JP2016098949A - 減衰バルブ及び緩衝器 - Google Patents

減衰バルブ及び緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2016098949A
JP2016098949A JP2014237846A JP2014237846A JP2016098949A JP 2016098949 A JP2016098949 A JP 2016098949A JP 2014237846 A JP2014237846 A JP 2014237846A JP 2014237846 A JP2014237846 A JP 2014237846A JP 2016098949 A JP2016098949 A JP 2016098949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
valve
chamber
extension
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014237846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6514492B2 (ja
Inventor
敦 作田
Atsushi Sakuta
敦 作田
泰弘 稲垣
Yasuhiro Inagaki
泰弘 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
KYB Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2014237846A priority Critical patent/JP6514492B2/ja
Application filed by KYB Corp filed Critical KYB Corp
Priority to PCT/JP2015/082927 priority patent/WO2016084797A1/ja
Priority to US15/528,809 priority patent/US10830305B2/en
Priority to EP15862933.7A priority patent/EP3225874B1/en
Priority to KR1020177014549A priority patent/KR20170078755A/ko
Priority to CN201580064376.1A priority patent/CN107002810B/zh
Publication of JP2016098949A publication Critical patent/JP2016098949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6514492B2 publication Critical patent/JP6514492B2/ja
Priority to US16/919,583 priority patent/US11614140B2/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】ピストン速度が低速域にある際の減衰力の低減と減衰力調整幅を拡大することが可能な減衰バルブ及び緩衝器を提供することである。
【解決手段】上記した目的を解決するために、本発明における減衰バルブは、通路3,4と当該通路3,4の出口端を囲む各弁座2c,2dとを備えたバルブディスク2と、バルブディスク2に積層されて各弁座2c,2dに離着座して通路3,4を開閉する環状のリーフバルブVe,Vpと、リーフバルブVe,Vpにバルブディスク2側へ向けて可変附勢力を作用させる附勢手段とを備え、リーフバルブVe,Vpと各弁座2c,2dとの間に隙間を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、減衰バルブ及び緩衝器に関する。
車両のサスペンションに用いられる緩衝器には、減衰力を可変することができる減衰バルブを備えているものがある。このような緩衝器としては、シリンダと、シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、一端がピストンに連結されてシリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、減衰バルブを備えて構成され、他方の減衰バルブは、ピストンに設けられた伸側室と圧側室とを連通する通路と、ピストンに設けた上記通路の出口端を取り囲む環状の弁座に離着座して当該通路を開閉するディスクバルブと、ディスクバルブの背面に伸側室或いは圧側室から導かれる圧力を作用させる背圧室と、背圧室内の圧力を制御するソレノイドを利用した電磁圧力制御弁とを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
このように構成された緩衝器にあっては、電磁圧力制御弁によって背圧室内の圧力を制御することで、伸長時と収縮時の減衰力を制御するようになっているのであるが、ディスクバルブが弁座に着座する閉弁状態では、ディスクバルブに設けた固定オリフィスを液体が通過して伸側室と圧側室とを行き来することができるようになっており、ピストン速度が低速で移動する場合、緩衝器は、主として固定オリフィスにて減衰力を発揮するようになっている。
特開2001−12530号
車両用の緩衝器にあって車両における乗り心地を考えると、ピストン速度が低速域にある際の減衰力を低減させたい場合があるが、上記したように従来の緩衝器ではディスクバルブが弁座から離座する開弁状態となるまでは、固定オリフィスで減衰力を発揮するようになっており、減衰力を低減させるには固定オリフィスの開口面積を大きくする必要がある。固定オリフィスの開口面積を大きくすると確かに減衰力を低減させることができるのであるが、減衰力の最大値が固定オリフィスによって決せられてしまうため、減衰力調整幅が著しく低減されてしまう結果となる。
また、オリフィスを設けないと減衰力調整幅は大きくなるが、減衰力をフルソフトにしても、減衰力が大きくなりすぎて車両における乗り心地を悪化させてしまう。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が低速域にある際の減衰力の低減と減衰力調整幅を拡大することが可能な減衰バルブ及び緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、通路と当該通路の出口端を囲む弁座とを備えたバルブディスクと、上記バルブディスクに積層されて上記弁座に離着座して上記通路を開閉する環状のリーフバルブと、上記リーフバルブに上記バルブディスク側へ向けて可変附勢力を作用させる附勢手段とを備え、上記リーフバルブと上記弁座との間に隙間を設けたことを特徴とする。
本発明の液圧緩衝器によれば、ピストン速度が低速域にある際の減衰力を低減するとともに、減衰力調整幅を拡大することが可能となる。
一実施の形態における減衰バルブを適用した緩衝器の断面図である。 一実施の形態における減衰バルブを適用した緩衝器の一部拡大断面図である。 一実施の形態における減衰バルブの拡大断面図である。 一実施の形態における減衰バルブを適用した緩衝器の減衰力特性を説明する図である。
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。一実施の形態における減衰バルブは、図1に示すように、緩衝器Dの伸側減衰バルブ及び圧側減衰バルブの双方に適用されており、通路としての伸側通路3及び圧側通路4と当該伸側通路3及び圧側通路4の出口端をそれぞれとり囲む環状の伸側弁座2d及び圧側弁座2cとを備えたバルブディスクとしてのピストン2と、ピストン2に積層されて伸側弁座2dに離着座して伸側通路3を開閉する環状の伸側リーフバルブVeと、ピストン2に積層されて圧側弁座2cに離着座して圧側通路4を開閉する環状の圧側リーフバルブVpと、伸側リーフバルブVeにピストン2側へ向けて可変附勢力を作用させるとともに圧側リーフバルブVpにピストン2側へ向けて可変附勢力を作用させる附勢手段とを備えて構成されている。なお、本発明の減衰バルブは、緩衝器Dの伸側減衰バルブのみ、或いは圧側減衰バルブのみに具現化されてもよいことは当然である。
他方、緩衝器Dは、作動油などの液体を満たしたシリンダ1と、シリンダ1内に収容される上記した減衰バルブと、減衰バルブを構成するバルブディスクとしてのピストン2を軸方向へ移動自在にシリンダ1内に挿入することで当該シリンダ1内にピストン2で区画した伸側室R1と圧側室R2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるピストンロッド7とを備えて構成され、シリンダ1に対してピストン2が図1中上下方向となる軸方向に移動する際に、伸側通路3を通過する液体の流れに対しては伸側リーフバルブVeで、圧側通路4を通過する液体の流れに対しては圧側リーフバルブVpで抵抗を与えて減衰力を発揮するようになっている。
なお、シリンダ1の図1中下方には図示はしないが、シリンダ1内を摺動するフリーピストンが設けられており、このフリーピストンによってシリンダ1内に気体室が形成される。また、ピストン2は、シリンダ1内に移動自在に挿通されたピストンロッド7の一端に連結され、ピストンロッド7は、シリンダ1の上端部に設けた図外の環状のロッドガイドの内周を貫通してシリンダ1外へ突出されている。なお、ピストンロッド7とシリンダ1との間は図示しないシールでシリンダ1内が液密状態とされている。図示したところでは、緩衝器Dがいわゆる片ロッド型に設定されているため、緩衝器Dの伸縮に伴ってシリンダ1内に出入りするピストンロッド7の体積は、上記した気体室内の気体の体積が膨張あるいは収縮し上記フリーピストンがシリンダ1内を上下方向に移動することによって補償されるようになっている。このように緩衝器Dは、単筒型に設定されているが、フリーピストン及び気体室の設置に変えて、シリンダ1の外周や外部にリザーバを設けて当該リザーバによって上記ピストンロッド7の体積補償を行ってもよい。
また、減衰バルブにおける附勢手段は、この例では、伸側リーフバルブVeを附勢する伸側スプールSeと、内部圧力で伸側スプールSeを押圧する伸側背圧室Ceと、圧側リーフバルブVpを附勢する圧側スプールSpと、内部圧力で圧側スプールSpを押圧する圧側背圧室Cpと、通過する液体の流れに抵抗を与える伸側抵抗要素としての伸側パイロットオリフィスPeを介して圧側背圧室Cpに連通されるともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側抵抗要素としての圧側パイロットオリフィスPpを介して伸側背圧室Ceに連通される連通路24と、伸側室R1から圧側背圧室Cpへ向かう液体の流れのみを許容する伸側圧力導入通路Ieと、圧側室R2から伸側背圧室Ceへ向かう液体の流れのみを許容する圧側圧力導入通路Ipと、連通路24に接続される調整通路Pcと、調整通路Pcの下流を伸側室R1へ連通するとともに調整通路Pcから伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する圧側排出通路Epと、調整通路Pcの下流を圧側室R2へ連通するとともに調整通路Pcから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する伸側排出通路Eeと、調整通路Pcに設けられて調整通路Pcの上流圧力を制御する電磁圧力制御弁6とを備えて構成されている。
以下、減衰バルブ及び緩衝器Dについて詳細に説明する。ピストンロッド7は、この場合、ピストン2を保持するピストン保持部材8と、一端がピストン保持部材8に連結されてピストン保持部材8とともに電磁圧力制御弁6を収容する中空な収容部Lを形成する電磁弁収容筒9と、一端が電磁弁収容筒9に連結されるとともに他端がシリンダ1の上端から外方へ突出するロッド部材10とで形成されている。
ピストン保持部材8は、外周に環状のピストン2が装着される保持軸8aと、保持軸8aの図1中上端外周に設けたフランジ8bと、フランジ8bの図1中上端外周に設けた筒状のソケット8cとを備えている。また、ピストン保持部材8は、保持軸8aの先端から開口して軸方向に伸び上記ソケット8c内に通じる縦孔8dと、フランジ8bの図1中下端に上記保持軸8aを囲むようにして設けた環状溝8eと、環状溝8eをソケット8c内に連通するポート8fと、環状溝8eを縦孔8d内に連通させる横孔8gと、保持軸8aの外周から開口して縦孔8dに通じる伸側抵抗要素としての伸側パイロットオリフィスPeと圧側抵抗要素としての圧側パイロットオリフィスPpと、保持軸8aの図1中下端外周に設けた螺子部8iと、フランジ8bの上端に形成されて縦孔8dに通じる溝8jとを備えて構成されている。
保持軸8aに設けた縦孔8d内には、筒状であって外周に設けた環状溝23aで縦孔8d内に伸側パイロットオリフィスPeと圧側パイロットオリフィスPpとを連通させる連通路24を形成するセパレータ23が挿入されている。このセパレータ23の図1中下端には、当該下端の開口を囲む環状弁座23bが設けられている。縦孔8dは、セパレータ23内を介して圧側室R2をソケット8c内へ連通させるが、伸側パイロットオリフィスPeと圧側パイロットオリフィスPpがセパレータ23によって縦孔8d内を介しては圧側室R2及びソケット8c内に通じないようになっている。さらに、横孔8gも連通路24に通じており、この横孔8gもセパレータ23によって縦孔8d内を介しては圧側室R2及びソケット8c内に通じないようになっている。
なお、上記した伸側抵抗要素及び圧側抵抗要素は、通過する液体の流れに対して抵抗を与えればよいので、オリフィスだけではなく、チョーク通路といった他の絞りとされてもよいし、リーフバルブやポペットバルブなどの抵抗を与える弁とされてもよい。
ソケット8cの図1中上端外周には、環状の凹部8kが設けられており、また、ソケット8cには、凹部8kからソケット8c内に通じる貫通孔8mが設けられている。凹部8kには、環状板22aが装着されており、この環状板22aが図1中上方からばね部材22bによって附勢されて、貫通孔8mを閉塞している。
電磁弁収容筒9は、有頂筒状の収容筒部9aと、収容筒部9aよりも外径が小径であって当該収容筒部9aの頂部から図1中上方へ伸びる筒状の連結部9bと、収容筒部9aの側方から開口して内部へ通じる透孔9cとを備えて構成されている。そして、電磁弁収容筒9の収容筒部9aの内周にピストン保持部材8のソケット8cを螺着することで、電磁弁収容筒9にピストン保持部材8が一体化されるとともに、これら電磁弁収容筒9とピストン保持部材8とで収容筒部9a内に電磁圧力制御弁6が収容される収容部Lが形成され、収容部L内に詳しくは後述する調整通路Pcの一部が設けられる。また、収容部Lは、上記したポート8f、環状溝8e及び横孔8gによって連通路24に連通されており、これらポート8f、環状溝8e及び横孔8gで調整通路Pcの一部を形成している。なお、収容部Lが連通路24に連通されていればよいので、ポート8f、環状溝8e及び横孔8gを採用するのではなく、収容部Lと直接的に連通路24に連通する通路を設けるようにしてもよいが、ポート8f、環状溝8e及び横孔8gを採用することで収容部Lと連通路24を連通する通路の加工が容易となる利点がある。
上記したように電磁弁収容筒9にピストン保持部材8が一体化されると、透孔9cが凹部8kに対向して、貫通孔8mと協働して、収容部Lを伸側室R1に連通させるようになっており、環状板22aとばね部材22bとで、収容部L内から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する逆止弁22が形成されている。よって、圧側排出通路Epは、透孔9c、凹部8k、貫通孔8m及び当該逆止弁22によって形成されている。
また、ピストン保持部材8における縦孔8d内には、セパレータ23の図1中下端に設けた環状弁座23bに離着座する逆止弁25が設けられており、逆止弁25は、圧側室R2側から収容部Lへ向かう液体の流れを阻止するとともに、収容部Lから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容するようになっている。よって、伸側排出通路Eeは、セパレータ23によって、縦孔8d内に形成されている。
ロッド部材10は、筒状であって、図1中下端の内周が拡径されていて電磁弁収容筒9の連結部9bの挿入を許容し、この連結部9bの螺着を可能とする螺子部(符示せず)を備えている。このように、ロッド部材10、電磁弁収容筒9及びピストン保持部材8を一体化することで、ピストンロッド7が形成される。
なお、ロッド部材10内及び電磁弁収容筒9における連結部9b内には、後述するソレノイドへ電力供給するハーネスHが挿通されており、ハーネスHの上端は図示はしないがロッド部材10の上端から外方へ伸びており、電源に接続される。
ピストン保持部材8に設けた保持軸8aの外周には、図3に示すように、環状のピストン2とともに、ピストン2の図3中上方に環状スペーサとしての圧側環状スペーサ60、圧側リーフバルブVp、間座としての圧側間座61、環状プレートとしての圧側環状プレート62、圧側プレートストッパ63と、圧側スプールSp、圧側背圧室Cpを形成する圧側チャンバ11とが組付けられ、ピストン2の図3中下方には、環状スペーサとしての伸側環状スペーサ64、伸側リーフバルブVe、間座としての伸側間座65、環状プレートとしての伸側環状プレート66、伸側プレートストッパ67、伸側スプールSe、伸側背圧室Ceを形成する伸側チャンバ12とが組付けられる。
ピストン2は、この場合、上下二分割されたディスク2a,2bを重ね合わせることで形成されており、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側通路3と圧側通路4とが形成されている。このように、ピストン2を上下に分割されたディスク2a,2bで形成することで、複雑な形状の伸側通路3及び圧側通路4を孔開け加工によらずして形成することができ、安価かつ容易にピストン2を製造することができる。また、図3において上方側のディスク2aの上端には、圧側通路4に連通される環状窓2eと、環状窓2eの外周側に設けられて圧側通路4を囲む環状の圧側弁座2cと、環状窓2eの内周に設けた内周シート部2fとが設けられている。他方、下方側のディスク2bの下端には、伸側通路3に連通される環状窓2gと、環状窓2gの外周側に設けられて伸側通路3を囲む環状の伸側弁座2dと、環状窓2gの内周に設けた内周シート部2hとが設けられている。
伸側リーフバルブVeは、図3に示すように、ピストン保持部材8の保持軸8aの挿通を許容するため環状とされており、この例では、二枚の環状板71,72を重ねることで構成されている。伸側リーフバルブVeは、内周がピストン2と伸側チャンバ12とで挟持されてピストン保持部材8の保持軸8aに固定され、外周の撓みが許容されている。より詳細には、伸側リーフバルブVeと伸側チャンバ12との間には、伸側間座65が介装されており、伸側リーフバルブVeは、図3中下方側へ撓む場合、伸側間座65で支持される部位より外周側の撓みが許容され、図3中上方側へ撓む場合、伸側環状スペーサ64で支持される部位より外周側の撓みが許容される。なお、ピストン2側に配置される環状板71の外周には、伸側弁座2dへ着座した際にオリフィスとして機能する切欠71aが設けられている。
そして、このように構成された伸側リーフバルブVeは、ピストン2の内周シート部2hに積層される伸側環状スペーサ64を介してピストン2の図3中下方に積層される。伸側リーフバルブVeに負荷が作用しない状態では、伸側リーフバルブVeと伸側弁座2dとの間に隙間が形成される。この隙間の図3中上下方向長さは、厚みの異なる伸側環状スペーサ64に交換するか、伸側環状スペーサ64の積層枚数を変更することによって調節することができる。なお、伸側リーフバルブVeと伸側弁座2dとの間の隙間は、内周シート部2hの高さを伸側弁座2dの高さよりも高くしておくことで、伸側環状スペーサ64を廃して伸側リーフバルブVeを直接に内周シート部2hへ積層することでも形成することができる。ただし、伸側環状スペーサ64を設けることで、上記隙間の長さの調節を容易に行うことができる。
また、伸側リーフバルブVeは、背面側となる反ピストン側から附勢手段によって附勢力が負荷されると撓むが、この附勢力が大きくなると伸側弁座2dに着座するようになって伸側通路3を閉塞するようになる。この状態では切欠71aのみで伸側通路3を圧側室R2に連通させることになる。
さらに、伸側間座65の外周には、伸側環状プレート66が摺動自在に装着されている。伸側環状プレート66の軸方向長さは、伸側間座65の軸方向長さよりも短く、伸側環状プレート66は、伸側間座65の外周に摺接しつつ上下方向へ移動することができるようになっている。さらに、伸側間座65の図3中下方には、環状であって外径が伸側環状プレート66の内径よりも大径に設定される伸側プレートストッパ67が設けられており、この伸側プレートストッパ67の下方に伸側チャンバ12が積層される。また、伸側環状プレート66の内径は、ピストン2に設けた内周シート部2hの外径よりも小径に設定されている。伸側環状プレート66の外径は、伸側弁座2dの内径よりも大径に設定されている。伸側環状プレート66は、伸側環状スペーサ64と伸側プレートストッパ67との間で軸方向となる図3中上下方向へ移動することができるようになっている。
伸側環状プレート66は、伸側リーフバルブVeを構成する環状板71,72よりも撓み剛性が高くなっている。そのため、伸側環状プレート66の軸方向長さ(厚み)を伸側リーフバルブVeにおける環状板71,72の軸方向長さ(厚み)より長くしてあるが、軸方向長さによって剛性を強くするだけでなく、伸側リーフバルブVeよりも高剛性の材料で伸側環状プレート66を形成するようにしてもよい。
伸側環状プレート66が背面側から伸側背圧室Ce内の圧力と伸側スプールSeによって押圧されると、伸側環状プレート66が伸側リーフバルブVeを押し上げて撓ませるようになるが、伸側リーフバルブVeが伸側弁座2dに着座するまで撓むと、伸側環状プレート66が内周シート部2hと伸側弁座2dとで支持される格好になるため、伸側背圧室Ce内の圧力と伸側スプールSeによる附勢力を伸側環状プレート66で受け止めるようになり、伸側リーフバルブVeのそれ以上の変形が抑制され、伸側リーフバルブVeに過負荷がかからないようになっている。また、伸側環状プレート66は、伸側間座65に摺動自在に装着されているため、伸側リーフバルブVeが伸側弁座2dから離間する方向へ撓む際には伸側間座65に対して図3中下方へ移動するので、伸側リーフバルブVeのピストン2から離間する方向への撓み動作を妨げることがない。
続いて、伸側チャンバ12は、ピストン保持部材8における保持軸8aの外周に嵌合される筒状の装着部12aと、装着部12aの図3中下端外周に設けたフランジ部12bと、フランジ部12bの外周からピストン2側へ向けて伸びる摺接筒12cと、装着部12aの内周に設けた環状溝12dと、装着部12aの外周から環状溝12dに通じる切欠12eとを備えて構成されている。そして、伸側チャンバ12を保持軸8aに組み付けると、環状溝12dは保持軸8aに設けた圧側パイロットオリフィスPpに対向するようになっている。なお、伸側チャンパ12における装着部12aと伸側間座65との間には、伸側プレートストッパ67を介装してあるが、伸側プレートストッパ67を廃止して装着部12aで伸側環状プレート66の移動下限を規制するようにしてもよい。ただし、伸側チャンバ12をピストン保持部材8の保持軸8aへ組みつけた際に、圧側パイロットオリフィスPpと環状溝12dとを対向させる位置へ調整する必要がある場合には、伸側プレートストッパ67を設けることで伸側チャンバ12のピストン保持部材8に対する位置を調節することができる。
この摺接筒12c内には、伸側スプールSeが収容されている。伸側スプールSeは、外周を摺接筒12cの内周に摺接させており、当該摺接筒12c内で軸方向へ移動することができるようになっている。伸側スプールSeは、環状のスプール本体13と、スプール本体13の図3中上端内周から立ち上がる環状突起14とを備えている。この環状突起14の内径は、伸側環状プレート66の外径よりも小径に設定されており、環状突起14が伸側環状プレート66の背面となる図3中下面に当接することができるようになっている。
そして、このように、伸側チャンバ12に伸側スプールSeを組み付け、当該伸側チャンバ12を保持軸8aに組み付けると、伸側リーフバルブVeの背面側である図3中下方側に伸側背圧室Ceが形成される。なお、スプール本体13の内径は、装着部12aの外径より大きくしているが、これを装着部12aの外周に摺接する径に設定して、伸側背圧室Ceを伸側スプールSeで封じるようにすることも可能である。
また、伸側チャンバ12の装着部12aの内周には、環状溝12dが設けられるとともに、装着部12aの外周から当該環状溝12dに通じる切欠12eとを備えているので、伸側チャンバ12を保持軸8aに組み付けると、環状溝12dは保持軸8aに設けた圧側パイロットオリフィスPpに対向して、伸側背圧室Ceが圧側パイロットオリフィスPpに通じるようになっている。
さらに、伸側チャンバ12には、フランジ部12bの外周から開口する圧側圧力導入通路Ipが設けられていて、圧側室R2を伸側背圧室Ce内へ通じさせている。伸側チャンバ12のフランジ部12bの図3中上端には、環状板15が積層され、この環状板15と伸側スプールSeにおけるスプール本体13との間に介装されたばね部材16によって当該環状板15がフランジ部12bへ押しつけられて圧側圧力導入通路Ipを閉塞するようになっている。なお、圧側圧力導入通路Ipは、通過液体の流れに対して抵抗を生じさせないように配慮されている。
この環状板15は、緩衝器Dの収縮作動時において、圧側室R2が圧縮されて圧力が高まると当該圧力によって押圧されてフランジ部12bから離座して圧側圧力導入通路Ipを開放し、伸側背圧室Ce内の圧力が圧側室R2より高くなる緩衝器Dの伸長作動時にはフランジ部12bに押しつけられて圧側圧力導入通路Ipを閉塞し、圧側室R2からの液体の流れのみを許容する圧側逆止弁Tpの逆止弁弁体として機能している。この圧側逆止弁Tpによって圧側圧力導入通路Ipが圧側室R2から伸側背圧室Ceへ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定される。
ばね部材16は、環状板15をフランジ部12bに押し付ける役割を担って、逆止弁弁体である環状板15とともに圧側逆止弁Tpを構成するとともに、伸側スプールSeを伸側リーフバルブVeへ向けて附勢する役割をも担っている。伸側スプールSeをばね部材16で附勢することで、伸側リーフバルブVeが撓んで伸側スプールSeがピストン2から離間する図3中下方へ押し下げられた状態となってから、伸側リーフバルブVeの撓みが解消しても、ばね部材16によって附勢されているので、伸側スプールSeは伸側リーフバルブVeに追従して速やかに元の位置(図3に示す位置)へ戻ることができる。伸側スプールSeの附勢を別途のばね部材で附勢することも可能であるが、圧側逆止弁Tpとばね部材16を共用することができ部品点数を削減できるとともに構造が簡単となる利点がある。なお、伸側スプールSeの外径は、環状突起14の内径よりも大径に設定されていて、環状突起14が伸側環状プレート66に当接するようになっているので、伸側スプールSeは伸側背圧室Ceの圧力によって常に伸側リーフバルブVeへ向けて附勢される。
ピストン2の上方に積層される圧側リーフバルブVpは、図3に示すように、伸側リーフバルブVe同様に、ピストン保持部材8の保持軸8aの挿通を許容するため環状とされており、この例では、二枚の環状板81,82を重ねることで構成されている。圧側リーフバルブVpは、内周がピストン2と圧側チャンバ11とで挟持されてピストン保持部材8の保持軸8aに固定され、外周の撓みが許容されている。より詳細には、圧側リーフバルブVpと圧側チャンバ11との間には、圧側間座61が介装されており、圧側リーフバルブVpは、図3中上方側へ撓む場合、圧側間座61で支持される部位より外周側の撓みが許容され、図3中下方側へ撓む場合、圧側環状スペーサ60で支持される部位より外周側の撓みが許容される。なお、ピストン2側に配置される環状板81の外周には、圧側弁座2cへ着座した際にオリフィスとして機能する切欠81aが設けられている。
そして、このように構成された圧側リーフバルブVpは、ピストン2の内周シート部2fに積層される圧側環状スペーサ60を介してピストン2の図3中上方に積層される。圧側リーフバルブVpに負荷が作用しない状態では、圧側リーフバルブVpと圧側弁座2cとの間に隙間が形成される。この隙間の図3中上下方向長さは、厚みの異なる圧側環状スペーサ60に交換するか、圧側環状スペーサ60の積層枚数を変更することによって調節することができる。なお、圧側リーフバルブVpと圧側弁座2cとの間の隙間は、内周シート部2fの高さを圧側弁座2cの高さよりも高くしておくことで、圧側環状スペーサ60を廃して圧側リーフバルブVpを直接に内周シート部2fへ積層することでも形成することができる。ただし、圧側環状スペーサ60を設けることで、上記隙間の長さの調節を容易に行うことができる。
また、圧側リーフバルブVpは、背面側となる反ピストン側から附勢手段によって附勢力が負荷されると撓むが、この附勢力が大きくなると圧側弁座2cに着座するようになって圧側通路4を閉塞するようになる。この状態では切欠81aのみで圧側通路4を伸側室R1に連通させることになる。
さらに、圧側間座61の外周には、圧側環状プレート62が摺動自在に装着されている。圧側環状プレート62の軸方向長さは、圧側間座61の軸方向長さよりも短く、圧側環状プレート62は、圧側間座61の外周に摺接しつつ上下方向へ移動することができるようになっている。さらに、圧側間座61の図3中上方には、環状であって外径が圧側環状プレート62の内径よりも大径に設定される圧側プレートストッパ63が設けられており、この圧側プレートストッパ63の上方に圧側チャンバ11が積層される。また、圧側環状プレート62の内径は、ピストン2に設けた内周シート部2fの外径よりも小径に設定されている。圧側環状プレート62の外径は、圧側弁座2cの内径よりも大径に設定されている。圧側環状プレート62は、圧側環状スペーサ60と圧側プレートストッパ63との間で軸方向となる図3中上下方向へ移動することができるようになっている。
圧側環状プレート62は、圧側リーフバルブVpを構成する環状板81,82よりも撓み剛性が高くなっている。そのため、圧側環状プレート62の軸方向長さ(厚み)を圧側リーフバルブVpにおける環状板81,82の軸方向長さ(厚み)より長くしてあるが、軸方向長さによって剛性を強くするだけでなく、圧側リーフバルブVpよりも高剛性の材料で圧側環状プレート62を形成するようにしてもよい。
圧側環状プレート62が背面側から圧側背圧室Cp内の圧力と圧側スプールSpによって押圧されると、圧側環状プレート62が圧側リーフバルブVpを押し下げて撓ませるようになるが、圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cに着座するまで撓むと、圧側環状プレート62が内周シート部2fと圧側弁座2cとで支持される格好となるため、圧側背圧室Cp内の圧力と圧側スプールSpによる附勢力を圧側環状プレート62で受け止めるようになり、圧側リーフバルブVpのそれ以上の変形が抑制され、圧側リーフバルブVpに過負荷がかからないようになっている。また、圧側環状プレート62は、圧側間座61に摺動自在に装着されているため、圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cから離間する方向へ撓む際には圧側間座61に対して図3中上方へ移動するので、圧側リーフバルブVpの撓み動作を妨げることがない。
続いて、圧側チャンバ11は、ピストン保持部材8における保持軸8aの外周に嵌合される筒状の装着部11aと、装着部11aの図3中上端外周に設けたフランジ部11bと、フランジ部11bの外周からピストン2側へ向けて伸びる摺接筒11cと、装着部11aの内周に設けた環状溝11dと、装着部11aの外周から環状溝11dに通じる切欠11eとを備えて構成されている。そして、圧側チャンバ11を保持軸8aに組み付けると、環状溝11dは保持軸8aに設けた伸側パイロットオリフィスPeに対向するようになっている。なお、圧側チャンパ11における装着部11aと圧側間座61との間には、圧側プレートストッパ63を介装してあるが、圧側プレートストッパ63を廃止して装着部11aで圧側環状プレート62の移動上限を規制するようにしてもよい。ただし、圧側チャンバ11をピストン保持部材8の保持軸8aへ組みつけた際に、伸側パイロットオリフィスPeと環状溝11dとを対向させる位置へ調整する必要がある場合には、圧側プレートストッパ63を設けることで圧側チャンバ11のピストン保持部材8に対する位置を調節することができる。
この摺接筒11c内には、圧側スプールSpが収容されている。圧側スプールSpは、外周を摺接筒11cの内周に摺接させており、当該摺接筒11c内で軸方向へ移動することができるようになっている。圧側スプールSpは、環状のスプール本体17と、スプール本体17の図3中下端内周から立ち上がる環状突起18とを備えている。この環状突起18の内径は、圧側環状プレート62の外径よりも小径に設定されており、環状突起18が圧側環状プレート62の背面となる図3中上面に当接することができるようになっている。
そして、このように、圧側チャンバ11に圧側スプールSpを組み付け、当該圧側チャンバ11を保持軸8aに組み付けると、圧側リーフバルブVpの背面側である図3中上方側に圧側背圧室Cpが形成される。なお、スプール本体17の内径は、装着部11aの外径より大きくしているが、これを装着部11aの外周に摺接する径に設定して、圧側背圧室Cpを圧側スプールSpで封じるようにすることも可能である。
また、圧側チャンバ11の装着部11aの内周には、環状溝11dが設けられるとともに、装着部11aの外周から当該環状溝11dに通じる切欠11eとを備えており、圧側チャンバ11を保持軸8aに組み付けると、環状溝11dは保持軸8aに設けた伸側パイロットオリフィスPeに対向して、圧側背圧室Cpが伸側パイロットオリフィスPeに通じるようになっている。圧側背圧室Cpは、伸側パイロットオリフィスPeに通じることで、保持軸8aの縦孔8d内に形成した連通路24及び圧側パイロットオリフィスPpを通じて伸側背圧室Ceにも連通される。
さらに、圧側チャンバ11には、フランジ部11bの外周から開口する伸側圧力導入通路Ieが設けられており、伸側室R1を圧側背圧室Cp内へ通じさせている。圧側チャンバ11のフランジ部11bの図3中下端には、環状板19が積層され、この環状板19と圧側スプールSpにおけるスプール本体17との間に介装されたばね部材20によって当該環状板19がフランジ部11bへ押しつけられて伸側圧力導入通路Ieを閉塞するようになっている。なお、伸側圧力導入通路Ieは、通過液体の流れに対して抵抗を生じさせないように配慮されている。
この環状板19は、緩衝器Dの伸長作動時において、伸側室R1が圧縮されて圧力が高まると当該圧力によって押圧されてフランジ部11bから離座して伸側圧力導入通路Ieを開放し、圧側背圧室Cp内の圧力が伸側室R1より高くなる緩衝器Dの収縮作動時にはフランジ部11bに押しつけられて伸側圧力導入通路Ieを閉塞し、伸側室R1からの液体の流れのみを許容する伸側逆止弁Teの逆止弁弁体として機能している。この伸側逆止弁Teによって伸側圧力導入通路Ieが伸側室R1から圧側背圧室Cpへ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定される。
ここで、上述したように、連通路24は、ピストン保持部材8に設けた環状溝8e、ポート8f及び横孔8gを通じて収容部L内に連通されている。よって、伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpは、伸側パイロットオリフィスPe、圧側パイロットオリフィスPp及び連通路24を介して互いが連通されるだけでなく、伸側圧力導入通路Ieを介して伸側室R1に連通され、圧側圧力導入通路Ipを介して圧側室R2に連通され、さらには、ポート8f及び横孔8gによって収容部Lへも連通されている。
戻って、ばね部材20は、環状板19をフランジ部11bに押し付ける役割を担って、逆止弁弁体である環状板19とともに伸側逆止弁Teを構成するとともに、圧側スプールSpを圧側リーフバルブVpへ向けて附勢する役割をも担っている。圧側スプールSpをばね部材20で附勢することで、圧側リーフバルブ弁体Vpが撓んで圧側スプールSpがピストン2から離間する図3中上方へ押し上げられた状態となってから、圧側リーフバルブVpの撓みが解消しても、ばね部材20によって附勢されているので、圧側スプールSpは圧側リーフバルブVpに追従して速やかに元の位置(図3に示す位置)へ戻ることができる。圧側スプールSpの附勢を別途のばね部材で附勢することも可能であるが、伸側逆止弁Teとばね部材20を共用することができ部品点数を削減できるとともに構造が簡単となる利点がある。なお、圧側スプールSpの外径は、環状突起18の内径よりも大径に設定されていて、環状突起18が圧側環状プレート62に当接するようになっているので、圧側スプールSpは圧側背圧室Cpの圧力によって常に圧側リーフバルブVpへ向けて附勢されるので、圧側スプールSpのみを附勢することを目的としたばね部材であれば設置をしなくともよい。
そして、伸側スプールSeは、伸側背圧室Ceの圧力を受けて伸側環状プレート66を介して、伸側リーフバルブVeをピストン2へ向けて附勢するが、伸側スプールSeの伸側背圧室Ceの圧力を受ける受圧面積は、伸側スプールSeの外径を直径とする円の面積から環状突起14の内径を直径とする円の面積の差分となる。同様に、圧側スプールSpは、圧側背圧室Cpの圧力を受けて圧側環状プレート62を介して、圧側リーフバルブVpをピストン2へ向けて附勢するが、圧側スプールSpの圧側背圧室Cpの圧力を受ける受圧面積は、圧側スプールSpの外径を直径とする円の面積から環状突起18の内径を直径とする円の面積の差分となる。そして、この実施の形態の液圧緩衝器Dの場合、伸側スプールSeの受圧面積は、圧側スプールSpの受圧面積よりも大きくしてある。
伸側環状プレート66の背面には伸側スプールSeの環状突起14が当接するとともに、伸側環状プレート66が伸側間座65の外周に装着されているので、伸側環状プレート66に伸側背圧室Ceの圧力が直接的に作用する受圧面積は、環状突起14の内径を直径とする円の面積から伸側間座65の外径を直径とする円の面積を除いた面積となる。よって、伸側スプールSeの外径を直径とする円の面積から伸側間座65の外径を直径とする円の面積を除いた面積に伸側背圧室Ceの圧力を乗じた力を伸側荷重として、この伸側荷重によって伸側リーフバルブVeがピストン2へ向けて附勢される。なお、伸側環状プレート66を廃止して伸側リーフバルブVeの背面に環状突起14を直接当接させるようにしてもよい。
他方、圧側環状プレート62の背面には圧側スプールSpの環状突起18が当接するとともに、圧側環状プレート62が圧側間座61の外周に装着されているので、圧側環状プレート62に圧側背圧室Cpの圧力が直接的に作用する受圧面積は、環状突起18の内径を直径とする円の面積から圧側間座61の外径を直径とする円の面積を除いた面積となる。よって、圧側スプールSpの外径を直径とする円の面積から圧側間座61の外径を直径とする円の面積を除いた面積に圧側背圧室Cpの圧力を乗じた力を圧側荷重として、この圧側荷重によって圧側リーフバルブVpがピストン2へ向けて附勢される。なお、圧側環状プレート62を廃止して圧側リーフバルブVpの背面に環状突起18を直接当接させるようにしてもよい。
したがって、伸側背圧室Ceの圧力と圧側背圧室Cpの圧力が等圧である場合、伸側リーフバルブVeが伸側背圧室Ceから受ける荷重である伸側荷重は、圧側リーフバルブVpが圧側背圧室Cpから受ける荷重である圧側荷重よりも大きくなるように設定されている。なお、伸側背圧室Ceを伸側スプールSeで閉鎖して伸側背圧室Ceの圧力を伸側環状プレート66に直接に作用させない場合には、伸側荷重は伸側スプールSeの伸側背圧室Ceの圧力を受ける受圧面積のみによって決まり、圧側も同様に、圧側背圧室Cpを圧側スプールSpで閉鎖して圧側背圧室Cpの圧力を圧側環状プレート62に直接に作用させない場合には、圧側荷重は圧側スプールSpの圧側背圧室Cpの圧力を受ける受圧面積のみによって決まる。伸側背圧室Ceの圧力と圧側背圧室Cpの圧力が等圧である場合に、伸側リーフバルブVeが伸側背圧室Ceから受ける伸側荷重が、圧側リーフバルブVpが圧側背圧室Cpから受ける圧側荷重よりも大きくなるように設定されればよいので、伸側リーフバルブVeにも圧側リーフバルブVpにも直接背圧室Ce,Cpから圧力を作用させない場合には、伸側スプールSeの受圧面積を圧側スプールSpの受圧面積より大きくすれば足りる。上記したように伸側環状プレート66及び圧側環状プレート62を廃止する場合、伸側背圧室Ceの圧力を伸側リーフバルブVeに直接に作用させてもよいし、圧側背圧室Cpの圧力を圧側リーフバルブVpに直接作用させることができるし、伸側背圧室Ceを伸側スプールSeで閉鎖する構造では伸側スプールSeを伸側リーフバルブVeへ当接させることができ、圧側背圧室Cpを圧側スプールSpで閉鎖する構造では圧側スプールSpを圧側リーフバルブVpへ当接させることができる。伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpをスプールで閉鎖するか否かは、任意に選択することができる。本発明では、伸側スプールSeと圧側スプールSpを用いているので、伸側リーフバルブVeに実質的に伸側背圧室Ceの圧力を作用させる受圧面積を伸側リーフバルブVeのみの受圧面積よりも大きく設定することができる。このように、圧側スプールSpと伸側スプールSeの受圧面積差も大きく設定することができるので、伸側荷重と圧側荷重に大きな差を持たせることができ伸側荷重と圧側荷重の設定幅に非常に高い自由度を与えることができる。
そして、緩衝器Dの伸長作動時には、伸側リーフバルブVeは、伸側通路3を通じて伸側室R1からの圧力を受けるとともに、上記伸側荷重を背面側から受ける。伸側リーフバルブVeは、伸側室R1の圧力によって押し下げられる力より伸側荷重の方が上回って伸側弁座2dへ当接するまで撓むと、伸側通路3を閉塞する。伸側リーフバルブVeが緩衝器Dの伸長作動時に或るピストン速度で伸側通路3を閉塞する際の伸側荷重は、上記受圧面積、伸側リーフバルブVeの撓み剛性等によって設定することができる。圧側リーフバルブVpについても伸側リーフバルブVeと同様に、圧側リーフバルブVpが緩衝器Dの収縮作動時に或るピストン速度で圧側通路4を閉塞する際の圧側荷重は、上記受圧面積、圧側リーフバルブVpの撓み剛性等によって設定することができる。
続いて、伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpを上流として、伸側排出通路Ee及び圧側排出通路Epを下流として、調整通路Pcでこれらを連通しており、電磁圧力制御弁6は、この調整通路Pcの途中に設けられていて、上流の伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpの圧力を制御できるようになっている。よって、電磁圧力制御弁6によって伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cp内の圧力を制御するに際して、伸側荷重を圧側荷重よりも大きくしているので、小さな圧力でも伸側荷重を大きくすることができ、伸側の減衰力を大きくしたい場合にあっても、電磁圧力制御弁6で制御すべき最大圧力を低くすることができるのである。
なお、本実施の形態では、伸側スプールSeは、内周が伸側チャンバ12の装着部12aの外周に摺接しておらず、伸側背圧室Ceの圧力が伸側リーフバルブVeの背面側であって環状突起14の当接部位の内側にも作用して当該伸側リーフバルブVeを附勢するので、伸側荷重の設定に当たり、伸側背圧室Ceの圧力で伸側リーフバルブVeを直接に附勢する荷重を加味して設定するとよい。圧側スプールSpも内周が圧側チャンバ11の装着部11aの外周に摺接しておらず、圧側背圧室Cpの圧力が圧側リーフバルブVpの背面側であって環状突起18の当接部位の内側にも作用して当該圧側リーフバルブVpを附勢するので、圧側荷重の設定に当たり、圧側背圧室Cpの圧力で圧側リーフバルブVpを直接に附勢する荷重を加味して設定するとよい。
転じて、電磁圧力制御弁6は、この実施の形態では、非通電時に調節通路Pcを閉じるとともに通電時に圧力制御を行うよう設定され、また、調整通路Pcの途中には、電磁圧力制御弁6を迂回するフェール弁FVが設けられている。
電磁圧力制御弁6は、図1及び図2に示すように、弁収容筒30aと制御弁弁座30dとを備えた弁座部材30と、制御弁弁座30dに離着座する電磁弁弁体31と、電磁弁弁体31に推力を与えこれを軸方向に駆動するソレノイドSolとを備えて構成されている。
そして、弁座部材30は、ピストン保持部材8のソケット8c内に嵌合されて、フランジ8bの図2中上端に積層される環状のバルブハウジング32の内周に弁収容筒30aを挿入することで径方向へ位置決められつつ、収容部L内に収容されている。
バルブハウジング32は、図2に示すように、環状であって、図2中上端に設けた環状窓32aと、環状窓32aから開口して図2中下端に通じるポート32bと、図2中上端内周から開口してポート32bに通じる切欠溝32cと、外周に設けられて軸方向に沿って設けた溝32dと、上記環状窓32aの外周を囲む環状のフェール弁弁座32eとを備えて構成されている。
このバルブハウジング32をソケット8c内に挿入してフランジ8bの図2中上端に積層すると、ポート32bがポート8fのフランジ8bの上端に面する開口に対向してポート32b及び切欠溝32cがポート8fに連通され、さらに、溝32dがフランジ8cに設けた溝8jに対向してこれらが連通されるようになっている。
よって、ポート32b及び切欠溝32cは、環状溝8e、ポート8f及び横孔8gを通じて連通路24に連通され、さらには、この連通路24、伸側パイロットオリフィスPe及び圧側パイロットオリフィスPpを介して伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpに連通されている。また、溝32dは、溝8jを通じてセパレータ23内、逆止弁25で形成される伸側排出通路Eeを通じて圧側室R2に連通されるとともに、透孔9c、凹部8k、貫通孔8m及び逆止弁22によって形成される圧側排出通路Epを通じて伸側室R1に連通されている。
バルブハウジング32内には、筒状の弁座部材30における弁収容筒30aが収容されている。この弁座部材30は、有底筒状であって図2中上端外周にフランジ30bを備えた弁収容筒30aと、弁収容筒30aの側方から開口して内部へ通じる透孔30cと、弁収容筒30aの図2中上端に軸方向へ向けて突出する環状の制御弁弁座30dとを備えて構成されている。
また、弁座部材30の弁収容筒30aの外周には、環状のリーフバルブであるフェール弁弁体33が装着されており、弁収容筒30aをバルブハウジング32に挿入して弁座部材30をバルブハウジング32に組み付けると、フェール弁弁体33は、内周が弁座部材30におけるフランジ30bとバルブハウジング32の図2中上端内周とで挟持されて固定されるともに、外周側がバルブハウジングに設けた環状のフェール弁弁座32eに初期撓みが与えられた状態で着座し、環状窓32aを閉塞する。このフェール弁弁体33は、ポート32bを通じて環状窓32a内に作用する圧力が開弁圧に達すると撓んで、環状窓32aを開放してポート32bを伸側排出通路Ee及び圧側排出通路Epへ連通させるようになっており、このフェール弁弁体33とフェール弁弁座32eとでフェール弁FVを形成している。
また、弁収容筒30aをバルブハウジング32に挿入して弁座部材30をバルブハウジング32に組み付けると、バルブハウジング32に設けた切欠溝32cが弁収容筒30aに設けた透孔30cが対向して、伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpがポート32bを通じて弁収容筒30a内に連通される。
弁座部材30の図1中上方には、環状であってフランジ30bの図1中上端に当接する弁固定部材35が積層されており、さらに、弁固定部材35の図1中上方には電磁弁収容筒9内に収容されるソレノイドSolが配置されていて、電磁弁収容筒9にピストン保持部材8を螺着して一体化する際に、バルブハウジング32、フェール弁弁体33、弁座部材30、弁固定部材35及びソレノイドSolが電磁弁収容筒9とピストン保持部材8に挟持されて固定される。なお、弁固定部材35には、弁座部材30のフランジ30bに当接しても、弁固定部材35の内周側の空間が弁座部材30の外周側の空間に連通できるように切欠溝35aが設けられている。この連通は、切欠溝35aではなく、ポートなどの孔で行うようにしてもよい。
ソレノイドSolは、巻線37と巻線37に通電するハーネスHとをモールド樹脂で一体化した有頂筒状のモールドステータ36と、有頂筒状であってモールドステータ36の内周に嵌合される第一固定鉄心38と、モールドステータ36の図1中下端に積層される環状の第二固定鉄心39と、第一固定鉄心38と第二固定鉄心39との間に介装されて磁気的な空隙を形成するフィラーリング40と、第一固定鉄心38と第二固定鉄心39の内周側に軸方向移動可能に配置された筒状の可動鉄心41と、可動鉄心41の内周に固定されるシャフト42とを備えて構成されており、巻線37に通電することによって、可動鉄心41を吸引してシャフト42に図1中下方向きの推力を与えることができるようになっている。
さらに、弁座部材30内には、電磁弁弁体31が摺動自在に挿入されている。電磁弁弁体31は、詳しくは、弁座部材30における弁収容筒30a内に摺動自在に挿入される小径部31aと、小径部31aの図2中上方側である反弁座部材側に設けられて弁収容筒30aには挿入されない大径部31bと、小径部31aと大径部31bとの間に設けた環状の凹部31cと、大径部31bの反弁座部材側端の外周に設けたフランジ状のばね受部31dと、電磁弁弁体31の先端から後端へ貫通する連絡路31e、連絡路31eの途中に設けたオリフィス31fとを備えて構成されている。
また、電磁弁弁体31にあっては、上述のように、凹部31cを境にして反弁座部材側の外径を小径部31aより大径として大径部31bが形成されており、この大径部31bの図2中下端に制御弁弁座30dに対向する着座部31gを備え、電磁弁弁体31が弁座部材30に対して軸方向へ移動することで着座部31gが制御弁弁座30dに離着座するようになっている。つまり、電磁弁弁体31と弁座部材30とを備えて電磁圧力制御弁6が構成されており、着座部31gが制御弁弁座30dに着座すると電磁圧力制御弁6が閉弁するようになっている。
さらに、弁座部材30のフランジ30bとばね受部31dとの間には、電磁弁弁体31を弁座部材30から離間する方向へ附勢するコイルばね34が介装されており、このコイルばね34の附勢力に対して対抗する推力を発揮するソレノイドSolが設けられている。したがって、電磁弁弁体31は、コイルばね34によって常に弁座部材30から離間する方向へ附勢されており、ソレノイドSolからのコイルばね34に対抗する推力が作用しないと、弁座部材30から最も離間する位置に位置決められる。なお、この場合、コイルばね34を利用して、電磁弁弁体31を弁座部材30から離間させる方向へ附勢するようにしているが、コイルばね34以外にも附勢力を発揮することができる弾性体を使用することができる。
そして、電磁弁弁体31は、弁座部材30に対して最も離間すると、透孔30cに小径部31aを対向させて透孔30cを閉塞し、ソレノイドSolに通電して弁座部材30に対して最も離間する位置から弁座部材側へ所定量移動させると、常に、凹部31cを透孔30cに対向させて透孔30cを開放するようになっている。
電磁弁弁体31が透孔30cを開放し、着座部31gが制御弁弁座30dから離座すると透孔30cが電磁弁弁体31の凹部31c及び弁固定部材35に設けた切欠溝35aを通じて伸側排出通路Ee及び圧側排出通路Epに連通されるようになっており、ソレノイドSolの推力を調節することで、電磁弁弁体31を弁座部材30側へ附勢する力をコントロールすることができ、電磁圧力制御弁6の上流の圧力の作用とコイルばね34による電磁弁弁体31を図2中において押し上げる力がソレノイドSolによる電磁弁弁体31を押し下げる力を上回ると電磁圧力制御弁6は開弁して、電磁弁圧力制御弁6の上流側の圧力をソレノイドSolの推力に応じて制御することができる。そして、電磁圧力制御弁6の上流は、調整通路Pcを介して伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpに通じているので、この電磁圧力制御弁6によって伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpの圧力を制御することができる。また、電磁圧力制御弁6の下流は、伸側排出通路Ee及び圧側排出通路Epに通じており、電磁圧力制御弁6を通過した液体は、液圧緩衝器Dの伸長作動時には低圧側の圧側室R2へ、液圧緩衝器Dの収縮作動時には低圧側の伸側室R1へ排出されることになる。よって、調整通路Pcは、上記した環状溝8e、ポート8f、横孔8g、ポート32b、切欠溝32c、収容部Lの一部、溝32dによって形成される。
また、電磁圧力制御弁6は、ソレノイドSolへ通電できないフェール時には、弁座部材30における透孔30cを電磁弁弁体31における小径部31aで閉塞する遮断ポジションを備えて、圧力制御弁としてだけではなく、開閉弁としても機能する。フェール弁FVは、ポート32bに通じる環状窓32aを開閉するようになっていて、その開弁圧が電磁圧力制御弁6の制御可能な上限圧を超える圧力に設定されており、電磁圧力制御弁6を迂回してポート32bを伸側排出通路Ee及び圧側排出通路Epに連通することができるようになっているので、電磁圧力制御弁6の上流側の圧力が制御上限圧を超えるような場合、フェール弁FVが開弁して伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpの圧力をフェール弁FVの開弁圧に制御できるようになっている。したがって、たとえば、フェール時において電磁圧力制御弁6が遮断ポジションをとっている場合には、伸側背圧室Ce及び圧側背圧室Cpの圧力はフェール弁FVにより制御されることになる。
さらに、電磁弁弁体31は、弁座部材30の弁収容筒30a内に挿入されると、弁収容筒30a内であって透孔30cより先端側に空間Kを形成する。この空間Kは、電磁弁弁体31に設けた連絡路31e及びオリフィス31fを介して電磁弁弁体外に連通されている。これにより、電磁弁弁体31が弁座部材30に対して図2中上下方向である軸方向に移動する際、上記空間Kがダッシュポットとして機能して、電磁弁弁体31の急峻な変位を抑制するとともに、電磁弁弁体31の振動的な動きを抑制することができる。
つづいて、緩衝器Dの作動について説明する。まず、緩衝器Dの減衰力の減衰力特性をソフトにする、つまり、附勢手段による伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpを附勢する附勢力を小さくし、減衰係数を低くする場合について説明する。減衰力特性をソフトとするには、ソレノイドSolへ通電し電磁圧力制御弁6が通過液体に与える抵抗を小さくし、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpがそれぞれ対応する伸側弁座2d及び圧側弁座2cへ着座しないように附勢手段が与える附勢力を制御する。
この状態では、伸側リーフバルブVeが附勢手段による附勢力で撓んでも伸側リーフバルブVeが伸側弁座2dに着座せずに両者間には隙間が形成される状態であり、圧側リーフバルブVpについてもしかりで、圧側リーフバルブVpが附勢手段による附勢力で撓んでも圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cに着座せずに両者間には隙間が形成される状態となる。
この状態で、緩衝器Dが伸長してピストン2が図1中上方へ移動すると、圧縮される伸側室R1から拡大される圧側室R2へ液体が伸側リーフバルブVeを押して撓ませて伸側通路3を通過して移動する。伸側リーフバルブVeと伸側弁座2dとの間には隙間が形成されており、伸側リーフバルブVeが伸側弁座2dに着座して切欠71aのみで伸側通路3と圧側室R2とを連通する状態に比較して、流路面積が大きく確保される。そのため、緩衝器Dは、図4に示すように、線Aで示す従来の緩衝器が発生する減衰力に対し線Bで示すように、ピストン速度が低速域にある際の減衰力を低減することができる。
緩衝器Dの伸長に対して上昇する伸側室R1内の圧力によって伸側リーフバルブVeは撓むが、その撓み量は、伸側通路3側から受ける伸側室R1の圧力によって伸側リーフバルブVeを撓ませようとする力と、当該撓み量に応じて伸側リーフバルブVe自体が持つばね反力で伸側弁座2d側へ戻ろうとする力及び上記附勢手段による伸側荷重とがバランスするように撓んで伸側通路3を開放することになる。
また、伸側室R1内の液体は、伸側逆止弁Teを押し開いて伸側圧力導入通路Ieを通過し、調整通路Pcへ流れる。調整通路Pcを通過した液体は、逆止弁25を押し開いて伸側排出通路Eeを介して低圧側の圧側室R2へ排出される。なお、伸側パイロットオリフィスPeは、液体の通過の際に抵抗を与えて圧力損失をもたらし、液体が流れている状態において調整通路Pcの下流では伸側室R1よりも低圧となるため、圧側排出通路Epに設けた逆止弁22は開かず閉塞されたままとなる。
伸側圧力導入通路Ieは、圧側背圧室Cpに通じるだけでなく、連通路24を介して伸側背圧室Ceに通じているが、圧側圧力導入通路Ipが圧側逆止弁Tpによって閉塞されるため、緩衝器Dの伸長作動時において伸側背圧室Ce内の圧力を圧側室R2よりも高くすることができる。なお、圧側背圧室Cpの圧力は、低圧側の圧側室R2よりも高くなるが、圧側リーフバルブVpが伸側室R1の圧力および圧側背圧室Cpの圧力によって撓んで圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cに着座するまでは、両者間の隙間がオリフィスとして作用する。緩衝器Dの伸長作動時において、圧側リーフバルブVpが伸側室R1の圧力および圧側背圧室Cpの圧力によって撓んで圧側弁座2cに着座して圧側通路4が閉塞されても、伸長作動時には圧側通路4を液体が流れなくともよいので不都合はない。
調整通路Pcには、上記したように電磁圧力制御弁6が設けてあり、電磁圧力制御弁6のソレノイドSolに通電して、調整通路Pcの上流側の圧力を制御してやれば、伸側背圧室Ce内の圧力を調整して伸側荷重を所望の荷重に制御することができる。以上により、電磁圧力制御弁6によって伸側リーフバルブVeの開度を制御することができ、これによって、緩衝器Dの伸長作動を行う際の伸側減衰力を制御することができる。
逆に、緩衝器Dが収縮してピストン2が図1中下方へ移動すると、圧縮される圧側室R2から拡大される伸側室R1へ液体が圧側リーフバルブVpを押して撓ませて圧側通路4を通過して移動する。圧側リーフバルブVpと圧側弁座2cとの間には隙間が形成されており、圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cに着座して切欠81aのみで圧側通路4と伸側室R1とを連通する状態に比較して、流路面積が大きく確保される。そのため、緩衝器Dは、図4に示すように、線Cで示す従来の緩衝器が発生する減衰力に対し線Dで示すように、ピストン速度が低速域にある際の減衰力を低減することができる。
緩衝器Dの収縮に対して上昇する圧側室R2内の圧力によって圧側リーフバルブVpは撓むが、その撓み量は、圧側通路4側から受ける圧側室R2の圧力によって圧側リーフバルブVpを撓ませようとする力と、当該撓み量に応じて圧側リーフバルブVp自体が持つばね反力で圧側弁座2c側へ戻ろうとする力及び上記附勢手段による圧側荷重とがバランスするように撓んで圧側通路4を開放することになる。
また、圧側室R2内の液体は、圧側逆止弁Tpを押し開いて圧側圧力導入通路Ipを通過し、調整通路Pcへ流れる。調整通路Pcを通過した液体は、逆止弁22を押し開いて圧側排出通路Epを介して低圧側の伸側室R1へ排出される。なお、圧側パイロットオリフィスPpは、液体の通過の際に抵抗を与えて圧力損失をもたらすので、液体が流れている状態において調整通路Pcの下流では、圧側室R2よりも低圧となるため、伸側排出通路Eeに設けた逆止弁25は開かず閉塞されたままとなる。
圧側圧力導入通路Ipは、伸側背圧室Ceに通じるだけでなく、連通路24を介して圧側背圧室Cpに通じているが、伸側圧力導入通路Ieが伸側逆止弁Teによって閉塞されるため、緩衝器Dの収縮作動時において圧側圧力室Cp内の圧力を伸側室R1よりも高くすることができる。なお、伸側背圧室Ceの圧力は、低圧側の伸側室R1よりも高くなるが、伸側リーフバルブVeが圧側室R2の圧力および伸側背圧室Ceの圧力によって撓んで伸側リーフバルブVeが伸側弁座2dに着座するまでは、両者間の隙間がオリフィスとして作用する。緩衝器Dの収縮作動時において、伸側リーフバルブVeが圧側室R2の圧力および伸側背圧室Ceの圧力によって撓んで伸側弁座2dに着座して伸側通路43が閉塞されても、収縮作動時には伸側通路3を液体が流れなくともよいので不都合はない。
調整通路Pcには、上記したように電磁圧力制御弁6が設けてあり、電磁圧力制御弁6のソレノイドSolに通電して、調整通路Pcの上流側の圧力を制御してやれば、圧側背圧室Cp内の圧力を調整して圧側荷重を所望の荷重に制御することができる。以上により、電磁圧力制御弁6によって圧側リーフバルブVpの開度を制御することができ、これによって、緩衝器Dの収縮作動を行う際の圧側減衰力を制御することができる。
続いて、緩衝器Dの減衰力の減衰力特性をハードにする、つまり、附勢手段による伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpを附勢する附勢力を大きくし、減衰係数を高くする場合について説明する。減衰力特性をハードとするには、ソレノイドSolへ通電し電磁圧力制御弁6が通過液体に与える抵抗を大きくし、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpがそれぞれ対応する伸側弁座2d及び圧側弁座2cに着座するように附勢手段が与える附勢力を制御する。
この状態では、伸側リーフバルブVeが附勢手段によって撓んで伸側弁座2dに着座して、両者間には隙間が形成されない状態であり、圧側リーフバルブVpについてもしかりで、圧側リーフバルブVpが附勢手段によって撓んで圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cに着座して、両者間には隙間が形成されない状態となる。
そして、緩衝器Dが伸長してピストン2が図1中上方へ移動し、かつ、ピストン速度が低い場合では、伸側リーフバルブVeが伸側通路3から伸側室R1の圧力を受けても伸側弁座2dから離座せず、調整通路Pcを除くほか切欠71aで伸側室R1を圧側室R2に連通する状態となる。すると、緩衝器Dは、伸側通路3を通過する液体の流れに対して主としてオリフィスとして機能する切欠71aで抵抗を与えることになり、伸側リーフバルブVeと伸側弁座2dとの間に隙間を形成する状態で発生する減衰力に比較して大きな減衰力を発揮することができる。
他方、ピストン速度が高くなり、伸側リーフバルブVeに伸側通路3を介して作用する伸側室R1の圧力が上昇し、この伸側室R1の圧力による伸側リーフバルブVeを伸側弁座2dから離座させる方向の力が附勢手段の附勢力を上回ると伸側リーフバルブVeは撓んで伸側環状プレート66及び伸側スプールSeを図3中下方へ押し下げて伸側弁座2dから離座することになる。しかしながら、附勢手段による附勢力が減衰力特性をソフトにしている状況に比して大きいため、伸側リーフバルブVeの撓み量が小さくなって、緩衝器Dは、図4中線Eに示すように、ピストン速度が同じであっても、ハード時にはソフト時に比較して高い減衰力を発揮することになる。
伸側室R1内の液体は、減衰力特性をソフトにする場合と同様に、伸側逆止弁Teを押し開いて伸側圧力導入通路Ieを通過し、調整通路Pcにも流れることになる。調整通路Pcに設けた電磁圧力制御弁6で調整通路Pcの上流側の圧力を制御することで、ソフト時と同様に、伸側背圧室Ce内の圧力を調整して伸側荷重を所望の荷重に制御することができ、伸側リーフバルブVeの開度を制御することができ、これによって、ハード時においても緩衝器Dの伸長作動を行う際の伸側減衰力を制御することができる。
次に、緩衝器Dが収縮してピストン2が図1中下方へ移動し、かつ、ピストン速度が低い場合では、圧側リーフバルブVpが圧側通路4から圧側室R2の圧力を受けても圧側弁座2cから離座せず、調整通路Pcを除くほか切欠81aで圧側室R2を伸側室R1に連通する状態となる。すると、緩衝器Dは、圧側通路4を通過する液体の流れに対して主としてオリフィスとして機能する切欠81aで抵抗を与えることになり、圧側リーフバルブVpと圧側弁座2cとの間に隙間を形成する状態で発生する減衰力に比較して大きな減衰力を発揮することができる。
他方、ピストン速度が高くなり、圧側リーフバルブVpに圧側通路4を介して作用する圧側室R2の圧力が上昇し、この圧側室R2の圧力による圧側リーフバルブVpを圧側弁座2cから離座させる方向の力が附勢手段の附勢力を上回ると圧側リーフバルブVpは撓んで圧側環状プレート62及び圧側スプールSpを図3中上方へ押し上げて圧側弁座2cから離座することになる。しかしながら、附勢手段による附勢力が減衰力特性をソフトにしている状況に比して大きいため、圧側リーフバルブVpの撓み量が小さくなって、緩衝器Dは、図4中線Fに示すように、ピストン速度が同じであっても、ハード時にはソフト時に比較して高い減衰力を発揮することになる。
圧側室R2内の液体は、減衰力特性をソフトにする場合と同様に、圧側逆止弁Tpを押し開いて圧側圧力導入通路Ipを通過し、調整通路Pcにも流れることになる。調整通路Pcに設けた電磁圧力制御弁6で調整通路Pcの上流側の圧力を制御することで、ソフト時と同様に、圧側背圧室Cp内の圧力を調整して伸側荷重を所望の荷重に制御することができ、圧側リーフバルブVpの開度を制御することができ、これによって、ハード時においても緩衝器Dの収縮作動を行う際の圧側減衰力を制御することができる。
このように、本発明の減衰バルブ及び緩衝器Dにあっては、リーフバルブVe,Vpと各弁座2c,2dとの間に隙間を設けたので、附勢手段による附勢力を小さくして減衰力特性をソフトにする際に、固定オリフィスを用いた従来の減衰バルブ及び緩衝器に比較して流路面積を大きくとることができ、ピストン速度が低速域にある場合の減衰力を低減することができる。また、ハード時にはリーフバルブVe,Vpを各弁座2c,2dに着座させることができるので、減衰バルブ及び緩衝器Dでは、減衰力可変幅も確保することができる。
よって、本発明の減衰バルブ及び緩衝器によれば、ピストン速度が低速域にある際の減衰力の低減することができるとともに、減衰力調整幅を拡大することが可能となる。
また、本実施の形態の緩衝器Dの減衰力特性をソフトからハードへ切り替える場合、伸長作動時には伸側背圧室Ce内の圧力上昇によって伸側リーフバルブVeと伸側弁座2dとの間の隙間が徐々に小さくなって伸側リーフバルブVeが伸側弁座2dに着座するようになり、収縮作動時には圧側背圧室Cp内の圧力上昇によって圧側リーフバルブVpと圧側弁座2cとの間の隙間が徐々に小さくなって圧側リーフバルブVpが圧側弁座2cに着座するようになる。反対に、本実施の形態の緩衝器Dの減衰力特性をハードからソフトへ切り替える場合、伸長作動時には伸側圧力室Ce内の圧力減少によって伸側リーフバルブVeと伸側弁座2dとの間の隙間が徐々に大きくなるようになり、収縮作動時には圧側圧力室Cp内の圧力減少によって圧側リーフバルブVpと圧側弁座2cとの間の隙間が徐々に大きくなる。そのため、緩衝器Dの減衰力特性をソフトからハードへ、或いは、ハードからソフトへ切り替える際に、緩衝器Dの減衰力特性の急変が緩和される。この緩衝器Dを車両へ適用すると、減衰力特性の急変が緩和されるので、搭乗者へ減衰力特性の切換り時にショックを知覚させることがなく、車両における乗り心地を向上させることができる。
伸側リーフバルブVeの背面に伸側間座65の外周に摺動自在に装着される伸側環状プレート66を積層し、圧側リーフバルブVpの背面に圧側間座61の外周に摺動自在に装着される圧側環状プレート62を積層しているので、伸側リーフバルブVeよりも伸側環状プレート66の剛性を高くし、圧側リーフバルブVpよりも圧側環状プレート62の剛性を高くしておくことで、附勢手段による附勢力を伸側環状プレート66及び圧側環状プレート62で受けることで伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpの変形を抑制することができ、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpの劣化を抑制することができる。
また、伸側リーフバルブVeの背面に積層される伸側間座65の外周に摺動自在に装着される伸側環状プレート66及び圧側リーフバルブVpの背面に積層される圧側間座61の外周に摺動自在に装着される圧側環状プレート62を設けており、伸側環状プレート66の内径をピストン2の内周シート部2hの外径よりも小さくし外径を伸側弁座2dの内径よりも大きくし、さらに、圧側環状プレート62の内径をピストン2の内周シート部2fの外径よりも小さくし外径を圧側弁座2cの内径よりも大きくしたので、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpの背面側の圧力を伸側環状プレート66及び圧側環状プレート62で受け止めることができる。よって、伸側環状プレート66及び圧側環状プレート62を設けることで、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpに過負荷が作用することを防止できるとともに、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpの剛性をより一層低くすることが可能となってより撓み剛性の低いリーフバルブを採用することができ、緩衝器Dにより低い減衰力を発揮させることができる。
また、附勢手段が緩衝器D内の伸側室R1と圧側室R2の一方または両方の圧力を利用してリーフバルブVe,Vpを附勢するので、附勢力の発生源を用いなくともリーフバルブVe,Vpを附勢でき、圧力の制御で附勢力を変化させることができる。
また、車両用の緩衝器にあっては、伸長作動時の伸側減衰力を収縮作動時の圧側減衰力に比して大きくする必要があり、片ロッド型に設定される緩衝器Dでは伸側室R1の圧力を受ける受圧面積がピストン2の断面積からロッド部材10の断面積を除いた面積となることもあって、伸長作動時における伸側室R1の圧力は、収縮作動時における圧側室R2の圧力に比して非常に大きくする必要がある。
これに対して本発明の緩衝器Dにあっては、伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpとが等圧である場合に、伸側リーフバルブVeを附勢する伸側荷重が圧側リーフバルブVpを附勢する圧側荷重よりも大きくしてある。また、本発明では、伸側スプールSeを用いることで、伸側スプールSeを用いずに伸側リーフバルブVeの背面側に伸側背圧室Ceの圧力を作用させるだけの構造に比較して、伸側スプールSeの伸側背圧室Ceの圧力を受ける受圧面積を伸側リーフバルブVeの背面面積よりも大きく稼ぐことができ、伸側リーフバルブVeに対して大きな伸側荷重を作用させることができる。さらに、伸側スプールSeと圧側スプールSpを用いることで、伸側荷重と圧側荷重の設計自由度も向上する。
よって、本発明の緩衝器Dにあっては、伸長作動時において伸側減衰力を調整するために伸側荷重を非常に大きくする必要がある場合に、伸側背圧室Ceの圧力が小さくとも大きな伸側荷重を出力させるように設定することができ、大型なソレノイドSolを使用せずとも伸側減衰力の制御幅を確保することができる。
また、伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpの圧力制御をそれぞれ独立した弁体を駆動して行うのではなく、圧側荷重に比して伸側荷重を大きくすることで伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpの圧力を連通して制御しても伸側減衰力の制御幅を確保することができるので、電磁圧力制御弁6には一つの電磁弁弁体31を設ければ足り、その構造は非常に簡単となり、コストも低減される。
以上より、電磁圧力制御弁6におけるソレノイドSolを小型化することができることに加え、電磁圧力制御弁6の構造も簡単となり、緩衝器Dのピストン部へ適用しても緩衝器Dが大型化されない。よって、本発明の緩衝器Dによれば、緩衝器Dの構造が簡単となって小型化でき、車両への搭載性の悪化を招くこともなく、ソレノイドSolが伸側減衰力を大きくするうえで大きな推力を発揮しなくて済むために、減衰力を大きくする場合の消費電力を小さくして省電力化することができる。
伸側スプールSeの伸側背圧室Ceの圧力を受ける受圧面積を圧側スプールSpの圧側背圧室Cpの圧力を受ける受圧面積よりも大きくしたので、容易に伸側荷重を圧側荷重に比して大きくすることができる。
また、伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpをそれぞれ伸側抵抗要素及び圧側抵抗要素を介して連通路24で連通するようにしてあり、圧側圧力導入通路Ipはほとんど抵抗なく伸側圧力室Ceに圧側室R2から液体を導入するので、緩衝器Dが伸長作動から収縮作動へ切り換わる際に、伸側背圧室Ce内へ圧力室R2内の圧力が速やかに導入され、伸側スプールSeが伸側背圧室Ce内の圧力とばね部材16の附勢によって伸側リーフバルブVeを押圧して当該伸側リーフバルブVeを伸側弁座2dへ速やかに着座させて伸側通路3を閉鎖することができる。伸側圧力導入通路Ieもほとんど抵抗なく圧側圧力室Cpに伸側室R1から液体を導入するので、反対に、緩衝器Dが収縮作動から伸長作動へ切り換わる際に、圧側背圧室Cp内へ伸側室R1内の圧力が速やかに導入され、圧側スプールSpが圧側背圧室Cp内の圧力とばね部材20の附勢によって圧側リーフバルブVpを押圧して当該圧側リーフバルブVpを圧側弁座2cへ速やかに着座させて圧側通路4を閉鎖することができる。したがって、この緩衝器Dにあっては、伸縮速度が速く、伸縮作動の切換が瞬時に行われるような場面であっても、伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpの閉じ遅れが生じることが無く、伸縮方向の切り換わり初期から狙い通りの減衰力を発揮することができる。
また、伸側逆止弁Teにおける逆止弁弁体である環状板19及び圧側逆止弁Tpにおける逆止弁弁体である環状板15が経年劣化で、対応する圧側チャンバ11及び伸側チャンバ12との間に隙間が生じたとしても、伸側圧力導入通路Ieと圧側背圧室Cp及び圧側圧力導入通路Ipと伸側背圧室Ceの下流側に伸側抵抗要素及び圧側抵抗要素を設けているので、伸側圧力導入通路Ie及び圧側圧力導入通路Ipを通過する流量が変化しても、減衰力制御及び伸縮切り換わり時の閉弁動作に影響を与えることもない。
ピストンロッド7の外周側に、伸側通路3と圧側通路4とを備えたピストン2と、ピストン2に積層された伸側リーフバルブVe及び圧側リーフバルブVpと、筒状であって内周に伸側スプールSeが摺動自在に挿入されるとともに伸側背圧室Ceを形成する伸側チャンバ12と、筒状であって内周に圧側スプールSpが摺動自在に挿入されるとともに圧側背圧室Cpを形成する圧側チャンバ11とを装着するとともに、上記伸側チャンバ12に圧側圧力導入通路Ipを設け、圧側チャンバ11に伸側圧力導入通路Ieを設けるようにしたので、緩衝器Dのピストン部に減衰力調整に要する各部材を集中配置することができる。
さらに、伸側スプールSeの伸側リーフバルブVeへの附勢と圧側圧力導入通路Ipを開閉する圧側逆止弁Tpにおける逆止弁弁体としての環状板15の附勢とを一つのばね部材16で行い、圧側スプールSpの圧側リーフバルブVpへの附勢と伸側圧力導入通路Ieを開閉する伸側逆止弁Teにおける逆止弁弁体としての環状板19の附勢とを一つのばね部材20で行うようにしたので、一つのばね部材16,20にて逆止弁Te,TpとスプールSe,Spの戻り側への復元を行うことができ、部品点数を削減することができる。
また、緩衝器Dは、ピストンロッド7に、先端に設けられてピストン2、伸側リーフバルブVe、圧側リーフバルブVp、伸側チャンバ12及び圧側チャンバ11が外周に装着される保持軸8aと、保持軸8aの先端から開口する縦孔8dと、保持軸8aに設けられて縦孔8d内に設けた連通路24に通じる伸側抵抗要素としての伸側パイロットオリフィスPe及び圧側抵抗要素の圧側パイロットオリフィスPpと、内部に設けられて縦孔8dに通じて電磁圧力制御弁6を収容する収容部Lと、連通路24を収容部Lに連通する調整通路Pcと、収容部Lを伸側室R1に連通する圧側排出通路Epとを設け、縦孔8d内に挿入されて外周に設けた環状溝23aで縦孔8d内に伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpとを連通する連通路24を形成するとともに内周に伸側排出通路Eeを形成するセパレータ23を備えるので、無理なく、ピストンロッド7に電磁圧力制御弁6を収容するとともに、電磁圧力制御弁6とは軸方向にずらしてピストンロッド7の外周に伸側背圧室Ceと圧側背圧室Cpとを設けることができる。
さらに、電磁圧力制御弁6が非通電時に調整通路Pcを閉じるとともに通電時に圧力制御を行うよう設定され、調整通路Pcの途中に設けられて電磁圧力制御弁6を迂回するフェール弁FVを備え、フェール弁FVの開弁圧を電磁圧力制御弁6による最大制御圧力より大きくしたので、フェール時には、伸側荷重と圧側荷重が最大となり、緩衝器Dは、もっとも大きな減衰力を発揮して、フェール時にあっても車体姿勢を安定させることができる。
なお、電磁圧力制御弁6が遮断ポジションをとる際に、電磁弁弁体31の小径部31aを透孔30cに対向させて透孔30cを閉塞して閉弁するようになっているが、完全に、透孔30cを閉塞せずに遮断ポジションにて凹部31cを少しし透孔30cに対向させるなどして絞り弁として機能させることも可能である。このようにすることで、フェール時の緩衝器Dの減衰特性において、ピストン速度が低い領域にて電磁圧力制御弁6における遮断ポジションに絞り弁の特性を付加することができ、フェール時にあっても車両における乗り心地を向上させることができる。
さらに、電磁圧力制御弁6は、筒状であって内外を連通する透孔30cを有して調整通路Pcの一部を形成する弁収容筒30aと弁収容筒30aの端部に設けられた環状の制御弁弁座30dとを備えた弁座部材30と、弁収容筒30a内に摺動自在に挿入される小径部31aと、大径部31bと、当該小径部31aと当該大径部31bとの間に設けられて透孔30cに対向可能な凹部31cと、大径部31bの端部を制御弁弁座30dに離着座させる電磁弁弁体31とを備え、透孔30cに小径部31aを対向させることで調整通路Pcを遮断する。よって、電磁弁弁体31を弁座部材30から抜け出る方向へ圧力が作用する受圧面積は、制御弁弁座30dの内径を直径とする円の面積から小径部31aの外径を直径とする円の面積を引いた面積となって、非常に受圧面積を小さくすることができるとともに、開弁時の流路面積を大きくすることができる。そのため、必要なソレノイドの推力が小さくて済み、電磁弁弁体31の移動量も小さくて済むので、電磁弁弁体31の動きが安定する。また、小径部31aの外周を透孔30cに対向させて透孔30cを閉塞するから遮断ポジションにあっては、上流側から圧力を受けても閉弁したままとなり、フェール弁FVのみを有効とすることができる。
なお、上記附勢手段の構成は一例であって、附勢手段の構成は本実施の形態に限定されるものではない。また、上記したところでは、伸側の減衰バルブと圧側の減衰バルブの双方に本発明を具現化した例を用いて本発明を説明したが、本発明は、緩衝器の伸側の減衰バルブと圧側の減衰バルブのいずれか一方のみに適用することもでき、図示はしないが、緩衝器のピストン部に設けた減衰バルブではなくベースバルブに設けた減衰バルブに適用することも可能である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1・・・シリンダ、2・・・バルブディスクとしてのピストン、2c,2d・・・弁座、2h,2f・・・内周シート部、3・・・通路としての伸側通路、4・・・通路としての圧側通路、6・・・電磁圧力制御弁
7・・・ピストンロッド、24・・・連通路、61・・・間座としての圧側間座、62・・・環状プレートとしての圧側環状プレート、65・・・間座としての伸側間座、66・・・環状プレートとしての伸側環状プレート、Ce・・・伸側背圧室、Cp・・・圧側背圧室、D・・・緩衝器、Ee・・・伸側排出通路、Ep・・・圧側排出通路、Ie・・・伸側圧力導入通路、Ip・・・圧側圧力導入通路、Pc・・・調整通路、Pe・・・伸側抵抗要素としての伸側パイロットオリフィス、Pp・・・圧側抵抗要素としての圧側パイロットオリフィス、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、Se・・・伸側スプール、Sp・・・圧側スプール、Ve・・・リーフバルブとしての伸側リーフバルブ、Vp・・・リーフバルブとしての圧側リーフバルブ

Claims (8)

  1. 通路と当該通路の出口端を囲む弁座とを備えたバルブディスクと、
    上記バルブディスクに積層されて上記弁座に離着座して上記通路を開閉する環状のリーフバルブと、
    上記リーフバルブに上記バルブディスク側へ向けて可変附勢力を作用させる附勢手段とを備え、
    上記リーフバルブと上記弁座との間に隙間を設けた
    ことを特徴とする減衰バルブ。
  2. 上記リーフバルブよりも外径が小さく、当該リーフバルブの反バルブディスク側に積層される間座と、
    上記リーフバルブの反バルブディスク側に積層されるとともに上記間座の外周に軸方向摺動自在に装着される環状プレートとを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
  3. 上記環状プレートの内径は、上記バルブディスクの上記通路より内側に設けられて上記リーフバルブの内周を支持する内周シート部の外径よりも小径であって、
    上記環状プレートの外径は、上記弁座の内径よりも大径である
    ことを特徴とする請求項2に記載の減衰バルブ。
  4. 上記バルブディスクの上記通路より内側に設けた内周シート部と上記リーフバルブとの間に介装されて上記隙間の高さを調節する一枚以上の環状スペーサを備えた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の減衰バルブ。
  5. シリンダと、
    上記シリンダ内に収容される請求項1から4のいずれか一項に記載の減衰バルブと、
    上記バルブディスクで上記シリンダ内に区画した伸側室と圧側室と、
    上記シリンダ内に移動自在に挿入されるとともに上記バルブディスクに連結されるピストンロッドとを備え、
    上記通路で上記伸側室と上記圧側室とを連通した
    ことを特徴とする緩衝器。
  6. 上記附勢手段は、上記伸側室と上記圧側室の一方または両方の圧力を利用して上記リーフバルブを附勢することを特徴とする請求項5に記載の緩衝器。
  7. 上記バルブディスクは、上記通路として上記伸側室と上記圧側室とを連通する伸側通路及び圧側通路と、上記弁座として伸側通路の出口端を囲む伸側弁座及び圧側通路の出口端を囲む圧側弁座とを備え、
    上記リーフバルブは、上記伸側通路を開閉する伸側リーフバルブと上記圧側通路を開閉する圧側リーフバルブとを備え、
    上記附勢手段は、上記伸側リーフバルブを附勢する伸側スプールと、内部圧力で上記伸側スプールを押圧する伸側背圧室と、上記圧側リーフバルブを附勢する圧側スプールと、内部圧力で上記圧側スプールを押圧する圧側背圧室と、通過する液体の流れに抵抗を与える伸側抵抗要素を介して上記伸側背圧室に連通されるともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側抵抗要素を介して上記圧側背圧室に連通される連通路と、上記伸側室から上記圧側背圧室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側圧力導入通路と、上記圧側室から上記伸側背圧室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側圧力導入通路と、上記連通路に接続される調整通路と、上記調整通路の下流を上記伸側室へ連通するとともに上記調整通路から上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側排出通路と、当該調整通路の下流を上記圧側室へ連通するとともに上記調整通路から上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側排出通路と、上記調整通路に設けられて調整通路の上流圧力を制御する電磁圧力制御弁とを備え、上記伸側背圧室と上記圧側背圧室内の圧力が等圧である場合、上記伸側背圧室の圧力によって上記伸側リーフバルブを附勢する伸側荷重を上記圧側背圧室の圧力によって上記圧側リーフバルブを附勢する圧側荷重より大きくした
    ことを特徴とする請求項5に記載の緩衝器。
  8. 上記伸側背圧室の圧力を受ける上記伸側スプールの受圧面積は、上記圧側背圧室の圧力を受ける上記圧側スプールの受圧面積よりも大きい
    ことを特徴とする請求項7に記載の緩衝器。
JP2014237846A 2014-11-25 2014-11-25 減衰バルブ及び緩衝器 Active JP6514492B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237846A JP6514492B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 減衰バルブ及び緩衝器
US15/528,809 US10830305B2 (en) 2014-11-25 2015-11-24 Damping valve and shock absorber
EP15862933.7A EP3225874B1 (en) 2014-11-25 2015-11-24 Attenuation valve and shock absorber
KR1020177014549A KR20170078755A (ko) 2014-11-25 2015-11-24 감쇠 밸브 및 완충기
PCT/JP2015/082927 WO2016084797A1 (ja) 2014-11-25 2015-11-24 減衰バルブ及び緩衝器
CN201580064376.1A CN107002810B (zh) 2014-11-25 2015-11-24 阻尼阀和缓冲器
US16/919,583 US11614140B2 (en) 2014-11-25 2020-07-02 Damping valve and shock absorber

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237846A JP6514492B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 減衰バルブ及び緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016098949A true JP2016098949A (ja) 2016-05-30
JP6514492B2 JP6514492B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=56077465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237846A Active JP6514492B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 減衰バルブ及び緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6514492B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168865A1 (ja) * 2017-03-13 2018-09-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 減衰力調整式緩衝器

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58122043U (ja) * 1982-02-12 1983-08-19 トキコ株式会社 油圧緩衝器
JPH0633968A (ja) * 1992-07-16 1994-02-08 Toyota Motor Corp ショックアブソーバ
JPH084818A (ja) * 1994-06-15 1996-01-12 Tokico Ltd 減衰力調整式油圧緩衝器
JPH10122290A (ja) * 1996-10-18 1998-05-12 Kayaba Ind Co Ltd 減衰バルブ構造
JPH10213172A (ja) * 1997-01-27 1998-08-11 Toyota Motor Corp 減衰力可変ショックアブゾーバ
JPH10512942A (ja) * 1994-11-14 1998-12-08 ジャレ エラストマーの流体圧縮による形式の緩衝器及びその用例
US20020000352A1 (en) * 2000-05-31 2002-01-03 Takuya Matsumoto Damping force control type hydraulic shock absorber
JP2004150574A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器の減衰力発生バルブ
US20040251099A1 (en) * 2003-06-10 2004-12-16 Suspa Holding Gmbh Damper
US7290643B2 (en) * 2003-12-17 2007-11-06 Nobuaki Fujita Front fork in two-wheeled motor vehicle or the like
JP2008267489A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Hitachi Ltd 流体圧緩衝器
JP2010169107A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Kayaba Ind Co Ltd バルブ
JP2012197859A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Kyb Co Ltd 減衰バルブ

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58122043U (ja) * 1982-02-12 1983-08-19 トキコ株式会社 油圧緩衝器
JPH0633968A (ja) * 1992-07-16 1994-02-08 Toyota Motor Corp ショックアブソーバ
JPH084818A (ja) * 1994-06-15 1996-01-12 Tokico Ltd 減衰力調整式油圧緩衝器
JPH10512942A (ja) * 1994-11-14 1998-12-08 ジャレ エラストマーの流体圧縮による形式の緩衝器及びその用例
JPH10122290A (ja) * 1996-10-18 1998-05-12 Kayaba Ind Co Ltd 減衰バルブ構造
JPH10213172A (ja) * 1997-01-27 1998-08-11 Toyota Motor Corp 減衰力可変ショックアブゾーバ
US20020000352A1 (en) * 2000-05-31 2002-01-03 Takuya Matsumoto Damping force control type hydraulic shock absorber
JP2004150574A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器の減衰力発生バルブ
US20040251099A1 (en) * 2003-06-10 2004-12-16 Suspa Holding Gmbh Damper
US7290643B2 (en) * 2003-12-17 2007-11-06 Nobuaki Fujita Front fork in two-wheeled motor vehicle or the like
JP2008267489A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Hitachi Ltd 流体圧緩衝器
JP2010169107A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Kayaba Ind Co Ltd バルブ
JP2012197859A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Kyb Co Ltd 減衰バルブ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168865A1 (ja) * 2017-03-13 2018-09-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 減衰力調整式緩衝器
JPWO2018168865A1 (ja) * 2017-03-13 2019-11-07 日立オートモティブシステムズ株式会社 減衰力調整式緩衝器
US11118648B2 (en) 2017-03-13 2021-09-14 Hitachi Astemo, Ltd. Damping force adjustable shock absorber

Also Published As

Publication number Publication date
JP6514492B2 (ja) 2019-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6378618B2 (ja) 減衰バルブ及び緩衝器
JP6239921B2 (ja) 液圧緩衝器
WO2016084797A1 (ja) 減衰バルブ及び緩衝器
JP6130684B2 (ja) ソレノイドバルブ
JP6093587B2 (ja) ソレノイドバルブ
KR20110098616A (ko) 완충기
WO2017010526A1 (ja) 減衰弁および減衰弁を備えた緩衝器
JP6597191B2 (ja) 減衰力調整機構
JP6018517B2 (ja) ソレノイドバルブ
JP6442247B2 (ja) バルブ
JP6442248B2 (ja) 減衰バルブ及び緩衝器
WO2018155293A1 (ja) 緩衝器
JP6262977B2 (ja) 液圧緩衝器
JP6059548B2 (ja) ソレノイドバルブ
JP6059549B2 (ja) ソレノイドバルブ
JP2013053680A (ja) 緩衝装置
JP2016098949A (ja) 減衰バルブ及び緩衝器
WO2017188091A1 (ja) 減衰力調整バルブ及び緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181030

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190412

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6514492

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350