JP2564144B2 - ディスク状磁気記録媒体 - Google Patents

ディスク状磁気記録媒体

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JP2564144B2 JP62241906A JP24190687A JP2564144B2 JP 2564144 B2 JP2564144 B2 JP 2564144B2 JP 62241906 A JP62241906 A JP 62241906A JP 24190687 A JP24190687 A JP 24190687A JP 2564144 B2 JP2564144 B2 JP 2564144B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に関し、特にディスク状磁気記
録媒体に関する。
〔発明の背景〕
近年、コンパクトディスク、フロッピーディスクで代
表されるディスク状磁気記録媒体は、OA(オフィスオー
トメーション)機器分野やオーディオ分野で広く使用さ
れている。このようなディスク状磁気記録媒体は、一般
に非磁性体基板上にバインダ樹脂に分散させた強磁性体
粒子を塗布した磁性層を有している。
この磁性層は磁気ヘッドに接触しながら高速度で回転
するため、摩耗したり傷ついたりすると、長時間の使用
に耐えず、信頼性のない記録媒体になってしまう。
従来、非磁性体基板としては熔融・熱延伸したポリエ
チレンテレフタレート(場合によっては補強のためにTi
O2やCaCO3等の無機物粒子を混練して)が使用され、バ
インダ樹脂としてはニトロセルロース、塩化ビニル−酢
酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等が使用されてきた。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称す)ベ
ースに磁性層を塗布しただけでは、PETベースと磁性層
の接着が悪く、摩擦係数が高かったり、異物がヘッドと
記録媒体の間に引っ掛かったりすると磁性層が剥がれた
りする故障を起こし易かった。
また従来のバインダ樹脂は、その分散性を極性基、特
に水酸基の効果な頼っているため、充分な分散性が得ら
れず、フィラー粒子の凝集を生じ易く、このような凝集
物はバインダ樹脂との結着も悪く膜故障の原因ともなっ
ていた。
バインダー樹脂にスルホ基、ホスホ基あるいはカルボ
キシル基等の親水性官能基を導入して分散性を向上する
方法(特開昭59−5423号等)も試みられたが、上記故障
を幾分は改良するが未だ不満足なレベルにあり、磁気特
性および耐久性をより一層改善し得る技術の開発が要請
されている。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、磁気特性に優れ、しかも耐久性が著
しく向上したディスク状磁気記録媒体を提供することに
ある。
〔発明の構成〕
発明の目的は、強磁性体粒子を分散した酸性基(塩を
含む)、エポキシ基および水酸基を有する塩化ビニル系
樹脂含有磁性層をカーボンブラックを含有する下塗層を
設けた非磁性基板上に形成してなることを特徴とするデ
ィスク状磁気記録媒体によって達成される。
本発明の態様に於て、前記酸性基はスルホ基、ホスホ
基或はカルボキシ基が好ましく、またそれら酸と塩を作
る金属はLi,K,Naが好ましい(以後酸性基類と称す)。
前記の酸性基類を塩化ビニル系樹脂に導入することに
よって磁性粉の分散性に卓効を生じ、就中スルホ基及び
塩形成スルホ基は特に秀れている。
またエポキシ基を導入することにより膜強度、熱安定
性が向上し、水酸基の増強導入によってはイソシアナー
トによる架橋構造が強靭になり、磁性層の硬度上昇によ
りヘッドとの摺擦、衝撃に対し耐用性が高まる。
また前記本発明に係る酸性基類のいづれか少くとも1
つ及びエポキシ基、水酸基による変性塩化ビニル系樹脂
の使用量は、強磁性粉に対し5〜25wt%であることが好
ましく更に10〜25wt%であることが好ましい。因みに25
wt%を超えると磁性層の硬度が高くなりすぎ脆くなる弊
を招く。
本発明に用いるバインダ樹脂は、酸性基類、エポキシ
基および水酸基を有する塩化ビニル系共重合体である。
これらの酸性基はどのような状態で存在してもよいが、
好ましくは共重合体の一部を形成することが好ましい。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、例えば下記一般式
によって表すことができる。なお一般式の共重合体を表
す大括弧の中の小括弧で括られた繰返し単位のブロック
重合の順序は特定の順序であってもよいし任意の順序で
あってもよい。
一般式 式中、R1,R2及びR3は水素原子または低級アルキル基
(例えばCH3,C2H5等)を表す。またR1,R2及びR3は夫々
の繰返し単位ブロックの中で同じでも異っていてもよ
い。
Xは−SO3M,−COOM,−PO(OM)等の酸性基類を含有
する置換基−A−SO3M,−A′−COOM,−A″−Po(OM)
を表し、Yはエポキシ基を含有する置換基 を表す。またVは水素原子または−(CH2)qOH,−(CH2
CH2O)qOH(q=1〜4)を表す。
Mは水素原子またはLi,Na或いはK等のアルカリ金属
原子である。またA,A′,A″及びBは酸性基類及びエポ
キシ基を夫々共重合体主鎖に連結する連結基である。塩
結基としては下記のものが例示される。
−OCH2 r,−COOCH2 r, −CONH−,CH2 r,−CONHCH2 r, 但しR6及びR7は夫々水素原子または炭素数1〜15個の
アルキル基、フェニル基を表し、またR8は炭素数1〜15
個のアルキレン基を表す。rは0〜20の整数を表す。
次にZは共重合体の特性改善のために必要に応じ挿入
される繰返し単位である。
即ち共重合体の溶媒溶解性、柔軟性、他の樹脂類との
相溶性、硬化架橋性を調節し、或いは分散性を更に高
め、或いは潤滑性を向上させる等の特性改善の目的のた
めに付加されるものである。
該繰返し単位の具体例としては、次のような構造の単
位が挙げられる。
ここに於いてR4はHまたは低級アルキル基(例えばCH
3,C2H5)を表す。
Wは−(OCH2CH)qOH,−O(CH2)qOH(q=1〜4)
を表す。またpは1〜50である。
R5は炭素数8以上の無置換の炭化水素基、例えばトリ
コシル、ドコシル、エイコシル、ノナデシル、オクタデ
シル、ヘキサデシル、トリデシル、ウンデシル、デシ
ル、ノニル、オクチル等の基が挙げられる。
他に(Z)nとしては、塩化ビニリデン、エチレン、
スチレン、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エ
ステル等の本発明の化合物と共重合し得るような構成単
位は、いずれも使用できる。
前記した一般式に於て、kは200〜800、l及びl′は
0〜100、mは1〜100及びnは0〜200の正数を表す。
本発明に係る塩化ビニル系共重合体の重合度(Pn)
は、250≦Pn≦500であり、酸性基類は該共重合体中に少
くとも1つ存在することが必要で酸性基類を含む繰返し
単位は0.5〜3wt%、エポキシ基を含む繰返し単位は0.5
〜4wt%、水酸基を含む繰返し単位は0.1〜7wt%、塩化
ビニル単位は95〜70wt%であることが好ましい。
前記一般式にて表される共重合体において、その共重
合体が磁気記録媒体のバインダとして使用されて必要な
作用効果を発揮する場合、塩化ビニル繰返し単位は、そ
の媒体の強度に寄与しており、その塩化ビニル成分が少
なすぎると、媒体に必要な物性(機械強度)が得られ
ず、また多すぎると溶剤への溶解性が悪くなり、また樹
脂のガラス転移温度(Tg)も高くなる傾向にある。また
エポキシ基を含有する繰返し単位は、塩化ビニルの熱安
定性を向上させるとともにイソシアナート等の架橋硬化
剤とも反応し、バインダを架橋することにより、さらに
高分子量とし、ポリウレタン等の他のバインダ樹脂との
結合に関与し、熱安定性、耐摩耗性等の耐久性を高め
る。またバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)や可塑化
効果を含有量により調節する効果がある。またビニルア
ルコール等の反応性水酸基(−OH)はイソシアナート等
の架橋反応に参加する。
また、酸性基類を有する繰返し単位は、分散性に寄与
しており、その量が少なすぎると効果は小さくなり、ま
た、余り多すぎてもそれ以上の分散性の向上に寄与しな
くなり、また、かえって耐湿性が悪くなって好ましくな
い。
更に樹脂の強度または溶媒溶解性または他の樹脂との
相溶性の向上または潤滑性の向上または柔軟性を向上さ
せる効用を有する繰返し単位を導入してもよい。
次に前記一般式で表される共重合体の具体的化合物例
を挙げる。
化合物例 次に本発明に係る塩化ビニル系共重合体の合成につい
て述べる。
本発明において、バインダとして使用される前記一般
式で表わされる共重合体は、前記一般式において、親水
性基SO3M,COOM,PO(OM)を有しない共重合体、例えば
塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体等OH基を含有す
る共重合体に前記親水性基もしくは官能基を反応により
付加して合成することもできる。
すなわち、QでSO3M,COOM,PO(OM)或いはエポキシ
基、Pでハロゲン原子を表わし、Rで炭素数1〜20まで
の置換、未置換のアルキレン基またはフェニレン基を表
せば、P−R−Qは前記付加合成の付加要素として用い
ることができる。
これらの中から特にCl(CH22SO3Naと の場合をビニルアルコールが含有された共重合体に反応
させる場合を例によって示すと、 のようになり、また他の化合物を使用した場合にも同様
の反応によって、所定の共重合体を製造することができ
る。
しかしながら、上記共重合体と反応性化合物の反応で
は高分子反応であるため、未反応の化合物の存在や副生
成物の除去の問題があり、反応率の調節も難しいという
問題点がある。また特に導入したエポキシ基が反応時の
塩酸と反応したり、もしくは合成時に環の開環反応が起
るという問題がある。そこで、これらの問題点を避ける
ためにも、すべて共重合性のモノマとして共重合させる
方法が有利である。すなわち、前記一般式で表わされる
繰返し単位が誘導される不飽和結合を有する反応性モノ
マを所定量オートクレーブ等の反応容器に注入し、一般
的な重合開始剤、例えばBPO(ベンゾイルパーオキサイ
ド)、AIBN(アゾビスイソブチロニトル)等のラジカル
重合開始剤やレドックス重合開始剤、アニオン重合開始
剤、カチオン重合開始剤等の重合開始剤を使用して重合
できる。その後、乾燥、必要に応じて粉砕等の処理工程
を通って主として白色粉末として得られる。
前記エポキシ基を導入するための反応性モノマ具体例
としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタア
クリレートが挙げられ、またスルホ基もしくはその塩を
導入するための反応性モノマの具体例としては、ビニル
スルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン
酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホ
ン酸およびこれらの塩が挙げられる。またメタクリル酸
スルホエチルエステル、メタクリル酸スルホプロピルエ
ステル等のアクリル酸またはメタクリル酸のスルホアル
キルエステル類およびこれらの塩等を挙げることができ
る。
また、カルボキシ基もしくはその塩の導入(COOMの導
入)にはアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
燐酸基もしくはその塩の導入(PO(OM)の導入)に
おいてもアクリル酸、メタクリル酸が有利である。
また、油溶性ラジカル重合開始剤としては、以下のア
ゾ系化合物または有機過酸化物を挙げることができる。
例えばアゾ系化合物として2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチル−バレロニト
リル)、2,2′−アゾビス(2−メチルカプロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニト
リル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等を用いることができ、また有機過酸化物として
は、例えばアセチルパーオキサイド、プロピオニルパー
オキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパー
オキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト等のパーオキシエステル類等を用いることができる。
勿論上記油溶性ラジカル重合開始剤の2種以上を適宜組
合せて使用することもできる。中でも取扱い上の安全
性、性能の面からアゾ化合物が好ましく、特に2,2′−
アゾビスイソブチロニトリルまたは2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。なお、
かかる開始剤の使用量としては一義的に規定することは
困難であるが、単量体重量に対して概ね0.2〜2.0%の範
囲内で用いられる。
また、重合系のpHについては、酸性が強過ぎると重合
中にエポキシ基の開環を惹起し、また、アルカリ性が強
過ぎると生成ポリマの加水分解を惹起するためpH2〜
9、好ましくは2〜7の範囲内に設定することが必要で
ある。
なお、重合温度としては、開始剤の種類にもよるが、
高温になるほどエポキシ基の開環反応、或いは単量体の
一部が乳化されて乳化重合を起こしてラテックス状微細
重合体生成等の問題点を惹起するため概ね80℃以下、好
ましくは40〜70℃の温度範囲が推奨される。
また、重合媒体としては、工業上水を用いることが望
ましいが、水混和性有機溶媒を共存させたり、電界質塩
類を共存させることは何ら差し支えない。
尚本発明に於ては本発明の効果に支障のない限りに於
て他の従来のバインダ樹脂を併用することは差支えな
い。
本発明に於ては従来磁気記録媒体製造に用いられる装
置及び素材技術が流用される。
本発明に用いられる磁性材料としては、例えばγ−Fe
2O3,Co含有γ−Fe2O3,Co被着γ−Fe2O3,Fe3O4,Co含有Fe
3O4,Co被着Fe3O4,CrO2等の酸化物磁性体、例えばFe,Ni,
Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Fe−Ni−P合金、Fe−Ni−Co
合金、Fe−Mn−Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−
Cr合金、Fe−Co−Ni−P合金、Co−P合金、Co−Cr合金
等Fe,Ni,Coを主成分とするメタル磁性粉等各種の共磁性
体が挙げられる。これらの金属磁性体に対する添加物と
してはSi,Cu,Zn,Al,P,Mn,Cr等の元素又はこれらの化合
物が含まれていても良い。またバリウムフェライト等の
六方晶系のフェライト、窒化鉄も使用される。
本発明の磁気ディスクの磁性層の耐久性及び耐用性を
向上させるために磁性塗料に各種硬化剤を含有させるこ
とができ、例えばイソシアナートを含有させることがで
きる。
使用できる芳香族イソシアナートは、例えばトリレン
ジイソシアナート(TDI)等及びこれらイソシアナート
と活性水素化合物との付加体などがあり、平均分子量と
しては100〜3,000の範囲のものが好適である。
また脂肪族イソシアナートとしては、ヘキサメチレン
ジイソシアナート(HMDI)等及びこれらイソシアナート
と活性水素化合物の付加体等が挙げられる。これらの脂
肪族イソシアナート及びこれらイソシアナートと活性水
素化合物の付加体などの中でも、好ましいのは分子量が
100〜3,000の範囲のものである。脂肪族イソシアナート
のなかでも非脂環式のイソシアナート及びこれら化合物
と活性水素化合物の付加体が好ましい。
上記磁性層を形成するのに使用される磁性塗料には必
要に応じ研磨剤、マツト剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止
剤等の添加剤を含有させてもよい。
研磨剤としては、一般に使用される材料で鎔融アルミ
ナ、炭化珪素、酸化クロム、コランダム、人造ダイヤモ
ンド、ざくろ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)等が使用される。
マット剤としては、有機質粉末或は無機質粉末を夫々
に或は混合して用いられる。有機質粉末としては、アク
リルスチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メ
ラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が好しいが、
ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、
ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリ弗
化エチレン樹脂粉末等も使用でき、無機質粉末としては
酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニ
ウム、酸化クロム、炭化珪素、炭化カルシウム、α−Fe
2O3、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、窒化硼素、
弗化亜鉛、二酸化モリブデンが挙げられる。
本発明に使用される分散剤としては、レシチン、燐酸
エステル、アミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪
酸アミド、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、
スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸エステル、公知の界面活性
剤等及びこれらの塩があり、また、陰性有機基(例えば
−COOH,−PO3H)を有する重合体分散剤の塩を使用する
こともできる。これら分散剤は1種類のみで用いても、
或は2種類以上を併用してもよい。これらの分散剤はバ
インダー100重量部に対し1〜20重量部の範囲で添加さ
れる。
また、潤滑剤としては、シリコーンオイル、グラファ
イト、カーボンブラックグラフトポリマ、二硫化モリブ
デン、二硫化タングステン、ラウリン酸、ミリスチン
酸、一塩基性脂肪酸と一価のアルコールから成る脂肪酸
エステル等も使用できる。この中で磁気ディスク態様に
於ては脂肪酸エステルが好ましい。これらの潤滑剤はバ
インダ100重量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加さ
れる。
また帯電防止剤としては、カーボンブラックをはじ
め、グラファイト、酸化錫−酸化アンチモン系化合物、
酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン系化合物などの導
電性粉末;サポニンなどの天然界面活性剤;アルキレン
オキサイド系、グリセリン系、グリシドール系などのノ
ニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アン
モニウム塩類、ピリジン、その他の複素環類、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム類などのカチオン界面活性剤;
カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸
エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミ
ノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸
または燐酸エステル類等の両性活性剤などがあげられ
る。
上記塗料に配合される溶媒或はこの塗料の塗布時の希
釈溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケント類;
メタルノール、エタノール、プロパノール、ブタノール
等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、エチレングリコールセノアセテート等
のエステル類;グリコールジメチルエーテル、グリコー
ルモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素:メレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素等のものが使用できる。
また、支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセル
ロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネートなどのプ
ラスチックが挙げられるが、Cu,Al,Zn等の金属、ガラ
ス、BN,Siカーバイド、セラミックなども使用できる。
これらの支持体の厚みは30μm〜10mm程度である。
上記支持体には磁気特性および接着性を向上させるた
めに、カーボンブラックを含有する下塗層を設ける。
磁性塗料あるいは下塗層に含有させるカーボンブラッ
クとしては、導電性を付与するカーボンブラック(以
下、CB1と称する)をはじめ、磁性層に遮光性を付与す
るカーボンブラック(以下、CB2と称する)が添加され
るのが望ましい。
CB1,CB2を使用する時、両カーボンブラックの各比表
面積を前者については200〜500m2/g(更には200〜300m2
/g)、後者については40〜200m2/gとするのが望まし
い。CB1の比表面積が20m2/g未満であると粒径が大きす
ぎてカーボンブラック添加によっても導電性が不十分と
なり、また500m2/gを越えると粒径が小さすぎて却って
カーボンブラックの分散性が劣化しやすくなる。
CB1としては、例えばコロンビアンカーボン社製のコ
ンダクテックス(Conductex)975,コンダクテックス95
0,カボット・バルカン(Cabot Vulcan)XC−72等が使用
可能である。
またCB2については、比表面積が40m2/g以下であると
粒径が大きすぎて遮光性が悪くなりやすく、その添加量
を必要以上に増大させる必要があり、また、200m2/g以
上であると粒径が小さすぎて層中への分散性が悪くなり
易い。このような遮光用カーボンブラックCB2として
は、例えばコロンビアンカーボン社製のラーベン(Rave
n)2000,2100,1170,1000,#100,#75,#44,#40,#35,
#30等が使用可能である。
上記の各カーボンブラックの混合比率(重量比)には
一定の好ましい範囲があり、CB1/CB2=90/10〜50/50が
よく、80/20〜60/40が更によい。
また下塗層として塗布されるカーボンブラック分散液
は、カーボンブラック100重量部に対し、バインダ樹脂5
0〜150重量部を溶剤を介して分散混練して作成される。
バインダ樹脂としては、セルロースナイトレート、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂等が考えら
れる。混合比に関しては、選択されるカーボンブラック
により広く選ぶことができ、溶剤についてもメチルエチ
ルケトン、トルエン、シクロヘキサン等、種類、配合比
とも広く選択できる。
また、下塗層には上に限らず、分散剤、研磨剤等が含
有されてよく、塗布膜厚は0.2〜2.0μm(より好ましく
は0.3〜1.0μm)の範囲が望ましい。
支持体上に上記磁性層を形成するための塗布方法とし
ては、エアードクタコート、ブレードコート、エアーナ
イフコート、スクィズコート、含浸コート、リバースロ
ールコート、トランスファロールコート、グラビアコー
ト、キスコート、キャストコート、スプレイコート等が
利用できるがこれらに限らない。
〔実施例〕
本発明を実施例を用いて説明するが、これによって本
発明の実施態様は限定されない。なお下記の実施例にお
いて、「部」は全て重量部を表す。
下記の基本処方を分散させた後、表−1に示す0.3μ
mの下塗層を有する75μm厚の非磁性支持体上に2.5μ
mの厚さに塗布し、ディスク状磁気記録媒体を得た。表
−1において、実−1〜5は本発明に係わる塩化ビニル
系樹脂およびカーボンブラックを含有する下塗布を設け
た本発明に係わる磁気記録媒体の具体例であり、比−1,
2は下塗層にカーボンブラックを含有しない磁気記録媒
体の比較具体例、 そして、比−3は実−1において塩化ビニル樹脂(日
本ゼオン社製MR−110)に代えてスルホン酸ナトリウム
塩およびエポキシ基を有する塩化ビニル樹脂(水酸基を
有しない)を使用した比較具体例、 比−4は実−1において塩化ビニル樹脂に代えてスル
ホン酸ナトリウム塩および水酸基を有する塩化ビニル樹
脂(エポキシ基を有しない)を使用した比較具体例、お
よび 比−5は実−1において塩化ビニル樹脂に代えてエポ
キシ基および水酸基を有する塩化ビニル樹脂(スルホン
酸ナトリウム塩を有しない)を使用した比較具体例であ
る。
Co被着型γ酸化鉄 100部 アルミナ 10部 カーボンブラック 12部 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製 MR−110) 20部 ウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業社製 N−2304)
9部 多価イソシアナート(日本ポリウレタン工業社製コロネ
ートL) 9部 脂肪酸エステル(ブチルステアレートS) 8部 混合溶剤 400部 得られた各磁気記録媒体の表面電気抵抗、光透過率、
摩擦係数および接着力を測定した。結果を表−2に示
す。
<摩擦係数> 磁気ヘッドに20gの荷重をかけ、ディスクを300回転さ
せた状態で測定する。
<接着力> 磁気記録媒体作成前の塗布シートを1/2吋幅に裁断し
たものに、粘着テープを貼り付け180゜剥離しオートグ
ラフで剥離強度(g)を測定する。
表−2の結果より明らかなように、カーボンブラック
を含有する下塗層を設けることにより、ディスク状磁気
記録媒体の透過率、表面電気抵抗を減少させ、磁性層と
非磁性支持体との接着強度を強め、かつ磁性層の摩擦係
数を低減することができる。さらに本発明に係わる塩化
ビニル樹脂以外の樹脂を使用した場合、その樹脂が本発
明に係わる樹脂が有する基の2つまでを有しても、例え
ば表面電気抵抗が一応満足し得ても摩擦係数が高く実用
に達し得ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 建一 東京都日野市さくら町1番地 小西六写 真工業株式会社内 審査官 蔵野 雅昭 (56)参考文献 特開 昭62−214514(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体粒子を分散した酸性基(塩も含
    む)、エポキシ基および水酸基を有する塩化ビニル系樹
    脂含有磁性層を、カーボンブラックを含有する下塗層を
    設けた非磁性基板上に形成してなることを特徴とするデ
    ィスク状磁気記録媒体。
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