JP3614940B2 - 障害物検出装置及びスキャナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害物検出装置及びスキャナ装置に関し、例えば、衝突防止等のために車両に搭載され、前方にある障害物等をレーダーにより検出する障害物検出装置及びスキャナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両等に搭載され、前方にある障害物等をレーダーにより検出するようにした障害物検出装置として、例えば、スキャンビーム式レーダ装置が周知である。このスキャンビーム式レーダ装置20は、図10に示すように、光源21から照射された1次ビームR1が発光レンズ22を介して2次ビームとして集光されて揺動ミラー23に照射される。揺動ミラー23は、モータ24に回転軸25を介して接続されており、モータ24を駆動させることにより、回転軸25が矢視S1方向に回動し、揺動ミラー23は矢視S2方向に揺動する。2次ビームR2は揺動ミラー23に反射して3次ビームR3となる。この3次ビームR3は、揺動ミラー23に反射して拡散するようになっており、図示の垂直方向に所定のビーム幅rを有することになる。このビーム幅rは、障害物を検出するための前方へのビーム照射距離によって変化するが、例えば100m先で6〜7m程度のビーム幅となるように設定される。3次ビームR3は、この所定のビーム幅rを保持しながら揺動ミラー23の揺動に伴って水平方向(矢視S3方向)にスキャンするように制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来のスキャンビーム式レーダ装置においては、広い検出領域を確保し、かつ検出距離を長くするために光源21としてビームの発光出力が10〜30W程度のレーザダイオードを使用している。しかしながら、このレーザダイオードを使用したレーダ装置には、以下の▲1▼〜▲3▼に示すような欠点がある。即ち、
▲1▼10〜30W程度のレーザダイオードは、光源として使用する以外に用途がないため、非常に高価である。
【0004】
▲2▼レーザダイオード用の高電圧電源(例えば、60〜200V)が必要となり高価である。
▲3▼大電流の高速スイッチング回路のノイズ対策を含めて回路が複雑となり高価である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、汎用の低い発光出力のレーザダイオードを使用して、高電圧電源を必要としない回路構成を実現することにより、装置全体の構成を簡素化し、低コストな障害物検出装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係わる障害物検出装置は、以下の構成を備える。即ち、
車両に搭載される障害物検出装置において、
レーダ波を出力する出力源(1)と、
前記出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)と、
前記ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、
前記軸部材(5)に接続され、前記ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)と、
前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)と、
目標物に当たって反射してくるレーダ波を検出する手段(14、15、16)とを具備する。
【0006】
また、車両に搭載される障害物検出装置において、
レーダ波を出力する出力源(1)と、
前記出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)と、
前記ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、
前記軸部材(5)に接続され、前記ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)と、
前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)と、
目標物に当たって反射してくるレーダ波を検出する手段(14、15、16)とを具備する。
【0007】
また、この発明に係わるスキャナ装置は、以下の構成を備える。即ち、
出力源(1)から出力されるレーダ波を所定領域に走査するためのスキャナ装置において、
前記出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)と、
前記ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、
前記軸部材(5)に接続され、前記ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)と、
前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)とを具備する。
【0008】
以上のように、本発明の障害物検出装置及びスキャナ装置において、その請求項1、請求項2、請求項6に記載の発明によれば、レーダ波を出力する出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)を設け、ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、軸部材(5)に接続され、ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)とを具備することにより、レーダ波を2次元に配光することができ、汎用の低い発光出力のレーザダイオードを使用して、高電圧電源を必要としない回路構成とし装置全体の構成を簡素化し低コスト化できる。
また、ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)を更に具備することにより、中央部の検出精度を向上させることができる。
【0009】
また、その請求項3に記載の発明によれば、ミラー部材(3)で反射されたレーダ波を屈折させ、該レーダ波の拡散を抑制する手段(8)を更に具備することによりミラー部材を小型化でき、装置全体の小型化を実現することができる。
【0010】
また、その請求項4に記載の発明によれば、設定手段(9)は、レーダ波の水平方向の配光パターンを左右逆転させることにより、中央部の検出精度を向上させることができる。
【0011】
また、その請求項5に記載の発明によれば、駆動手段(4)を制御する制御手段(13)を有し、該制御手段は、レーダ波の水平方向の配光パターンの中央部におけるミラー部材の回転速度(ω)を、その両端部における回転速度より速くなるように制御することにより、レーダ波の配光ピッチを均一にでき、検出精度のバラツキを抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる実施形態につき添付図面を参照して詳細に説明する。
<レーダ装置の構成>
図1は本発明の実施形態に係わるスキャナ装置の構成を簡略化して示す図であり、図2は本発明の実施形態に係わる障害物検出装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
先ず、図1において、本発明のスキャナ装置の実施形態として示す2次元ビームスキャン式レーダ装置10は、光源1から照射された1次ビームQ1が発光レンズ2を介して2次ビームQ2として所定幅のビームとなって揺動ポリゴンミラー3に照射される。揺動ポリゴンミラー3は、モータ4に回転軸5を介して接続されており、このモータ4を駆動させることにより、回転軸5が矢視S4方向に回動し、揺動ポリゴンミラー3の円周面は回転軸5に沿う方向に揺動しながら回転軸5まわりに回動する。2次ビームQ2は揺動ポリゴンミラー3の円周部分に形成された複数の反射面6に反射して3次ビームQ3となる。この3次ビームQ3(以下、単にビームと略称する)は、反射面6に反射して所定のビーム幅となって照射される。
【0014】
揺動ポリゴンミラー3は、その円周面に複数の反射面(本実施形態では、180面)が形成されている。また、揺動ポリゴンミラー3は、モータ4の回転軸5に対して所定角度βだけ傾けて偏心させた状態で軸着されている。従って、ビームQ3は、揺動ポリゴンミラー3が回動して1つの反射面6の角度が円周方向に変化していくことにより、垂直方向(矢視P2方向)に走査される。一方、ビームQ3は、揺動ポリゴンミラー3が揺動して1つの反射面6の角度がミラーの径方向に変化していくことにより、水平方向(矢視P1方向)に走査される。
【0015】
<制御回路の構成>
次に、本実施形態の障害物検出装置の制御回路の構成について説明する。図2において、本実施形態の障害物検出装置100は、大別するとビームを発光する側と発光したビームを受光する側とに分けられる。ビームを発光する側は、2次元ビームスキャン式レーダ装置10と制御部13とを有する。この2次元ビームスキャン式レーダ装置10は、スキャナ機構11と発光部12からなる。図1を参照しながら説明すると、スキャナ機構11は揺動ポリゴンミラー3及びモータ4であり、発光部12は光源1及び発光レンズ2となる。光源1は、消費電力が30mW程度の汎用のレーザダイオードを使用し、高電圧電源を必要としない回路構成としたので従来より低コスト化を実現している。発光レンズ2は、検出距離を確保するためにビームQ3を2〜3mrad程度に狭く絞ることができる形状のレンズを使用している。スキャナ機構11のモータ4の回転速度及び発光部12の発光周期は、制御部13によりタイミング制御される。制御部13は、データ処理用のCPU、ROM、RAM、周辺回路等からなる。
【0016】
他方、障害物等に反射して戻るビームを受光する側は、受光部14、画像処理部15、障害物認識部16を有する。受光部14はレンズ等を用いて、反射してくるビームを取り込むものである。画像処理部15はCCDカメラ等を用いて、取り込まれたビームにより障害物等の画像処理を実行する。障害物認識部16は画像処理部15で処理された画像データから検出された障害物を認識する。
【0017】
<シミュレーション結果>
図3は、本実施形態の2次元ビームスキャン式レーダ装置10を用いた場合のビームパターンのシミュレーション結果を示す図である。また、図4は、図3に示すシミュレーション結果となる場合のレーダ装置10の各仕様を説明する図である。
【0018】
図3において、ビームを配光することによって障害物等の物体を検出可能なエリアをビーム覆域と呼ぶ。従って、図3の縦軸は、ビームを図1に示す垂直方向(矢視P2方向)に走査した結果であり、垂直方向覆域角と呼ぶ。また、横軸は、図1に示す水平方向(矢視P1方向)に走査した結果であり、水平方向覆域角と呼ぶ。図3の垂直方向覆域角は、図4(a)に示すように、1つの反射面6が回転して面の角度が円周方向に沿って変化することによりその角度が決定される。また、図3の水平方向覆域角は、図4(c)に示すように、揺動ポリゴンミラー3が揺動して1つの反射面6の角度が軸方向に沿って変化することにより決定される。
【0019】
更に、具体的な仕様を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
光源の発光周期y : 40μsec
モータの回転速度ω: 300rpm
ビームの拡散角度γ: 2mrad(図4(a)参照)
1つの反射面の中心角α: 2°(図4(a)参照)
反射面の面数: 180面
揺動ポリゴンミラーの偏心角β: 100mrad(図4(b)参照)
上記仕様の中で、図4(b)に示すように、揺動ポリゴンミラー3は、モータ4の回転軸5に対して100mrad程度傾けている。
【0020】
以上のように、ビームの拡散角度γを狭く絞りつつ、2次元にビームを配光できるので検出距離及び検出領域を確保できる。
<ビーム配光原理>
次に、本実施形態の2次元ビームスキャン式レーダ装置10のビーム配光原理を説明する。
【0021】
(垂直方向覆域角)
先ず、ビームの垂直方向覆域角の配光原理について説明する。図5(a)、(b)は、凸レンズで絞った場合の垂直方向のビームの様子を示す図である。また、図6(a)、(b)は、プリズムで絞った場合の垂直方向のビームの様子を示す図である。
【0022】
揺動ポリゴンミラー3を小型化するためには、反射面の面積を小さくすればよいが、反射面を小さくすると、ビームQ3を極小まで絞る必要がある。すると、反射面で反射したビームQ3は広がって、ビームの拡散角度γを2mradに絞ることが困難になってしまう。広がったビームQ3はレンズにより絞ればよいことになるが、図5(a)、(b)に示すように、両面が凸状のレンズ7では、反射面で反射したビームQ3は全て同方向に屈折されてしまい、結果的に垂直方向覆域角P1が小さくなり、検出領域が狭くなってしまう。この不都合を解消するために、本実施形態では、図6(a)、(b)に示すように、平行な2次ビームQ2を、2つ又は3つの反射面6に同時に照射するようにすると共に、反射面6で反射したビームQ3を偏向プリズム8で偏向することにより垂直方向覆域角P1を大きくして検出領域にある程度の広がりを持たせてある。この場合、平行なビームQ2が、2つ又は3つの反射面6に同時に照射されるので、反射したビームQ3は、2本又は3本となる。
【0023】
(水平方向覆域角)
次に、ビームの水平方向覆域角の配光原理について説明する。図7(a)は、ビームの水平方向覆域角の配光原理を説明する図である。また、図7(b)は、プリズムで絞った場合の水平方向のビームの様子を示す図である。
前述の図3を参照すると、水平方向のビームパターンは、中央部に向かう程疎となり、両端部に向かう程密となっている。この理由は、揺動ポリゴンミラー3が回転軸5に対して偏心角βだけ傾いた状態で軸着されているため、図7(b)の矢印で示すように、回転軸5の回転に伴って反射面6が三角関数的に揺動するからである。
【0024】
一方、図3に示すビームパターンは、両端部の密の部分ほど検出精度が高く、中央部の疎の部分ほど検出精度が低いことを意味する。ところが、特に、車両の走行中などではその側方部より中央部の検出精度を高めた方がより好ましいと言える。
このため、図7(a)に示すように、反射面6で反射したビームQ3を偏向プリズム9で屈折させることによりプリズム9に入射するビームQ3を左右反対にする。このようにすれば、図8(a)に示すビームパターンを、図8(b)に示すような中央部に向かう程密となり、両端部に向かう程疎となるビームパターンに変えることができる。
【0025】
このとき、水平方向P1への走査は、図8(a)の矢印x1に示すように右側から左側、又は左側から右側という動作から、図8(b)の矢印x2に示すような中央部から左側(又は右側)へ走査して再び中央部へ戻り、次に中央部から右側(又は左側)へ走査してまた中央部へ戻るという動作になる。また、図8(b)の矢印x2に示す走査では、中央部では不連続な動作となる。
【0026】
(水平方向のビームパターンの均一化)
次に、水平方向のビームパターンを均一化する配光原理について説明する。図9(a)は、反射面のパターンを示す図である。また、図9(b)は、反斜面を図9(a)のように設定した場合のビームパターンを示す図である。
図8で説明したように、ビームパターンを両端部を疎、中央部を密にしてより中央部の検出精度を高める以外に、水平方向のビームパターンを均一化することもできる。図9(a)に示すように、1つの反射面の中心角αをビームパターンの両端部になるほど大きくし、中央部になるほど小さくするように設定することにより、図9(b)に示すようにビームパターンを均一化することができる。この場合では、両端部になるほど反射面の円周方向の長さが大きくなるので、両端部になるほど垂直方向覆域角が大きくなっている。このようなビームパターンでは、水平方向の配光ピッチが等間隔となり、両端部の垂直方向の検出領域が増加するので、例えば、車両に用いる場合では、走行中などに側方からの割り込み車両が有効に検出できる。
【0027】
また、水平方向のビームパターンを均一化する他の方法として、揺動ポリゴンミラー3の回転速度ωを制御することにより、配光ピッチを均一化することができる。この場合、揺動ポリゴンミラー3の回転速度ωはビームパターンの両端部になるほど遅く、中央部になるほど速くなるようにすれば、反射面の揺動速度は等速になり配光ピッチを均一化できる。
【0028】
また、水平方向のビームパターンを均一化する別の方法として、光源の発光周期Tを制御することにより、配光ピッチを均一化することができる。発光周期Tは、垂直方向のビーム数(ビーム配光密度と呼ぶ)を決定するものであるが、発光周期を両端部になるほど長く設定すれば、垂直方向のビーム配光密度を小さくでき結果的に両端部の密の部分を疎にできるので、全体として配光ピッチが均一化できることになる。
【0029】
<ビーム覆域角の算出方法>
次に、本実施形態の2次元ビームスキャン式レーダ装置で走査した場合の水平方向覆域角及び垂直方向覆域角の算出方法を説明する。図11は、本実施形態の2次元ビームスキャン式レーダ装置のビームパターンを模式化して示す図である。
【0030】
図11は、ビーム覆域内で、合計m・n回の発光と受光を繰り返すことを示している。この発光回数を算出することにより、おおよそのビーム覆域角を算出することができる。
例えば、発光回数を(l−1)m+x(図11の斜線部分の発光ビーム)、水平方向のビーム覆域角をθ、垂直方向のビーム覆域角ψとすると、以下の式1、式2から水平方向及び垂直方向のビーム覆域角を夫々算出することができる。
【0031】
θ≒(l−1)×(ビーム水平方向幅)…(1)
ψ=x×(ビーム垂直方向幅)…(2)
しかしながら、ビームの配光パターンは、図3に示すシミュレーション結果に示す如く、水平方向の中央部になるほど疎となり、両端部になるほど密になる。このため、上記式1、式2で水平方向及び垂直方向のビーム覆域角を算出した場合、ビーム覆域角の真の値に対して誤差が生じてしまう。特に、水平方向のビーム覆域角の誤差は遠距離になるほど大きなものとなる。
【0032】
従って、本発明に基づく実施形態では、水平方向のビーム覆域角θを揺動ポリゴンミラーの位置の三角関数で定義して、以下の式3により算出している(各パラメータについては図13参照)。
θ=tan−1{tanβ×cos(λ−ωt)}/sinλ…(3)
β:揺動ポリゴンミラーの偏心角
λ:ビーム反射位置における中心角
ω:揺動ポリゴンミラー角速度
t:時間
となる。
【0033】
しかしながら、上記式3により水平方向覆域角を算出すると、演算時間が膨大となると共に、誤差がまだ発生し、大きな改善とならない。
ここで、式4に示すように時間tを正確に求めると、以下の式4のようになる。
t=y×T…(4)
y:発光回数
T:発光周期
この式4を上記式3に代入すると、
θ(y)=tan-1{tanβ×cos(λ−ωyT)}/sinλ…(5)
となり、この式5を予めテーブルとして制御部内に格納しておくことで、発光回数yにおける正確な水平方向ビーム覆域角θ(y)が算出できる。
図12は、上記式5による水平方向ビーム覆域角θ(y)の算出結果を示す図である。図12から分かるようにビーム発光パルスに応じた正確な水平方向ビーム覆域角θ(y)が算出できる。
【0034】
図12は、上記式5による水平方向ビーム覆域角θ(y)の算出結果を示す図である。図12から分かるようにビーム発光パルスに応じた正確な水平方向ビーム覆域角θ(y)が算出できる。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変更したものに適用可能である。
【0035】
例えば、上記実施形態では、揺動ポリゴンミラー3の反射面6は、1つの反射面の中心角αを設定することにより形成されているが、揺動ポリゴンミラーの偏心角βを無くしポリゴンミラーが回転して、夫々の反射面が揺動するように徐々に角度を変えて形成してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明の障害物検出装置及びスキャン装置において、その請求項1、請求項2、請求項6に記載の発明によれば、レーダ波を出力する出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)を設け、ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、軸部材(5)に接続され、ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)とを具備することにより、レーダ波を2次元に配光することができ、汎用の低い発光出力のレーザダイオードを使用して、高電圧電源を必要としない回路構成とし装置全体の構成を簡素化し低コスト化できる。
また、ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)を更に具備することにより、中央部の検出精度を向上させることができる。
【0037】
また、その請求項3に記載の発明によれば、ミラー部材(3)で反射されたレーダ波を屈折させ、該レーダ波の拡散を抑制する手段(8)を更に具備することによりミラー部材を小型化でき、装置全体の小型化を実現することができる。
【0038】
また、その請求項4に記載の発明によれば、設定手段(9)は、レーダ波の水平方向の配光パターンを左右逆転させることにより、中央部の検出精度を向上させることができる。
【0039】
また、その請求項5に記載の発明によれば、駆動手段(4)を制御する制御手段(13)を有し、該制御手段は、レーダ波の水平方向の配光パターンの中央部におけるミラー部材の回転速度(ω)を、その両端部における回転速度より速くなるように制御することにより、レーダ波の配光ピッチを均一にでき、検出精度のバラツキを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるスキャナ装置の構成を簡略化して示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる障害物検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の2次元ビームスキャン式レーダ装置を用いた場合のビームパターンのシミュレーション結果を示す図である。
【図4】図3に示すシミュレーション結果となる場合のレーダ装置の各仕様を説明する図である。
【図5】凸レンズで絞った場合の垂直方向のビームの様子を示す図である。
【図6】プリズムで絞った場合の垂直方向のビームの様子を示す図である。
【図7】(a)は、ビームの水平方向覆域角の配光原理を説明する図であり、(b)は、プリズムで絞った場合の水平方向のビームの様子を示す図である。
【図8】本実施形態のビームパターンを示す図である。
【図9】(a)は、反射面のパターンを示す図であり、(b)は、反斜面を(a)のように設定した場合のビームパターンを示す図である。
【図10】従来例のスキャナ装置の構成を簡略化して示す図である。
【図11】本実施形態の2次元ビームスキャン式レーダ装置のビームパターンを模式化して示す図である。
【図12】水平方向ビーム覆域角θ(y)の算出結果を示す図である。
【図13】水平方向のビーム覆域角θ(y)を算出する式3の各パラメータについて示す図である。
【符号の説明】
1…光源
2…発光レンズ
3…揺動ポリゴンミラー
4…モータ
5…回転軸
6…反射面
8、9…プリズム
10…2次元ビームスキャン式レーダ装置
11…スキャナ機構
12…発光部
13…制御部
14…受光部
15…画像処理部
16…障害物認識部
U…コントロールユニット
Claims (6)
- レーダ波を出力する出力源(1)と、
前記出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)と、
前記ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、
前記軸部材(5)に接続され、前記ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)と、
前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)と、
目標物に当たって反射してくるレーダ波を検出する手段(14、15、16)とを具備することを特徴とする障害物検出装置。 - 車両に搭載される障害物検出装置において、
レーダ波を出力する出力源(1)と、
前記出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)と、
前記ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、
前記軸部材(5)に接続され、前記ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)と、
前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)と、
目標物に当たって反射してくるレーダ波を検出する手段(14、15、16)とを具備することを特徴とする障害物検出装置。 - 前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の拡散を抑制する手段(8)を更に具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の障害物検出装置。
- 前記設定手段(9)は、前記レーダ波の水平方向の配光パターンを左右逆転させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の障害物検出装置。
- 前記駆動手段(4)を制御する制御手段(13)を有し、該制御手段は、前記レーダ波の水平方向の配光パターンの中央部におけるミラー部材の回転速度(ω)を、その両端部における回転速度より速くなるように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の障害物検出装置。
- 出力源(1)から出力されるレーダ波を所定領域に走査するためのスキャナ装置において、
前記出力源(1)から照射されたレーダ波を反射するために、その円周面に複数の反射面(6)を有する円盤状のミラー部材(3)と、
前記ミラー部材(3)を回動可能に軸支すると共に、該ミラー部材(3)をその中心軸に対して所定角度偏心させた状態で支持する軸部材(5)と、
前記軸部材(5)に接続され、前記ミラー部材を該軸部材まわりに回動させる駆動手段(4)と、
前記ミラー部材(3)で反射された前記レーダ波を屈折させ、該レーダ波の水平方向の配光ピッチを中央部になるほど密、両端部になるほど疎になるように設定する設定手段(9)とを具備することを特徴とするスキャナ装置。
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