JP2549966Y2 - パチンコ機の入賞球排出制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、入賞球通路の入賞球を
電気的に検出して所定数の景品球を払出すと共に、景品
球払出終了後に入賞球を１個ずつ強制排出するようにし
たパチンコ機の入賞球排出制御装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の入賞球排出制御装置として
は、例えば図９に示すように入賞球通路１００の終端に
球１個ぶんの間隔を離して球止部１０１ａ，１０１ｂが
一体に形成された分離作動杆１０２とソレノイド１０３
を配設し、該ソレノイド１０３の作動によって分離作動
杆１０２をシーソー動作させることにより球止部１０１
ａと１０１ｂを入賞球通路１００内に交互に出入りさせ
るようにしたものや、図１０に示すように入賞球通路１
０４の終端に常に重錘１０５で回動付勢された回動片１
０６と可動鉄片１０７を回動可能に軸着したソレノイド
１０８とを設け、ソレノイド１０８の作動によって回動
片１０６と可動鉄片１０７を入賞球通路１０４内に交互
に出入りさせるようにしたものが知られている。（例え
ば特開昭５９−２０９３７１号公報、実開平２−６７９
７５号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
ののうち前者においては、球止部１０１ａ，１０１ｂの
相互位置関係に高い精密さが要求される上、入賞球は入
賞球通路１００の傾斜によって下方へ自然落下させるも
のであるから、入賞球が汚れていたりすると落下までに
時間が掛かって景品球の排出動作が遅くなるという問題
点があった。また、後者においては、回動片１０６が重
錘１０５の作用力によって回動復帰するようにされてい
るため、回動片１０６に大きな球圧が加えられるとその
回動復帰が困難になる等作動確実性に欠けるという問題
点があった。さらに、両者にあっては、入賞球通路に入
賞球が２個以上並んでいる場合、次の入賞球は入賞球検
出器の直前で一担流下が阻止されることになるため、入
賞球の検出が遅れて景品球の排出に時間が掛かるという
問題点があった。本考案は、従来の技術の有するこのよ
うな問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、入賞球を連続して検出でき、かつ景品球の
払出し動作ごとに入賞球通路の入賞球を１個ずつ確実に
下方へ強制排出するようにして作動確実性の高いパチン
コ機の入賞球排出制御装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案におけるパチンコ機の入賞球排出制御装置に
おいては、入賞球通路の終端に入賞球検出器と入賞球処
理器とソレノイドとからなる入賞球排出装置を設け、前
記入賞球処理器は、長さのほぼ中間を回動自在に軸支す
ると共に、その後端をソレノイドのプランジヤに枢支連
結し、前端には入賞球の流下を阻止する球止部と上向回
動により球止部で流下を阻止された入賞球を受け入れ可
能な球受凹部を一体に設け、前記入賞球検出器は、入賞
球処理器の球止部で流下が阻止される入賞球通路の先頭
の入賞球を検出可能なように配設されており、前記入賞
球検出器の検出信号により景品球払出装置を作動して所
定数の景品球を払い出すと共に、該景品球の払出終了信
号により前記ソレノイドを作動し、そのプランジヤの往
復動によって前記入賞球処理器を上下方向へ回動させる
ことにより入賞球通路の入賞球を１個ずつ球受凹部に受
け入れて下方へ強制排出させるようにしたものである。

【０００５】

【作用】入賞球通路に導かれた入賞球は、入賞球処理器
の球止部で流下が阻止されると共に、入賞球検出器で検
出される。そして、その検出信号により景品球払出装置
を作動して所定数の景品球を払出すと共に、その景品球
の払出終了信号によりソレノイドを作動する。このソレ
ノイドの作動に伴なうプランジャの往復動より入賞球処
理器が上下方向へ回動し、その上向回動によって球止部
で流下が阻止されていた入賞球を球受凹部に受け入れる
と共に、下向回動によって球受凹部の入賞球を下方へ強
制排出する。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本考案が適用されるパチンコ機の裏面図で
ある。パチンコ機１の裏面には遊技盤２の裏面全体を覆
うように機構板３が配設されており、その遊技盤２の裏
面と相対する機構板３の前面下部に入賞球を集合する入
賞球集合部４が形成されている。そして、その出口と連
通状に入賞球を一列に整列して流下させる入賞球通路５
が形成されており、その終端に入賞球検出器６と入賞球
を１個ずつ排出通路７に落下させる入賞球処理器８とソ
レノイド９とからなる入賞球排出装置が配設される。一
方、機構板３の裏面上部には、景品球を貯留する景品球
タンク１０が設けられ、該景品球タンク１０の下方に景
品球を整列して流下させる導出樋１１が設けられてい
る。また、導出樋１１の下流側に垂直状の供給樋１２が
連設され、この供給樋１２の流下端に景品球払出装置１
３が接続されている。さらに、景品球払出装置１３の下
方には払出された景品球を機前の打球供給皿（図示せ
ず）に導く景品球排出樋１４が設けられている。

【０００７】景品球払出装置１３は図６ないし図８に示
すように本体ベース１５と駆動モータ１６とリードスク
リュー１７とカバー１８とによって大略構成されてい
る。本体ベース１５の前面には、図８に示すように前記
供給樋１２に連続する垂直状の２条の供給通路１９ａ，
１９ｂが左右に間隔を離して形成され、該供給通路１９
ａ，１９ｂの下流側に景品球の排出通路２０ａ，２０ｂ
がそれぞれ形成されている。前記駆動モータ１６は、モ
ータ取付フレーム２１を介して本体ベース１５の前面中
央に取付けられており、リードスクリュー１７は駆動モ
ータ１６の下方であり、かつ供給通路１９ａ，１９ｂの
間に位置するように配設されている。

【０００８】前記リードスクリュー１７は、図７に示す
ように円筒体２１の外周表面に前記供給通路１９ａ，１
９ｂに臨んで最先端の景品球を受ける突条２２を螺旋状
に設けて形成されており、その円筒体２１の上下中心に
突出する回転軸２３を本体ベース１５の軸受片２４，２
４に支持させて水平回転自在に取付けられている。そし
て、円筒体２１の上方に突出する回転軸２３の先端にモ
ータ軸２５に固着した原動歯車２６に噛合する従動歯車
２７が固着されており、これによって、モータ軸２５の
回転をリードスクリュー１７に伝達するようになってい
る。なお、前記リードスクリュー１７の突条２２は、該
リードスクリュー１７が１回転することによって供給通
路１９ａ，１９ｂの最先端の景品球が支持を失なって排
出通路２０ａ，２０ｂに落下するようにその螺旋形状が
選ばれる。また、排出通路２０ａ，２０ｂには景品球検
出器２８ａ，２８ｂが設けられており、リードスクリュ
ー１７の回転によって排出通路２０ａ，２０ｂに払い出
される景品球が１個ずつ検出されるようになっている。

【０００９】前記入賞球処理器８は、図２ないし図５に
示すように長さのほぼ中間が軸２９によって回動自在に
軸支されており、その後端がソレノイド９のプランジヤ
３０上端に固着された連結部材３５にピン３３で枢支連
結されている。また、入賞球処理器８の前端には入賞球
通路５の終端に対向して入賞球の流下を阻止する球止部
３１とソレノイド９の作動に伴なう上向回動によって球
止部３１で流下が阻止された入賞球を受け入れ、かつ下
向回動によつて該入賞球を排出通路７に落下させる半円
状の球受凹部３２とが一体に設けられている。なお、３
４はプランジヤ３０を上方へ付勢するコイルばねであ
る。そして、入賞球検出器６は、入賞球処理器８の球止
部３１で流下が阻止される入賞球通路５の先頭の入賞球
を検出可能なように配設されており、その検出信号によ
って景品球払出装置１３を作動するようになっている。
また前記ソレノイド９は、景品球検出器２８ａ，２８ｂ
の景品球払出終了信号によって作動するように回路構成
されている。

【００１０】本考案は上記のような構成からなり、次に
その作用について説明する。図４に示すようにソレノイ
ド９が消磁し、これのプランジヤ３０に巻装されたコイ
ルばね３４の付勢で入賞球処理器８が下向回動している
とき、入賞球通路５に導かれた入賞球Ｂは入賞球処理器
８の球止部３１によって流下が阻止されると同時に入賞
球検出器６によって検出される。そして、その検出信号
によって景品球払出装置１３の駆動モータ１６が回転
し、原動歯車２６、従動歯車２７を介してリードスクリ
ュー１７を回転させる。このリードスクリュー１７の回
転で供給通路１９ａ，１９ｂに連続状態で待機する景品
球は突条２２の移動に伴ない下降し、リードスクリュー
１７が一回転すると突条２２に支持される最先端の景品
球がその突条２２の支持から外れて排出通路２０ａ，２
０ｂに払い出されると共に、景品球検出器２８ａ，２８
ｂによって検出される。そして、景品球検出器２８ａ，
２８ｂが一定数の景品球を検出すると入賞球排出装置の
ソレノイド９に信号が送られ、該ソレノイド９を瞬間的
に励磁する。

【００１１】前記ソレノイド９の励磁に伴ないこれのプ
ランジヤ３０がコイルばね３４の付勢に抗して下方へ吸
引され、これによつて入賞球処理器８が軸２９を支点に
図４鎖線のように上向回動し、球止部３１によって流下
が阻止されていた入賞球Ｂを球受凹部３２に受け入れ
る。そして、ソレノイド９の消磁に伴ないこれのプラン
ジヤ３０がコイルばね３４の付勢によって図４実線位置
に回動復帰しこれによつて、入賞球処理器８が軸２９を
支点に図５鎖線のように下向回動して球受凹部３２に受
け入れた入賞球を排出通路７に落下させる。

【００１２】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。入
賞球通路の終端に入賞球検出器と球止部及び球受凹部を
一体に有する入賞球処理器とソレノイドとからなる入賞
球排出装置を設け、入賞球検出器の検出信号によって景
品球払出装置を作動させると共に景品球の払出終了信号
に伴なうソレノイドのプランジャの往復動によって入賞
球処理器を上下方向へ回動し、球止部で流下が阻止され
ていた入賞球通路の入賞球を球受凹部に受け入れて排出
通路に１個ずつ強制排出するようにしたものであるか
ら、景品球の払出し動作ごとに入賞球を１個ずつ確実に
分離して排出することができ、高い作動性が期待でき
る。また、入賞球検出器を入賞球処理器の球止部直前に
設け、該球止部で流下が阻止される入賞球を検出可能な
ように配設したものであるから、入賞球の検出を無駄な
く確実にかつ効果的に行うことができると共に、入賞球
の検出から景品球の払出しまでに要する時間を大幅に短
縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用されるパチンコ機の裏面図であ
る。

【図２】入賞球排出装置部分の斜視図である。

【図３】入賞球排出装置の分解斜視図である。

【図４】入賞球排出装置の作用説明図である。

【図５】入賞球排出装置の作用説明図である。

【図６】景品球払出装置の斜視図である。

【図７】景品球払出装置の分解斜視図である。

【図８】景品球払出装置を一部断面にして示す正面図で
ある。

【図９】従来技術の説明図である。

【図１０】従来技術の他の説明図である。

【符号の説明】

５ 入賞球通路 ６ 入賞球検出器 ８ 入賞球処理器 ９ ソレノイド １３ 景品球払出装置 ３０ プランジャ ３１ 球止部 ３２ 球受凹部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 入賞球通路の終端に入賞球検出器と入賞
   球処理器とソレノイドとからなる入賞球排出装置を設
   け、 前記入賞球処理器は、長さのほぼ中間を回動自在に軸支
   すると共に、その後端をソレノイドのプランジヤに枢支
   連結し、前端には入賞球の流下を阻止する球止部と上向
   回動により球止部で流下を阻止された入賞球を受け入れ
   可能な球受凹部を一体に設け、前記入賞球検出器は、入賞球処理器の球止部で流下が阻
   止される入賞球通路の先頭の入賞球を検出可能なように
   配設されており、 前記入賞球検出器の検出信号により景品球払出装置を作
   動して所定数の景品球を払い出すと共に、該景品球の払
   出終了信号により前記ソレノイドを作動し、そのプラン
   ジヤの往復動によって前記入賞球処理器を上下方向へ回
   動させることにより入賞球通路の入賞球を１個ずつ球受
   凹部に受け入れて下方へ強制排出させるようにしたこと
   を特徴とするパチンコ機の入賞球排出制御装置。