JPH09274076A - 反射測定装置及びこれを利用した車間距離制御装置 - Google Patents

反射測定装置及びこれを利用した車間距離制御装置

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JPH09274076A
JPH09274076A JP8082869A JP8286996A JPH09274076A JP H09274076 A JPH09274076 A JP H09274076A JP 8082869 A JP8082869 A JP 8082869A JP 8286996 A JP8286996 A JP 8286996A JP H09274076 A JPH09274076 A JP H09274076A
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polygon mirror
angle
reflection measuring
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俊夫 細川
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武和 照井
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晋治 難波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各面倒れ角の異なるポリゴンミラーを用いた
反射測定装置において、測定エリアの左右両端の縦スキ
ャンエリアの差を小さくする。 【解決手段】 反射測定装置1は、各ミラー面の倒れ角
が異なるポリゴンミラー31の後方上部に半導体レーザ
ダイオード21及びコリメートレンズ23を配置し、半
導体レーザダイオード21からの赤外パルス光を、ポリ
ゴンミラー31の正面上部に配置したミラー24で斜め
後方に反射してポリゴンミラー31のミラー面へ入射す
る。測定エリア内に存在する物体からの反射光は受光レ
ンズ50にて集光され、受光素子60に入力される。 【効果】 各ミラー面によって反射される走査ライン同
士の間隔が一定となり、測定エリア内に隙間を生じな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前方の物体の有無
や前方の物体までの距離等を測定するための反射測定装
置に係り、特に、倒れ角の異なる反射面を有する回転多
面鏡を用いて2次元的に走査を行う反射測定装置及びこ
れを利用した車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭62−8119号公
報に示される様に、レーザ光を2次元的に走査する手段
として、回転軸に対する倒れ角が互いに異なる複数個の
反射面を外周部に備えた回転多面鏡が知られている。
(以下、「各面倒れ角の異なるポリゴンミラー」と呼ぶ
ことにする。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62−
8119号公報に示される様な各面倒れ角の異なるポリ
ゴンミラーを、反射測定装置における走査手段として使
用し、出射光を2次元的に走査した場合には、図14に
示す様に、測定エリアの中心方向をZ軸とした時、これ
に垂直なXY平面内での、測定エリア両端で、垂直方向
(Y軸方向)での走査角度範囲(以下、これを縦スキャ
ンエリアと呼ぶ)が異なり測定エリアが台形に歪む。こ
の様に測定エリアが歪むと、エリア中央の縦スキャンエ
リアに対して縦スキャンエリアが広がった側(図14の
右側)では、各出射ビーム間にすきまが発生し、測定対
象物の反射部、例えば、車両のリフレクタがこのすきま
部分に入った場合、出射光が反射しなくなるため、測定
が不可能になるという問題が発生する。
【0004】ここで、測定エリアの右側にすきまが発生
しないようにポリゴンミラーの倒れ角を設計したとして
も、左右で縦スキャンエリアが異なるため、左側は右側
に比べ、約10%以上も縦スキャンエリアが狭くなって
しまう。また、別の対策手段として、1つの出射光の角
度を拡げてすきまをなくすことも考えられるが、そうす
ると出射光のパワー密度が低下し、出射光の届く距離が
短くなるため、最大検知距離が低下するという問題があ
る。
【0005】このように、各面倒れ角の異なる回転多面
鏡をレーザレーダーの様な反射測定装置に利用する場合
には、バーコードリーダー分野では問題とならなかった
「測定エリアの歪み」が大きな問題となる。そこで、本
発明は、各面倒れ角の異なるポリゴンミラーを用いた反
射測定装置において、測定エリアの左右両端の縦スキャ
ンエリアの差を小さくすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の反射測定装置に
よれば、各面倒れ角の異なるポリゴンミラーを用いた反
射測定装置において、図1に例示する様に、ポリゴンミ
ラーM1の回転軸と平行なY軸とポリゴンミラーM1か
ら測定エリアARの中心に向かって伸びるZ軸とにより
定義される3次元直交座標系を考えたとき、ポリゴンミ
ラーM1の反射面に対して前方から、XZ平面に対して
傾いたパルス光LINを入射させることを特徴とする。
【0007】本発明によれば、上記3次元直交座標系に
おけるXZ平面に対して傾いたパルス光を入射させるの
で、図示の如く、仮に真正面側からパルス光を入射させ
ても、この入射光が反射面からの出射光と干渉し合うこ
とがない。この結果、図示の如く、パルス光LINをYZ
平面に対して0゜の角度にて入射することも可能となる
のである。そして、この様にYZ平面に対する角度を小
さくすることにより、測定エリアの縦歪みを抑制し、測
定エリアの端で走査ライン間に隙間が生じないようにす
ることが可能となる。さらに、本発明によれば、この様
な効果を発揮する上に、装置を大きくせずに測定エリア
の歪みを低減するという顕著な効果をも達成する。
【0008】この装置サイズに関する効果を具体的に説
明する。測定エリアの歪みは、上記座標系でいうと、入
射光のYZ平面に対する角度を0゜にできれば解消す
る。従って、図2に示す様に、ポリゴンミラーM1の横
後方に配置された光源M2からの光をミラーM3を用い
てポリゴンミラーM1に入射する構成を考えたとき、ミ
ラーM3を図示実線の位置から図示点線の位置へと移動
すれば、YZ平面に対する入射光の角度φhを小さくす
ることができ、測定エリアの歪みは改善される。しか
し、この図から明かな様に、装置全体のサイズが大きく
なることが分かる。特に、φh≒0゜とするには装置サ
イズを無限に大きくしなければならないことが容易に理
解できる。従って、従来のこの種装置の構成では、測定
エリアの歪みを解消するには装置の大型化が必要とな
り、しかも、十分には解消できないのである。
【0009】これに対して、本発明によれば、図3に示
す様に、例えばポリゴンミラーM1の前方上部にミラー
M3を配置してパルス光を入射する構成を採用すること
ができ、φh=0゜の入射光も、装置を大型化すること
なく実現できるのである。なお、上方ではなく下方から
入射させるようにしても同じである。
【0010】ところで、本発明において、ポリゴンミラ
ーに対する入射光は、前記3次元座標系のYZ平面に対
する傾き角が±48゜の範囲内にあることが望ましく、
さらに望ましくはYZ平面に対する傾き角を±35゜の
範囲内としておくのがよい。このYZ平面に対する角度
はできるだけ小さい方がよく、YZ平面に対する傾き角
がX方向の走査角度範囲内にあることが一層望ましく、
YZ平面に対する傾き角をほぼ0゜とするのが最良であ
る。本発明によれば、出射光との干渉を生じることなく
パルス光を入射できるので、X方向の走査角度範囲内か
らパルス光を入射させることが可能となっているのであ
り、これを実行することにより、測定エリアの歪みを大
幅に低減でき、YZ平面に対してほぼ0゜の角度でパル
ス光を反射面に入射させてやれば、測定エリアの歪みは
ほぼ完全に解消される。これにより、本発明の効果がい
かんなく発揮されることとなる。なお、YZ平面に対す
る傾き角を±48゜の範囲内、あるいは±35゜の範囲
内としておくのがよいことの根拠及びその特有の効果は
実施の形態において説明する。
【0011】次に、入射光の前記XZ平面に対する傾き
(図1の例における角度φv)についていうと、これは
−25゜〜−70゜の範囲内にあることが望ましく、よ
り望ましくは30゜〜60゜又は−35゜〜−60゜の
範囲内にしておくのがよい。この角度は、一つには装置
サイズの大きさと関係するからである。
【0012】このXZ平面に対する傾きと装置サイズの
関係について図3で説明する。図3の実線の位置にミラ
ーM3を設置した場合を基準にして、φvを小さくする
べく図示一点鎖線の位置へミラーM3を移動して見る。
すると、直ちに理解される通り、装置の全体サイズがこ
のミラーM3の位置で決定され、大型化することが分か
る。一方、φvを大きくするべく、図3の点線の位置へ
ミラーM3を移動して見る。今度は、Z軸方向に出射光
を反射するために、ポリゴンミラーM1の反射面の倒れ
角を大きくする必要がある。このため、ポリゴンミラー
M1のサイズが大きくなり、これが装置全体サイズのア
ップにつながる。この様に、装置サイズの面からいう
と、XZ平面に対する角度は小さいほどよいわけではな
いし、大きいほどよいわけでもないのである。
【0013】上記数値限定には、もう一つ理由がある。
それは、同じポリゴンミラーを使用して同じ測定エリア
を漏れなく走査するために必要なパルス光の発光周波数
と関係がある。これも後で実施の形態と共に説明する
が、発光周波数は、上記角度φvが大きくなるほど小さ
くなる。この結果、上記角度φvを大きくするほど発光
間隔が長くなり、この間に各種の演算処理等を行うため
の時間を十分確保できるという効果がある。この意味に
おいて、発光周波数にある程度の低下が期待され、しか
もサイズをできるだけ小さくするという条件を同時に満
たす範囲として、上記数値範囲をあげることができるの
である。
【0014】なお、これらの他、前記パルス光入射手段
は、前記光源からの出射光を絞って前記回転多面鏡に入
射させる絞り手段を備えるものであることが望ましい。
この様に構成することで、光源からの出射光が拡散して
しまって測定エリアに当たる光が弱くなってしまうのを
有効に防止することができる。
【0015】また、前記パルス光入射手段は、前記回転
多面鏡の前方に配置され、後方の光源から来るパルス光
を折り返して前記回転多面鏡に入射させる折返し用ミラ
ーを備えるようにすることで、装置全体サイズを小さく
するのに効果をあげることができる。
【0016】さらに、前記受光手段による受光時刻と前
記光源の発光時刻との関係から測定エリア内の物体まで
の距離を演算する演算手段を備え、該演算手段は、前記
光源の発光間隔の時間内で前記演算を実行する手段とし
て構成される場合、上述の様に、発光周期を長くとるこ
とができるように図1のφvを大きめにとれば、複雑な
演算も可能となり、高度の判定などに効果を発揮する。
【0017】なお、具体的には、本発明の反射測定装置
は、各面倒れ角の異なるポリゴンミラーの前方上部にミ
ラーを配置し、後方の光源が発生したパルス光をポリゴ
ンミラーに向かって斜め下方に反射する様に構成すると
よい。さらに望ましくは、ミラーはポリゴンミラーの正
面上部に配置するのがよく、光源をポリゴンミラーの上
部後方に配置してやれば、全体をきわめてコンパクトに
構成することができる。
【0018】また、本発明の車間距離制御装置は、上記
いずれかの反射測定装置と、該反射測定装置により測定
される前方の物体が他の車両であるか否かを判定する判
定手段と、該判定手段により前方の物体が車両であると
検出された場合に、減速制御手段及び加速制御手段を制
御して車間距離制御を行う車間距離制御手段とを備え
る。
【0019】この車間距離制御装置によれば、測定エリ
ア内に隙間を生じることがないので、確実に前方の物体
を検出でき、適切な車間距離制御を実行することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の反射測定装置の実
施の形態について説明する。 [実施の形態1]実施の形態1としての反射測定装置を
図4に示す。この反射測定装置1のハウジング10に
は、光線出射部20、光線反射部30、受光レンズ5
0、受光素子60及び演算回路基板70が配設されてい
る。
【0021】光線出射部20は半導体レーザダイオード
21、半導体レーザダイオード21の駆動回路を有する
回路基板22、コリメートレンズ23及びミラー24か
らなる。半導体レーザダイオード21は回路基板22の
駆動回路で駆動され、赤外パルス光を出射する。この様
にして出射された赤外パルス光は、例えば樹脂で形成さ
れるコリメートレンズ23を通過することによってほぼ
平行光となり、ビーム化される。なお、ビーム化の手段
はスリットを用いてもよい。この出射光はミラー24で
反射され光線反射部30に向かって出射される。
【0022】ここで、このコリメートレンズ23等のビ
ーム化手段は、半導体レーザダイオード21と光線反射
部30との間に配置するのが良い。それは、コリメート
レンズ23等のビーム化手段を半導体レーザダイオード
21に近い位置に配置する程、ビーム径を小さくできる
からである。これにより、コリメートレンズ23等のビ
ーム化手段を小型化できる。また、次に説明するポリゴ
ンミラー31のミラー面を小さくすることができ、ポリ
ゴンミラー31を小型化できる。
【0023】光線反射部30はポリゴンミラー31、ポ
リゴンミラー31の下部に配設されるポリゴンスキャナ
モータ32、及びポリゴンスキャナモータ32の駆動回
路を実装した回路基板33からなる。ポリゴンスキャナ
モータ32は例えば、ステップモータやDCモータ等で
あり、回路基板33に実装された駆動回路によって駆動
される。このポリゴンスキャナモータ32には樹脂で形
成され、外周部のミラー面にアルミ蒸着がなされたポリ
ゴンミラー31が備え付けられておりポリゴンスキャナ
モータ32によって一定の回転速度で回転する。なお、
このポリゴンミラー31はアルミ切削品でもよい。
【0024】ここで、ポリゴンミラー31の複数のミラ
ー面はそれぞれポリゴンミラー回転軸に対する倒れ角が
異なっている。また、ポリゴンミラー31はミラー面の
高さ方向のほぼ中心で光線出射部20より出射されるパ
ルス光が反射するように配置され、ポリゴンミラー31
が回転することによって、反射光は左右方向に走査さ
れ、パルス光の入射するミラー面が変わる毎に、上下方
向にずれながら走査される。その走査パターンの1例を
図5に示す。尚、図5において、出射ビームパターン8
2は測定エリア81内の右端と左端に出射された場合の
みを示しており、途中は省略している。
【0025】出射ビームパターン82は、図5では1例
として円形を示しているが、この形に限られるものでは
なく楕円形、長方形等でもよい。また、出射ビームパタ
ーン82は隣接する出射ビームパターンと多少重なる程
度がよく、半導体レーザダイオード21を駆動する駆動
回路によって、パルス光の発光間隔を制御し、所望の出
射ビームパターンの間隔にすることができる。
【0026】次に、図5に示す様に2次元的に走査した
場合の効果について説明する。まず、車両に反射測定装
置1を搭載し、坂道を走行する場合について考える。こ
の例で車両が坂道を走行する場合には、回路基板22に
実装されているピッチ角センサ(図示略)から送られる
ピッチ角センサ信号によって回路基板22に備えられて
いる半導体レーザダイオードの駆動回路で、半導体レー
ザダイオード21の赤外パルス光の発光間隔を制御する
ことによって、自車の勾配方向の測定を多くすることが
できる。
【0027】例えば、上り坂を走行する場合には、先行
車は自車よりも上方を走行しているので、上方の測定回
数を多くすることにより、先行車の検知不能という状態
をなくすことができる。このように、2次元的に走査す
る場合、各面倒れ角が異なるポリゴンミラーを用いるこ
とにより、ガルバノミラーを2つ組み合わせる方法や、
ガルバノミラーと全てのミラー面の倒れ角が同じのポリ
ゴンミラーとを組み合わせる方法に比べ、駆動部が1つ
で済むので、走査手段を小型化できる。また、信頼性が
良いというメリットがある。
【0028】この様なポリゴンミラーで反射され測定対
象物体、例えば先行車に向かって出射されたパルス光
は、先行車のリフレクタ等で反射される。その反射光の
内、受光レンズ50に入射して集光された光が、受光レ
ンズ50の焦点付近に配置される受光素子60に入射す
る。
【0029】演算回路を有する演算回路基板70は、受
光素子60と半導体レーザダイオード21の駆動回路を
有する回路基板22とに接続されており、パルス光の発
光時刻と反射光の受光時刻とから先行車と自車との距
離、角度、相対速度を演算する。
【0030】次に、光線反射部30、つまり各ミラー面
の倒れ角が異なるポリゴンミラー31について、さらに
詳しく説明する。本実施の形態による反射測定装置1の
光線反射部30の側面図を図6(a)に、正面図を同
(b)に示す。
【0031】半導体レーザダイオード21から出射さ
れ、コリメートレンズ23でほぼ平行光とした赤外パル
ス光を、ミラー24で反射してポリゴンミラー31に、
モータ回転軸の中心線に対して垂直な仮想の平面A−
A′(図6(a)に示すように、この例では、仮想の平
面A−A′は、ポリゴンミラー31の上端面に接してい
る。)に対して角度αをもって入射する構成としてい
る。尚、この例では、ポリゴンミラー31のミラー面を
6面としているが、ポリゴンミラーの回転方向、ミラー
の倒れ角、ミラーの面数等は変えてもよい。
【0032】以上の様な構成とすることにより、この実
施の形態1により、次に説明する問題点を解決すること
ができる。ポリゴンミラーを用いて、レーザビームを一
定の角度範囲に一定の角度ステップでビーム投射する場
合、走査角度の分解能を上げるために、走査周波数を変
えずに、角度ステップを小刻みにすると、1回受光する
毎にデータ処理する場合には、データ処理時間が短くな
るという問題がある。
【0033】さらには、レーザビームを出射するレーザ
ダイオードの最大発光周波数が増大して、所定のレーザ
パワーが得られなくなるという問題もある。これらの問
題について、具体的に図7に示す発光回路を例にして説
明する。この発光回路は、電源91から供給される電荷
をコンデンサ93に蓄え、図示しないECU(電子制御
回路)から指令されるタイミングに従い、スイッチング
素子94をON、OFFして、レーザダイオード92に
電流を流し、発光する仕組みになっている。この様な発
光回路において、走査角度の分解能を上げるためにレー
ザダイオードの最大発光周波数を増大させて発光間隔を
短くすると、電源91から供給される電荷がコンデンサ
93に十分蓄えられないうちに発光することになるの
で、出射光のレーザパワーが小さくなり、所定のパワー
が得られないという問題がある。
【0034】ここで、先程説明した図6に示す様に十分
なφv=αをもってパルス光をポリゴンミラー31の上
方から入射させると、図13に示す様に出射光をポリゴ
ンミラー回転軸に垂直な平面に対して角度をつけずにミ
ラー面に入射する場合に比べて、発光回数、最大発光周
波数を同じとしたときの水平方向の走査角度範囲(以
下、横スキャンエリアと呼ぶ)を狭くできる。これによ
って走査角度の分解能を上げることができ、しかも、元
の発光間隔でこれを実現できるから前述の様なパワー不
足の問題を生じることもない。この現象について、横ス
キャンエリアの計算例を用いて説明する。
【0035】まず、図8の様に座標系を定義する。Z軸
は測定エリア81の中心方向であり、反射測定装置1を
車両に搭載した場合には、車両の進行方向となる。この
Z軸に対して直角であり、地面に平行な線をX軸、地面
に直角な線をY軸と定義する。Y軸は、ポリゴンミラー
31の回転軸と平行になる。
【0036】この時、図8に示す様にポリゴンミラー3
1で反射した出射光101と、XZ平面との角度を縦ス
キャン角θy、出射光101をXZ平面に投影した線と
Z軸との角度を横スキャン角θxと定義する。この縦ス
キャン角θyと横スキャン角θxを求めることにより、
測定エリア81の縦スキャンエリア、横スキャンエリア
を求めることができる。
【0037】ここで、入射光102の角度を図9(a)
に示す様に、入射光102をXZ平面に投影した線とZ
軸との角度を横入射角φh、XZ平面と入射光102と
の角度を縦入射角φvと定義する。また、図9(b)に
示す様に、ミラー法線103をXZ平面に投影した線と
Z軸との角度をミラー回転角φr、XZ平面とミラー法
線103との角度をミラー倒れ角φtと定義する。
【0038】すると、横スキャン角θx、縦スキャン角
θyは、図9で定義した4つの角度φh,φv,φr,
φtをパラメータとして次式で表される。
【0039】
【数1】
【0040】ここで、x,y,zは図8に示した様に定
義する。即ち、Z軸上の任意の点zを通りZ軸に垂直な
平面(以後投影面と呼ぶ)を定義したとき、この投影面
と出射光が交わる点の投影面上での座標がx,yであ
る。ここで、
【0041】
【数2】
【0042】である。よって、〜式を用いれば、図
5に示す測定エリア81の縦スキャンエリア、横スキャ
ンエリアを求めることができる。そこで、入射光がポリ
ゴンミラー回転軸に垂直なXZ平面に対して縦入射角φ
vをもって入射する場合(図10(a))と、縦入射角
φvをもたないで(φv=0)入射する場合(図10
(b))での測定エリアの横スキャンエリアについて計
算し、両者を比較する。ここで、比較の条件として、出
射光101の縦スキャン角θyは0゜、つまり出射光1
01はX軸上を走査することとした。また、その時にポ
リゴンミラー31を同じ回転角だけ回転させて出射光1
01を走査し、その左右方向の走査角度を比較した。
【0043】まず、入射光がポリゴンミラー回転軸に垂
直な平面に対して縦入射角φvをもって入射する場合
(図10(a)の場合)について説明する。図10
(a)に示すように、入射光102はポリゴンミラー回
転軸に垂直な平面、つまりXZ平面に対して縦入射角φ
vをもってポリゴンミラーに入射するものとする。ここ
で、この縦入射角φv=48゜とする。また、横入射角
φhは簡単のため0゜とする。また、ミラー倒れ角φt
は、θy=0゜という前提条件と縦入射角φv=48゜
という条件から一義的に求まりφt=24゜となる。
【0044】ここで、ミラーをZ軸に対して±5゜回転
させた時の横スキャン角θxを求めることにする。つま
り、ミラー回転角はφr=5゜となる。よって、以上の
条件φv=48゜,φh=0゜,t=24゜,φr=5
゜から、,,式を用いて計算すると、θxは約
8.34゜となる。
【0045】次に、入射光102がポリゴンミラー回転
軸に垂直な平面に対して縦入射角φvをもたないで入射
する場合(図10(b)の場合)について説明する。図
10(b)に示すように、入射光102はZ軸上を通
り、ポリゴンミラー回転軸に垂直な平面に対し縦入射角
φvをもたずにポリゴンミラー31に入射するものとす
る。つまり、縦入射角φv=0゜となる。また、先程と
同様に横入射角φh=0゜とする。この時、ミラー倒れ
角φtは、θy=0゜,φv=0゜の条件からφt=0
゜となる。
【0046】ここで、先程と同様にミラー回転角φr=
5゜の時の横スキャン角θxを求める。条件はφv=0
゜,φh=0゜,φt=0゜,φr=5゜であるから、
,,式を用いて計算すると、θxは約10゜とな
る。以上のことから、横スキャン角θxは、ミラー回転
角φrを一定としても、入射光102とポリゴンミラー
回転軸に垂直なXZ平面とのなす角度、つまり縦入射角
φvが大きくなる程、小さくなることがわかる。逆に横
スキャンエリアが±10゜必要だと考えると、図10
(b)に示すφv=0゜の場合は、ミラー回転角φrは
±5゜とすればよいが、図10(a)に示すφv=48
゜の場合のミラー回転角φrは、具体的に,,式
を用いて計算すると、約±6゜必要となる。
【0047】つまり、縦入射角φvを大きくすると、一
定の横スキャンエリアを確保するためには、ミラー回転
角を大きくしなければならないことが分かる。次に、ミ
ラー回転角とレーザダイオードの最大発光周波数との関
係について説明する。
【0048】まず、図11(a)に示す様に、入射光は
Z軸上からポリゴンミラー31のA点に入射し、Z軸に
対して左方向に、角度θA で反射するものとする。次
に、同図(b)に示す様に、出射光101をZ軸に対し
て右方向にθB の角度まで走査させる場合、ポリゴンミ
ラー31は、時計回りでθABだけ回転させなければなら
ない。ここで、例えばθA =θB =10゜とし、角度ス
テップを0.2゜つまり、横スキャンエリアを100分
割とすると、ミラー1面当りのレーザダイオードの発光
回数は100回となる。この時、レーザダイオードの最
大発光周波数は、この発光回数、ミラー回転角θAB、ポ
リゴンミラー31の回転速度から決定される。
【0049】例えば、先に説明した通り、入射光102
がポリゴンミラー回転軸に垂直なXZ平面に対して角度
をもたずに入射する場合(φv=0゜の場合)には、横
スキャンエリアを±10゜とした時、ミラー回転角は約
±5゜であるから、θAB=10゜である。また、ポリゴ
ンミラー31の回転速度を例えば600rpmとする
と、レーザダイオードの最大発光周波数fmaxは、次
に示す式より求められ、fmax=36kHzとな
る。
【0050】
【数3】
【0051】ここで、fmax:最大発光周波数〔H
z〕 V:モータ回転速度〔rpm〕 θAB:ミラー使用角度〔゜〕 Ph:左右方向の分割数である。
【0052】また、入射光がポリゴンミラー回転軸に垂
直な平面に対して48゜の角度をもって入射する場合に
は、横スキャンエリアを±10゜とした時、ミラー回転
角は約±6゜であるから、θAB=12゜となる。この時
の最大発光周波数を計算すると、式よりfmax=3
0kHzとなる。
【0053】ここで、以上の最大発光周波数の変化につ
いて、タイムチャートを用いて説明する。ここまで説明
してきた構成では、ポリゴンミラーは6面とし、全ての
倒れ角を変化させていることから、図5における測定エ
リア81を上下方向に6分割し、ポリゴンミラー1回転
で測定エリア81を1回走査している。その時のレーザ
ダイオードの発光タイミングを示すタイムチャートを図
12に示す。図12に示すように、ポリゴンミラーが1
回転する時間T1の間に、レーザダイオードが連続で発
光する時間T2が6面分、つまり6回ある。このT2は
ミラー使用角度θABに対応している。また、T3はレー
ザダイオードの発光間隔時間であり、左右方向の走査角
度範囲と分割数、から決まる。ここで、T3はレーザダ
イオードの最大発光周波数の逆数となる。
【0054】このタイムチャートにおいて先程の例を用
いて説明すると、入射光とポリゴンミラー回転軸に垂直
な平面との角度が0゜の場合、最大発光周波数は36k
Hzであるから、T3は約28μsecであるが、入射
光とポリゴンミラー回転軸に垂直な平面との角度が48
゜の場合は、30kHzであり、T3は約33μsec
となる。つまり、約20%も発光間隔を長くすることが
できる。
【0055】以上のことから入射光とポリゴンミラー回
転軸に垂直な平面とのなす角度、つまり、縦入射角φv
を大きくする程、レーザダイオードの最大発光周期を大
きくすることができる。これにより、レーザダイオード
の発光間隔が長くなり、データ処理時間を長くすること
ができる。
【0056】また、走査角度の分解能を上げるために、
角度ステップを小刻みにしても、所定の出射光のレーザ
パワーを得ることができる。つまり、最大発光周波数が
増大するとコンデンサに電荷を蓄える時間が短くなり、
十分蓄える前に発光してしまうので、所定のレーザパワ
ーが得られなくなる。しかし、本実施の形態によれば、
最大発光周波数を減少させることができるので、コンデ
ンサに電荷を蓄える時間が長くなり、電荷を十分蓄えて
発光できるので、所定のレーザパワーを得ることができ
るのである。
【0057】次に上述の構成によるもう1つの効果につ
いて説明する。まず、比較のために、図13に示す様
に、各ミラー面の倒れ角が異なるポリゴンミラー131
を用い、このポリゴンミラー131の斜め前方に配置し
た半導体レーザダイオード121により、ポリゴンミラ
ー131の回転軸に垂直な平面と平行に赤外パルス光を
入射する構成とした装置を用いて、出射光を2次元方向
に走査する場合を考える。なお、図中符号123はコリ
メートレンズ、132はポリゴンスキャナモータ、14
0は出射レンズ、150は受光レンズ、160は受光素
子、170は演算回路基板である。
【0058】この場合の測定エリア181は、先述の
〜式から求められ、図14に示す様に、X軸方向の右
(+)での縦スキャン角θyは、X軸方向の左(−)に
比べ広くなる。つまり、垂直方向に走査範囲が歪み、実
際の測定エリア181は、あたかも台形の様になってし
まう。図中点線で示した最適測定エリア183と比べる
と、歪みがよく分かる。
【0059】この様に測定エリア181が歪むと、エリ
ア中央に対して縦方向の角度が広がった側(図では右
側)では、各出射ビーム182間に隙間184が発生
し、測定対象物の反射部、例えば、車両のリフレクタが
この隙間の部分に入った場合、出射光が反射しなくなる
ため、測定が不可能になるという問題が発生する。ここ
で、エリア181の右側にすきまが発生しないようにポ
リゴンミラー131の倒れ角を設計したとしても、左右
で縦方向の走査角度が異なるため、左側は右側に比べ、
約10%以上も走査角度範囲が狭くなってしまう。ま
た、別の対策手段として、1つの出射光の角度を拡げて
隙間184をなくすことも考えられるが、そうすると、
出射光のパワー密度が低下し、出射光の届く距離が短く
なるため、最大検知距離が低下するという問題がある。
また、個々の出射ビームパターンの大きさも、両側で差
を生じる。よって、それぞれパワー密度が異なり、検知
距離がばらつくという問題もある。つまり、反射測定装
置において、測定エリアの歪みは大きな問題となる。
【0060】この垂直方向の測定エリアの歪みを低減す
る場合、前述の〜式から、横入射角φhをなるべく
小さくすれば、測定エリアの両端での、垂直方向の走査
範囲の角度差は小さくなり、ほとんど0となることがわ
かる。ここで、測定エリアの歪みを定量化するため、測
定エリア両端での垂直方向の走査角度範囲の角度差△θ
yと測定エリア中央での垂直方向の走査角度範囲θy 0
との比を縦歪み率εy(εy=△θy/θy0 ×100
〔%〕)で表す。
【0061】この時、縦歪み率εy、すなわち測定エリ
アの歪みと横入射角φhとの関係を計算した結果を図1
5に示す。この図15より、φhが大きい時の測定エリ
アはほぼ台形となり(図14参照)、φhが小さくなる
程、εyが小さくなり、φh=0゜では測定エリアはほ
ぼ長方形となることがわかる。測定エリアの歪みがほと
んど問題とならないのは、εyで表すと約5%以下、さ
らに好ましくは、約3%以下であるから、横入射角φh
は約48゜以下、さらに好ましくは約35%以下がよい
ことが分かる。
【0062】しかし、出射光をポリゴンミラー回転軸に
垂直な平面内で入射する構成では、φhを小さくしよう
とすると、半導体レーザダイオードの実装基板と反射光
が干渉してしまう。そこで、本実施の形態では、ここま
で説明したきた様に、ポリゴンミラー31の正面上方か
らパルス光を入射する構成を採用してφh=0゜で干渉
を防止する構成を採用している。この構成によれば、横
入射角φhを0゜として測定エリアの歪みを補正するこ
とが可能であり、しかも、図2で説明した例よりも出射
系は小さくなり、小型な反射測定装置を提供できるので
ある。
【0063】ここで、φh=0゜とした上でポリゴンミ
ラー回転軸に垂直な平面に対して角度をつけてパルス光
を入射する構成とすると、測定エリア81は図16の様
に左右対称となり、測定エリア81の上端と下端が最適
測定エリア83に比べると若干円弧状に歪むが、反射測
定装置の測定エリアは通常、垂直方向は約3゜〜4゜、
水平方向は約10゜〜20゜と水平方向の角度範囲が垂
直方向に比べて大きいため、この歪みはわずかであり測
定エリア中央と両端で縦スキャンエリアはほぼ同じなの
で、図14に示した様な隙間184は発生せず、問題と
ならない。また、両端での縦スキャンエリアも差を生じ
ないため、すきまが発生することもない。
【0064】次に、好ましい縦入射角φvについて説明
する。縦入射角φvとLD発光周波数、あるいは出射光
学系長さL(図6(a)参照)との関係を図17に示
す。図17のLD最大発光周波数とは、モータ回転数6
00rpm、左右方向の測定エリアを±10゜出射光の
間隔を0.2゜ステップで出射した時のLDの最大発光
周波数である。これは前述したように、φvが大きくな
る程、小さくなる。また、出射光学系長さとは、図6
(a)におけるLで示した半導体レーザダイオード21
の位置S1からミラー24の位置S2までの長さであ
り、条件としては、ポリゴンミラー31の外周部がS1
を越えないこと、半導体レーザダイオード21とポリゴ
ンミラー31の距離が一定なこととし、この条件を満た
す最小の水平方向の距離をLとした。
【0065】ここで、図3で説明した様に、縦入射角φ
v=αを小さくしていくと、半導体レーザダイオードと
ポリゴンミラーとの距離は一定なので、出射光をポリゴ
ンミラーに入射するためには、ミラーを右側に移動させ
なければならず、Lは大きくなり、φvを大きくする
と、出射光をほぼ水平方向に出射するためにはポリゴン
ミラーの倒れ角を大きくしなければならない。ここで、
出射光の反射する面積を確保するため、ミラー面の幅B
(図6(b)参照)を変えずに、倒れ角を大きくする
と、外径は大きくなり、Lも大きくなる。
【0066】よって、このグラフより、縦入射角はLD
最大発光周波数と装置のサイズを考慮すると、好ましく
は、φv=25゜〜70゜、さらに好ましくはφv=3
5゜〜60゜がよいことがわかる。以上、実施の形態1
によれば、測定エリアは左右対称となり、すきまを発生
させず、回路にも負担をかけない小型な反射測定装置を
提供することができる。
【0067】[実施の形態2]次に、本発明を車間距離
制御装置に適用した実施の形態を説明する。この車間距
離制御装置は、図18に示す様に、演算部200を中心
に構成され、レーザレーダ210、スロットル開度セン
サ231、ピッチ角センサ232、車速センサ233に
よる検出信号を入力し、ブレーキ駆動器241、スロッ
トル駆動器242、自動変速機駆動器243及び表示器
244を駆動制御して車間距離制御を実行するように構
成されている。
【0068】レーザレーダ210は、レーザダイオード
(LD)211、レーザダイオード駆動部(LD駆動
部)212、コリメートレンズ213、ミラー214、
ポリゴンミラー215、ポリゴンスキャナモータ21
6、モータ駆動部217、受光レンズ218、フォトダ
イオード219及び受光回路220を備える。
【0069】ミラー214は、ポリゴンミラー215の
真正面上方に配置され、実施の形態1で示したのと同じ
く3次元直交座標系を考えたとき、φh=0゜、φv>
0゜でポリゴンミラー215に対してパルス光を入射す
るように設置されている。LD駆動部212及びモータ
駆動部217は、演算部200によって駆動制御され、
受光回路220の検出信号が、演算部200へ入力され
るように構成されている。なお、受光回路220の検出
信号は、時間計測回路221を経由して演算部200へ
検出信号を入力するようにもなっている。時間計測回路
221は、演算部200から入力されるLD211の発
光時刻と受光回路220における受光時刻とから赤外光
が前方の車両のリフレクタ等に当たって反射して来るま
でに要する時間を計測するように構成されている。
【0070】演算部200は、図19に示す様に、ま
ず、LD駆動部212を駆動してLD211を発光させ
る(S10)。そして、受光回路220からの受光信号
を入力し(S20)、距離演算を実行する(S30)。
距離は、受光時刻=t1[sec]、発光時刻=t2
[sec]、光速=c[m/sec]、距離=L[m]
とすると、L=(t1−t2)c/2として簡単に計算
できる。S30は、受光信号が入力されない場合は実行
されない。S30における演算結果は、演算部200の
RAMに距離データとして記憶される。
【0071】このS10〜S30の処理は、測定エリア
の1ライン分のスキャニングが終了するまで繰り返され
る(S40)。そして、1ライン分のスキャニングが終
了したら、S30による距離演算により距離データが算
出されているか否かを確認する(S50)。
【0072】距離データが存在しなければ、そのままS
10へ戻るが、距離データが存在する場合には、距離に
応じて前方に発見された物体のグループ化を行う(S6
0)。このグループ化は、例えば、発見された物体が測
定エリアのどの位置にどれだけの距離離れているのかと
いった観点で実施したり、あるいは、前回の検出結果と
照らし合わせて前方の物体が移動していると判断できる
か否かでグループ化をしたりする。
【0073】次に、このグループ化の結果を踏まえて、
前方に発見された物体が路側の道路標識等か車両なのか
を判定する(S70)。このS70では、例えば、ピッ
チ角センサ232により上り勾配が検出されていない場
合に上方の近距離に物体が検知されているのであれば、
歩道橋や道路標識などといった車両以外の物体であると
判定することができる。しかし、同じく上り勾配が検出
されていない場合であっても上方遠距離ならば、直ちに
標識等とは判定せず、さらに、対象物が移動しているか
否かを考慮して車両か否かを判定する。
【0074】そして、これらS10〜S70の処理を測
定エリアの全範囲のスキャニングが終るまで繰り返し
(S80,S90)、前方に車両が検出されている場合
には、当該車両との車間距離に応じて、表示器244に
よる警報動作や、ブレーキ駆動器241、スロットル駆
動器242及び自動変速機駆動器243を制御して車速
をコントロールする動作を実行する(S100)。
【0075】以上の処理の内、S10〜S40は、図1
2のタイムチャートでいうとT3の時間内、即ちパルス
光の発光間隔内で実行される。そして、S10〜S80
は、同じく図12のタイムチャートでいうとT2の時間
内で実行され、S10〜S100の全体が、T1の時間
内で実行されるように構成されている。T3が十分に長
くなれば、演算時間が十分に確保されることは実施の形
態1で説明した通りである。そして、T3を長くするに
は、図17に示した関係からφvを決定すればよい。
【0076】この車間距離制御装置によれば、実施の形
態1と同様にポリゴンミラー215へパルス光を入射さ
せるように構成したので、測定エリア内で走査ライン間
に隙間が空かず、前方車両の検出漏れを生じない。以
上、本発明の反射測定装置につき、いくつかの実施の形
態を説明したが、本発明はこれらに限らず種々の形態で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作用を説明するための斜視図であ
る。
【図2】 本発明の作用を説明するための平面図であ
る。
【図3】 本発明の作用を説明するための側面図であ
る。
【図4】 実施の形態1の反射測定装置の構成を示す平
面図である。
【図5】 実施の形態1の走査パターンを示す斜視図で
ある。
【図6】 実施の形態1による反射測定装置の光線反射
部を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図7】 実施の形態1における発光回路の回路構成図
である。
【図8】 実施の形態1の作用を示すための斜視図であ
る。
【図9】 実施の形態1の作用を示すための説明図であ
る。
【図10】 実施の形態1の作用を示すための斜視図で
ある。
【図11】 実施の形態1の作用を示すための平面図で
ある。
【図12】 実施の形態1の作用を示すためのタイミン
グチャートである。
【図13】 比較例としての反射測定装置の平面図であ
る。
【図14】 比較例の作用を示すための斜視図である。
【図15】 実施の形態1における横入射角φhと縦歪
み率εyの関係を示すグラフである。
【図16】 実施の形態1の作用を示すための斜視図で
ある。
【図17】 実施の形態1における縦入射角φvと、レ
ーザダイオード最大発光周波数及び出射光学系長さの関
係を示すグラフである。
【図18】 実施の形態2の車間距離制御装置の構成を
示す概略構成図である。
【図19】 実施の形態2の車間距離制御の内容を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1・・・反射測定装置、10・・・ハウジング、20・
・・光線出射部、21・・・半導体レーザダイオード、
22・・・回路基板、23・・・コリメートレンズ、2
4・・・ミラー、30・・・光線反射部、31・・・ポ
リゴンミラー、32・・・ポリゴンスキャナモータ、3
3・・・回路基板、50・・・受光レンズ、60・・・
受光素子、70・・・演算回路基板、81・・・測定エ
リア、82・・・出射ビームパターン、83・・・最適
測定エリア、91・・・電源、92・・・レーザダイオ
ード、93・・・コンデンサ、94・・・スイッチング
素子、101・・・出射光、102・・・入射光、10
3・・・ミラー法線、121・・・半導体レーザダイオ
ード、131・・・ポリゴンミラー、181・・・測定
エリア、183・・・最適測定エリア、184・・・隙
間、200・・・演算部、210・・・レーザレーダ、
211・・・レーザダイオード(LD)、212・・・
レーザダイオード駆動部(LD駆動部)、213・・・
コリメートレンズ、214・・・ミラー、215・・・
ポリゴンミラー、216・・・ポリゴンスキャナモー
タ、217・・・モータ駆動部、218・・・受光レン
ズ、219・・・フォトダイオード、220・・・受光
回路、221・・・時間計測回路、231・・・スロッ
トル開度センサ、232・・・ピッチ角センサ、233
・・・車速センサ、241・・・ブレーキ駆動器、24
2・・・スロットル駆動器、243・・・自動変速機駆
動器、244・・・表示器、AR・・・測定エリア、L
IN・・・パルス光、M1・・・ポリゴンミラー、M2・
・・光源、M3・・・ミラー、φh・・・横入射角、φ
r・・・ミラー回転角、φt・・・ミラー倒れ角、φv
・・・縦入射角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01S 17/93 G02B 5/08 G02B 5/08 26/10 102 26/10 102 G01S 17/88 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に対する倒れ角が異なる複数の反
    射面を外周部に備えた回転多面鏡と、 パルス光を発生させる光源を有し、該パルス光を前記回
    転多面鏡に所定方向から入射させるパルス光入射手段
    と、 前記回転多面鏡の反射面から前方の測定エリアに向けて
    出射され、測定エリア内の物体で反射されて戻って来る
    パルス光を受光する受光手段とを備える反射測定装置に
    おいて、 前記回転軸と平行なY軸と前記回転多面鏡から測定エリ
    アの中心に向かって伸びるZ軸とにより定義される3次
    元直交座標系を考えたとき、前記パルス光入射手段は、
    前記回転多面鏡の反射面に対して前方から、XZ平面に
    対して傾いたパルス光を入射させるように構成されてい
    ることを特徴とする反射測定装置。
  2. 【請求項2】 前記回転多面鏡に入射されるパルス光
    は、前記3次元座標系のYZ平面に対する傾き角が±4
    8゜の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の反
    射測定装置。
  3. 【請求項3】 前記回転多面鏡に入射されるパルス光
    は、前記3次元座標系のYZ平面に対する傾き角が±3
    5゜の範囲内にあることを特徴とする請求項2記載の反
    射測定装置。
  4. 【請求項4】 前記回転多面鏡に入射されるパルス光
    は、前記3次元座標系のYZ平面に対する傾き角がX方
    向の走査角度範囲内にあることを特徴とする請求項3記
    載の反射測定装置。
  5. 【請求項5】 前記回転多面鏡に入射されるパルス光
    は、前記3次元座標系のXZ平面に対する傾きが25゜
    〜70゜又は−25゜〜−70゜の範囲内にあることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の反射測定装
    置。
  6. 【請求項6】 前記回転多面鏡に入射されるパルス光
    は、前記3次元座標系のXZ平面に対する傾きが35゜
    〜60゜又は−35゜〜−60゜の範囲内にあることを
    特徴とする請求項5記載の反射測定装置。
  7. 【請求項7】 前記パルス光入射手段は、前記光源から
    の出射光を絞って前記回転多面鏡に入射させる絞り手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載
    の反射測定装置。
  8. 【請求項8】 前記パルス光入射手段は、前記回転多面
    鏡の前方に配置され、後方の光源から来るパルス光を折
    り返して前記回転多面鏡に入射させる折返し用ミラーを
    備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の
    反射測定装置。
  9. 【請求項9】 前記受光手段による受光時刻と前記光源
    の発光時刻との関係から測定エリア内の物体までの距離
    を演算する演算手段を備え、該演算手段は、前記光源の
    発光間隔の時間内で前記演算を実行する手段として構成
    されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記
    載の反射測定装置。
  10. 【請求項10】 回転軸に対する倒れ角が異なる複数の
    反射面を外周部に備えた回転多面鏡と、 前記回転多面鏡の前方上部に配置され、後方の光源が発
    生したパルス光を前記回転多面鏡に向かって斜め下方に
    反射するミラーと、 前記回転多面鏡の反射面から前方の測定エリアに向けて
    出射され、測定エリア内の物体で反射されて戻って来る
    パルス光を受光する受光素子とを備えてなる反射測定装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか記載の反射
    測定装置と、 該反射測定装置により測定される前方の物体が他の車両
    であるか否かを判定する判定手段と、 該判定手段により前方の物体が車両であると検出された
    場合に、減速制御手段及び加速制御手段を制御して車間
    距離制御を行う車間距離制御手段とを備える車間距離制
    御装置。
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