JP2012167689A - ベースバルブ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝器の収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができるバルブ構造を提供することである。
【解決手段】上記した課題を解決するために、本発明のベースバルブ構造は、シリンダ1内にピストン2で区画した圧側室R2とシリンダ1外に設けたリザーバRとを仕切るバルブケース3と、当該バルブケース3に設けられて圧側室R2とリザーバRとを連通するポート4と、上記バルブケース3のリザーバ側端に積層されて上記ポート4を開閉して上記圧側室R2から上記リザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与える環状のリーフバルブ5と、上記バルブケース3に設けた挿通孔6内に摺動自在に挿入されるとともに上記リーフバルブ5が外周に装着されるガイドロッド7と、当該ガイドロッド7を介して上記リーフバルブ5を上記バルブケース3へ向けて附勢するばね部材8とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベースバルブ構造の改良に関する。
一般的な複筒型緩衝器がピストンロッドがシリンダ内に侵入する収縮行程時に減衰力を発揮するには、ピストンロッドの侵入によってシリンダ内の圧力を上昇させる必要があるので、圧側室とリザーバとの間にベースバルブを設けるようにしている。
このベースバルブとしては、たとえば、シリンダ内の圧側室とシリンダ外に形成したリザーバとを仕切るバルブケースと、当該バルブケースに設けたポートと、当該ポートを圧側室からリザーバへ向けて通過する作動油の流れに抵抗を与える環状のリーフバルブを備えており、バルブケースを貫通するガイドロッドによってリーフバルブの内周がバルブケースに固定されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−227903号公報(図1)
このようなリーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉するベースバルブ構造では、リーフバルブの撓み剛性を小さくするとピストン速度の低速領域における減衰力が小さくなりすぎ、反対に、撓み剛性を大きくするとピストン速度の中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させるのは難しい。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器の収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができるバルブ構造を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シリンダ内にピストンで区画した圧側室とシリンダ外に設けたリザーバとを仕切るバルブケースと、当該バルブケースに設けられて圧側室とリザーバとを連通するポートと、上記バルブケースのリザーバ側端に積層されて上記ポートを開閉して上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与える環状のリーフバルブとを備えたベースバルブ構造において、上記バルブケースに設けた挿通孔内に摺動自在に挿入されるとともに上記リーフバルブが外周に装着されるガイドロッドと、当該ガイドロッドを介して上記リーフバルブを上記バルブケースへ向けて附勢するばね部材とを備えたことを特徴とする。
本発明のバルブ構造によれば、緩衝器の収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができる。
一実施の形態におけるベースバルブ構造が適用された緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態におけるベースバルブ構造が適用されたベースバルブ組立体の拡大縦断面図である。 一実施の形態におけるベースバルブ構造におけるばね部材の斜視図である。 一実施の形態におけるベースバルブ構造が適用された緩衝器の収縮作動時の減衰特性を示す図である。 他の実施の形態におけるベースバルブ構造が適用されたベースバルブ組立体の拡大縦断面図である。 他の実施の形態の一変形例におけるベースバルブ構造が適用されたベースバルブ組立体の拡大縦断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態におけるベースバルブ構造は、緩衝器Dにおけるベースバルブ組立体Vに適用されており、シリンダ1内にピストン2で区画した圧側室R2とシリンダ1外に設けたリザーバRとを仕切るバルブケース3と、バルブケース3に設けられて圧側室R2とリザーバRとを連通するポート4と、バルブケース3のリザーバ側端に積層されてポート4を開閉して圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与える環状のリーフバルブ5と、バルブケース3に設けた挿通孔6内に摺動自在に挿入されるとともにリーフバルブ5が外周に装着されるガイドロッド7と、ガイドロッド7を介してリーフバルブ5をバルブケース3へ向けて附勢するばね部材8とを備えて構成されている。
他方、このベースバルブ構造が適用される緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、一端がピストン2に連結されてシリンダ1内に移動自在に挿入されるピストンロッド9と、シリンダ1の外方を覆ってシリンダ1との間の環状隙間でリザーバRを形成する外筒10と、シリンダ1の図1中下端に嵌合されるベースバルブ組立体Vと、シリンダ1と外筒10の図1中上端を閉塞するとともにピストンロッド9を摺動自在に軸支するロッドガイド11と、外筒10の図1中下端を閉塞するボトムキャップ12とを備えている。そして、シリンダ1およびベースバルブ組立体Vは、ロッドガイド11とボトムキャップ12で挟持されて外筒10内に位置決めされつつ収容されている。
また、上記ピストン2には、伸側室R1から圧側室R2へ向かう流体の流れに抵抗を与える伸側減衰通路13と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容するピストン通路14とが設けられている。
さらに、シリンダ1内の伸側室R1と圧側室R2には、作動油等の液体が充填され、リザーバR内には、液体と気体とが充填されている。なお、上記の液体としては、作動油のほか水や水溶液等を用いてもよい。また、リザーバR内に充填される気体は、液体を作動油とする場合、液体の性状を変化させにくい窒素等の不活性ガスとされるとよい。
以下、ベースバルブ構造が適用されたベースバルブ組立体Vの各部について詳細に説明する。
バルブケース3は、図1および図2に示すように、シリンダ1の図1中下端に嵌合する小径な小径部15と、下端外周に設けた筒状のスカート16と、スカート16に設けられてリザーバRをスカート16内へ連通する切欠17と、圧側室R2に臨む図2中上端となる圧側室端からスカート16内に臨むリザーバ側端へと通じるポート4および吸込ポート18と、圧側室端からリザーバ側端へと軸心部を貫く挿通孔6とを備えて構成されている。なお、この実施の形態の場合、ポート4は、バルブケース3に同一円周上に複数設けられており、吸込ポート18についても同様にバルブケース3にポート4が設けられる円より大径な円の円周上に複数設けられているが、これらポートのそれぞれの設置数は任意であり単数であってもよい。
そして、バルブケース3は、シリンダ1の端部に小径部15を嵌合してスカート16の下端を外筒10の下端を閉塞するボトムキャップ12に当接させて、外筒10とシリンダ1とで挟持されて固定される。また、上記ポート4および吸込ポート18は、上端開口端がともに圧側室R2に臨んでおり、また、下端開口端がスカート16に設けた切欠17を介してリザーバRに通じており、これらポート4および吸込ポート18は、圧側室R2とリザーバRとを連通している。なお、バルブケース3の形状および構造は、上記したところに限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。
さらに、このバルブケース3の圧側室側端となる図2中上端には、環状のチェック弁19と、環状のばね受け20と、環状の皿ばねでなるばね部材8とが積層されるとともに、バルブケース3のリザーバ側端となる図2中下端には、環状のリーフバルブ5が積層され、これらが、バルブケース3の挿通孔6に摺動自在に挿入されるガイドロッド7の外周に装着されて、バルブケース3に固定される。
チェック弁19は、環状板で構成されていて、ガイドロッド7の軸部7aの外周に装着されて外周側の撓みが許容され、吸込ポート18の圧側室側の開口部を開閉するようになっており、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容して、吸込ポート14をリザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定している。なお、チェック弁19は、透孔19aを備えていて、ポート4の圧側室側の開口端を閉塞しないように配慮されている。
ばね受け20は、図2に示すように、ガイドロッド7の軸部7aの外周に摺接する筒部20aと、筒部20aの外周に設けられてばね部材8の一端となる図2中下端を支持するフランジ20bとを備えて構成され、筒部20aの図2中下端でチェック弁19の圧側室側端内周を押えている。
ばね部材8は、図3に示すように、環状とされていて、環状部8aと、環状部8aの内周に形成した円錐状のばね部8bと、当該ばね部8bの内周から外周へ向けて放射状に形成した複数の切欠溝8cと、環状部8aに設けた複数の小孔8dとを備えて構成されている。なお、ばね部8bに設けた切欠溝8cは、ガイドロッド7の軸部7aの挿入の際にばね部材8の内周の拡径を助け、ばね乗数を設定する目的で設けられるものであり、設置数は任意であり、ばね乗数によっては設けないこともできる。ばね部材8の小孔8dは、ばね受け20との接触面へ液体を供給して、ばね受け20との張り付きを防止し、動作の円滑を図る目的で設けてある。
また、リーフバルブ5は、この場合、複数の環状板を重ねて構成されており、ガイドロッド7によって内周側が押えられて外周側の撓みが許容され、上記のポート4のリザーバ側の開口を開閉するようになっている。バルブケース3の図2中下端には、ポート4の外周を囲う環状弁座22が設けられていて、この環状弁座22にリーフバルブ5が離着座するようになっており、リーフバルブ5が圧側室R2の圧力を受けて撓んで環状弁座22から離間するとポート4を開放するようになっている。そして、リーフバルブ5は、圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与え、ポート4を圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の減衰通路に設定している。なお、この場合、リーフバルブ5の外径は、吸込ポート18を閉塞しない外径に設定されていて、吸込ポート18に影響を与えないようになっている。
ガイドロッド7は、上記挿通孔6内に挿入される軸部7aと、軸部7aの図2中下端外周に設けたフランジ7bと、軸部7aの図2中上端外周に加締加工によって設けた鍔7cと、軸部7aの外周に設けた環状溝7dとを備えて構成されている。
そして、上記した軸部7aに、リーフバルブ5、バルブケース3、チェック弁19、ばね受け20を装着する。その後、ばね部材8の内周となるばね部8bの内周に、軸部7aを挿入する。ばね部8bの内周径は、軸部7aの外周径よりも小径に設定してあり、軸部7aをばね部材8のばね部8b内に挿入すると、ばね部8bが弾性変形して内周が拡径する。さらに、この軸部7aを挿入すると、ばね部8bの内周が軸部7aの環状溝7dに対向すると、当該ばね部8bが復元力で縮径し環状溝7d内へ入り込み、ガイドロッド7にばね部材8が固定される。ガイドロッド7の鍔7cは、この実施の形態の場合、ばね部材8が環状溝7d内に入り込むことによって抜け止めされているので、廃止することもできる。なお、鍔7cを設けておくと、万が一、ばね部材8が環状溝7dから抜けてガイドロッド7上を滑っても、ベースバルブ組立体Vを構成する各部材の分解を阻止することができる。
このように、ばね部材8をガイドロッド7に固定すると、ばね部材8におけるばね部8bが撓んだ状態とされて、ガイドロッド7のフランジ7bとばね部材8とでばね受け20、チェック弁19、バルブケース3およびリーフバルブ5が挟持され、これらが一体化される。
したがって、ばね部材8は、一端となる図2中下端がばね受け20のフランジ20bによって支持され、他端となる図2中上端がガイドロッド7の環状溝7dに係合して初期荷重が与えられ、その初期荷重に見合った反力でガイドロッド7を圧側室側となる図2中上方へと附勢している。
また、リーフバルブ5は、その内周がガイドロッド7のフランジ7bに当接しており、ばね部材8の附勢力がガイドロッド7を介して作用し、バルブケース3へ向けて附勢されている。このようにすることで、圧側室R2の圧力によってリーフバルブ5を図2中下方へ押圧する力が、ばね部材8の附勢力に打ち勝つと、リーフバルブ5とともにガイドロッド7がバルブケース3から離間する方向となる図2中下方へ後退して、リーフバルブ5をバルブケース3からリフトさせることができる。
このリーフバルブ5がバルブケース3からリフトする際の圧側室R2内の圧力を、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中速領域に達する圧力に設定してあり、緩衝器Dが収縮作動する際に、ピストン速度が低速を超えて中速に達するとリーフバルブ5がバルブケース3からリフトするようにしている。つまり、ばね部材8の初期荷重は、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中速領域に達する際の圧側室R2の圧力によってリーフバルブ5を押し下げる力に一致させてある。
なお、チェック弁19は、ばね受け20によりばね部材8の附勢力が筒部20aを介して内周側にのみ作用しているので、チェック弁19の開弁圧にばね部材8の附勢力が影響を与えないようになっている。したがって、ばね部材8の附勢力の大きさによらず、チェック弁19の開弁圧を一定にすることができ、緩衝器Dの伸長作動時にシリンダ1内でバキュームを起こすことがないようになっている。上記心配がない場合には、ばね受け20を廃止して、チェック弁19の上にばね部材8を直接積層することも可能である。このように、ばね受け20を廃止する場合にあっても、小孔8dを設けておくことによってチェック弁19とばね部材8との張り付きを防止でき、チェック弁19とばね部材8の円滑な動作が保証される。また、ばね受け20を廃止する場合、ばね部材8に切欠溝8cを設けていることにより、透孔19aおよびポート4と圧側室R2との連通が確保されるので、この場合には、切欠溝8cの設置が必要となる。
つづいて、このベースバルブ構造が適用された緩衝器Dの作動とベースバルブ組立体Vの作動について説明する。
まず、緩衝器Dがシリンダ1に対してピストン2が図1中上方へ移動する伸長作動を呈する場合には、液体が圧縮される伸側室R1から拡大される圧側室R2へ伸側減衰通路13を介して移動する。この液体の流れに伸側減衰通路13が抵抗を与えるので、伸側室R1と圧側室R2とに差圧が生じて、緩衝器Dは伸長を妨げる伸側減衰力を発揮する。なお、緩衝器Dの伸長作動時には、ピストンロッド9がシリンダ1から退出する体積分の液体がシリンダ1内で不足するので、チェック弁19が開いて不足分の液体が吸込ポート18を介してシリンダ1内に供給される。
反対に、緩衝器Dがシリンダ1に対してピストン2が図1中下方へ移動する収縮作動を呈する場合について説明する。
この収縮作動時には、液体が圧縮される圧側室R2から拡大される伸側室R1へピストン通路14を介して移動するとともに、ピストンロッド9がシリンダ1内へ侵入する体積分の液体がシリンダ1内で過剰となるので、この過剰分の液体がポート4を介してリザーバRへ排出されることになる。
ここで、ピストン速度が低速領域にある場合、ピストン速度が極低速のうちはリーフバルブ5が開弁せず、リーフバルブ5の外周に切欠を設けるか、バルブケース3のポート4の外周に設けた環状弁座22に打刻するなどして設けた図示しないオリフィスを通じて、液体は圧力室R2からリザーバRへ排出される。また、極低速を超える速度となると、液体は、リーフバルブ5の外周を撓ませて、リーフバルブ5と環状弁座22と間の隙間を通過して圧側室R2からリザーバRへ排出されるが、リーフバルブ5をばね部材8の附勢力に抗してバルブケース3から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ3はばね部材8によって附勢されてポート4を閉塞するように押し付けられてフランジ7bの外周縁を支点として撓むのみとなる。
したがって、このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の特性)は、図4に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中高速領域に達すると、圧力室R2内の圧力とリザーバR内の圧力との差が大きくなり、リーフバルブ5を図2中下方へ押し下げる力が大きくなるとともに、該力がばね部材8の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ5の全体をバルブケース3から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
このように、リーフバルブ5の全体がバルブケース3から離れると、環状弁座22とリーフバルブ5との間の隙間は、ピストン速度が低速領域にあるときよりも大きく、また、ピストン速度に比例して隙間が大きくなる。
すなわち、ピストン速度が中高速領域にあるときの減衰特性は、図4に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。このように、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中高速領域にある場合、リーフバルブ5がリフトしてリーフバルブ5と環状弁座22との間の環状隙間が大きくなり、圧側室R2内の圧力がリザーバRへ逃げて、圧側室R2内の圧力上昇を抑制することができる。
したがって、本発明のベースバルブ構造を適用した緩衝器Dにあっては、収縮作動時においてピストン速度が低速度領域では、ベースバルブ5によって充分な減衰力を発揮することができる一方、ピストン速度が中高速領域にある場合、シリンダ1内の圧力上昇が抑制されて、緩衝器Dの圧側減衰力が過剰となることがない。よって、本発明のベースバルブ構造によれば、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させることができる。そして、本発明のベースバルブ構造によれば、たとえば、この車両が走行周に路面上の突起に乗り上げるなどして、車輪に突き上げる衝撃的振動(インパクトショック)が入力されても、緩衝器Dの圧側減衰力が過剰とならないので、効果的にインパクトショックをいなして、車体への振動伝達を低減することができるのである。
さらに、従来のベースバルブ構造に軸方向長さが短い皿ばねであるばね部材8を追加することで、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させることができるという効果を得ることができるので、ベースバルブ組立体Vの全長を長大化することがない。その結果、緩衝器Dの全長を無用に長大化させることがなくなり、緩衝器Dの搭載性を損なうことなく、収縮行程時における車両における乗り心地を向上することができる。
また、ばね部材8を環状の皿ばねとして、内周を上記ガイドロッド7の外周に設けた環状溝7dに係合させるようにすることで、ばね部材8の抜けを確実に防止ることができ、ばね部材8がガイドロッド7上をずれてしまってリーフバルブ5へ与える附勢力が変化したり、ベースバルブ組立体Vがバラけてしまったりするようなことがない。さらに、環状溝7dの設置位置によってばね部材8のリーフバルブ5へ与える附勢力を設定することができる。そして、ガイドロッド7にナットを螺着させてばね部材8に係合させたり、ガイドロッド7に加締め加工などを行って加締部にばね部材8を係合させたりする場合に比較して、精度よくばね部材8の附勢力を狙い通りに設定することができる。
つづいて、他の実施の形態におけるベースバルブ構造が適用されたベースバルブ組立体V1について説明する。この他の実施の形態におけるベースバルブ構造は、図5に示すように、一実施の形態のベースバルブ構造と異なる点は、ばね部材30を皿ばねの代わりに円錐コイルばねとし、このばね部材30をガイドロッド7の鍔7cで支持するので、環状溝7dを廃止している点である。その他は、上記した一実施の形態におけるベースバルブ構造と同じであるので、詳しい説明を省略する。
ばね部材30は、図5に示した通り、円錐コイルばねとされており、図5中上端が小径とされていて、下端が大径とされ、小径な内周側端をガイドロッド7の鍔7cに当接し、大径な外周側端をばね受け20のフランジ20bに当接していて、ガイドロッド7とばね受け20との間に圧縮状態で介装されて、初期荷重が与えられている。
ばね部材30は、この初期荷重に見合った反力でガイドロッド7を圧側室側へ向けて附勢しており、ガイドロッド7を介してリーフバルブ5をバルブケース3へ向けて附勢している。
そして、この他の実施の形態のベースバルブ構造にあっても、リーフバルブ5がバルブケース3からリフトする際の圧側室R2内の圧力を、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中速領域に達する圧力に設定してあり、緩衝器Dが収縮作動する際に、ピストン速度が低速を超えて中速に達するとリーフバルブ5がバルブケース3からリフトするようにしている。つまり、ばね部材30の初期荷重は、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中速領域に達する際の圧側室R2の圧力によってリーフバルブ5を押し下げる力に一致させてある。
したがって、この他の実施の形態のベースバルブ構造にあっても、一実施の形態のベースバルブ構造と同様に、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させることができる。そして、他の実施の形態のベースバルブ構造によれば、たとえば、この車両が走行周に路面上の突起に乗り上げるなどして、車輪に突き上げる衝撃的振動(インパクトショック)が入力されても、緩衝器Dの圧側減衰力が過剰とならないので、効果的にインパクトショックをいなして、車体への振動伝達を低減することができるのである。
さらに、ばね部材30に、線材径分を除いて軸方向全長をストローク長に寄与できる円錐コイルばねを用いることで、ベースバルブ組立体V1の長大化を防止することができる。その結果、緩衝器Dの全長を無用に長大化させることがなくなり、緩衝器Dの搭載性を損なうことなく、収縮行程時における車両における乗り心地を向上することができる。
なお、図6に示すように、上記一実施の形態のベースバルブ構造におけるばね部材8、或いは、他の実施の形態のベースバルブ構造におけるばね部材30では附勢力が不足する場合には、ガイドロッド7とボトムキャップ12との間に副円錐コイルばね31を介装して附勢力を補うこともできる。図6は、他の実施の形態のベースバルブ構造に副円錐コイルばね31を追加したものである。
このように副円錐コイルばね31を設ける場合、ボトムキャップ12の底部に、副円錐コイルばね31のボトムキャップ側端31aの外径と同径に設定した平坦部12aと、当該平坦部12aの外周にシリンダ1側へ向けて傾斜するテーパ部12bを設け、副円錐コイルばね31をボトムキャップ12に対して径方向へ位置決めするとよい。また、ガイドロッド7のフランジ7bの下端に小径部7eを設けて、この小径部7eを副円錐コイルばね31のガイドロッド側端31b内に挿入してガイドロッド7と副円錐コイルばね31とを径方向に位置決めするとよい。このようにすることで、副円錐コイルばね31が緩衝器D内で偏心してしまうことがなく、安定してガイドロッド7へ附勢力を付与することができる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 シリンダ
2 ピストン
3 バルブケース
4 ポート
5 リーフバルブ
6 挿通孔
7 ガイドロッド
7d 環状溝
8,30 ばね部材
10 外筒
12 ボトムキャップ
18 吸込ポート
19 チェック弁
20 ばね受け
20a 筒部
20b フランジ
31 副円錐コイルばね
D 緩衝器
R リザーバ
R2 圧側室

Claims (5)

  1. シリンダ内にピストンで区画した圧側室とシリンダ外に設けたリザーバとを仕切るバルブケースと、当該バルブケースに設けられて圧側室とリザーバとを連通するポートと、上記バルブケースのリザーバ側端に積層されて上記ポートを開閉して上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与える環状のリーフバルブとを備えたベースバルブ構造において、上記バルブケースに設けた挿通孔内に摺動自在に挿入されるとともに上記リーフバルブが外周に装着されるガイドロッドと、当該ガイドロッドを介して上記リーフバルブを上記バルブケースへ向けて附勢するばね部材とを備えたことを特徴とするベースバルブ構造。
  2. 上記ばね部材は、環状の皿ばねであって、内周を上記ガイドロッドの外周に設けた環状溝に係合させ、当該ガイドロッドと上記バルブケースとの間に介装されることを特徴とする請求項1に記載のベースバルブ構造。
  3. 上記バルブケースが、リザーバと圧側室とを連通する吸込ポートを備え、
    上記バルブケースの圧側室側端に積層されて上記ガイドロッドの外周に装着されるとともに上記吸込ポートを開閉して上記リザーバから上記圧側室へ向かう流体の流れのみを許容する環状のチェック弁と、当該チェック弁の圧側室側端に積層されるとともに上記ばね部材の一端を支持する環状のばね受けとを設け、
    当該ばね受けが上記ガイドロッドの外周に摺接する筒部とこの筒部の外周に設けられて上記ばね部材の一端を支持するフランジとを備え、当該筒部のみを上記チェック弁の圧側室側端内周に当接させたことを特徴とする請求項1または2に記載のベースバルブ構造。
  4. 上記ばね部材は、円錐コイルばねを備え、内周を上記ガイドロッドの圧側室側端の外周に鍔に係合させ、当該ガイドロッドと上記バルブケースとの間に介装されることを特徴とする請求項1または3に記載のベースバルブ構造。
  5. 上記リザーバが上記シリンダと当該シリンダの外方に設けた外筒との間の環状隙間で形成され、外筒の端部を閉塞するボトムキャップを設け、上記ばね部材は、ガイドロッドとボトムキャップとの間に介装される副円錐コイルばねを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のベースバルブ構造。
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