JP2012167688A - バルブ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝器の長大化を招かず緩衝器の収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができるバルブ構造を提供することである。
【解決手段】上記した課題を解決するために、本発明のバルブ構造は、シリンダ1内にピストン2で区画した圧側室R2とシリンダ外に設けたリザーバRとを仕切るバルブケース3と、当該バルブケース3に設けられて圧側室R2とリザーバRとを連通するポート4と、当該ポート4を開閉して圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブ5と、ポート4を迂回して圧側室R2とリザーバRとを連通するバイパス6と、当該バイパス6に圧側室R2の圧力をリザーバRへ逃がすリリーフ弁7とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
従来、この種のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記バルブ構造では、リーフバルブの撓み剛性を小さくするとピストン速度の低速領域における減衰力が小さくなりすぎ、反対に、撓み剛性を大きくするとピストン速度の中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させるのは難しい。
この問題を解消するため、リーフバルブの内周側を固定的に支持せずに、ピストンロッドの先端に取り付けた筒状のピストンナットの外周に当該リーフバルブを摺動自在に装着するようにし、さらに、このリーフバルブをコイルばねで附勢するバルブ構造が提案されるに至っている。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、ピストンが伸長作動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブが開弁せずに、弁座に打刻したオリフィスのみで減衰力を発生するので、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮する。
他方、このバルブ構造では、緩衝器のピストン速度が中高速領域に達すると、ポートを通過する作動油の圧力がリーフバルブに作用し、リーフバルブが撓んで開弁するとともに、コイルばねの附勢力に抗してリーフバルブがメインバルブとともにピストンから軸方向にリフトして後退し、内周が固定的に支持されるバルブ構造に比較して流路面積が大きくなる。したがって、このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、ピストン速度が中高速領域における減衰力が過大となることがなく、伸長作動時には全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させることができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、複筒型緩衝器の収縮作動時における車両における乗り心地を向上させたい場合、上記した特開平9−291961号公報に開示されたバルブ構造をそのままベースバルブに適用するには以下の問題がある。
というのは、一般的な複筒型緩衝器にあっては、シリンダ内の圧側室とシリンダ外に形成したリザーバとを仕切るバルブケースに圧側室からリザーバへ向かう作動油の流れに抵抗を与えるベースバルブを設け、当該ベースバルブで圧側の減衰力を発揮するようになっている。このベースバルブに特開平9−291961号公報に開示されたバルブ構造を実現すると、コイルばねでリーフバルブを附勢する必要があるので、ベースバルブにおける軸方向の全長が長大となり、緩衝器の長さが長くなる。
この緩衝器の長さ増加分は、ストローク長に全く寄与せず、緩衝器の車両への搭載性を悪化させることになるので、従来のバルブ構造を緩衝器に適用することは難しい。
したがって、従来のバルブ構造では、緩衝器の収縮作動時の車両における乗り心地を向上することができないという問題があった。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、緩衝器の長大化を招かず緩衝器の収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができるバルブ構造を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シリンダ内にピストンで区画した圧側室とシリンダ外に設けたリザーバとを仕切るバルブケースと、当該バルブケースに設けられて圧側室とリザーバとを連通するポートと、当該ポートを開閉して上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブとを備えたバルブ構造において、上記ポートを迂回して上記圧側室と上記リザーバとを連通するバイパスを設け、当該バイパスに上記圧側室の圧力を上記リザーバへ逃がすリリーフ弁を設けたことを特徴とする。
本発明のバルブ構造によれば、緩衝器の長大化を招かず緩衝器の収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができる。
一実施の形態におけるバルブ構造が適用された緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が適用されたベースバルブ組立体の拡大縦断面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造が適用された緩衝器の収縮作動時の減衰特性を示す図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態におけるバルブ構造は、緩衝器Dにおけるベースバルブ組立体Vに適用されており、シリンダ1内にピストン2で区画した圧側室R2とシリンダ1外に設けたリザーバRとを仕切るバルブケース3と、当該バルブケース3に設けられて圧側室R2とリザーバRとを連通するポート4と、当該ポート4を開閉して圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブ5と、ポート4を迂回して圧側室R2と上記リザーバRとを連通するバイパス6と、当該バイパス6に設けられて圧力室R2の圧力をリザーバRへ逃がすリリーフ弁7とを備えて構成されている。
他方、このバルブ構造が適用される緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、一端がピストン2に連結されてシリンダ1内に移動自在に挿入されるピストンロッド8と、シリンダ1の外方を覆ってシリンダ1との間の環状隙間でリザーバRを形成する外筒9と、シリンダ1の図1中下端に嵌合されるベースバルブ組立体Vと、シリンダ1と外筒9の図1中上端を閉塞するとともにピストンロッド8を摺動自在に軸支するロッドガイド10と、外筒9の図1中下端を閉塞するボトムキャップ11とを備えている。そして、シリンダ1およびベースバルブ組立体Vは、ロッドガイド10とボトムキャップ11で挟持されて外筒9内に位置決めされつつ収容されている。さらに、シリンダ1内の伸側室R1と圧側室R2には、作動油等の液体が充填され、リザーバR内には、液体と気体とが充填されている。なお、上記の液体としては、作動油のほか水や水溶液等を用いてもよい。また、リザーバR内に充填される気体は、液体を作動油とする場合、液体の性状を変化させにくい窒素等の不活性ガスとされるとよい。
また、上記ピストン2には、伸側室R1から圧側室R2へ向かう流体の流れに抵抗を与える伸側減衰通路12と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容するピストン通路13とが設けられている。
ベースバルブ組立体Vにおけるバルブケース3には、ポート4の他に、吸込ポート14が設けられている。この吸込ポート14は、バルブケース3の図1中上端となる圧側室側端に積層される環状のチェック弁15によって開閉されるようになっていて、リザーバRから圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容するようになっている。
したがって、この緩衝器Dがシリンダ1に対してピストン2が図1中上方へ移動する伸長作動を呈する場合には、液体が圧縮される伸側室R1から拡大される圧側室R2へ伸側減衰通路12を介して移動する。この液体の流れに伸側減衰通路12が抵抗を与えるので、伸側室R1と圧側室R2とに差圧が生じて、緩衝器Dは伸長を妨げる伸側減衰力を発揮する。なお、緩衝器Dの伸長作動時には、ピストンロッド8がシリンダ1から退出する体積分の液体がシリンダ1内で不足するので、チェック弁15が開いて不足分の液体が吸込ポート14を介してシリンダ1内に供給される。
反対に、緩衝器Dがシリンダ1に対してピストン2が図1中下方へ移動する収縮作動を呈する場合には、液体が圧縮される圧側室R2から拡大される伸側室R1へピストン通路13を介して移動する。さらに、ピストンロッド8がシリンダ1内へ侵入する体積分の液体がシリンダ1内で過剰となるので、この過剰分の液体がベースバルブ5を開いてポート4を介してリザーバRへ排出される。そして、液体がベースバルブ5を通過する際に抵抗が与えられて、シリンダ1内の圧力が上昇して、緩衝器Dは収縮を妨げる圧側減衰力を発揮する。また、この収縮作動時には、圧側室R2の圧力がリリーフ弁7の開弁圧に達すると、リリーフ弁7が開いてバイパス6が解放されて、液体は、バイパス6を介してもリザーバRへ排出される。
このリリーフ弁7が開弁する開弁圧を、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中速領域に達する圧力に設定しておくことで、緩衝器Dが収縮作動する際に、ピストン速度が低速を超えて中速に達するとリリーフ弁7が開弁するようにすることができる。このようにすると、緩衝器Dの収縮作動時のピストン速度が中高速領域にある場合、リリーフ弁7が開弁して圧側室R2内の圧力がリザーバRへ逃げて、圧側室R2内の圧力上昇を抑制する。緩衝器Dの収縮作動時には、伸側室R1内の圧力は、ピストン通路13を介して圧側室R2へ連通されるので、圧側室R2とほぼ等しい圧力になる。したがって、緩衝器Dが収縮作動時においてピストン速度が中高速領域にある場合、シリンダ1内の圧力上昇が抑制されて、緩衝器Dの圧側減衰力が過剰となることがなく、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させることができる。
以下、バルブ構造が適用されたベースバルブ組立体Vの各部について詳細に説明する。
バルブケース3は、図1および図2に示すように、シリンダ1の図1中下端に嵌合する小径な小径部16と、下端外周に設けた筒状のスカート17と、スカート17に設けられてリザーバRをスカート17内へ連通する切欠18と、圧側室R2に臨む図2中上端となる圧側室端からスカート17内に臨むリザーバ側端へと通じるポート4および吸込ポート14と、圧側室端からリザーバ側端へと軸心部を貫く貫通孔19とを備えて構成されている。なお、この実施の形態の場合、ポート4は、バルブケース3に同一円周上に複数設けられており、吸込ポート14についても同様にバルブケース3にポート4が設けられる円より大径な円の円周上に複数設けられているが、これらポートのそれぞれの設置数は任意であり単数であってもよい。
そして、バルブケース3は、シリンダ1の端部に小径部16を嵌合してスカート17の下端を外筒9の下端を閉塞するボトムキャップ11に当接させて、外筒9とシリンダ1とで挟持されて固定される。また、上記ポート4および吸込ポート14は、上端開口端がともに圧側室R2に臨んでおり、また、下端開口端がスカート17に設けた切欠18を介してリザーバRに通じており、これらポート4および吸込ポート14は、圧側室R2とリザーバRとを連通している。
さらに、このバルブケース3の圧側室側端となる図2中上端には、環状のチェック弁15が積層されるとともに、バルブケース3のリザーバ側端となる図2中下端には、環状のリーフバルブ20が積層され、これらが、バルブケース3の貫通孔19に挿入されるガイドロッド21の外周に装着されて、バルブケース3に固定される。
具体的には、ガイドロッド21は、上記貫通孔19内に挿入される筒状の軸部21aと、軸部21aの図2中下端外周に設けたフランジ21bと、軸部21aの図2中上端外周に設けた螺子部21cとを備えて構成されている。そして、上記した螺子部21cにナット22を螺着することで、フランジ21bとナット22とでチェック弁14、バルブケース3およびリーフバルブ20を挟持してこれらを一体化できるようになっている。また、このガイドロッド21は、軸部21a内を介して圧側室R2とリザーバRとを連通しており、これによりバイパス6を形成している。
そして、チェック弁15は、上記したようにガイドロッド21によって内周側が固定されて外周側の撓みが許容され、上記の吸込ポート14の圧側室側の開口を開閉するようになっている。このチェック弁15は、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容して、吸込ポート14をリザーバRから圧側室R2へ向かう誘う液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定している。なお、チェック弁15は、透孔15aを備えていて、ポート4の圧側室側の開口端を閉塞しないように配慮されている。
また、リーフバルブ20は、この場合、複数の環状板を重ねて構成されており、ガイドロッド21によって内周側が固定されて外周側の撓みが許容され、上記のポート4のリザーバ側の開口を開閉するようになっている。具体的には、バルブケース3の図2中下端には、ポート4の外周を囲う環状弁座28が設けられていて、この環状弁座28にリーフバルブ20が離着座するようになっており、リーフバルブ20が圧側室R2の圧力を受けて撓んで環状弁座28から離間するとポート4を開放するようになっている。そして、リーフバルブ20は、圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与え、ポート4を圧側室R2からリザーバRへ向かう誘う液体の流れのみを許容する一方通行の減衰通路に設定している。すなわち、リーフバルブ20とガイドロッド21とでベースバルブ5が構成されている。なお、この場合、リーフバルブ20の外径は、吸込ポート14を閉塞しない外径に設定されていて、吸込ポート14に影響を与えないようになっている。
なお、バルブケース3の形状および構造は、上記したところに限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。
そして、リリーフ弁7は、ロッドガイド21に形成したバイパス6のリザーバ側端となる図2中下端開口部を開閉するポペット型の弁体23と、当該弁体23とボトムキャップ11との間に介装した円錐コイルばね24とを備えて構成されている。
弁体23は、外周に鍔状のばね受け26を備えた弁本体25と、弁本体25の図2中上端に設けられてガイドロッド21の軸部21aの下端内周縁に離着座する円錐状の弁頭27とを備えて構成されている。
また、円錐コイルばね24は、弁体側端24aを小径とし、ボトムキャップ側端24bを大径としている。円錐コイルばね24は、弁体側端24aを弁体23のばね受け26に当接させ、ボトムキャップ側端24bをボトムキャップ11に当接させており、弁体23とボトムキャップ11との間に圧縮状態で介装されている。したがって、弁体23は、円錐コイルばね24のばね力により附勢されて、バイパス6を閉じており、これにより、バイパス6を開放する際の開弁圧が設定されている。つまり、円錐コイルばね24を圧縮状態で弁体23とボトムキャップ11との間に介装することで、弁体23に初期荷重を与えて開弁圧を設定しており、ピストン速度が中速域にある場合の圧側室R2の圧力で弁体23がバイパス6を開くように設定することで、圧側減衰力過多を防止して車両における乗り心地を向上することができる。
より詳細には、緩衝器Dの収縮行程において、ピストン速度が低速領域にある場合、ピストン速度が極低速のうちはリーフバルブ20もリリーフ弁7も開弁せず、リーフバルブ20の外周に切欠を設けるか、バルブケース3のポート4の外周に設けた環状弁座28に打刻するなどして設けた図示しないオリフィスを通じて、液体は圧力室R2からリザーバRへ排出される。また、極低速を超える速度となると、液体は、リーフバルブ20の外周を撓ませて、リーフバルブ20と環状弁座28と間の隙間を通過して圧側室R2からリザーバRへ排出されるが、リリーフ弁7はピストン速度が中速に達せず圧側室R2の圧力が開弁圧に到達していないので開弁しない。
したがって、このときの緩衝器Dの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の特性)は、図3に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中高速領域に達すると、リーフバルブ20だけでなくリリーフ弁7も開弁して、圧側室R2とリザーバRとがポート4だけでなくバイパス6によっても連通され、流路面積が大きくなる。これによって、圧側室R2の圧力がバイパス6を介してもリザーバRへ逃げることになり、ピストン速度の上昇に対して圧側室R2の圧力上昇が抑制される。その結果、ピストン速度が中高速領域にあるときの緩衝器Dの減衰特性は、図3に示すように、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
このように、本発明のバルブ構造を適用した緩衝器Dにあっては、収縮作動時においてピストン速度が低速度領域では、ベースバルブ5によって充分な減衰力を発揮することができる一方、ピストン速度が中高速領域にある場合、シリンダ1内の圧力上昇が抑制されて、緩衝器Dの圧側減衰力が過剰となることがない。よって、本発明のバルブ構造によれば、全ての速度領域において車両における乗り心地を満足させることができる。そして、本発明のバルブ構造によれば、たとえば、この車両が走行中に路面上の突起に乗り上げるなどして、車輪に突き上げる衝撃的振動(インパクトショック)が入力されても、緩衝器Dの圧側減衰力が過剰とならないので、効果的にインパクトショックをいなして、車体への振動伝達を低減することができるのである。
なお、弁体側端24a内に弁本体25の下端を挿入しており、これにより、弁体23は、円錐コイルばね24に対して調心されている。また、ボトムキャップ11の底部には、ボトムキャップ側端24bの外径と同径に設定した平坦部11aと、当該平坦部11aの外周にシリンダ1側へ向けて傾斜するテーパ部11bを設けてあり、ボトムキャップ側端24bを上記平坦部11aに載置してある。これにより、ボトムキャップ側端24bがテーパ部11bによって径方向に位置決めされ、円錐コイルばね24がボトムキャップ11に調心されている。また、バルブケース3は、スカート17の図2中下端がボトムキャップ11のテーパ部11bの傾斜に倣うようにテーパ状とされており、ボトムキャップ11に対してやはり径方向に位置決めされて調心されるようになっている。したがって、弁体23とバルブケース3は、円錐コイルばね24とボトムキャップ11とにより、ともに調心されて、互いに径方向への位置ずれが生じないように配慮されている。
そして、上述したようにポート4を迂回して圧側室R2とリザーバRとを連通するバイパス6を設けて、バイパス6に圧側室R2の圧力をリザーバRへ逃がすリリーフ弁7を設けるようにしたので、べースバルブを構成するリーフバルブをコイルばねで附勢してリフトさせる従来構造を採用することに比較して、ポート4以外にバイパス6を設けているので、流路面積を大きく確保しやすい。これにより、リリーフ弁7の開弁量を小さくすることができるので、ベースバルブ組立体Vの全長を短くできる。その結果、緩衝器Dの全長を無用に長大化させることがなくなり、緩衝器Dの搭載性を損なうことなく、収縮行程時における車両における乗り心地を向上することができる。したがって、本発明のバルブ構造にあっては、緩衝器Dの長大化を招かずに緩衝器Dの収縮作動の際に全速度領域での車両の乗心地を向上することができる。
また、バイパス6が形成されるのは、リーフバルブ20をバルブケース3へ固定するガイドロッド21であるので、バイパス6の形成に、一般的なベースバルブ組立体に何ら部品の追加をする必要がなく、また、バルブケース3にバイパス6を設ける場合に比較して充分な流路面積の確保が可能となる。
さらに、リリーフ弁7が、ロッドガイド21に形成したバイパス6のリザーバ側端を開閉する弁体23と、当該弁体23とボトムキャップ11との間に介装した円錐コイルばね24とを備えて構成されており、線材径分を除き円錐コイルばね24の全長が弁体23のストローク長に寄与でき、また、バルブケース3に対する弁体23の調心も可能となる。このように円錐コイルばね24の全長が弁体23のストローク長に寄与できることから、円錐コイルばね24の介装スペースが小さくて済むので、バルブ構造が適用されたベースバルブ組立体Vの全長をより小型とすることができる。この結果、緩衝器Dの長大化防止効果が高くなり、搭載性がより向上することになる。
なお、リリーフ弁7の弁体は、上記したポペット型の弁体23のほかの形状、構造の弁体を使用することが可能であり、たとえば、ガイドロッド21の軸部21a内に摺動自在にスプール型の弁体を挿入して、ガイドロッド21に対して軸ブレを生じないようにしてもよい。この場合のスプール型弁体は、図示はしないがたとえば、円柱状の本体と、本体の圧側室側端から開口する袋穴と、本体側方から当該袋穴へ通じる横孔とで構成されればよく、この弁体をリザーバ側からばね部材で附勢するようにしておけばよい。この場合、スプール型弁体が圧側室R2の圧力でリザーバ側へ移動して、横孔が軸部21a内からリザーバRへ連通されると、この横孔と袋穴とで圧側室R2とリザーバRとが連通されるようにしておくとよい。また、軸部21aの内部に段部やストッパを設けて、スプール型弁体が圧側室R2側へ抜けてしまうことがないように配慮されるのは当然である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 シリンダ
2 ピストン
3 バルブケース
4 ポート
5 ベースバルブ
6 バイパス
7 リリーフ弁
9 外筒
11 ボトムキャップ
20 リーフバルブ
21 ガイドロッド
23 弁体
24 円錐コイルばね
D 緩衝器
R リザーバ
R2 圧側室

Claims (3)

  1. シリンダ内にピストンで区画した圧側室とシリンダ外に設けたリザーバとを仕切るバルブケースと、当該バルブケースに設けられて圧側室とリザーバとを連通するポートと、当該ポートを開閉して上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブとを備えたバルブ構造において、上記ポートを迂回して上記圧側室と上記リザーバとを連通するバイパスを設け、当該バイパスに上記圧側室の圧力を上記リザーバへ逃がすリリーフ弁を設けたことを特徴とするバルブ構造。
  2. 上記ベースバルブは、上記バルブケースのリザーバ側端に積層されて上記ポートを開閉する環状のリーフバルブと、上記バルブケースを貫くガイドロッドを備え、当該ガイドロッドの外周に上記リーフバルブを装着してなり、上記ガイドロッドにバイパスを形成したことを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  3. 上記リザーバが上記シリンダと当該シリンダの外方に設けた外筒との間の環状隙間で形成され、外筒の端部を閉塞するボトムキャップを設け、上記バルブケースが上記シリンダの端部と上記ボトムキャップとの間で挟持され、上記リリーフ弁が、上記ロッドガイドに形成したバイパスのリザーバ側端を開閉する弁体と、当該弁体とボトムキャップとの間に介装した円錐コイルばねとを備えたことを特徴とする請求項2に記載のバルブ構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023106329A1 (ja) * 2021-12-07 2023-06-15 日立Astemo株式会社 緩衝器

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