のパチンコ機の入賞球処理装
置は、フリッカー部材が上方に回動されると入賞球通路
の先頭の入賞球とフリッカー部材の球止部との接触摩擦
によってその先頭の入賞球が入賞球通路を逆流するよう
なことがあった。そして、入賞球が逆流するとフリッカ
ー部材が上方に回動されている設定時間内にその逆流し
た入賞球が球受部に受け入れられなくて排出通路に排出
されなくなり、景品球を余分に払い出したり、エラーと
して検出されるという問題点があった。

【０００５】そこで、本出願人は、このような問題点を
解決する入賞球処理装置として、既に入賞球通路の終端
部分を垂直通路部として形成すると共に、フリッカー部
材の球止部を垂直通路部の真下に臨ませる構成とするこ
とにより、該フリッカー部材の球止部上面で支持される
入賞球の逆流現象を阻止することができる入賞球処理装
置を提案している（本出願人による特願平７−２８２５
９１号参照）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した入賞
球処理装置は、フリッカー部材の軸支部分の遊びやソレ
ノイドのプランジャーのストローク等の要因によって該
フリッカー部材が必要以上に上方へ回動するようなこと
があると球受部に受けられた先頭の入賞球によって後続
の入賞球を押し上げるような作用力が働き、これによっ
て上記した問題点が依然として残ると共に、フリッカー
部材に過大な球圧が加えられることになって円滑な動き
を阻害したりソレノイドに大きな負荷が掛かる等の問題
点があることが判明した。

【０００７】本発明は、上記した問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、フリッカー部材に
掛かる球圧を少なくすると共に、入賞球の逆流現象を防
止して正確かつ円滑に入賞球の排出処理を行うことがで
きるようなパチンコ機の入賞球処理装置を提供すること
にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るパチンコ機の入賞球処理装置は、入賞
球が一列で導かれる入賞球通路の終端に入賞球検出器と
ソレノイドの作動によって回動するフリッカー部材と球
受棚とを設け、前記フリッカー部材は、入賞球通路の先
頭に位置する入賞球を支持する球支持部と、該球支持部
から球受棚上に落下する入賞球を入賞球排出通路に押し
出す押出部とを一体に備え、前記球受棚は、フリッカー
部材の押出部方向に向けて下り傾斜し、かつその下流端
に球止部を設けたものである。

【０００９】上記フリッカー部材には、球受棚上に落下
する入賞球が無用に入賞球排出通路へ流出しないように
するためのストッパー部を設けるのが好ましい。

【００１０】また、上記球受棚の球止部は、該球受棚上
に落下する入賞球を後続する入賞球の球圧を利用して排
出させることが可能なようにするため、球受棚上で待機
する入賞球を後続する入賞球の中心より押し出し方向に
ずらして位置させることができるように設けるのが好ま
しい。

【００１１】上記球止部は、球受棚の下流端部分を上方
へ垂直状に折曲するか、或いは入賞球の球面に沿う円弧
状として形成すればよい。

【００１２】上記のように構成されたパチンコ機の入賞
球処理装置において、入賞球通路の下方に設けられた球
受棚は、入賞球通路を連続して流下する入賞球を受け止
めてフリッカー部材に掛かる球圧を軽減するように働
く。これによって、ソレノイドの消磁に伴なうフリッカ
ー部材の復帰回動を比較的弱い弾発力のコイルばねで行
わせることが可能となり、ソレノイドに掛かる負荷を減
少することができる。

【００１３】また、フリッカー部材のストッパー部は、
入賞球が球受棚上に勢いよく落下したり、或いは球受棚
上に落下した入賞球が後続する入賞球の球圧を受けて無
用に入賞球排出通路に排出されてしまうような事態を防
止するように機能する。

【００１４】さらに、球受棚の球止部は、球受棚上で待
機する入賞球に対して後続する入賞球の球圧を効果的に
付与するように機能する。このため、フリッカー部材の
押し出し方向への作用力が小さくても後続の入賞球の球
圧によって球受棚上に待機する入賞球を確実に排出処理
することができ、ソレノイドに掛かる負荷がさらに軽減
されて小型のソレノイドの使用が可能となる。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。まず、本発明の実施の形
態の入賞球処理装置が適用されるパチンコ機について図
１を参照して説明する。図１において、１はパチンコ機
の前面枠、２は前面枠１の裏面に着脱自在に取付けられ
る遊技盤、３は遊技盤２の裏面に開閉可能に装着される
合成樹脂製の機構板である。この機構板３の裏面上部に
は球タンク４が固着されており、該球タンク４の下方に
タンクレール５が設けられている。また、タンクレール
５の下流端はカーブレール６を介してパチンコ球払出装
置７に接続されており、該パチンコ球払出装置７の下方
には払い出されたパチンコ球を前面枠１の前面の打球供
給皿に導く排出樋８が設けられている。

【００１６】前記パチンコ球払出装置７は、図９に示す
ようにカーブレール６の最先端部のパチンコ球を受ける
突条９を螺旋状に設けたスクリュー部材１０と、該スク
リュー部材１０を回転するモーター１１と、該モーター
１１を駆動制御する制御回路基板１２とを有し、スクリ
ュー部材１０の回転によって突条９に受けられているパ
チンコ球を１個ずつ下方の排出樋８に払い出すものであ
る。

【００１７】一方、図２に示すように遊技盤２の裏面と
相対する機構板３の内側には入賞球を集合する入賞球集
合部１３が形成されており、その出口と連通状に入賞球
を一列で導き出す入賞球通路１４が形成されている。こ
の入賞球通路１４の終端部分は垂直通路部１４ａとして
形成されており、該垂直通路部１４ａの下方に本実施の
形態である入賞球処理装置１５が設けられている。

【００１８】入賞球処理装置１５は、図３に示すように
垂直通路部１４ａの流下端に設けられる入賞球検出器１
６と、入賞球１個分の間隔を離して垂直通路部１４ａの
流下端と対向状に設けられる球受棚１７と、ソレノイド
１８及び該ソレノイド１８によって回動されるフリッカ
ー部材１９とを備える。

【００１９】前記フリッカー部材１９は、球受棚１７の
下方位置に軸２０によって回動自在に軸支されており、
図４実線で示すように垂直通路部１４ａの先頭に位置す
る入賞球Ｂの下部を支持する球支持部２１と、図５鎖線
で示すように球受棚１７上で待機する入賞球を入賞球排
出通路２２に向けて押出す押出部２３と、該球受棚１７
上に落下する入賞球を無用に入賞球排出通路２２へ流出
させないようにするためのストッパー部２４によって構
成されている。

【００２０】一方、前記ソレノイド１８のプランジャ２
５下端には連結部材２６が固着されており、該連結部材
２６の長孔２７に前記フリッカー部材１９に突設された
係合ピン２８を臨ませている。また、ソレノイド１８の
プランジャ２９にはコイルばね３０が巻装されており、
該コイルばね３０によってフリッカー部材１９を常に図
４実線位置に回動付勢している。

【００２１】前記入賞球検出器１６は、フリッカー部材
１９が図４実線位置に回動された状態のとき球支持部２
１で支持される入賞球Ｂを検出してパチンコ球払出装置
７に信号を送るようになっている。そして、入賞球検出
器１６からの信号によってパチンコ球払出装置７のモー
ター１１を駆動し、所定数のパチンコ球を景品球として
排出樋８に払い出すように回路設定されている。なお、
前記ソレノイド１８はパチンコ球払出装置７からの払出
終了信号によって励磁するようになっている。

【００２２】前記、垂直通路部１４ａは少なくとも入賞
球が上下方向に２個並ぶ長さに形成されている。また、
フリッカー部材１９の球支持部２１は、垂直通路部１４
ａで待機する後続の入賞球に対して押上げ作用が働かな
いように軸２０を中心とする円弧状曲面として形成され
ている。

【００２３】一方、前記球受棚１７は、図６に示すよう
にフリッカー部材１９の押出部２３に向けて下り傾斜す
るように設けられており、かつその下流端部分に球止部
３１が設けられている。この球止部３１は球受棚１７の
下流側端部を上方へ垂直状に折曲して形成し、球受棚１
７上で待機する入賞球Ｂを後続する入賞球の中心より若
干押し出し方向にずらして位置させることができるよう
にその形成位置が設定されている。

【００２４】以上、説明した本実施の形態に係る入賞球
処理装置１５の動作について説明すると、ソレノイド１
８が消磁してフリッカー部材１９が図４実線位置に回動
付勢された状態のとき、入賞球集合部１３に集められた
入賞球は入賞球通路１４から垂直通路部１４ａに導か
れ、その先頭の入賞球Ｂがフリッカー部材１９の球支持
部２１で受けられて流下が阻止される。同時にその先頭
の入賞球Ｂが入賞球検出器１６で検出され、その検出信
号がパチンコ球払出装置７の制御回路に送られてモータ
ー１１を駆動し、スクリュー部材１０を回転させて所定
数のパチンコ球を景品球として排出樋８に払い出す。そ
して、所定数の景品球が払い出されると払出終了信号が
入賞球処理装置１５のソレノイド１８に送られ該ソレノ
イド１８が瞬間的に励磁される。

【００２５】一方、ソレノイド１８が励磁されると、こ
れのプランジャ２５がコイルばね３０の付勢に抗して上
方に吸引され、フリッカー部材１９が図４鎖線のように
軸２０を支点として反時計方向に回動して球支持部２１
に受けられていた垂直通路部１４ａの先頭の入賞球Ｂを
球受棚１７上に落下させる。このとき、球受棚１７がフ
リッカー部材１９の押出部２３方向に向けて下り傾斜す
るように設けられているので、該球受棚１７上に落下す
る入賞球Ｂはその傾斜によって入賞球排出通路２２への
流出を阻止される。なお、入賞球Ｂが球受棚１７上に勢
いよく落下して球受棚１７の上流側へ流れるようなこと
があるとき、図６鎖線のようにフリッカー部材１９のス
トッパー部２４によって制止されて入賞球排出通路２２
への流出が確実に阻止されるようになっている。

【００２６】そして、この状態でソレノイド１８が消磁
するとこれのプランジャ２５がコイルばね３０の付勢に
よって元の状態に復帰し、これによってフリッカー部材
１９も軸２０を支点として図５実線位置から同図鎖線の
ように時計廻り方向へ回動して球受棚１７上で待機して
いた入賞球Ｂを押出部２３で押し出して入賞球排出通路
２２に排出する。同時に後続する垂直通路部１４ａの入
賞球Ｂ１を球支持部２１で受け止めるものであり、その
後はソレノイド１８の励磁動作ごとに入賞球通路１４に
連続して待機する入賞球を１個ずつ排出処理する。

【００２７】このように構成された本発明に係る入賞球
処理装置１５において、フリッカー部材１９の球支持部
２１で支持されている入賞球通路１４の先頭の入賞球Ｂ
をフリッカー部材１９の回動によって該フリッカー部材
１９と関係なく球受棚１７上で支持するようにしたの
で、フリッカー部材１９の軸支部分の遊びやソレノイド
１８のプランジャ２５のストローク等の要因によって該
フリッカー部材１９が過回動を生じても後続の入賞球Ｂ
１を上動するような逆流現象が起こらず、いわゆるチャ
タリングによる入賞球検出器１６の検出エラーを確実に
防止することができる。

【００２８】また、フリッカー部材１９が図５実線位置
に回動して垂直通路部１４ａの先頭の入賞球Ｂが球受棚
１７上で待機させられるとき、入賞球通路１４に連続す
る入賞球があるとこれらの球圧は球受棚１７で受け止め
られることになるのでフリッカー部材１９に過大な球圧
が掛からず、ソレノイド１８のコイルばね３０によるプ
ランジャ２５の復帰勢力が比較的弱くてもフリッカー部
材１９をスムーズに回動復帰させることができる。これ
によって、ソレノイド１８に掛かる負荷を減少すること
ができ、小型のソレノイドが使用可能になって経済的と
なる。

【００２９】また、球受棚１７上で待機する入賞球Ｂは
図６実線で示すように該球受棚１７の球止部３１によっ
て後続する入賞球Ｂ１の中心より若干押し出し方向にず
れた状態で位置するようになっているため、球受棚１７
上で待機する入賞球Ｂはフリッカー部材１９の押出し作
用力が小さくても後続の入賞球の球圧によって確実に入
賞球排出通路２３に排出されることになり、ソレノイド
１８に掛かる負荷がさらに軽減されて小型のソレノイド
が使用可能となる。

【００３０】また、球止部３１によって球受棚１７上で
待機する入賞球Ｂとフリッカー部材１９の押出部２４と
の間に隙間Ｓを生じさせることができるため、球受棚１
７上の入賞球Ｂを勢いよく入賞球排出通路２２に押し出
すことができる。これによって球受棚１７の上面が汚れ
ても入賞球を確実に排出処理することが可能となる。

【００３１】なお、前記球止部３１は図７に示すように
球受棚１７の一側端部を入賞球Ｂの球面に沿う円弧状に
形成するか、或いは図８（ａ），（ｂ）に示すように垂
直状の突条３１ａ，３１ａによって形成するようにして
もよい。

【００３２】

【発明の効果】以上、説明したところから明らかなよう
に、本発明に係るパチンコ機の入賞球処理装置は、入賞
球通路の下方にソレノイドの作動によって回動するフリ
ッカー部材と球受棚とを設け、入賞球通路の先頭に位置
する入賞球をフリッカー部材の球支持部で支持すると共
に、フリッカー部材の回動によって球支持部の入賞球を
球受棚上に落下させて待機させるようにしたものである
から、ソレノイドの消磁に伴なうフリッカー部材の回動
復帰時に入賞球通路に連続する入賞球の球圧がフリッカ
ー部材に直接掛からず、該フリッカー部材の復帰回動を
比較的弱い弾発力のコイルばねで行わせることができ
る。このため、ソレノイドに掛かる負荷を減少すること
ができて小型のソレノイドが使用可能となり、低コスト
化を図ることができる。

【００３３】また、球受棚に設けた球止部によって該球
受棚で待機する入賞球を後続する入賞球の球圧を効果的
に利用して排出することができるため、ソレノイドに掛
かる負荷をさらに減少することができ、フリッカー部材
を無理なくスムーズに回動させることができて円滑かつ
確実に入賞球の排出処理を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されるパチンコ機の裏面図であ
る。

【図２】本発明に係る入賞球処理装置部分の斜視図であ
る。

【図３】図２の要部分解斜視図である。

【図４】入賞球処理装置の作用を説明する断面正面図で
ある。

【図５】入賞球処理装置の作用を説明する断面正面図で
ある。

【図６】球受棚部分の拡大正面図である。

【図７】球受棚部分の他の実施の形態を示す拡大正面図
である。

【図８】（ａ），（ｂ）は球受棚部分のさらに他の実施
の形態を示す拡大正面図である。

【図９】パチンコ球払出装置の断面図である。

【符号の説明】

１４ 入賞球通路 １６ 入賞球検出器 １７ 球受棚 １７ａ 円弧状凹部 １８ ソレノイド １９ フリッカー部材 ２１ 球支持部 ２２ 入賞球排出通路 ２３ 押出部 ２４ ストッパー部 ３１ 球止部 ３１ａ，３１ａ 突条（球止部）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入賞球が一列で導かれる入賞球通路の終
   端に入賞球検出器とソレノイドの作動によって回動する
   フリッカー部材と球受棚とを設け、 前記フリッカー部材は、入賞球通路の先頭に位置する入
   賞球を支持する球支持部と、該球支持部から球受棚上に
   落下する入賞球を入賞球排出通路に押し出す押出部とを
   一体に備え、 前記球受棚は、フリッカー部材の押出部方向に向けて下
   り傾斜し、かつその下流端に球止部を設けてなることを
   特徴とするパチンコ機の入賞球処理装置。
2. 【請求項２】 フリッカー部材に球受棚上に落下する入
   賞球が無用に入賞球排出通路へ流出しないようにするた
   めのストッパー部を設けた請求項１記載のパチンコ機の
   入賞球処理装置。
3. 【請求項３】 球受棚の球止部は、該球受棚上に落下す
   る入賞球を後続する入賞球の中心より押し出し方向にず
   らして位置させることができるように設けられている請
   求項１又は２記載のパチンコ機の入賞球処理装置。