JPH11287282A - 油圧緩衝器の減衰力発生構造 - Google Patents
油圧緩衝器の減衰力発生構造Info
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- JPH11287282A JPH11287282A JP10691198A JP10691198A JPH11287282A JP H11287282 A JPH11287282 A JP H11287282A JP 10691198 A JP10691198 A JP 10691198A JP 10691198 A JP10691198 A JP 10691198A JP H11287282 A JPH11287282 A JP H11287282A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 油圧緩衝器において、ピストン速度が中速〜
高速域にあるときの減衰力を相対的に大きくすることな
しに、ピストン速度が微低速〜低速域にあるときの減衰
力をピストン速度にほぼ比例してリニアに立ち上がらせ
る。 【解決手段】 ピストンロッド1においては、下端イン
ロー部1Aに上部室A側に伸びる中空孔1Bを設け、当
該中空孔と上部室との間に還流弁4と伸側減衰弁9を迂
回するチョーク孔1Cを穿設し、ガイド18において
は、底部室C側から下部室B側に伸びる中空孔18Aを
設けるとともに、当該中空孔と下部室との間に吸い込み
弁25と圧側減衰弁22を迂回するチョーク孔18Bを
穿設する。またピストン5においては、上部室側と下部
室側との間に、還流弁4と伸側減衰弁9を迂回するチョ
ーク孔5G,5H,5Jを穿設し、バルブケース20に
おいては、下部室側と底部室側との間に、吸い込み弁2
5と圧側減衰弁22を迂回するチョーク孔20F,20
G,20H,20Jを穿設する。
高速域にあるときの減衰力を相対的に大きくすることな
しに、ピストン速度が微低速〜低速域にあるときの減衰
力をピストン速度にほぼ比例してリニアに立ち上がらせ
る。 【解決手段】 ピストンロッド1においては、下端イン
ロー部1Aに上部室A側に伸びる中空孔1Bを設け、当
該中空孔と上部室との間に還流弁4と伸側減衰弁9を迂
回するチョーク孔1Cを穿設し、ガイド18において
は、底部室C側から下部室B側に伸びる中空孔18Aを
設けるとともに、当該中空孔と下部室との間に吸い込み
弁25と圧側減衰弁22を迂回するチョーク孔18Bを
穿設する。またピストン5においては、上部室側と下部
室側との間に、還流弁4と伸側減衰弁9を迂回するチョ
ーク孔5G,5H,5Jを穿設し、バルブケース20に
おいては、下部室側と底部室側との間に、吸い込み弁2
5と圧側減衰弁22を迂回するチョーク孔20F,20
G,20H,20Jを穿設する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生構造に
関し、特に、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力
を発生する減衰力発生構造の改良に関するものである。
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生構造に
関し、特に、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力
を発生する減衰力発生構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば図
2に示すようなものが知られている。まず構造の概要を
図面に基づいて説明する。車体と車輪との間に結合部材
を介して取付けられる油圧緩衝器は、ピストンロッド1
にピストン5とピストンバルブPVを組み付け、それを
摺動自在に収容するとともに下端部にベースバルブBV
を装着したシリンダ13を外筒17に収容し、外気を遮
断するシール15とロッドガイド14とを収容したパッ
キンケース16を外筒17の上部から嵌挿した後、外筒
17の上端部を全周溶接等により密封して形成されてい
る。そして、シリンダ13と外筒17の間にはタンク室
Dが形成される。
2に示すようなものが知られている。まず構造の概要を
図面に基づいて説明する。車体と車輪との間に結合部材
を介して取付けられる油圧緩衝器は、ピストンロッド1
にピストン5とピストンバルブPVを組み付け、それを
摺動自在に収容するとともに下端部にベースバルブBV
を装着したシリンダ13を外筒17に収容し、外気を遮
断するシール15とロッドガイド14とを収容したパッ
キンケース16を外筒17の上部から嵌挿した後、外筒
17の上端部を全周溶接等により密封して形成されてい
る。そして、シリンダ13と外筒17の間にはタンク室
Dが形成される。
【0003】作動油の充満したシリンダ13内をピスト
ンロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作
動油は、ピストンバルブPVを介して、下部室Bに流出
し、この際の通路抵抗が伸長側減衰力となる。ピストン
ロッド1の上昇によって不足するピストンロッド退出体
積分の作動油は、前記シリンダ13の下端部に配設され
たベースバルブBVを介してタンク室Dに連なる底部室
Cより吸入される。
ンロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作
動油は、ピストンバルブPVを介して、下部室Bに流出
し、この際の通路抵抗が伸長側減衰力となる。ピストン
ロッド1の上昇によって不足するピストンロッド退出体
積分の作動油は、前記シリンダ13の下端部に配設され
たベースバルブBVを介してタンク室Dに連なる底部室
Cより吸入される。
【0004】次に、この油圧緩衝器のピストンバルブP
Vについて説明する。ピストンロッド1の下端部には上
部よりも小径のインロー部1Aが設けられ、ここにバル
ブストッパ2,当該バルブストッパ2に巻挿されるとと
もに円筒部2Aに内周側の支持脚が案内される還流弁
4,当該還流弁4を背面からピストン5の上面に付勢す
るつる巻き状のノンリタンスプリング3,シリンダ内に
摺接するピストンリング6及びガイドメタル7を外面に
装着したピストン5を嵌挿する。
Vについて説明する。ピストンロッド1の下端部には上
部よりも小径のインロー部1Aが設けられ、ここにバル
ブストッパ2,当該バルブストッパ2に巻挿されるとと
もに円筒部2Aに内周側の支持脚が案内される還流弁
4,当該還流弁4を背面からピストン5の上面に付勢す
るつる巻き状のノンリタンスプリング3,シリンダ内に
摺接するピストンリング6及びガイドメタル7を外面に
装着したピストン5を嵌挿する。
【0005】次に、当該ピストン5の下面に対向し外周
側の一部を切り欠いた切欠きリーフバルブ8,当該切欠
きリーフバルブ8の下面に重畳され前記切欠きリーフバ
ルブ8と共に内周側が固定される座金状のリーフバルブ
9を順次嵌挿する。最後に、当該リーフバルブ9の外周
側に当接するスプリングシート10及び当該スプリング
シート10を背面から付勢するスプリング11を上下動
自在に案内するピストンナット12を螺着し、締付け工
具により締結することによりピストンバルブPVが構成
される。
側の一部を切り欠いた切欠きリーフバルブ8,当該切欠
きリーフバルブ8の下面に重畳され前記切欠きリーフバ
ルブ8と共に内周側が固定される座金状のリーフバルブ
9を順次嵌挿する。最後に、当該リーフバルブ9の外周
側に当接するスプリングシート10及び当該スプリング
シート10を背面から付勢するスプリング11を上下動
自在に案内するピストンナット12を螺着し、締付け工
具により締結することによりピストンバルブPVが構成
される。
【0006】シリンダ13内を上部室Aと下部室Bに区
画するピストン5には、下部室Bに連通する外周ポート
5A及び上部室Aに連通する内周ポート5Bが形成され
ている。当該内周ポート5Bの下端部には円環状の開口
窓5Eが形成され、当該開口窓5Eには、図2(B)に
示すような切欠き8Aが設けられた切欠きリーフバルブ
8と図2(C)に示すような座金状のリーフバルブ9と
が重畳され、ピストンナット12により内周側を固定さ
れて対向している。
画するピストン5には、下部室Bに連通する外周ポート
5A及び上部室Aに連通する内周ポート5Bが形成され
ている。当該内周ポート5Bの下端部には円環状の開口
窓5Eが形成され、当該開口窓5Eには、図2(B)に
示すような切欠き8Aが設けられた切欠きリーフバルブ
8と図2(C)に示すような座金状のリーフバルブ9と
が重畳され、ピストンナット12により内周側を固定さ
れて対向している。
【0007】ピストン速度が小さくピストン下部の開口
窓5Eと下部室B間の圧力差が小さい所謂微低速〜低速
域においては、スプリング11に付勢されている切欠き
リーフバルブ8の外周は、シート面5Dに着座したまま
前記開口窓5Eを覆窓している。上部室Aに連通する内
周ポート5Bを介してピストン下部の開口窓5Eに導か
れた圧油は、切欠きリーフバルブ8の切欠き8Aを介し
て下部室Bに開放され、この際の通路抵抗により微低速
〜低速域の減衰力を発生する。
窓5Eと下部室B間の圧力差が小さい所謂微低速〜低速
域においては、スプリング11に付勢されている切欠き
リーフバルブ8の外周は、シート面5Dに着座したまま
前記開口窓5Eを覆窓している。上部室Aに連通する内
周ポート5Bを介してピストン下部の開口窓5Eに導か
れた圧油は、切欠きリーフバルブ8の切欠き8Aを介し
て下部室Bに開放され、この際の通路抵抗により微低速
〜低速域の減衰力を発生する。
【0008】ピストン速度が増大するに伴い切欠き8A
を通過する流量も増え、切欠き8A前後の圧力差も増大
する。ピストン速度が中速域に近づくにつれ、ピストン
下部の開口窓5Eと下部室Bの圧力差が大きくなるの
で、スプリング11に付勢されている切欠きリーフバル
ブ8とその背面に重畳して配設されているリーフバルブ
9の外周が、スプリング11の付勢力と切欠きリーフバ
ルブ8及びリーフバルブ9からなる伸側減衰弁の合成さ
れた撓み剛性に打ち勝って、ピストン下面のシート面か
ら押し開かれ、作動油が下部室Bに流出し、この際の通
路抵抗により中速域以降の減衰力を発生する。
を通過する流量も増え、切欠き8A前後の圧力差も増大
する。ピストン速度が中速域に近づくにつれ、ピストン
下部の開口窓5Eと下部室Bの圧力差が大きくなるの
で、スプリング11に付勢されている切欠きリーフバル
ブ8とその背面に重畳して配設されているリーフバルブ
9の外周が、スプリング11の付勢力と切欠きリーフバ
ルブ8及びリーフバルブ9からなる伸側減衰弁の合成さ
れた撓み剛性に打ち勝って、ピストン下面のシート面か
ら押し開かれ、作動油が下部室Bに流出し、この際の通
路抵抗により中速域以降の減衰力を発生する。
【0009】以上の説明は作動油の充満したシリンダ1
3内をピストンロッド1が上昇する伸長側についてであ
るが、逆にピストンロッド1が下降する際には、密閉さ
れた下部室Bの作動油は、ピストン5の外周ポート5A
を通り、ノンリタンスプリング3によって付勢された還
流弁4を押し開き、負圧となる上部室Aに補充される分
を除いて、シリンダ13の下端部に装着されたベースバ
ルブBVを介して下部室Bよりタンク室Dに連なる底部
室Cに流出し、この際の通路抵抗が圧縮側減衰力とな
る。
3内をピストンロッド1が上昇する伸長側についてであ
るが、逆にピストンロッド1が下降する際には、密閉さ
れた下部室Bの作動油は、ピストン5の外周ポート5A
を通り、ノンリタンスプリング3によって付勢された還
流弁4を押し開き、負圧となる上部室Aに補充される分
を除いて、シリンダ13の下端部に装着されたベースバ
ルブBVを介して下部室Bよりタンク室Dに連なる底部
室Cに流出し、この際の通路抵抗が圧縮側減衰力とな
る。
【0010】油圧緩衝器の液圧室の外殻をなすシリンダ
13の下端部には、ベースバルブBVが装着されてい
る。このベースバルブBVの構成を説明する。まず、ガ
イド18の大径部18Aに内周側に形成された支持脚が
案内される吸い込み弁25,当該吸い込み弁25を背面
からバルブケース20の上面に付勢するつる巻き状のノ
ンリタンスプリング19を嵌挿する。
13の下端部には、ベースバルブBVが装着されてい
る。このベースバルブBVの構成を説明する。まず、ガ
イド18の大径部18Aに内周側に形成された支持脚が
案内される吸い込み弁25,当該吸い込み弁25を背面
からバルブケース20の上面に付勢するつる巻き状のノ
ンリタンスプリング19を嵌挿する。
【0011】続いて、ガイド18の小径部に、シリンダ
13の下端部に外面が圧入されるバルブケース20,当
該バルブケース20の下面に対向し外周側の一部が切り
欠かれた図2(B)と同様な切欠きリーフバルブ21,
当該切欠きリーフバルブ21の下面に重畳され前記切欠
きリーフバルブ21と共に内周側が固定される図2
(C)と同様な座金状のリーフバルブ22,当該リーフ
バルブ22の下面に重畳され外径部がこれらリーフバル
ブの撓みの支持径となる環座23,これらリーフバルブ
の最大撓み量を規制するバルブストッパ24を順次嵌挿
する。最後に、ガイド18の小径下端部を工具により加
締めることによりベースバルブBVが構成される。
13の下端部に外面が圧入されるバルブケース20,当
該バルブケース20の下面に対向し外周側の一部が切り
欠かれた図2(B)と同様な切欠きリーフバルブ21,
当該切欠きリーフバルブ21の下面に重畳され前記切欠
きリーフバルブ21と共に内周側が固定される図2
(C)と同様な座金状のリーフバルブ22,当該リーフ
バルブ22の下面に重畳され外径部がこれらリーフバル
ブの撓みの支持径となる環座23,これらリーフバルブ
の最大撓み量を規制するバルブストッパ24を順次嵌挿
する。最後に、ガイド18の小径下端部を工具により加
締めることによりベースバルブBVが構成される。
【0012】ピストンロッド1の下降時には、ベースバ
ルブケース20の内周ポート20Bを通った作動油が、
ピストン速度の低速域においては、外周側の一部を切り
欠いた切欠きリーフバルブ21の切欠き21Aを通り、
またピストン速度の増大する中速域以上においては、当
該切欠きリーフバルブ21に重畳され前記切欠きリーフ
バルブ21と共に内周側が固定されたリーフバルブ22
からなる圧側減衰弁の外周側を押し開いて、ピストンロ
ッド1の進入体積分の作動油を下部室Bからタンク室D
に連なる底部室Cに排出し、その際の通路抵抗により圧
縮側減衰力を発生させる。
ルブケース20の内周ポート20Bを通った作動油が、
ピストン速度の低速域においては、外周側の一部を切り
欠いた切欠きリーフバルブ21の切欠き21Aを通り、
またピストン速度の増大する中速域以上においては、当
該切欠きリーフバルブ21に重畳され前記切欠きリーフ
バルブ21と共に内周側が固定されたリーフバルブ22
からなる圧側減衰弁の外周側を押し開いて、ピストンロ
ッド1の進入体積分の作動油を下部室Bからタンク室D
に連なる底部室Cに排出し、その際の通路抵抗により圧
縮側減衰力を発生させる。
【0013】逆に、ピストンロッド1の上昇時には、ベ
ースバルブケース20の外周ポート20Aを通り、ノン
リタンスプリング19に付勢されガイド18の大径部1
8Aに上下動自在に案内される吸い込み弁25を押し開
いて、ピストンロッド1の退出体積分の作動油を底部室
Cから下部室Bに吸入する。
ースバルブケース20の外周ポート20Aを通り、ノン
リタンスプリング19に付勢されガイド18の大径部1
8Aに上下動自在に案内される吸い込み弁25を押し開
いて、ピストンロッド1の退出体積分の作動油を底部室
Cから下部室Bに吸入する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の様にピストン速
度の低速域において、ピストンバルブPVについては外
周側の一部を切り欠いた切欠きリーフバルブ8の切欠き
8A(ベースバルブBVについては切欠きリーフバルブ
21の切欠き21A)を通るのであるが、この際の通路
抵抗である減衰力Fは、切欠きの通路面積をa,ピスト
ン速度をVとすると、比例常数をkとして、 F=k
(V/a)2 となる。すなわち減衰力Fは、切欠き
の通路面積aの2乗に反比例し、ピストン速度Vの2乗
に比例するため、ピストン速度のごく小さい微低速域に
おいては、減衰力Fの立ち上がりが悪く、道路のうねり
等を通過する際の上下振動の減衰が不十分である。
度の低速域において、ピストンバルブPVについては外
周側の一部を切り欠いた切欠きリーフバルブ8の切欠き
8A(ベースバルブBVについては切欠きリーフバルブ
21の切欠き21A)を通るのであるが、この際の通路
抵抗である減衰力Fは、切欠きの通路面積をa,ピスト
ン速度をVとすると、比例常数をkとして、 F=k
(V/a)2 となる。すなわち減衰力Fは、切欠き
の通路面積aの2乗に反比例し、ピストン速度Vの2乗
に比例するため、ピストン速度のごく小さい微低速域に
おいては、減衰力Fの立ち上がりが悪く、道路のうねり
等を通過する際の上下振動の減衰が不十分である。
【0015】他方、ピストン速度が微低速〜低速域にあ
るときの減衰力をピストン速度に比例してリニアに立ち
上がらせるには、従来技術で説明した切欠きリーフバル
ブ21の切欠き8Aを、直径に対して通路長の長い、流
体力学で言う所謂チョーク孔に置き換えればよいことが
知られている。すなわち、チョーク孔の長さLが直径d
よりも十分(例えばL>5d)長ければ、通路抵抗であ
る減衰力Fは、ピストン速度をVとし比例常数をkとし
て、F=kV となるので、微低速〜低速域の減衰力
をピストン速度に比例してリニアに立ち上がらせること
ができる。
るときの減衰力をピストン速度に比例してリニアに立ち
上がらせるには、従来技術で説明した切欠きリーフバル
ブ21の切欠き8Aを、直径に対して通路長の長い、流
体力学で言う所謂チョーク孔に置き換えればよいことが
知られている。すなわち、チョーク孔の長さLが直径d
よりも十分(例えばL>5d)長ければ、通路抵抗であ
る減衰力Fは、ピストン速度をVとし比例常数をkとし
て、F=kV となるので、微低速〜低速域の減衰力
をピストン速度に比例してリニアに立ち上がらせること
ができる。
【0016】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、減衰力をピス
トン速度に依存して発生させる減衰力発生弁を有する油
圧緩衝器において、ピストン速度が中速〜高速域にある
ときの減衰力を相対的に大きくすることなしに、ピスト
ン速度が微低速〜低速域にあるときの減衰力をピストン
速度にほぼ比例してリニアに立ち上がらせることがで
き、車両におけるサスペンションへの利用に最適となる
減衰力を発生する油圧緩衝器のチョーク孔を提供するこ
とである。
たものであり、その目的とするところは、減衰力をピス
トン速度に依存して発生させる減衰力発生弁を有する油
圧緩衝器において、ピストン速度が中速〜高速域にある
ときの減衰力を相対的に大きくすることなしに、ピスト
ン速度が微低速〜低速域にあるときの減衰力をピストン
速度にほぼ比例してリニアに立ち上がらせることがで
き、車両におけるサスペンションへの利用に最適となる
減衰力を発生する油圧緩衝器のチョーク孔を提供するこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、「シリンダ上
端に装着されピストンロッドを出没自在に案内するロッ
ドガイドと、前記ピストンロッドの下端インロー部に装
着されたピストンとにより、シリンダ内を上部室と下部
室とに区画する一方、前記上部室に連通する内周ポート
下面の開口窓に対向する伸側減衰弁と、前記下部室に連
通する外周ポート上面の開口窓に対向する還流弁とを、
ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピ
ストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御するとと
もに、シリンダの下端部に装着されたバルブケースによ
りシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室とを区
画する一方、前記底部室に連通する外周ポート上面の開
口窓に対向する吸い込み弁と、前記下部室に連通する内
周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁とを、前記
バルブケースを挟んでガイドにより締結するとともに、
これら圧側減衰弁と吸い込み弁をピストンロッドの伸縮
に応じて開閉することにより、ピストンロッドが収縮す
る際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器」を前提とする
ものである。
端に装着されピストンロッドを出没自在に案内するロッ
ドガイドと、前記ピストンロッドの下端インロー部に装
着されたピストンとにより、シリンダ内を上部室と下部
室とに区画する一方、前記上部室に連通する内周ポート
下面の開口窓に対向する伸側減衰弁と、前記下部室に連
通する外周ポート上面の開口窓に対向する還流弁とを、
ピストンロッドの伸縮に応じて開閉することにより、ピ
ストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御するとと
もに、シリンダの下端部に装着されたバルブケースによ
りシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室とを区
画する一方、前記底部室に連通する外周ポート上面の開
口窓に対向する吸い込み弁と、前記下部室に連通する内
周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁とを、前記
バルブケースを挟んでガイドにより締結するとともに、
これら圧側減衰弁と吸い込み弁をピストンロッドの伸縮
に応じて開閉することにより、ピストンロッドが収縮す
る際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器」を前提とする
ものである。
【0018】上記の目的を達成するための本発明の第1
の手段は、「前記ピストンロッドの下端インロー部には
前記上部室側に伸びる中空孔を設け、当該中空孔と前記
上部室との間に前記還流弁と伸側減衰弁を迂回する一つ
又は複数のチョーク孔を穿設したこと」である。第2の
手段は、「前記ピストンロッドの下端インロー部と前記
ピストンとの嵌合部に前記下部室に連通する溝を設け、
当該溝とピストン上面との間に一つ又は複数のチョーク
孔を穿設したこと」である。また第3の手段は、「前記
ピストンの上部室側と下部室側との間に、前記還流弁と
伸側減衰弁を迂回する一つ又は複数のチョーク孔を穿設
したこと」である。
の手段は、「前記ピストンロッドの下端インロー部には
前記上部室側に伸びる中空孔を設け、当該中空孔と前記
上部室との間に前記還流弁と伸側減衰弁を迂回する一つ
又は複数のチョーク孔を穿設したこと」である。第2の
手段は、「前記ピストンロッドの下端インロー部と前記
ピストンとの嵌合部に前記下部室に連通する溝を設け、
当該溝とピストン上面との間に一つ又は複数のチョーク
孔を穿設したこと」である。また第3の手段は、「前記
ピストンの上部室側と下部室側との間に、前記還流弁と
伸側減衰弁を迂回する一つ又は複数のチョーク孔を穿設
したこと」である。
【0019】更に第4の手段は、「前記ガイドには前記
底部室側から下部室側に伸びる中空孔を設けるととも
に、当該中空孔と前記下部室との間に前記吸い込み弁と
圧側減衰弁を迂回する一つ又は複数のチョーク孔を穿設
したこと」を特徴とするものである。同じく第5の手段
は、「前記バルブケースの下部室側と底部室側との間
に、前記吸い込み弁と圧側減衰弁を迂回する一つ又は複
数のチョーク孔を穿設したこと」である。同じく第6の
手段は、「前記ロッドガイドの前記上部室側と前記タン
ク室との間に、前記伸側減衰弁と前記還流弁を介する前
記圧側減衰弁の双方を迂回する一つ又は複数のチョーク
孔を穿設したこと」である。
底部室側から下部室側に伸びる中空孔を設けるととも
に、当該中空孔と前記下部室との間に前記吸い込み弁と
圧側減衰弁を迂回する一つ又は複数のチョーク孔を穿設
したこと」を特徴とするものである。同じく第5の手段
は、「前記バルブケースの下部室側と底部室側との間
に、前記吸い込み弁と圧側減衰弁を迂回する一つ又は複
数のチョーク孔を穿設したこと」である。同じく第6の
手段は、「前記ロッドガイドの前記上部室側と前記タン
ク室との間に、前記伸側減衰弁と前記還流弁を介する前
記圧側減衰弁の双方を迂回する一つ又は複数のチョーク
孔を穿設したこと」である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1に基づき、従
来技術と異なる部分にのみ異なる符号を付して説明す
る。本発明に係わる油圧緩衝器は、図2の従来技術と同
じ基本構造を備え、シリンダ13内にピストン5を介し
てピストンロッド1が移動自在に挿入され、またシリン
ダ13の下端部にはベースバルブBVが設けられ、ピス
トン5はシリンダ13内に上部室A,下部室Bを区画
し、ベースバルブBVを構成するバルブケース20は、
同じく下部室B,底部室Cを区画している。
来技術と異なる部分にのみ異なる符号を付して説明す
る。本発明に係わる油圧緩衝器は、図2の従来技術と同
じ基本構造を備え、シリンダ13内にピストン5を介し
てピストンロッド1が移動自在に挿入され、またシリン
ダ13の下端部にはベースバルブBVが設けられ、ピス
トン5はシリンダ13内に上部室A,下部室Bを区画
し、ベースバルブBVを構成するバルブケース20は、
同じく下部室B,底部室Cを区画している。
【0021】まず、本発明をピストンロッド下端のイン
ロー部1Aに装着されたピストンバルブPV側に適用し
た実施形態より説明する。従来技術で説明したピストン
バルブPVとの相違点は、切欠きリーフバルブ8の切欠
き8Aの通路面積に相当する前記課題欄で詳述した所謂
チョーク孔を上部室Aと下部室Bの間に穿設することで
ある。第1実施例は、ピストンロッド下端のインロー部
1Aの中央部に上部室A側に延びる中空孔1Bをもう
け、当該中空孔1Bと上部室Aとの間に、1つ又は複数
のチョーク孔1Cを穿設するものである。
ロー部1Aに装着されたピストンバルブPV側に適用し
た実施形態より説明する。従来技術で説明したピストン
バルブPVとの相違点は、切欠きリーフバルブ8の切欠
き8Aの通路面積に相当する前記課題欄で詳述した所謂
チョーク孔を上部室Aと下部室Bの間に穿設することで
ある。第1実施例は、ピストンロッド下端のインロー部
1Aの中央部に上部室A側に延びる中空孔1Bをもう
け、当該中空孔1Bと上部室Aとの間に、1つ又は複数
のチョーク孔1Cを穿設するものである。
【0022】第2実施例は、ピストン5の嵌合するピス
トンロッド下端インロー部1Aの外面に環状溝1Fを設
け、当該環状溝1Fと上部室A側に延びるインロー部の
中空孔1Dとの間を通孔1Eで連通する一方、ピストン
上面から環状溝1Fに向かって、1つ又は複数のチョー
ク孔1Cを穿設するものである。逆に、軸線に対して傾
斜している孔1Cを径の大きい通孔とし、軸線に直角で
加工しやすい孔1Eをチョーク孔としてもよい。中空孔
1Dは第1実施例の中空孔1Bより短くできるため、加
工が容易になる。また、環状溝1Fは、インロー部1A
の外面に軸線方向に下部室に向かって設けたキー溝に置
き換えてもよい。
トンロッド下端インロー部1Aの外面に環状溝1Fを設
け、当該環状溝1Fと上部室A側に延びるインロー部の
中空孔1Dとの間を通孔1Eで連通する一方、ピストン
上面から環状溝1Fに向かって、1つ又は複数のチョー
ク孔1Cを穿設するものである。逆に、軸線に対して傾
斜している孔1Cを径の大きい通孔とし、軸線に直角で
加工しやすい孔1Eをチョーク孔としてもよい。中空孔
1Dは第1実施例の中空孔1Bより短くできるため、加
工が容易になる。また、環状溝1Fは、インロー部1A
の外面に軸線方向に下部室に向かって設けたキー溝に置
き換えてもよい。
【0023】上記第1,第2実施例は、ピストンバルブ
PVがピストンロッド下端のインロー部1Aに装着され
る構造であれば、図1に示すピストンバルブ構造に限定
されることなくあらゆるバルブ構造に適用することがで
きる。
PVがピストンロッド下端のインロー部1Aに装着され
る構造であれば、図1に示すピストンバルブ構造に限定
されることなくあらゆるバルブ構造に適用することがで
きる。
【0024】つぎに第3実施例は、下部室Bに連通する
ピストンの外周ポート5Aと当該外周ポート5A上面の
開口窓の枠外上面との間に、外周側のチョーク孔5G又
は内周側のチョーク孔5Hを穿設するものである。更に
第4実施例は、下部室Bに連通する外周ポート5Aと上
部室Aに連通する内周ポート5B下面の開口窓との間
に、チョーク孔5Jを穿設するものである。チョーク孔
5G,5H,5Jは、いずれも外周ポート5Aに対応さ
せて円周方向に一つ又は複数設ければよい。
ピストンの外周ポート5Aと当該外周ポート5A上面の
開口窓の枠外上面との間に、外周側のチョーク孔5G又
は内周側のチョーク孔5Hを穿設するものである。更に
第4実施例は、下部室Bに連通する外周ポート5Aと上
部室Aに連通する内周ポート5B下面の開口窓との間
に、チョーク孔5Jを穿設するものである。チョーク孔
5G,5H,5Jは、いずれも外周ポート5Aに対応さ
せて円周方向に一つ又は複数設ければよい。
【0025】上記いずれの実施例においても、還流弁と
伸側減衰弁を迂回して上部室Aと下部室Bをチョーク孔
が連通するので、当該チョーク孔の通路抵抗である減衰
力Fは、前記課題欄で詳述したように F=kV とな
り、微低速〜低速域の減衰力をピストン速度Vに比例し
てリニアに立ち上がらせることができる。
伸側減衰弁を迂回して上部室Aと下部室Bをチョーク孔
が連通するので、当該チョーク孔の通路抵抗である減衰
力Fは、前記課題欄で詳述したように F=kV とな
り、微低速〜低速域の減衰力をピストン速度Vに比例し
てリニアに立ち上がらせることができる。
【0026】ピストン速度が増大するに伴い上記チョー
ク孔を通過する流量も増え、上部室Aと下部室B間の圧
力差も増大する。ピストン速度が中速域に近づくにつ
れ、ピストン下部の開口窓5Eと下部室Bの圧力差が大
きくなるので、スプリング11に付勢されているリーフ
バルブ9からなる伸側減衰弁の外周側が、スプリング1
1の付勢力とリーフバルブ9の撓み剛性との合成された
押圧力に打ち勝って、ピストン下面のシート面5Dから
押し開かれ、作動油が下部室Bに流出し、この際の通路
抵抗により中速域以降の減衰力を発生する。ピストン下
面のシート面5Dは従来と同様に狭いので、リーフバル
ブ9のシート面5Dからの離脱はスムースに行われるた
めに、ことこと音は発生しない。
ク孔を通過する流量も増え、上部室Aと下部室B間の圧
力差も増大する。ピストン速度が中速域に近づくにつ
れ、ピストン下部の開口窓5Eと下部室Bの圧力差が大
きくなるので、スプリング11に付勢されているリーフ
バルブ9からなる伸側減衰弁の外周側が、スプリング1
1の付勢力とリーフバルブ9の撓み剛性との合成された
押圧力に打ち勝って、ピストン下面のシート面5Dから
押し開かれ、作動油が下部室Bに流出し、この際の通路
抵抗により中速域以降の減衰力を発生する。ピストン下
面のシート面5Dは従来と同様に狭いので、リーフバル
ブ9のシート面5Dからの離脱はスムースに行われるた
めに、ことこと音は発生しない。
【0027】つぎに、本発明をシリンダ下端部に装着さ
れたベースバルブBVに適用した実施形態を説明する。
従来技術で説明したベースバルブBVとの相違点は、切
欠きリーフバルブ21の切欠き21Aの通路面積に相当
するチョーク孔を下部室Bと底部室Cとの間に穿設する
ことである。第5実施例は、ガイド18の中央部に下部
室B側に延びる中空孔18Aを設け、当該中空孔18A
と下部室Bとの間に、チョーク孔18Bを穿設するもの
である。チョーク孔18Bの長さは、中空孔18Aの長
さにより調整する。この実施例は、ベースバルブBVに
ガイド部材を使用する構造であれば、図1に示す構造に
限定されることなくあらゆるバルブ構造に適用すること
ができる。
れたベースバルブBVに適用した実施形態を説明する。
従来技術で説明したベースバルブBVとの相違点は、切
欠きリーフバルブ21の切欠き21Aの通路面積に相当
するチョーク孔を下部室Bと底部室Cとの間に穿設する
ことである。第5実施例は、ガイド18の中央部に下部
室B側に延びる中空孔18Aを設け、当該中空孔18A
と下部室Bとの間に、チョーク孔18Bを穿設するもの
である。チョーク孔18Bの長さは、中空孔18Aの長
さにより調整する。この実施例は、ベースバルブBVに
ガイド部材を使用する構造であれば、図1に示す構造に
限定されることなくあらゆるバルブ構造に適用すること
ができる。
【0028】また第6実施例は、底部室Cに連通するバ
ルブケースの外周ポート20Aと外周ポート20A上面
の開口窓の枠外上面との間に、外周側のチョーク孔20
F又は内周側のチョーク孔20Gを穿設するものであ
る。チョーク孔20Fは底部室Cとタンク室D間に設け
られた脚部の切欠き通路20Kに向かって穿設したチョ
ーク孔20Jとしてもよい。チョーク孔20F,20G
が傾斜穴であるのに対し、チョーク孔20Jは軸線に平
行であるので加工が容易である。
ルブケースの外周ポート20Aと外周ポート20A上面
の開口窓の枠外上面との間に、外周側のチョーク孔20
F又は内周側のチョーク孔20Gを穿設するものであ
る。チョーク孔20Fは底部室Cとタンク室D間に設け
られた脚部の切欠き通路20Kに向かって穿設したチョ
ーク孔20Jとしてもよい。チョーク孔20F,20G
が傾斜穴であるのに対し、チョーク孔20Jは軸線に平
行であるので加工が容易である。
【0029】更に第7実施例は、底部室Cに連通する外
周ポート20Aと下部室Bに連通する内周ポート20B
下面の開口窓との間に、チョーク孔20Hを穿設するも
のである。前記チョーク孔20F,20G及び当該チョ
ーク孔20Hは、いずれも外周ポート20Aに対応させ
て円周方向に一つ又は複数設ければよい。上記第1〜第
7実施例においては、チョーク孔を伸側減衰弁9と還流
弁4又は圧側減衰弁22と吸い込み弁25を迂回して設
けているが、図1上部の第8実施例に示すように、ピス
トンロッド1をシリンダ上部に出没自在に案内するロッ
ドガイド14の上部室A側とタンク室Dの間に設けるこ
ともできる。
周ポート20Aと下部室Bに連通する内周ポート20B
下面の開口窓との間に、チョーク孔20Hを穿設するも
のである。前記チョーク孔20F,20G及び当該チョ
ーク孔20Hは、いずれも外周ポート20Aに対応させ
て円周方向に一つ又は複数設ければよい。上記第1〜第
7実施例においては、チョーク孔を伸側減衰弁9と還流
弁4又は圧側減衰弁22と吸い込み弁25を迂回して設
けているが、図1上部の第8実施例に示すように、ピス
トンロッド1をシリンダ上部に出没自在に案内するロッ
ドガイド14の上部室A側とタンク室Dの間に設けるこ
ともできる。
【0030】すなわち、ロッドガイド14の外周に設け
られた還流通路14Aから軸心に向かって穿たれた通孔
14Bと上部室Aとの間に、チョーク孔14Cを穿設す
る。この場合、シリンダ13内をピストンロッド1が上
昇する伸長行程においては、上部室Aの圧油がチョーク
孔14Cを通じてタンク室Dに直接流出する一方,ピス
トンロッド1が下降する圧縮行程においては、下部室B
の圧油がピストン外周側の還流弁4を押し開いて上部室
Aに流入し、チョーク孔14Cを介してタンク室Dに流
出する。
られた還流通路14Aから軸心に向かって穿たれた通孔
14Bと上部室Aとの間に、チョーク孔14Cを穿設す
る。この場合、シリンダ13内をピストンロッド1が上
昇する伸長行程においては、上部室Aの圧油がチョーク
孔14Cを通じてタンク室Dに直接流出する一方,ピス
トンロッド1が下降する圧縮行程においては、下部室B
の圧油がピストン外周側の還流弁4を押し開いて上部室
Aに流入し、チョーク孔14Cを介してタンク室Dに流
出する。
【0031】上記いずれの実施例においても、上流室の
圧油は、伸側減衰弁9と還流弁4又は圧側減衰弁22と
吸い込み弁25を迂回するチョーク孔を介して下流側に
流出させることにより、微低速〜低速域の減衰力をピス
トン速度に対してほぼ比例してリニアに立ち上がらせる
ことができる。このため、ピストン速度のごく小さい微
低速域の減衰力の立ち上がりがよく、車両が道路のうね
り等を通過する際の上下振動が速やかに減衰されるの
で、車両の乗り心地を改善することができる。
圧油は、伸側減衰弁9と還流弁4又は圧側減衰弁22と
吸い込み弁25を迂回するチョーク孔を介して下流側に
流出させることにより、微低速〜低速域の減衰力をピス
トン速度に対してほぼ比例してリニアに立ち上がらせる
ことができる。このため、ピストン速度のごく小さい微
低速域の減衰力の立ち上がりがよく、車両が道路のうね
り等を通過する際の上下振動が速やかに減衰されるの
で、車両の乗り心地を改善することができる。
【0032】
【発明の効果】以上詳述した通り各請求項の発明によれ
ば、流体力学で言う所謂チョーク孔の流体抵抗で、ピス
トン速度が微低速〜低速域の減衰力を発生させるように
したから、微低速〜低速域の減衰力をピストン速度にほ
ぼ比例してリニアに立ち上がらせることができる。この
ため、ピストン速度のごく小さい微低速域の減衰力の立
ち上がりがよく、車両が道路のうねり等を通過する際の
上下振動が速やかに減衰されるので、乗り心地を改善す
ることができる。また、ピストンとバルブケースのシー
ト面の巾を広げる必要がなく、従来と同じピストンとバ
ルブケースを共通に使用してチョーク孔を形成すること
ができるため、従来の製造ラインの大幅な変更なしに、
経済的に上記性能を満たす油圧緩衝器を生産することが
できる。更に、ピストンとバルブケースのシート面の巾
を従来と同じく狭くできるため、バルブがスムースに離
脱でき、これによりことこと音の発生を未然に防止する
ことができる。
ば、流体力学で言う所謂チョーク孔の流体抵抗で、ピス
トン速度が微低速〜低速域の減衰力を発生させるように
したから、微低速〜低速域の減衰力をピストン速度にほ
ぼ比例してリニアに立ち上がらせることができる。この
ため、ピストン速度のごく小さい微低速域の減衰力の立
ち上がりがよく、車両が道路のうねり等を通過する際の
上下振動が速やかに減衰されるので、乗り心地を改善す
ることができる。また、ピストンとバルブケースのシー
ト面の巾を広げる必要がなく、従来と同じピストンとバ
ルブケースを共通に使用してチョーク孔を形成すること
ができるため、従来の製造ラインの大幅な変更なしに、
経済的に上記性能を満たす油圧緩衝器を生産することが
できる。更に、ピストンとバルブケースのシート面の巾
を従来と同じく狭くできるため、バルブがスムースに離
脱でき、これによりことこと音の発生を未然に防止する
ことができる。
【図1】本発明の第1〜第4実施例(ピストンバルブ
側),第5〜第7実施例(ベースバルブ側),第8実施
例(ロッドガイド側)に係る油圧緩衝器の断面図であ
る。
側),第5〜第7実施例(ベースバルブ側),第8実施
例(ロッドガイド側)に係る油圧緩衝器の断面図であ
る。
【図2】(A) 従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図
である。 (B) 従来技術に係る切欠きリーフバルブの平面図で
ある。 (C) 従来技術に係る下側リーフバルブの平面図であ
る。
である。 (B) 従来技術に係る切欠きリーフバルブの平面図で
ある。 (C) 従来技術に係る下側リーフバルブの平面図であ
る。
A 上部室 B 下部室 C 底部室 D タンク室 1 ピストンロッド 1A (ピストンロッドの)下端インロー部 1B,1D (ピストンロッドの)中空孔 1C (ピストンロッドの)チョーク孔 1F (下端インロー部の)溝 4 還流弁 5 ピストン 5A (ピストンの)外周ポート 5B (ピストンの)内周ポート 5E ピストン下面の開口窓 5F ピストン上面の開口窓 5G,5H,5J,5K (ピストンの)チョーク孔 9 伸側減衰弁(リーフバルブ) 13 シリンダ 14 ロッドガイド 18 ガイド 18A (ガイドの)中空孔 18B (ガイドの)チョーク孔 20 バルブケース 20D バルブケース上面の開口窓 20E バルブケース下面の開口窓 20F,20G,20H,20J (バルブケースの)
チョーク孔 20K (バルブケースの)切欠き通路 22 圧側減衰弁(リーフバルブ) 25 吸い込み弁
チョーク孔 20K (バルブケースの)切欠き通路 22 圧側減衰弁(リーフバルブ) 25 吸い込み弁
Claims (11)
- 【請求項1】シリンダ上端に装着されピストンロッドを
出没自在に案内するロッドガイドと、前記ピストンロッ
ドの下端インロー部に装着されたピストンとにより、シ
リンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、前記上部
室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する伸側減
衰弁と、前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓
に対向する還流弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて
開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸
側減衰力を制御する油圧緩衝器において、 前記ピストンロッドの下端インロー部には前記上部室側
に伸びる中空孔を設け、当該中空孔と前記上部室との間
に前記還流弁と伸側減衰弁を迂回する一つ又は複数のチ
ョーク孔を穿設したことを特徴とする油圧緩衝器の減衰
力発生構造。 - 【請求項2】シリンダ上端に装着されピストンロッドを
出没自在に案内するロッドガイドと、前記ピストンロッ
ドの下端インロー部に装着されたピストンとにより、シ
リンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、前記上部
室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する伸側減
衰弁と、前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓
に対向する還流弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて
開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸
側減衰力を制御する油圧緩衝器において、 前記ピストンロッドの下端インロー部と前記ピストンと
の嵌合部に前記下部室に連通する溝を設け、当該溝とピ
ストン上面との間に一つ又は複数のチョーク孔を穿設し
たことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生構造。 - 【請求項3】シリンダ上端に装着されピストンロッドを
出没自在に案内するロッドガイドと、前記ピストンロッ
ドの下端インロー部に装着されたピストンとにより、シ
リンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、前記上部
室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する伸側減
衰弁と、前記下部室に連通する外周ポート上面の開口窓
に対向する還流弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じて
開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の伸
側減衰力を制御する油圧緩衝器において、 前記ピストンの上部室側と下部室側との間に、前記還流
弁と伸側減衰弁を迂回する一つ又は複数のチョーク孔を
穿設したことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生構
造。 - 【請求項4】上記チョーク孔は、前記下部室に連通する
ピストンの外周ポートと当該外周ポート上面の開口窓の
外側のピストン上面との間に穿設したことを特徴とする
請求項3に記載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。 - 【請求項5】上記チョーク孔は、前記上部室に連通する
内周ポート下面の開口窓と前記下部室に連通する外周ポ
ートととの間に穿設したことを特徴とする請求項3に記
載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。 - 【請求項6】シリンダの下端部に装着されたバルブケー
スによりシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室
とを区画する一方、前記底部室に連通する外周ポート上
面の開口窓に対向する吸い込み弁と、前記下部室に連通
する内周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁と
を、前記バルブケースを挟んでガイドにより締結すると
ともに、これら圧側減衰弁と吸い込み弁をピストンロッ
ドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッド
が収縮する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器におい
て、 前記ガイドには前記底部室側から下部室側に伸びる中空
孔を設けるとともに、当該中空孔と前記下部室との間に
前記吸い込み弁と圧側減衰弁を迂回する一つ又は複数の
チョーク孔を穿設したことを特徴とする油圧緩衝器の減
衰力発生構造。 - 【請求項7】シリンダの下端部に装着されたバルブケー
スによりシリンダ内の下部室とタンク室に連なる底部室
とを区画する一方、前記底部室に連通する外周ポート上
面の開口窓に対向する吸い込み弁と、前記下部室に連通
する内周ポート下面の開口窓に対向する圧側減衰弁と
を、前記バルブケースを挟んでガイドにより締結すると
ともに、これら圧側減衰弁と吸い込み弁をピストンロッ
ドの伸縮に応じて開閉することにより、ピストンロッド
が収縮する際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器におい
て、前記バルブケースの下部室側と底部室側との間に、
前記吸い込み弁と圧側減衰弁を迂回する一つ又は複数の
チョーク孔を穿設したことを特徴とする油圧緩衝器の減
衰力発生構造。 - 【請求項8】上記チョーク孔は、前記底部室に連通する
前記バルブケースの外周ポートと当該外周ポート上面の
開口窓の外側のバルブケース上面との間に穿設したこと
を特徴とする請求項7に記載の油圧緩衝器の減衰力発生
構造。 - 【請求項9】上記チョーク孔は、前記下部室に連通する
内周ポート下面の開口窓と前記底部室に連通する外周ポ
ートととの間に穿設したことを特徴とする請求項7に記
載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。 - 【請求項10】上記チョーク孔は、前記バルブケースの
底部室に連通する外周ポート上面の開口窓の枠外上面
と、前記底部室外周側の脚部に設けた切欠き通路との間
に穿設したことを特徴とする請求項7に記載の油圧緩衝
器の減衰力発生構造。 - 【請求項11】シリンダ上端に装着されピストンロッド
を出没自在に案内するロッドガイドと、前記ピストンロ
ッドの下端インロー部に装着されたピストンとにより、
シリンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、前記上
部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対向する伸側
減衰弁と、前記下部室に連通する外周ポート上面の開口
窓に対向する還流弁とを、ピストンロッドの伸縮に応じ
て開閉することにより、ピストンロッドが伸長する際の
伸側減衰力を制御するとともに、シリンダの下端部に装
着されたバルブケースによりシリンダ内の下部室とタン
ク室に連なる底部室とを区画する一方、前記底部室に連
通する外周ポート上面の開口窓に対向する吸い込み弁
と、前記下部室に連通する内周ポート下面の開口窓に対
向する圧側減衰弁とを、前記バルブケースを挟んでガイ
ドにより締結するとともに、これら圧側減衰弁と吸い込
み弁をピストンロッドの伸縮に応じて開閉することによ
り、ピストンロッドが収縮する際の圧側減衰力を制御す
る油圧緩衝器において、 前記ロッドガイドの前記上部室側と前記タンク室との間
に、前記伸側減衰弁と前記還流弁を介する前記圧側減衰
弁の双方を迂回する一つ又は複数のチョーク孔を穿設し
たことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10691198A JPH11287282A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10691198A JPH11287282A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11287282A true JPH11287282A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14445630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10691198A Pending JPH11287282A (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11287282A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6290035B1 (en) * | 1998-03-19 | 2001-09-18 | Tenneco Automotive Inc. | Acceleration sensitive damping for automotive dampers |
KR100489344B1 (ko) * | 2001-05-25 | 2005-05-12 | 주식회사 만도 | 쇽 업소버의 일체형 가이드 밸브 구조 |
WO2007055402A1 (ja) * | 2005-11-09 | 2007-05-18 | Kayaba Industry Co., Ltd. | 緩衝器 |
JP2008014359A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Kayaba Ind Co Ltd | ピストン構造 |
JP2012167689A (ja) * | 2011-02-10 | 2012-09-06 | Kyb Co Ltd | ベースバルブ構造 |
-
1998
- 1998-04-01 JP JP10691198A patent/JPH11287282A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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