JPH09158967A - ガススプリング - Google Patents

ガススプリング

Info

Publication number
JPH09158967A
JPH09158967A JP7344394A JP34439495A JPH09158967A JP H09158967 A JPH09158967 A JP H09158967A JP 7344394 A JP7344394 A JP 7344394A JP 34439495 A JP34439495 A JP 34439495A JP H09158967 A JPH09158967 A JP H09158967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cylinder
groove
gas spring
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7344394A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Koyaizu
博 小柳津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
Original Assignee
SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHOWA AUTO ENG, Showa Corp filed Critical SHOWA AUTO ENG
Priority to JP7344394A priority Critical patent/JPH09158967A/ja
Priority to AU74096/96A priority patent/AU709713B2/en
Priority to EP96119450A priority patent/EP0781938B1/en
Priority to DE69619781T priority patent/DE69619781T2/de
Priority to US08/753,996 priority patent/US5797593A/en
Publication of JPH09158967A publication Critical patent/JPH09158967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/32Details
    • F16F9/34Special valve constructions; Shape or construction of throttling passages
    • F16F9/346Throttling passages in the form of slots arranged in cylinder walls
    • F16F9/3465Slots having a variable section along their length
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F2224/00Materials; Material properties
    • F16F2224/04Fluids
    • F16F2224/046Fluids pneumatic

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンの伸び切り時の制動を緩やかにして
上記伸び切り時の衝撃を低減できるようにすること。 【解決手段】 ロッド22の一端に固着されたピストン
23が摺動自在に配設されるシリンダ21の内周には、
ストッパ部30近傍を除くピストンのストローク域にシ
リンダの軸方向に延びるシリンダ溝29が形成され、更
に、シリンダのストッパ部近傍にエアロック室が形成可
能とされて伸長過程伸び切り時の制動が実施されるガス
スプリング20において、上記シリンダ溝は溝幅Wが一
定で、溝深さHがストッパ部近傍へ向かい徐々に減少す
る断面略四角形状の角溝に形成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪自動車の後部
ドア等の開閉に使用されるガススプリングに関する。
【0002】
【従来の技術】四輪自動車等では、一般に、後部ドアを
車体との間で水平軸まわりに開閉できるようにし、この
後部ドアと車体との間にガススプリングを介装し、この
ガススプリングの付勢力(アシスト力)で後部ドアの開
放時に必要とされる力を軽減できるようにしている。
【0003】このガススプリングは、後部ドアが閉まっ
た状態でシリンダが上に、ロッドが下にくるようにした
倒立型がよく用いられる。この倒立型ガススプリング
は、後部ドアと車体との間に取り付ける方法によって、
図13に示す倒立押し上げタイプと、図14に示す倒立
反転タイプとに分けられる。
【0004】図13に示す倒立押上げタイプのガススプ
リング1は、四輪自動車の後部ドア2側にシリンダ3
を、車体側にロッド4をそれぞれ取り付けたものであ
り、取付姿勢がほぼ垂直となって、主にワンボックスタ
イプのワゴン車等の後部ドアに使用される。この場合に
は、後部ドア2を閉じたときと開いたときとで、シリン
ダ3とロッド4との上下位置関係が変化しない。
【0005】また、図14に示す倒立反転タイプのガス
スプリング1は、四輪自動車の車体側にシリンダ3を、
後部ドア2側にロッド4をそれぞれ取り付けたものであ
り、後部ドア2が閉まった状態で取付姿勢が斜めとなっ
て、乗用車等の後部ドア2に使用される。この場合に
は、後部ドア2を閉じたときと開いたときとで、シリン
ダ3とロッド4との上下位置関係が反転する。
【0006】このような倒立型のガススプリング1は、
シリンダ3内に封入したガス5の密封性を良好にできる
という利点があることから広く使用されている。つま
り、シリンダ3内には、ガス5とともに少量のオイル6
が封入されており、倒立型のガススプリング1では、図
13に示すように、後部ドア2が閉まった状態で、上記
オイル6がシリンダ3の下部に溜って、この下部開口に
配設されたガスシール7が上記オイル6によって適正に
潤滑されることから、シリンダ3内の封入ガス5が、こ
のガスシール7により良好にシールされるからである。
【0007】上述のような倒立型のガススプリング1で
は、図15(A)に示すように、ガススプリング1の圧
縮過程において、ピストン側室8Aのガス5が、ピスト
ン9の外周側流路10とオリフィス孔11とを通って、
ロッド側室8Bへ流れるので、減衰力が殆ど発生せず、
後部ドア2を迅速に閉めることができる。
【0008】また、図15(B)に示すガススプリング
1の伸長過程においては、ピストン9の外周に嵌装され
たピストンリング12が外周側流路10を閉塞するの
で、ロッド側室8B内のガス5がピストン9のオリフィ
ス孔11のみを経てピストン側室8Aへ流れ、この間に
伸側減衰力が発生する。ガススプリング1の伸長過程で
は、ピストン側室8A内の封入ガス5の圧力(ガス反
力)等によりガススプリング1の伸長方向のアシスト力
がロッド4に作用するが、上記伸側減衰力によりロッド
4の伸長方向への移動速度(伸び速度)がコントロール
されて、後部ドア2は適正速度で押し上げられる。
【0009】更に、上述のガススプリング1では、伸長
過程における伸び切り時に、図13(C)に示すよう
に、シリンダ3内のオイル6がピストン9のオリフィス
孔11を流れ、このときの大きな減衰抵抗によりガスス
プリング1の伸び切り時の制動が実施される。
【0010】しかしながら、上述のようにオイル6を用
いて伸び切り時の制動を実施する場合、図13に示す倒
立押し上げタイプのガススプリング1では不具合が生じ
ないが、図14に示す倒立反転タイプのガススプリング
1においては、次の〜の不具合がある。
【0011】後部ドア2が開くにつれシリンダ3が下
に、ロッド4が上に位置するよう反転するので、反転位
置付近から、ロッド側室8B内のオイル6がピストン9
のオリフィス孔11を通ってピストン側室8A内へ流動
し、伸び切り域では、ロッド側室8B内にオイル6が不
足して制動が不十分となり、ピストン9がシリンダ3の
開口端側に激しく衝突し車体が揺れる不具合がある。
【0012】また、反転位置より少し上方の位置まで
後部ドア2を閉じた後、再度後部ドア2を開ける場合に
も、オイル6がピストン側室8Aへ移動してしまってロ
ッド側室8B内にオイル6が不足しているので、伸び切
り時の制動が不十分となり、ピストン9がシリンダ3の
開口端側に激しく衝突する不具合がある。
【0013】更に、後部ドア2を開く際には、反転位
置付近からロッド側室8B内のオイル6がピストン側室
8Aへ流動し始めるので、オリフィス孔11にオイル6
が流れてオリフィス孔での流動抵抗が増し、その結果、
伸側減衰力が増大して、ロッド4の伸び速度が減少し、
後部ドア2の開く速度が遅くなる不具合もある。
【0014】また、オイル6はオリフィス孔11にて
発生する伸側減衰力に影響を与えるので、オイル6の封
入量、オイル6の温度、ガススプリング1の取付姿勢、
封入ガス5の反力等によって伸側減衰力が変動してしま
う。
【0015】上述の不具合を解消するために、伸び切り
時の制動をガス(エア)のみによって実施するガススプ
リング13が特開昭53-1764 号公報(図16)に開示さ
れている。このガススプリング13は、シリンダ14内
に、ガスシール7の潤滑にのみ必要十分なごく少量のオ
イル6を封入し、シリンダ14の内周に、ピストン側室
8Aとロッド側室8Bとを連通するシリンダ溝15を軸
方向に切り欠いて形成し、ピストン16に内側オリフィ
ス孔17Aと外側オリフィス孔17Bとを貫通して形成
したものである。
【0016】このガススプリング13では、圧縮過程に
おいてピストン側室8A内のガス5がシリンダ溝15、
内側オリフィス孔17A及び外側オリフィス孔17Bを
通ってロッド側室8B内へ流れるので減衰力が殆ど発生
しない。伸長過程においては、ピストン16に設けられ
たリップ18が外側オリフィス孔17Bを閉塞するの
で、ロッド側室8B内のガス5がシリンダ溝15及び内
側オリフィス孔17Aを通ってピストン側室8Aに流れ
る間に伸側減衰力が発生する。更に、ガススプリング1
3では伸長過程における伸び切り時に、ピストン16が
シリンダ溝15の形成されていない領域(エアロック
域)に至って、シリンダ14の開口端側のガスシール7
及びロッドガイド19と上記ピストン16との間でエア
ロック室を形成し、内側オリフィス孔17Aを流れるガ
ス5の流動抵抗によってのみ伸び切り時の制動(エアロ
ック)を実施している。
【0017】ところで、上記ガススプリング13のシリ
ンダ溝15は、図17に示すように、シリンダ14の外
方へ膨出した三角形状の三角溝であるものが知られてい
る。この三角溝のシリンダ溝15は、ガススプリング1
3の伸長端へ向うにつれて溝幅wと溝深さhとが徐々に
減少するように形成され、ガススプリング13の伸び切
り時に急激に制動が始まることを防止している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリン
ダ溝15を三角溝とした場合、この三角溝の断面積S1
(図17)はシリンダ14のエアロック域へ向い、溝深
さhと溝幅wの両方に比例して急激に減少する二次比例
の形状となって変化率が大きいので(図9の破線A
1 )、この三角溝をガス5が流動する際に生ずる減衰力
も(二次的)に急激に変化(増大)する。このため、シ
リンダ溝15を三角溝とするガススプリング13にあっ
ては、伸長過程においてピストン16がエアロック域へ
向かって移動する際に、エアロック域へ入る手前で減衰
力(制動)が急激に増大し、ピストン16の伸び速度が
急激に減速され、ピストン16がエアロック域へ突入す
るときの衝撃が増大してしまう。
【0019】図18は、ガススプリング13におけるピ
ストン16のストロークL1 縦軸及びガススプリング1
3が設置された後部ドア2に作用する衝撃加速度G1
(縦軸)と時間(横軸)との関係を示すグラフである。
このグラフによれば、ガススプリング13の伸長過程で
ピストンストロークL1 が増大し、エア減衰絞り域中の
点a1 で、このピストンストロークL1 が急激に減速
し、後部ドア2に作用する衝撃加速度が0.4Gと急激に増
大していることが分かる。
【0020】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、ピストンの伸び切り時の制動を緩や
かにして上記伸び切り時の衝撃を低減できるガススプリ
ングを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一端が閉塞されガスが封入されたシリンダの他端開
口部にシール・案内部材が配設され、一端にピストンを
備えたロッドが、上記シール・案内部材を介し、上記ピ
ストンとともに上記シリンダ内に摺動自在に配設され、
上記シリンダ内には、上記ロッドを伸長方向へ付勢する
付勢手段が設けられ、上記ピストンの外周にシール部材
が嵌装されて上記シリンダ内がロッド側室とピストン側
室とに区画され、上記シリンダの内周には、伸長端近傍
を除く上記ピストンのストローク域に上記シリンダの軸
方向に延びるシリンダ溝が形成され、伸長過程で上記ロ
ッド側室から上記シリンダ溝を経て上記ピストン側室へ
前記ガスが流動する間に伸側減衰力が発生し、更に、上
記シリンダの伸長端近傍に、上記ピストンと上記シール
・案内部材に囲まれてエアロック室が形成可能とされ
て、伸長過程伸び切り時の制動が実施されるガススプリ
ングにおいて、上記シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深
さが上記伸長端近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形
状の角溝に形成されたものである。
【0022】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記シリンダ溝の溝深さは、シリンダ
の伸長端近傍へ向い上記シリンダの軸方向に沿って湾曲
して形成されたものである。
【0023】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、ピストンには、ロッド側室とピ
ストン側室とを連通する流路が形成され、圧縮過程での
み上記流路を開くチェック弁が配設されたものである。
【0024】請求項4に記載の発明は、一端が閉塞され
ガスが封入されたシリンダの他端開口部にシール、案内
部材が配設され、一端にピストンを備えたロッドが、上
記シール、案内部材を介し、上記ピストンとともに上記
シリンダ内に摺動自在に配設され、上記ピストンにてシ
リンダ内がロッド側室とピストン側室とに区画され、上
記シリンダ内には、上記ロッドを伸長方向へ付勢する付
勢手段が設けられ、上記シリンダの内周とピストン外周
との間にピストン両側の室を連通する環状の流路が形成
され、ピストンの外周に環状溝が形成され、この環状溝
に前記環状の流路を圧縮行程時にのみ開くチェック弁が
介装され、上記シリンダの内周には、伸長端近傍を除く
上記ピストンのストローク域に上記シリンダの軸方向に
延びるシリンダ溝が形成され、伸長過程で上記ロッド側
室から上記シリンダ溝を経て上記ピストン側室へ前記ガ
スが流動する間に伸側減衰力が発生し、更に、上記シリ
ンダの伸長端近傍に、上記ピストンと上記シール・案内
部材に囲まれてエアロック室が形成可能とされて、伸長
過程伸び切り時の制動が実施されるガススプリングにお
いて、上記シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深さが上記
伸長端近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形状の角溝
に形成されたものである。
【0025】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記チェック弁がOリングであるもの
である。
【0026】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深さがシリンダの
伸長端近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形状の角溝
に形成されたことから、上記伸長端近傍へ向かって減少
する断面積変化率が小さい。このため、ガススプリング
の伸長過程で、エア減衰絞り域にピストンが突入する際
の制動が緩やかになり、このエア減衰絞り域突入時にお
ける衝撃を低減できる。
【0027】請求項2に記載の発明には、次の作用があ
る。シリンダ溝の溝深さが、シリンダの伸長端近傍へ向
いシリンダの軸方向に沿って湾曲して形成されたことか
ら、シリンダ溝の断面積変化率がより一層小さくなる。
このため、ピストンがエア減衰絞り域へ突入する際の制
動がより一層緩やかになって、エア減衰絞り域突入時の
衝撃を一層低減できる。
【0028】請求項3に記載の発明には、次の作用があ
る。ピストン部材に形成された流路が、圧縮過程でのみ
チェック弁により開かれることから、この圧縮過程では
減衰力が殆ど発生せず、このガススプリングの圧縮過程
を迅速に実施できる。
【0029】請求項4及び5に記載の発明には、次の作
用がある。シリンダの内周とピストン外周との間にピス
トン両側の室を連通する環状の流路が形成され、ピスト
ンの外周に環状溝が形成され、この環状溝に前記環状の
流路を圧縮行程時にのみ開くチェック弁が介装され、シ
リンダの内周に溝が形成されているので、ピストンを中
実構造とし、このピストンにオリフィス孔やオリフィス
溝を形成する必要がない。また、ピストンの外周の環状
溝にチェック弁としてのOリングを介装した場合でも、
シリンダの角溝がOリングの食い込みにより狭められる
ことがなく、角溝形状のシリンダ溝により良好な伸側減
衰力を発生させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るガススプリ
ングの一つの実施の形態を示す半断面図である。図2
は、図1のシリンダを示す断面図である。図3は、図1
のピストンを示す断面図である。図4は、図3のIV矢視
図である。図5は、図2のV-V 線に沿い90度回転して示
す断面図である。図6は、図5のVI部拡大断面図であ
る。図7は、図2のVII-VII 線に沿う断面図である。図
8は、シリンダ溝を模式的に示す斜視図である。図9
は、シリンダ溝の断面積変化率とエア減衰絞り域のピス
トンストロークとの関係を示すグラフである。図10
は、ピストンストローク及び衝撃加速度と時間との関係
を示すグラフである。図11は、図6のシリンダ溝の変
形例を示す断面図である。図12は、ピストン密度とエ
アロック域の伸び速度との関係を示すグラフである。
【0031】図1に示すガススプリング20は、自動四
輪車に使用されるものであり、特に倒立反転タイプのガ
ススプリングとして適用されるものである。このガスス
プリング20は、一端が閉塞されたシリンダ21内に、
ロッド22の一端に加締め固定されたピストン23が摺
動自在に配設されたものである。シリンダ21のブラケ
ット24が四輪乗用自動車の車体側に、ロッド22の他
端が同自動車の後部ドアにそれぞれ取り付けられる。
【0032】シリンダ21内には、ガスとしてのエア2
5が封入されるとともに、シリンダ21の他端開口部に
ロッドガイド26及びガスシール27が配設される。ロ
ッドガイド26によって、ピストン23の上記摺動に伴
うロッド22の移動が案内され、また、ガスシール27
によりエア25の漏洩が防止される。シリンダ21内に
は、ガスシール27を潤滑してシール性を良好に維持す
るために必要十分な程度のごく微少量のオイルが封入さ
れている。
【0033】シリンダ21内は、上記ピストン23によ
り、ロッド22が収容されたロッド側室28Bと、ロッ
ド22が収容されていないピストン側室28Aとに区画
される。これらの両室28A及び28Bにエア25が封
入されているが、これらの室28A又は28B内のエア
25の圧力(エア反力)は、ピストン23の受圧面積に
比例することから、ピストン側室28A側のエア反力が
ロッド側室28B側のエア反力よりもロッド22の断面
積分だけ大きくなる。従って、ガススプリング20の伸
長過程で、上記エア反力が、ロッド22及びピストン2
3をガススプリング20の伸長方向へ付勢する付勢力
(アシスト力)として作用し、エア25が付勢手段とし
て機能する。
【0034】また、シリンダ21の内周には、図1及び
図2に示すように、シリンダ溝29が形成されている。
このシリンダ溝29は、シリンダ21内周をロール成形
等の塑性加工にて外方へ膨出することにより形成された
ものである。一方、シリンダ21には、ロッドガイド2
6及びガスシール27の配設位置近傍にストッパ部30
が、ロール成形により直径方向に縮径して形成されてい
る。ピストン23は、上記ストッパ部30に当接してそ
れ以上の伸長方向の移動が規制され、ピストン23がス
トッパ部30に当接する位置がピストン23の伸長端と
なる。上記シリンダ溝29は、この伸長端近傍を除くピ
ストン23の略全ストローク域にわたり、シリンダ21
の軸方向に延在して形成される。
【0035】また、溝29はシリンダ21の一端の閉塞
端側はロッド22の最圧縮時にピストン23の外周に嵌
装したシール部材としてのOリング34が位置する部分
から形成され、溝29を介してOリング34にて区画さ
れたピストン23両側の室が連通するようになってい
る。また、この溝29はシリンダ21の全くの閉塞端部
迄形成しても良い。
【0036】上記ピストン23は、図3及び図4に示す
ように、その外周に環状溝31が切削して形成されて、
外周部が第1フランジ部32Aと第2フランジ部32B
とに区分される。この第2フランジ部32Bに、環状溝
31とロッド側室28Bとを連通可能とする切欠部33
が形成される。従って、上記環状溝31は、第1フラン
ジ部32Aと、第2フランジ部32Bのうち切欠部33
が形成されていない部分との間に形成されており、この
環状溝31に、弾性に富むシール部材としてのOリング
34が嵌着される。
【0037】Oリング34は、シリンダ21の内周面に
密着するとともに、環状溝31の底面31Aとの間に隙
間を残すようにして環状溝31に嵌着される。従って、
ピストン23の第1フランジ部32Aの外周、環状溝3
1及び切欠部33とシリンダ21の内周との間に流路3
5が形成される。上記Oリング34は、ガススプリング
20の伸長過程では第1フランジ部32Aの壁面36に
当接して上記流路35を閉鎖し、ガススプリング20の
圧縮過程で第2フランジ部32Bの壁面37に当接し
て、上記流路35を開くチェック弁として機能する。
【0038】従って、ガススプリング20の伸長過程で
は、ピストン23の上記流路35がOリング34により
閉塞され、ロッド側室28B内のエア25はシリンダ溝
29のみを通ってピストン側室28Aへ至り、このエア
25がシリンダ溝29を通るときの流動抵抗により伸側
減衰力が発生する。ガススプリング20の伸長過程で
は、ピストン側室28A内のエア反力によりピストン2
3及びロッド22にアシスト力が作用し、これらのピス
トン23及びロッド22が伸長方向に移動するが、この
ときのピストン23及びロッド22の伸び速度が上記伸
側減衰力により適正にコントロールされる。
【0039】また、ガススプリング20の圧縮過程で
は、ピストン23の流路35が確保され、ピストン側室
28A内のエア25は、上記流路35とシリンダ溝29
との両方を流れてロッド側室28B内へ流入するので、
この圧縮過程では減衰力が殆ど発生せず、ガススプリン
グ20は迅速に圧縮される。
【0040】さて、上記シリンダ溝29は、図2に示す
ように、シリンダ21において、ストッパ部30の近傍
を除くピストン23の略全ストローク域にわたり形成さ
れており、ピストン23のストッパ部30近傍(シリン
ダ溝29が形成されていない領域)がエアロック域Xで
ある。また、シリンダ溝29は、図5〜図8(A)に示
すように、溝幅Wが一定で、断面四角形状の角溝であ
り、溝深さHが一定な部分29Aと、ピストン23のエ
アロック域Xへ向い漸次減少する部分29Bとが連設し
て構成される。シリンダ21において、シリンダ溝29
の溝深さHが一定な部分29Aに対応する領域をエア減
衰域Zとし、シリンダ溝29の溝深さHが減少する部分
29Bに対応する領域をエア減衰絞り域Yとする。
【0041】シリンダ溝29は、伸長過程において、ピ
ストン23がエア減衰域Zにあるときに、ピストン側室
28Aからのアシスト力(エア反力)の作用でロッド2
2及びピストン23が伸び方向に移動する伸び速度が、
シリンダ溝29にて発生する伸側減衰力により適正にコ
ントロールされる。
【0042】また、ガススプリング20の伸長過程で、
ピストン23がエアロック域Xにあるときには、このピ
ストン23、シリンダ21、ガスシール27及びロッド
ガイド26に囲まれてエアロック室が形成され、ピスト
ン23がごく低速で伸び方向に移動して(後述)、伸長
過程伸び切り時の制動が適切に実施される。
【0043】更に、ガススプリングの伸長過程で、ピス
トン23がエア減衰絞り域Yにあるときには、シリンダ
溝29(29B)の断面積が図9の実線A2 に示すよう
に、シリンダ溝29(29B)の断面積が深さのみに比
例する一次的な比例をして減少するので、従来例の三角
溝に比べ、エア減衰域Zからエア減衰絞り域Yに突入す
る際に急激に減速されない。
【0044】ここで、ガススプリング20のエア減衰絞
り域Yにおけるシリンダ溝29(29B)は、図8
(B)に示すように、溝深さHがエアロック域Xへ向い
シリンダ21の軸方向に沿って湾曲して漸次減少するよ
うに形成されていてもよい(図8(B)の湾曲面R)。
この場合には、ガススプリング20の伸長過程におい
て、このガススプリング20のエア減衰絞り域Yにおけ
るシリンダ溝29(29B)の断面積が、図9の実線A
3 に示すように2/3 乗的に変化(減少)するので、実線
2 の場合よりも更にエア減衰域Zからエア減衰絞り域
Y突入時の減速が緩やかになる。このため、図10のピ
ストンストロークL2 に示すように、ピストン23がエ
ア減衰域Zからエア減衰絞り域Yへ突入した際に、エア
減衰絞り域Yの領域で滑らかなカーブを描いて減速さ
れ、ガススプリング20が後部ドアに作用する衝撃加速
度G2 は0.2 Gに低減されている。これに対し、従来例
の三角溝の場合には図18の特性線図に示すように点a
1 で急激に減速されるので、この点a1 の位置付近で0.
4 Gのより大きな衝撃が発生している。
【0045】ところで、ピストン23は、図3に示すよ
うに、ピストン側室28Aとロッド側室28Bとを連通
するオリフィス孔等の通路が形成されていない中実構造
であり、ピストン23の両側の室を連通する開放気孔
(不図示)を有する粉末焼結合金、例えば鉄系粉末焼結
合金にて構成される。この開放気孔は粉末成形品の密度
を管理することにより形成され、シリンダ21の内径が
16、20、25mmの実施例では、ピストン23を構成する鉄
系粉末焼結合金の密度は6.6 ±0.1gr/cm3 のものが最も
良いエアロック特性が得られた。
【0046】ガススプリング20の伸長過程でピストン
23がエアロック域Xに至ったとき、ロッド側室28B
内のエア25は、Oリング34がシリンダ21の内周面
に密着して、ピストン23の外周とシリンダ21の内周
との間を密封しているので、粉末焼結合金からなるピス
トン23の開放気孔を通過してピストン側室28Aへ流
れる。このため、ピストン23がエアロック域Xに突入
してからの伸び切り時に、ピストン23は前述の如くご
く低速の伸び速度となって、リバウンドショックを生じ
させることなく、この伸び切り時の制動が適切になされ
る。粉末焼結合金からなるピストンの開放気孔を通して
エアロック室のエアをピストン側の室に逃すようにして
いるので、ばらつきのない安定したエアロック特性が得
られる。
【0047】また、焼結体から構成されるピストン23
の密度を変更することにより、シリンダ21のエアロッ
ク域Xにおけるピストン23の伸び速度をコントロール
できる。つまり、ガススプリング20のエアロック域X
におけるピストン23の伸び速度は、図12に示すよう
に、ピストン23の密度に反比例する関係にあることか
ら、ピストン23の密度を規定することにより、エアロ
ック域Xにおけるピストン23の伸び速度を所望の値に
設定できる。
【0048】上記実施の形態によれば、次の〜の効
果を奏する。 シリンダ溝29は、溝幅Wが一定で、溝深さHがシリ
ンダ21のストッパ部30近傍のエアロック域Xへ向い
徐々に深さが減少する断面略四角形状の角溝に形成され
たことから、上記エア減速域Zからエア絞り域Yへの接
続部における断面積変化率が小さい。このため、ガスス
プリング20の伸長過程で、エア減衰絞り域Yにピスト
ン23が突入する際の制動が緩やかになり、このエア減
衰絞り域Yへの突入時における衝撃加速度を低減でき
る。
【0049】また、シリンダ溝29の溝深さHが、シ
リンダ21のストッパ部30近傍のエアロック域Xへ向
いシリンダ21の軸方向に沿って湾曲して形成された
(湾曲面R)場合には、シリンダ溝29の断面積変化率
がより一層小さくなる。このため、ピストン23がエア
減衰絞り域Yへ突入する際の制動がより一層緩やかにな
って、エア減衰絞り域Yへの突入時の衝撃加速度G2
図10に示すように一層低減できる。
【0050】また、シリンダ溝29が断面略四角形状
の角溝と三角形状の三角溝との場合を比較すると、両者
の溝深さHを同一にして同一の断面積を得るようにした
場合、三角溝の溝幅wは、角溝の溝幅Wに比べ 2倍とな
る。従って、ピストン23両側の室を区画密封するシー
ル部材として、ピストン23の外周溝にOリング等の弾
性を有するシール部材を使った場合には、シリンダ溝2
9が三角溝であるときには、上述のようにその溝幅wが
角溝の溝幅Wに比べ広くなるので、三角溝に食い込み易
くなる。これに対し、シリンダ溝29が断面略四角形状
の角溝の場合には、Oリング34が弾性に富んでいて
も、溝幅Wが狭いのでOリング34の食い込みが生ぜ
ず、シリンダ溝29が絞られることがない。このため、
シリンダ溝29の特に溝深さHが徐々に減少する部分2
9Bにおいて、その断面積がOリング34により減少さ
れず、所望の減衰力を発生させることができる。
【0051】また、シリンダ21のストッパ部30近
傍に、ピストン23とオイルシール27及びロッドガイ
ド26によりエアロック室が形成され、ガススプリング
20の伸長過程伸び切り時に、上記エアロック室内のエ
ア25によってのみ制動が実施されるので、シリンダ2
1内の封入オイルは、ガスシール27を潤滑させるに必
要十分な程度のごく微少量となる。このため、伸側減衰
力は封入オイルによって影響を受けることなく適正に確
保される。従って、ガススプリング20が倒立反転タイ
プの場合に、ピストン23及びロッド22の伸び速度が
反転位置付近から必要以上に遅くなることがなく、又伸
び切り時の制動もエア25のみにより良好に実施され
る。
【0052】更に、ピストン23に形成された流路3
5が、ガススプリング20の圧縮行程でチェック弁とし
て機能するOリング34により開かれることから、この
圧縮行程では減衰力が殆ど発生せず、このガススプリン
グ20の圧縮行程を迅速に実施できる。
【0053】また、シリンダ21の内周に、伸長時の
減衰力を発生するシリンダ溝29を形成し、ピストン2
3の外周とシリンダ21との間にピストン両側の室を連
通する流路35を設け、ピストン23の外周に環状溝3
1を形成し、この環状溝31に前記流路35を圧縮時に
開くチェック弁34を介装したので、このピストン23
を中実構造とすることができる。このため、ピストン2
3、ひいてはガススプリング20を容易、安価に製作で
きる。
【0054】更に、ピストン23をこのピストン23
の両側の室を連通するオリフィス孔等のない中実構造と
し、このピストンを粉末焼結合金製とし、この粉末焼結
合金の気孔をエアロック時にエアロック室からピストン
側の室にエアを逃がす流路としたので、ピストン23、
ひいてはガススプリング20を容易、安価に製作できる
とともに、ばらつきのない安定したエアロック特性を得
ることができる。
【0055】更に、Oリング34がシリンダ21内周
とピストン23の外周とを密封するように構成されたの
で、シリンダ21の内周とピストン23の外周との密封
構造が確実となり、ガススプリング20の長期間の使用
によっても、ピストン23がエアロック域Xにあるとき
に、シリンダ21の内周とピストン23の外周との間に
不必要な間隙が形成されず、エア25は上記間隙を流動
することがない。この結果、伸長過程伸び切り時の特性
を長期間維持することができる。
【0056】尚、上記実施の形態では、シリンダ溝29
が断面四角形状の角溝の場合を述べたが、図11に示す
ように、溝幅Wを溝深さdの範囲で一定とし、シリンダ
溝29の底面部38を三角形状とし(図11(A))、
或いは円弧形状とする(図11(B))ものでもよい。
【0057】また、上記実施の形態では、ガススプリン
グ20の伸長過程でピストン側室28A内のガス反力が
ピストン23及びロッド22にアシスト力を発生するも
のを述べたが、シリンダ21の閉塞端部とピストン23
との間にコイルスプリングを配設して、このコイルスプ
リングの付勢力によりピストン23及びロッド22にア
シスト力を発生してもよい。
【0058】更に、ピストン23において切欠部33が
形成された第2フランジ部32Bは別体に構成してもよ
く、又、Oリング34はピストンリングでもよい。更
に、ピストン23自体の外周がシリンダ21の内周との
間を密封させるものであれば、ピストン23にOリング
34又はピストンリングを嵌着する必要もない。
【0059】また、ピストン23には流路35と、チェ
ック弁として機能するOリング34とを必ずしも設ける
必要はない。この場合には、シリンダ21の内周のシリ
ンダ溝29によって、ガススプリング20の伸長過程で
伸側減衰力が発生し、ガススプリング20の圧縮過程
で、上記伸側減衰力と同一の値の圧側減衰力が発生す
る。
【0060】また、上記実施の形態では、ガススプリン
グ20が倒立反転タイプのガススプリングとして使用さ
れる場合を述べたが、倒立押上げタイプのガススプリン
グとして使用されても良い。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るガススプリ
ングによれば、ピストンの伸び切り時の制動を緩やかに
して上記伸び切り時の衝撃を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るガススプリングの一つの
実施の形態を示す半断面図である。
【図2】図2は、図1のシリンダを示す断面図である。
【図3】図3は、図1のピストンを示す断面図である。
【図4】図4は、図3のIV矢視図である。
【図5】図5は、図2のV-V 線に沿い90度回転して示す
断面図である。
【図6】図6は、図5のVI部拡大断面図である。
【図7】図7は、図2のVII-VII 線に沿う断面図であ
る。
【図8】図8は、シリンダ溝を模式的に示す斜視図であ
る。
【図9】図9は、シリンダ溝の断面積変化率とエア減衰
絞り域のピストンストロークとの関係を示すグラフであ
る。
【図10】図10は、ピストンストローク及び衝撃加速
度と時間との関係を示すグラフである。
【図11】図11は、図6のシリンダ溝の変形例を示す
断面図である。
【図12】図12は、ピストン密度とエアロック域の伸
び速度との関係を示すグラフである。
【図13】図13は、倒立押し上げタイプの従来のガス
スプリングを示し、(A)が取付状態の正面図、(B)
及び(C)が断面図である。
【図14】図14は、倒立反転タイプの従来のガススプ
リングを示し、(A)が取付状態の正面図、(B)が断
面図である。
【図15】図15は、図13又は図14のガススプリン
グにおける部分断面図である。
【図16】図16は、ガススプリングの他の従来技術を
示す断面図である。
【図17】図17は、図16におけるシリンダ溝が三角
溝である場合を示し、(A)が断面図、(B)が模式的
斜視図である。
【図18】図18は、三角溝形状のシリンダ溝が形成さ
れたガスダンパにおけるピストンストローク及び衝撃荷
重と時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 ガススプリング 21 シリンダ 22 ロッド 23 ピストン 25 エア 26 ロッドガイド 27 ガスシール 28A ピストン側室 28B ロッド側室 29 シリンダ溝 30 ストッパ部(伸長端) 31 ピストンの環状溝 33 ピストンの切欠部 34 Oリング 35 ピストンの流路 W シリンダ溝の溝幅 H シリンダ溝の溝深さ X エアロック域 Y エア減衰絞り域 Z エア減衰域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪自動車の後部
ドア等の開閉に使用されるガススプリングに関する。
【0002】
【従来の技術】四輪自動車等では、一般に、後部ドアを
車体との間で水平軸まわりに開閉できるようにし、この
後部ドアと車体との間にガススプリングを介装し、この
ガススプリングの付勢力(アシスト力)で後部ドアの開
放時に必要とされる力を軽減できるようにしている。
【0003】このガススプリングは、後部ドアが閉まっ
た状態でシリンダが上に、ロッドが下にくるようにした
倒立型がよく用いられる。この倒立型ガススプリング
は、後部ドアと車体との間に取り付ける方法によって、
図13に示す倒立押し上げタイプと、図14に示す倒立
反転タイプとに分けられる。
【0004】図13に示す倒立押上げタイプのガススプ
リング1は、四輪自動車の後部ドア2側にシリンダ3
を、車体側にロッド4をそれぞれ取り付けたものであ
り、取付姿勢がほぼ垂直となって、主にワンボックスタ
イプのワゴン車等の後部ドアに使用される。この場合に
は、後部ドア2を閉じたときと開いたときとで、シリン
ダ3とロッド4との上下位置関係が変化しない。
【0005】また、図14に示す倒立反転タイプのガス
スプリング1は、四輪自動車の車体側にシリンダ3を、
後部ドア2側にロッド4をそれぞれ取り付けたものであ
り、後部ドア2が閉まった状態で取付姿勢が斜めとなっ
て、乗用車等の後部ドア2に使用される。この場合に
は、後部ドア2を閉じたときと開いたときとで、シリン
ダ3とロッド4との上下位置関係が反転する。
【0006】このような倒立型のガススプリング1は、
シリンダ3内に封入したガス5の密封性を良好にできる
という利点があることから広く使用されている。つま
り、シリンダ3内には、ガス5とともに少量のオイル6
が封入されており、倒立型のガススプリング1では、図
13に示すように、後部ドア2が閉まった状態で、上記
オイル6がシリンダ3の下部に溜って、この下部開口に
配設されたガスシール7が上記オイル6によって適正に
潤滑されることから、シリンダ3内の封入ガス5が、こ
のガスシール7により良好にシールされるからである。
【0007】上述のような倒立型のガススプリング1で
は、図15(A)に示すように、ガススプリング1の圧
縮過程において、ピストン側室8Aのガス5が、ピスト
ン9の外周側流路10とオリフィス孔11とを通って、
ロッド側室8Bへ流れるので、減衰力が殆ど発生せず、
後部ドア2を迅速に閉めることができる。
【0008】また、図15(B)に示すガススプリング
1の伸長過程においては、ピストン9の外周に嵌装され
たピストンリング12が外周側流路10を閉塞するの
で、ロッド側室8B内のガス5がピストン9のオリフィ
ス孔11のみを経てピストン側室8Aへ流れ、この間に
伸側減衰力が発生する。ガススプリング1の伸長過程で
は、ピストン側室8A内の封入ガス5の圧力(ガス反
力)等によりガススプリング1の伸長方向のアシスト力
がロッド4に作用するが、上記伸側減衰力によりロッド
4の伸長方向への移動速度(伸び速度)がコントロール
されて、後部ドア2は適正速度で押し上げられる。
【0009】更に、上述のガススプリング1では、伸長
過程における伸び切り時に、図13(C)に示すよう
に、シリンダ3内のオイル6がピストン9のオリフィス
孔11を流れ、このときの大きな減衰抵抗によりガスス
プリング1の伸び切り時の制動が実施される。
【0010】しかしながら、上述のようにオイル6を用
いて伸び切り時の制動を実施する場合、図13に示す倒
立押し上げタイプのガススプリング1では不具合が生じ
ないが、図14に示す倒立反転タイプのガススプリング
1においては、次の〜の不具合がある。
【0011】後部ドア2が開くにつれシリンダ3が下
に、ロッド4が上に位置するよう反転するので、反転位
置付近から、ロッド側室8B内のオイル6がピストン9
のオリフィス孔11を通ってピストン側室8A内へ流動
し、伸び切り域では、ロッド側室8B内にオイル6が不
足して制動が不十分となり、ピストン9がシリンダ3の
開口端側に激しく衝突し車体が揺れる不具合がある。
【0012】また、反転位置より少し上方の位置まで
後部ドア2を閉じた後、再度後部ドア2を開ける場合に
も、オイル6がピストン側室8Aへ移動してしまってロ
ッド側室8B内にオイル6が不足しているので、伸び切
り時の制動が不十分となり、ピストン9がシリンダ3の
開口端側に激しく衝突する不具合がある。
【0013】更に、後部ドア2を開く際には、反転位
置付近からロッド側室8B内のオイル6がピストン側室
8Aへ流動し始めるので、オリフィス孔11にオイル6
が流れてオリフィス孔での流動抵抗が増し、その結果、
伸側減衰力が増大して、ロッド4の伸び速度が減少し、
後部ドア2の開く速度が遅くなる不具合もある。
【0014】また、オイル6はオリフィス孔11にて
発生する伸側減衰力に影響を与えるので、オイル6の封
入量、オイル6の温度、ガススプリング1の取付姿勢、
封入ガス5の反力等によって伸側減衰力が変動してしま
う。
【0015】上述の不具合を解消するために、伸び切り
時の制動をガス(エア)のみによって実施するガススプ
リング13が特開昭53−1764号公報(図16)に
開示されている。このガススプリング13は、シリンダ
14内に、ガスシール7の潤滑にのみ必要十分なごく少
量のオイル6を封入し、シリンダ14の内周に、ピスト
ン側室8Aとロッド側室8Bとを連通するシリンダ溝1
5を軸方向に切り欠いて形成し、ピストン16に内側オ
リフィス孔17Aと外側オリフィス孔17Bとを貫通し
て形成したものである。
【0016】このガススプリング13では、圧縮過程に
おいてピストン側室8A内のガス5がシリンダ溝15、
内側オリフィス孔17A及び外側オリフィス孔17Bを
通ってロッド側室8B内へ流れるので減衰力が殆ど発生
しない。伸長過程においては、ピストン16に設けられ
たリップ18が外側オリフィス孔17Bを閉塞するの
で、ロッド側室8B内のガス5がシリンダ溝15及び内
側オリフィス孔17Aを通ってピストン側室8Aに流れ
る間に伸側減衰力が発生する。更に、ガススプリング1
3では伸長過程における伸び切り時に、ピストン16が
シリンダ溝15の形成されていない領域(エアロック
域)に至って、シリンダ14の開口端側のガスシール7
及びロッドガイド19と上記ピストン16との間でエア
ロック室を形成し、内側オリフィス孔17Aを流れるガ
ス5の流動抵抗によってのみ伸び切り時の制動(エアロ
ック)を実施している。
【0017】ところで、上記ガススプリング13のシリ
ンダ溝15は、図17に示すように、シリンダ14の外
方へ膨出した三角形状の三角溝であるものが知られてい
る。この三角溝のシリンダ溝15は、ガススプリング1
3の伸長端へ向うにつれて溝幅wと溝深さhとが徐々に
減少するように形成され、ガススプリング13の伸び切
り時に急激に制動が始まることを防止している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリン
ダ溝15を三角溝とした場合、この三角溝の断面積S
(図17)は、三角溝の深さhと溝幅wとが減少し始め
る領域で、シリンダ14のエアロック域へ向い、溝深さ
hと溝幅wの両方に比例して急激に減少する二次比例の
形状となって変化率が大きいので(図9の破線A)、
この三角溝をガス5が流動する際に生ずる減衰力も(二
次的)に急激に変化(増大)する。このため、シリンダ
溝15を三角溝とするガススプリング13にあっては、
伸長過程においてピストン16がエアロック域へ向かっ
て移動する際に、シリンダ溝15の断面積が減少する領
で減衰力(制動)が急激に増大し、ピストン16の伸
び速度が急激に減速され、ピストン16が、上述のシリ
ンダ溝15の断面積減少領域へ突入するときの衝撃が増
大してしまう。
【0019】図18は、ガススプリング13におけるピ
ストン16のストロークL (縦軸)及びガススプリン
グ13が設置された後部ドア2に作用する衝撃加速度G
(縦軸)と時間(横軸)との関係を示すグラフであ
る。このグラフによれば、ガススプリング13の伸長過
程でピストンストロークLが増大し、ピストン5がエ
アロック域Xへ入る手前のエア減衰絞り域中の点a
で、このピストンが急激に減速し、後部ドア2に作用
する衝撃加速度Gが0.4Gと急激に増大しているこ
とが分かる。
【0020】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、ピストンの伸び切り時の制動を緩や
かにして上記伸び切り時の衝撃を低減できるガススプリ
ングを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一端が閉塞されガスが封入されたシリンダの他端開
口部にシール・案内部材が配設され、一端にピストンを
備えたロッドが、上記シール・案内部材を介し、上記ピ
ストンとともに上記シリンダ内に摺動自在に配設され、
上記シリンダ内には、上記ロッドを伸長方向へ付勢する
付勢手段が設けられ、上記ピストンの外周にシール部材
が嵌装されて上記シリンダ内がロッド側室とピストン側
室とに区画され、上記シリンダの内周には、伸長端近傍
を除く上記ピストンのストローク域に上記シリンダの軸
方向に延びるシリンダ溝が形成され、伸長過程で上記ロ
ッド側室から上記シリンダ溝を経て上記ピストン側室へ
前記ガスが流動する間に伸側減衰力が発生し、更に、上
記シリンダの伸長端近傍に、上記ピストンと上記シール
・案内部材に囲まれてエアロック室が形成可能とされ
て、伸長過程伸び切り時の制動が実施されるガススプリ
ングにおいて、上記シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深
さが上記伸長端近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形
状の角溝に形成されたものである。
【0022】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記シリンダ溝の溝深さは、シリンダ
の伸長端近傍へ向い上記シリンダの軸方向に沿って湾曲
して形成されたものである。
【0023】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、ピストンには、ロッド側室とピ
ストン側室とを連通する流路が形成され、圧縮過程での
み上記流路を開くチェック弁が配設されたものである。
【0024】請求項4に記載の発明は、一端が閉塞され
ガスが封入されたシリンダの他端開口部にシール、案内
部材が配設され、一端にピストンを備えたロッドが、上
記シール、案内部材を介し、上記ピストンとともに上記
シリンダ内に摺動自在に配設され、上記ピストンにてシ
リンダ内がロッド側室とピストン側室とに区画され、上
記シリンダ内には、上記ロッドを伸長方向へ付勢する付
勢手段が設けられ、上記シリンダの内周とピストン外周
との間にピストン両側の室を連通する環状の流路が形成
され、ピストンの外周に環状溝が形成され、この環状溝
に前記環状の流路を圧縮行程時にのみ開くチェック弁が
介装され、上記シリンダの内周には、伸長端近傍を除く
上記ピストンのストローク域に上記シリンダの軸方向に
延びるシリンダ溝が形成され、伸長過程で上記ロッド側
室から上記シリンダ溝を経て上記ピストン側室へ前記ガ
スが流動する間に伸側減衰力が発生し、更に、上記シリ
ンダの伸長端近傍に、上記ピストンと上記シール・案内
部材に囲まれてエアロック室が形成可能とされて、伸長
過程伸び切り時の制動が実施されるガススプリングにお
いて、上記シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深さが上記
伸長端近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形状の角溝
に形成されたものである。
【0025】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記チェック弁がOリングであるもの
である。
【0026】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深さがシリンダの
伸長端近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形状の角溝
に形成されたことから、上記伸長端近傍へ向かって減少
する断面積変化率が小さい。このため、ガススプリング
の伸長過程で、エア減衰絞り域にピストンが突入する際
の制動が緩やかになり、このエア減衰絞り域突入時にお
ける衝撃を低減できる。
【0027】請求項2に記載の発明には、次の作用があ
る。シリンダ溝の溝深さが、シリンダの伸長端近傍へ向
いシリンダの軸方向に沿って湾曲して形成されたことか
ら、シリンダ溝の断面積変化率がより一層小さくなる。
このため、ピストンがエア減衰絞り域へ突入する際の制
動がより一層緩やかになって、エア減衰絞り域突入時の
衝撃を一層低減できる。
【0028】請求項3に記載の発明には、次の作用があ
る。ピストン部材に形成された流路が、圧縮過程でのみ
チェック弁により開かれることから、この圧縮過程では
減衰力が殆ど発生せず、このガススプリングの圧縮過程
を迅速に実施できる。
【0029】請求項4及び5に記載の発明には、次の作
用がある。シリンダの内周とピストン外周との間にピス
トン両側の室を連通する環状の流路が形成され、ピスト
ンの外周に環状溝が形成され、この環状溝に前記環状の
流路を圧縮行程時にのみ開くチェック弁が介装され、シ
リンダの内周に溝が形成されているので、ピストンを中
実構造とし、このピストンにオリフィス孔やオリフィス
溝を形成する必要がない。また、ピストンの外周の環状
溝にチェック弁としてのOリングを介装した場合でも、
シリンダの角溝がOリングの食い込みにより狭められる
ことがなく、角溝形状のシリンダ溝により良好な伸側減
衰力を発生させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るガススプリ
ングの一つの実施の形態を示す半断面図である。図2
は、図1のシリンダを示す断面図である。図3は、図1
のピストンを示す断面図である。図4は、図3のIV矢
視図である。図5は、図2のV−V線に沿い90度回転
して示す断面図である。図6は、図5のVI部拡大断面
図である。図7は、図2のVII−VII線に沿う断面
図である。図8は、シリンダ溝を模式的に示す斜視図で
ある。図9は、シリンダ溝の断面積変化率とエア減衰絞
り域のピストンストロークとの関係を示すグラフであ
る。図10は、ピストンストローク及び衝撃加速度と時
間との関係を示すグラフである。図11は、図6のシリ
ンダ溝の変形例を示す断面図である。図12は、ピスト
ン密度とエアロック域の伸び速度との関係を示すグラフ
である。
【0031】図1に示すガススプリング20は、自動四
輪車に使用されるものであり、特に倒立反転タイプのガ
ススプリングとして適用されるものである。このガスス
プリング20は、一端が閉塞されたシリンダ21内に、
ロッド22の一端に加締め固定されたピストン23が摺
動自在に配設されたものである。シリンダ21のブラケ
ット24が四輪乗用自動車の車体側に、ロッド22の他
端が同自動車の後部ドアにそれぞれ取り付けられる。
【0032】シリンダ21内には、ガスとしてのエア2
5が封入されるとともに、シリンダ21の他端開口部に
ロッドガイド26及びガスシール27が配設される。ロ
ッドガイド26によって、ピストン23の上記摺動に伴
うロッド22の移動が案内され、また、ガスシール27
によりエア25の漏洩が防止される。シリンダ21内に
は、ガスシール27を潤滑してシール性を良好に維持す
るために必要十分な程度のごく微少量のオイルが封入さ
れている。
【0033】シリンダ21内は、上記ピストン23によ
り、ロッド22が収容されたロッド側室28Bと、ロッ
ド22が収容されていないピストン側室28Aとに区画
される。これらの両室28A及び28Bにエア25が封
入されているが、これらの室28A又は28B内のエア
25の圧力(エア反力)は、ピストン23の受圧面積に
比例することから、ピストン側室28A側のエア反力が
ロッド側室28B側のエア反力よりもロッド22の断面
積分だけ大きくなる。従って、ガススプリング20の伸
長過程で、上記エア反力が、ロッド22及びピストン2
3をガススプリング20の伸長方向へ付勢する付勢力
(アシスト力)として作用し、エア25が付勢手段とし
て機能する。
【0034】また、シリンダ21の内周には、図1及び
図2に示すように、シリンダ溝29が形成されている。
このシリンダ溝29は、シリンダ21内周をロール成形
等の塑性加工にて外方へ膨出することにより形成された
ものである。一方、シリンダ21には、ロッドガイド2
6及びガスシール27の配設位置近傍にストッパ部30
が、ロール成形により直径方向に縮径して形成されてい
る。ピストン23は、上記ストッパ部30に当接してそ
れ以上の伸長方向の移動が規制され、ピストン23がス
トッパ部30に当接する位置がピストン23の伸長端と
なる。上記シリンダ溝29は、この伸長端近傍を除くピ
ストン23の略全ストローク域にわたり、シリンダ21
の軸方向に延在して形成される。
【0035】また、シリンダ溝29におけるシリンダ2
1の一端の閉塞端側は、ガススプリング20の最圧縮時
にピストン23の外周に嵌装したシール部材としてのO
リング34が位置する部分から形成され、Oリング34
にて区画されたピストン23両側の室が、シリンダ溝2
9を介して、上記最圧縮時にも連通するようになってい
る。また、このシリンダ溝29はシリンダ21の全くの
閉塞端部迄形成しても良い。
【0036】上記ピストン23は、図3及び図4に示す
ように、その外周に環状溝31が切削して形成されて、
外周部が第1フランジ部32Aと第2フランジ部32B
とに区分される。この第2フランジ部32Bに、環状溝
31とロッド側室28Bとを連通可能とする切欠部33
が形成される。従って、上記環状溝31は、第1フラン
ジ部32Aと、第2フランジ部32Bのうち切欠部33
が形成されていない部分との間に形成されており、この
環状溝31に、弾性に富むシール部材としてのOリング
34が嵌着される。
【0037】Oリング34は、シリンダ21の内周面に
密着するとともに、環状溝31の底面31Aとの間に隙
間を残すようにして環状溝31に嵌着される。従って、
ピストン23の第1フランジ部32Aの外周、環状溝3
1及び切欠部33とシリンダ21の内周との間に流路3
5が形成される。上記Oリング34は、ガススプリング
20の伸長過程では第1フランジ部32Aの壁面36に
当接して上記流路35を閉鎖し、ガススプリング20の
圧縮過程で第2フランジ部32Bの壁面37に当接し
て、上記流路35を開くチェック弁として機能する。
【0038】従って、ガススプリング20の伸長過程で
は、ピストン23の上記流路35がOリング34により
閉塞され、ロッド側室28B内のエア25はシリンダ溝
29のみを通ってピストン側室28Aへ至り、このエア
25がシリンダ溝29を通るときの流動抵抗により伸側
減衰力が発生する。ガススプリング20の伸長過程で
は、ピストン側室28A内のエア反力によりビストン2
3及びロッド22にアシスト力が作用し、これらのビス
トン23及びロッド22が伸長方向に移動するが、この
ときのピストン23及びロッド22の伸び速度が上記伸
側減衰力により適正にコントロールされる。
【0039】また、ガススプリング20の圧縮過程で
は、ピストン23の流路35が確保され、ピストン側室
28A内のエア25は、上記流路35とシリンダ溝29
との両方を流れてロッド側室28B内へ流入するので、
この圧縮過程では減衰力が殆ど発生せず、ガススプリン
グ20は迅速に圧縮される。
【0040】さて、上記シリンダ溝29は、図2に示す
ように、シリンダ21において、ストッパ部30の近傍
を除くピストン23の略全ストローク域にわたり形成さ
れており、ピストン23のストッパ部30近傍(シリン
ダ溝29が形成されていない領域)がエアロック域Xで
ある。また、シリンダ溝29は、図5〜図8(A)に示
すように、溝幅Wが一定で、断面四角形状の角溝であ
り、溝深さHが一定な部分29Aと、ピストン23のエ
アロック域Xへ向い漸次減少する部分29Bとが連設し
て構成される。シリンダ21において、シリンダ溝29
の溝深さHが一定な部分29Aに対応する領域をエア減
衰域Zとし、シリンダ溝29の溝深さHが減少する部分
29Bに対応する領域をエア減衰絞り域Yとする。
【0041】ガススプリング20の伸長過程において、
ビストン23がエア減衰域Zにあるときに、ピストン側
室28Aからのアシスト力(エア反力)の作用でロッド
22及びピストン23が伸び方向に移動する伸び速度
、シリンダ溝29にて発生する伸側減衰力により適正
にコントロールされる。
【0042】また、ガススプリング20の伸長過程で、
ビストン23がエアロック域Xにあるときには、このピ
ストン23、Oリング34、シリンダ21、ガスシール
27及びロッドガイド26に囲まれてエアロック室が形
成され、ピストン23がごく低速で伸び方向に移動して
(後述)、伸長過程伸び切り時の制動が適切に実施され
る。
【0043】更に、ガススプリングの伸長過程で、ピス
トン23がエア減衰絞り域Yにあるときには、シリンダ
溝29(29B)の断面積が図9の実線Aに示すよう
に、シリンダ溝29(29B)の深さのみに比例する一
次的な比例をして減少するので、ピストン25は、従来
例の三角溝に比べ、エア減衰域Zからエア減衰絞り域Y
に突入する際に急激に減速されない。
【0044】ここで、ガススプリング20のエア減衰絞
り域Yにおけるシリンダ溝29(29B)は、図8
(B)に示すように、溝深さHがエアロック域Xへ向い
シリンダ21の軸方向に沿って湾曲して漸次減少するよ
うに形成されていてもよい(図8(B)の湾曲面R)。
この場合には、ガススプリング20の伸長過程におい
て、このガススプリング20のエア減衰絞り域Yにおけ
るシリンダ溝29(29B)の断面積が、図9の実線A
に示すように2/3乗的に変化(減少)するので、
ストン23がエア減衰域Zからエア減衰絞り域Yへ突入
する時の減速は、実線Aの場合よりも更に緩やかにな
る。このため、図10のビストンストロークLに示す
ように、ピストン23エア減衰域Zからエア減衰絞り
域Yへ突入した際に、エア減衰絞り域Yの領域で滑らか
なカーブを描いて減速され、ガススプリング20が後部
ドアに作用する衝撃加速度G 0.2Gに低減されて
いる。これに対し、従来例の三角溝の場合には図18の
特性線図に示すように点aで急激に減速されるので、
この点aの位置付近で0.4Gのより大きな衝撃が発
生している。
【0045】ところで、ピストン23は、図3に示すよ
うに、ピストン側室28Aとロッド側室28Bとを連通
するオリフィス孔等の通路が形成されていない中実構造
であり、ピストン23の両側の室を連通する開放気孔
(不図示)を有する粉末焼結合金、例えば鉄系粉末焼結
合金にて構成される。この開放気孔は粉末焼結合金の密
度を管理することにより形成され、シリンダ21の内径
が16、20、25mmの実施例では、ピストン23を
構成する鉄系粉末焼結合金の密度は6.6±0.1gr
/cmのものが最も良いエアロック特性が得られた。
【0046】ガススプリング20の伸長過程でピストン
23がエアロック域Xに至ったとき、ロッド側室28B
内のエア25は、Oリング34がシリンダ21の内周面
に密着して、ピストン23の外周とシリンダ21の内周
との間を密封しているので、粉末焼結合金からなるピス
トン23の開放気孔を通過してピストン側室28Aへ流
れる。このため、ピストン23がエアロック域Xに突入
してからの伸び切り時に、ピストン23は前述の如くご
く低速の伸び速度となって、リバウンドショックを生じ
させることなく、この伸び切り時の制動が適切になされ
る。粉末焼結合金からなるピストンの開放気孔を通して
エアロック室のエアをピストン側室28Aに逃すように
しているので、ばらつきのない安定したエアロック特性
が得られる。
【0047】また、粉末焼結体から構成されるピストン
23の密度を変更することにより、シリンダ21のエア
ロック域Xにおけるピストン23の伸び速度をコントロ
ールできる。つまり、ガススプリング20のエアロック
域Xにおけるピストン23の伸び速度は、図12に示す
ように、ピストン23の密度に反比例する関係にあるこ
とから、ピストン23の密度を規定することにより、エ
アロック域Xにおけるピストン23の伸び速度を所望の
値に設定できる。
【0048】上記実施の形態によれば、次の〜の効
果を奏する。 シリンダ溝29は、溝幅Wが一定で、溝深さHがシリ
ンダ21のストッパ部30近傍のエアロック域Xへ向い
徐々に深さが減少する断面略四角形状の角溝に形成され
たことから、上記エア減速域Zからエア絞り域Yへの接
続部における断面積変化率が小さい。このため、ガスス
プリング20の伸長過程で、エア減衰絞り域Yにピスト
ン23が突入する際の制動が緩やかになり、このエア減
衰絞り域Yへの突入時における衝撃加速度を低減でき
る。
【0049】また、シリンダ溝29の溝深さHが、シ
リンダ21のストッパ部30近傍のエアロック域Xへ向
いシリンダ21の軸方向に沿って湾曲して形成された
(湾曲面R)場合には、シリンダ溝29の断面積変化率
がより一層小さくなる。このため、ピストン23がエア
減衰絞り域Yへ突入する際の制動がより一層緩やかにな
って、エア減衰絞り域Yへの突入時の衝撃加速度G
図10に示すように一層低減できる。
【0050】また、シリンダ溝29が断面略四角形状
の角溝と三角形状の三角溝との場合を比較すると、両者
の溝深さHを同一にして同一の断面積を得るようにした
場合、三角溝の溝幅wは、角溝の溝幅Wに比べ2倍とな
る。従って、ピストン23両側の室を区画密封するシー
ル部材として、ピストン23の外周溝にOリング34
の弾性を有するシール部材を使った場合には、シリンダ
溝29が三角溝であるときには、上述のようにその溝幅
wが角溝の溝幅Wに比べ広くなるので、Oリング34が
三角溝に食い込み易くなる。これに対し、シリンダ溝2
9が断面略四角形状の角溝の場合には、Oリング34が
弾性に富んでいても、溝幅Wが狭いのでOリング34の
食い込みが生ぜず、シリンダ溝29が絞られることがな
い。このため、シリンダ溝29の特に溝深さHが徐々に
減少する部分29Bにおいて、その断面積がOリング3
4により減少されず、所望の減衰力を発生させることが
できる。
【0051】また、シリンダ21のストッパ部30近
傍に、ピストン23とオイルシール27及びロッドガイ
ド26によりエアロック室が形成され、ガススプリング
20の伸長過程伸び切り時に、上記エアロック室内のエ
ア25によってのみ制動が実施されるので、シリンダ2
1内の封入オイルは、ガスシール27を潤滑させるに必
要十分な程度のごく微少量となる。このため、伸側減衰
力は封入オイルによって影響を受けることなく適正に確
保される。従って、ガススプリング20が倒立反転タイ
プの場合に、ピストン23及びロッド22の伸び速度が
反転位置付近から必要以上に遅くなることがなく、又伸
び切り時の制動もエア25のみにより良好に実施され
る。
【0052】更に、ピストン23に形成された流路3
5が、ガススプリング20の圧縮行程でチェック弁とし
て機能するOリング34により開かれることから、この
圧縮行程では減衰力が殆ど発生せず、このガススプリン
グ20の圧縮行程を迅速に実施できる。
【0053】尚、上記実施の形態では、シリンダ溝29
が断面四角形状の角溝の場合を述べたが、図11に示す
ように、溝幅Wを溝深さdの範囲で一定とし、シリンダ
溝29の底面部38を三角形状とし(図11(A))、
或いは円弧形状とする(図11(B))ものでもよい。
要するに、ピストン23がエア減衰域Zからエア減衰絞
り域Yへ突入する時に、このエア減衰絞り域Yにあるシ
リンダ溝29の断面積が、一次比例的に減少する形状で
あればよく、シリンダ溝29の底面部38はいかなる形
状であってもよい。
【0054】また、上記実施の形態では、ガススプリン
グ20の伸長過程でピストン側室28A内のガス反力が
ピストン23及びロッド22にアシスト力を発生するも
のを述べたが、シリンダ21の閉塞端部とピストン23
との間にコイルスプリングを配設して、このコイルスプ
リングの付勢力によりピストン23及びロッド22にア
シスト力を発生してもよい。
【0055】更に、ピストン23において切欠部33が
形成された第2フランジ部32Bは別体に構成してもよ
く、又、Oリング34は弾性の少ない硬質のピストンリ
ングでもよい。更に、ピストン23自体の外周がシリン
ダ21の内周との間を密封させるものであれば、ピスト
ン23にOリング34又はピストンリングを嵌着する必
要もない。
【0056】また、ピストン23には流路35と、チェ
ック弁として機能するOリング34とを必ずしも設ける
必要はない。この場合には、シリンダ21の内周のシリ
ンダ溝29によって、ガススプリング20の伸長過程で
伸側減衰力が発生し、ガススプリング20の圧縮過程
で、上記伸側減衰力と同一の値の圧側減衰力が発生す
る。
【0057】更に、上記実施の形態では、ピストン23
が粉末焼結体から構成されるものを述べたが、ピストン
23の両側の室28A及び28Bを連通する気孔を有す
る多孔質体であればよく、粉末焼結合金に限定されるも
のではない。
【0058】また、上記実施の形態では、ガススプリン
グ20が倒立反転タイプのガススプリングとして使用さ
れる場合を述べたが、倒立押上げタイプのガススプリン
グとして使用されても良い。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るガススプリ
ングによれば、ピストンの伸び切り時の制動を緩やかに
して上記伸び切り時の衝撃を低減することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が閉塞されガスが封入されたシリン
    ダの他端開口部にシール・案内部材が配設され、 一端にピストンを備えたロッドが、上記シール・案内部
    材を介し、上記ピストンとともに上記シリンダ内に摺動
    自在に配設され、 上記シリンダ内には、上記ロッドを伸長方向へ付勢する
    付勢手段が設けられ、 上記ピストンの外周にシール部材が嵌装されて上記シリ
    ンダ内がロッド側室とピストン側室とに区画され、 上記シリンダの内周には、伸長端近傍を除く上記ピスト
    ンのストローク域に上記シリンダの軸方向に延びるシリ
    ンダ溝が形成され、伸長過程で上記ロッド側室から上記
    シリンダ溝を経て上記ピストン側室へ前記ガスが流動す
    る間に伸側減衰力が発生し、 更に、上記シリンダの伸長端近傍に、上記ピストンと上
    記シール・案内部材に囲まれてエアロック室が形成可能
    とされて、伸長過程伸び切り時の制動が実施されるガス
    スプリングにおいて、 上記シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深さが上記伸長端
    近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形状の角溝に形成
    されたことを特徴とするガススプリング。
  2. 【請求項2】 上記シリンダ溝の溝深さは、シリンダの
    伸長端近傍へ向い上記シリンダの軸方向に沿って湾曲し
    て形成された請求項1に記載のガススプリング。
  3. 【請求項3】 ピストンには、ロッド側室とピストン側
    室とを連通する流路が形成され、圧縮過程でのみ上記流
    路を開くチェック弁が配設された請求項1又は2に記載
    のガススプリング。
  4. 【請求項4】 一端が閉塞されガスが封入されたシリン
    ダの他端開口部にシール、案内部材が配設され、 一端にピストンを備えたロッドが、上記シール、案内部
    材を介し、上記ピストンとともに上記シリンダ内に摺動
    自在に配設され、上記ピストンにてシリンダ内がロッド
    側室とピストン側室とに区画され、 上記シリンダ内には、上記ロッドを伸長方向へ付勢する
    付勢手段が設けられ、 上記シリンダの内周とピストン外周との間にピストン両
    側の室を連通する流路が形成され、ピストンの外周に環
    状溝が形成され、この環状溝に前記流路を圧縮行程時に
    のみ開くチェック弁が介装され、 上記シリンダの内周には、伸長端近傍を除く上記ピスト
    ンのストローク域に上記シリンダの軸方向に延びるシリ
    ンダ溝が形成され、伸長過程で上記ロッド側室から上記
    シリンダ溝を経て上記ピストン側室へ前記ガスが流動す
    る間に伸側減衰力が発生し、 更に、上記シリンダの伸長端近傍に、上記ピストンと上
    記シール・案内部材に囲まれてエアロック室が形成可能
    とされて、伸長過程伸び切り時の制動が実施されるガス
    スプリングにおいて、 上記シリンダ溝は、溝幅が一定で、溝深さが上記伸長端
    近傍へ向い徐々に減少する断面略四角形状の角溝に形成
    されたことを特徴とするガススプリング。
  5. 【請求項5】 前記チェック弁がOリングであることを
    特徴とする請求項4に記載のガススプリング。
JP7344394A 1995-12-06 1995-12-06 ガススプリング Pending JPH09158967A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7344394A JPH09158967A (ja) 1995-12-06 1995-12-06 ガススプリング
AU74096/96A AU709713B2 (en) 1995-12-06 1996-12-03 Gas spring
EP96119450A EP0781938B1 (en) 1995-12-06 1996-12-04 Gas spring
DE69619781T DE69619781T2 (de) 1995-12-06 1996-12-04 Gasfeder
US08/753,996 US5797593A (en) 1995-12-06 1996-12-04 Gas spring

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7344394A JPH09158967A (ja) 1995-12-06 1995-12-06 ガススプリング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09158967A true JPH09158967A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18368916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7344394A Pending JPH09158967A (ja) 1995-12-06 1995-12-06 ガススプリング

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5797593A (ja)
EP (1) EP0781938B1 (ja)
JP (1) JPH09158967A (ja)
AU (1) AU709713B2 (ja)
DE (1) DE69619781T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018040491A (ja) * 2016-09-05 2018-03-15 シュタビルス ゲーエムベーハーStabilus Gmbh ばね装置

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19618055C1 (de) * 1996-05-06 1998-01-15 Mannesmann Sachs Ag Kolben-Zylinderaggregat mit wegabhängigem Dämpfkraftfeld
JPH10252801A (ja) * 1997-01-07 1998-09-22 Showa:Kk ガススプリング
DE19706919C1 (de) * 1997-02-20 1998-10-01 Stabilus Gmbh Kolbenzylinder-Aggregat mit einem Schließventil
DE19734375C1 (de) * 1997-08-08 1999-02-11 Stabilus Gmbh Kolben-Zylinderaggregat mit einem Kolben, der einen Toleranzausgleich aufweist
DE19736074A1 (de) * 1997-08-20 1999-03-04 Krupp Bilstein Gmbh Gasfeder
US6199673B1 (en) * 1998-10-22 2001-03-13 Illinois Tool Works Inc. Silent damper with anti-rattle shaft
US6776269B1 (en) 2003-06-18 2004-08-17 Tenneco Automotive Operating Company, Inc. Twin piston shock absorber
US20050016803A1 (en) * 2003-07-25 2005-01-27 Chad Brummitt Multiple stop gas spring for vehicle closure
DE10339188A1 (de) * 2003-08-22 2005-03-10 Suspa Holding Gmbh Gasfeder
US7640696B2 (en) * 2003-09-15 2010-01-05 Duke Manufacturing Company Product server with breath guard
DE102005052125A1 (de) * 2005-10-28 2007-05-16 Simon Karl Gmbh & Co Kg Anschlagdämpfer
AU2008254785B2 (en) * 2007-05-18 2011-06-23 Bfs Diversified Products, Llc Gas spring assembly
CA2730256C (en) * 2008-07-09 2013-02-19 Firestone Industrial Products Company, Llc Gas spring and gas damper assembly and method
US8511652B2 (en) * 2008-07-09 2013-08-20 Firestone Industrial Products Company, Llc Gas spring and gas damper assembly and method
US9739294B2 (en) 2013-06-07 2017-08-22 Tk Holdings Inc. Vented pressurized gas-powered actuator
WO2014197895A1 (en) * 2013-06-07 2014-12-11 Tk Holdings Inc. Vented pressurized gas-powered actuator
JP6571070B2 (ja) 2013-06-07 2019-09-04 ジョイソン セイフティ システムズ アクイジション エルエルシー ベントされた加圧ガス駆動アクチュエーター、ハウジング、及び、乗り物
CN103953674A (zh) * 2014-04-28 2014-07-30 贵州龙飞气弹簧有限责任公司 一种变阻尼气弹簧
FR3040455B1 (fr) * 2015-08-27 2017-09-29 Messier-Dowty Inc Actionneur telescopique lineaire
DE102016201386B4 (de) * 2016-01-29 2018-10-18 Suspa Gmbh Gasdruckfeder
US10813427B2 (en) * 2016-04-12 2020-10-27 Royal Botania Strutless umbrella frame for supporting a canopy

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2513302C2 (de) * 1975-03-26 1985-05-30 Stabilus Gmbh, 5400 Koblenz Blockierbare pneumatische oder hydropneumatische Feder
FR2349767A1 (fr) * 1976-04-30 1977-11-25 Bourcier Carbon Christian Amortisseur a gaz assurant simultanement la fonction de ressort
US4078638A (en) * 1976-09-30 1978-03-14 Showa Manufacturing Co., Ltd. Oil pressure shock absorber
DE2902055A1 (de) * 1978-01-20 1979-07-26 Girling Ltd Gasfeder
US4298101A (en) * 1979-10-05 1981-11-03 Enertrols, Inc. Shock absorber
DE3133144A1 (de) * 1981-08-21 1983-03-10 Diehl GmbH & Co, 8500 Nürnberg Hydraulische rohrruecklaufbremse
DE3301544A1 (de) * 1983-01-19 1984-07-19 Stabilus Gmbh, 5400 Koblenz Gasfeder als huborgan zum oeffnen von nach oben schwenkbaren klappen
DE3332216C2 (de) * 1983-09-07 1995-02-16 Fichtel & Sachs Ag Verwendung einer Prägevorrichtung zur Herstellung mindestens einer axial verlaufenden Innennut an einem rohrförmig ausgebildeten Zylinder für Schwingungsdämpfer
JPS6088222A (ja) * 1983-10-21 1985-05-18 Daido Metal Kogyo Kk 複合摺動体
JPH0653903B2 (ja) * 1989-01-20 1994-07-20 日本鋼管株式会社 Ni―Fe系高透磁率磁性合金

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018040491A (ja) * 2016-09-05 2018-03-15 シュタビルス ゲーエムベーハーStabilus Gmbh ばね装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP0781938A3 (en) 1997-07-09
US5797593A (en) 1998-08-25
AU709713B2 (en) 1999-09-02
AU7409696A (en) 1997-06-12
DE69619781D1 (de) 2002-04-18
DE69619781T2 (de) 2002-09-12
EP0781938B1 (en) 2002-03-13
EP0781938A2 (en) 1997-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09158967A (ja) ガススプリング
US5961102A (en) Gas spring
KR19980702646A (ko) 유량 감응 및 가속 감응 쇽 업소버
US5823512A (en) Gas spring
JPH09269030A (ja) 蓋体等の支持装置
JPH09210109A (ja) ガススプリング
JPH10252800A (ja) ガススプリング
JP4418100B2 (ja) 鉄道車両の左右動減衰装置
JPH11287282A (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JPH0348424Y2 (ja)
JP2001343043A (ja) ガススプリング
JP2004132500A (ja) 油圧緩衝器
JPS6011255B2 (ja) ハイロドニユーマチツクサスペンシヨン
JP3991661B2 (ja) ショックアブソーバ
JPH02159436A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JPH0516416Y2 (ja)
JPH08334141A (ja) 倒立型フロントフォーク
KR100385482B1 (ko) 쇽업소버의스토퍼결합구조
JPH08200428A (ja) 油圧緩衝器
JPS6316629Y2 (ja)
KR200153984Y1 (ko) 자동차 도어의 개스댐퍼
JPH05196081A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP2003028225A (ja) ガススプリング
JP2000240714A (ja) エアサスペンション
JPH11351310A (ja) 油圧緩衝器のバルブ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051028

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060313