JP2601904Y2 - 油圧緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器のバルブ構造

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JP2601904Y2
JP2601904Y2 JP1992035175U JP3517592U JP2601904Y2 JP 2601904 Y2 JP2601904 Y2 JP 2601904Y2 JP 1992035175 U JP1992035175 U JP 1992035175U JP 3517592 U JP3517592 U JP 3517592U JP 2601904 Y2 JP2601904 Y2 JP 2601904Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車両用等とされる油
圧緩衝器への利用に最適となる油圧緩衝器のバルブ構造
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用等の油圧緩衝器に利用されるバル
ブ構造については、従来から種々の提案があるが、例え
ば、図6に示すような油圧緩衝器にあっては、シリンダ
1内に出没可能に挿通されるピストンロッド2の先端に
連設されながらシリンダ1内に摺動可能に収装されて該
シリンダ1内にロッド側室Aとピストン側室Bとを区画
形成するピストン部3に伸側の減衰バルブ4と伸側のチ
ェックバルブ5が配設されてなるに対して、シリンダ1
の下端内部に配設のベースバルブ部6に圧側の減衰バル
ブ7と圧側のチェックバルブ8が配設されてなるとして
いる。
【0003】尚、該油圧緩衝器にあっては、シリンダ1
の外周に外筒9が配設されていて、該外筒9とシリンダ
1との間にリザーバ室Cが形成されてなると共に、該リ
ザーバ室Cがシリンダ1に開穿の連通孔1a及びベース
バルブ部6を介してピストン側室Bに連通されるとして
いる。
【0004】上記油圧緩衝器において、伸側の減衰バル
ブ4は、ピストン部3を構成するピストン体30に開穿
の伸側ポート30aの下流側端を閉塞するように配設さ
れ、伸側のチェックバルブ5は、上記ピストン体30に
開穿の圧側ポート30bの下流側端を閉塞するように配
設されている。
【0005】また、上記油圧緩衝器において、圧側の減
衰バルブ7は、ベースバルブ部6を構成するバルブケー
ス部材60に開穿の圧側ポート60aの下流側端を閉塞
するように配設され、圧側のチェックバルブ8は、上記
バルブケース部材60に開穿の伸側ポート60bの下流
側端を閉塞するように配設されている。
【0006】そして、各側の減衰バルブ4,7は、それ
ぞれが径の異なる環状のリーフバルブを積層して構成さ
れて内周端固定で外周端自由の形態に配設され、各側の
チェックバルブ5,8は、それぞれが環状のリーフバル
ブからなり、内周端に隣接されたノンリタンスプリング
50,80からの附勢力でこれがバルブシート面とされ
るピストン体30あるいはバルブケース部材60の端面
に押し付けられるように配設されながら、しかもその全
体の浮動が可能なように構成されている。
【0007】尚、上記各側のチェックバルブ5,8は、
所謂上流側からの作動油が伸側ポート30aあるいは圧
側ポート60aに流入することを可能にする透孔5a,
8aを有してなる。
【0008】それ故、この従来例としての油圧緩衝器に
よれば、ピストン部3がシリンダ1内を上昇する伸側行
程時には、上流側たるロッド側室Aの作動油が伸側のチ
ェックバルブ5の開口5aを介して伸側ポート30aに
流入し、かつ、伸側の減衰バルブ4の外周端を撓ませて
ピストン側室Bに流入することになり、該伸側の減衰バ
ルブ4における外周端撓みによって所定の伸側減衰力が
発生される。
【0009】このとき、ピストン側室Bにおいて不足す
ることになるピストンロッド2の退出体積分に相当する
作動油が、シリンダ1に開穿の連通孔1a,ベースバル
ブ部6における伸側ポート60b及び圧側のチェックバ
ルブ8を介して、リザーバ室Cから補給される。
【0010】これに対して、ピストン部3がシリンダ1
内を下降する圧側行程時には、上流側たるピストン側室
Bの作動油の一部がピストン部3における圧側ポート3
0b及び伸側のチェックバルブ5を介してロッド側室A
に流入する一方で、ピストンロッド2の侵入体積分に相
当する作動油がベースバルブ部6における圧側のチェッ
クバルブ8の開口8aを介して圧側ポート60aに流入
すると共に、圧側の減衰バルブ7の外周端を撓ませ、か
つ、シリンダ1に開穿の連通孔1aを介してリザーバ室
Cに流入する。
【0011】そして、上記圧側の減衰バルブ7における
外周端撓みによって所定の圧側減衰力が発生される。
【0012】そしてまた、上記の伸側行程時及び圧側行
程時のいずれにあっても、各側のチェックバルブ5,8
は、その所謂吸い込み作動時には、それぞれのノンリタ
ンスプリング50,80の附勢力に抗して所定のストロ
ーク上昇し、圧側ポート30b及び伸側ポート60bを
介しての所謂上流側からの作動油の流通を許容するよう
に機能する。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たバルブ構造を有する従来例としての油圧緩衝器にあっ
ては、次のような不具合が指摘されている。
【0014】即ち、上記油圧緩衝器において、圧側の減
衰力は、圧側の減衰バルブ7で保障されるとするが、該
圧側の減衰バルブ7でピストン速度の低速域から中速域
にかけての減衰力の保障を優先すると、図7(Vはピス
トン速度を示し、Wは減衰力を示す)中に破線aで示す
ように、理想とする比例特性(同図中に想像線bで示
す)に比較して、ピストン速度の中速域から高速域にか
けての減衰力が高くなり過ぎる不都合を招来する。
【0015】一方、ピストン速度の中速域から高速域に
かけての減衰力が同図中に一点鎖線cで示す如くになる
ように圧側の減衰バルブ7を変更すると、即ち、撓み剛
性を低下させるようにすると、ピストン速度の低速域か
ら中速域にかけての減衰力が不足することになる不都合
を招来する。
【0016】ところで、圧側の減衰バルブ7でピストン
速度の低速域から中速域にかけての減衰力を保障する一
方で、ベースバルブ部6における圧側ポート60aを絞
るようにする方策があるが、この場合には、ピストンロ
ッド2の受圧面積たる断面積が小さいので、十分な作動
油の流量が得られず、従って、十分な減衰力が得られな
くなる不都合が危惧される。
【0017】また、圧側ポート60aを絞るようにする
場合には、その際の特性が、絞り特性たる二乗特性にな
り易い不都合も危惧される。
【0018】そこで、圧側の減衰バルブ7による圧側減
衰力の発生時には、ピストン部3において、伸側のチェ
ックバルブ5が開放されて、ピストン側室Bの作動油が
ピストン部3における圧側ポート30bを介してロッド
側室Aに流入するので、このピストン部3において何等
かの手段を講じることが着眼される。
【0019】即ち、所謂背面絞りを利用することである
が、その場合の方策として、上記圧側ポート30bを絞
ることは、前記圧側ポート60aを絞る場合と同様に二
乗特性が招来され易くなり好ましくない。
【0020】そこで、上記圧側ポート30bを所謂上流
側から閉塞するように配設される伸側のチェックバルブ
5のリフト量で絞ることが好ましいことになるが、該従
来例としての油圧緩衝器にあっては、伸側のチェックバ
ルブ5のリフト量は固定状態に配設されたバルブストッ
パ51で予め一定となるように設定されており、伸側の
チェックバルブ5のリフト量を変更し得るようには構成
されていない。
【0021】この考案は、このような現状を鑑みて創案
されたものであって、その目的とするところは、圧側の
減衰バルブやこれに関連する他の部材の構成を変更せず
に所謂背面絞りを実行することで、適正な圧側減衰力の
発生を可能にするに最適となり、車両用等としての油圧
緩衝器への利用に最適となる油圧緩衝器のバルブ構造を
提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案の手段は、シリンダ内にピストンロッドが出
没可能に挿通され、ピストンロッドの先端に連設された
ピストン部がシリンダ内に摺動可能に収装され、ピスト
ン部はシリンダ内にロッド側室とピストン側室とを区画
し、ロッド側室とピストン側室とはピストン部を構成す
るピストン本体に設けた伸側ポートと圧側ポートとを介
して連通し、伸側ポートの下流側端に伸側の減衰バルブ
を開閉自在に設け、圧側ポートの下流側端にチェックバ
ルブを開閉自在に設けている油圧緩衝器に於て、ピスト
ン本体の上方においてピストンロッドの外周にカラー部
材とバネ受けとを直列に挿入し、上記カラー部材の外周
に上記チェックバルブとバルブストッパとを直列に上下
移動自在に挿入し、又上記カラー部材の外周にはバルブ
ストッパの下降ストロークを規制する段差部を形成し、
更にチェックバルブとバルブストッパとの間にチェック
バルブのリフトを許容する間隔を設けると共にノンリタ
ンコイルスプリングを伸縮自在に介在させ、又バルブス
トッパとバネ受けとの間にノンリタンコイルスプリング
に対向しながらバルブストッパを下方に附勢するノンリ
タンコイルスプリングのばね荷重より大きいばね荷重の
コイルスプリングを介在させたことを特徴とするもので
ある。
【0023】
【作用】それ故、油圧緩衝器の圧側行程時には、上流側
たるピストン側室の作動油の一部がピストン部における
圧側ポート及び伸側のチェックバルブを介してロッド側
室に流入する。
【0024】このとき、ピストン速度が低速域から中速
域にあるときには、伸側のチェックバルブがノンリタン
スプリングの附勢力に抗して小さいリフト量で上昇す
る。
【0025】そして、その際のリフト量、即ち、初期リ
フト量は、ノンリタンスプリングを係止するバルブスト
ッパで規制される。
【0026】一方、ピストン速度が中速域から高速域に
あるときには、伸側のチェックバルブがノンリタンスプ
リングの附勢力だけでなく附勢スプリングの附勢力にも
抗して大きいリフト量で上昇する。
【0027】その結果、圧側ポートを介しての作動油の
流出についてそれまで発現されていた流路抵抗が一層大
きいものになり、該伸側のチェックバルブが減衰機能を
発揮する。
【0028】
【実施例】以下、図示したところに基づいてこの考案を
説明するが、この考案の一実施例に係る油圧緩衝器も、
基本的には、図6に示す前記従来例としての油圧緩衝器
と同様に構成されている。
【0029】即ち、本考案の油圧緩衝器は、従来と同じ
く、シリンダ1内にピストンロッド2が出没可能に挿通
され、ピストンロッド2の先端インロー部2aに連設さ
れたピストン部3がシリンダ1内に摺動可能に収装さ
れ、ピストン部3はシリンダ1内にロッド側室Aとピス
トン側室Bとを区画し、ロッド側室Aとピストン側室B
とはピストン部3を構成するピストン本体30に設けた
伸側ポート30aと圧側ポート30bとを介して連通
し、伸側ポート30aの下流側端たる下方出口に伸側の
減衰バルブ4を開閉自在に設け、圧側ポート30bの下
流側端たる上方出口にチェックバルブたる伸側チェック
バルブ5を開閉自在に設けているものである。更に本考
案では、ピストン本体30の上方においてピストンロッ
ド2のインロー部2a外周にカラー部材20とバネ受け
54とを直列に挿入し、上記カラー部材20の外周に上
記チェックバルブ5とバルブストッパ52とを直列に上
下移動自在に挿入し、又上記カラー部材20の外周には
バルブストッパの下降ストロークを規制する段差部20
aを形成し、更に伸側チェックバルブ5とバルブストッ
パ52との間に伸側チェックバルブ5のリフトを許容す
る間隔を設けると共にノンリタンスプリング50たるノ
ンリタンコイルスプリングを伸縮自在に介在させ、又バ
ルブストッパ52とバネ受け54との間にノンリタンコ
イルスプリング50に対向しながらバルブストッパ52
を下方に附勢するノンリタンコイルスプリング50のば
ね荷重より大きいばね荷重のコイルスプリングからなる
附勢スプリング53を介在させている。
【0030】即ち、図1に示すように、この考案の一実
施例に係る油圧緩衝器にあっても、シリンダ1内に収装
されたピストン部3に配設の伸側のチェックバルブ5
は、環状のリーフバルブで構成されて内周端に隣接され
たノンリタンスプリング50からの附勢力でピストン部
3を構成するピストン本体30の端面に押し付けられる
ように配設されてなる。
【0031】その一方で、この実施例における伸側のチ
ェックバルブ5は、ノンリタンスプリング50の上方に
バルブストッパ52の介在下に所謂直列に配設された附
勢スプリング53によっても附勢されことがあるように
設定されている。
【0032】少しく説明すると、この実施例にあって
も、ノンリタンスプリング50の図中上端となる基端
は、伸側のチェックバルブ5の初期リフト量を規制する
バルブストッパ52に係止されている。
【0033】そして、該バルブストッパ52は、上記伸
側のチェックバルブ5及びノンリタンスプリング50を
介装させる被介装部材、即ち、ピストンロッド2の下端
インロー部2aに介装された筒状のカラー部材20に介
装されている。
【0034】ただ、この実施例にあって、該バルブスト
ッパ52は、カラー部材20に対して上記ノンリタンス
プリング50の伸縮方向、即ち、図中上下方向となる伸
側のチェックバルブ5の浮動方向に摺動可能に介装され
てなるのを原則とする。
【0035】そして、この実施例にあって、該バルブス
トッパ52は、上記カラー部材20の外周に形成の段差
部20aに上方から係止され、図中下端となるその下端
とその下方に配在の伸側のチェックバルブ50との間に
一定の間隔を予め有することになるように設定されてい
る。
【0036】その結果、該バルブストッパ52は、上記
ノンリタンスプリング50のみが収縮されるときの伸側
のチェックバルブ5のリフト量、即ち、初期リフト量を
規制することになり、上記一定の間隔の設定如何で伸側
のチェックバルブ5の初期リフト量が決定される。
【0037】一方、上記バルブストッパ52は、この実
施例にあって、図中上方側となるその背後側に配設され
た附勢スプリング53によって図中下降方向となる所謂
前進方向に附勢されている。
【0038】即ち、該附勢スプリング53は、図中上端
となるその基端がピストンロッド2の下端インロー部2
aの図中上端となる基端部分に介装されたバネ受け54
に係止されている。
【0039】そして、該バネ受け54は、この実施例に
あって、その内側端がピストンロッド2の下端インロー
部2aとの境界部分、即ち、段付部2bと前記カラー部
材20と挟持されて固定状態に配設されている。
【0040】従って、上記バルブストッパ52は、その
下方側、即ち、伸側のチェックバルブ5側からの作用力
によって附勢スプリング53の附勢力に抗して図中上昇
方向に摺動し得ることになる。
【0041】そして、この伸側のチェックバルブ5側か
らの作用力とは、該油圧緩衝器の伸側行程時にピストン
本体30に開穿されている圧側ポート30bを介してピ
ストン側室Bからロッド側室Aに流入される作動油の流
出力であり、従って、圧側ポート30bを介しての作動
油の流出の際に、上記附勢スプリング53の附勢力に呼
応する流路抵抗が発生されることになる。
【0042】それ故、以上のように形成されたこの実施
例の油圧緩衝器にあっては、シリンダ1内をピストン部
3が上昇する伸側行程時には、上流側たるロッド側室A
の作動油が伸側のチェックバルブ5の開口5aを介して
伸側ポート30aに流入し、かつ、伸側の減衰バルブ4
の外周端を撓ませてピストン側室Bに流入することにな
り、該伸側の減衰バルブ4における外周端撓みによって
所定の伸側減衰力が発生される。
【0043】このとき、ピストンロッド2の退出体積分
に相当してピストン側室Bにおいて不足することになる
作動油は、リザーバ室C(図6参照)からベースバルブ
部6(図6参照)を介して補給される。
【0044】一方、ピストン部3がシリンダ1内を下降
する圧側行程時には、上流側たるピストン側室Bの作動
油の一部がピストン部3における圧側ポート30b及び
伸側のチェックバルブ5を介してロッド側室Aに流入す
る。
【0045】このとき、ピストンロッド2の侵入体積分
に相当してピストン側室Bにおいて余剰となる作動油が
ベースバルブ部6における圧側の減衰バルブ7(図6参
照)を介してリザーバ室Cに流入されることになり、上
記圧側の減衰バルブ7の外周端撓みによって所定の圧側
減衰力が発生される。
【0046】上記の圧側行程時において、伸側のチェッ
クバルブ5は、その所謂吸い込み作動時には開放状態に
なり、圧側ポート30bを介しての所謂上流側たるピス
トン側室Bからの作動油のロッド側室Aへの流入を許容
するように機能する。
【0047】即ち、上記の圧側行程時において、ピスト
ン速度が低速域から中速域にあるときには、図2に示す
ように、伸側のチェックバルブ5がノンリタンスプリン
グ50の附勢力に抗して小さいリフト量で上昇する。
【0048】そして、その際のリフト量、即ち、初期リ
フト量は、ノンリタンスプリング50を係止するバルブ
ストッパ52で規制される。
【0049】一方、ピストン速度が中速域から高速域に
あるときには、図3に示すように、伸側のチェックバル
ブ5が、圧側ポート30bを介しての作動油の流出力
で、ノンリタンスプリング50の附勢力に抗するのは勿
論のこと、該ノンリタンスプリング50を係止するバル
ブストッパ52をも附勢スプリング53の附勢力に抗し
て、大きいストロークで上昇する。
【0050】このとき、伸側のチェックバルブ5部分に
おいて、附勢スプリング53の附勢力に呼応する流路抵
抗が発生される、即ち、該伸側のチェックバルブ5が附
勢スプリング53の附勢力に呼応する減衰機能を発揮す
ることになる。
【0051】従って、ピストン速度が中速域から高速域
にある圧側行程時においては、ベースバルブ部6部分に
おいて、主たる圧側の減衰力が制御されているが、これ
とは別に、伸側のチェックバルブ5部分においても所謂
背面絞りとしての減衰作用が実現されることになる。
【0052】以上のことを特性で示すと、図4中に実線
dで示すように、ピストン速度が低速域から中速域にあ
る場合と、ピストン速度が中速域から高速域にある場合
と、で減衰力の発生状況を異なるようにすることが可能
になる。
【0053】そして、この減衰力の発生状況は、前記し
た従来例(図7参照)における場合に比較して、理想と
する比例特性(図4中に想像線bで示す)に近い特性と
なって現出される。
【0054】図5は、この考案の他の実施例を示すもの
であるが、この実施例にあっては、バルブストッパ53
を介装させるカラー部材20において、その外周への段
差部20a(図1参照)の形成が省略されるとしてい
る。
【0055】そして、この実施例における附勢スプリン
グ53は、所謂伸び切りバネに設定されており、図示す
る状態、即ち、その伸び切り時には、下方のバルブスト
ッパ52と該バルブストッパ52の下方に配在の伸側の
チェックバルブ5との間に、ノンリタンスプリング50
介在されるが故に、該ノンリタンスプリング50の附勢
力によって伸側のチェックバルブ5の初期リフト量を確
保するための間隔を維持する構成とされている。
【0056】尚、附勢スプリング53は、その収縮時に
所定の附勢力を発揮するように設定されていること勿論
である。
【0057】それ故、この実施例による場合には、附勢
スプリング53を伸び切りバネに設定する必要がある
が、カラー部材20を単なる筒状部材とすることが可能
になる利点を生む。
【0058】前記したところは、ピストン部3における
伸側のチェックバルブ5をこの考案におけるバルブ構造
の主要部として説明したものであるが、該伸側のチェッ
クバルブ5部分の構造については、これがベースバルブ
部6における圧側のチェックバルブ8(図6参照)部分
における構造として具現化されても良いこと勿論であ
る。
【0059】
【考案の効果】本考案によれば、次の効果がある。チェ
ックバルブとバネ受けとの間にカラー部材に沿うノンリ
タンコイルスプリングと、バルブストッパと、ノンリタ
ンコイルスプリングのばね荷重より大きいばね荷重のコ
イルスプリングとを直列に設け、又バルブストッパとチ
ェックバルブとの間に当該チェックバルブのリフトを許
容する間隔を設けたから、ピストン速度が低速域から中
速域にあるときには、ノンリタンコイルスプリングに抗
してチェックバルブのみが小さいリスト量で上昇し、ピ
ストン速度が中速域から高速域にあるときにはコイルス
プリングに抗してチェックバルブとノンリタンコイルス
プリングとバルブストッパとが上昇するからチェックバ
ルブのリスト量が大きくなり、チェックバルブ部分にお
いて背面絞りとしての減衰作用、即ち、低速域から中速
域における減衰作用と、中速域から高速域における減衰
作用を二段に実現でき、しかも比例特性に近い減衰特性
を得ることができる。この際、コイル状のノンリタンコ
イルスプリングとコイルスプリングを使用しているか
ら、作動ストローク及びばね定数設定の自由度が高いた
め、低速域から高速域で減衰力変化の比較的小さい特性
に対して対応が容易である。従って、この考案によれ
ば、例えば、シリンダの下端内部等に配設のベースバル
ブ部における圧側の減衰バルブやこれに関連する他の部
材の構成、例えば、圧側ポートの径等を変更しないで所
謂背面絞りを実行することで、しかも、背面絞りの実行
時に環状絞りを形成しないので、その際の減衰力特性が
二乗特性にならず、適正な圧側減衰力の発生が可能にな
る。
【0060】また、この考案によれば、背面絞り構造を
構成するについて、チェックバルブの周辺の僅かな改変
のみで足り、ピストンロッドに所謂バイパス路を設けた
り、該バイパス路中に制御バルブを配設したりするよう
な複雑な構成とならず、その実施化が容易になる利点も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例に係る油圧緩衝器における
バルブ構造を示す部分断面図である。
【図2】図1に示すバルブ構造の一作動状態を図1と同
様に示す部分断面図である。
【図3】図2に示すバルブ構造のさらなる作動状態を図
1と同様に示す部分断面図である。
【図4】この考案に係るバルブ構造による減衰特性を示
す特性図である。
【図5】この考案の他の実施例に係る油圧緩衝器におけ
るバルブ構造を図1と同様に示す部分断面図である。
【図6】従来例に係る油圧緩衝器におけるバルブ構造を
示す部分断面図である。
【図7】従来例に係る油圧緩衝器における減衰特性を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストンロッド 3 ピストン部 5 伸側のチェックバルブ 20 被介装部材としてのカラー部材 30 ピストン本体 50 ノンリタンスプリング 52 バルブストッパ 53 附勢スプリング A ロッド側室 B ピストン側室

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内にピストンロッドが出没可能
    に挿通され、ピストンロッドの先端に連設されたピスト
    ン部がシリンダ内に摺動可能に収装され、ピストン部は
    シリンダ内にロッド側室とピストン側室とを区画し、ロ
    ッド側室とピストン側室とはピストン部を構成するピス
    トン本体に設けた伸側ポートと圧側ポートとを介して連
    通し、伸側ポートの下流側端に伸側の減衰バルブを開閉
    自在に設け、圧側ポートの下流側端にチェックバルブを
    開閉自在に設けている油圧緩衝器に於て、ピストン本体
    の上方においてピストンロッドの外周にカラー部材とバ
    ネ受けとを直列に挿入し、上記カラー部材の外周に上記
    チェックバルブとバルブストッパとを直列に上下移動自
    在に挿入し、又上記カラー部材の外周にはバルブストッ
    パの下端ストロークを規制する段差部を形成し、更にチ
    ェックバルブとバルブストッパとの間にチェックバルブ
    のリフトを許容する間隔を設けると共にノンリタンコイ
    ルスプリングを伸縮自在に介在させ、又バルブストッパ
    とバネ受けとの間にノンリタンコイルスプリングに対向
    しながらバルブストッパを下方に附勢するノンリタンコ
    イルスプリングのばね荷重より大きいばね荷重のコイル
    スプリングを介在させたことを特徴とする油圧緩衝器の
    バルブ構造。
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