JPH0833986B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0833986B2
JPH0833986B2 JP62059126A JP5912687A JPH0833986B2 JP H0833986 B2 JPH0833986 B2 JP H0833986B2 JP 62059126 A JP62059126 A JP 62059126A JP 5912687 A JP5912687 A JP 5912687A JP H0833986 B2 JPH0833986 B2 JP H0833986B2
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diisocyanate
vinyl
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周 石黒
▲しょう▼ 小山
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Konica Minolta Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録・再生に用いられる磁気テープ,磁
気ディスク,磁気フロッピィディスク等の磁気記録媒体
に関する。
〔従来技術〕
情報処理機器に於る磁気記録媒体は、記録・再生素子
として甚だ有用でありその需要は大きいが、同時に記録
媒体として、電磁変換特性が高度、精密であること、記
録容量が豊かで高密度であること、走行性、耐久性、耐
用性を保証する好適な組成物性であること、廉価である
こと更に生産面からは生産技術上にトラブルがないこと
等が要求され、その要求に沿って様々の技術的努力が拂
われて来た。
しかしその技術努力の目標は究極的には高性能の磁性
体即ち電磁性能のよい微細で且つ粉末粒子が個々に独立
する分散性と分散安定性のよい磁性体と、製品トラブル
のない且つ耐用性のよい層構成条件に帰着する。
具体的には、抗磁力(Hc)及び残留磁束密度(Br)が
高く高密度記録に適した磁性体が探索され、従来の磁性
体から鉄,ニッケル及びコバルト等を主成分とする強磁
性体が開発された。特にビデオテープに於ては記録波長
を短波長へ、またトラック幅を狭小とする必要から従来
の酸化鉄系に代って前記の強磁性合金粉末が用いられる
ようになって来ている。
しかしながらS/N性能のよい比表面積の大きい微細な
前記強磁性合金粉末を用いると、バインダ中での分散不
良、磁性塗料の増粘等の不都合を招き、これらの現象は
磁性層の表面性、耐久性、磁気特性を損ない、高性能磁
気記録媒体への障害となる。
また磁性粉の分散については分散剤とバインダ側から
の検討が行れている。
まづ分散剤については古くからレシチンが知れてお
り、更にアミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪酸
アミド、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、ス
ルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸エステル、界面活性剤等及び
これらの塩、または陰性有機基(例えば−COOH、−PO
3H)を有する重合体分散剤の塩が開発された。これら分
散剤は1種類のみで、或は2種類以上を組合せて用いら
れる。これらの分散剤は、あらかじめ磁性粉を前処理す
る為に用いられることもある。
更にバインダについてもポリウレタン、セルロース、
塩化ビニル系樹脂、フェノキシ樹脂或は極性基を導入し
て特性を改変した各種変性樹脂、挙動に特徴のある熱可
塑性樹脂等の各種硬化性樹脂が検討され、相溶性よく組
合され、媒体構成層の物性を著しく向上させ、また磁性
粉、フィラ類の分散性、保着性が改善された。
しかし超微細な強磁性合金粉末の分散及び安定分散に
於ては満足すべき水準には到らず、磁性層の物性特に機
械的強度或は保着性(粉落ち、膜剥れ等)、耐摩耗性等
に不利を招くことが多い。
即ち各個に検討された技術効果は必ずしも相互に加成
的にもしくは相乗的に好しい結果を招来するものではな
く、逆に互に相反的であったり目的性能外に於て自家中
毒的症状を呈することもあり、総合的にバランスのとれ
た技術処置、素材とその使用量の特定範囲に解決を求め
る必要があると思われる。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上記知見に基づき又、従来技術の展
望に立ち、 (1)高分散度の強磁性合金粉末からなり、耐蝕性であ
り、電磁度変換特性のよい高密度磁気記録媒体の提供に
ある。また更に (2)磁性粉の分散性がよく、すなわち短時間に分散
し、分散性が均一な生産性のよい前記高密度磁気記録媒
体を提供することにある。
〔発明の構成〕
前記した本発明の目的は、非磁性支持体上に強磁性合
金粉末とバインダを含む磁性層を有する磁気記録媒体に
於て、前記強磁性合金がアルミ含有量が0.5〜20atom%
の鉄−アルミニウム系合金であり、また前記バインダに
スルホ基,カルボオキシル基或は燐酸基の少くとも1つ
の極性基による変性バインダを含み且つ前記磁性層に下
記一般式〔I〕で示される燐酸エステルを含有すること
を特徴とする磁気記録媒体によって満足させられる。
式中、Aは−OH基または−OM(ここにMはアルカリ金
属原子)、 で表される基である。Rは水素原子または炭素原子数1
〜30個の脂肪族残基である。nはn≧の正数である。
尚本発明の態様に於ては、前記鉄−アルミニウム合金
はAlについて0.5〜20atom%であり、特に1〜10atom%
であることが好ましく、鉄の含有量が80%以下になると
電磁変換特性が劣化してくる。又第2成分がAl以外のも
のでは耐蝕性の劣化等があり、かつスチル特性も極めて
悪い。バインダの変性極性基のスルホ基、カルボオキシ
ル基の水素はリチウム,ナトリウム或はカリウムであっ
てもよい。また燐酸基の2つの水素は夫々リチウム,ナ
トリウム,カリウムもしくはアルキル基によって1つも
しくは2つ共に置換されていてもよく、2つの共置換さ
れる場合共に同種のものでもよく異種の原子,アルキル
基であってもよい。
本発明に係る強磁性鉄−アルミニウム系合金は、Alに
ついて0.5〜20atom%であり、鉄については少くとも80a
tom%である。この許容範囲内で他の成分、例えばSi,S,
Sc,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Zn,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,Te,Ba,Ta,
W,Re,Au,Hg,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,B,P等を含む合金であっ
てもよい。更に前記合金に少量の水、水酸化物または酸
化物が付帯していてもよい。
また粒状度はBET値で40m2/g以上、更に45m2/g以上で
あることが好しく、このような微粒であることにより電
磁変換特性が著しく向上される。
次に本発明に係るスルホ基,カルボオキシル基,燐酸
基もしくはそれらの塩を形成した基の少くとも1種を側
鎖に導入して変性された変性樹脂としては、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂,塩化ビニル系共重合体、ニ
トロセルロース等の変性樹脂が挙げられる。
また本発明に係る分散剤として用いる燐酸エステルは
親油性のアルキルフェニル基と親水性のエチレングリコ
ール鎖を有しHLB(hydrophilic−lipophilic balance)
を最適に調整することができるので親水性磁性粉と親油
性バインダ部分との反発を排除することができる。この
際実験によれば親油性部分としてアルキルフェニル基は
特に有用である。
前記したAl−Fe系合金は超微細で且つ強磁性を有する
ために表面活性及び強磁性の故に凝集し易くしかも一旦
凝集すると解離し難い。これらの磁性体は前記の変性バ
インダと前記分散剤の併用によってはじめて実用上満足
すべき分散性と分散安定性が付与される。
前記したポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂に前
記極性基を導入する方法としては、例えば次のような方
法が挙げられる。
(1)ポリウレタン又はポリエステルの原料である二塩
基酸、ポリオール等に上記極性基を予め導入しておく方
法。
(2)2官能若しくは3官能以上の−OH基を有するポリ
ウレタン樹脂又はポリエステル樹脂を変性する方法。
例えば 等の分子中に上記極性基及び塩素を含有する化合物
と、多官能−OH基を有するポリウレタン樹脂又はポリエ
ステル樹脂とも、両成分が溶解性のあるジメチルホルム
アミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶
剤に溶解し、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミンな
どのアミン類、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドなどのエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下での−
OH基と塩素との脱塩酸反応により上記極性基を導入する
方法。
若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合成可能で
ある。すなわち、 等の化合物を、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)等の溶剤中で2官能イソシアネ
ート化合物、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と等
モル反応させ、ジイソシアネートの一方の−NCO基と上
記分子中の−OH基との反応による反応生成物を得る。次
にポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂の−OH基と残
留している−NCO基とを反応させれば、本発明で使用可
能なバインダが得られる。
又、ポリウレタン樹脂の場合には次のような方法でも
よい。
とを反応させる方法。
ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂をえるため
にこの発明において使用されるカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,
5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ
安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの
芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンカルボン酸などの脂肪
族ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロ
メリット酸などのトリおよびテトラカルボン酸などが挙
げられる。特にテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸が好ましい。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および
プロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ルなどがある。
またトリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリおよ
びテトラオールを併用してもよい。
ポリウレタン樹脂を得るためにこの発明において使用
されるジイソシアネート成分としては、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレン
ジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシア
ネート、4,4−ジイソシアネート−ジフェニルエーテ
ル、1,3−ナフタレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4
−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4′−ジ
イソシアネートジシクルヘキサン、4,4′−ジイソシア
ネートジシクルヘキシルメタン、イソホロンジイソシア
ネートなどが挙げられる。
塩化ビニル系共重合体に上記極性基を導入する方法と
しては、例えば次のような方法が挙げられる。
ビニルアルコール成分を含有する塩化ビニル系共重合
体を変性する方法。
例えば、 等の分子中に上記極性基及び塩素を含有する化合物と、
−OH基を有する塩化ビニル系共重合体とを、ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等
の溶剤の存在下で、ピリジン、ピコリン、トリエチルア
ミンなどのアミン類、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイドなどのエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下
での−OH基と塩素との脱塩酸反応により上記極性基を導
入する方法。
若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合成可能で
ある。すなわち、 等の化合物を、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)等の溶剤中で2官能イソシアネ
ート化合物、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と等
モル反応させ、ジイソシアネートの一方の−NCO基と上
記分子中の−OH基との反応による反応生成物を得る。次
に塩化ビニル系共重合体の−OH基と残留している−NCO
基とを反応させれば、本発明で使用可能なバインダが得
られる。
上述したビニルアルコール成分を含有する塩化ビニル
系共重合体としては、塩化ビニル酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニル−プロピオン酸ビニル−マレイン酸ビニル−ビニル
アルコール共重合体が用いられる。
ニトロセルロースに上記極性基を導入する方法として
は、ニトロセルロース中の−OH基を変性する方法が挙げ
られる。
例えば、 の如く、分子中に上記極性基及び塩素を含有する化合物
と、ニトロセルロース中の−OH基とを脱塩酸剤の存在下
で反応させ、−OH基と塩素との脱塩酸反応により上記極
性基を導入する方法。
若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合成可能で
ある。すなわち、 と2官能イソシアネート化合物、例えば4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートとを等モル反応さ
せ、ジイソシアネートの一方の−NCO基と上記分子中の
−OH基との反応による反応生成物を得る。次にニトロセ
ルロース中の−OH基と残留している−NCO基とを反応さ
せることにより、上記極性基を導入できる。
またニトロセルロースにカルボキシル基を導入するに
は、ニトロ化する前にセルロースにカルボキシル基を付
加しておく方法あるいはセルロースをニトロ化した後に
次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤の作用によって、脱ニトロ
化を行いさらに酸化してカルボキシル基を付加する方法
によってもよい。
この発明において、極性基を有する樹脂の分子量は、
50,000以下が好ましい。これは、上記分子量が50,000を
越えると、磁性粉のBET法による比表面積が大きくなっ
た場合に、塗料粘度が許容範囲を越えて大きくなりすぎ
るからである。そして、上記樹脂の分子量は、2,000以
上が好ましい。これは上記分子量が2,000以下である
と、磁性塗料を支持体上に塗布してから硬化剤をもちい
て硬化させる際に、未反応分が生じ、低分子量成分が残
存して塗膜の物性を劣化させるからである。
またこの発明において極性基を含有する樹脂は、極性
基1個当りの分子量が200〜50,000の範囲であることが
好ましい。これは、200以下であると樹脂の親水性が強
すぎて、溶剤への溶解性、バインダ中の他の樹脂との相
溶性および磁性層の耐湿性が悪くなるからであり、一
方、50,000以上であると分散性に対する効果が不充分と
なるからである。
また本発明において、側鎖に極性基を含有する樹脂と
しては、前述の極性基を導入する方法によって得られる
もの以外に次のような共重合体による樹脂もある。例え
ばその樹脂としては共重合体組成が塩化ビニル75〜95重
量%、カルボン酸ビニルエステル5〜20重量%、不飽和
スルホン酸またはそのアルカリ金属塩0.5〜5重量%よ
りなる樹脂であり、用いられる塩化ビニルとの共単量体
の具体例をあげると、カルボン酸ビニルエステルとして
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがあげられ
る。また、不飽和スルホン酸またはそのアルカリ金属塩
としては、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、メチリルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、アクリル酸−2−スルホン酸エチル、メタ
クリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらのアルカリ
金属塩などがあげられる。ここでアルカリ金属原子とし
ては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが好まし
い。
以上の成分のほか、塩化ビニルと共重合可能な単量体
を0〜10重量%の範囲で使うことも可能である。その単
量体としては、メチルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエ
ーテルのごときアルキルビニルエーテル類、エチレン、
プロピレンのごときα−モノオレフィン類、塩化ビニリ
デンのごときハロゲン化ビニリデン類、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルのごときアクリル酸アルキルエ
ステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルのご
とき不飽和ニトリル類、スチレン、α−メチルスチレン
のごとき芳香族ビニル類などがあげられる。
本発明の磁気塗料用樹脂は、重合媒体を用いないバル
ク重合方法や重合媒体としてメタノール、エタノールな
どの低級アルコール単独あるいは、これと脱イオン水と
の組合せを使用した懸濁重合法によって製造される。ま
た、本発明の樹脂の製造に使用される重合開始剤として
は、例えば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,
3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドのごとき有
機過酸化物、α,α′−アゾビスイソブチロニトリルの
ごときアゾ化合物、または過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウムなどがあげられる。懸濁剤としては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化
物、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合
体、ポリアクリルアミドのごとき合成高分子物質、及び
デンプン、ゼラチンなどの天然高分子物質などがあげら
れる。また、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ、ラウリル硫酸ソーダなどのアニオン性乳化
剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸部分エステルなどの非イオン
性乳化剤などがあげられる。また必要に応じてトリクロ
ルエチレン、チオグリコールなどの分子量調整剤を用い
ることもできる。前記した重合開始剤、塩化ビニルおよ
びその他の単量体、懸濁剤、乳化剤、分子量調整剤など
は重合開始時に一括して重合系に添加してもよいし、重
合中に分割して添加することもできる。不飽和スルホン
酸またはそのアルカリ金属塩は、重合開始時に一括して
仕込んでも良いが、重合初期に一部を仕込み、重合が進
むにつれて残りを分割添加する方が好ましい。なお、不
飽和スルホン酸またはそのアルカリ金属塩を仕込む場合
には、メタノール、エタノールなどの低級アルコールに
充分溶解して仕込む方法がとられる。重合は通常35〜80
℃の温度で攪拌下にて行われる。
この塩化ビニル共重合体は、平均重合度が100〜600、
好ましくは200〜500のものであり、または塩化ビニルの
含量は75〜95重量%の範囲である。95重量%を超えると
磁性塗料の調製時に、塗料粘度が上昇し空気の巻込み等
塗工上の問題が生ずる。なお、磁性塗料の粘度を下げる
ために更に溶剤を追加することは、溶剤回収の手間が増
えるだけでなく磁性塗膜の光沢性を低下させる原因とな
る。また、カルボン酸ビニルエステルの含量は5〜20重
量%の範囲であることが必要である。5重量%未満では
磁性塗料の調製時に使用される溶剤への溶解性が不充分
となり、含量が20重量%を超えると、磁性塗膜の剥離や
耐久性の低下の原因となる。また、不飽和スルホン酸ま
たはそのアルカリ金属塩については、含量が0.5重量%
未満では磁性粉の分散性が不充分となり、5重量%を超
えると、スルホン酸基の親水性が強くなり、塗料調製時
に溶剤に充分溶解出来なくなること、さらには金属磁性
粉の凝集が起ってくることから好ましくない。
さらには前述の極性基を有するバインダ樹脂は、他の
バインダ樹脂と併用することができる。このような樹脂
としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、セルロース誘導体、ポリエステル樹脂等の熱可
塑性樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、シリコン系樹脂、アルカリ系樹脂、高分子量ポ
リエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーとの混合
物等の熱硬化性樹脂または反応型樹脂が挙げられ、これ
らが単独で、あるいは混合して使用される。
本発明で用いられる燐酸エステルは分散剤として効用
を有し次式で表すことができる。
但しAは−OHあるいは−OM(Mはアルカリ金属で表さ
れる基、または で表される基である。RはHまたは炭素原子数1〜30の
脂肪族残基であり、nはn≧6の正数である。
本発明で用いられる燐酸エステルは単独または2種以
上を組合せて、または他の燐酸エステルとの組合せでも
使用可能である。
本発明で用いられる燐酸エステルの量は、強磁性合金
粉末100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.
5〜10重量部である。
本発明の化合物の具体例は以下の通りであるが、これ
らに限定されるものではない。
本発明に於ては従来の技術を活用して本発明の磁気記
録媒体(以後磁気テープと表現する)の磁性層、バック
コート層或はその他の構成層の形成に流用することがで
きる。
本発明の磁気テープの磁性層としては、磁性粉、バイ
ンダ及び分散剤、潤滑剤等を含有する塗料を塗布する分
散型磁性層である。
本発明の磁気テープの磁性層等構成層の耐久性を向上
させるために各種硬化剤を含有させることができ、例え
ばイソシアネートを含有させることができる。
使用できる芳香族イソシアネートは、例えばトリレン
ジイソシアネート(TDI)等及びこれらイソシアネート
と活性水素化合物との付加体などがあり、平均分子量と
しては100〜3,000の範囲のものが好適である。
また脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HMDI)等及びこれらイソシアネート
と活性水素化合物の付加体等が挙げられる。これらの脂
肪族イソシアネート及びこれらイソシアネートと活性水
素化合物の付加体などの中でも、好ましいのは分子量が
100〜3,000の範囲のものである。脂肪族イソシアネート
のなかでも非脂環式のイソシアネート及びこれら化合物
と活性水素化合物の付加体が好ましい。
前記磁性層を形成するのに使用される磁性塗料には必
要に応じて前記外の分散剤及び潤滑剤、帯電防止剤及び
研磨剤等の添加剤を含有させてもよい。
本発明に併用される分散剤としては、アミン化合物、
アルキルサルフェート、脂肪酸アミド、高級アルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、スルホ琥珀酸、スルホ琥
珀酸エステル、公知の界面活性剤等及びこれらの塩があ
る。これら分散剤は1種類のみで用いても、或は2種類
以上を併用してもよい。これらの分散剤は磁性粉100重
量部に対し1〜20重量部の範囲で添加される。これらの
分散剤は、あらかじめ磁性粉を前処理する為に用いても
よい。
また、潤滑剤としては、シリコーンオイル、グラファ
イト、カーボンブラックグラフトポリマー、二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステン、ラウリル酸、ミリスチン
酸、炭素原子数12〜22の一塩基性脂肪族と該脂肪酸の炭
素原子数と合計して炭素原子数が13〜40個の一価のアル
コールから成る脂肪酸エステル等も使用できる。これら
の潤滑剤は磁性粉100重量部に対して0.2〜20重量部の範
囲で添加される。
研磨剤としては、一般に使用される材料で鎔融アルミ
ナ、炭化珪素、酸化クロム、コランダム、人造コランダ
ム、等が使用される。これらの研磨剤は平均粒子径0.05
〜5μmの大きさのものが使用され、特に好ましくは0.
1〜2μmである。これらの研磨剤は磁性粉100重量部に
対して1〜20重量部の範囲で添加される。
帯電防止剤としては、カーボンブラックをはじめ、グ
ラファイト、酸化錫−酸化アンチモン系化合物、酸化チ
タン−酸化錫−酸化アンチモン系化合物などの導電性粉
末;サポニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサ
イド系、グリセリン系、グリシドール系などのノニオン
界面活性剤、高級アルキルアミン類、第4級アンモニウ
ム塩類、ピリジン、その他の複素環類、ホスホニウムま
たはスルホニウム類などのカチオン界面活性剤;カルボ
ン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基等の酸性基を
含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン
酸類、アミノアルコールの硫酸等の両性活性剤などがあ
げられる。
上記塗料に配合される溶媒或はこの塗料の塗布時の希
釈溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケント類;
メタルノール、エタノール、プロパノール、ブタノール
等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、エチレングリコールセノアセテート等
のエステル類;グリコールジメチルエーテル、グリコー
ルモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等
のハロゲン化炭化水素等のものが使用できる。
また、支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセル
ロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネートなどのプ
ラスチックが挙げられるが、Cu、Al、Zn等の金属、ガラ
ス、BN、Siカーバイド等のセラミックなども使用でき
る。
これらの支持体の厚みはフィルム、シート状の場合は
約3〜100μm程度、好ましくは5〜50μmであり、デ
ィスク、カード状の場合は30μm〜10mm程度であり、ド
ラム状の場合は円筒状で用いられ使用するレコーダに応
じてその型は決められる。
上記支持体と磁性層等の構成層の中間には接着性を向
上させる中間層を設けても良い。
支持体上に上記磁性層を形成するための塗布方法とし
ては、エアードクタコート、ブレードコート、エアーナ
イフコート、スクィズコート、含浸コート、リバースロ
ールコート、トランスファロールコート、グラビアコー
ト、キスコート、キャストコート、スプレイコート等が
利用できるがこれに限らない。
〔実施例〕
本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
下記に示す処方の磁性塗料を調製する。
上記に示す組成物を基本組成として実施例及び比較例
に対応する磁気テープを作成する。
上記磁性塗料をサンドミルに仕込み分散させた後、多
官能イソシアネート5重量部を添加し、厚さ10μmの支
持体上に塗布し、スーパカレンダをかけて厚さ3μmの
磁性層を形成させた後、8mm幅に裁断して8mmビデオテー
プを作成した。作成したビデオテープは下記実施例1〜
13(本発明内)、比較例(1)〜(10)(本発明外)と
してまとめた。
バインダとして の極性基(ここでは−SO3M)を有する樹脂を用いた場
合、分散性が明らかに向上し(光沢度が高くなる)それ
に伴って電磁変換特性(RF出力,ルミS/N,クロマS/N)
がアップしている。又、本発明で規定したような燐酸エ
ステル以外の分散剤(ここではレシチン)では耐久性
(PCM音声欠落、Durability)に問題があった。
分散剤として本発明に規定しているような構造以外の
ものは上記に示す通り、分散性が悪くそれに伴って電磁
変換特性もかなり劣ることがわかる。又、本発明で規定
する分散剤は耐久性を顕著に向上させる効果も有してい
ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図はFe−Al系合金の組成と電磁変換特性の関係を示
す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性合金粉末とバイン
    ダを含む磁性層を有する磁気記録媒体に於て、前記強磁
    性合金がアルミニウム含有量0.5〜20atom%である鉄−
    アルミニウム系合金であり、また前記バインダにスルホ
    基、カルボオキシル基或は燐酸基の少くとも1つの極性
    基による変性バインダを含み且つ前記磁性層に下記一般
    式〔I〕で示される燐酸エステルを含有することを特徴
    とする磁気記録媒体。 一般式〔I〕 〔式中、Aは−OH基または−OM(ここにMはアルカリ金
    属原子)、 で表される基である。Rは水素原子または炭素原子数1
    〜30個の脂肪族残基である。nはn≧6の正数であ
    る。〕
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