JP2008026030A - 車両用障害物検出装置及び車両制御システム - Google Patents

車両用障害物検出装置及び車両制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】検出対象とする障害物が低速で移動する場合であれ、その移動態様を的確に判定する車両用障害物検出装置及び車両制御システムを提供する。
【解決手段】レーザレーダ装置により検出される自車両から障害物までの距離及び自車両を基準とした障害物が位置する方位に基づき、自車両を基準とした障害物の相対位置を所定の周期で検出する。また、車速センサにより検出される自車速、ステアリングセンサにより検出される操舵角、及びヨーレートセンサにより検出されるヨーレートに基づき自車両の移動量を算出し、先に求めた相対位置にこの移動量を加味することで障害物の絶対位置を算出する。そして、障害物の絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す評価関数を通じてばらつき度合Pdを算出し、このばらつき度合Pdに基づき障害物の移動態様を判定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用障害物検出装置及び車両制御システムに関する。
この種の車両用障害物検出装置としては従来、自車両前方に向けて車幅方向の所定角度範囲に渡って例えばレーザ光などの送信波を照射し、該照射された送信波が当該自車両の周辺に存在する障害物で反射される反射波に基づき、その障害物の有無や自車両から障害物までの距離、あるいは障害物の存在する方位を検出する装置が知られている。そして、こうした障害物検出装置は、先行車両などの障害物が検出されると自車両のユーザにその旨を通知すべく警報を発する警報システムや、自車両と先行車両との車間距離を適正に維持すべく自車速を制御する車両制御システムなどに適用されている。
具体的には、例えば特許文献1に記載の装置では、検出対象とする障害物(物標)の相対速度と自車速とを比較し、その速度差が所定の速度差範囲に収まるときこの障害物は例えば路側物などのような停止物であると判定するとともに、その速度差が所定の速度差範囲を逸脱するときこの障害物は例えば先行車両のような移動物であると判定する。これにより、例えば停止している障害物に自車両が過度に接近する可能性があると予想される場合には、その旨をユーザに通知するようにしている。なお、自車速や送信波による測距誤差を考慮して、上記速度差範囲は例えば「5km/時」に設定されている。
特開平7−262499号公報
このような従来の装置によれば、自車両が例えば「80km/時」のように高速で移動しているときには、例えば歩行者のような低速で移動する障害物の相対速度との速度差は自ずと小さくなり、上記速度差範囲に収まるため、この障害物は停止物であると判定することとなる。この判定結果は、実際には移動する障害物を停止物と判定するため、誤った判定結果ではあるものの、自車両と障害物との速度差が大きいことから妥当な判定結果である。
しかしながら、自車両が例えば「10km/時」のように低速で移動しているときにあっては、歩行者のような同じく低速で移動する障害物の相対速度との速度差は依然として小さく、上記速度差範囲に収まるため、やはり障害物は停止物であると判定することとなる。自車両が低速度で移動しているときとは通常、市中の走行時など、自車両は歩行者と近接している状況にあることが多い。したがって、実際には移動する障害物を停止物と判定するこの判定結果は、誤った判定結果であり、妥当な判定結果であるとも言い難い。
これに対し、自車速が低い場合には、上記速度差範囲を例えば「1km/時」といったより小さな範囲に設定するなど、自車速に応じて上記速度差範囲を可変に設定することも考えられる。確かに、送信波を照射してから反射波が戻ってくるまでの時間を計測する手法によれば、上記速度差範囲をより小さく設定することは、原理上可能ではある。しかし、実際には自車両と障害物との距離を測定し、これを相対速度に変換し、さらには上記速度差に変換するため、こうした変換の際に測距離誤差が増幅されることがある。そのため、上記速度差範囲を小さく設定することは現実的に難しい。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出対象とする障害物が低速で移動する場合であれ、その移動態様を的確に判定することのできる障害物検出装置及び車両制御システムを提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、自車両から照射した送信波と、該送信波が検出対象である障害物によって反射された反射波とに基づき、前記自車両から前記障害物までの距離、前記自車両を基準とした前記障害物が位置する方位、及び前記自車両を基準とした前記障害物の相対位置をそれぞれ所定の周期で検出するレーダ手段と、前記自車両が前記周期内に移動する移動量を各周期ごとに検出する移動量検出手段と、前記移動量検出手段により検出される前記自車両の前記移動量を前記レーダ手段により検出される前記障害物の相対位置に加味することで前記障害物の絶対位置を前記周期ごとに算出する絶対位置算出手段と、前記絶対位置算出手段によって前記周期ごとに算出される前記絶対位置を複数用いた前記絶対位置のばらつきの広がりに基づき前記障害物の移動態様を判定する判定手段と、を備えることとした。
前記障害物が例えば移動しない停止物である場合にあっては、前記絶対位置算出手段によって前記周期ごとに算出される前記障害物の絶対位置は、座標平面上のある1点(真値)に集中して分布し、ばらつきの程度は小さい。一方、前記障害物が例えば低速度で移動する低速移動物である場合にあっては、前記周期ごとに算出される前記障害物の絶対位置は、ある程度の広がりをもって座標平面上に分布するため、ある程度ばらつくこととなる。他方、前記障害物が例えば高速度で移動する高速移動物である場合にあっては、前記周期ごとに算出される前記障害物の絶対位置は、座標平面上のより広い範囲に分布するため、大きくばらつくこととなる。したがって、車両用障害物検出装置としての上記構成によれば、前記障害物の絶対位置のばらつきの広がりを前記判定手段を通じて参照することにより、例えば前記障害物が停止物であるか、低速移動物であるか、あるいは高速移動物であるかなど、その移動態様を的確に判定することができるようになる。特に、従来難しかった低速移動物の判定についてもこれを的確に行うことができるようになる。なお、前記障害物の移動態様は、その速度のみに限られない。他に例えば、前記障害物の絶対位置が座標平面で直線状に分布している場合、これを直線運動中の移動物であると判定することができるようになる。
ここで、上記請求項1に記載の構成において、例えば請求項2に記載の発明では、前記絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す評価関数を通じてばらつき度合を算出するばらつき度合算出手段をさらに備えるとともに、前記判定手段は、前記ばらつき度合算出手段によって算出される前記ばらつき度合に基づき前記障害物の移動態様を判定することとした。これにより、前記ばらつき度合算出手段によって各周期ごとに算出される前記絶対位置のばらつきのひろがりを客観的に評価することができるようになる。
なお、こうした構成において、例えば請求項3に記載の発明によるように、前記移動量検出手段を、前記自車両の自車速を検出する自車速検出手段と、前記自車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記自車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段とを有して構成することができる。これにより自車両の移動量を精度欲求めることができるようになるので、前記障害物の絶対位置の精度が向上し、ひいては、より正確な広がり(分布)を取得することができるようになる。
上記請求項3に記載の構成において、例えば請求項4に記載の発明によるように、前記ばらつき度合に対して第1の判定値及び該第1の判定値よりも小さい第2の判定値を設定するとともに、前記判定手段により、前記ばらつき度合が前記第1の判定値を超えるとき前記障害物は高速移動物であると判定し、前記ばらつき度合が前記第1の判定値に達せず前記第2の判定値を超えるとき前記障害物は低速移動物であると判定し、前記ばらつき度合が前記第2の判定値に達しないとき前記障害物は停止物であると判定すれば、前記ばらつき度合の前記第1及び第2の判定値への到達態様に基づき前記障害物の移動態様を直接判定することができるようになる。
上述したように、前記障害物の絶対位置のばらつきの広がりを前記判定手段を通じて参照することで、従来難しかった低速移動物をより的確に判定できるようになる。とはいえ、前記レーダ手段の測距誤差は大きく、しかも、低速度領域にある障害物には、例えば歩行者も含まれる。したがって、低速移動物の判定については、より高い信頼性が求められる。
その点、上記請求項4に記載の構成において、例えば請求項5に記載の発明では、前記判定手段は、前記所定の周期で前記障害物の移動態様を判定するとともに、前記ばらつき度合が前記第1の判定値に達せず前記第2の判定値を超える周期が連続して所定数を超えるとき、前記障害物は低速移動物であると判定することとした。これにより、前記障害物が停止物であるか、あるいは低速移動物であるかについての判定を、より慎重に行うことができ、この判定についての信頼性をより高めることができるようになる。
なお、そうした第1の判定値としては、例えば請求項6に記載の発明によるように、前記レーダ手段により検出される前記距離及び前記方位並びに前記自車速検出手段により検出される前記自車速に基づき検出不能な前記障害物の相対速度の上限値に対応する前記ばらつき度合を採用することが望ましい。
一方、上記請求項3に記載の構成において、例えば請求項7に記載の発明では、前記レーダ手段により検出される前記距離及び前記方位並びに前記自車速検出手段により検出される前記自車速に基づき前記障害物の相対速度を検出する相対速度検出手段をさらに備え、前記相対速度検出手段によって検出される前記障害物の前記相対速度と前記自車速検出手段によって検出される前記自車速との速度差に対し所定範囲を設定するとともに前記ばらつき度合に対して判定値を設定し、前記判定手段により、前記速度差が前記所定範囲を逸脱するとき前記障害物は高速移動物であると判定し、前記速度差が前記所定範囲に収まるとともに前記ばらつき度合が前記判定値を超えるとき前記障害物は低速移動物であると判定し、前記速度差が前記所定範囲に収まるとともに前記ばらつき度合が前記判定値に満たないとき前記障害物は停止物であると判定することとした。これにより、前記障害物の移動態様についての判定にかかる適正性を維持しつつ、演算負荷を低減することができるようになる。
これもまた上述したように、前記障害物の絶対位置のばらつきの広がりを前記判定手段を通じて参照することで、従来難しかった低速移動物をより的確に判定できるようになる。しかしながら、やはり前記レーダ手段の測距誤差は大きく、しかも、低速度領域にある障害物には、例えば歩行者も含まれる。したがって、低速移動物の判定については、より高い信頼性が求められる。
その点、上記請求項7に記載の構成において、例えば請求項8に記載の発明では、前記判定手段は、前記所定の周期で前記障害物の移動態様を判定し、前記速度差が前記所定範囲に収まるとともに前記ばらつき度合が前記判定値を超える周期が連続して所定数を超えるとき、前記障害物は低速移動物であると判定することとした。これにより、前記障害物が停止物であるか、あるいは低速移動物であるかについての判定を、より慎重に行うことができ、この判定についての信頼性をより高めることができるようになる。
なお、そうした所定範囲及び判定値としては、例えば請求項9に記載の発明によるように、前記相対速度検出手段により検出可能な前記障害物の相対速度の下限値及び前記相対速度検出手段により検出不能な前記障害物の相対速度の上限値に対応する前記ばらつき度合よりも小さい値を採用することが望ましい。
他方、車両用障害物検出装置に対しては、低速移動物の中から特に歩行者を峻別することが望まれている。その点、上記請求項4〜9のいずれかに記載の構成において、例えば請求項10に記載の発明では、前記レーダ手段は、前記送信波及び前記反射波に基づき前記障害物の大きさを検出し、前記判定手段は、低速移動物であると判定された前記障害物の大きさが所定の大きさよりも小さいとき、前記障害物は歩行者であると判定することとした。これにより、歩行者を正確に峻別することが可能となり、例えば歩行者保護用のエアバックシステムや、プリクラッシュシステムなどの実現が容易になる。
なお、請求項11に記載の発明では、上記請求項1〜10のいずれかに記載の車両用障害物検出装置と、該車両用障害物検出装置を通じて判定される前記障害物の移動態様に応じて前記自車両を制御する車両制御手段とを備えて車両制御システムを構成することとした。これにより、検出対象とする障害物が低速で移動する場合であれ、その移動態様を的確に判定することができることはもとより、自車両を的確に制御することができるようにもなる。
以下、本発明にかかる車両用障害物検出装置及び車両制御システムにかかる一実施の形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお、この実施の形態では、以下に詳述するように、まず、レーザレーダ装置により検出される自車両から障害物までの距離及び自車両を基準とした障害物が位置する方位に基づき、自車両を基準とした障害物の相対位置を所定の周期で検出する。また、車速センサにより検出される自車速、ステアリングセンサにより検出される操舵角、及びヨーレートセンサにより検出されるヨーレートに基づき自車両の移動量を算出し、先に求めた相対位置にこの移動量を加味することで障害物の絶対位置を算出する。そして、障害物の絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す評価関数を通じてばらつき度合を算出し、このばらつき度合に基づき障害物の移動態様を判定する。このようにして、検出対象とする障害物が低速で移動する場合であれ、その移動態様を的確に判定しようとしている。
図1は、本発明にかかる車両制御システムの一実施の形態について、車両用障害物検出装置も含め、その全体構成を示すブロック図である。まず、この図1を参照しつつ、この実施の形態の構成について説明する。
同図1に示されるように、この実施の形態の車両制御システム1は、車両用障害物検出装置としての機能を備えるコンピュータ4を中心に構成されている。コンピュータ4は、マイクロコンピュータを主な構成として、入出力インターフェース(I/O)及び各種の駆動回路や検出回路を有して構成されている。なお、これらは一般的に使用されているため、そのハードウエアに関する詳細な説明を割愛する。
同図1に示されるように、コンピュータ4には、レーザレーダ装置(レーダ手段)5をはじめとして、自車両の速度を検出する車速センサ(自車速検出手段)7、その踏み込み量に応じて自車両に付与される制動力が変化するブレーキペダル(図示略)の設定状態を検出するブレーキスイッチ9、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ11等々が接続されている。そしてこれら各種センサ及びスイッチは、所定の検出データ及びその設定状態に関する情報をそれぞれコンピュータ4へ出力している。
また、コンピュータ4は、例えば障害物が自車両に接近したときにその旨を報知する警報音発生器13、レーダレーダ装置5によって検出された自車両から障害物までの距離を表示する距離表示器15、レーザレーダ装置5に異常がある場合にその旨を報知するセンサ異常表示器17、自車両に制動力を付与するブレーキを駆動するブレーキ駆動器19、吸入空気量を調整するためのスロットル駆動器21、及び自動変速機制御器23等に所定の駆動信号を出力している。
さらに、コンピュータ4には、図1に示されるように、上記警報音発生器13から発せられる警報の音量を設定するための警報音量設定器24、その感度を設定する警報感度設定器25、クルーズコントロールスイッチ26、図示しないステアリングホイールの操作量を検出するステアリングセンサ27、及びヨーレートセンサ28が接続されている。そして、コンピュータ4には、例えばイグニッションスイッチなどの電源スイッチ29が接続されており、そのオン操作を通じて後述する各種所定の処理が実行される。
ここで、図1に示されるように、レーザレーダ装置5は、送受信機31及び該送受信機31を制御する制御部33を有して構成されている。このうち、送受信機31は、制御部33によって制御されることにより、所定の光軸(中心軸)を中心とした車幅方向の所定角度範囲にレーザ光を不連続に掃引照射(スキャン)するとともに、この照射したレーザ光の反射光を捕捉する部分である。そして制御部33は、送受信機31にレーザ光を照射させてからそのレーザ光が自車両の周辺に存在する障害物によって反射される反射光を受信するまでの経過時間を照射角度の別に取得する。そして、照射角度の別に取得した上記経過時間を含め、測距にかかる各種データをコンピュータ4に出力する。なお、送受信機31により照射するレーザビームの形状は、略円形、楕円形、長方形等、どのような形状でもよい。
このように構成されたコンピュータ4は、例えば、
・自車両の周辺に存在する障害物が所定の警報領域に所定時間存在した場合等に警報を発する警報判定処理。
・障害物が、移動しない停止物であるか、低速で移動する低速移動物であるか、あるいは高速で移動する高速移動物であるか等について判定を行う移動態様判定処理。
・移動態様判定処理を通じて低速移動物であると判定された障害物が歩行者であるか否かについて判定を行う歩行者判定処理。
・移動態様判定処理を通じて高速移動物であると判定された障害物が先行車であるか否かについて、及び移動態様判定処理を通じて低速移動物であると判定された障害物が先行車であるか否かについて判定を行う先行車判定処理。
・先行車判定処理を通じて障害物が先行車であると判定された場合には、ブレーキ駆動器19、スロットル駆動器21、及び自動変速制御器23等に駆動信号を出力することにより、先行車の走行状況に応じて車間を制御するクルーズ制御処理。
等々の各種処理を実行する。
図2に、こうしたコンピュータ4の制御ブロック図を示し、この図2を参照して上記各種処理を実行する各要素の機能についてさらに説明する。
車速演算部42は、車速センサ7から車速信号の供給を受けて該車速信号に基づき車速を逐次算出する。同じく、ヨーレート演算部43は、ヨーレートセンサ28からヨーレート信号の供給を受けて該ヨーレート信号に基づきヨーレートを逐次算出する。また、同じく操舵角演算部44は、ステアリングセンサ27から舵角信号の供給を受けて該舵角信号に基づき操舵角を逐次算出する。そしてこれら各演算部42〜44はそれぞれ、物体認識部(絶対位置算出手段)41及びカーブ半径算出部45に演算結果を供給している。
このうち、物体認識部41に対しては、レーザレーダ装置5(正確には制御部33(図1参照))も接続されており、上述した測距にかかる各種データが供給されている。すなわち、物体認識部41は、車速センサ7で検出(正確には車速演算部42で演算)された自車速、ヨーレートセンサ28で検出された(正確にはヨーレート演算部43で演算された)ヨーレート、及びステアリングセンサ27で検出された(正確には操舵角演算部44で演算された)操舵角を用いて、レーザレーダ装置5から供給された各種データを絶対座標系に変換する部分である。
具体的には、物体認識部41は、レーザレーダ装置5から供給されたデータに基づき自車両から障害物までの距離及び自車両を基準とした障害物が位置する方位(角度)を算出する。そして、この距離及び角度から、自車両に対する障害物の相対位置を算出する。また、物体認識部41は、車速演算部42により演算される自車速、ヨーレート演算部43により演算されるヨーレート、及び操舵角演算部44により演算される操舵角に基づいて、自車両の移動量を算出する。そして自車両に対する障害物の相対位置に、こうして求められた移動量を加味することで障害物の絶対位置を算出する。なお、物体認識部41は、レーザレーダ装置5により検出される上記距離及び上記角度の時間的変化に基づき、障害物の相対速度を検出する相対速度検出手段としての機能も併せ有している。また、物体認識部41にて実行される絶対位置の算出にかかる処理等については、図3を参照して後述する。
一方、カーブ半径算出部45は、車速演算部42で演算された自車速、ヨーレート演算部43で演算されたヨーレート、及び操舵角演算部44で演算された操舵角に基づき、カーブ半径(曲率半径)Rを算出する。こうして算出されたカーブ半径Rに関する情報は、車両制御部50に供給されている。
また、センサ異常検出部46は、物体認識部41において絶対座標系に変換されたデータが異常であるかどうかを検出する。そしてそのデータに異常が検出されるとき、センサ異常表示器17にその旨を表示する。
移動態様判定部(判定手段)47は、物体認識部41によって算出される障害物の相対速度と車速演算部42によって算出される自車速との速度差を算出するとともに、物体認識部41によって算出される障害物の絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す評価関数を通じてばらつき度合を算出する。そして、上記速度差が設定した所定範囲を逸脱するとき、障害物は高速移動物であると判定する。また、上記速度差が上記所定範囲に収まるとともに上記ばらつき度合が設定した判定値を超えるとき、障害物は低速移動物であると判定する。また、上記速度差が上記所定範囲に収まるとともに上記ばらつき度合が設定した判定値に満たないとき、障害物は停止物であると判定する。
このような判定方式を採用した理由は、レーザレーダ装置5が測定する距離、さらには、レーザデータ装置5及び各種センサの測定結果に基づいて算出される障害物の絶対位置に誤差が含まれているためである。つまり、レーザレーダ装置5が測定する距離に誤差が含まれることにより、その時間的変化として求められる相対速度も誤差を含む。このため、特に低速で移動する物体について、それが移動物であるか、停止物であるかを精度良く判定することが困難になる。
そこで、この実施の形態では、障害物の絶対位置を算出してそのばらつき度合から低速移動物か停止物かを判定することとした。上述したように、障害物の絶対位置はレーザレーダ装置5の測定結果に基づいて算出されるため、誤差を含む。しかし、複数の絶対位置のばらつきの大きさが上述した誤差に起因する範囲内に収まっている場合には停止物と判定できる。一方、複数の絶対位置のばらつきの大きさが、誤差に起因する範囲を逸脱していると、正確な速度は不明ではあるが、少なくとも低速で移動している低速移動物と判定できる。
このようにして、障害物の移動態様を判定すると、図2に示されるように、歩行者判定部48及び先行車判定部49に対し、その判定結果を出力する。なお、こうした移動態様判定処理の具体的な処理手順については、図5を参照して後述する。
歩行者判定部48は、移動態様判定部47の判定処理を通じて低速移動物であると判定された障害物に対し、その大きさが所定の大きさを超えるか否かを判定することで、この低速移動物が歩行者であるか否かを判定する。そして、低速移動物であると判定された障害物が歩行者でないと判定されるとき、後述する先行車判定部49に対しその判定結果を出力する。一方、移動態様判定部47の判定処理を通じて低速移動物であると判定された障害物が歩行者であると判定されるとき、後述する車両制御部50に対しその判定結果を出力する。なお、こうした歩行者判定処理の具体的な処理手順については、図6を参照して後述する。
先行車判定部49は、上記移動態様判定部47の判定処理を通じて高速移動物であると判定された障害物、上記歩行者判定部48の判定処理を通じて歩行者でない低速移動物であると判定された障害物に対し、その大きさが所定の大きさを超えるか否かを判定する。そしてその大きさが所定の大きさを超えると判定されるとき、この障害物は先行車であると判定し、車両制御部50に対しその判定結果を出力する。なお、こうした先行車判定処理の具体的な判定手順については、図7を参照して低速域クルーズ制御処理と併せて後述する。
車両制御部50は、上記カーブ半径算出部45で算出されたカーブ半径、上記先行車判定部49での判定結果、及び上記歩行者判定部48での判定結果に基づき、警報判定処理及びクルーズ制御処理を実行する。特に、低速域でのクルーズ制御処理については、図7を用いて後述する。
なお、車速演算部42、ヨーレート演算部43、操舵角演算部44、カーブ半径算出部45、センサ異常検出部46、物体認識部41、移動態様判定部47、歩行者判定部48、先行車判定部49、及び車両制御部50は、コンピュータ4のプログラム上で実現される機能である。ここでは、概念的に各種構成要素として説明した。
図3は、検出対象である障害物の位置及び自車両の位置を含めた絶対座標平面を示す図である。次に、この図3を参照して上記物体認識部41にて実行される障害物の絶対位置の算出にかかる処理について説明する。
上記物体認識部41は、基本的には、
(a1)レーザレーダ装置5により検出される距離及び角度に基づき障害物の相対位置を算出する処理。
(a2)ステアリングセンサ27により検出される操舵角及び車速センサ7により検出される自車速に基づき自車両の移動量を算出する処理。
等々の処理を、所定の時間間隔「Δt(例えば100ミリ秒)」毎に実行することで、障害物の絶対座標系の位置(絶対位置)を算出するようにしている。
具体的には、上記(a1)及び(a2)の処理を通じて、下式(1)〜(4)を算出している。
Figure 2008026030
ここで、上式(1)〜(4)において、「xan」は時刻nでの障害物のx軸方向の絶対位置を、「yan」は時刻nでの障害物のx軸方向の絶対位置を、「xn」は時刻nでの障害物のx軸方向の相対位置を、「yn」は時刻nでの障害物のy軸方向の相対位置を、「Vxn」は時刻nでのx軸方向の自車速を、「Vyn」は時刻nでのy軸方向の自車速を、「Δt」は測距周期を、それぞれ表す。
また、上式(1)〜(4)において、時刻nでのx軸方向の自車速「Vxn」及び時刻nでのy軸方向の自車速「Vyn」は、時刻nでの自車速「Vn」及び時刻nでの操舵角「φn」を用いた下式(5)及び(6)に示される関係となっている。
Figure 2008026030
なお、この実施の形態では、現時刻「n」から9時点遡った時刻「n−9」まで、すなわち10時点に渡る各種測距データを使用しているが、このデータ数は任意であり、コンピュータ4に実装されるメモリや演算能力に応じて適宜変更可能な要素である。
このようにして各時点において算出された障害物の絶対位置は、例えば図4(a)〜(c)に示す態様でばらつく(分布する)こととなる。すなわち、障害物が停止物である場合にあっては、図4(a)に示されるように、上記物体認識部41によって所定の周期ごとに算出される障害物の絶対位置は、座標平面上のある1点(真値)に集中して分布し、ばらつきの程度は小さい。一方、障害物が低速度で移動する低速移動物である場合にあっては、図4(b)に示されるように、上記物体認識部41によって所定の周期ごとに算出される障害物の絶対位置は、ある程度の広がりをもって座標平面上に分布するため、ある程度ばらつくこととなる。他方、障害物が例えば高速度で移動する高速移動物である場合にあっては、図4(c)に示されるように、上記物体認識部41によって所定の周期ごとに算出される障害物の絶対位置は、座標平面上のより広い範囲に分布するため、大きくばらつくこととなる。したがって、障害物の絶対位置のばらつきに基づくことで、例えば障害物が停止物であるか、低速移動物であるか、あるいは高速移動物であるかなど、その移動態様を判定することができる。なお、この障害物の移動態様は、その速度のみに限られない。他に例えば、障害物の絶対位置が座標平面で直線状に分布している場合、これを直線運動中の移動物であると判定することができるようにもなる。
そうした移動態様を判定する上記移動態様判定部47について説明する。移動態様判定部47は、上記物体認識部41により所定の周期ごとに算出された障害物の絶対位置に関する複数の情報をもとに、その絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す例えば下式(7)で表される評価関数を通じてばらつき度合Pdを算出する。これにより、移動態様判定部47によって各周期ごとに算出される絶対位置のばらつきのひろがりを客観的に評価することができるようになる。
Figure 2008026030
なお、上式(7)で示される評価関数を採用すると、移動速度が大きくなるほど、すなわち、障害物が高速移動物であるほど、ばらつき度合Pdは大きくなる。一方、移動速度が小さくなるほど、すなわち、障害物が停止物であるほど、ばらつき度合Pdは小さくなる。
図5に、上記移動態様判定部47によって実行される移動態様判定処理の具体的な処理手順を示す。なお、この移動態様判定処理も、所定の時間間隔「Δt(例えば100ミリ秒)」で繰り返し実行されている。
障害物の移動態様判定処理が開始されると、移動態様判定部47は、まず、ステップS501の処理として、上記物体認識部41で算出される障害物の相対速度を取り込む。そして、続くステップS503の処理として、上記相対速度と自車速との速度差を算出する。また、続くステップS505の処理として、上式(1)〜(4)に基づき障害物の絶対位置を算出する。なお、現時点nから所定時点(この実施の形態では9時点)遡った測距データを利用して上式(7)に基づき絶対位置のばらつき度合Pdを算出するため、ステップS507の処理においては、先のステップS505の処理において算出した絶対位置をコンピュータ4等に適宜に設けられるメモリに記憶保持する。
そして、移動態様判定部47は、ステップS509の判断処理において、上記ステップS503の処理で算出された上記速度差が所定範囲(例えば「5km/時」)に収まるかあるいは逸脱するかを判断する。ここで上記速度差が所定範囲を逸脱すると判断されるとき(No)、続くステップS511の処理として、移動態様判定部47は、障害物を高速移動物であると判定する。
一方、先のステップS509の判断処理において、上記速度差が所定範囲内に収まると判断されるとき(Yes)、移動態様判定部47は、続くステップS513の処理に移行し、上式(7)に基づき過去10点について絶対位置のばらつき度合Pdを算出する。こうしてばらつき度合Pdが算出されると、移動態様判定部47は、続くステップS515の判断処理において、ばらつき度合Pdが所定の判定値(例えば「10」)を超えるか否かを判断する。ここで、ばらつき度合Pdが判定値を超えないと判断されるとき(No)、続くステップS517の処理として、障害物を停止物であると判定する。
他方、先のステップS515の判断処理において、ばらつき度合Pdが判定値を超えると判断されるとき(Yes)、移動態様判定部47は、続くステップS519の判断処理として、こうした判断がなされた周期が連続して所定数(例えば「3」)を超えるか否かを判断する。ここで所定数に満たないと判断されるとき(No)、先のステップS517の処理として、障害物を停止物であると判定する。しかしながら、ステップS519の判断処理において、上記周期が連続して所定数を超えると判断されるとき(Yes)、移動態様判定部47は、続くステップS521の処理として、障害物を低速移動物であると判定する。
以上のように、この実施の形態では、高速移動物に対しては、従来から実行されている演算負荷の少ない上記速度差に基づく判定を実行する(ステップS509の判断処理)とともに、この速度差に基づく判定では的確に判定することの難しかった低速移動物に対しては、上記ばらつき度合Pdに基づく判定(ステップS515の判断処理)を実行している。これにより、障害物の移動態様についての判定にかかる適正性を維持しつつ、演算負荷を好適に低減することができる。
また、この実施の形態では、上記速度差が上記所定範囲に収まるとともに上記ばらつき度合Pdが上記判定値を超える周期が連続して所定数を超えるとき(ステップS519の判断処理(図5))、障害物は低速移動物であると判定することとした。これにより、障害物が停止物であるか、あるいは低速移動物であるかについての判定を、より慎重に行うことができ、この判定についての信頼性をより高めることができる。
図6に、上記歩行者判定部48によって実行される歩行者判定処理の具体的な処理手順を示すフローチャートを示す。なお、この歩行者判定処理も、所定の時間間隔「Δt(例えば100ミリ秒)」で繰り返し実行されている。
同図6に示されるように、歩行者判定部48は、まず、ステップS601の判断処理として、上記移動態様判定処理(図5)において障害物は低速移動物であると判定されたか否かを判断する。ここで、低速移動物であると判断されなかったとき(No)、歩行者判定部48は、そのままこの処理を一旦終了する。
一方、先のステップS601の判断処理において、障害物が低速移動物であると判断されたとき(Yes)、歩行者判定部48は、続くステップS603の処理として、上記物体認識部41に対し障害物の横幅を算出させる。続くステップS605の判断処理において、算出された障害物の横幅が所定値(例えば「75cm」)を越えるか否かを判断する。ここで、算出した障害物の横幅が所定値を超えると判断されるとき(Yes)、一般的な歩行者の大きさを超えているため、そのままこの処理を一旦終了する。
他方、ステップS605の判断処理において、先のステップS603の処理にて算出された障害物の横幅が所定値に満たないと判断されるとき(No)、この障害物は低速で移動するとともにその大きさが一般的な歩行者の大きさに近いため、ステップS607の処理として、低速移動物を歩行者であると判定する。
以上説明したこの実施の形態の歩行者判定処理によれば、歩行者を正確に峻別することが可能となり、例えば歩行者保護用のエアバックシステムや、プリクラッシュシステムなどの実現が容易になる。
なお、この実施の形態では、上記所定値として例えば「75cm」を採用したが、これに限られない。他にも上記所定値として例えば「1m」を採用することとしてもよい。要は、歩行者である旨の判断を行うことのできる値であれば任意である。
図7に、車両制御部50によって実行される上記車両制御処理のうち、特に低速域でのクルーズ制御処理について具体的な処理手順を示したフローチャートを示す。
この低速域でのクルーズ制御処理が開始される状況としては、例えば自車両が渋滞の最後尾に着いた状況のように、自車両前方に存在する停止物に衝突しないように自車両を停止させた後、あるいは、例えば渋滞に巻き込まれた先行車が発進と停止を繰り返す状況のように、先行車に追従して自車両を停止させた後が挙げられる。いずれの場合であれ、図7に示す低速域クルーズ制御処理は、自車両が一度停止した後に開始される。なお、この低速域クルーズ制御処理も、所定の時間間隔「Δt(例えば100ミリ秒)」で繰り返し実行されている。また、同図7から明らかなように、ステップS601の判断処理及びステップS603の処理については、先の図6に示す歩行者判定処理の一部に準じた処理であるため、ここでの説明を割愛する。
車両制御部50は、ステップS705の判断処理において、先のステップS603の処理にて算出した障害物の横幅が所定値(例えば「75cm」)を超えるか否かを判断する。ここで、算出された障害物の横幅が所定値を超えると判断されるとき(Yes)、この障害物は低速で移動するとともにその大きさが一般的な歩行者の大きさを超えるため、続くステップS707の処理として、低速移動物を先行車であると判定する。そして、車両制御部50は、先行車が低速で移動しているため、続くステップS709の処理として、自車両を発進させる。
なお、先のステップS601の判断処理において低速移動物と判定されない(No)、あるいは、先のステップS705の判断処理において障害物の横幅が所定値を超えない(Yes)と判断されるとき、車両制御部50は、ステップS711の処理として、自車両の停止状態を維持する。
以上説明したこの実施の形態の低速域クルーズ制御処理によれば、低速で移動する先行車を的確に判定することができないことに起因して先行車が自車両からかなり離れた後にしか自車両を発進させることができなかった従来技術に比して、低速で移動する先行車が発進してからこれに追従して自車両を発進させるまでに必要とされる時間を短縮することができるようになる。
なお、この実施の形態では、上記所定値として例えば「75cm」を採用したが、これに限られない。他にも上記所定値として例えば「1m」を採用することとしてもよい。要は、先行車である旨の判断を行うことのできる値であれば任意である。
(その他の実施の形態)
なお、この発明にかかる車両用障害物検出装置及び車両制御システムは上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記実施の形態では、先の図5に示すように、上記速度差に対する上記所定範囲として例えば「5km/時」を採用するとともに、上記ばらつき度合Pdに対する上記判定値として例えば「10」を採用していたが、これらの値に限られない。上記所定範囲としては、物体認識部41により検出可能な障害物の相対速度の下限値を採用し、上記判定値としては、物体認識部41により検出不能な障害物の相対速度の上限値に対応するばらつき度合よりも小さな値を採用することができる。
また、上記実施の形態では、先の図5に示した移動態様判定処理を上記移動態様判定部47により実行することで障害物の移動態様を判定することとしたが、他に例えば、図8に示す移動態様判定処理を上記移動態様判定部47により実行することで障害物の移動態様判定してもよい。すなわち、図8に示されるように、上記速度差が所定範囲に収まるか逸脱するかを判断したステップS509の判断処理(図5)に替えて、ばらつき度合Pdが第1の判定値(例えば「50」)を超えるか否かを判断するステップS809の判断処理を実行してもよい。これにより、ばらつき度合Pdの第1の判定値及び第2の判定値(例えば「10」、ステップS515aの処理)への到達態様に基づき、障害物の移動態様を直接判定することができるようになる。
なお、この変形例において採用される第1及び第2の判定値も変更可能である。すなわち、上記第1の判定値としては、レーザレーダ装置5により検出される自車両から障害物までの距離及び自車両を基準とした障害物の位置する方位並びに車速センサ7により検出される自車速に基づき検出不能な障害物の相対速度の上限値に対応するばらつき度合を採用することができる。
上記実施の形態(変形例も含む)では、同一の判断が行われた周期が所定数を超えるか否かの判断処理(ステップS519(図5)、あるいはステップS819(図8))を実行していたが、これを割愛してもよい。そもそも、ばらつき度合Pdは、過去所定回数に渡った検出結果に基づく値であるため、その信頼性が高い。したがって、この処理を割愛しても、障害物の移動態様を的確に判断することはできる。
上記実施の形態(変形例も含む)では、移動量検出手段として、自車両の自車速を検出する車速センサ7、自車両の操舵角を検出するステアリングセンサ27、及び自車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ28により構成することとしたが、ステアリングセンサ27及びヨーレートセンサ28のいずれか一方を割愛する構成としても、自車両の移動量を検出することはできる。
上記実施の形態(変形例も含む)では、移動態様判定部47による判定を通じて低速移動物であると判定された障害物が歩行者であるか否かについて判定を行う歩行者判定処理(図6)を実行する歩行者判定部48を備えることとしたが、これを割愛してもよい。割愛した構成によっても、所期の目的を達成することはできる。
上記実施の形態(変形例も含む)では、絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す評価関数として上式(7)で表される関数を採用したが、これに限らない。他に例えば、標準偏差、あるいは分散などの評価関数を適宜に採用することができる。要は、絶対位置のばらつきの広がりを客観的に評価できる評価関数であれば、その関数は任意である。
本発明にかかる車両用障害物検出装置及び車両制御システムの一実施の形態について、その全体の構成を示すブロック図。 同実施の形態で採用されるコンピュータの制御ブロック図。 同実施の形態において、検出対象である障害物の位置及び自車両の位置を含めた絶対座標平面を示す図。 (a)は、検出した障害物が停止物である場合について、その絶対位置のばらつきを示した図。(b)は、検出した障害物が低速移動物である場合について、その絶対位置のばらつきを示した図。(c)は、検出した障害物が高速移動物である場合について、その絶対位置のばらつきを示した図。 同実施の形態において、検出した障害物の移動態様を判定する移動態様判定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態において、低速移動物であると判定した障害物が歩行者であるか否かを判定する歩行者判定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態において、低速移動物であると判定した障害物が先行車であるときに実行される低速度域クルーズ制御処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態の変形例として、検出した障害物の移動態様を判定する移動態様判定処理について、処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…車両制御システム(車両用障害物検出装置)、4…コンピュータ、5…レーザレーダ装置(レーダ手段)、7…車速センサ(自車速検出手段、移動量検出手段)、9…ブレーキスイッチ、11…スロットル開度センサ、13…警報音発生器、15…距離表示器、17…センサ異常表示器、19…ブレーキ駆動器、21…スロットル駆動器、23…自動変速制御器、24…警報音量設定器、25…警報感度設定器、26…クルーズコントロールスイッチ、27…ステアリングセンサ(操舵角検出手段、移動量検出手段)、28…ヨーレートセンサ(ヨーレート検出手段、移動量検出手段)、29…電源スイッチ、31…送受信機、33…制御部、41…物体認識部(絶対位置算出手段、相対位置算出手段、相対速度検出手段)、42…車速演算部、43…ヨーレート演算部、44…操舵角演算部、45…カーブ半径算出部、46…センサ異常検出部、47…移動態様判定部(判定手段、ばらつき度合算出手段)、48…歩行者判定部、49…先行車判定部、50…車両制御部(車両制御手段)。

Claims (11)

  1. 自車両から照射した送信波と、該送信波が検出対象である障害物によって反射された反射波とに基づき、前記自車両から前記障害物までの距離及び前記自車両を基準とした前記障害物が位置する方位を含む前記自車両を基準とした前記障害物の相対位置を所定の周期で検出するレーダ手段と、
    前記自車両が前記周期内に移動する移動量を各周期ごとに検出する移動量検出手段と、
    前記移動量検出手段により検出される前記自車両の前記移動量を前記レーダ手段により検出される前記障害物の相対位置に加味することで前記障害物の絶対位置を前記周期ごとに算出する絶対位置算出手段と、
    前記絶対位置算出手段によって前記周期ごとに算出される前記絶対位置を複数用いた前記絶対位置のばらつきの広がりに基づき前記障害物の移動態様を判定する判定手段と、を備える
    ことを特徴とする車両用障害物検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記絶対位置のばらつきの広がりに応じた大きさの値を返す評価関数を通じてばらつき度合を算出するばらつき度合算出手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記ばらつき度合算出手段によって算出される前記ばらつき度合に基づき前記障害物の移動態様を判定する
    ことを特徴とする車両用障害物検出装置。
  3. 前記移動量検出手段は、前記自車両の自車速を検出する自車速検出手段と、前記自車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記自車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、を有して構成される
    請求項1または2に記載の車両用障害物検出手段。
  4. 前記判定手段は、前記ばらつき度合に対して第1の判定値及び該第1の判定値よりも小さい第2の判定値を設定するとともに、前記ばらつき度合が前記第1の判定値を超えるとき前記障害物は高速移動物であると判定し、前記ばらつき度合が前記第1の判定値に達せず前記第2の判定値を超えるとき前記障害物は低速移動物であると判定し、前記ばらつき度合が前記第2の判定値に達しないとき前記障害物は停止物であると判定する
    請求項3に記載の車両用障害物検出装置。
  5. 前記判定手段は、前記所定の周期で前記障害物の移動態様を判定し、前記ばらつき度合が前記第1の判定値に達せず前記第2の判定値を超える周期が連続して所定数を超えるとき、前記障害物は低速移動物であると判定する
    請求項4に記載の車両用障害物検出装置。
  6. 前記第1の判定値は、前記レーダ手段により検出される前記距離及び前記方位並びに前記自車速検出手段により検出される前記自車速に基づき検出不能な前記障害物の相対速度の上限値に対応する前記ばらつき度合に設定されてなる
    請求項4または5に記載の車両用障害物検出装置。
  7. 請求項3に記載の車両用障害物検出装置において、
    前記レーダ手段により検出される前記距離及び前記方位並びに前記自車速検出手段により検出される前記自車速に基づき前記障害物の相対速度を検出する相対速度検出手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記相対速度検出手段によって検出される前記障害物の前記相対速度と前記自車速検出手段によって検出される前記自車速との速度差に対し所定範囲を設定するとともに前記ばらつき度合に対して判定値を設定し、前記速度差が前記所定範囲を逸脱するとき前記障害物は高速移動物であると判定し、前記速度差が前記所定範囲に収まるとともに前記ばらつき度合が前記判定値を超えるとき前記障害物は低速移動物であると判定し、前記速度差が前記所定範囲に収まるとともに前記ばらつき度合が前記判定値に満たないとき前記障害物は停止物であると判定する
    ことを特徴とする車両用障害物検出装置。
  8. 前記判定手段は、所定の周期で前記障害物の移動態様を判定し、前記速度差が前記所定範囲に収まるとともに前記ばらつき度合が前記判定値を超える周期が連続して所定数を超えるとき、前記障害物は低速移動物であると判定する
    請求項7に記載の車両用障害物検出装置。
  9. 前記所定範囲は、前記相対速度検出手段により検出可能な前記障害物の相対速度の下限値に設定されており、
    前記判定値は、前記相対速度検出手段により検出不能な前記障害物の相対速度の上限値に対応する前記ばらつき度合よりも小さい値に設定されている
    請求項7または8に記載の車両用障害物検出装置。
  10. 前記レーダ手段は、前記送信波及び前記反射波に基づき前記障害物の大きさを検出し、前記判定手段は、低速移動物であると判定された前記障害物の大きさが所定の大きさよりも小さいとき、前記障害物は歩行者であると判定する
    請求項4〜9のいずれか一項に記載の車両用障害物検出装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両用障害物検出装置と、該車両用障害物検出装置を通じて判定される前記障害物の移動態様に応じて前記自車両を制御する車両制御手段と、を備える
    ことを特徴とする車両制御システム。
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