JPH08289792A - ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼcDNA、その細菌中での発現及び酵素活性ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼの回収方法 - Google Patents

ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼcDNA、その細菌中での発現及び酵素活性ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼの回収方法

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JPH08289792A JP8008627A JP862796A JPH08289792A JP H08289792 A JPH08289792 A JP H08289792A JP 8008627 A JP8008627 A JP 8008627A JP 862796 A JP862796 A JP 862796A JP H08289792 A JPH08289792 A JP H08289792A
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manganese superoxide
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スーパーオキシドラジカルによって生じる細
胞傷害を低減させ得る新規な細菌産生ヒトマンガンスー
パーオキシドジスムターゼの提供。 【解決手段】 第1図のアミノ酸配列の部分をもつ198
個のアミノ酸を含み、該配列のN-末端が第1図のヌクレ
オチド 115−117 でコードされるリジンであり、該配列
の COOH 末端が第1図のヌクレオチド706 −708 でコー
ドされるリジンであることを特徴とする細菌産生ポリペ
プチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本明細
書では種々の刊行物を参考文献として括弧内の数字で紹
介し、これら参考文献の完全目録を明細書の発明の詳細
な説明の末尾に添付した。本発明の出願された時点で当
業者に公知の技術状態を完全に理解するために、これら
参考文献の開示内容全部が本明細書に含まれるものとす
る。
【0002】スーパーオキシドジスムターゼ(SOD) と酸
素遊離ラジカル(O2 - ) の現象とは1968年にMcCord及び
Fridovich(1)によって発見された。スーパーオキシドラ
ジカル及びその他の高度に反応性の酸素種は全ての呼吸
細胞中で種々の高分子及び細胞成分に対する酸化性損傷
の副生物として産生される(参考文献2,3 )。スーパー
オキシドジスムターゼとして公知の金属タンパク質のグ
ループは酸化還元反応2O2 - +2H+ →H2 2 +O
2 を触媒し酸素毒性に対する防御メカニズムを与える。
【0003】異なる金属及び異なるタンパク質を含む複
数の形態のSOD が公知である。SOD中に存在する金属と
しては鉄、マンガン、銅及び亜鉛がある。公知形態のSO
D は全て同じ反応を触媒する。これら酵素は幾つかの進
化的グループで検出される。鉄を含有するスーパーオキ
シドジスムターゼは主として原核細胞中で検出される。
銅及び亜鉛を含有するスーパーオキシドジスムターゼは
実質的に全ての真核生物中で検出される(4) 。マンガン
を含有するスーパーオキシドジスムターゼは微生物から
ヒトまでの生物中に検出された。
【0004】全ての生体高分子は過剰のスーパーオキシ
ドラジカルの損傷作用の標的となり得るので、SOD の潜
在的治療能力の研究が盛んになって来ている。科学文献
はSOD の臨床用途が広いことを示唆している。これら
は、発癌及び腫瘍増殖の阻止、抗癌剤の細胞薬害及び心
臓薬害の低減(10)、虚血組織の保護(12)及び精子の保護
(13)を含む。更に、老化過程でのSOD の効果の研究も重
要である(14)。
【0005】しかし乍らヒトSOD が少量しか入手できな
いことがヒトSOD の治療能力に関する研究の主な障害に
なっている。
【0006】スーパーオキシドジスムターゼはまたその
抗炎症特性のために重要である(11)。ウシ由来のスーパ
ーオキシドジスムターゼ(オルゴテイン)は抗炎症特性
をもつことが認められておりヨーロッパの一部でヒト用
の薬剤として市販されている。また、米国では、特に炎
症を起こしたウマの腱を治療する獣医薬として販売され
ている。しかし乍らオルゴテインの供給量も限られてい
る。ウシ又はその他の動物細胞からの回収を含めて従来
技術には重大な制約があり、このような細胞から得られ
たオルゴテインはヒト由来でないためヒトではアレルギ
ー反応を起こす可能性もある。
【0007】銅亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(CuZ
n SOD)は種々の形態のスーパーオキシドジスムターゼの
うちで最も研究が進み、その特性も最も解明されてい
る。
【0008】ヒトCuZn SODは、非共有的に結合した同一
のサブユニットから成り、各サブユニットが分子量16,0
00ダルトンで銅1原子と亜鉛1原子とを含む二量体金属
タンパク質である(5) 。各サブユニットは153 個のアミ
ノ酸から成りその配列は解明されている(6,7) 。
【0009】ヒトCuZnスーパーオキシドジスムターゼを
コードするcDNAがクローニングされた(8) 。クローン化
DNA の全配列も決定された(9) 。更に、細菌中でスーパ
ーオキシドジスムターゼを産生及び回収するためのスー
パーオキシドジスムターゼをコードするDNA を含む発現
ベクターも記載されている(24,25) 。スーパーオキシド
ジスムターゼDNA の発現及びその酵母中でのSOD の産生
も開示された(26)。
【0010】最近、ヒト染色体21上のCuZn SOD遺伝子座
が決定され(27)、CuZnスーパーオキシドジスムターゼに
関する最近の研究成果がまとめられた(28)。
【0011】マンガンスーパージスムターゼ(MnSOD) に
ついてはまだ未知の部分が多い。大腸菌(E.coli )K-12
のMnSOD が最近クローニングされその地図が作成された
(22)。Barra 等はヒト肝臓細胞から単離されたMnSOD ポ
リペプチドの196 個のアミノ酸配列を開示している(1
9)。しかし乍ら従来技術の開示では、MnSOD 分子の構造
について、特に該構造の同一のポリペプチドサブユニッ
トが2つであるか4つであるかについて意見が分かれて
いる(19,23) 。しかし乍ら、MnSOD ポリペプチドとCuZn
SOD ポリペプチドとが相同でないことについては一致し
ている(19)。種々のソースからのMnSOD とFeSOD とのア
ミノ酸配列の相同性も比較されている(18)。
【0012】Baret 等はラットモデルに於いて、ヒトMn
SOD の半減期がヒトCuSOD の半減期より実質的に長いこ
とを開示している。彼等はまた、ラットモデルに於い
て、ヒトMnSOD とラット銅SOD とは抗炎症剤として有効
でないが、ウシCuSOD とヒトCuSOD とが完全に有効であ
ることを開示している(20)。
【0013】McCord等は、in vitro試験では天然産生ヒ
トマンガンスーパーオキシドジスムターゼが食作用を行
なうヒト多形核(PMN) 白血球をウシ又はブタのCuZnスー
パーオキシドジスムターゼよりも十分にスーパーオキシ
ド遊離ラジカルから保護することを開示している(21)。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はヒトマンガンス
ーパーオキシドジスムターゼポリペプチドもしくはその
類似体又はそれらの突然変異体をコードするcDNA分子の
調製に係る。本発明はまた、該cDNAを有効な細菌発現ベ
クターに挿入し、細菌中にヒトMnSOD ポリペプチド、そ
の類似体、その突然変異体及び酵素を産生し、細菌産生
ヒトMnSOD ポリペプチド、その類似体、その突然変異体
又は酵素を回収することを目的とする。本発明はまた、
このように回収されたヒトMnSOD ポリペプチド、その類
似体又はその突然変異体とそれらの使用とに係る。
【0015】本発明は更に、細菌中での酵素活性ヒトMn
SOD の産生方法及びこのような酵素活性ヒトMnSOD の回
収及び精製方法に係る。
【0016】本発明はまた、スーパーオキシドラジカル
が過酸化水素と分子酸素とに還元されるときの触媒の機
能を果たすヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼ
もしくはその類似体又はそれらの突然変異体の使用に係
る。特に、本発明は虚血後の再潅流傷害を低減し、摘出
単離器官の生存期間を延長するための細菌産生MnSODも
しくはその類似体又はそれらの突然変異体の使用に係
る。本発明はまた、炎症治療のための細菌産生MnSOD も
しくはその類似体又はそれらの突然変異体の使用に係
る。
【0017】
【発明の実施の形態】ヒトマンガンスーパーオキシドジ
スムターゼポリペプチドもしくはその類似体又はそれら
の突然変異体をコードするcDNAを含むDNA 分子がヒトT-
細胞ライブラリーから単離された。ヒトマンガンスーパ
ーオキシドジスムターゼポリペプチドもしくはその類似
体又はそれらの突然変異体をコードする二重鎖のヌクレ
オチド配列が発見された。該ポリペプチドもしくはその
類似体をコードする1つの鎖の配列は第1図のヌクレオ
チド115 から下流にヌクレオチド708 までの配列であ
る。類似体又はそれらの突然変異体をコードする別の配
列は該ポリペプチドをコードする鎖と実質的に同様であ
ろう。24個のアミノ酸プレペプチドをコードする二重鎖
DNA 分子の1つの鎖のヌクレオチド配列は同じく第1図
にヌクレオチド43からヌクレオチド114 で示される。
【0018】ヒトマンガンスーパーオキシドジスムター
ゼポリペプチドもしくはその類似体又はそれらの突然変
異体をコードする配列をもつヌクレオチド鎖を含む二重
鎖DNA 分子又はその他の任意の二重鎖DNA をプラスミド
又はウィルスの如きクローニングベヒクルに組み込んで
もよい。いずれのDNA 分子も、原核細胞例えば細菌又は
真核細胞例えば酵母もしくは哺乳動物に公知方法で導入
され得る。この公知方法はいずれかの分子を含むクロー
ニングベヒクルを使用する方法でもよいがこの方法に限
定はされない。
【0019】好ましくはヒトマンガンスーパーオキシド
ジスムターゼポリペプチドもしくはその類似体又はそれ
らの突然変異体をコードするcDNA又はDNA をプラスミド
例えばpMSE-4又はpMS ΔRB4 に組み込んで、次にDNA が
発現できる適当な宿主細胞に導入し、ヒトマンガンスー
パーオキシドジスムターゼ(hMnSOD)ポリペプチドもしく
はその類似体又はそれらの突然変異体を産生する。好ま
しい宿主細胞は大腸菌(Escherichia coli ) 、特に大腸
菌A4255 株及び大腸菌A1645 株である。大腸菌A4255 株
中のプラスミドpMSE-4はAmerican Type Culture Collec
tionにATCC受託番号No.53250で寄託された。プラスミド
pMS ΔRB4 は第4図に示し図面に関する説明に記載のご
とく調製され得る。
【0020】かかるDNA 分子が導入された細胞を、DNA
をmRNAに転写しmRNAをタンパク質として発現させ得る適
当な条件下で当業者に公知の方法で培養又は増殖させ
る。得られたマンガンスーパーオキシドジスムターゼタ
ンパク質を回収する。
【0021】ヒトMnSOD もしくはその類似体又はそれら
の突然変異体と適当な担体とを含む獣医薬又は医薬組成
物を調製することも可能である。このヒトマンガンスー
パーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又はそれ
らの突然変異体は以下の反応を触媒するために使用され
得る。
【0022】2O2 - +2H+ →H2 2 +O2 これによりスーパーオキシドラジカルによって生じる細
胞傷害が低減する。
【0023】より特定的には、これら酵素もしくはその
類似体又はそれらの突然変異体は、虚血後の再潅流によ
って生じる傷害を低減するため、摘出単離器官の生存時
間を延長するため又は炎症治療に使用され得る。
【0024】本発明の目的は、酵素活性ヒトマンガンス
ーパーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又はそ
れらの突然変異体を細菌細胞中で産生する方法を提供す
ることである。細菌細胞は、マンガンスーパーオキシド
ジスムターゼもしくはその類似体又はそれらの突然変異
体をコードするDNA 配列を含み該配列を発現し得る。本
発明方法では、細菌細胞を適当な産生培地中で適当な条
件下に維持する。培地中で細胞が利用できるMn2+の濃度
が約2ppmを上回るように産生培地にMn2+を補給する。
【0025】本発明の好適具体例に於いて、細菌細胞は
ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼポリペプチ
ドをコードするDNA 配列を含むプラスミド、例えばpMSE
-4又はpMS RB4 を含む大腸菌細胞、例えば大腸菌A4255
株である。産生培地中のMn2+の濃度範囲は約50ppm 〜約
1500ppm であり、好ましくは150ppm及び750ppmである。
【0026】本発明は更に、マンガンスーパーオキシド
ジスムターゼもしくはその類似体又はそれらの突然変異
体を含有細菌細胞から回収する方法に係る。ヒトマンガ
ンスーパーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又
はそれらの突然変異体を含む細胞中に存在するタンパク
質を含むタンパク質画分を回収すべく細胞を先ず処理
し、次にタンパク質画分を処理してヒトマンガンスーパ
ーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又はそれら
の突然変異体を回収する。本発明の好適具体例に於いて
は、細胞を先ず処理して不溶タンパク質と細胞壁破片と
から可溶タンパク質を分離し、次に可溶タンパク質を回
収する。次に可溶タンパク質を処理して、hMnSODもしく
はその類似体又はそれらの突然変異体を含む可溶タンパ
ク質の画分を分離例えば沈澱させ、hMnSODもしくはその
類似体又はそれらの突然変異体を含む画分を回収する。
回収した可溶タンパク質画分を次に処理してヒトマンガ
ンスーパーオキシドジスムターゼ又はその類似体を分離
回収する。
【0027】より好ましい方法によれば、ヒトマンガン
スーパーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又は
それらの突然変異体を含有する細菌細胞からヒトマンガ
ンスーパーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又
はそれらの突然変異体を回収する。該方法では先ず産生
培地から細菌細胞を単離し、pH約 7.0〜8.0 の適当な溶
液に懸濁させる。次に細胞を破壊し遠心して得られた上
清を55〜65℃で約30〜120 分間、好ましくは58〜62℃で
45〜75分間、より好ましくは60℃で1時間加熱し、10℃
未満好ましくは約4℃まで冷却する。形成された沈澱物
を例えば遠心によって完全に除去し、冷却された上清を
適当なバッファ、例えばpH約7.8 の2mM燐酸カリウムバ
ッファに透析する。好ましくは30K より小さい濾過膜を
使用し限外濾過によって透析する。透析と同時又は透析
後に、冷却した上清を適当な容量、例えば初期容量の0.
03まで任意に濃縮してもよい。保持物(retentate) を適
当なバッファ溶液例えばpH約7.8 の20mM以上の燐酸カリ
ウムバッファ溶液でアニオン交換クロマトグラフィーカ
ラムから溶出する。スーパーオキシドジスムターゼを含
む溶出物の画分を収集し、プールし、pH5.5 の約40mMの
酢酸カリウムに透析する。透析したプール画分をpH5.5
の約40〜約200mM の酢酸カリウムの直線濃度勾配をもつ
カチオン交換クロマトグラフィーカラムで溶出する。ス
ーパーオキシドジスムターゼを含むピーク画分を収集
し、プールする。プールしたピーク画分を任意に適当な
溶液、例えば水又はpH約7.8 の約10mM燐酸カリウムバッ
ファのバッファ溶液に透析する。
【0028】本発明はまた、本発明の方法で産生され精
製された酵素活性ヒトマンガンスーパーオキシドジスム
ターゼもしくはその類似体例えばmet-hMnSOD又はそれら
の突然変異体に係る。
【0029】図面の説明 第1図。ヒトMnSODcDNA の配列 第1図はヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼを
コードする二重鎖DNA分子の1 つの鎖のヌクレオチド配
列と該DNA 配列に対応するヒトMnSOD の198 個のアミノ
酸配列とを示す。第1図はまた、24個のアミノ酸から成
る、成熟ヒトMnSOD に対するプレペプチドをコードする
二重鎖DNA 分子の1 つの鎖のヌクレオチド配列と該DNA
配列に対応するアミノ酸配列とを示す。また5'及び3'の
未翻訳配列を示す。
【0030】第2図。pMSE-4: ヒトMnSOD 発現プラスミ
ドの構築 Eco R I(R1 ) インサートにMnSOD を含むプラスミドpM
S8-4をNde IとNar I制限酵素で完全消化した。大きい
断片を単離し第2図に示すように合成オリゴマーと結合
した。得られたプラスミドpMS8-NN はATG 開始コドンの
直後に成熟MnSOD のコード領域を含む。このプラスミド
Eco R Iで消化し、Polymerase IのKlenow断片で末端
を充填し、 更にNde Iで開裂した。MnSOD 遺伝子を担持
する小さい断片をNde IとStu Iとによって処理したpS
ODα13に挿入した。pSODα13は、1984年8 月27日出願の
米国特許出願第644245号に開示された方法で得られる。
該特許出願は本明細書に含まれるものとする。この結果
得られたプラスミドpMSE-4はλPL プロモータのコント
ロール下でcII リボソーム結合部位の直後にMnSODコー
ド領域を含む。プラスミドpMSE-4はAmerican Type Cult
ure CollectionにATCC受託番号No.53250で寄託されてい
る。
【0031】第3図。大腸菌中で産生されたSOD の活性
に対するMn 2+の濃度の影響 第3図のチャート図は、非誘発条件(32℃)及び誘発条
件(42℃)下でプラスミドpMSE-4を含む大腸菌A4255 株
によって産生された組換体可溶性MnSOD の比活性(単位
/mg)と増殖培地中のMn2+濃度(ppm) との相関関係を示
す。
【0032】第4図。pMS RB4:ヒトMnSOD 発現プラスミ
ドの構築 pSODβ1 T-11 をEco R Iで完全消化しBam H I制限酵
素で部分開裂することによって TetR 発現ベクターp Δ
RBを調製した。pSODβ1 T-11はAmerican TypeCulture C
ollection(ATCC)に受託番号No.53468で寄託されてい
る。消化されたプラスミドを合成オリゴマー 5'-AATTCCCGGGTCTAGATCT-3' 3'- GGGCCCAGATCTAGACTAG-5' と結合しλPL プロモータを含むp ΔRBを調製した。
【0033】cII リボソーム結合部位と成熟酵素の完全
コード配列とを含むMnSOD 発現プラスミドpMSE-4のEco
R I断片をp ΔRBの単一Eco R I部位に挿入した。得ら
れたプラスミドpMS ΔRB4 はλPL のコントロール下の
MnSOD 遺伝子とcII RBS を含みテトラサイクリン耐性で
あった。
【0034】詳細な説明 ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼポリペプチ
ドもしくはその類似体又はそれらの突然変異体をコード
するcDNAを含む二重鎖DNA 分子がヒトT-細胞DNA ライブ
ラリーから単離された。ヒトマンガンスーパーオキシド
ジスムターゼポリペプチドもしくはその類似体又はそれ
らの突然変異体をコードする二重鎖DNA分子のヌクレオ
チド配列が発見された。ヒトマンガンスーパーオキシド
ジスムターゼポリペプチドもしくはその類似体をコード
するDNA 分子の1つの鎖の配列は第1図に示されており
ヌクレオチド115 から708 までを含む。hMnSOD類似体又
はそれらの突然変異体をコードする1つの鎖の配列はhM
nSODポリペプチドをコードする鎖に実質的に等しい。ヒ
トマンガンスーパーオキシドジスムターゼのプレペプチ
ドのヌクレオチド配列も第1図に示されている。ヌクレ
オチド43から114 までがこのプレペプチドをコードす
る。
【0035】ヒトマンガンスーパーオキシドジスムター
ゼポリペプチドもしくはその類似体又はそれらの突然変
異体をコードするcDNAを調製しDNA の配列を決定する方
法は当業者に公知であり詳細に後述する。更に、ヒトマ
ンガンスーパーオキシドジスムターゼをコードするDNA
配列が発見されたので、この配列部分を含むDNA 分子を
調製するために公知の合成方法を使用し得る。
【0036】従来のクローニングベヒクル例えばpBR322
の如きプラスミド、ウィルス又は例えばλの如きバクテ
リオファージはヒトマンガンスーパーオキシドジスムタ
ーゼポリペプチドもしくはその類似体又はそれらの突然
変異体をコードするcDNAを含む新規なクローニングベヒ
クルを産生するように公知方法によって修飾及び操作さ
れ得る。同様にかかるクローニングベヒクルは、1つの
鎖が第1図に示すヒトマンガンスーパーオキシドジスム
ターゼポリペプチドの配列をもつ断片又はこれと実質的
に等しい断片を含むDNA 分子を含むように修飾又は操作
され得る。挿入されるDNA 分子は酵素合成又は化学合成
の如き種々の方法によって調製され得る。
【0037】得られたクローニングベヒクルは、天然に
は産生しない化学物質であり、一般にDNA 組換技術と指
称される最新の技術でしか調製できない。好ましくはク
ローニングベヒクルはプラスミド、例えばpMSE-4又はpM
S ΔRB4 である。これらクローニングベヒクルは形質転
換、トランスフェクション等の当業者に公知の技術を使
用し原核細胞例えば細菌(大腸菌、枯草菌)に導入され
てもよく、又は真核細胞例えば酵母もしくは哺乳動物に
導入されてもよい。従って、クローニングベヒクルが導
入される細胞はクローニングベヒクル中にcDNAが存在す
るときはヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼポ
リペプチドもしくはその類似体又はそれらの突然変異体
をコードするcDNAを含み、クローニングベヒクル中にDN
A が存在するときはそのDNA の1つの鎖の全部又は一部
が第1図のヒトMnSOD ポリペプチドの配列又はこれと実
質的に等しい配列を含む該DNA を含む。
【0038】大腸菌は本発明のクローニングベヒクルの
好ましい宿主細胞である。現状で大腸菌の好ましい栄養
要求菌はプラスミドpApoE-Ex2 を含む大腸菌A1645 であ
る。該大腸菌はAmerican Type Culture Collection、Ro
ckville 、Maryland、USA にATCC受託番号No.39787で寄
託されている。本出願に記載のAmerican Type Culture
Collectionへの寄託はいずれも微生物の寄託の国際的承
認に関するブダペスト条約に従ってなされたものであ
る。
【0039】A1645 はGal+ (ガラクトース発酵能)と
テトラサイクリン耐性の喪失とに基づく選択によってA1
637 から得られた。A1645 はλファージのエレメントを
維持している。その表現型は、C600r- + gal+ thr
- leu- lacZ- bl(λcI857 ΔH1 ΔBamH1N+ )であ
る。
【0040】A1637 はテトラサイクリン耐性遺伝子を含
むトランスポゾンをガラクトースオペロンとcIリプレッ
サー合成を生起させるエレメントを含むλファージのエ
レメントとに導入することによってc600から得られた。
C600はAmerican Type Culture CollectionからATCC受託
番号No.23724として得られる。
【0041】最小培地中で増殖するときでも高いレベル
のポリペプチドを発現し得る大腸菌の原栄養株はマンガ
ンスーパーオキシドジスムターゼをコードする遺伝子の
発現用宿主として更に好ましい。現在の好ましい原栄養
株はA4255 である。プラスミドpMSE-4を含むA4255 株は
American Type Culture CollectionにATCC受託番号No.5
3250で寄託されている。
【0042】得られた細胞はヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼポリペプチドもしくはその類似体又は
それらの突然変異体をコードするDNA を取り込んでお
り、この細胞を当業者に公知の適当な条件下で増殖又は
培養によって適宜処理するとDNA は、そのDNA によって
コードされた遺伝情報の発現を指令する。例えばDNA が
hMnSODポリペプチドもしくはその類似体又はそれらの突
然変異体の発現を指令し、細胞はhMnSODポリペプチドも
しくはその類似体又はそれらの突然変異体を発現させ、
次にこれを回収する。
【0043】本明細書中の「スーパーオキシドジスムタ
ーゼ(SOD) 」なる用語は、受容体としてスーパーオキシ
ド又は酸素遊離ラジカルに作用するか又は不均化反応 2O2 - +2H+ →O2 +H2 2 を触媒する酵素又はポリペプチドを意味する。
【0044】本明細書中の「マンガンスーパーオキシド
ジスムターゼ(MnSOD) 」なる用語は、マンガン元素を任
意の化学的形態で含有するスーパーオキシドジスムター
ゼ分子を意味する。
【0045】本明細書中の「ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼポリペプチド」なる用語は、198 個の
アミノ酸から成りその一部分が第1図のアミノ酸配列で
あるポリペプチドを意味する。配列のN末端は第1図の
ヌクレオチド 115〜117 によってコードされるリジンで
あり、配列のCOOH末端は第1図のヌクレオチド 706〜70
8 によってコードされるリジンである。
【0046】本明細書中の「ポリペプチドマンガン複合
体」なる用語は、ヒトマンガンスーパーオキシドジスム
ターゼポリペプチドを任意の化学的形態のマンガンとの
複合体として含み、天然産生ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼの酵素活性をもつ分子を意味する。
【0047】本明細書中の「ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼ」なる用語は、少なくとも2つのヒト
マンガンスーパーオキシドジスムターゼポリペプチドを
任意の化学的形態のマンガンとの複合体として含み、天
然産生ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼの酵
素活性をもつ分子を意味する。
【0048】本明細書中の「ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼポリペプチド類似体」なる用語は、一
端又は両端に1つ以上の付加アミノ酸が結合したヒトマ
ンガンスーパーオキシドジスムターゼポリペプチドを含
むポリペプチドを意味する。
【0049】本明細書中の「ポリペプチドマンガン複合
体類似体」なる用語は、一端又は両端に結合した1つ以
上の付加アミノ酸を含むポリペプチド部分をもつポリペ
プチドマンガン複合体を含む分子を意味する。
【0050】本明細書中の「ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼ類似体」なる用語は、2つ以上のポリ
ペプチドを任意の化学的形態のマンガンとの複合体とし
て含み、ポリペプチドの少なくとも1つがヒトマンガン
スーパーオキシドジスムターゼポリペプチド類似体であ
り、天然産生ヒトマンガンスーパーオキシドジスムター
ゼの酵素活性をもつ分子を意味する。
【0051】本明細書中の「ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼポリペプチド突然変異体」なる用語
は、ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼポリペ
プチドに実質的に等しいが1つ以上の異なるアミノ酸を
含むアミノ酸配列をもつポリペプチドを意味する。
【0052】本明細書中の「ポリペプチドマンガン複合
体突然変異体」なる用語は、ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼポリペプチド突然変異体を任意の化学
的形態のマンガンとの複合体として含みマンガンスーパ
ーオキシドジスムターゼの酵素活性をもつ分子を意味す
る。
【0053】本明細書中の「ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼ突然変異体」なる用語は、2つ以上の
ポリペプチドを任意の化学的形態のマンガンとの複合体
として含み、ポリペプチドの少なくとも1つがヒトマン
ガンスーパーオキシドジスムターゼポリペプチド突然変
異体であり、天然産生ヒトマンガンスーパーオキシドジ
スムターゼの酵素活性をもつ分子を意味する。
【0054】本発明の一部を構成するhMnSODポリペプチ
ド及びhMnSODの突然変異体は第1図のDNA 配列の突然変
異によって調製され得る。該配列のN 末端はヌクレオチ
ド115 〜117 によってコードされるリジンであり、該配
列のCOOH末端はヌクレオチド706 〜708 によってコード
される。
【0055】DNA は当業者に公知の方法、例えばBauer
等、Gene、37:73-81(1985)の方法で突然変異させ得る。
突然変異した配列を本文に記載の適当な発現ベクターに
挿入し、これを細胞に導入し処理して突然変異DNA がhM
nSODポリペプチド突然変異体とhMnSOD突然変異体との発
現を指令する。
【0056】ヒトマンガンスーパーオキシドジスムター
ゼの酵素活性形態は、少なくとも2つ、場合によっては
4つの等しいサブユニットをもつタンパク質であり、サ
ブユニットの各々が第1図のヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼの配列中のほぼ198 個のアミノ酸をも
ち、配列のN末端が第1図のヌクレオチド115 〜117で
コードされるリジンであり、配列のCOOH末端が第1図の
ヌクレオチド706 〜708 でコードされるリジンであると
推定される。
【0057】ヒトMnSOD もしくはその類似体又はそれら
の突然変異体はヒトマンガンスーパーオキシドジスムタ
ーゼもしくはその類似体又はそれらの突然変異体をコー
ドするDNA 又はcDNAを導入した細胞から調製される。こ
のヒトMnSOD もしくはその類似体又はそれらの突然変異
体は陽子の存在下でスーパーオキシドアニオンの不均化
反応又は一価還元によって式
【0058】
【化1】
【0059】で示される過酸化水素を形成する反応を触
媒する。
【0060】有効量のhMnSOD又は1種類以上のhMnSOD類
似体又はそれらの突然変異体と適当な担体とを含有する
獣医薬及び医薬組成物の調製も可能である。かかる担体
は当業者に公知である。hMnSODもしくはその類似体又は
それらの突然変異体は、炎症にかかった患者を治療する
ため又は虚血もしくは臓器移植後の再潅流のときの酸素
遊離ラジカルによる患者に対する傷害を低減するために
動物又はヒト患者に直接に又は適した組成物の形態で投
与することができる。hMnSODもしくはその類似体又はそ
れらの突然変異体はまた、摘出後の潅流のときの酸素遊
離ラジカルによる単離器官の傷害を低減しこの器官の生
存期間を延長するために、単離器官の潅流媒体に直接添
加されてもよく又は組成物の形態で添加されてもよい。
更に、hMnSODもしくはその類似体又はそれらの突然変異
体は虚血後の再潅流のときの神経傷害を低減するために
使用されてもよく又は気管支肺形成異常の治療に使用さ
れてもよい。
【0061】本発明はまた、細菌細胞中で酵素活性ヒト
マンガンスーパーオキシドジスムターゼもしくはその類
似体又はそれらの突然変異体を産生する方法を提供す
る。細菌細胞はヒトマンガンスーパーオキシドジスムタ
ーゼもしくはその類似体又はそれらの突然変異体をコー
ドするDNA 配列を含み該配列を発現し得る。本発明方法
では、細菌細胞を適当な条件下で適当な産生培地中に維
持する。培地中のMn2+濃度が約2ppmを上回るような量の
Mn2+を産生培地に補給する。
【0062】細菌細胞はDNA 組換技術によってヒトマン
ガンスーパーオキシドジスムターゼをコードするDNA 配
列が導入できるならいかなる細菌でもよい。細菌はDNA
配列を発現しタンパク物質を産生し得る必要がある。細
菌の種及び株に従って適正条件及び産生培地を任意に調
整し得る。
【0063】細菌細胞はプラスミドの如きベクターDNA
分子本体にスーパーオキシドジスムターゼ又は類似体を
コードするDNA 配列を含む必要がある。ベクター即ちプ
ラスミドは分子の適当な位置に取り込まれたSOD をコー
ドする配列をもつようにDNA組換技術によって構築され
得る。
【0064】本発明の好適具体例では細菌細胞が大腸菌
細胞である。大腸菌の好ましい栄養要求株はA1645 であ
る。大腸菌の好ましい原栄養株はA4255 である。本発明
の大腸菌細胞はヒトマンガンスーパーオキシドジスムタ
ーゼもしくはその類似体又はそれらの突然変異体をコー
ドするプラスミドを含む。
【0065】本発明の好適具体例で細菌細胞はプラスミ
ドpMSE-4を含む。このプラスミドの構築方法は図面の説
明に記載されておりプラスミド自体は実施例2に記載さ
れている。このプラスミドはATCC受託番号NO.53250で寄
託されている。
【0066】本発明の別の好適具体例によれば、細菌細
胞がプラスミドpMS ΔRB4 を含む。このプラスミドの構
築方法は図面の説明に記載されておりプラスミド自体は
実施例5に記載されている。このプラスミドはATCC受託
番号No.53468で寄託されたプラスミドpSODβ1 T-11から
構築される。
【0067】本発明の特定具体例に於いて、酵素活性ヒ
トマンガンスーパーオキシドジスムターゼ類似体は、プ
ラスミドpMSE-4を含む大腸菌A4255 株細胞及びプラスミ
ドpMS ΔRB4 を含む大腸菌A4255 株によって産生され
る。
【0068】細菌細胞の適当な産生培地はカゼイン水解
物又はLB(Luria Broth) 培地の如き許容されるいかなる
タイプの増殖培地でもよい。後者の方が好ましい。大腸
菌の株及び大腸菌が含むプラスミドに従って増殖条件を
適宜調整し得る。例えばプラスミドpMSE-4を含む大腸菌
A4255 は42℃で誘発され、この温度で約1〜5時間維持
される。産生段階以前に接種物を増殖させ培養物を所望
濃度まで増殖させ且つ産生期間中に培養物を維持するた
めの適当な温度、時間、撹拌及び通気条件は適宜変化し
得、当業者に公知である。
【0069】酵素活性MnSOD を産生するのに必要な培地
中のMn2+濃度は使用培地の種類によって調整される。
【0070】LB- タイプ増殖培地では150ppm〜750ppmの
Mn2+濃度が有効である。全ての複合タイプの増殖培地で
は、培地中のMn2+濃度は約50〜約1500ppm であるのが好
ましい。
【0071】適当な保存、培養、接種及び産生用培地の
個々の成分を種々に調整し得ることも当業者に公知であ
る。
【0072】本発明はまた、ヒトマンガンスーパーオキ
シドジスムターゼもしくはその類似体又はそれらの突然
変異体を含有する細菌細胞からこれらを回収する方法を
提供する。細胞を先ず処理してヒトマンガンスーパーオ
キシドジスムターゼもしくはその類似体又はそれらの突
然変異体を含む細胞中に存在するタンパク質を含むタン
パク質画分を回収し、このタンパク質画分を処理してヒ
トマンガンスーパーオキシドジスムターゼもしくはその
類似体又はそれらの突然変異体を回収する。
【0073】本発明の好適具体例によれば、細胞を先ず
処理して可溶タンパク質を不溶タンパク質及び細胞壁破
片から分離し次に可溶タンパク質を回収する。このよう
に回収された可溶タンパク質を処理しヒトマンガンスー
パーオキシドジスムターゼもしくはその類似体又はそれ
らの突然変異体を含む可溶タンパク質の画分を分離例え
ば沈澱させ、この画分を回収する。次にこの画分を処理
してヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼもしく
はその類似体又はそれらの突然変異体を分離回収する。
【0074】本発明の好適具体例を以下により詳細に説
明する。先ず、細菌細胞を産生培地から単離しpH約7.0
又は8.0 の適当な溶液に懸濁させる。次に細胞を破壊し
遠心する。得られた上清を約55〜65℃の範囲の温度で約
30〜120 分間、好ましくは58〜62℃で45〜75分間、より
好ましくは60℃で1時間加熱し、10℃未満好ましくは約
4℃に冷却する。冷却中に形成された沈澱物を例えば遠
心によって完全に除去し、次に冷却上清を適当なバッフ
ァに透析する。好ましくは30K 、より好ましくは10K よ
り小さい濾過膜を用いる限外濾過によって冷却上清を透
析する。適当なバッファとしてはpH約7.8 の2mM 燐酸カ
リウムバッファがある。この透析と同時又は透析後に、
冷却上清を適当な容量に任意に濃縮し得る。例えば上清
の初期容量の0.03容に濃縮するのが有利である。次に保
持物を適当なバッファ溶液例えばpH約7.8 の少なくとも
20mMの燐酸カリウムバッファ溶液を用い、アニオン交換
クロマトグラフィーカラムから溶出する。スーパーオキ
シドジスムターゼを含む溶出物の画分を収集しプール
し、pH5.5 の約40mM酢酸カリウムに透析する。透析した
プール画分をpH5.5 の約40〜約200mM 酢酸カリウム(KOA
C)直線勾配をもつカチオン交換クロマトグラフィーカラ
ムから溶出する。スーパーオキシドジスムターゼを含む
ピーク画分を収集しプールする。プールしたピーク画分
を適当な溶液例えば水又はpH約7.8 の約10mMの燐酸カリ
ウムのバッファ溶液で任意に透析してもよい。
【0075】本発明はまた、本発明方法によって産生さ
れる精製された即ち実質的にヒト由来の別の物質を含ま
ないヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼもしく
はその類似体又はそれらの突然変異体に係る。特に本発
明は、2つ以上のポリペプチドを含み、このポリペプチ
ドの少なくとも1つが第1図のアミノ酸配列をもち、該
配列のN末端が第1図のヌクレオチド115 〜117 でコー
ドされるリジンであり、該配列のCOOH末端が第1図のヌ
クレオチド706 〜708 でコードされるリジンであり、該
配列のN末端に付加メチオニン残基が結合している(Met
-hMnSOD)ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼ類
似体に係る。本発明の好適具体例は比活性3500単位/l
をもつ精製Met-hMnSODである。
【0076】実施例 以下の実施例は本発明の理解を助けるための記載であ
り、本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならな
い。実施例はベクター構築、ポリペプチドをコードする
遺伝子の該ベクター内挿入、又は、得られたプラスミド
の宿主内導入の従来方法に関する詳細な記載を含まな
い。実施例はまたかかる宿主ベクター系によって産生さ
れるポリペプチドの検定に使用される従来方法又は等電
点フォーカシング(IEF) ゲルの活性染色によるかかるポ
リペプチドの同定に使用される従来方法についても詳細
に説明しない。かかる方法は当業者に公知であり多くの
文献に記載されている。これら文献の例を以下に挙げ
る。
【0077】T.Maniatis、E.F.Fritsch 及びJ.Somobroo
k 、Molecular Cloning:A LaboratoryManual 、Cold Sp
ring Harbor Laboratory 、New York(1982):J.M.McCord
及びI.Fridovich 、J.Biol.Chem. 244:6049-55(1969):
C.Beauchamp 及びI.Fridovich 、Anal.Biochem.44:276-
87(1971)。
【0078】実施例1 MnSOD cDNAクローンを同定するために、公表されている
アミノ酸配列(18,19)に従って混合オリゴマープローブ
を合成した。
【0079】
【化2】
【0080】30個のヌクレオチドから成る5'- プローブ
は成熟MnSOD のアミノ酸15〜24に対応する。32個のヌク
レオチドから成る3'- プローブは成熟MnSOD のアミノ酸
179〜189 に対応する。5'- プローブは上記のごとく異
なる36個の配列から成る混合プローブである。3'- プロ
ーブは上記のごとく異なる16個の配列から成る混合プロ
ーブである。(所与の位置に1 つ以上のヌクレオチドが
図示されるとき、DNA鎖は図示のヌクレオチドの各々を
等モル量ずつ用いて合成される混合プローブである)。
【0081】λgt-10 ベクターにクローニングされたT-
細胞cDNAライブラリーの300,000 のプラークを5'- プロ
ーブを使用してスクリーニングした。ニトロセルロース
フィルターに固定したファージプラークレプリカに対す
るハイブリダイゼーションを標準方法(上掲のManiatis
等)を準用し50℃の8 ×SSC 中で16時間行なった。次に
フィルターを50℃の5 ×SSC 及び0.1 %SDS で洗浄し
た。3つの陽性プラークを単離しPhi MS8 、Phi MS1 及
びPhi MS1Jと命名した。
【0082】Phi MS8 及びPhi MS1 から得たDNA のEcoR
I消化物は、双方ともが長さ約800bp のcDNAインサート
をもち5'- 及び3'- 末端のオリゴヌクレオチドプローブ
にハイブリダイズすることが判明した。Phi MS1Jは5'-
末端プローブのみにハイブリダイズする僅か450bp のcD
NAインサートを担持していた。
【0083】3つのファージクローンのEco R Iインサ
ートをpBR322のEco R I部位にサブクローニングすると
夫々pMS8-4、pMS1-4及びpMS1J が得られた。制限解析及
び5'- 及び3'- オリゴヌクレオチドプローブへのハイブ
リダイゼーションによって、pMS8-4及びpMS1-4の双方で
同様のパターンが判明した。双方のプラスミドについて
5'- →3'- 方向の以下の制限地図が推定された。
【0084】
【化3】
【0085】pMS8-4のcDNAインサートの配列を第1図に
示す。予想されるアミノ酸配列は公表されているアミノ
酸配列(19)に比較して3つの位置(AA42 、88、108)でGl
n がGlu で置換されAA123-124 間に2つの付加アミノ酸
Gly 及びTrp がある。pMS1-4及びpMS1J の配列解析よ
り、3つのMnSOD クローンが別々に誘導されることが判
明し、公表アミノ酸配列に比較して上記の違いをもつこ
とが確認された。
【0086】成熟MnSOD のN 末端リジンの上流の配列は
24個のアミノ酸のプレペプチド配列を予想させる。
【0087】実施例2 pMSE-4:Amp R ヒトMnSOD 発現プラスミドの構築 pMSE-4の構築の出発点は実施例1 に記載のごとく得られ
たプラスミドpMS8-4である。Eco R Iインサートにヒト
MnSOD cDNAを含むプラスミドpMS8-4をNde I及びNar
制限酵素で完全消化した。大きい断片を単離し第2図に
示すごとく合成オリゴマーと結合した。得られたプラス
ミドpMS8-NN はATG 開始コドンの直後の成熟MnSOD のコ
ード領域を含んでいた。前記プラスミドをEco R Iで消
化し末端をPolymeraseIのKlenow断片で充填し更にNde
Iで開裂した。MnSOD 遺伝子を含む小さい断片をNde
及びStu Iで処理したpSOD13に挿入した。pSOD13は1984
年8月27日出願の米国特許出願第644245号に記載の方法
で得られる。該特許出願は本明細書に含まれるものとす
る。得られたプラスミドpMSE-4はcII リボソーム結合部
位の直後のMnSOD コード領域を含みλPL プロモータの
コントロール下にある。プラスミドpMSE-4はATCC受託番
号No.53250で寄託されている。上記手順で使用される全
ての方法は上掲のManiatisの方法と実質的に同じであ
る。
【0088】実施例3 組換体ヒトMnSOD の発現 公知方法を用いプラスミドpMSE-4を大腸菌A4255 株に導
入した。pMSE-4を含む大腸菌A4255 株を100 g/mlのア
ンピシリンを含むLuria Broth(LB) 培地で32℃で600nm
の光学密度(OD)が0.7 になるまで増殖させた。誘発は42
℃で行なった。種々の時点でサンプルを採取しドデシル
硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE) で分離した。該ゲルによるとヒトMnSOD レベル
は誘発後の120 分間まで増加し、Coomasie-blue 染色ゲ
ルの走査によって定量するとこの時期に組換体MnSOD タ
ンパク質は全細胞タンパク質の27%を構成していた。W-
375 超音波処理装置でサンプルを90秒間超音波処理し1
0,000gで5分間遠心してタンパク質を可溶(s) 画分と
不溶(p) 画分とに分画すると、産生された殆んどの組換
体MnSOD が不溶であることが判明した。標準方法で検定
すると、誘発された可溶タンパク質画分は誘発されない
同様の画分よりもSOD 活性をすこしだけ多く含むことが
判明した。上掲のMcCord等参照。可溶画分中に検出され
るMnSOD の一部分は明らかに不活性である。これはこの
実施例に記載の条件下で産生されたヒトMnSOD の殆どが
事実上不活性であることを示唆する。
【0089】実施例4 MnSOD の溶解度及び活性に対する増殖培地中のMn 2+濃度
の影響 42℃での誘発の2時間前にpMSE-4を含む大腸菌A4255 の
増殖培地に450ppmまで濃度を増加させ乍らMn2+を添加す
るとヒトMnSOD の総収率に不利な影響を与えないことが
判明した。超音波処理した可溶タンパク質(s) 画分と不
溶タンパク質(p) 画分とをドデシル硫酸ナトリウム−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE) で分析する
と、Mn2+の濃度増加に伴って組換体タンパク質の溶解度
が増加することが判明した(表1)。SOD 活性の定量ア
ッセイ(上掲のMcCord等参照)は、増殖培地中のMn2+
度の増加とMnSOD の溶解度の増加との相関関係があり培
地中のMn2+濃度150ppmで見掛け上最適の溶解度が得られ
ることを示唆する(第3図)。更にMn2+濃度を増加する
とそれまで不活性の可溶酵素が活性化された。これらの
Mn2+レベルで増殖させた誘発培養物の可溶タンパク質画
分は、これらのMn2+レベルで増殖させた非誘発培養物の
可溶タンパク質画分に比較して60倍までのSOD 活性を示
した。等電点フォーカシング(IEF) ゲル(上掲のBeau-c
hamp等参照)の活性染色では多数の形態の組換体MnSOD
が天然のヒト肝臓MnSOD の形態に等しいことが判明し
た。
【0090】pMSE-4を含む大腸菌A1645 によるヒトMnSO
D 産生の結果は上記と同様であった。
【0091】
【表1】
【0092】実施例5 pMS RB4: Tet R ヒトMnSOD 発現プラスミドの構築 Ec oRIで完全消化しBam H I制限酵素で部分開裂してpS
ODβ1 T-11から TetR発現ベクターp ΔRBを生成した。p
SODβ1 T-11はACTT受託番号No.53468で寄託されてい
る。消化されたプラスミドを合成オリゴマー 5'−AATTCCCGGGTCTAGATCT −3' 3'− GGGCCCAGATCTAGACTAG −5' と結合しλPL ロモータを含むp ΔRBを調製した。
【0093】cII リボソーム結合部位と成熟酵素の完全
コード配列とを含むMnSOD 発現プラスミドpMSE-4のEco
R I断片をp ΔRBの唯1 つのEco R I部位に挿入した。
得られたプラスミドpMS ΔRB4 はλPL のコントロール
下のMnSOD 遺伝子及びcII RBS を含みテトラサイクリン
耐性(第4図)である。
【0094】実施例6 pMS RB4 からのヒトMnSOD の発現 公知方法を用い大腸菌A4255 株にプラスミドpMS ΔRB4
を導入した。種々の濃度のMn2+を含むLuria Broth(LB)
培地中で32℃で600nm の光学密度(OD)が6.7 になるまで
培養物を増殖させた。42℃で誘発した。種々の時点でサ
ンプルを採取しSDS −PAGEの電気泳動にかけた。hMnSOD
レベルは120 分間までは誘発時間に伴って増加し、この
時期にCoomasie Blue 染色ゲルの走査によって定量する
と総細胞タンパク質の約15%を含んでいた。
【0095】増殖培地中のMn2+濃度にかかわりなく誘発
MnSOD は可溶であった。これは AmpR プラスミドpMSE-4
での観察と対照的である(実施例4参照)。しかし乍ら
最大SOD 活性及び発現レベルはMn2+の補給量に依存した
(表2)。
【0096】
【表2】
【0097】実施例7 酵素活性組換体ヒトMnSOD の精製 プラスミドpMS ΔRB4 を含む大腸菌A4255 株を750ppmの
Mn2+を補給したLB中で32℃でA600が17.0になるまで発酵
させた。温度を42℃にし2時間維持してヒトMnSOD の発
現を誘発した。この時期に培養物のA600は43.0に達して
いた。細胞を遠心によって回収し、250mM のNaClを含む
pH7.8 の50mMの燐酸カリウムバッファの出発容量の0.2
容で再懸濁させた。Dynomillに2回通して細菌を破壊
し、遠心し、細胞破片を廃棄した。上清を60℃で1時間
加熱し、4℃に冷却し、透明な上清を初期容量の0.03容
に濃縮し、10K 膜を備えたPelicon 限外濾過装置でpH7.
8 の2mM の燐酸バッファに透析した。粗酵素調製物をDE
52カラムに充填しpH7.8 の2mM 燐酸カリウムバッファで
完全に洗い、pH7.8 の20mMの燐酸カリウムバッファで溶
出した。酵素を含有するプール画分をpH5.5 の40mMの酢
酸カリウムに透析し、CM52カラムに充填しpH5.5 の40〜
200mM 酢酸カリウムの直線勾配で溶出した。ヒトMnSOD
を含むピーク画分をプールし、pH7.8 の10mM燐酸カリウ
ムバッファに調整したH2 Oに透析し−20℃で凍結し
た。
【0098】得られた組換体ヒトMnSOD は純度99%以上
であり比活性約3500単位/lであった。精製手順の総収
率は約30%であった(表3)。
【0099】精製酵素の配列決定によって公知のヒトMn
SOD (19)に比較してN末端アミノ酸に付加メチオニンが
存在することが判明した。
【0100】原子吸収によって金属含量を分析すると、
酵素サブユニット当たり約0.77原子Mnが存在していた。
これは公表データと一致する(23)。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1A】ヒトMnSOD cDNAの配列を示す。
【図1B】ヒトMnSOD cDNAの配列を示す。
【図2】ヒトMnSOD 発現プラスミドpMSE-4の構築を示
す。
【図3】大腸菌中で産生されるSOD の活性に及ぼすMn2+
の濃度の影響を示す。
【図4】ヒトMnSOD 発現プラスミドpMS ΔRB4 の構築を
示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/44 ADU A61K 37/50 ADU AED AED (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/02 C12R 1:19)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1図のアミノ酸配列の部分をもつ198
    個のアミノ酸を含み、該配列のN-末端が第1図のヌクレ
    オチド 115−117 でコードされるリジンであり、該配列
    の COOH 末端が第1図のヌクレオチド706 −708 でコー
    ドされるリジンであることを特徴とする細菌産生ポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 第1図のヌクレオチド番号115 から下流
    にヌクレオチド番号708 までのDNA 配列の細菌内発現に
    よって得られたヒトマンガンスーパーオキシドジスムタ
    ーゼ又はその類似体。
  3. 【請求項3】 ヒト由来の他の物質を実質的に含まない
    ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼ。
  4. 【請求項4】 少なくとも2つのヒトマンガンスーパー
    オキシドジスムターゼポリペプチドを含むヒトマンガン
    スーパーオキシドジスムターゼ活性をもつ天然産生でな
    い分子。
  5. 【請求項5】 198個のアミノ酸を含むポリペプチドで
    あり、そのアミノ酸配列の一部分が第1図の配列をも
    ち、該配列のN-末端が第1図のヌクレオチド115 −117
    によってコードされるリジンであり、該配列のCOOH末端
    が第1図のヌクレオチド 706−708 によってコードされ
    るリジンであることを特徴とするヒトマンガンスーパー
    オキシドジスムターゼポリペプチド。
  6. 【請求項6】 少なくとも2つのポリペプチドを任意の
    化学的形態のマンガンとの複合体として含み、該ポリペ
    プチドの少なくとも一方がヒトマンガンスーパーオキシ
    ドジスムターゼポリペプチド類似体であり、天然産生ヒ
    トマンガンスーパーオキシドジスムターゼの酵素活性を
    もつことを特徴とするヒトマンガンスーパーオキシドジ
    スムターゼ類似体。
  7. 【請求項7】 少なくとも2つのポリペプチドを任意の
    化学的形態のマンガンとの複合体として含み、該ポリペ
    プチドの少なくとも1つがヒトマンガンスーパーオキシ
    ドジスムターゼポリペプチド突然変異体であり、天然産
    生ヒトマンガンスーパーオキシドジスムターゼの酵素活
    性をもつことを特徴とするヒトマンガンスーパーオキシ
    ドジスムターゼ突然変異体。
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