JP2004101481A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行経路に応じて正確な警報を報知するレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーダ装置1は、対象物4の距離・角度情報を出力する測距手段10と、車両の舵角情報を出力する舵角検出手段11と、現在及び過去の舵角情報を元にして今後の舵角情報を推定して推定舵角情報を出力する舵角推定手段12と、推定舵角情報に基づいて検知領域情報を出力する検知領域設定手段14と、対象物4の距離・角度情報に検知領域情報を照らし合わせて、検知領域に対象物4が存在するか否かを判断する判断手段15と、検知領域に対象物4が存在すれば警報を報知する警報手段16とから構成され、舵角推定手段12の推定動作は、舵角情報から、現在のデータと過去の1つのデータとを用いて1次直線に近似する、あるいは現在のデータと過去の2つのデータとを用いて2次曲線に近似することによって今後の舵角情報を推定する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーダ装置1は、対象物4の距離・角度情報を出力する測距手段10と、車両の舵角情報を出力する舵角検出手段11と、現在及び過去の舵角情報を元にして今後の舵角情報を推定して推定舵角情報を出力する舵角推定手段12と、推定舵角情報に基づいて検知領域情報を出力する検知領域設定手段14と、対象物4の距離・角度情報に検知領域情報を照らし合わせて、検知領域に対象物4が存在するか否かを判断する判断手段15と、検知領域に対象物4が存在すれば警報を報知する警報手段16とから構成され、舵角推定手段12の推定動作は、舵角情報から、現在のデータと過去の1つのデータとを用いて1次直線に近似する、あるいは現在のデータと過去の2つのデータとを用いて2次曲線に近似することによって今後の舵角情報を推定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の周辺を監視して、必要な監視領域に対象物が存在するかを判断する車載用の電波方式のセンサ、すなわちレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スキャン型レーダではレーダ周囲に存在する対象物に関して距離と角度とを測定する。ところが、車載用途に使用される場合には、直線路や曲線路等の多様に変化する道路環境に合わせて、自車線内等の限定された検知エリアに対象物が存在するか否かが問題となるため、レーダ装置からの距離、角度情報だけでは判断できなかった。
【0003】
そこで、一般に車両の周辺監視を行うレーダ装置では、走行時に複数車線を監視したり、あるいは曲線路の走行時に車両の走行方向に合わせて監視範囲を調整する必要があるため、レーダ装置の前方の走査領域内の対象物との距離、角度を測定して、その距離情報、角度情報を得ると共に、車速、舵角、ヨーレート等の自車の走行状態に関する情報に基づいて自車の進行路を推定してから、推定した進行路上に対象物が存在するかを判断していた(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−216728号公報(4頁左欄第41行〜右欄第10行、図5)
【特許文献2】
特開2001−191876号公報(5頁左欄第18行〜第31行、図3、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両の周辺監視用途では、レーダ装置が搭載される車両の自車線前方や後側方、すなわち今後の走行経路やこれまでの走行軌跡が検知領域となり、この検知領域内に対象物が存在すれば警報を発することが多い。ところが従来のレーダ装置では、設定した検知領域が今後の走行経路やこれまでの走行軌跡とずれを生じる場合があり、警報の誤報を生じる恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行経路に応じて正確な警報を報知するレーダ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より今後の舵角情報を推定する舵角推定手段と、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、今後の走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成する舵角履歴演算手段と、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、今までの走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域内に今までの走行経路に沿った警報領域を限定する警報領域限定手段であり、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報、及び前記警報領域限定手段からの警報領域情報より、警報領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、警報領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1において、前記検知領域設定手段は、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、前記測距手段の走査領域を今後の走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域を今までの走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1において、前記舵角推定手段からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今後の走行経路に沿った検知領域を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項2において、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今までの走行経路に沿った検知領域を設定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(実施形態1)
図2は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の前方監視動作を示す概略図である。レーダ装置1は車両2の前方の扇形の走査領域Aにビーム3を放射して、反射波によって対象物4を検知するものであり、車両2の前方で走行車線5は曲線路となっている。
【0016】
レーダ装置1は図1に示すように、レーダ装置1から走査領域A内の対象物4までの距離、角度を測定して距離・角度情報を出力する測距手段10と、車両2のハンドル操舵の舵角を検出して舵角情報を出力する舵角検出手段11と、現在及び過去の舵角情報を元にして今後の舵角情報を推定して推定舵角情報を出力する舵角推定手段12と、推定舵角情報に基づいて対象物を検知する検知領域を設定する検知領域情報を出力する検知領域設定手段14と、測距手段10からの対象物4の距離・角度情報に検知領域設定手段14の検知領域情報を照らし合わせて、検知領域に対象物4が存在するか否かを判断する判断手段15と、検知領域に対象物4が存在するという判断手段15の判断結果であった場合に警報を報知する警報手段16とから構成される。
【0017】
舵角推定手段12の推定動作は、図3に示すように、舵角を横軸、時刻を縦軸としたグラフ上に舵角検出手段11が定期的に検出した舵角情報21をプロットし、舵角情報21から、例えば現在のデータと過去の1つのデータとを用いて1次直線に近似する、あるいは現在のデータと過去の2つのデータとを用いて2次曲線に近似することによって今後の舵角情報22を精度よく推定して、正確な推定舵角情報として出力することができる。
【0018】
そして検知領域設定手段14は、推定舵角情報より、走行車線5の曲率が大きくなる等の今後の道路状況を正確に推定することができ、この道路状況、すなわち今後の走行経路に応じて検知領域を限定するための検知領域情報を出力することができる。図2に示す状況では検知領域は、湾曲した走行車線5に沿って設定され、車両2の正面方向に対して時計回りに角度θ1回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0019】
したがって判断手段15は、この検知領域内について対象物の存在を判断すればよく、警報手段16では、前方監視時に今後の道路状況に応じた正確な警報報知を行うことができる。
【0020】
(実施形態2)
図4は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の動作を示す概略図である。レーダ装置1は車両2の後方の扇形の走査領域Bにビーム3を放射して、反射波によって対象物4を検知するものであり、車両2の後方で走行車線5は曲線路となっている。
【0021】
レーダ装置1は図5に示すように、レーダ装置1から走査領域B内の対象物4までの距離、角度を測定して距離・角度情報を出力する測距手段10と、車両2のハンドル操舵の舵角を検出して舵角情報を出力する舵角検出手段11と、蓄積した舵角情報を元にして舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成して舵角履歴情報を出力する舵角履歴演算手段13と、舵角履歴情報に基づいて検知領域を設定する検知領域情報を出力する検知領域設定手段14と、測距手段10からの対象物4の距離・角度情報に検知領域設定手段14の検知領域情報を照らし合わせて、検知領域に対象物4が存在するか否かを判断する判断手段15と、検知領域に対象物4が存在するという判断手段15の判断結果であった場合に警報を報知する警報手段16とから構成される。
【0022】
舵角履歴演算手段13の舵角履歴演算動作は、図6に示すように、舵角を横軸、時刻を縦軸としたグラフ上に舵角検出手段11が定期的に検出した舵角情報21をプロットしてデータを蓄積し、現在及び過去の舵角情報21の履歴より車両2の走行履歴を精度よく演算して、正確な舵角履歴情報として出力することができる。
【0023】
そして検知領域設定手段14は、舵角履歴情報より走行車線5の今までの道路状況を正確に認識することができ、この道路状況、すなわち今までの走行経路に応じて検知領域を限定するための検知領域情報を出力することができる。図4に示す状況では検知領域は、湾曲した走行車線5に沿って設定され、車両2の後面方向に対して半時計回りに角度θ3回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0024】
したがって判断手段15は、この検知領域内について対象物の存在を判断すればよく、警報手段16では、後方監視時に今までの道路状況に応じた正確な警報報知を行うことができる。
【0025】
(実施形態3)
図7は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の後方監視動作を示す概略図であり、レーダ装置1の構成は図8に示すように、実施形態2の検知領域設定手段14の代わりに、より具体的な手段として警報領域限定手段17を用いたものである。
【0026】
警報領域限定手段17は、実施形態2と同様に舵角履歴情報より、走行車線5の今までの道路状況を正確に認識することができ、この道路状況、すなわち今までの走行経路に応じて警報領域31(斜線部分)を限定するための警報領域情報を出力することができる。図7に示す状況では警報領域31は、湾曲した走行車線5に沿って、車両2の後面方向に対して反時計回りに角度θ4回転した方向を中心とした扇形に限定されて、反時計回りに角度θ3回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0027】
したがって判断手段15は、測距手段10で距離・角度を測定した走査領域B内の全ての対象物のうち、限定された警報領域31内の対象物のみに対して「対象物が存在する」という判断結果を出力すればよく、警報手段16では、後方監視時に今までの道路状況に応じた正確な警報報知を行うことができる。
【0028】
(実施形態4)
図9は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の前方監視動作を示す概略図であり、推定舵角情報に基づいて測距手段10の走査領域A自体を制御している。レーダ装置1の構成は図10に示すように、実施形態1(図1参照)の検知領域設定手段14の代わりに走査制御手段18を備えて、測距手段10を制御している。
【0029】
走査制御手段18は、実施形態1と同様に推定舵角情報より、走行車線5の曲率が大きくなる等の今後の道路状況を正確に推定することができ、この道路状況、すなわち今後の走行経路に応じて走査領域Aを制御するための走査制御情報を出力することで、測距手段10の走査領域Aを制御している。図9に示す状況では走査領域Aは、湾曲した走行車線5に沿って、車両2の正面方向に対して時計回りに角度θ2回転した方向を中心とした扇形に制御されて、時計回りに角度θ1回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0030】
したがって判断手段15は、限定された走査領域A内の対象物に対してのみ「対象物が存在する」という判断結果を出力すればよく、警報手段16では、前方監視時に今後の道路状況に応じた正確な警報報知を高速に行うことができる。
【0031】
(実施形態5)
図11は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の後方監視動作を示す概略図であり、推定舵角情報に基づいて測距手段10の走査領域B自体を制御している。レーダ装置1の構成は図12に示すように、実施形態2(図5参照)の検知領域設定手段14の代わりに走査制御手段18を備えて、測距手段10を制御している。
【0032】
走査制御手段18は、実施形態2と同様に舵角履歴情報より、走行車線5の今までの道路状況を正確に認識することができ、この道路状況、すなわち今までの走行経路に応じて走査領域Bを制御するための走査制御情報を出力することで、測距手段10の走査領域Bを制御している。図11に示す状況では走査領域Bは、湾曲した走行車線5に沿って、車両2の後面方向に対して反時計回りに角度θ4回転した方向を中心とした扇形に制御されて、反時計回りに角度θ3回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0033】
したがって判断手段15は、限定された走査領域B内の対象物に対してのみ「対象物が存在する」という判断結果を出力すればよく、実施形態3のように距離・角度情報と警報領域情報とを照らし合わせる必要がないので、警報手段16では、前方監視時に今までの道路状況に応じた正確な警報報知を高速に行うことができる。
【0034】
(実施形態6)
図13は、本実施形態のレーダ装置1の構成を示し、実施形態1(図1参照)の舵角推定手段12と検知領域設定手段14との間に平滑手段19を備えている。平滑手段19は、舵角推定手段12からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を出力するもので、例えばαβフィルタ等で過去のデータに重み付けをして現在のデータと足していくことによって、推定舵角情報から急激に変動した値を取り除くことができる。
【0035】
したがって検知領域の急激な変動もなく、判断手段15の判断結果も安定し、警報手段16では、前方監視時に安定した警報報知を行うことができる。
【0036】
なお、実施形態4においても、舵角推定手段12からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段19を備えることで、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】
(実施形態7)
図14は、本実施形態のレーダ装置1の構成を示し、実施形態2(図5参照)の舵角履歴演算手段13と検知領域設定手段14との間に平滑手段19を備えている。平滑手段19は、舵角履歴演算手段13からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を出力するもので、例えばαβフィルタ等で過去のデータに重み付けをして現在のデータと足していくことによって、舵角履歴情報から急激に変動した値を取り除くことができる。
【0038】
したがって検知領域の急激な変動もなく、判断手段15の判断結果も安定し、警報手段16では、後方監視時に安定した警報報知を行うことができる。
【0039】
なお、実施形態3,5においても、舵角履歴演算手段13からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段19を備えることで、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より今後の舵角情報を推定する舵角推定手段と、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、今後の走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えるので、前方監視時に今後の走行経路に応じて正確な警報を報知することができるという効果がある。
【0041】
請求項2の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成する舵角履歴演算手段と、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、今までの走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えるので、後方監視時に今までの走行経路に応じて正確な警報を報知することができるという効果がある。
【0042】
請求項3の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域内に今までの走行経路に沿った警報領域を限定する警報領域限定手段であり、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報、及び前記警報領域限定手段からの警報領域情報より、警報領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、警報領域に対象物が存在する場合に警報を報知するので、請求項2と同様の効果を奏する。
【0043】
請求項4の発明は、請求項1において、前記検知領域設定手段は、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、前記測距手段の走査領域を今後の走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知するので、前方監視時に今後の走行経路に応じた正確な警報報知を高速に行うことができるという効果がある。
【0044】
請求項5の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域を今までの走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知するので、後方監視時に今までの走行経路に応じた正確な警報報知を高速に行うことができるという効果がある。
【0045】
請求項6の発明は、請求項1において、前記舵角推定手段からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今後の走行経路に沿った検知領域を設定するので、検知領域の急激な変動がなくなり、前方監視時に安定した警報報知を行うことができるという効果がある。
【0046】
請求項7の発明は、請求項2において、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今までの走行経路に沿った検知領域を設定するので、検知領域の急激な変動がなくなり、後方監視時に安定した警報報知を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のレーダ装置の構成を示す図である。
【図2】同上の走行時の前方監視動作を示す概略図である。
【図3】同上の舵角推定手段の推定動作を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2の走行時の後方監視動作を示す概略図である。
【図5】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図6】同上の舵角履歴演算手段の演算動作を示す図である。
【図7】本発明の実施形態3の走行時の後方監視動作を示す概略図である。
【図8】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施形態4の走行時の前方監視動作を示す概略図である。
【図10】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態5の走行時の後方監視動作を示す概略図である。
【図12】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態6のレーダ装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態7のレーダ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーダ装置
10 測距手段
11 舵角検出手段
12 舵角推定手段
14 検知領域設定手段
15 判断手段
16 警報手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の周辺を監視して、必要な監視領域に対象物が存在するかを判断する車載用の電波方式のセンサ、すなわちレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スキャン型レーダではレーダ周囲に存在する対象物に関して距離と角度とを測定する。ところが、車載用途に使用される場合には、直線路や曲線路等の多様に変化する道路環境に合わせて、自車線内等の限定された検知エリアに対象物が存在するか否かが問題となるため、レーダ装置からの距離、角度情報だけでは判断できなかった。
【0003】
そこで、一般に車両の周辺監視を行うレーダ装置では、走行時に複数車線を監視したり、あるいは曲線路の走行時に車両の走行方向に合わせて監視範囲を調整する必要があるため、レーダ装置の前方の走査領域内の対象物との距離、角度を測定して、その距離情報、角度情報を得ると共に、車速、舵角、ヨーレート等の自車の走行状態に関する情報に基づいて自車の進行路を推定してから、推定した進行路上に対象物が存在するかを判断していた(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−216728号公報(4頁左欄第41行〜右欄第10行、図5)
【特許文献2】
特開2001−191876号公報(5頁左欄第18行〜第31行、図3、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両の周辺監視用途では、レーダ装置が搭載される車両の自車線前方や後側方、すなわち今後の走行経路やこれまでの走行軌跡が検知領域となり、この検知領域内に対象物が存在すれば警報を発することが多い。ところが従来のレーダ装置では、設定した検知領域が今後の走行経路やこれまでの走行軌跡とずれを生じる場合があり、警報の誤報を生じる恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、走行経路に応じて正確な警報を報知するレーダ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より今後の舵角情報を推定する舵角推定手段と、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、今後の走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成する舵角履歴演算手段と、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、今までの走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域内に今までの走行経路に沿った警報領域を限定する警報領域限定手段であり、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報、及び前記警報領域限定手段からの警報領域情報より、警報領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、警報領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1において、前記検知領域設定手段は、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、前記測距手段の走査領域を今後の走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域を今までの走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1において、前記舵角推定手段からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今後の走行経路に沿った検知領域を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項2において、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今までの走行経路に沿った検知領域を設定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(実施形態1)
図2は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の前方監視動作を示す概略図である。レーダ装置1は車両2の前方の扇形の走査領域Aにビーム3を放射して、反射波によって対象物4を検知するものであり、車両2の前方で走行車線5は曲線路となっている。
【0016】
レーダ装置1は図1に示すように、レーダ装置1から走査領域A内の対象物4までの距離、角度を測定して距離・角度情報を出力する測距手段10と、車両2のハンドル操舵の舵角を検出して舵角情報を出力する舵角検出手段11と、現在及び過去の舵角情報を元にして今後の舵角情報を推定して推定舵角情報を出力する舵角推定手段12と、推定舵角情報に基づいて対象物を検知する検知領域を設定する検知領域情報を出力する検知領域設定手段14と、測距手段10からの対象物4の距離・角度情報に検知領域設定手段14の検知領域情報を照らし合わせて、検知領域に対象物4が存在するか否かを判断する判断手段15と、検知領域に対象物4が存在するという判断手段15の判断結果であった場合に警報を報知する警報手段16とから構成される。
【0017】
舵角推定手段12の推定動作は、図3に示すように、舵角を横軸、時刻を縦軸としたグラフ上に舵角検出手段11が定期的に検出した舵角情報21をプロットし、舵角情報21から、例えば現在のデータと過去の1つのデータとを用いて1次直線に近似する、あるいは現在のデータと過去の2つのデータとを用いて2次曲線に近似することによって今後の舵角情報22を精度よく推定して、正確な推定舵角情報として出力することができる。
【0018】
そして検知領域設定手段14は、推定舵角情報より、走行車線5の曲率が大きくなる等の今後の道路状況を正確に推定することができ、この道路状況、すなわち今後の走行経路に応じて検知領域を限定するための検知領域情報を出力することができる。図2に示す状況では検知領域は、湾曲した走行車線5に沿って設定され、車両2の正面方向に対して時計回りに角度θ1回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0019】
したがって判断手段15は、この検知領域内について対象物の存在を判断すればよく、警報手段16では、前方監視時に今後の道路状況に応じた正確な警報報知を行うことができる。
【0020】
(実施形態2)
図4は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の動作を示す概略図である。レーダ装置1は車両2の後方の扇形の走査領域Bにビーム3を放射して、反射波によって対象物4を検知するものであり、車両2の後方で走行車線5は曲線路となっている。
【0021】
レーダ装置1は図5に示すように、レーダ装置1から走査領域B内の対象物4までの距離、角度を測定して距離・角度情報を出力する測距手段10と、車両2のハンドル操舵の舵角を検出して舵角情報を出力する舵角検出手段11と、蓄積した舵角情報を元にして舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成して舵角履歴情報を出力する舵角履歴演算手段13と、舵角履歴情報に基づいて検知領域を設定する検知領域情報を出力する検知領域設定手段14と、測距手段10からの対象物4の距離・角度情報に検知領域設定手段14の検知領域情報を照らし合わせて、検知領域に対象物4が存在するか否かを判断する判断手段15と、検知領域に対象物4が存在するという判断手段15の判断結果であった場合に警報を報知する警報手段16とから構成される。
【0022】
舵角履歴演算手段13の舵角履歴演算動作は、図6に示すように、舵角を横軸、時刻を縦軸としたグラフ上に舵角検出手段11が定期的に検出した舵角情報21をプロットしてデータを蓄積し、現在及び過去の舵角情報21の履歴より車両2の走行履歴を精度よく演算して、正確な舵角履歴情報として出力することができる。
【0023】
そして検知領域設定手段14は、舵角履歴情報より走行車線5の今までの道路状況を正確に認識することができ、この道路状況、すなわち今までの走行経路に応じて検知領域を限定するための検知領域情報を出力することができる。図4に示す状況では検知領域は、湾曲した走行車線5に沿って設定され、車両2の後面方向に対して半時計回りに角度θ3回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0024】
したがって判断手段15は、この検知領域内について対象物の存在を判断すればよく、警報手段16では、後方監視時に今までの道路状況に応じた正確な警報報知を行うことができる。
【0025】
(実施形態3)
図7は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の後方監視動作を示す概略図であり、レーダ装置1の構成は図8に示すように、実施形態2の検知領域設定手段14の代わりに、より具体的な手段として警報領域限定手段17を用いたものである。
【0026】
警報領域限定手段17は、実施形態2と同様に舵角履歴情報より、走行車線5の今までの道路状況を正確に認識することができ、この道路状況、すなわち今までの走行経路に応じて警報領域31(斜線部分)を限定するための警報領域情報を出力することができる。図7に示す状況では警報領域31は、湾曲した走行車線5に沿って、車両2の後面方向に対して反時計回りに角度θ4回転した方向を中心とした扇形に限定されて、反時計回りに角度θ3回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0027】
したがって判断手段15は、測距手段10で距離・角度を測定した走査領域B内の全ての対象物のうち、限定された警報領域31内の対象物のみに対して「対象物が存在する」という判断結果を出力すればよく、警報手段16では、後方監視時に今までの道路状況に応じた正確な警報報知を行うことができる。
【0028】
(実施形態4)
図9は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の前方監視動作を示す概略図であり、推定舵角情報に基づいて測距手段10の走査領域A自体を制御している。レーダ装置1の構成は図10に示すように、実施形態1(図1参照)の検知領域設定手段14の代わりに走査制御手段18を備えて、測距手段10を制御している。
【0029】
走査制御手段18は、実施形態1と同様に推定舵角情報より、走行車線5の曲率が大きくなる等の今後の道路状況を正確に推定することができ、この道路状況、すなわち今後の走行経路に応じて走査領域Aを制御するための走査制御情報を出力することで、測距手段10の走査領域Aを制御している。図9に示す状況では走査領域Aは、湾曲した走行車線5に沿って、車両2の正面方向に対して時計回りに角度θ2回転した方向を中心とした扇形に制御されて、時計回りに角度θ1回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0030】
したがって判断手段15は、限定された走査領域A内の対象物に対してのみ「対象物が存在する」という判断結果を出力すればよく、警報手段16では、前方監視時に今後の道路状況に応じた正確な警報報知を高速に行うことができる。
【0031】
(実施形態5)
図11は、本実施形態のレーダ装置1を車両2に搭載した状況にて、走行車線5を走行時の後方監視動作を示す概略図であり、推定舵角情報に基づいて測距手段10の走査領域B自体を制御している。レーダ装置1の構成は図12に示すように、実施形態2(図5参照)の検知領域設定手段14の代わりに走査制御手段18を備えて、測距手段10を制御している。
【0032】
走査制御手段18は、実施形態2と同様に舵角履歴情報より、走行車線5の今までの道路状況を正確に認識することができ、この道路状況、すなわち今までの走行経路に応じて走査領域Bを制御するための走査制御情報を出力することで、測距手段10の走査領域Bを制御している。図11に示す状況では走査領域Bは、湾曲した走行車線5に沿って、車両2の後面方向に対して反時計回りに角度θ4回転した方向を中心とした扇形に制御されて、反時計回りに角度θ3回転した方向に存在する対象物4を検出することができる。
【0033】
したがって判断手段15は、限定された走査領域B内の対象物に対してのみ「対象物が存在する」という判断結果を出力すればよく、実施形態3のように距離・角度情報と警報領域情報とを照らし合わせる必要がないので、警報手段16では、前方監視時に今までの道路状況に応じた正確な警報報知を高速に行うことができる。
【0034】
(実施形態6)
図13は、本実施形態のレーダ装置1の構成を示し、実施形態1(図1参照)の舵角推定手段12と検知領域設定手段14との間に平滑手段19を備えている。平滑手段19は、舵角推定手段12からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を出力するもので、例えばαβフィルタ等で過去のデータに重み付けをして現在のデータと足していくことによって、推定舵角情報から急激に変動した値を取り除くことができる。
【0035】
したがって検知領域の急激な変動もなく、判断手段15の判断結果も安定し、警報手段16では、前方監視時に安定した警報報知を行うことができる。
【0036】
なお、実施形態4においても、舵角推定手段12からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段19を備えることで、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】
(実施形態7)
図14は、本実施形態のレーダ装置1の構成を示し、実施形態2(図5参照)の舵角履歴演算手段13と検知領域設定手段14との間に平滑手段19を備えている。平滑手段19は、舵角履歴演算手段13からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を出力するもので、例えばαβフィルタ等で過去のデータに重み付けをして現在のデータと足していくことによって、舵角履歴情報から急激に変動した値を取り除くことができる。
【0038】
したがって検知領域の急激な変動もなく、判断手段15の判断結果も安定し、警報手段16では、後方監視時に安定した警報報知を行うことができる。
【0039】
なお、実施形態3,5においても、舵角履歴演算手段13からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段19を備えることで、本実施形態と同様の効果を奏する。
【0040】
【発明の効果】
請求項1の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より今後の舵角情報を推定する舵角推定手段と、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、今後の走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えるので、前方監視時に今後の走行経路に応じて正確な警報を報知することができるという効果がある。
【0041】
請求項2の発明は、車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成する舵角履歴演算手段と、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、今までの走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えるので、後方監視時に今までの走行経路に応じて正確な警報を報知することができるという効果がある。
【0042】
請求項3の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域内に今までの走行経路に沿った警報領域を限定する警報領域限定手段であり、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報、及び前記警報領域限定手段からの警報領域情報より、警報領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、警報領域に対象物が存在する場合に警報を報知するので、請求項2と同様の効果を奏する。
【0043】
請求項4の発明は、請求項1において、前記検知領域設定手段は、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、前記測距手段の走査領域を今後の走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知するので、前方監視時に今後の走行経路に応じた正確な警報報知を高速に行うことができるという効果がある。
【0044】
請求項5の発明は、請求項2において、前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域を今までの走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知するので、後方監視時に今までの走行経路に応じた正確な警報報知を高速に行うことができるという効果がある。
【0045】
請求項6の発明は、請求項1において、前記舵角推定手段からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今後の走行経路に沿った検知領域を設定するので、検知領域の急激な変動がなくなり、前方監視時に安定した警報報知を行うことができるという効果がある。
【0046】
請求項7の発明は、請求項2において、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今までの走行経路に沿った検知領域を設定するので、検知領域の急激な変動がなくなり、後方監視時に安定した警報報知を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のレーダ装置の構成を示す図である。
【図2】同上の走行時の前方監視動作を示す概略図である。
【図3】同上の舵角推定手段の推定動作を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2の走行時の後方監視動作を示す概略図である。
【図5】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図6】同上の舵角履歴演算手段の演算動作を示す図である。
【図7】本発明の実施形態3の走行時の後方監視動作を示す概略図である。
【図8】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施形態4の走行時の前方監視動作を示す概略図である。
【図10】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態5の走行時の後方監視動作を示す概略図である。
【図12】同上のレーダ装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態6のレーダ装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態7のレーダ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーダ装置
10 測距手段
11 舵角検出手段
12 舵角推定手段
14 検知領域設定手段
15 判断手段
16 警報手段
Claims (7)
- 車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より今後の舵角情報を推定する舵角推定手段と、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、今後の走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えることを特徴とするレーダ装置。
- 車両に取り付けられて対象物を検知するレーダ装置において、対象物までの距離、角度を測定する測距手段と、車両のハンドル舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段からの現在及び過去の舵角情報より舵角の履歴演算を行って舵角の履歴情報を作成する舵角履歴演算手段と、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、今までの走行経路に沿った検知領域を設定する検知領域設定手段と、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、検知領域に対象物が存在するか否かを判断する判断手段と、検知領域に対象物が存在する場合に警報を報知する警報手段とを備えることを特徴とするレーダ装置。
- 前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域内に今までの走行経路に沿った警報領域を限定する警報領域限定手段であり、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報、及び前記警報領域限定手段からの警報領域情報より、警報領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、警報領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
- 前記検知領域設定手段は、前記舵角推定手段からの推定舵角情報より、前記測距手段の走査領域を今後の走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 前記検知領域設定手段は、前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報より、前記測距手段の走査領域を今までの走行経路に沿うように制御する走査制御手段であり、前記測距手段は、制御された走査領域のみで対象物までの距離、角度を測定し、前記判断手段は、前記測距手段からの距離・角度情報を用いて、走査領域に対象物が存在するか否かを判断し、前記警報手段は、走査領域に対象物が存在する場合に警報を報知することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
- 前記舵角推定手段からの推定舵角情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今後の走行経路に沿った検知領域を設定することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
- 前記舵角履歴演算手段からの舵角履歴情報をフィルタ演算によって平滑化した平滑舵角情報を生成する平滑手段を備え、前記検知領域設定手段は、前記平滑手段からの平滑舵角情報より今までの走行経路に沿った検知領域を設定することを特徴とする請求項2記載のレーダ装置。
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