JP3772700B2 - 障害物検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波などの送信波を放射し、物標に当たって戻る反射波を受信して物標までの距離および方向を求めるレーダ装置を用いて、障害物の有無を検出する障害物検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーダ装置を用いた車両用の障害物検出装置として、特開平8−62333号公報に開示されたものがある。
この装置は、レーザレーダによって自車両の前方を走行する先行車の検出と、隣接車線からの割り込み車検出を行うことを狙いとして、スキャン方式とトラッキング方式を組み合わせたものである。
【0003】
すなわち、割り込み車を早期に発見しようとするためには、自車両前方の水平方向に広くレーザ光を照射し、広い角度エリアの障害物を検出するスキャン方式が好ましいが、しかしながら、スキャン方式ではデータ処理が膨大となり、また実際には同一でない物標を同一であると誤認識してしまうおそれもある。そこで、自車両前方の1つの物標に追従させてレーザ光を照射するトラッキング方式は処理すべきデータ量が大幅に低減可能であるため、先行車の有無に応じて、スキャン方式とトラッキング方式とを切り替えようとするものである。
例えば、切り替え態様として、先行車が存在しない場合はスキャン方式で割り込み車などの障害物を早期に発見するようにし、先行車が存在する場合はトラッキング方式に移行する、また、先行車を検出しなくなったら再びスキャン方式へ移行するなどが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例では、先行車が存在している場合はトラッキング方式を選択するため、信号処理は簡略化されるけれども割り込み車の検出は困難となり、割り込み車の早期検出との両立は難しい。
一方、先行車の存在によりトラッキング方式を選択している場合、所定の時間間隔でスキャン方式を挿入したとしても、割り込み車の発見はこの所定の時間間隔に対応して遅れることになる。
【0005】
とくに先行車が存在する状態での割り込みは、自車両と先行車との間隔が例えば20m以下など短い状況の中で行なわれることが多いから、自車両のドライバにはこの直近の割り込み車に対する回避操作を行う時間的余裕が少なくなる。なお、先行車までの距離が100mなどのように長い場合には、自車両の直近へ割り込まれる例は少なく、先行車との間への割り込みに対して回避操作を行う十分な時間的余裕がある。
すなわち、上記の装置では、先行車との間隔が短かく最も早期に割り込み車を検出しなければならないときに、割り込み車検出が遅れ、回避操作を行う時間を確保することが困難となる。
【0006】
つぎに、直近の割り込み車を早期に検出するためには、割り込み車の側面ボディを確実に検出する必要があるが、レーザ光の光軸と割り込み車のボディ側面とのなす角度が平行に近いことから、自車両より照射されたレーザ光のほとんどは前方へ反射され、自車両の方向へ戻ってくるレーザ光のエネルギーはごくわずかであるため、極めて検出が困難である。
この問題を解決するには、レーザ光の照射エネルギーを増大させることが必要であるが、単純に全照射範囲のレーザ光の発光回数や発光パワーを増大することは、レーザダイオードの寿命を短縮することになり現実的でない。
【0007】
したがって本発明は、上記の問題点に鑑み、送信波発信源の寿命を低下させることなく、先行車および割り込み車をそれぞれ確実に検出できるようにしたレーダ装置を用いた障害物検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の本発明は、送信波を生成する送信波生成手段と、送信波を自車両周囲の所定範囲に放射する走査手段と、送信波が物標に当たって反射する反射波を受信する受信手段とを備えて、送信波の走査位置および送信波放射から反射波受信までの時間に基づいて、物標までの距離および方向を検出するレーダ装置を有し、自車両周囲の障害物を検出する障害物検出装置において、自車両前方の先行車の有無を判別する先行車判別部と、走査手段により上記所定範囲全体を走査する中で、先行車判別部が先行車があると判別したときに、所定範囲のうちの特定領域への送信波の放射密度を当該特定領域以外の領域への送信波の放射密度に対して増大させ、先行車がないと判別したときには、特定領域への放射密度の増大を行わない放射密度増大手段とを有し、特定領域が自車両の車線への割り込み車両を捕捉する領域であるものとした。
【0009】
放射密度増大手段は、請求項2のように、送信波の走査位置が特定領域にあるとき送信波生成手段における送信波の生成周期を短くするものとすることができる。
【0010】
請求項3の発明は、特定領域に先行車を捕捉するための自車両正面方向の一定領域を含むものとした。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明では、レーダ装置を備える障害物検出装置において、とくに先行車判別部で先行車があると判別したときに、送信波を放射する所定範囲のうちの自車両の車線への割り込み車両を捕捉する特定領域への送信波の放射密度を当該特定領域以外の領域への送信波の放射密度に対して増大させる放射密度増大手段を有するものとしたので、先行車の挙動に注意を払わなければならない状況にありながら、送信波の多くが前方へ反射されるような割り込み車両のボディ側面でも特定領域に入れば送信波の増大された放射密度により、確実に反射波を受信し検出することができる。
【0012】
請求項2のように、送信波の走査位置が特定領域にあるとき送信波の生成周期を短くして放射密度を増大させることにより、他の領域では放射密度を低く維持できるので、送信波生成手段にかかる負荷は全体として低く、寿命が長く保持できる。
【0013】
請求項3の発明は、特定領域に先行車を捕捉するための領域も含むので、先行車の挙動を確実に把握でき、例えば他の特定領域によって先行車との間に割り込む車両も早期に検出されるのと相俟って、走行環境への適切な対応が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例により詳細に説明する。
図1は第1の実施例の構成を示すブロック図である。
制御回路1に照射密度増強部2を介してレーザダイオード駆動回路3が接続され、レーザダイオード駆動回路3は送信波としてのレーザ光を発生するレーザダイオード4を駆動する。制御回路1にはまた受光回路7が接続され、受光回路7には反射光を受光するフォトディテクタ8が接続されている。
レーザダイオード駆動回路3とレーザダイオード4とで、発明の送信波生成手段を構成し、フォトディテクタ8と受光回路7とで受信手段を構成している。
【0015】
レーザダイオード4には制御回路1により制御される2次元スキャナ5が付設され、2次元スキャナ5の水平および垂直方向の走査位置を検出する走査位置検出回路6が制御回路1に接続されている。
レーザダイオード駆動回路3は、制御回路1から所定のタイミングで発光指令を受け、そのタイミングでレーザダイオード4からレーザ光を発光させる。レーザ光は2次元スキャナ5と平面ミラー10で反射されて車両前方へ照射される。
【0016】
2次元スキャナ5は、制御回路1から制御指令を受けて、レーザダイオード4から出力されるレーザ光を走査する。この走査によりレーザ光は制御された照射方向へ平面ミラー10で反射され送出される。
本実施例では、2次元スキャナ5と平面ミラー10とで発明の走査手段を構成している。
【0017】
レーザ光の送出部としての少なくともレーザダイオード4、2次元スキャナ5および平面ミラー10と受光部としてのフォトディテクタ8とからなるレーザヘッド11は、車両(自車両)の前部に設置されている。
フォトディテクタ8は、物標からの反射光を受光し、その検出信号を受光回路7に出力する。
受光回路7は、フォトディテクタ8からの検出信号の信号強度を所定の基準値と比較し、パルス波形に整形の後、制御回路1へ出力する。
【0018】
制御回路1は、レーザダイオード4の照射からフォトディテクタ8による受光までの時間(レーザ光が物標に到達し、反射して戻るまでの伝播遅延時間)から、自車両と物標までの距離を演算するとともに、走査位置検出回路6で検出した2次元スキャナ5の走査位置情報をもとに、物標の存在する方向を検出する。また、自車両と物標までの距離の時間的変化に基づいて相対速度も演算することができる。
【0019】
レーザダイオード駆動回路3、レーザダイオード4、2次元スキャナ5、平面ミラー10、フォトディテクタ8、受光回路7、走査位置検出回路6、そしてレーザ光の走査位置およびレーザ光の照射から反射光受光までの時間に基づいて物標までの距離および方向を検出する制御回路1の機能部分が、レーダ装置の基本を形成している。
制御回路1はさらに、走査位置情報をもとに照射密度増強部2へ指令を送り、レーザ光の照射方向が所定の角度位置になるときにレーザ光の照射密度を増強させる。
【0020】
図2は、2次元スキャナ5の構成を示す平面図である。
2次元スキャナ5は、シリコンウェハを素材として、マイクロマシニング加工によりスリット54を貫通させて形成した片持ち梁部51を、その周囲を囲む固定部53に対して支持片部52で支持して形成されている。片持ち梁部51の表面にはアルミの蒸着によりミラー部55が形成されているとともに、片持ち梁部51の裏面には高磁歪率の不図示の磁歪素子が薄膜状に形成されている。
磁歪素子に図中矢印Aの方向に交番磁界を印加することにより、片持ち梁部51は支持片部52を基点として、曲げ振動および捩り振動を行う。ここでは曲げ振動の共振周波数が200Hz、そのときの変位角が10°に、捩り振動の共振周波数が2KHz、変位角が5°になるように設定されている。
【0021】
支持片部52には走査位置検出回路6を構成するピェゾ抵抗素子56が設けられており、片持ち梁部51の曲げ振動および捩り振動の周波数および振動の振幅を検出して、走査位置を検出するようになっている。
【0022】
つぎに、レーザ光の照射方向と照射密度の制御について説明する。
2次元スキャナ5は、前述の片持ち梁部51の共振周波数および変位角にしたがって、左右方向の振れ角を周波数200Hzで10°、垂直方向の振れ角を周波数2KHzで5°に設定してある。これにより、ドライバが自車両の前方に向かって見たときの、平面ミラー10を経たレーザ光の照射方向が、図3の(a)に示すように、左右方向に20°、垂直方向10°に広がるリサージュ波形状のラインL上にそってA方向に走査することになる。
水平方向の走査の1周期は5msec(=1/200)である。
【0023】
ここで、レーザダイオード4が全照射方向にわたって1μsec毎に発光を行った場合は、2次元スキャナ5の水平方向の走査1周期が5msecであるから、走査1周期で5000個のレーザ光が送出される。この結果、距離情報の1回の測定時間を50msecとすれば、1回あたりのレーザ光は50000個となり、同数の2次元の距離情報が得られることとなる。ラインL上のドットhは各発光による照射点を模式的に示している。
これらの1回の測距で照射される50000個のレーザ光のうち、図3の(b)に示すような自車両100前方への隣接車線からの割り込み車両102のボディ側面部に照射されるレーザ光は、2次元スキャナ5の1周期あたりの発光回数の5%程度で、2500個となる。
【0024】
これに対して、本実施例の照射パターンPでは、ドライバが自車両の前方に向かって見たときの、平面ミラー10を経たレーザ光の照射方向が、図4の(a)に示すように、リサージュ波形状のラインL上の左右両端部に、特定領域として、自車両の前方右側からの割り込み車を捕捉する領域31aと、自車両の前方左側からの割り込み車を捕捉する領域31bとを設定し、これらの領域31a、31bの水平方向の角度を2°としてある。自車両の上方から見た(b)に示すように、領域31a、31bへ照射されるレーザ光をそれぞれビームB1a、ビームB1bとする。
【0025】
照射密度増強部2は、レーザダイオード駆動回路3への制御指令として、ビームB1a、すなわち領域31aに向かうレーザ光の発光間隔を0.1μsecに設定し、また、ビームB1b、すなわち領域31bに向かうレーザ光の発光間隔も0.1μsecに設定する。そして、領域31aと領域31bに挟まれるその他の中間領域へ向かうレーザ光の発光間隔は1μsecに設定する。
【0026】
これにより、図4の(b)に示す自車両から前方、左右に20°の照射領域のうち、割り込み車両102のボディ側面部に照射される両端の斜線で示した各2°の領域31a、31bでのレーザ光の発光回数は、他の中間領域の10倍となる。したがって、レーザ光の密度が高くなることにより、フォトディテクタ8での反射光の受光量が増大するので、割り込み車両102が容易に検出される。
本実施例において、照射密度増強部2は発明の放射密度増大手段を構成している。
一方、自車両100の正面にある先行車101はその後面からのレーザ光の反射強度が大きいので、発光間隔1μsecの照射密度で十分に検出される。
【0027】
なお、車体幅の中心軸上前端からレーザ光を送受する自車両100が車線幅3.5mの車線S1の中央を走行しているとすると、車線境界線kは車体中心軸から+−1.75mにあり、自車両100の前方10mにおける車線境界線kとのなす角度は、アークタンジェント(1.75/10)=9.9°となる。
すなわち、照射方向の傾きを10°としたビームB1aおよびビームB1bは、自車両100の前方10mの位置における割り込み車102を早期かつ確実に検出するのに最も効率が良い設定となっている。これらの数値は一例であって、道路の車線幅、一般道路か高速道路かによる走行速度の相違、あるいは自車両前方の検出距離などによって、ビーム照射方向の傾きは適宜設定することができる。
【0028】
本実施例は以上のように構成され、前方、左右にわたる水平方向の照射領域のうち、自車両直近へ割り込んでくる車両のボディ側面部がまず照射される両端の限定された狭い領域において、レーザ光の発光間隔を短くして照射密度を集中させるものとしたので、割り込み車を確実に検出できる。
そして、反射強度が強いために照射密度が低くても検出が可能な先行車101が検出対象となるその他の中間領域ではレーザ光の照射密度を低くしたので、レーザ光を発光するレーザダイオード4の全体としての負荷は低く保持され、レーザダイオード4の長寿命が確保される。
【0029】
つぎに第2の実施例について説明する。
図5は第2の実施例の構成を示す。本実施例は図1の第1の実施例の構成に対し先行車判別部13と照射密度切り替え部14が追加されたもので、走行環境によって照射パターンを変化させる。
先行車判別部13は、制御回路1Aに接続され、自車両から物標までの距離、相対速度、物標の存在する方向を取得し、図示しない車両制御装置から入力する舵角信号および車速信号に基づいて、自車両が走行している車線領域を特定したうえ、自車両の車線内に先行車が存在するか否かを判別する。
【0030】
先行車判別部13は、先行車存否の判別結果を制御回路1Aへ出力する。
照射密度切り替え部14は、照射密度増強部2と制御回路1Aの間に設けられている。
制御回路1Aは、先行車判別部13から先行車有りの判別結果を受けると、照射密度切り替え部14へ指令を発して、制御回路1Aからの発光指令を照射密度増強部2を通してレーザダイオード駆動回路3へ入力させる。そして、2次元スキャナ5からの走査位置情報をもとに照射密度増強部2へ指令を送り、レーザ光の照射方向が所定の角度位置になるときにレーザ光の照射密度を増強させる。
【0031】
また、先行車判別部13から先行車なしの判別結果を受けると、制御回路1Aは、照射密度切り替え部14へ指令を発して、制御回路1Aからの発光指令を照射密度増強部2を通さずそのままレーザダイオード駆動回路3へ入力させる。
その他の構成は第1の実施例と同じである。
レーザダイオード駆動回路3、レーザダイオード4、2次元スキャナ5、平面ミラー10、フォトディテクタ8、受光回路7、走査位置検出回路6、そして制御回路1Aが、レーダ装置の基本を形成している。
【0032】
図6、図7は先行車判別部13における処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、制御回路1Aは、第1の実施例におけると同様に、レーザダイオード4、フォトディテクタ8によるレーザ光の送出、受光および2次元スキャナ5の走査に基づいて、自車両前方にある物標の距離および方向、ならびに相対速度を逐次演算しているものとする。2次元スキャナ5によるレーザ光の走査角度は、前実施例と同じく、左右方向に200Hzで20°、垂直方向に2KHzで10°である。レーザダイオード4は1μsecを基本発光間隔とする。1回の測定時間を50msecとして、1回あたり50000個の距離情報が得られる。
まずステップ10において、先行車判別部13は、制御回路1Aから上記1回あたり50000個の2次元の距離情報を読み込む。
【0033】
ステップ20では、先行車判別部13が、この50000個の距離情報について、走査領域を水平方向に200領域、垂直方向に50領域に分割した各セグメントごとに平均処理を行って、セグメント値S1(n)〜S10000(n)を求める。なお、nは距離情報取得の回数である。
ステップ30では、それぞれのセグメント値S1(n)〜S10000(n)と前回取得した各セグメント値S1(n−1)〜S10000(n−1)との差分により、相対速度Vt1(n)〜Vt10000(n)を算出する。
【0034】
ステップ40において、自車両の車速Vsと各セグメントの相対速Vt1(n)〜Vt10000(n)との差分の絶対値を算出し、絶対値が所定値α以上のセグメントの距離情報を変数A1(n)〜A10000(n)に選択して記憶する。
ここで変数A1(n)〜A10000(n)に選択して記憶選択されたセグメントは、停止物でなく、地面に対して移動していることになる。
【0035】
ステップ50では、変数A1(n)〜A10000(n)の各セグメントの記憶値(距離)を前回の対応するA1(n−1)〜A10000(n−1)の記憶値と比較し、各セグメント間が隣接していて、かつ記憶値である距離の変化が1m以下のセグメントを抽出する。抽出されたセグメントは、自車両の車速に近い速度で移動している物標に属するものと判断される。
ここではさらに、自車両が走行している車線領域を、例えば3.5mの車線幅を有するものとして舵角信号に基づいて特定する。そして、自車両の車線内に存在するセグメントを変数B1〜Bkにグルーピングして記憶し、先行車候補とする。
【0036】
ステップ60では、現在の照射パターンが先行車なしの場合の照射パターンPAか、先行車有りの場合の照射パターンPBかをチェックして、照射パターンPAの場合はステップ70に進み、照射パターンPBの場合はステップ80に進む。
ステップ70では、B1〜Bkのセグメントの水平方向の幅を算出し、3m以下であるセグメントを変数C1〜Csにグルーピングして記憶する。車両の幅は最大でも3m以下であることに着目したもので、これにより、車両以外の道路構造物などが対象から除外される。
ステップ80では、C1〜Csの各セグメントのうち距離の最小な物標を先行車とし、その当該距離をD(先行車)として記憶する。
【0037】
次のステップ90において、上に記憶された先行車距離Dが20m以下であるかどうかをチェックする。
先行車までの距離が20m以下である場合は、ステップ100に進んで、先行車有りの判別結果を制御回路1Aへ出力する。
これにより、制御回路1Aは照射パターンを先行車有りの場合の照射パターンPBに決定し、照射密度切り替え部14の切り替え位置を発光指令の照射密度増強部2への入力側とする。
【0038】
先行車までの距離が20mより大きい場合は、ステップ110に進んで、先行車判別部13は先行車なしの判別結果を制御回路1Aへ出力する。
これにより、制御回路1Aは照射パターンを先行車なしの場合の照射パターンPAに決定し、照射密度切り替え部14の切り替え位置を発光指令のレーザダイオード駆動回路入力側とする。
ステップ100、110のあとステップ10へ戻り上記のフローが繰り返される。
本実施例においては、制御回路1Aにより切り替えられる照射密度切り替え部14と、照射密度増強部2とで、発明の放射密度増大手段が構成されている。
【0039】
図8は、先行車までの距離が20mより大きいときの、先行車なしの場合の照射パターンPAを示す。(a)は自車両の前方に向かって見たときの図、(b)は自車両上方から見た図である。
この照射パターンPAは図3に示したものと同一であり、レーザダイオード4を全照射方向にわたって基本発光間隔である1μsec毎に発光させ、平面ミラーを経て自車両の前方へ照射されるレーザ光の照射方向は、2次元スキャナ5により、自車両の前方に向かって見たときにリサージュ波形状のラインL上にそって走査される。照射領域は第1の実施例と同じく水平方向に20°、垂直方向に10°である。
【0040】
この場合には、第1の実施例で説明したように、割り込み車両102のボディ側面部が照射領域に入ったとしても、当該ボディ側面部の角度と自車両101の進行方向とのなす角度が平行に近いため、自車両方向へ戻ってくる反射光はごくわずかで、割り込み車両102を検出することは困難である。しかし、図8の(b)に示すように、割り込み車両102の後部が照射領域に入れば、レーザ光の発光間隔が1μsecでも自車両100の車線上の先行車と同様に確実に検出される。
【0041】
この先行車なしの場合の照射パターンPAが適用されるのは、実際に先行車がいない場合、あるいは先行車があっても距離が20mより大きい場合であるから、割り込み車両102が自車両100の直近に割り込んでくることはなく、したがって割り込み車両102の後部が照射領域に入るまで当該割り込み車両の検出が遅れても、余裕をもって回避操作を行うことができる。
【0042】
図9は、先行車までの距離が20m以下のときの、先行車有りの場合の照射パターンPBを示す。
図9の(a)に示すように、リサージュ波形状のラインL上の左右両端部に、自車両の前方右側からの割り込み車を捕捉する領域31aと、自車両の前方左側からの割り込み車を捕捉する領域31bとを設定し、さらにラインL上の先行車方向である中央部にも先行車を捕捉する領域30を設定する。特定領域としての領域31a、31bおよび30の水平方向の角度はそれぞれ2°ずつとしてある。
(b)に示すように、これらの各領域に照射されるレーザ光をそれぞれビームB1a、ビームB1b、ビームB0とする。
【0043】
ビームB1a、B1bおよびB0、すなわち領域31a、31bおよび30に向かうレーザ光の発光間隔を0.1μsecに設定し、これらの領域間に挟まれるその他の中間領域へ向かうレーザ光は先行車なしの場合の照射パターンPAと同じく基本発光間隔の1μsecに設定される。
【0044】
これにより、先行車101までの距離が短かいために割り込み車両102が自車両100の直近に割り込んでくる場合でも、自車両100からの照射領域のうち両端の領域31a、31bでの発光回数は他の中間領域の10倍となってレーザ光の照射密度が高くなるので、図9の(b)に示すように、割り込み車両102のボディ側面部が領域31a(ビームB1a)または31b(ビームB1b)に入った時点で直ちに当該割り込み車両102が検出される。したがって、割り込み車両102が自車両101の直近に割り込んできても、回避操作を行う時間が確保される。
この間、先行車101方向にも照射密度の高いビームB0が照射されているので、先行車101の挙動も確実に検出される。
【0045】
本実施例は以上のように構成され、先行車判別部13により自車両の車線上に距離20m以下の先行車が存在するとどうかを判別し、このような近距離の先行車が存在しない場合には照射領域全体にわたって基本発光間隔でレーザ光を発光させ、近距離の先行車が存在する場合にのみ、水平方向の照射領域のうち、両端および中央の限定された狭い領域のレーザ光の発光間隔を基本発光間隔より短くしてその照射密度を集中させるものとしたので、先行車を捕捉維持しながら自車両直近へ割り込んでくる車両も早期に検出できる一方、その可能性が低い走行環境ではレーザ光の発光密度が低く保持され、第1の実施例に比較してより一層レーザダイオードの寿命を延ばすことができる。
【0046】
図10は第3の実施例を示す。この実施例は第2の実施例に対してレーザ光の照射密度増強を多面体ミラーを用いて行うようにしたものである。
制御回路1Bに先行車判別部13が接続され、2次元スキャナ5に対向する平面ミラー10の代わりに可変ミラー装置20が設けられている。
レーザダイオード4を駆動するレーザダイオード駆動回路3は直接に制御回路1Bに接続されている。
可変ミラー装置20は照射密度切り替え部14Bを介して制御回路1Bに接続されている。
【0047】
可変ミラー装置20は、ミラーベース21に平面ミラー23と多面体ミラー24とを支持しており、ステップモータ22によりミラーベース21が回動して平面ミラー23と多面体ミラー24が選択的に2次元スキャナ5に対向するようになっている。すなわち、先行車判別部13による判別結果が先行車なしの場合は平面ミラー23が2次元スキャナ5からのレーザ光を自車両前方へ反射し、先行車有りの場合は多面体ミラー24が2次元スキャナ5からのレーザ光を自車両前方へ反射する。
【0048】
図11の(a)は多面体ミラー24の正面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
ミラーベース21の2次元スキャナ5に選択的に対向する側壁に、照射領域の左右水平方向に対応させてミラーが隣接して設けられている。側壁の面Fに平行の中央のミラーM0に対してミラーM2aは時計方向に5°、ミラーM2bは−5°傾斜して3つのミラー全体として凸状をなしており、各ミラーM0、M2a、M2bの表面はレーザ光の反射面として鏡面となっている。
ミラーM0、M2a、M2bのそれぞれの幅はレーザ光の照射角度2°に相当する領域に対応して形成されており、全体で照射角度6°分に相当する。
【0049】
制御回路1Bは1μsecの基本発光間隔のタイミングで発光指令をレーザダイオード駆動回路3へ出力する。
制御回路1Bは、可変ミラー装置20の平面ミラー23を選択したときには、平面ミラーを介してレーザ光を照射したときの照射方向が第2の実施例における図7に示したと同一の、左右幅20°、垂直方向10°に広がるリサージュ波形状のラインLにそって走査するように2次元スキャナ5を制御する。図12の(a)は平面ミラー23へ照射されるレーザ光の軌跡を示す。
【0050】
また、可変ミラー装置20の多面体ミラー24を選択したときには、レーザ光の照射方向が水平方向6°、垂直方向10°に広がるリサージュ波形状のラインLBにそって走査するように2次元スキャナ5を制御する。図12の(b)は多面体ミラー24へ照射されるレーザ光の軌跡を示しており、リサージュ波形状のラインLBはミラーM0、M2a、M2b上に分割される。
2次元スキャナ5は、レーザ光照射の水平方向幅を20°から6°に切り替えても、水平方向および垂直方向の周波数200Hzおよび2KHzは変化しない。
【0051】
その他の構成は第2の実施例と同じである。
照射パターン決定の制御の流れも図6、図7のフローに準じ、ステップ100、110において照射密度切り替え部14Bの切り替え対象が可変ミラー装置20である点が相違するのみであるから、説明は省略する。
レーザダイオード駆動回路3、レーザダイオード4、2次元スキャナ5、可変ミラー装置20、フォトディテクタ8、受光回路7、走査位置検出回路6、そして制御回路1Bが、レーダ装置の基本を形成している。
【0052】
つぎに本実施例での照射パターンについて説明する。
先行車なしの場合の照射パターンは、先の図8に示したと同じ照射パターンPAである、平面ミラー23を介して、前述のように照射方向がリサージュ波形状のラインLにそって走査し、1μsecの基本発光間隔のタイミングで発光する。1回の測定時間を50msecとして、1回あたり50000個のレーザ光で距離情報が得られる。
【0053】
先行車有りの場合の照射パターンPCは多面体ミラー24を介して生成される。図13の(a)は、先行車有りの場合の照射パターンPCを自車両の前方に向かって見たときの図、(b)は自車両上方から見た図である。
先の図12の(b)に示したように、レーザダイオード4から送出されたレーザ光はミラーM2b、M0、M2aによって分割され、各ミラーの角度が異なることからそれぞれ互いに離間した方向に反射される。
【0054】
中央のミラーM0に対してその左右のミラーM2a、M2bは5°ずつ傾斜しているから、中央のミラーM0で反射したレーザ光に対して、左右のミラーM2b、M2aに入射するレーザ光はそれぞれ左右に10°の角度で反射される。この結果、図13の(a)に示すように、自車両前方に左右幅20°の検出領域ができ、特定領域として、その左右両端のそれぞれ幅2°の領域35b、35aと中央の2°の領域33とに照射領域が分割される。各領域に向かうビームのレーザ光は、前述のように1μsecごとに発光されるが、その照射領域が狭い範囲に限定されて集中するので、自車両100の進行方向とのなす角度が平行に近い反射面を有する物標でも確実に検出される。
【0055】
なお、これら各2°の領域33、35a、35bの間では軌跡が切断し、レーザ光の照射点はない。すなわち、図8の照射パターンPAで幅20°の全域に分散されていた1回あたり50000個のレーザ光は、特定領域である限定された3領域に集中することになる。それぞれの領域に向かう各ビームあたり3.3倍(=20°/6°)にその照射密度が増大される。これにより、割り込み車両102のボディ側面部に照射されるレーザ光は、先行車なしの場合の照射パターン
PAで幅20°の全域に分散されていた場合の2500個に対してその3.3倍の8250個となる。
【0056】
したがって、図13の(b)に示すように、前方右端の領域35aに向かうレーザ光が右側からの割り込み車を捕捉するビームB5a、左端の領域35bに向かうレーザ光が左側からの割り込み車を捕捉するビームB5b、そして、中央の領域33に向かうレーザ光が先行車を捕捉するビームB3となり、先行車101を捕捉維持しながら自車両100直近へ割り込んでくる割り込み車両102もそのボディ側面部が左端あるいは右端の領域に入った時点で早期に検出できる。
【0057】
本実施例は以上のように構成され、レーザ光の発光間隔を変えることなく、走行環境に応じて、多面体ミラー24を用いて先行車および割り込み車両を捕捉するための限定された領域にレーザ光を集中反射させるものとしたので、前実施例と同様に近距離の先行車が存在する場合に先行車を捕捉維持しながら自車両直近へ割り込んでくる車両も早期に検出できるという効果を有するとともに、先行車の有無にかかわらず、レーザ光の発光密度を増大させることがないので、前実施例よりもさらにレーザダイオードの寿命を延ばすことができる。
【0058】
図14は可変ミラー装置20の多面体ミラーの変形例を示す。(a)は多面体ミラーの正面図、(b)は(a)におけるB−B断面図である。
多面体ミラー25は、ミラーベース21の2次元スキャナ5に対向する側壁に、照射領域の左右水平方向に対応させてミラーM0、M1a、M1b、M2a、M2bが隣接して設けられている。(b)に示すように、側壁の面Fに平行の中央のミラーM0に対してミラーM2aは時計方向に5°、ミラーM1aは2.5°、ミラーM1bは−2.5°、ミラーM2bは−5°傾斜して、5つのミラー全体として凸状をなしており、各ミラーの表面はレーザ光の反射面として鏡面となっている。
ミラーM0、M1a、M1b、M2a、M2bのそれぞれの幅はレーザ光の照射角度2°に相当する領域に対応して形成されており、全体で照射角度10°分に相当する。
【0059】
多面体ミラー25を選択したときには、2次元スキャナ5は、レーザ光の多面体ミラー25への照射方向が水平方向10°、垂直方向10°に広がるリサージュ波形状のラインLCにそって走査するように制御される。図15は多面体ミラー25へ照射されるレーザ光の軌跡を示しており、リサージュ波形状のラインはミラーM2b、M1b、M0、M1a、M2a上に分割される。
2次元スキャナ5は、レーザ光照射の水平方向幅を20°から10°に切り替えても、水平方向および垂直方向の周波数200Hzおよび2KHzは変化しない。
【0060】
中央のミラーM0で反射されるレーザ光に対して、隣接のミラーM1a、M1bでは5°の角度で反射し、両端のミラーM2a、M2bでは10°の角度で反射する。これによる照射パターンPDは、中央のミラーM0の反射方向を自車両前方0°として、図16の(a)に示すように、自車両の前方に向かって見たとき、左右20°の範囲内で分断されたリサージュ波形状のラインが照射方向となる。
【0061】
すなわち、自車両上方から見た照射パターンPDは、図16の(b)のように、自車両100の前方0°方向に延びて先行車101を捕捉するためのビームB7、右10°方向に延びて右側からの割り込み車を捕捉するビームB9a、左10°方向に延びて左側からの割り込み車を捕捉するビームB9b、そして右5°方向に延びる中間のビームB8a、左5°方向に延びる中間のビームB8bからなる。
これら各ビームで照射される領域が特定領域となり、ここでは全部で5領域となっている。
【0062】
前述のとおり1回の測定の距離情報が50000個として、これが5つのビームの領域に分割集中するから、平面ミラー23が選択されたときと比較して、各ビームあたり、2倍(=20°/10°)に照射密度が増大される。これにより、割り込み車両102のボディ側面部に照射されるレーザ光は、先の先行車なしの場合の照射パターンPA(図8参照)で幅20°の全域に分散されていた場合の2500個に対してその2倍の5000個となる。
【0063】
したがって、ボディ側面部からの反射強度も大きくなり、図16の(b)に示すように、先行車101を捕捉維持しながら自車両100の直近へ割り込んでくる割り込み車両102はそのボディ側面部が左端あるいは右端のビームB9aあるいはB9bの領域に入った時点で早期に検出できる。さらにこの変形例では、照射密度の高い中間のビームB8a、B8bも生成されているので、前方20m程度の相対的に遠方の割り込み車両103もそのボディ側面が中間のビームB8aあるいはB8bに入ることにより直ちに検出することができる。
【0064】
つぎに、第4の実施例について説明する。これは、第3の実施例における可変ミラー装置の多面体ミラー24にさらに上述の変形例の多面体ミラー25を追加して、先行車の状態に応じて多面体ミラー24、25を切り替えるようにしたものである。
すなわち、図17は第4の実施例の構成を示す図で、可変ミラー装置20Dには、平面ミラー23と、多面体ミラー24(図11参照)と、多面体ミラー25(図14参照)とが設けられている。
制御回路1Dに接続された照射密度切り替え部14Dは、制御回路1Dからの指令に基づいて、可変ミラー装置20Dのステップモータ22を駆動し、いずれかのミラーを選択的に2次元スキャナ5に対向させる。
【0065】
2次元スキャナ5は、ミラーの選択に対応してミラーへのレーザ光の走査幅を切り替える。
すなわち、多面体ミラー24が選択されたときには、レーザ光の多面体ミラー24への照射方向が水平方向6°、垂直方向10°に広がるリサージュ波形状のラインにそって走査するように設定され、多面体ミラー25が選択されたときには、水平方向10°、垂直方向10°に広がるリサージュ波形状のラインにそって走査するように設定される。
【0066】
制御回路1Dに接続された先行車判別部13Dは、自車両から物標までの距離、相対速度、物標の存在する方向を取得し、図示しない車両制御装置から入力する舵角信号および車速信号に基づいて、自車両が走行している車線領域を特定したうえ、自車両の車線内に近距離の先行車有りか、遠距離の先行車有りかを判別する。
【0067】
制御回路1Dは先行車判別部13Dから近距離の先行車有りの判別結果を得たときは、照射密度切り替え部14Dに指令を発して多面体ミラー24を選択し、遠距離の先行車有りの判別結果を得たときは、多面体ミラー25を選択する。なお、先行車なしの場合は平面ミラー23を選択する。
その他の構成は第3の実施例と同じである。
レーザダイオード駆動回路3、レーザダイオード4、2次元スキャナ5、可変ミラー装置20D、フォトディテクタ8、受光回路7、走査位置検出回路6、そして制御回路1Dが、レーダ装置の基本を形成している。
【0068】
図18、図19は先行車判別部13Dにおける処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ110から180は第2の実施例における図6のフローのステップ10から80と同じである。
C1〜Csにグルーピングされた各セグメントのうち距離が最小である物標Dをステップ80で先行車として記憶したあと、ステップ190では、物標Dとして記憶された先行車までの距離が40m以上であるかどうかをチェックする。
【0069】
先行車までの距離が40m以上である場合は、ステップ200に進んで、先行車なしの判別結果を制御回路1Dへ出力する。
これにより、制御回路1Dは照射パターンを先行車なしの場合の照射パターンPA(図8参照)に決定し、照射密度切り替え部14Dにより、可変ミラー装置20Dの選択を平面ミラー23とする。
【0070】
先行車までの距離が40mより小さい場合は、ステップ210に進んで、物標Dとして記憶された先行車までの距離が20m以下であるかどうかをチェックする。
先行車までの距離が20m以下である場合は、ステップ220に進んで、近距離の先行車有りの判別結果を制御回路1Dへ出力する。
これにより、制御回路1Dは照射パターンを先行車有りの場合の照射パターンPC(図13参照)に決定し、照射密度切り替え部14Dにより、可変ミラー装置20Dの選択を多面体ミラー24とする。
【0071】
先行車までの距離が20mより大きいときは、ステップ230に進んで、遠距離の先行車有りの判別結果を制御回路1Dへ出力する。
これにより、制御回路1Dは、照射密度切り替え部14Dにより可変ミラー装置20Dの選択を多面体ミラー25とし、照射パターンPD(図16参照)を採用する。
【0072】
これにより、先行車なしの場合には、図20の(a)に示すように、照射パターンPAによりレーザ光が照射され、割り込み車両102の後部が照射領域に入った時点で当該割り込み車両が検出される。
先行車までの距離が20m以下である場合は、(b)のように、照射パターンPCにより、割り込み車両102が自車両100の直近に割り込んでくる場合でも、左右両端各10°方向の照射密度の高いビームB5a、B5bの領域に割り込み車両102のボディ側面部が入った時点で直ちに当該割り込み車両が検出されるので、回避操作を行う時間が確保される。
【0073】
そして、先行車までの距離が20mより大きく40mより小さい場合は、図20の(c)のように、照射パターンPDにより、ビームB9a、B9bで自車両100の直近に割り込んでくる割り込み車両102を検出するほか、左右各5°方向の照射密度の高いビームB8a、B8bの領域に割り込み車両103のボディ側面部が入ったときも直ちに当該割り込み車両が検出される。
【0074】
本実施例は以上のように構成され、平面ミラー23のほかに2種の多面体ミラー24、25を切り替え可能とし、近距離の先行車が存在する場合には多面体ミラー24で正面と左右のそれぞれ大角度方向の限定された領域にレーザ光を集中反射させ、遠距離の先行車が存在する場合には多面体ミラー25でさらに左右中間方向の限定された領域にもレーザ光を集中反射させるものとしたので、レーザ光の発光密度を増大することなく走行環境に応じて、自車両直近へ割り込んでくる車両、あるいはさらにそれより前方で割り込んでくる車両を早期に検出することができる。
【0075】
なお、各実施例では、2次元スキャナ5による走査の周波数を水平方向200Hz、垂直方向2KHzに設定し、照射領域を左右幅20°垂直10°に設定したが、実施例における数値は例示であって、道路幅や走行速度の環境その他に応じて適宜に設定することができる。
さらに、実施例では2次元スキャナを用いてレーザ光を水平および垂直方向に走査するものとしたが、割り込み車両の検出には水平方向の走査のみとして構造を簡単化することもできる。
【0076】
また、2次元スキャナの駆動方式として、実施例では片持ち梁部に設けた磁歪素子に磁場を印加するものとしたが、これに限定されず、圧電素子を用いたり、クーロン力を用いた方式など任意に選択できる。
さらに、実施例では先行車判別部や照射密度切り替え部を制御回路に対する外部機能としたが、これらは制御回路の内部機能としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】2次元スキャナの構成を示す平面図である。
【図3】均一照射時の照射パターンを示す図である。
【図4】実施例における照射パターンを示す図である。
【図5】第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】先行車判別部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】先行車判別部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】先行車なしの場合の照射パターンを示す図である。
【図9】先行車有りの場合の照射パターンを示す図である。
【図10】第3の実施例の構成を示すブロック図である。
【図11】多面体ミラーを示す図である。
【図12】平面ミラーおよび多面体ミラーへ照射されるレーザ光の軌跡を示す図である。
【図13】先行車有りの場合の照射パターンを示す図である。
【図14】多面体ミラーの変形例を示す図である。
【図15】変形例の多面体ミラーへ照射されるレーザ光の軌跡を示す図である。
【図16】変形例の多面体ミラーによる照射パターンを示す図である。
【図17】第4の実施例の構成を示すブロック図である。
【図18】先行車判別部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】先行車判別部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】照射パターンの切り替えによる割り込み車両の検出状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1D 制御回路
2 照射密度増強部
3 レーザダイオード駆動回路
4 レーザダイオード
5 2次元スキャナ
6 走査位置検出回路
7 受光回路
8 フォトディテクタ
10 平面ミラー
11 レーザヘッド
13、13D 先行車判別部
14、14B、14D 照射密度切り替え部
20、20D 可変ミラー装置
21 ミラーベース
22 ステップモータ
23 平面ミラー
24、25 多面体ミラー
30、31a、31b、33、35a、35b 領域
51 片持ち梁部
52 支持片部
53 固定部
54 スリット
55 ミラー部
56 ピェゾ抵抗素子
100 自車両
101 先行車
102、103 割り込み車両
B0、B1a、B1b、B3、B5a、B5b ビーム
B7、B8a、B8b、B9a、B9b ビーム
M0、M1a、M1b、M2a、M2b ミラー部
P、PA2、PB2、PA3、PB3、PC3 照射パターン
Claims (3)
- 送信波を生成する送信波生成手段と、送信波を自車両周囲の所定範囲に放射する走査手段と、送信波が物標に当たって反射する反射波を受信する受信手段とを備えて、送信波の走査位置および送信波放射から反射波受信までの時間に基づいて、物標までの距離および方向を検出するレーダ装置を有し、自車両周囲の障害物を検出する障害物検出装置において、
自車両前方の先行車の有無を判別する先行車判別部と、
前記走査手段により前記所定範囲全体を走査する中で、前記先行車判別部が先行車があると判別したときに、前記所定範囲のうちの特定領域への送信波の放射密度を当該特定領域以外の領域への送信波の放射密度に対して増大させ、先行車がないと判別したときには、前記特定領域への放射密度の増大を行わない放射密度増大手段とを有し、
前記特定領域が自車両の車線への割り込み車両を捕捉する領域であることを特徴とする障害物検出装置。 - 前記放射密度増大手段は、送信波の走査位置が前記特定領域にあるとき前記送信波生成手段における送信波の生成周期を短くするものであることを特徴とする請求項1記載の障害物検出装置。
- 前記特定領域が、さらに先行車を捕捉するための自車両正面方向の一定領域を含むことを特徴とする請求項1または2記載の障害物検出装置。
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