JPH0633968A - ショックアブソーバ - Google Patents

ショックアブソーバ

Info

Publication number
JPH0633968A
JPH0633968A JP21226492A JP21226492A JPH0633968A JP H0633968 A JPH0633968 A JP H0633968A JP 21226492 A JP21226492 A JP 21226492A JP 21226492 A JP21226492 A JP 21226492A JP H0633968 A JPH0633968 A JP H0633968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
chamber
flow
piston
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21226492A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kobayashi
孝夫 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP21226492A priority Critical patent/JPH0633968A/ja
Publication of JPH0633968A publication Critical patent/JPH0633968A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ショックアブソーバに於て、シリンダ下室よ
りシリンダ上室へ向うオイルの流れを許す逆止弁のオイ
ルの流れに対する応答性を向上し、かくしてショックア
ブソーバの作動特性を改善し、異音の発生を回避する。 【構成】 シリンダ上室9よりシリンダ下室10へ向う
オイルの流れを絞る減衰力発生弁22とシリンダ下室1
0よりリザーバ室8へ向うオイルの流れを絞る減衰力発
生弁122とを有するショックアブソーバに於てピスト
ン本体5の上面にシリンダ下室10よりシリンダ上室9
へ向うオイルの流れを許す逆止弁を設け、ピストン7が
静止状態にあるときに該逆止弁の弁要素32と弁座37
との間に間隙が存在するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌の懸架
装置に用いられるショックアブソーバに係り、特に複筒
式ショックアブソーバに係る。
【0002】
【従来の技術】一般に複筒式ショックアブソーバは、伸
び行程に於てピストン本体に設けられた減衰力発生弁に
より減衰力を発生させ、縮み行程に於てベースバルブ構
造体に設けられた減衰力発生弁により減衰力を発生させ
る。
【0003】このようなショックアブソーバの一例が実
開昭63−25846号公報に示されている。この公報
に示されたショックアブソーバは、シリンダ上室とシリ
ンダ下室とを分離するピストン本体に、シリンダ下室よ
りシリンダ上室へ流れるオイルのための第一の通路と、
その上端に設けられシリンダ下室よりシリンダ上室への
オイルの流れのみを許す逆止弁と、シリンダ上室よりシ
リンダ下室へ流れるオイルのための第二の通路と、その
下端に設けられシリンダ上室よりシリンダ下室へのオイ
ルの流れのみを許す減衰力発生弁とを有している。各弁
の弁要素はばね手段により対応する通路の開口端に向け
て閉弁状態に付勢されており、該付勢力に対抗するオイ
ルの流れにより開弁されるようになっている。
【0004】また、この公報には示されていないが、か
かる構造のショックアブソーバに於ては多くの場合、伸
び行程に於てピストン速度が低くオイルの圧力が充分で
ないため減衰力発生弁が開弁状態とならない場合にも所
望の減衰力を確保すべく、ピストン本体上面に設けられ
た逆止弁の弁要素を着座させるための弁座に該弁要素と
共働して固定オリフィスを郭定する溝が形成される。
【0005】この公報に示されたショックアブソーバは
更に、シリンダ下室とリザーバ室とを分離するベースバ
ルブ構造体に、シリンダ下室よりリザーバ室へ流れるオ
イルの流れのみを許す減衰力発生弁を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成の従来のシ
ョックアブソーバは、伸び行程に於てはシリンダ上室よ
りピストン本体に設けられた第二の通路を経てシリンダ
下室へ向うオイルの流れを第二の通路の下端に設けられ
た減衰力発生弁により絞ることにより減衰力を発生さ
せ、縮み行程に於てはシリンダ下室よりベースバルブ構
造体に設けられた第二の通路を経てリザーバ室へ向うオ
イルの流れをベースバルブ構造体に設けられた減衰力発
生弁により絞ることにより減衰力を発生させる。従って
ピストン本体に設けられた逆止弁はショックアブソーバ
の伸び行程に於てはピストン本体に設けられた減衰力発
生弁の作用を阻害しないように閉弁されなければなら
ず、縮み行程に於てはシリンダ上室にキャビテーション
が発生することを防止すべく開弁され、その際ベースバ
ルブ構造体に設けられた減衰力発生弁の作用を阻害しな
いように直ちに支障なく開弁することが望まれる。
【0007】しかしながら、従来かかる逆止弁は皿ばね
の如き付勢手段により弁座に対し押し付けられており、
縮み行程に於て、シリンダ下室からシリンダ上室へ流れ
るオイルの動圧が付勢手段の付勢力に打勝つまで開弁さ
れず、開弁時が不定であるためベースバルブ構造体に設
けられた減衰力発生弁の作動が安定しないという不具合
があった。
【0008】また前述の如くピストン上面に設けられた
弁座に溝が形成される場合には、ショックアブソーバの
縮み行程の最初に於て逆止弁がまだ開弁状態にないとき
に、シリンダ下室よりシリンダ上室へ向うオイルの流れ
が該溝と弁要素により郭定されるオリフィスを通って高
速にて流れることによりオリフィス内の圧力が低下し、
これにより一時的に弁要素が低圧のオリフィス部に吸着
され、オイルの圧力が該吸着力に打勝つときに突然開弁
するので、スムーズな開弁が行われず、先述の不具合に
加えて更に、開弁するまでの間シリンダ下室内のオイル
の一部がこのオリフィスを通って流れることにより減衰
力が発生され、ベースバルブ構造体に設けられた減衰力
発生弁による所望の減衰力発生効果を得ることができな
い。
【0009】更に、このようにオリフィス部に吸着され
た弁要素は、開弁の際に不快な異音を発生する。このよ
うな固定オリフィスに起因する弁要素の吸着を解消する
ために弁座に形成される溝を大きくすることが考えられ
るが、その場合にはピストンが低速度で伸び行程にある
時にオリフィスとして機能すべき溝の本来の絞り効果が
なくなるので好ましくない。
【0010】以上のような従来のショックアブソーバに
於ける不具合に鑑み、本発明は、ピストン本体に設けら
れシリンダ下室よりシリンダ上室へ向う作動流体の流れ
のみを許す逆止弁をショックアブソーバの縮み行程開始
時に支障なく開弁させ、伸び行程に於て確実に閉弁させ
るよう構成することにより作動特性が改善され作動音が
低減されるショックアブソーバを提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、本発明に
よれば、シリンダ内に挿入され第一の室及び第二の室を
郭定するピストンと、前記ピストンに設けられ前記第一
の室と前記第二の室とを連通接続する第一の通路及び第
二の通路と、前記ピストンに隣接して前記第一の室側に
配設され前記第二の室から前記第一の室へ向う作動流体
の流れにより開弁方向に変位し前記第一の室から前記第
二の室へ向う作動流体の流れにより閉弁方向に変位する
弁要素と前記第一の通路の前記第一の室側の開口端に設
けられた弁座とを含む逆止弁と、前記第二の通路の前記
第二の室側の開口端に設けられ前記ピストンが前記第二
の室の側から前記第一の室の側へ移動するとき前記シリ
ンダ内に生ずる前記作動流体の流れを絞る第一の減衰力
発生弁と、前記ピストンが前記第一の室の側より前記第
二の室の側へ移動するとき前記シリンダ内に生ずる流体
の流れを絞る第二の減衰力発生弁とを含み、前記弁要素
は前記ピストンが静止状態にあるとき前記弁座との間に
間隙を有することを特徴とするショックアブソーバによ
り達成される。
【0012】
【作用】かかる構成によれば、ピストンが第一の室の側
より第二の室の側へ移動するとき、作動流体が第二の減
衰力発生弁を通って流れることにより減衰力が発生さ
れ、また一部の作動流体は第二の室より第一の室へ向け
て流れる。この際、ピストンの第一の室側に設けられた
逆止弁は作動流体の流れによる動圧を受けないピストン
の静止状態に於て既に開弁状態にあるので、第二の室か
ら第一の室へ向う作動流体は直ちに第一の室内へ流入す
ることができ、従って従来の如く逆止弁の開弁が遅れる
ということがなく、第二の減衰力発生弁の作動が安定
し、よってショックアブソーバの作動特性が改善され
る。また、逆止弁の弁座に溝が形成される構成の場合に
も、従来の如く閉弁状態から開弁状態に移行する際の異
音の発生が回避される。
【0013】ピストンが第二の室の側より第一の室の側
へ移行するときは、作動流体が第一の減衰力発生弁を通
って流れることにより減衰力が発生され、その際には作
動流体の動圧により逆止弁の弁要素は直ちに閉弁方向に
変位され弁座に着座し閉弁状態を確立するので第一の減
衰力発生弁の作動を阻害することがない。
【0014】尚、本発明に於ける逆止弁は、ベースバル
ブ構造体にも同様に適用されることは言うまでもない。
【0015】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実
施例について詳細に説明する。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一つの実施例である複筒式シ
ョックアブソーバを示す部分縦断面図である。図に於
て、1は円筒形のアウタチューブを示している。アウタ
チューブ1はその下端に於てロアキャップ2により閉じ
られている。アウタチューブ1の内部にはその軸線Aに
沿って円筒形のインナチューブ3が固定的に配置されて
いる。インナチューブ3はその下端に於てベース部材4
に嵌合しており、ベース部材4は下端にてロアキャップ
2に当接している。インナチューブ3の内部にはインナ
チューブ3の内壁と液密的に係合するピストン本体5及
びピストンロッド6よりなるピストン7が軸線Aに沿っ
て往復動可能に配置されている。アウタチューブ1及び
インナチューブ3の上端はこれらを互いに同軸に保ちピ
ストンロッド6がインナチューブ3内へ出入りすること
を許すべく図には示されていないアッパキャップにより
閉ざされている。
【0017】アウタチューブ1及びインナチューブ3は
アッパキャップ及びロアキャップ2と共働して円筒状の
リザーバ室8を郭定している。インナチューブ3はその
内部に於て、ピストン本体5及びアッパキャップと共働
してシリンダ上室9を郭定し、ピストン本体5及びベー
ス部材4と共働してシリンダ下室10を郭定している。
ベース部材4はその下方にロアキャップと共働して弁室
11を郭定しており、該弁室はベース部材4に形成され
た複数個の径方向の切欠き12によりリザーバ室8と連
通接続されている。シリンダ上室9、シリンダ下室1
0、及び弁室11はオイルで満されており、リザーバ室
8の図には示されていない上方部は圧縮ガスが封入さ
れ、その下方部はオイルで満されている。
【0018】図2は図1に示されたショックアブソーバ
のピストン本体部の拡大部分縦断面図である。ピストン
本体5はその周囲にピストンバンド5aを有しており、
該ピストンバンド5aによりピストン本体5がインナチ
ューブ3の壁面に液密的に係合している。ピストン本体
5は第一の室として機能するシリンダ上室9と第二の室
として機能するシリンダ下室10とを分離しており、ピ
ストン本体5にはこれらを連通接続する複数個の内側通
路20と複数個の外側通路30とが形成されている。図
に於ては理解を容易にすべく一つの内側通路と一つの外
側通路とが示されているが、一般に内側通路と外側通路
とは軸線Aの周りに角度をずらして配置される。
【0019】内側通路20の下端には環状ポート20a
が形成されており、各内側通路20は該環状ポート20
aにより他の内側通路20の下端に連通接続されてい
る。弁要素22及びスペーサ23が環状ポート20aの
下方にてピストンロッド6の下端の小径部に嵌合して配
置されており、これらはロックナット24によりピスト
ン本体5に押付けられた状態にて固定されている。弁要
素22の下方には半径方向内方部にてロックナット24
の上部に嵌合するスプリングシート25が軸線Aに沿っ
て往復動可能に配置されており、スプリングシート25
とロックナット24の下端のフランジとの間には圧縮コ
イルスプリング26が弾装されている。
【0020】弁要素22はスプリングシート25を介し
て与えられるコイルスプリング26の付勢力により環状
ポート20aの外周に形成された弁座部27に着座せし
められ環状ポート20aとシリンダ下室10との連通を
遮断する。又、弁要素22はシリンダ上室9より内側通
路20を経てシリンダ下室10へ向うオイルの流れによ
ってコイルスプリング26のばね力に抗してスプリング
シート25を押し下げ弾性変形することにより開弁し、
その開弁量は内側通路20を通過するオイルの動圧によ
って制御されるようになっている。かくして弁要素2
2、スプリングシート25、コイルスプリング26、弁
座部27等はシリンダ上室9よりシリンダ下室10へ向
うオイルの流れのみを許す第一の減衰力発生弁を構成し
ている。
【0021】外側通路30の上端には環状ポート30a
が形成されており、各外側通路30は該環状ポート30
aにより他の外側通路30の上端に連通接続されてい
る。弁要素32、スペーサ33、リテーナ34、及びス
トッパ35がピストン本体の上方にてピストンロッド6
の小径部に嵌合し、ピストン本体5の上面とピストンロ
ッド6の間に固定されている。弁要素32、スペーサ3
3、リテーナ34、及びストッパ35は各々内側通路2
0を流れるオイルの流通を妨げないよう構成されてお
り、例えば弁要素32は内側通路20に対応する位置に
孔を有し、リテーナ34は内側通路20に対応する位置
を避けて半径方向に複数の腕を有する放射状に形成され
ている。
【0022】環状ポート30aの外周には弁座部37が
設けられており、この弁座部は、環状ポート30aと内
側通路20の上端に形成された環状ポート20bとの間
に形成されたランド部36より低くなっており、弁要素
32はその内方部にてランド部36に当接しその外方部
にて弁座部37より離れて上方に位置するようリテーナ
34により保持されており、従ってピストンが静止状態
にあるときには該弁座部37と弁要素32の外方部との
間には間隙が存在する。弁要素32、弁座部37等はシ
リンダ下室10よりシリンダ上室9へ向うオイルの流れ
によって開弁方向へ変位する逆止弁を構成している。
【0023】弁要素32は比較的に大きい可撓性を有
し、後述する如く、シリンダ上室9よりシリンダ下室1
0へ向うオイルの流れにより弾性的に変形され弁座部3
7に着座せしめられる。弁座部37には溝38が形成さ
れており、この溝は着座した弁要素32と共働してオリ
フィス通路を郭定する。又、弁要素32は後述する如
く、シリンダ下室10よりシリンダ上室9へ向うオイル
の流れによりリテーナ34のばね力に抗して開弁度を増
大する方向に弾性的に撓められる。リテーナ34は必ず
しも必要ではなく、用いられない場合には弁要素32が
より容易に開弁方向に変形し得る。
【0024】図3は図1に示されたショックアブソーバ
のベースバルブ構造体の拡大部分縦断面図である。
【0025】図3に於て、ベース部材4はシリンダ下室
10と弁室11とを分離しており、シリンダ下室10と
弁室11とを連通接続する複数個の内側通路120と複
数個の外側通路130とを有している。図に於ては理解
を容易にすべく一つの内側通路120と一つの外側通路
130とが同一断面に示されているが、一般に内側通路
120と外側通路130とは軸線Aの周りに角度をずら
して配置される。
【0026】内側通路120の下端には環状ポート12
0aが形成されており、各内側通路120は該環状ポー
ト120aにより他の内側通路120の下端に連通接続
されている。弁要素122、スペーサ123、及びスト
ッパ124が環状ポート120aの下方にてベース部材
4の中心を軸線方向に貫通して延在するボルト100に
嵌合して配置されており、これらはナット101により
ベース部材4に押付けられた状態にて固定されており、
環状ポート120aの外周に形成された弁座部127と
共働して第二の減衰力発生弁を構成している。弁要素1
22は通常時にはそれ自身の剛性により弁座部127に
着座している。弁要素122はシリンダ下室10より内
側通路120を経て弁室11へ向うオイルの流れによっ
て弾性変形することによって開弁し、その開弁量は内側
通路120を通過するオイルの動圧によって制御される
ようになっている。
【0027】外側通路130の上端には環状ポート13
0aが形成されており、各外側通路130は該環状ポー
ト130aにより他の外側通路130の上端に連通接続
されている。外側通路130の上方にて弁要素132、
スペーサ133、リテーナ134がボルト100に嵌合
して配置されており、これらはボルト100の下端に捩
込まれたナット101によりボルト100のフランジ部
とベース部材4の間に保持されている。弁要素132、
スペーサ133、リテーナ134、及びストッパとして
働くボルト100のフランジ部は各々内側通路120を
流れるオイルの流通を妨げないよう構成されている。環
状ポート130aの外周には弁座部137が設けられて
おり、この弁座部は、環状ポート130aと内側通路1
20の上端に形成された環状ポート120bとの間に形
成されたランド部136より低くなっており、弁要素1
32はその内方部にてランド部36に当接しその外方部
にて弁座部137より離れて上方に位置するようリテー
ナ134に保持されており、従ってピストンが静止状態
にあるときには弁座部137と弁要素132の外方部と
の間には間隙が存在する。弁要素132、弁座部137
等はベースバルブ構造体の逆止弁を構成している。
【0028】弁要素132は比較的に大きい可撓性を有
し、後述する如く、シリンダ下室10より弁室11へ向
うオイルの流れにより弾性的に変形され弁座部137に
着座せしめられ、弁座部137に形成された溝138と
共働してオリフィス通路を郭定する。また、弁要素13
2は後述する如く、弁室11よりシリンダ下室9へ向う
オイルの流れによりリテーナ134のばね力に抗して開
弁度を増大する方向に弾性的に撓められる。リテーナ1
34は必ずしも必要ではなく、用いられない場合には弁
要素132がより容易に開弁方向に変形し得る。
【0029】以上の如く構成された複筒式ショックアブ
ソーバは以下の如く作動する。
【0030】ショックアブソーバの伸び行程、即ちピス
トン7がベース部材4より離れる方向へ駆動される場合
には、シリンダ上室9内の圧力が増大しシリンダ下室1
0内の圧力が低下するので、シリンダ上室9よりシリン
ダ下室10へ向うオイルの流れが発生する。
【0031】シリンダ上室9内のオイルの一部は初めに
弁座部37と弁要素32の間の間隙、外側通路30を経
てシリンダ下室10へ流れ、弁要素32と弁座部37と
の間の間隙を流れるオイルの動圧により図4(a)に示
される如く、弁要素32の外周部が下向きに撓み弁座部
37の上面に着座し閉弁し、溝38と共働してオリフィ
スを郭定する。
【0032】ピストン速度が充分高い場合には、シリン
ダ上室9より内側通路20を経てシリンダ下室10へ向
うオイルの流れによりコイルスプリング26の閉弁方向
への付勢力に打勝って弁要素22が開弁され、オイルが
シリンダ上室9より内側通路20を経てシリンダ下室1
0へ流入する。この場合シリンダ上室9より内側通路2
0を経てシリンダ下室10へ流れるオイルの流量及び流
速は弁要素22の開弁量によって制限され、ここでオイ
ルの乱流による抵抗によって減衰力が発生される。
【0033】ピストン速度が低く、シリンダ上室9より
内側通路20を経てシリンダ下室10へ向うオイルの流
れがコイルスプリング26の付勢力に打勝てない場合に
は、弁要素22は開弁し得ず、従ってシリンダ上室9よ
りシリンダ下室10へ流れるオイルは弁要素32と溝3
8により郭定されるオリフィス通路のみを通って流れ、
該オリフィス通路により減衰力が発生される。
【0034】また、ショックアブソーバの伸び行程に於
ては、シリンダ下室10内の圧力が低下することに加え
て、シリンダ内部に受入れられていたピストンロッドの
一部がシリンダ上室9の上端より外部へ抜出ることによ
り、その分の体積が減少するので、これを補うべくリザ
ーバ室8内のオイルが弁室11及びベース部材4に設け
られた外側通路130を経てシリンダ下室10へ流入す
る。外側通路130を流れるオイルは初め弁座部137
と弁要素132の間の間隙を通って抵抗なくシリンダ下
室10へ流入し、更にかかるオイルの流れにより弁要素
132が上方に弾性的に撓められることにより弁座部1
37と弁要素132との間の開弁量が増大され、従って
弁室11より外側通路130を経てシリンダ下室10へ
流れるオイルの流量が増大される。この場合弁座部13
7と弁要素132の間には初めから間隙が存在し開弁状
態にあるので、従来の如く開弁が遅れることがなく、
又、開弁時に異音が発生することもない。
【0035】ショックアブソーバの縮み行程、即ちピス
トン7がベース部材4に近付く方向へ駆動されるときに
は、シリンダ上室9内の圧力が減少しシリンダ下室10
内の圧力が増大することによりシリンダ下室10よりシ
リンダ上室9へ向うオイルの流れが発生されシリンダ内
へピストンロッド6が進入することによってオイルが押
しのけられることによりシリンダ下室10より弁室11
へ向うオイルの流れが発生される。
【0036】シリンダ下室10よりシリンダ上室9へ向
けて外側通路30を流れるオイルは初め弁要素32と弁
座部37の間の間隙を通って抵抗なくシリンダ上室9へ
流入する。このとき弁要素32は図4(b)に示される
如く、オイルの流れにより上方に弾性的に撓められ、従
って弁要素32と弁座部37の間の間隙の開弁量が増大
され、これを流れるオイルの流量が増大される。この場
合弁座部37と弁要素32の間には初めから間隙が存在
し開弁状態にあるので、従来の如く開弁が遅れることが
なく、又、開弁時に異音が発生することもない。
【0037】一方、シリンダ下室10より弁室11へ向
うオイルの流れによりベース部材4の上方に配置された
弁要素132は弾性的に撓められ弁座部137に着座
し、溝138と共働してオリフィス通路を郭定する。
【0038】ピストン速度が低くオイルの流圧がさほど
大きくない場合には、シリンダ下室10より弁室11へ
向けて流れるオイルは弁要素132と溝138により郭
定されるオリフィス通路のみを通って流れ、ここで減衰
力が発生される。
【0039】ピストン速度が充分高い場合にはシリンダ
下室10よりベース部材4に形成された内側通路120
を流れるオイルの流圧により弁要素122が開弁され、
ここを通過するオイルの乱流による抵抗によって減衰力
が発生される。このときオイルの流量及び流速は弁要素
122の開弁量により制御される。
【0040】図5は、本発明による逆止弁の作動特性と
従来の逆止弁の作動特性を概略的に比較するグラフであ
る。ここではピストン本体に設けられた逆止弁について
説明するが、同様のことがベースバルブ構造体に設けら
れた逆止弁についても言える。
【0041】図に於て、横軸は第二の室として機能する
シリンダ下室10の圧力P2と第一の室として機能する
シリンダ上室9の圧力P1の差圧ΔPを示し、シリンダ
下室10の圧力P2の方が高い場合を正の方向にとって
いる。縦軸は逆止弁の開弁量δを示す。
【0042】従来の逆止弁はグラフにて破線で示されて
いる如くシリンダ下室の圧力P2がシリンダ上室の圧力
P1より大きくその差圧がΔPa以上になると逆止弁を
閉弁方向に付勢していたばね手段のばね力に抗して開弁
する。従ってシリンダ下室の圧力P2がシリンダ上室の
圧力P1より大きくても差圧が0〜ΔPaの領域ではオ
イルがシリンダ下室からシリンダ上室へ流れることがで
きない。
【0043】これに対し、実施例の逆止弁によれば、グ
ラフにて実線で示される如く、差圧ΔPが0である場合
に逆止弁はすでに開弁状態にあり、オイルがシリンダ下
室よりシリンダ上室へ抵抗なく流れることを許し、更に
差圧ΔPが0より大きくなると弁要素32を保持するリ
テーナ34のばね力に抗して開弁量が増大される。
【0044】また、開弁状態にある逆止弁はシリンダ上
室9の圧力P1がシリンダ下室10の圧力P2より大き
くなっても差圧が負の値であるΔPbに達するまで閉弁
しないが、弁要素22はその可撓性により閉弁方向に容
易に撓められるのでΔPbは非常に小さい値であり、減
衰力発生機構の作動に悪影響を与えることはない。
【0045】更に、図5に示されるグラフの傾き即ち開
弁量の変化率は弁要素を押し付ける付勢手段或いは保持
するリテーナのばね定数に関連して決定されるものであ
るが、ここでは実線にて示す実施例の逆止弁と破線にて
示す従来の逆止弁とに於てかかるばね定数が等しいもの
として表している。しかしながら、上述の実施例に於て
は、弁要素32を中立状態に保持すべくその上方に配置
されたリテーナ34は必ずしも必要ではなく、これがな
い場合には弁要素32は開弁方向に容易に湾曲すること
ができ、その場合には図中仮想線で示される如くグラフ
の傾きが増大する。
【0046】以上に於ては、本発明によるショックアブ
ソーバの一つの実施例について詳細に説明したが、本発
明はかかる実施例に限定されるものではなく、本発明の
範囲内にて他の種々の実施例が可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明より解る通り、本発明によれ
ば、ショックアブソーバの運動に関連して変化する作動
流体の流れに対する逆止弁の応答性が向上されるので、
ショックアブソーバの作動特性が改善される。また従来
の如く閉弁状態から開弁状態へ移行する際に不快な異音
が発生することが回避される。
【0048】更に、本発明によれば、逆止弁の弁要素が
ピストン本体に対し押し付けられる必要がないので、従
来の弁要素をピストン本体へ向けて付勢するばね手段を
省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施例である複筒式ショックア
ブソーバを示す部分縦断面図である。
【図2】図1に示されたショックアブソーバのピストン
本体部の拡大部分縦断面図である。
【図3】図1に示されたショックアブソーバのベースバ
ルブ構造体の拡大部分縦断面図である。
【図4】ピストン本体に設けられた逆止弁を示す拡大断
面図であり、(a)は閉弁状態を示し、(b)は開弁状
態を示す。
【図5】本発明による逆止弁の作動特性を従来の逆止弁
の作動特性と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
4…ベース部材 5…ピストン本体 8…リザーバ室 9…シリンダ上室 10…シリンダ下室 11…弁室 20…内側通路 20a…環状ポート 22…弁要素 27…弁座部 30…外側通路 30a…環状ポート 32…弁要素 37…弁座部 120…内側通路 120a…環状ポート 122…弁要素 127…弁座部 130…外側通路 130a…環状ポート 132…弁要素 137…弁座部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内に挿入され第一及び第二の室を
    郭定するピストンと、前記ピストンに設けられ前記第一
    の室と前記第二の室とを連通接続する第一及び第二の通
    路と、前記ピストンに隣接して前記第一の室側に配設さ
    れ前記第二の室から前記第一の室へ向う作動流体の流れ
    により開弁方向に変位し前記第一の室から前記第二の室
    へ向う作動流体の流れにより閉弁方向に変位する弁要素
    と前記第一の通路の前記第一の室側の開口端に設けられ
    た弁座とを含む逆止弁と、前記第二の通路の前記第二の
    室側の開口端に設けられ前記ピストンが前記第二の室の
    側から前記第一の室の側へ移動するとき前記シリンダ内
    に生ずる前記作動流体の流れを絞る第一の減衰力発生弁
    と、前記ピストンが前記第一の室の側より前記第二の室
    の側へ移動するとき前記シリンダ内に生ずる流体の流れ
    を絞る第二の減衰力発生弁とを含み、前記弁要素は前記
    ピストンが静止状態にあるとき前記弁座との間に間隙を
    有することを特徴とするショックアブソーバ。
JP21226492A 1992-07-16 1992-07-16 ショックアブソーバ Pending JPH0633968A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21226492A JPH0633968A (ja) 1992-07-16 1992-07-16 ショックアブソーバ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21226492A JPH0633968A (ja) 1992-07-16 1992-07-16 ショックアブソーバ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0633968A true JPH0633968A (ja) 1994-02-08

Family

ID=16619706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21226492A Pending JPH0633968A (ja) 1992-07-16 1992-07-16 ショックアブソーバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0633968A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100489386B1 (ko) * 2000-11-24 2005-05-12 주식회사 만도 쇽 업소버의 피스톤 밸브
JP2016098949A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 Kyb株式会社 減衰バルブ及び緩衝器
WO2017188091A1 (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 Kyb株式会社 減衰力調整バルブ及び緩衝器
CN107839489A (zh) * 2017-11-30 2018-03-27 株洲联诚集团控股股份有限公司 一种受电弓
EP3225874A4 (en) * 2014-11-25 2018-10-24 KYB Corporation Attenuation valve and shock absorber

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100489386B1 (ko) * 2000-11-24 2005-05-12 주식회사 만도 쇽 업소버의 피스톤 밸브
JP2016098949A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 Kyb株式会社 減衰バルブ及び緩衝器
EP3225874A4 (en) * 2014-11-25 2018-10-24 KYB Corporation Attenuation valve and shock absorber
US10830305B2 (en) 2014-11-25 2020-11-10 Kyb Corporation Damping valve and shock absorber
US11614140B2 (en) 2014-11-25 2023-03-28 Kyb Corporation Damping valve and shock absorber
EP3225874B1 (en) * 2014-11-25 2023-08-23 KYB Corporation Attenuation valve and shock absorber
WO2017188091A1 (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 Kyb株式会社 減衰力調整バルブ及び緩衝器
CN109073025A (zh) * 2016-04-27 2018-12-21 Kyb株式会社 阻尼力调整阀和缓冲器
US20190128360A1 (en) * 2016-04-27 2019-05-02 Kyb Corporation Damping force-adjusting valve and shock absorber
CN107839489A (zh) * 2017-11-30 2018-03-27 株洲联诚集团控股股份有限公司 一种受电弓
CN107839489B (zh) * 2017-11-30 2023-09-12 株洲联诚集团控股股份有限公司 一种受电弓

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5934421A (en) Damping force control type hydraulic shock absorber
US6003644A (en) Damping force variable hydraulic shock absorber
US6817454B2 (en) Damping force control type hydraulic shock absorber
US4535877A (en) Hydraulic damper of adjustable damping force type
US6371262B1 (en) Damping force control type hydraulic shock absorber
US7770983B2 (en) Damping force control valve and shock absorber using the same
US7273138B2 (en) Damping force variable valve and shock absorber using same
JP2694465B2 (ja) 油圧緩衝器
US6302248B1 (en) Damping force control type hydraulic shock absorber
US8132654B2 (en) Hydraulic damper with compensation chamber
US7604101B2 (en) Damping force control valve and shock absorber using the same
US5975258A (en) Damping force control type hydraulic shock absorber
US20060054435A1 (en) Hydraulic shock absorber
KR20090093813A (ko) 완충기
US7172057B2 (en) Vibration damper with amplitude-dependent damping force
US20070144848A1 (en) Hydraulic damper for vehicle
JPH0633968A (ja) ショックアブソーバ
US10837514B2 (en) Valve structure of shock absorber
JPH08291836A (ja) 液圧緩衝装置
US6390257B1 (en) Suspension damper having piston plate with coined, continuously curved bypass
JP4898607B2 (ja) 空圧緩衝器のバルブ構造
JP2003042214A (ja) 油圧緩衝器
JPH03199732A (ja) 油圧緩衝器のバルブ装置
JPH11287282A (ja) 油圧緩衝器の減衰力発生構造
JP2607428Y2 (ja) 油圧緩衝器