JP4717195B2 - 移動体用物体検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波を発信する発信手段と、前記電磁波が物体により反射された反射信号を受信する受信手段と、発信手段の発信結果および受信手段の受信結果に基づき物体の存在を検知する物体検知手段とを備えた移動体用物体検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる移動体用物体検知装置の検知範囲の向きの調整(エイミング)を少ない工数で精度良く行うために、基準反射体と車両とを所定の相対位置関係に置いた状態で、調整指示手段の指示により検知信号を発信して反射波から基準反射体の検知範囲内の検知位置を求め、この検知位置が予め基準位置記憶手段に記憶していた基準位置に一致するように、検知範囲設定手段の設定を変更するものが、特開平9−178856号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車載のレーダー装置の使用目的として、ACCシステム(Adaptive Cruise Control System)と、渋滞追従システム(Stop&Go System)とが知られている。
【0004】
ACCシステムは、先行車が存在しないときは自車を予め設定した車速で定速走行させ、レーダー装置により先行車が検知されると、この先行車との間に予め設定した車間距離を保つように自車を追従走行させるものである。また渋滞追従システムは、停止および発進が繰り返し行われる渋滞時に、レーダー装置により検知された先行車に追従するように自車を停止および発進させるものである。
【0005】
ACCシステムは比較的に高速での走行時に必要なシステムであり、例えば車速が40km/h以上の場合に限ってレーダー装置の発信ユニットを作動させるようにすれば、システムの寿命を10年とすると、40km/h以上の車速で走行する時間は3000時間程度となることから、発信ユニットの寿命に充分な余裕を持たすことができる。また渋滞追従システムは比較的に低速での走行時に必要なシステムであり、例えば車速が40km/h未満の場合に限ってレーダー装置の発信ユニットを作動させるようにすれば、システムの寿命を10年とすると、40km/h未満の車速で走行する時間は5000時間程度となることから、発信ユニットの寿命は殆ど余裕が無くなってしまう。
【0006】
更に、共通のレーダー装置にACCシステムの機能と渋滞追従システムの機能とを併せ持たせた場合、全ての車速領域で常時レーダー装置の発信ユニットが作動するようになるため、発信ユニットの寿命として8000時間が必要となり、通常の発信ユニットの寿命を大きく越えてしまう問題がある。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、レーダー装置によるACCシステムや渋滞追従システムの機能を損なうことなく、発信手段のトータルの発信回数を減少させて寿命の延長を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図14のクレーム対応図に示す構成によって上記目的を達成している。
【0009】
即ち、請求項1に記載された発明によれば、移動体の進行方向における予め設定された領域に向けて、所定の検知幅を有する電磁波を前記進行方向と直交する第1の方向に走査しながら発信する発信手段と、前記電磁波が物体により反射された反射信号を前記進行方向および前記第1の方向と直交する第2の方向に走査しながら受信する受信手段と、発信手段の発信結果および受信手段の受信結果に基づき物体の存在を検知する物体検知手段とを備えた移動体用物体検知装置において、移動体の移動状況を検知する移動状況検知手段と、移動体の移動状況に基いて発信手段による電磁波の発信間隔を変更することにより、前記予め設定された領域を前記第1の方向に所定の角度毎に分割した検知エリアを走査する間の発信回数を変更する発信間隔変更手段と、移動体の移動速度を検知する速度検知手段とを備え、発信手段は、電磁波を前記第1の方向に前記所定の検知幅よりも小さい幅ずつずらしながら発信するものであり、移動状況検知手段は、速度検知手段により検知された移動速度が所定速度以下であることを判断するものであり、速度検知手段により検知された移動速度が所定速度以下であるときに、発信間隔変更手段は発信間隔を増加させて前記検知エリアを走査する間の発信回数を減少させることを特徴とする移動体用物体検知装置が提案される。
【0010】
上記構成によれば、移動状況検知手段で検知した移動体の移動状況に基いて発信間隔変更手段が発信手段による電磁波の発信間隔を変更するので、長い発信間隔でも移動体の移動状況を的確に検知できる場合、つまり速度検知手段により検知された移動速度が所定速度以下であるときに、発信間隔変更手段は発信間隔を変更して予め設定された領域を第1の方向に所定の角度毎に分割した検知エリアを走査する間の発信回数を減少させるので、例えば渋滞追従モード時に、その機能を低下させることなく発信手段のトータルの発信回数を減少させて寿命を延長することができる。
【0011】
尚、実施例の送光手段1および受光手段3は、それぞれ本発明の発信手段および受信手段に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図14は本発明の一実施例を示すもので、図1は物体検知装置のブロック図、図2は物体検知装置の斜視図、図3は表1で使用する用語の定義を説明する図、図4はACCモードで走査周期を長くする場合の説明図、図5はACCモードで直線路を走行する際に検知範囲を減少させる場合の説明図、図6はACCモードでゆるいカーブを走行する際に検知範囲を減少させる場合の説明図、図7はACCモードできついカーブを走行する際に検知範囲を減少させる場合の説明図、図8はACCモードで1エリア当たりの発信回数を減少できない理由を説明する図、図9はACCモードにおける発信制御のフローチャート、図10は渋滞追従モードにおける発信制御のフローチャート、図11は渋滞追従モードで走査周期を長くする場合の説明図、図12は渋滞追従モードで1エリア当たりの発信回数を減少させる場合の説明図、図13はACCモードで検知範囲を減少できない理由を説明する図、図14はクレーム対応図である。
【0013】
図1および図2に示すように、自車前方の物体の距離および方向を検知するための物体検知装置Stはレーザーレーダー装置を備えるもので、送光部1と、送光走査部2と、受光部3と、受光走査部4と、距離計測処理部5とから構成される。送光部1は、送光レンズを一体に備えたレーザーダイオード11と、レーザーダイオード11を駆動するレーザーダイオード駆動回路12とを備える。送光走査部2は、レーザーダイオード11が出力したレーザーを反射させる送光ミラー13と、送光ミラー13を上下軸14回りに往復回動させるモータ15と、モータ15の駆動を制御するモータ駆動回路16とを備える。送光ミラー13から出る送光ビームは左右幅が制限されて上下方向に細長いパターンを持ち、それが所定周期で左右方向に往復移動して物体を走査する。
【0014】
受光部3は、受光レンズ17と、受光レンズ17で収束させた反射波を受けて電気信号に変換するフォトダイオード18と、フォトダイオード18の出力信号を増幅する受光アンプ回路19とを備える。受光走査部4は、物体からの反射波を反射させて前記フォトダイオード18に導く受光ミラー20と、受光ミラー20を左右軸21回りに往復回動させるモータ22と、モータ22の駆動を制御するモータ駆動回路23とを備える。上下幅が制限されて左右方向に細長いパターンを持つ受光エリアは、受光ミラー20によって所定周期で上下方向に往復移動して物体を走査する。
【0015】
距離計測処理部5は、前記レーザーダイオード駆動回路12やモータ駆動回路16,23を制御する制御回路24と、アダプティブクルーズコントロール装置を制御する電子制御ユニット25との間で通信を行う通信回路26と、レーザーの送光から受光までの時間をカウントするカウンタ回路27と、物体までの距離および物体の方向を算出する中央演算処理装置28とを備える。
【0016】
而して、上下方向に細長い送光ビームと左右方向に細長い受光エリアとが交わる部分が瞬間的な検知エリアになり、この検知エリアは、送光ビームの左右走査幅と等しい左右幅を持ち、受光エリアの上下走査幅と等しい上下幅を持つ検知領域の全域をジグザグに移動して物体を走査する。そして送光ビームが送光されてから、該送光ビームが物体に反射された反射波が受光されるまでの時間に基づいて物体までの距離が検知され、そのときの瞬間的な検知エリアの方向に基づいて物体の方向が検知される。
【0017】
【表1】
【0018】
表1は、ACCシステムの作動時および渋滞追従システムの作動時の基本仕様を示すものである。
【0019】
ACCモードの特徴は、使用車速範囲が40km/h〜100km/hと高く、最大検知距離が100mと遠く、左右検知範囲が280mradと狭く、左右分割数が56分割と少なく、検知ターゲットが移動物に限定され、1sec当たりの発信回数が11200回と少なく、要求される作動時間が3000時間と短く、必要発信回数が1.21×e11と少ないことである。また渋滞追従モードの特徴は、使用車速範囲が0km/h〜40km/hと低く、最大検知距離が40mと短く、左右検知範囲が400mradと広く、左右分割数が80分割と多く、検知ターゲットが移動物または停止物であり、1sec当たりの発信回数が16000回と多く、要求される作動時間が5000時間と長く、必要発信回数が2.88×e11と多いことである。
【0020】
ACCモードおよび渋滞追従モードの両方に対して、左右1エリア当たりの検知幅は5mradであって共通であり、左右1エリア当たりの発信回数は20回であって共通であり、左右1発信当たりの検知幅は1mradであって共通であり、基本走査周期は100msecであって共通である。
【0021】
ここで、表1に用いられている用語を図3に基づいて説明する。280mradあるいは400mradの左右検知範囲は物体検知装置Stがレーザーで走査する左右方向の角度であり、この左右検知範囲が各々が5mradの幅を有する56個あるいは80個の検知エリアに分割されている。5mradの幅を有する各々の検知エリアにおいて、1mradの検知幅を有するビームが、0.25mradずつずらされて20回の発信が行われる。
【0022】
さて、物体検知装置Stの送光部1の寿命を延ばすには、単位時間当たりの発信回数を減少させれば良い。なぜならば、送光部1の駆動時間は1回の発信時間×発信回数で与えられるため、1回当たりの発信時間を固定すれば発信回数を減らすことで送光部1のトータルの駆動時間を減少させることができ、これにより送光部1の寿命を延長することができる。
【0023】
単位時間当たりの発信回数を減らすには、以下に示す(1) ,(2) ,(3) の手法が考えられる。
(1) 走査周期を間引いて長くする。例えば、従来の100msecを200msecに変更する。
(2) 左右1エリア当たりの発信回数を減らす。例えば、従来の20回を10回に変更する。
(3) 検知範囲内の検知エリアを減らす。例えば、従来の検知範囲の全域を検知範囲内の先行車検知範囲および割り込み検知範囲に限定する。
【0024】
上記(1) ,(2) ,(3) の手法には各々短所が存在する。即ち、物体検知装置Stによる物体の相対速の算出は、前回検知した物体の位置と今回検知した物体の位置との距離を走査周期で除算して行われるため、(1) の走査周期を間引いて長くする手法を採用すると1回の相対速の算出に要する時間が長くなってしまう。また送光部1から発信されたビームは遠方にゆくに従って広がるため、(2) の左右1エリア当たりの発信回数を減らす手法を採用すると、遠方に存在する左右幅が小さい物体を見失う可能性がある。また(3) の検知範囲内の検知エリアを減らす手法を採用すると、物体の位置によっては検知できなくなる可能性がある。
【0025】
従って、状況に応じて上記(1) ,(2) ,(3) の手法を使い分け、その短所が発生しないように考慮しながら送光部1の寿命延長を図ることが必要である。
【0026】
先ず、ACCモードを適用した場合について説明する。
【0027】
図4に示すように、ACCモードでの走行中に先行車が存在する場合には、先行車の挙動を速やかに検知して自車の車速制御を行う必要があるため、100msecの走査周期を間引くことは不適切である。一方、先行車が存在しない場合に自車は一定の車速を保って定速走行を行うだけであり、先行車の挙動を検知して微妙な車速制御を行う必要がないため、100msecの走査周期を200msecに延長しても何ら支障を来すことがない。従って、ACCモードでの走行中に先行車が存在しない場合には、上記(1) の手法を採用することができる。
【0028】
また従来の物体検知装置Stでは、予め想定した半径よりも大きい半径を有す道路であれば、左右何れの方向に曲がった道路でも必ず先行車を検知できるように、表1に示す左右検知範囲の全域(280mrad)を走査していた。しかしながら、道路が直線状であれば、左右検知範囲の左右両端側に位置する物体は先行車になり得ず、道路が右カーブであれば左右検知範囲の左端側に位置する物体は先行車になり得ず、道路が左カーブであれば左右検知範囲の右端側に位置する物体は先行車になり得ない。従って、車速センサおよびヨーレートセンサ(または舵角センサ)よりなる進行方向予測手段M7(図14参照)で予測した自車の走行軌跡の周辺の領域だけを走査すれば充分である。
【0029】
また従来の物体検知装置Stでは、近距離の割り込み車を速やかに検知するために表1に示す左右検知範囲の全域(280mrad)を走査していたが、上述したように自車の走行軌跡の周辺の範囲だけを走査すると、割り込み車の検知が遅れる可能性がある。そこで、速やかに検知する必要があるのは近距離の割り込み車であることに鑑み、自車から所定距離以内(例えば、40m以内)の隣り車線の車両を検知できる範囲を割り込み検知範囲として設定する。以上のように、ACCモードでの走行中には上記(3) の手法を採用することができる。
【0030】
図5には道路が直線状である場合が示されており、280mradの左右検知範囲のうち、中央の70mradが走行軌跡周辺の先行車検知範囲として設定され、更にその外側の左右各35mradが割り込み検知範囲として設定される。
【0031】
図6には道路が500mの半径で右にカーブしている場合が示されており、280mradの左右検知範囲のうち、その右端から140mradの範囲が走行軌跡周辺の先行車検知範囲として設定され、更にその左側の35mradが割り込み検知範囲として設定される。走行軌跡周辺の先行車検知範囲が右側に偏ったことにより、右側の割り込み検知範囲は走行軌跡周辺の先行車検知範囲に含まれてしまう。
【0032】
図7には道路が250mの半径で右にカーブしている場合が示されており、280mradの左右検知範囲のうち、その右端から175mradの範囲が走行軌跡周辺の先行車検知範囲として設定される。この場合、左側の割り込み検知範囲も前記走行軌跡周辺の先行車検知範囲に含まれてしまう。
【0033】
尚、ACCモードでは前方100mの遠い物体を検知する必要があるため、(2) の左右1エリア当たりの発信回数を減らす手法は採用することができない。その理由は、図8に示すように、100m前方で1エリアの左右幅は0.5mになり、1エリア当たりの発信回数を20回とすると0.05m幅のリフレクタに当たるビーム(幅0.1m、ずれ量0.025m)の数は必要最小限の4本となる。このため、仮に1エリア当たりの発信回数を半分の10回に減らすと、リフレクタに当たるビームの数は僅かに2本となって安定した検知ができなくなるためである。
【0034】
次に、ACCモードを適用した場合の上記作用を、図9のフローチャートに基づいて更に説明する。
【0035】
先ずステップS1で自車の車速およびヨーレート(または舵角)から自車の将来の走行軌跡を算出し、ステップS2で走行軌跡の方向に合わせた先行車検知範囲を設定し、更にステップS3で走行軌跡の方向に合わせた割り込み検知範囲を設定する。続くステップS4で物体検知装置Stにより280mradの左右検知範囲の走査を行い、ステップS5で発信方向が前記先行車検知範囲あるいは前記割り込み検知範囲内に有る場合に限り、ステップS6でレーダーの発信を実行する。これにより、左右検知範囲の全域で発信を行う場合に比べて発信回数を減らし、送光部1の寿命延長を図ることができる。
【0036】
そしてステップS7で280mradの左右検知範囲の走査が完了すると、ステップS8で検知したターゲットをターゲットメモリに記憶し、ステップS9で前回のターゲットメモリのデータと今回のターゲットメモリのデータとを比較してデータの引き継ぎを行い、ステップS10で自車の走行軌跡とターゲット位置とを比較して先行車を判定する。その結果、ステップS11で先行車が存在すれば、ステップS12で通常の100msecが経過したときにステップS14でタイマーをリセットしてステップS1に復帰し、またステップS11で先行車が存在しなければ、ステップS13で通常の2倍の200msecが経過したときにステップS14でタイマーをリセットしてステップS1に復帰する。これにより、先行車が存在しないときの走査周期を200msecに長くし、発信回数を半分に減らして送光部1の寿命延長を図ることができる。
【0037】
続いて、渋滞追従モードを適用した場合について説明する。
【0038】
渋滞追従モードの場合、自車および先行車が共に移動している場合は先行車の挙動を素早く検知する必要があるのは勿論であるが、自車が停止していて先行車が移動している場合でも、先行車に追従して自車を発進させる必要があるために先行車の挙動を素早く検知する必要がある。また自車が移動していて先行車が停止している場合にも、先行車に追従して自車を停止させる必要があるために先行車の挙動を素早く検知する必要がある。それに対して、自車および先行車が共に停止している場合には、先行車が発進したことを検知するために発信を完全に停止することはできないが、微妙な車間距離の調整を行う必要がないため、走査周期は通常の2倍の200msecで充分である。従って、図11に示すように、渋滞追従モードでの走行中に自車および先行車が共に停止している場合には、上記(1) の手法を採用することができる。
【0039】
尚、自車が停止しているか否かは、車速センサよりなる車速検知手段M6(図14参照)により検知可能であり、先行車が停止しているか否かは、先行車の相対速と自車の車速とから検知可能である。
【0040】
また渋滞追従モードの場合、最大検知距離は40mであるため、左右1エリア当たりの発信回数を通常の半分の10回に減らしても支障は無い。即ち、図12に示すように、40m前方で1エリアの左右幅は0.2mになり、1エリア当たりの発信回数を20回とすると0.05m幅のリフレクタに当たるビーム(幅0.04m、ずれ量0.01m)の数は8本となる。このため、1エリア当たりの発信回数を半分の10回に減らしても、リフレクタに当たるビームの数は必要最小数を満たす4本となって充分に精度の高い検知が可能である。従って、自車の車速が40km/h未満の場合に採用される渋滞追従モードでの走行中には、上記(2) の手法を常時採用することができる。
【0041】
尚、渋滞追従モードでは、自車が停止していても先行車や割り込み車の有無を検知する必要があるため、左右検知範囲の削減を行うことはできない。即ち、図13に示すように、左右検知範囲が通常の400mradであるとき、4m先の検知幅は1.6mであって先行車の幅を辛うじて検知可能であり、従って左右検知範囲の削減は不可能であり、渋滞追従モードでの走行中に上記(3) の手法を採用することはできない。
【0042】
次に、渋滞追従モードを適用した場合の上記作用を、図10のフローチャートに基づいて更に説明する。
【0043】
先ず、ステップS21で自車の車速およびヨーレート(または舵角)から自車の将来の走行軌跡を算出し、ステップS22で400mradの左右検知範囲を走査する。続くステップS23で発信カウンタを1インクリメントし、ステップS24で発信カウンタのカウント数が2以上になると、ステップS25でレーダーの発信を実行する。これにより、レーダーの発信が2回の1回の割合で間引かれて1エリア当たりの発信回数が通常の20回の半分の10回に減少する。このように、1エリア当たりの発信回数を半分に間引くことにより、発信回数を減らして送光部1の寿命延長を図ることができる。そしてステップS26で前記発信カウンタを0にリセットし、ステップS27で左右検知範囲の走査が完了するまで前記ステップS22〜S27を繰り返す。
【0044】
続くステップS28で検知したターゲットをターゲットメモリに記憶し、ステップS29で前回のターゲットメモリのデータと今回のターゲットメモリのデータとを比較してデータの引き継ぎを行い、ステップS30で自車の走行軌跡とターゲット位置とを比較して先行車を判定する。その結果、ステップS31で先行車が存在する場合、ステップS32で自車が停止中であり、かつステップS33で先行車が停止中であれば、ステップS34でタイマーのカウント時間が200msecになったときに、ステップS36でタイマーをリセットしてステップS21にリターンする。また前記ステップS32で自車が停止中でないか、あるいはステップS33で先行車が停止中でなければ、ステップS35でタイマーのカウント時間が100msecになったときに、ステップS36でタイマーをリセットしてステップS21にリターンする。前記ステップS31で先行車が存在しない場合、追従すべき先行車がいないので渋滞追従走行を中止する。
【0045】
これにより、自車および先行車が共に停止中である場合に限り、走査周期が通常の2倍の200msecになり、発信回数を半分に減らして送光部1の寿命延長を図ることができる。
【0046】
【表2】
【0047】
表2には上記各手法を採用して発信回数を減少させた結果が示される。表1および表2を比較すると明らかなように、本実施例により、ACCモードにおいて左右検知エリアを通常の280mradから168mradに減少させ、走査周期を通常の100msecから200msecに長くすることにより、必要発信回数を従来の1.21×e11から6.17×e10に減少させることができる。また渋滞追従モードにおいて左右1エリア当たりの発信回数を通常の20回から10回に減少させ、走査周期を通常の100msecから200msecに長くすることにより、必要発信回数を従来の2.88×e11から1.22×e11に減少させることができる。その結果、トータルの必要発信回数が従来の4.09×e11から1.84×e11へと55%減少し、システムの寿命である10年に亘って送光部1の寿命を確保することができる。
【0048】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0049】
例えば、実施例における移動体は自動車であるが、船舶等の他種の移動体であっても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、移動状況検知手段で検知した移動体の移動状況に基いて発信間隔変更手段が発信手段による電磁波の発信間隔を変更するので、長い発信間隔でも移動体の移動状況を的確に検知できる場合、つまり速度検知手段により検知された移動速度が所定速度以下であるときに、発信間隔変更手段は発信間隔を変更して予め設定された領域を第1の方向に所定の角度毎に分割した検知エリアを走査する間の発信回数を減少させるので、例えば渋滞追従モード時に、その機能を低下させることなく発信手段のトータルの発信回数を減少させて寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 物体検知装置のブロック図
【図2】 物体検知装置の斜視図
【図3】 表1で使用する用語の定義を説明する図
【図4】 ACCモードで走査周期を長くする場合の説明図
【図5】 ACCモードで直線路を走行する際に検知範囲を減少させる場合の説明図
【図6】 ACCモードでゆるいカーブを走行する際に検知範囲を減少させる場合の説明図
【図7】 ACCモードできついカーブを走行する際に検知範囲を減少させる場合の説明図
【図8】 ACCモードで1エリア当たりの発信回数を減少できない理由を説明する図
【図9】 ACCモードにおける発信制御のフローチャート
【図10】 渋滞追従モードにおける発信制御のフローチャート
【図11】 渋滞追従モードで走査周期を長くする場合の説明図
【図12】 渋滞追従モードで1エリア当たりの発信回数を減少させる場合の説明図
【図13】 ACCモードで検知範囲を減少できない理由を説明する図
【図14】 クレーム対応図
【符号の説明】
1 送光部(発信手段)
3 受光部(受信手段)
M1 物体検知手段
M2 移動状況検知手段
M4 発信間隔変更手段
M6 速度検知手段
Claims (1)
- 移動体の進行方向における予め設定された領域に向けて、所定の検知幅を有する電磁波を前記進行方向と直交する第1の方向に走査しながら発信する発信手段(1)と、
前記電磁波が物体により反射された反射信号を前記進行方向および前記第1の方向と直交する第2の方向に走査しながら受信する受信手段(3)と、
発信手段(1)の発信結果および受信手段(3)の受信結果に基づき物体の存在を検知する物体検知手段(M1)と、
を備えた移動体用物体検知装置において、
移動体の移動状況を検知する移動状況検知手段(M2)と、
移動体の移動状況に基いて発信手段(1)による電磁波の発信間隔を変更することにより、前記予め設定された領域を前記第1の方向に所定の角度毎に分割した検知エリアを走査する間の発信回数を変更する発信間隔変更手段(M4)と、
移動体の移動速度を検知する速度検知手段(M6)とを備え、
発信手段(1)は、電磁波を前記第1の方向に前記所定の検知幅よりも小さい幅ずつずらしながら発信するものであり、
移動状況検知手段(M2)は、速度検知手段(M6)により検知された移動速度が所定速度以下であることを判断するものであり、
速度検知手段(M6)により検知された移動速度が所定速度以下であるときに、発信間隔変更手段(M4)は発信間隔を増加させて前記検知エリアを走査する間の発信回数を減少させることを特徴とする移動体用物体検知装置。
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