JP2002071808A - 測距装置及びこれを使用した先行車検知システム並びに先行車追従システム - Google Patents

測距装置及びこれを使用した先行車検知システム並びに先行車追従システム

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JP2002071808A
JP2002071808A JP2000257820A JP2000257820A JP2002071808A JP 2002071808 A JP2002071808 A JP 2002071808A JP 2000257820 A JP2000257820 A JP 2000257820A JP 2000257820 A JP2000257820 A JP 2000257820A JP 2002071808 A JP2002071808 A JP 2002071808A
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Masahide Ishigami
雅英 石上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠距離センシングでの必要な性能を維持しつ
つ、また装置の大幅な大型化やコスト増、さらには寿命
低下や制御系の負担増などの弊害を伴うことなく、広視
野な近距離センシングを実現した測距装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光源14から出力されたレーザ光
LAを所定検出エリアに走査して照射するために、レー
ザ光LAを反射する位置に配置されて揺動駆動される投
光用ミラーとして、光が正反射する正反射ミラー16a
と、光が拡散反射する拡散反射ミラー16bとを切替可
能に設け、遠距離センシングでは正反射ミラー16aを
使用し、近距離センシングでは拡散反射する拡散反射ミ
ラー16bを使用できる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両におけ
る前方障害物の監視や先行車に対する追従走行或いは車
間距離監視等に使用されるレーザ方式の測距装置(レー
ザレーダ)に係わり、特に遠距離センシングでの必要な
性能を維持しつつ、また装置の大型化などの弊害を伴う
ことなく、広視野な近距離センシングを実現した測距装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両における前方障害物の監視や追従走
行制御等のための測距装置の一つとしては、レーザ方式
のもの(即ち、レーザレーダ)が開発されており、例え
ば四輪自動車においては既に実用化されて一部車種では
標準装備されている。これは、車両前方の所定エリア内
の対象物に対してレーザ光を通常水平方向(左右方向)
に走査して照射し、その反射波の受光までの時間などか
ら、被検出物の自車両に対する位置データ(少なくとも
走行方向及び横方向の位置が特定できるデータ)を求
め、さらに必要に応じて対象物の大きさ(例えば、横
幅)や速度などを求める装置である。ところで、従来の
レーザレーダは、図6(a)に示すように、距離性能や
左右方向分解能を上げるため、レーザ光源1の光軸上に
配置したレンズ2によってレーザ光の指向性(広がり)
を抑えている。また、レーザ光は直接前方に発光するの
ではなく、図6(a)に示すように、筐体内部の鏡面体
(投光用ミラー3)に向かって発光し鏡面反射を利用し
て前方に照射している。さらに、この投光用ミラー3を
モータ等の駆動機構4により水平方向に揺動させること
により、レーザ光を左右に走査させ、レーザレーダの水
平方向の視野(左右視野)を確保している。そして、従
来のレーザレーダは主に高速走行での自動追従など(先
行車との距離が遠距離の場合の自動追従や定速走行な
ど、即ち遠距離センシング)を目的としているため、長
距離の測定を行わなければならない。そのため、数10
m先での自車線と他車線の識別、及び先行車の認識がで
きる性能が必要となり、左右方向分解能としては1°以
下の性能を確保している(図6(a)参照)。一方、視
野については、数10m先で自車線と左右他車線の識別
ができる程度で良いため、広視野は確保されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年で
は、高速走行時の自動追従等以外に、通常走行時の先行
車への追従や、渋滞時に先行車に対して数m程度の車間
距離を維持しつつ始動停止を繰り返す渋滞追従(いわゆ
る「Stop&Go」)のための近距離センシングがニ
ーズとして広がってきている。ところが、このニーズに
対して従来のレーザレーダそのままで対応しようとして
も、第1の問題として左右視野の不足が挙げられる。例
えば、車線幅を3mとした時、従来の方式では、10m
先で左右視野が2.5m〜3.0m程度であるため、1
0m以下の車間距離では先行車の認識を行うことが困難
となってくる。これは、この種の装置では、通常、自動
車後部の左右両側に設置されている二つのリフレクタ
(反射部材)からの反射光によって先行車を認識してい
るためであり、先行車に近づきすぎると、図6(b)に
示すように、これら二つのリフレクタが自車両5の左右
視野の外側の死角6に外れてしまうからである。
【0004】なお、この問題に関しては、例えば図6
(a)において、投光用ミラー3の揺動角を広げれば解
決できる。しかしこの場合には、投光用ミラー3の駆動
機構(モータなど)の駆動回路、及びこの駆動ユニット
の制御ソフトを変更する必要がある。また、上述したよ
うに揺動角度を広げて単純に左右視野角を広げた場合、
レーザ光そのものの広がり角(指向性)に起因する問題
が発生する。即ち、従来の方式では、自車線と他車線の
識別、及び先行車の認識を行うために、前述したように
レーザ光を集光して広がり角そのものを抑えている。例
えば、左右方向については、図6(c)に示すように
0.1°以下とされ、また上下方向については、図6
(d)に示すように5°以下とされている。これは、レ
ーザ光の広がり角が少ないほど左右方向の分解能が向上
し、道路形状認識、車線識別、先行車認識等の精度が高
速走行時の追従制御に必要な高レベルまで高められるた
めである。しかし、レーザ光の広がり角が少ないほど
(左右方向の分解能が高いほど)、左右視野全体をカバ
ーするためにより多数のレーザ光を発光する必要があ
り、単純に左右視野角(投光用ミラーの揺動角)を広げ
ると、1回の走査におけるレーザ光源の発光回数(及
び、これに対応する反射光のサンプリング回数)が著し
く増加する問題がある。なお、1回の走査におけるレー
ザ光源の発光回数が増加すると、レーザ光源を構成する
レーザダイオードなどの寿命が低下するとともに、制御
処理に要する時間も長くなり制御系の負担が増加する
(逆にいうと、高速な処理能力が要求される)などの実
害がある。
【0005】また、第2の問題として、上下方向の視野
(上下視野)の不足が挙げられる。即ち、上下視野につ
いては、投光用ミラーの揺動角を広げても変化せず、レ
ーザ光そのものの広がり角に依存しているため、車両後
部に設置されているリフレクタの高さ位置によっては、
先行車に近づきすぎると、リフレクタが上下視野から外
れてしまう問題がある。例えば、先行車7がトラックで
ある場合、図7(a)に示すように自車両5と先行車7
の車間距離が相当あるときには、先行車7のリフレクタ
8は自車両5の上下視野内にあるが、図7(b)に示す
ように自車両5と先行車7の車間距離が数m程度に近づ
くと、先行車7のリフレクタ8は自車両5の上下視野外
に外れてしまい、先行車7を認識できなくなってしま
う。このように、従来のレーザレーダでは、前述した近
距離センシングのニーズに対応しようとすると、単純に
左右視野を広げても、レーザ光そのものの広がり角とい
う制約から、レーザ光源の寿命の低下や制御系の負担増
などの問題に加え、場合により先行車のリフレクタが上
下視野から外れて測定不能になってしまう問題がある。
【0006】なお、上述の問題を解決するために、近距
離センシング用に別途センサ(例えば、近距離センシン
グ用のレーザ光の投光部)を設ける手法も提案されてい
るが、二つのセンサを有することは装置の大幅な大型化
及びコスト増につながる。またこの場合、センサの調整
作業(例えば、レーザ光を照射する検出エリアの位置を
車体に対して正確に設定するための光軸調整)を二つの
センサについてそれぞれ行わなければならない問題もあ
る。また、従来のレーザレーダの構成のままで近距離セ
ンシングを行おうとすると、レーザ光の広がりを抑えて
いる関係上、適正に反射光が入射しても反射光の強度が
強すぎて受光できず、結局、測距装置としての測定が不
能になる恐れもある。そこで本発明は、遠距離センシン
グでの必要な性能を維持しつつ、また装置の大幅な大型
化やコスト増、さらには寿命低下や制御系の負担増など
の弊害を伴うことなく、広視野な近距離センシングを実
現した測距装置及びこれを使用した先行車検知システム
並びに先行車追従システムを提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による測距装置
は、レーザ光源から出力されたレーザ光を、揺動駆動さ
れる投光用ミラーで反射させることにより、所定の検出
エリアに対し走査して照射するとともに、このレーザ光
が前記検出エリアにある被検出物に当たって反射してな
る反射光を受光し、この反射光に基づいて前記被検出物
の測距データを生成する測距装置において、前記投光用
ミラーとして、光が正反射する正反射ミラーと、光が拡
散反射する拡散反射ミラーとを切替可能に設けたもので
ある。ここで、「測距データ」とは、例えば、被検出物
の反射点(レーザ光が当たって反射した箇所)までの距
離データと被検出物の反射点の方位データを含むデータ
であり、少なくとも被検出物の反射点の相対位置を特定
できるデータを含むものである。また、「正反射」と
は、反射の前後で光束の広がり角が変化しない形態の反
射を意味し、「拡散反射」とは、反射の前後で光束の広
がり角が増大する形態の反射を意味する。そして、この
ような拡散反射を実現する拡散反射ミラーの具体例とし
ては、例えば、凸面ミラー、凹面ミラー、或いは粗面ミ
ラー(表面の凹凸によって、光を乱反射させるもの)が
ある。なお、走査は、投光側のみ行ってもよいが、受光
効率向上のための受光側についても行う構成でもよい。
また走査は、対象物の水平方向の位置や大きさを測定す
るため、前述した従来技術のように基本走査方向として
少なくとも水平方向に行えばよい(水平方向のみの1次
元走査方式でもよい)が、上下方向にも走査を行う2次
元走査方式でもよい。なお、2次元走査方式であると対
象物の上下方向(即ち、高さ方向)の位置データも得ら
れ、例えば先行車がトラックか普通車かなどがより信頼
性高く判別できるようになる。また走査は、正反射ミラ
ーの場合にのみ行い、拡散反射ミラーの場合には行わな
い態様でもよい。
【0008】この発明によれば、遠距離センシングの場
合には、投光用ミラーとして正反射ミラーを使用して、
遠距離センシングに好ましい広がり角と強度をもったレ
ーザ光を検出エリアに照射し、一方、近距離センシング
を行う場合には、投光用ミラーとして拡散反射ミラーを
使用して、レーザ光を拡散させて検出エリアに照射する
ことが可能となる(近距離センシングに好ましい大きな
広がり角と低い強度のレーザ光を照射できる)。この結
果、遠距離センシングでの必要な性能(遠距離での高い
分解能)を維持しつつ、近距離センシングでの格段の広
視野化を実現し、近距離センシングにおいて反射光の強
度が強すぎて受光できない問題も回避できる。しかも、
近距離センシングのために投光用ミラーの揺動角を単に
広げる構成ではなく、また近距離センシング用に別途セ
ンサを設ける必要もないので、装置の大幅な大型化やコ
スト増、さらには寿命低下や制御系の負担増、或いは調
整作業の大幅増加などの弊害を生じることがないという
実用上優れた利点が得られる。
【0009】なお、拡散反射ミラーによる拡散反射で
は、走査方向(例えば、水平方向)のみならず走査方向
に直角な方向(例えば、上下方向)にもレーザ光の広が
り角を増大させることができるので、1次元走査方式で
あっても、各方向での測定不能の可能性(前述したよう
に、例えば先行車のリフレクタが視野外となってしまう
可能性含む)を大幅低減できる。また、拡散反射ミラー
を使用すると、レーザ光自体が格段に走査方向に広がり
をもつので、正反射ミラーの場合よりも発光回数を多量
に間引くことが可能となり、1回の走査におけるレーザ
光源の発光回数が格段に低減できる(或いは、近距離セ
ンシングでの走査自体を行わなくてもよくなる)。この
結果、近距離センシング時の制御処理時間を大幅低減
し、制御系の負担を格段に低減できるとともに、レーザ
光源の劣化を抑制して装置全体の高寿命化にも貢献でき
る。また、発光回数を間引いて、正反射ミラーの場合よ
りも投光用ミラーの揺動角度(走査角度)を広げること
によって、さらに左右視野を広げることも問題なく可能
となる。また、拡散反射ミラーを使用すると、レーザ光
が広がって単位面積当たりのレーザ光の強度が弱まるこ
とになるため、近距離センシングにおける視覚障害に対
する安全性も向上する利点もある。
【0010】また、この発明の好ましい態様は、前記正
反射ミラーと拡散反射ミラーを、一体の反射板の一面側
と他面側にそれぞれ形成し、前記反射板を反転駆動する
ことによって、前記正反射ミラーと拡散反射ミラーを切
り換える構成としたものである。このような構成である
と、正反射ミラーと拡散反射ミラーを構成する部材が一
つになる(即ち、一個の反射板のみとなる)ので、各ミ
ラーを別体として構成する場合に比較して、部品点数の
増加を抑制でき、コストの増加がより低減できる効果が
ある。特に、前記反射板を反転駆動する駆動機構と、前
記投光用ミラーとして前記反射板を揺動駆動する駆動機
構(投光側の走査のための駆動機構)とを、共通の機構
として構成した場合には、従来の構成に対して部品点数
が全く増加せず、コスト増もほとんどなくなる。さらに
この場合には、近距離センシング用と遠距離センシング
用の光軸調整を別個に行う必要が全くなく、例えば正反
射ミラーのみについて従来どおりの光軸調整を行えば、
拡散反射ミラー使用時(即ち、近距離センシング時)の
光軸も正確に調整されてしまうため、調整作業の増加が
全く生じないという利点もある。
【0011】また、この発明の好ましい別の態様は、前
記正反射ミラーと拡散反射ミラーを、一体のポリゴンミ
ラーのいずれかの面にそれぞれ形成し、前記ポリゴンミ
ラーを回転駆動することによって、前記正反射ミラーと
拡散反射ミラーを切り換える構成としたものである。こ
のような構成であると、各ミラーがやはり一つの部材で
構成できるとともに、投光側の走査のための駆動機構
と、正反射ミラー又は拡散反射ミラーに切り換えるため
の駆動機構とが、やはり一つの機構(上記ポリゴンミラ
ーを回転駆動する駆動機構)で構成でき、部品点数やコ
スト増をほとんど伴わずに前述した各種利点(近距離セ
ンシングの広視野化等)を実現する測距装置が実現でき
る。
【0012】また、この発明による先行車検知システム
(或いは、先行車追従システム)は、車両の前方が前記
検出エリアとなるように車両に設けられた本発明の測距
装置と、この測距装置を制御するとともに、この測距装
置によって得られた前記測距データに基づいて先行車の
存在とその位置を判定する制御処理手段(或いは、前記
測距データに基づいて先行車の存在とその位置を判定
し、この判定結果に従って車両の加減速或いは始動停止
を自動制御する制御処理手段)とを備えた車両における
システムであって、動作モードとして、先行車が比較的
遠距離にあるときに使用される遠距離モードと、先行車
が比較的近距離にあるときに使用される近距離モードと
が設定され、前記制御処理手段が、前記遠距離モードで
は前記正反射ミラーを前記投光用ミラーとして使用し、
前記近距離モードでは前記拡散反射ミラーを前記投光用
ミラーとして使用するものである。
【0013】このため、車間距離が長い高速走行時など
では、遠距離モードに設定して正反射ミラーを使用し、
高速走行時などに好ましい広がり角と強度をもったレー
ザ光を検出エリアに照射して先行車検知や先行車追従を
行い、一方、車間距離が短い渋滞走行時などでは、近距
離モードに設定して拡散反射ミラーを使用し、レーザ光
を拡散させて検出エリアに照射して先行車検知や先行車
追従を行うことが可能となる(渋滞走行時などに好まし
い大きな広がり角と低い強度のレーザ光を照射して先行
車検知や先行車追従を実行できる)。この結果、先行車
検知や先行車追従を、車間距離が長い高速走行時などに
おいても、また車間距離が短い渋滞走行時などにおいて
も、信頼性高く良好に実現できる。しかも、本発明の測
距装置を使用しているから、前述したように、装置の大
型化やコスト増、さらには寿命低下や制御系の負担増な
どの弊害を生じることがない。
【0014】なお、「先行車追従システム」には「先行
車検知システム」が当然に含まれるが、「先行車検知シ
ステム」は、必ずしも先行車に対する追従制御に限ら
ず、例えば先行車との車間距離が所定値以下となったこ
とを運転者に知らせる警報システムなどにも適用可能で
ある。また、前記遠距離モード又は前記近距離モードへ
の切り換えは、低コスト化の観点からは、車両に設けら
れた操作部の人的操作に従って行われる構成が好ましい
が、使用者の利便性向上の観点からは、自車両や先行車
の車速や、自車両から先行車までの車間距離に基づく前
記制御処理手段の制御によって自動的に行われる構成と
することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて説明する。まず、本形態例の先行車追
従システム(測距装置及び先行車検知システムを含む)
の構成を、図1(a)などにより説明する。本システム
は、車両(例えば、四輪自動車)に設けられ、先行車を
検知して先行車が所定の距離範囲内に検知された場合に
は、その先行車に所定の車間距離を保ちつつ自動追従す
るシステム(先行車がいないときには例えば定速走行す
るシステム)であり、投光機構部11と、受光機構部1
2と、制御部13とよりなる。なお、これら投光機構部
11と受光機構部12と制御部13は、共通のユニット
内に設けられていてもよいが、例えば、投光機構部11
と受光機構部12に相当するユニット(検出ヘッド部
分)だけが所定部位(例えば、車体前部)に設けられ、
制御部13が他の部位(例えば、エンジンルーム内)に
別個のユニットとして設けられているといったように、
分割配置された構成でもよい。また本システムは、先行
車が比較的遠距離にあるとき(高速走行時など)に使用
される遠距離モードと、先行車が比較的近距離にあると
き(この場合、渋滞時などの低速走行時)に使用される
近距離モードのうちの何れかの動作モードで、先行車追
従動作を自動的に実現するシステムであり、この場合、
車両に設けられた図示省略の操作部(押しボタンなど)
により何れかの動作モードの開始が指令されると機能す
るシステムである。何れかの動作モードの開始を指令す
る際(或いは何れかの動作モードの実行中)には、最低
限維持すべき車間距離や、先行車が存在しないときに実
行する定速走行の速度などを、使用者が、所定範囲内で
任意に設定(或いは設定変更)できるように構成されて
いてもよい。
【0016】投光機構部11は、発光部11aと走査部
11bとよりなる。発光部11aには、例えば赤外線レ
ーザを発光するレーザダイオード14(レーザ光源)
と、このレーザダイオード14から出力されたレーザ光
(通常、30°程度の広がり角を有するもの)を集光し
て、水平方向が0.1°程度で上下方向が5°程度の広
がり角を有するレーザ光LAに変換する光学系15とが
備えられている。一方、走査部11bは、レーザ光LA
を反射させて装置前方(車両前方)に出射させる反射板
16と、この反射板16を水平方向に揺動駆動又は反転
駆動する駆動機構17とよりなる。なお、光学系15
は、必ずしも一つのレンズで構成されている必要はな
い。また、レーザ光源自体からの出力光の広がり角が十
分狭いものであれば、光学系15は不要である。ここ
で、反射板16は、例えばアルミニウムなどの素材より
なり両表面を鏡面加工したもので、その一面側が平面状
の鏡面とされて正反射ミラー16aを構成しており、そ
の他面側が凸面状の鏡面とされて拡散反射ミラー16b
を構成している。なお、拡散反射ミラー16の仕様は、
図1(b)に示すように拡散反射ミラー16で反射して
拡散した後のレーザ光LBによる左右視野角が、好まし
くは70°〜80°程度(2m先で車線幅である3m程
度の幅に広がる角度)となり、また上下方向のレーザ光
自体の広がり角が、2m先にある大型トラックのリフレ
クタが測定範囲内(即ち、上下方向の検出エリア内)に
位置する角度となるように設定されている。
【0017】また、駆動機構17は、この場合いわゆる
ガルバノモータよりなる。ガルバノモータは、周知のよ
うに、例えば、軸中心線の両側がN極又はS極の磁性を
帯びた材料よりなるロータと、このロータの周囲に配置
された複数の励磁用コイルとよりなり、回転位置検出用
のホール素子を内蔵するもので、各励磁用コイルの電流
を操作してロータの回転位置(或いは、回転速度など)
をフィードバック制御することで、リニアリティーの点
で良好な揺動(最大70°程度の揺動)を実現できるモ
ータである。また、このガルバノモータは、ロータの揺
動角を制限する機械的ストッパのない構成とした上で、
各励磁用コイルの電流を制御することで、ロータを18
0°反転させることもできる。本実施の形態では、この
ような反転が可能で、その結果、投光用ミラー(レーザ
光LAを走査のために反射させるミラー)が、正反射ミ
ラー16a又は拡散反射ミラー16bのいずれか一方に
切り換えられる構成となっている。
【0018】また、受光機構部12は、受光素子18
と、この受光素子18に効率良く反射光を入射させるた
めの受光用光学系(図示省略)とよりなる。次に、制御
部13は、駆動回路21と、制御回路22と、信号処理
部23とよりなり、本発明の制御処理手段を構成してい
る。ここで、駆動回路21には、制御回路22の制御に
従ってレーザダイオード14に電力供給してレーザダイ
オード14を発光させる駆動回路と、制御回路22の制
御に従って駆動機構17(ガルバノモータ)に電力供給
して駆動機構17を作動させる駆動回路と、駆動機構1
7の回転位置検出器(この場合、前述のホール素子)か
らの検出信号を必要に応じて形態変換して制御回路22
に入力するための入力回路とが含まれる。また、信号処
理部23は、受光素子18の出力信号を必要に応じて形
態変換して制御回路22に入力するための入力回路より
なる。また図示省略しているが、制御回路22には、車
両に設けられた車速センサの検出信号が入力されてお
り、さらにこの制御回路22からは、車両の加減速を制
御する制御ユニット(例えば、エンジン制御システムや
ブレーキ制御システムの制御ユニット)や運転者に警報
を与える表示やブザー音などの出力を制御する制御ユニ
ットに制御信号が出力される構成となっている。
【0019】そして、制御回路22は、例えばマイクロ
コンピュータ(以下、マイコンという)を含む回路で、
予め設定されたプログラム(ソフトウエア)に従って所
定の制御処理を実行する回路(本発明の制御処理手段の
中心的要素)であり、この場合、次のような制御処理機
能を有するものである。すなわち、まず、遠距離モード
の先行車追従動作が指令された場合には、レーザ光LA
が正反射ミラー16aで正反射するように必要に応じて
反射板16を反転させた後、レーザ光LAを走査して前
方の所定検出エリアに照射するための投光機構部11の
制御(レーザ光照射の開始終了の制御、反射板16の揺
動動作の制御)を行うとともに、受光機構部12による
レーザ光(反射光)の受光結果(反射波の受光の有無
や、反射波の強度や、投光から受光までの時間、或いは
その際の照射方向(走査方向)のデータなど)を順次読
み取り、ノイズの除去処理やグルーピング処理(例えば
自動車の場合、左右のリフレクタが別個の対象物として
観測されるので、これらを一つの自動車のものとして取
りまとめるといった処理)を行い、処理後の情報から対
象物の存在又は種類(又は大きさ)や位置データ或いは
速度データなどの情報(例えば、他の自動車が自車線上
の前方50m先に存在し速度70km/hで走行してい
るなどを示す情報)を検知する。そして、例えば、自車
線上前方の設定車間距離近く(或いは設定車間距離未
満)を他の自動車や二輪車(即ち、先行車)が自車より
も低速で走行している場合には、エンジン制御システム
の制御ユニットに制御信号を出力して、エンジンブレー
キで自車両を減速させる制御を実行する。また、自車両
が設定速度よりも低速で走行していて、自車線上前方の
設定車間距離以上離れた位置を先行車が自車よりも高速
で走行している場合(或いは、設定車間距離を越える所
定距離範囲内に先行車が全く存在しない場合)には、前
記制御ユニットに制御信号を出力して、自車両を設定速
度を越えない範囲内で加速させる制御(或いは、その後
自車両を設定速度で定速走行させる制御)を実行する。
【0020】上記制御によれば、設定された速度範囲内
で車間距離を設定値付近に維持しながら先行車に追従
し、先行車がいないときには、設定された速度で定速走
行する遠距離モードの追従動作が実現される。そしてこ
の際には、図1(a)に示すように、投光用ミラーとし
て正反射ミラー16aが使用され、照射されるレーザ光
は、図2(a)に示す如く、広がり角が従来どおり狭い
レーザ光LAとなる。なお、上記遠距離モードの先行車
追従動作の場合の水平方向の走査角度は、反射板16の
揺動角度の制御によって、従来どおり(例えば、16°
程度)とされており、この結果、数10m先で自車線と
左右他車線の識別ができる程度の狭い左右視野となって
いる。また、安全性確保の観点や装置の不必要な稼働に
よる寿命低下防止等の観点から、所定の設定速度以上の
高速で自車両が走行していない場合には、上記遠距離モ
ードの先行車追従動作が指令されても、例えば運転者に
対するエラー警告(表示やブザー音などによるもの)を
出力して、上述の制御(即ち、先行車追従動作の制御)
を行わない構成とすることが好ましい。
【0021】次に、近距離モードの先行車追従動作が指
令された場合、制御回路22は、図3に示す制御処理を
行う。まず、レーザ光LAが拡散反射ミラー16bで拡
散反射して広がり角の広いレーザ光LBとなるように必
要に応じて反射板16を反転させ(ステップS1)、次
いで、自車両の車速が近距離モードに適した設定速度
(この場合、15Km/h)未満であるか否か判定して
(ステップS2)、設定速度未満である場合にはその後
の処理(ステップS3以降)に進み、設定速度以上であ
る場合にはエラー警告を出力するとともに動作モード
(近距離モード)を解除して処理を終了する(ステップ
S4)。また、ステップS2で、自車両の車速が設定速
度未満である場合には、先行車の挙動を認識する処理
(測距動作のための制御処理)を行う(ステップS
3)。即ち、拡散反射ミラー16bによりレーザ光LB
を走査して前方の所定検出エリアに照射するための投光
機構部11の制御を行うとともに、受光機構部12によ
るレーザ光(反射光)の受光結果を順次読み取り、ノイ
ズの除去処理やグルーピング処理を必要に応じて行い、
処理後の情報から対象物の存在又は種類(又は大きさ)
や位置データ或いは速度データなどの情報を同様に検知
する。
【0022】そして、自車線上前方の先行車が停止して
いる(速度ゼロ)か、或いは減速していると判定された
場合には、ブレーキ制御システムの制御ユニットに制御
信号を出力して、自車両を減速させる制御(例えば、設
定時間だけ設定強度でブレーキを作動させる制御)を実
行し(ステップS5〜S7)、減速後に先行車との車間
距離Lが設定値(例えば2m)未満である場合にはさら
に自車両を停止させる制御を実行する(ステップS8,
S9)。なお、減速後に車間距離Lが設定値未満でない
場合には、ステップS3に戻って処理を繰り返す。ま
た、自車線上前方の先行車が加速していると判定された
場合には、さらに車間距離Lが設定値(例えば5m)を
越えているか否か判定し、設定値を越えている場合に
は、自車両を始動又は加速させる制御を実行する(ステ
ップS11,S12)。なお、車間距離Lが設定値(例
えば5m)以下である場合には、自車両の車速を維持し
て走行するか或いは停止状態のままに維持して、ステッ
プS3に戻って処理を繰り返す。また、車間距離Lが設
定値を越えていて自車両を加速させた場合には、その後
ステップS2に戻って処理を繰り返す。即ち、自車両の
車速が近距離モードに適した設定速度(この場合、15
Km/h)未満であるか否か判定して(ステップS
2)、設定速度未満である場合にはその後の処理(ステ
ップS3以降)を再度実行し、設定速度以上である場合
には近距離モードが解除される旨の警告を出力するとと
もに近距離モードを解除して処理を終了する(ステップ
S4)。
【0023】上記制御によれば、低速走行時(渋滞時な
ど)において、車間距離を最低限の設定値(2m)付近
に維持しながら先行車に追従し、先行車が自車から設定
値(5m)を越えて離れて加速したときには、これに応
じて自車両も加速するという近距離モードの追従動作
(いわゆる「Stop&Go」)が実現される。そして
この際には、図1(b)に示すように、投光用ミラーと
して拡散反射ミラー16bが使用され、照射されるレー
ザ光は、図2(b)に示す如く広がり角が格段に拡大さ
れたレーザ光LBとなる。なお、上記近距離モードの先
行車追従動作の場合の水平方向の走査角度は、従来どお
り(例えば、16°程度)とされていてもよいが、レー
ザ光LB自体の大きな広がり角の分だけ、従来よりも走
査角度を狭く制御してもよい(場合によっては、走査、
即ち反射板16の揺動駆動をしなくてもよい)し、発光
回数を間引いて逆に走査角度を広く制御してもよい。ま
た、レーザ光LB自体の広がり角が大きいので、一回の
走査における発光回数は、その分格段に低減できる。但
し、遠距離モード時との制御内容の統一化の観点等から
は、発光回数を低減しないで、受光した反射光のサンプ
リング頻度を間引くようにしてもよい。
【0024】以上説明した本形態例の測距装置及び先行
車追従システムでは、上述したように、遠距離センシン
グ(遠距離モードの際の測距動作)の場合には、投光用
ミラーとして正反射ミラー16aを使用して、遠距離セ
ンシングに好ましい広がり角と強度をもったレーザ光を
検出エリアに照射し、一方、近距離センシング(近距離
モードの際の測距動作)を行う場合には、投光用ミラー
として拡散反射ミラー16bを使用して、レーザ光を拡
散させて検出エリアに照射することが可能となる(近距
離センシングに好ましい大きな広がり角と低い強度のレ
ーザ光を照射できる)。この結果、遠距離センシングで
の必要な性能(遠距離での高い分解能)を維持しつつ、
近距離センシングでの格段の広視野化(近距離センシン
グでの視野の狭さによる測定不能の不具合回避)を実現
し、近距離センシングにおいて反射光の強度が強すぎて
受光できない問題も回避できる。したがって、先行車検
知や先行車追従を、車間距離が長い高速走行時などにお
いても、また車間距離が短い渋滞走行時などにおいて
も、信頼性高く良好に実現できる。しかも、近距離セン
シングのために投光用ミラーの揺動角を単に広げる構成
ではなく、また近距離センシング用に別途センサを設け
る必要もないので、装置の大幅な大型化やコスト増、さ
らには寿命低下や制御系の負担増、或いは調整作業の大
幅増加などの弊害を生じることがないという実用上優れ
た利点が得られる。
【0025】なお、拡散反射ミラー16bによる拡散反
射では、走査方向(例えば、水平方向)のみならず走査
方向に直角な方向(上下方向)にもレーザ光の広がり角
を増大させることができるので、1次元走査方式であっ
ても、各方向での測定不能の可能性(前述したように、
例えば先行車のリフレクタが視野外となってしまう可能
性含む)を大幅低減できる。特に、本形態例では、前述
したように拡散反射ミラー16bの仕様や近距離モード
における走査角度が設定されているため、2m程度の近
距離にいる先行車(少なくとも自車線上の先行車)をも
検知して、追従走行制御等に活かすことが可能である。
また、近距離センシングにおいては、レーザ光自体が格
段に走査方向に広がりをもつので、正反射ミラーをその
まま使用する場合よりも発光回数を相当間引くことが可
能となり、1回の走査におけるレーザ光源の発光回数が
格段に低減できる(或いは、近距離センシングでの走査
自体を行わなくてもよくなる)。この結果、近距離セン
シング時の制御処理時間を大幅低減し、制御系の負担を
格段に低減できるとともに、レーザ光源の劣化を抑制し
て装置全体の高寿命化にも貢献できる。また、発光回数
を間引いて、正反射ミラーの場合よりも投光用ミラーの
揺動角度(走査角度)を広げることによって、さらに左
右視野を広げることも問題なく可能となる。また、拡散
反射ミラー16bを使用することにより、レーザ光が広
がって単位面積当たりのレーザ光の強度が弱まることに
なるため、近距離センシング時には、視覚障害に対する
安全性も向上する利点もある。
【0026】また、本実施の形態では、正反射ミラー1
6aと拡散反射ミラー16bを、一体の反射板16の一
面側と他面側にそれぞれ形成し、反射板16を反転駆動
することによって、正反射ミラー16aと拡散反射ミラ
ー16bを切り換える構成としたものである。このた
め、正反射ミラーと拡散反射ミラーを構成する部材が一
つになる(即ち、一個の反射板16のみとなる)ので、
各ミラーを別体として構成する場合に比較して、部品点
数の増加を抑制でき、コストの増加がより低減できる効
果がある。特に本形態例の場合には、反射板16を反転
駆動する駆動機構と、投光用ミラーとして反射板16を
揺動駆動する駆動機構(投光側の走査のための駆動機
構)とを、共通の機構として駆動機構17のみによって
構成しているため、従来の構成に対して部品点数が全く
増加せず、コスト増はほとんどない。さらにこの場合に
は、近距離センシング用と遠距離センシング用の光軸調
整を別個に行う必要が全くなく、例えば正反射ミラー1
6aのみについて従来どおりの光軸調整を行えば、拡散
反射ミラー16b使用時(即ち、近距離センシング時)
の光軸も正確に調整されてしまうため、調整作業の増加
が全く生じないという利点もある。
【0027】なお、本発明は上記形態例に限られず、課
題を解決するための手段の欄でも既述したように、各種
の態様や変形があり得る。例えば、反射板としては、図
2(c)に示すように、正反射ミラー41aが一面側に
形成され、他面側に凹面状の拡散反射ミラー41bが形
成された反射板41を使用してもよいし、図2(d)に
示すように、正反射ミラー42aが一面側に形成され、
他面側に粗面状の拡散反射ミラー42bが形成された反
射板42を使用してもよい。また、上記形態例では、遠
距離モード又は近距離モードへの切り換えが車両に設け
られた操作部の人的操作に従って行われる構成としてい
る。しかし、使用者の利便性向上のためには、車速や先
行車までの車間距離に基づく制御部13(制御処理手
段)の制御によって自動的に行われる構成としてもよ
い。また、前記形態例では、本発明の測距装置を使用し
た先行車追従システムのみを示したが、障害物監視(例
えば、自車線上の静止物を判定し、衝突の恐れがある場
合に運転者に警告を与えるもの)や、或いは車間距離監
視(例えば、先行車との距離が既定値以下になると、運
転者に警告するもの)の処理を、追従走行制御の代わり
に、或いは追従走行制御とともに行う先行車検知システ
ムとしての構成も当然あり得る。また、本発明の制御処
理手段(例えば、上記形態例における制御部13)が、
例えば、測距装置を制御して測距データを生成する部分
と、この測距データに基づいて先行車追従制御などを行
う部分とに分割された、複数のユニットから構成されて
いてもよい。
【0028】また、図4(a)〜(d)に示すように、
いわゆるポリゴンミラー(回転多面鏡)を使用して本発
明を構成することもできる。即ち、ポリゴンミラー31
のいずれかの面に、正反射ミラー32と拡散反射ミラー
33をそれぞれ形成し、ポリゴンミラー31をDCブラ
シレスモータなどの駆動機構34で一方向に回転駆動
し、いずれかのミラー32又は33で常にレーザ光の照
射(或いは受光した反射光のサンプリング)が行われる
ように発光タイミングやサンプリングタイミングを制御
することによって、正反射ミラー32又は拡散反射ミラ
ー33の使用を切り換える構成としてもよい。このよう
な構成でも、各ミラーがやはり一つの部材で構成できる
とともに、投光側の走査のための駆動機構と、正反射ミ
ラー又は拡散反射ミラーに切り換えるための駆動機構と
が、やはり一つの機構(上記ポリゴンミラーを回転駆動
する駆動機構34)で実質的に構成でき、部品点数やコ
スト増をほとんど伴わずに前述した各種利点(近距離セ
ンシングの広視野化等)を実現する測距装置或いはこれ
を含む先行車追従システム等が実現できる。なお、上述
したポリゴンミラーを使用する場合にも、高いリニアリ
ティー(この場合、定速回転性)を確保する観点から
は、MR素子やフォトインタラプタ等よりなる回転位置
検出器を設けて、例えばポリゴンミラー33の回転速度
をフェードバック制御することが好ましい。例えば、図
4(d)には、スリット付き円盤35を駆動機構34を
構成するモータの回転軸に取り付け、このスリット付き
円板35のスリットを検出する位置にフォトインタラプ
タ36を設置してなる回転位置検出器の例を示した。こ
の場合、円板35のスリット幅を一部広くしておくこと
で、フォトインタラプタ36の出力から判定可能な原点
位置を設定することができ、その結果、絶対的回転位置
が検知可能となり、レーザ光LAがポリゴンミラー33
のどの位置で反射しているかを常に把握可能となる。
【0029】また、近距離センシングにおいては、前述
したグルーピング処理などを特に行わない簡単なロジッ
クで、自車線上の先行車のみならず、隣の車線上の先行
車をも検知して車両の先行車検知或いは先行車追従(又
は、より広い意味での自動走行)を行うようにすること
もできる。例えば、図5(a),(b)に示すように、
近距離センシング(近距離モード)の場合に、一回の走
査で5本のレーザ光LB(中央が、その左右両隣が
、外側の左右両側が)を前方に照射し、隣の車線に
も検出エリアが広がる構成とすればよい。この構成であ
ると、の部分では先行車を通常どおり認識できる。こ
の場合、たとえの部分に二輪車が走行していたとして
も、これは自車線上の先行車として認識すべきであるた
め問題ない。また、この種の先行車検知システムでは、
既述したように、車両後部に設置されている左右2個の
リフレクタを認識することによって先行車(四輪自動
車)を認識しているため、の部分になんらかの被検出
物が存在してる場合、或いは、の部分に存在していた
被検出物がの部分に移動したと判定される場合には、
自車線上前方に車両(二輪車又は四輪自動車)が存在し
ていると判定可能である。また、常にの部分(例えば
左側)に存在して遠方から近づいてくるものは、自車線
上の端を走行する二輪車として判定できる。また、被検
出物がからへと移動してくるような場合には、他車
線からレーンチェンジしてくる車両(二輪車又は四輪自
動車)と判断できる。そしてこのような場合には、ハン
ドル操作若しくは減速が必要であることを、運転者に対
してブザー音等で警告するシステムとすればよい。ちな
みに、渋滞時の追従走行などでは、前述した形態例(図
3参照)のように先行車が前方に停止していれば止める
といった程度の簡単な制御で良いため、高速走行時のよ
うな危険回避のための詳細な先行車の位置情報は必要と
しない。よって、上述したような僅かな発光回数と簡単
なロジックで先行車の存在や挙動を把握し、先行車検知
や先行車追従が実現できる。
【0030】
【発明の効果】この発明による測距装置は、遠距離セン
シングの場合には、投光用ミラーとして正反射ミラーを
使用して、遠距離センシングに好ましい広がり角と強度
をもったレーザ光を検出エリアに照射し、一方、近距離
センシングを行う場合には、投光用ミラーとして拡散反
射ミラーを使用して、レーザ光を拡散させて検出エリア
に照射することが可能となる(近距離センシングに好ま
しい大きな広がり角と低い強度のレーザ光を照射でき
る)。この結果、遠距離センシングでの必要な性能(遠
距離での高い分解能)を維持しつつ、近距離センシング
での格段の広視野化を実現し、近距離センシングにおい
て反射光の強度が強すぎて受光できない問題も回避でき
る。しかも、近距離センシングのために投光用ミラーの
揺動角を単に広げる構成ではなく、また近距離センシン
グ用に別途センサを設ける必要もないので、装置の大幅
な大型化やコスト増、さらには寿命低下や制御系の負担
増などの弊害を生じることがないという実用上優れた利
点が得られる。
【0031】また、この発明の先行車検知システム或い
は先行車追従システムは、車間距離が長い高速走行時な
どでは、遠距離モードに設定して正反射ミラーを使用
し、高速走行時などに好ましい広がり角と強度をもった
レーザ光を検出エリアに照射して先行車検知や先行車追
従を行い、一方、車間距離が短い渋滞走行時などでは、
近距離モードに設定して拡散反射ミラーを使用し、レー
ザ光を拡散させて検出エリアに照射して先行車検知や先
行車追従を行うことが可能となる(渋滞走行時などに好
ましい大きな広がり角と低い強度のレーザ光を照射して
先行車検知や先行車追従を実行できる)。この結果、先
行車検知や先行車追従を、車間距離が長い高速走行時な
どにおいても、また車間距離が短い渋滞走行時などにお
いても、信頼性高く良好に実現できる。しかも、本発明
の測距装置を使用しているから、前述したように、装置
の大型化やコスト増、さらには寿命低下や制御系の負担
増などの弊害を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】測距装置を含むシステム構成及び動作を説明す
る図である。
【図2】拡散反射ミラーの作用や他の形態例を説明する
図である。
【図3】近距離モードでの先行車追従制御を示すフロー
チャートである。
【図4】測距装置の他の形態例を示す図である。
【図5】測距装置の近距離センシングの運用方法を説明
する図である。
【図6】従来の構成及び問題点を説明する図である。
【図7】従来の他の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
11 投光機構部 12 受光機構部 13 制御部(制御処理手段) 14 レーザダイオード(レーザ光源) 16,41,42 反射板 16a,41a,42a 正反射ミラー 16b,41b,42b 拡散反射ミラー 17,34 駆動機構 31 ポリゴンミラー 32 正反射ミラー 33 拡散反射ミラー
フロントページの続き Fターム(参考) 2F112 AD01 BA03 CA05 DA09 DA15 FA03 FA12 FA45 GA10 5H180 AA01 CC03 CC14 LL01 LL04 LL09 5J084 AA02 AA05 AA10 AB01 AC02 AD01 BA04 BA13 BA49 BB02 BB04 BB22 BB23 BB26 BB27 CA31 CA69 CA71 CA72 DA01 DA07 EA07 EA22 EA23 EA29

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から出力されたレーザ光を、
    揺動駆動される投光用ミラーで反射させることにより、
    所定の検出エリアに対し走査して照射するとともに、こ
    のレーザ光が前記検出エリアにある被検出物に当たって
    反射してなる反射光を受光し、この反射光に基づいて前
    記被検出物の測距データを生成する測距装置において、 前記投光用ミラーとして、光が正反射する正反射ミラー
    と、光が拡散反射する拡散反射ミラーとを切替可能に設
    けたことを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 前記拡散反射ミラーは、凸面ミラーであ
    ることを特徴とする請求項1記載の測距装置。
  3. 【請求項3】 前記拡散反射ミラーは、凹面ミラーであ
    ることを特徴とする請求項1記載の測距装置。
  4. 【請求項4】 前記拡散反射ミラーは、粗面ミラーであ
    ることを特徴とする請求項1記載の測距装置。
  5. 【請求項5】 前記正反射ミラーと拡散反射ミラーを、
    一体の反射板の一面側と他面側にそれぞれ形成し、前記
    反射板を反転駆動することによって、前記正反射ミラー
    と拡散反射ミラーを切り換える構成としたことを特徴と
    する請求項1乃至4の何れかに記載の測距装置。
  6. 【請求項6】 前記反射板を反転駆動する駆動機構は、
    前記投光用ミラーとして前記反射板を揺動駆動する駆動
    機構と共通の機構であることを特徴とする請求項5記載
    の測距装置。
  7. 【請求項7】 前記正反射ミラーと拡散反射ミラーを、
    一体のポリゴンミラーのいずれかの面にそれぞれ形成
    し、前記ポリゴンミラーを回転駆動することによって、
    前記正反射ミラーと拡散反射ミラーを切り換える構成と
    したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の
    測距装置。
  8. 【請求項8】 車両の前方が前記検出エリアとなるよう
    に車両に設けられた請求項1乃至7の何れかに記載の測
    距装置と、 この測距装置を制御するとともに、この測距装置によっ
    て得られた前記測距データに基づいて先行車の存在とそ
    の位置を判定する制御処理手段とを備えた先行車検知シ
    ステムであって、 動作モードとして、先行車が比較的遠距離にあるときに
    使用される遠距離モードと、先行車が比較的近距離にあ
    るときに使用される近距離モードとが設定され、 前記制御処理手段が、前記遠距離モードでは前記正反射
    ミラーを前記投光用ミラーとして使用し、前記近距離モ
    ードでは前記拡散反射ミラーを前記投光用ミラーとして
    使用することを特徴とする先行車検知システム。
  9. 【請求項9】 前記遠距離モード又は前記近距離モード
    への切り換えは、車両に設けられた操作部の人的操作に
    従って行われることを特徴とする請求項8記載の先行車
    検知システム。
  10. 【請求項10】 前記遠距離モード又は前記近距離モー
    ドへの切り換えは、車速や先行車までの車間距離に基づ
    く前記制御処理手段の制御によって自動的に行われるこ
    とを特徴とする請求項8記載の先行車検知システム。
  11. 【請求項11】 車両の前方が前記検出エリアとなるよ
    うに車両に設けられた請求項1乃至7の何れかに記載の
    測距装置と、 この測距装置を制御するとともに、この測距装置によっ
    て得られた前記測距データに基づいて先行車の存在とそ
    の位置を判定し、この判定結果に従って車両の加減速或
    いは始動停止を自動制御する制御処理手段とを備えた先
    行車追従システムであって、 動作モードとして、先行車が比較的遠距離にあるときに
    使用される遠距離モードと、先行車が比較的近距離にあ
    るときに使用される近距離モードとが設定され、 前記制御処理手段が、前記遠距離モードでは前記正反射
    ミラーを前記投光用ミラーとして使用し、前記近距離モ
    ードでは前記拡散反射ミラーを前記投光用ミラーとして
    使用することを特徴とする先行車追従システム
  12. 【請求項12】 前記遠距離モード又は前記近距離モー
    ドへの切り換えは、車両に設けられた操作部の人的操作
    に従って行われることを特徴とする請求項11記載の先
    行車追従システム。
  13. 【請求項13】 前記遠距離モード又は前記近距離モー
    ドへの切り換えは、車速や先行車までの車間距離に基づ
    く前記制御処理手段の制御によって自動的に行われるこ
    とを特徴とする請求項11記載の先行車追従システム
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