JPH05205088A - 光学スキャナの焦点変更装置および方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 視野深度の深い光学スキャナの焦点変更装置
を提供する。 【構成】 既存の光学スキャナに容易に取付け可能でか
つ新規なスキャナの最先端部を構成可能な焦点変更装置
および方法。レーザビーム焦点変更装置１４，６４はレ
ーザ光源１２とミラー回転体１８の光学系間に配置さ
れ、所定半径の複数の球状ミラーセグメント４６〜５
２，６８〜８２を具備する。各セグメントは共通軸４４
から各々の半径の距離に位置する。モータ等の回転装置
４２，５４が球状ミラーセグメントを共通軸４４廻りに
回転駆動する。球状ミラーセグメントはミラー回転体１
８の上部に搭載してもよい。この場合、焦点変更装置６
４はさらにビームを球状ミラーセグメント方向に偏向さ
せるための偏向ミラー６２を具備し、さらにこの偏向ミ
ラーに隣接して球状ミラーセグメントからの反射光を受
光しこれをミラー回転体方向に戻すための球面ミラー６
６が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光学スキャナに関し、特
に光学スキャナの焦点変更装置および方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】光学スキャナは小売店での会計清算処理
や在庫管理等を効率良く行うために広く用いられてい
る。在庫管理等で用いる光学スキャナは、通常レーザダ
イオードを用いてそのレーザ光をコリメートし焦点合せ
して走査ビームを作成している。ミラー回転体がビーム
を複数の静止ミラーに向けて投射し、バーコードラベル
を照射してその反射光を集光する。ミラー回転体はモー
タにより回転駆動され、反射した戻り光は検知器により
受光される。スキャナで発生する走査パターンは相互に
いろいろな角度で交差する複数の走査ラインにより構成
される。

【０００３】このような光学スキャナの視野深度（被写
界深度）はモータ速度や、絞り寸法や、ビーム速度およ
びバーコードラベルの間隔や大きさ等の各要素により定
まる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、視野深
度を大きくするために前記各要素を変更することはスキ
ャナの機能を低下させ有効ではない。フォーカシングレ
ンズを動かして焦点を変えたりあるいは光路長を変えて
焦点を変えることも同様に有効ではない。

【０００５】商品の在庫管理においては、いろいろな大
きさの各種商品のバーコードラベルを広い範囲で同じ読
取り精度で走査することが望ましく従って視野深度の大
きい光学スキャナの実現が望まれている。

【０００６】従って、従来のスキャナに比べ飛躍的に視
野深度を高めることができる装置の実現が望まれてい
る。本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、簡
単な構成で深い視野深度が得られる光学スキャナの焦点
変更装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る光学スキャナは、所定の焦点面を有す
るレーザビームを発生するためのレーザ光源と；ビーム
を反射するための回転体と；前記レーザ光源と回転体の
光学系間に設けられたレーザビームの焦点変更装置とに
より構成される。

【０００８】さらに詳しくいうと、この光学スキャナ
は、所定の焦点を有するレーザビームを発生するための
レーザ光源と、このレーザビームを偏向させるためのミ
ラー回転体と、このミラー回転体により偏向されたレー
ザビームをさらに反射させて走査パターンを形成するた
めのパターンミラーと、レーザビームを通過させかつ商
品に添付されたバーコードラベルからの反射光を集光す
るための光学トランシーバと、集光した反射光を受光し
その強度に対応した電気信号を発生する検知器とを具備
している。

【０００９】

【作用】本発明に係るレーザビーム焦点偏向装置の第１
の実施例においては、焦点変更装置はレーザ光源とミラ
ー回転体の光学系間に配置され複数の球状ミラーセグメ
ントにより構成される。各セグメントは所定の半径を有
し１つの共通軸からその半径の距離の位置に配置され
る。好ましくは、異なる半径の２対のセグメントが備
る。モータ等からなる球状ミラーセグメント回転装置に
よりこの球状ミラーセグメントを前記共通軸廻りに回転
させる。

【００１０】この実施例の特徴は、球状ミラーセグメン
トのモータがミラー回転体のモータより低速の所定スピ
ードで回転することである。これにより、各所定の焦点
位置において完全な１つの走査パターンが形成される。

【００１１】第２の実施例においては、レーザビーム焦
点変更装置は、異なる焦点の走査ラインからなる走査パ
ターンを形成する。この焦点変更装置は、レーザ光源か
らのビームを偏向するための偏向ミラーと、ミラー回転
体の頂部に搭載された複数の球状ミラーセグメントを具
備している。好ましくは、各セグメントはミラー回転体
の各ファセットに対応して設けられる。第１の実施例と
同様に、各セグメントは所定の半径を有し、共通軸から
それぞれの半径の位置に配置される。

【００１２】モータ等からなる球状ミラーセグメント回
転装置が、球状ミラーセグメントを回転駆動するととも
にミラー回転体をこれらの共通軸廻りに回転駆動する。
球面ミラーが偏向ミラーに隣接して設けられ、球状ミラ
ーセグメントにより反射されたビームを受光する。この
球面ミラーは、球状ミラーセグメントからの所望の焦点
変更よりも大きな変更を補正して、このビームをミラー
回転体の方向に戻す。

【００１３】

【実施例】図１は本発明に係る光学スキャナのブロック
構成図である。光学スキャナ１０は、レーザ１２と、焦
点変更装置１４と、光学トランシーバ１６と、ミラー回
転体１８と、パターンミラー２０と、光検知器２２とに
より構成される。レーザ１２は、レーザダイオードと、
所定の焦点または焦点面に位置合せするためのフォーカ
シングレンズ２３（図２）と、コリメート用の開口とを
有し、これらによりレーザビーム２４を作成する。

【００１４】レーザビーム２４はまず焦点変更装置１４
を照射し、この焦点変更装置１４によりレーザビーム２
４の焦点面が周期的に変更される。その後レーザビーム
２４は光学トランシーバ１６を通過する。この光学トラ
ンシーバ１６は、レーザビーム２４を通すための孔が形
成された集光面を有する。続いてレーザビーム２４は、
ミラー回転体１８に当接し、このミラー回転体１８が回
転することにより走査ビーム２６が作成される。走査ビ
ーム２６はパターンミラー２０で反射され走査ライン２
８を形成する。これらの走査ラインにより走査パターン
が形成される。走査ライン２８は商品３２のバーコード
ラベル３０に向って伝播する。

【００１５】パターンミラー２０は、バーコードラベル
３０からの反射光３４をミラー回転体１８方向に導光す
る。このミラー回転体１８はさらにこの反射光を３４を
光学トランシーバ１６方向に導光する。光学トランシー
バ１６は、反射光３４を光検知器２２の位置に焦点合せ
する。光検知器２２は反射光３４の強度に応じた電気信
号を発生する。

【００１６】次に図２および図３を参照して本発明に係
る焦点変更装置１４の第１の実施例について説明する。
この焦点変更装置１４は、球状セグメントからなるリン
グ４０とこのリング４０を回転駆動するためのモータ４
２とにより構成される。リング４０の各セグメントは所
定の曲率半径を有し、共通軸４４からそれぞれの曲率半
径の距離の位置に配置される。

【００１７】この焦点変更装置１４は、製造の容易性の
ために、図３で示すように４つのセグメント４６，４
８，５０，５２で構成することが望ましい。好ましく
は、この焦点変更装置１４は光学許容誤差範囲内で射出
成形により形成する。各セグメント４６〜５２はそれぞ
れ半径Ｒ４６〜Ｒ５２を有する。好ましくは、半径Ｒ４
６とＲ５０が等しく、半径Ｒ４８とＲ５２が等しい。モ
ータ４２の速度は好ましくは１５００ｒｐｍである。

【００１８】本発明において、異なる曲率半径を有する
セグメントの数は限定されない。また分割されたセグメ
ントを用いる代りに、連続的に半径の異なる連続面から
なるリング形状としてもよい。この焦点変更装置１４
は、レーザ１２とともにフォーカシングレンズ２３を共
用する。

【００１９】次に動作について説明する。この焦点変更
装置１４は各走査ライン２８の焦点面の位置を変更す
る。フォーカシングレンズ２３は、球面セグメント４６
〜５２により所望の焦点変更よりも大きくなった場合の
パワー補正を行う。走査ライン２８は２つの走査面Ｆ
１，Ｆ２に焦点位置合せされる。モータ４２の速度は例
えば６０００ｒｐｍである。モータ４２の速度がミラー
回転体１８のモータの速度より遅いため、走査ライン２
８は２つの焦点面Ｆ１，Ｆ２間をラスタ動作する。焦点
面Ｆ１，Ｆ２の位置は、例えばそれぞれスキャナ１０の
上方２０インチ（５０．８ｃｍ）および３０インチ（７
６．２ｃｍ）である。

【００２０】ミラー回転体のファセット数およびモータ
５４に対するモータ４２の速度比を適当に選定すること
により、走査パターンにおける走査ラインの分断箇所を
減らすことができる。図示した実施例では、ミラー回転
体１８は８枚のファセットを有し、モータ４２に対する
モータ５４の速度比は４：１である。従って、モータ５
４はモータ４２の４回転ごとに１回転する。これらのモ
ータ５４，４２は公知方法によりシンクロナイザー５５
によりデジタル同期制御される。モータ５４の１回転ご
とに各焦点面Ｆ１またはＦ２上に完全な走査パターンが
形成される。

【００２１】この焦点変更装置１４は、パターン深さを
大きくして反射光を集光しこれを固定された光検知器の
位置に焦点合せすることにより、スキャナ効率を高めて
いる。

【００２２】次に図４および図５を参照して、本発明の
第２の実施例６０について説明する。この実施例に係る
焦点変更装置１４は、偏向ミラー６２と、球状ミラーセ
グメントのリング６４と、球面ミラー６６とを具備す
る。偏向ミラー６２は、ビーム２４を球状ミラーセグメ
ントのリング６４の方向に向けて反射し、その反射戻り
光を球面ミラー６６で受ける。

【００２３】球状ミラーセグメントのリング６４は入射
ビーム２４のパワーを変える。このリング６４は、ミラ
ー回転体１８上に搭載され、各セグメントはミラー回転
体１８の回転軸４４から同じ半径の位置に配置される。
モータ５４の速度は例えば６０００ｒｐｍである。好ま
しくは各球状ミラーセグメントは、異なる半径を有し多
焦点面を有する走査パターンを形成する。また各セグメ
ントはミラー回転体の各ファセットの上側に整合して設
けられる。この構成により、モータ５４のみで球状ミラ
ーセグメントのリング６４とミラー回転体１８とを回転
駆動することができる。球面ミラー６６は、球状ミラー
セグメントのリング６４から反射したビーム２４内の過
剰パワーを補正する。球面ミラー６６は凹面であって、
球状ミラーセグメントのリング６４による入射角が大き
いため、偏向ミラー６２に隣接して設けることが望まし
い。好ましくは、球面ミラー６６の半径は０．７６イン
チ（１．９３ｃｍ）であるが、この半径の選定は設計事
項である。

【００２４】この実施例の焦点偏向装置６０は８つの球
状ミラーセグメント６８〜８２（図５）を有し、各セグ
メント６８〜８２はそれぞれ半径Ｒ６８〜Ｒ８２を有す
る。好ましくは、半径Ｒ６８〜Ｒ８２は０．７５インチ
（１．９１ｃｍ）である。偏向ミラー６２、球状ミラー
セグメント６４および球面ミラー６６はプラスチックの
モールド成形体であることが望ましい。

【００２５】上記構成の焦点偏向装置６０が駆動される
と、異なる焦点を有する複数の走査ラインからなる走査
パターンが形成される。球状ミラーセグメント６８〜８
２のそれぞれに対応した８つの焦点面Ｐ１〜Ｐ８が適用
対象に応じて選択される。

【００２６】

【発明の効果】この焦点変更装置６０の利点は、システ
ム最先端部において異なる焦点面を有する多数の走査ラ
インを作成することである。またその構成部品はプラス
チックで容易にモールド成形できる。またモジュールと
して単体で構成できるため、既存の光学スキャナに対し
容易に適用可能であり、また新しいスキャナに対しても
その最先端部に装着可能である。パターン発生用の光学
部品はスキャナの最先端部の構造に影響されず必要なパ
ターンが決れば個別に装着できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る焦点変更装置を含む光学スキャ
ナのブロック構成図である。

【図２】 本発明に係る焦点変更装置の第１の実施例を
含む光学スキャナの構成説明図である。

【図３】 図２の３−３線に沿った断面図である。

【図４】 本発明に係る焦点変更装置の第２の実施例を
含む光学スキャナの構成説明図である。

【図５】 図４の５−５線に沿った断面図である。

【符号の説明】

１０；光学スキャナ、１２；レーザ、１４；焦点変更装
置、１６；光学トランシーバ、１８；ミラー回転体、２
０；パターンミラー、２２；光検知器、２３；フォーカ
シングレンズ、２４；レーザビーム、２６；走査ビー
ム、２８；走査ライン、３０；バーコードラベル、３
４；反射光、４０；球状ミラーセグメントのリング、４
２；リング４０のモータ、４６，４８，５０，５２；球
状ミラーセグメント、５４；回転体１８のモータ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の焦点面を有するレーザビームを発
   生するためのレーザ光源と；ビームを反射するための回
   転体と；前記レーザ光源と回転体の光学系間に設けられ
   たレーザビームの焦点変更装置とからなることを特徴と
   する光学スキャナ。
2. 【請求項２】 光学スキャナのレーザビーム焦点の変更
   方法において：球状反射面をレーザビームで照射するス
   テップを有し、該球状反射面は所定の半径を有し、軸か
   らその半径の距離の位置に配置されたことを特徴とする
   光学スキャナのレーザビーム焦点変更方法。