JPH0643341B2 - 臓器機能改善剤 - Google Patents

臓器機能改善剤

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JPH0643341B2
JPH0643341B2 JP61067232A JP6723286A JPH0643341B2 JP H0643341 B2 JPH0643341 B2 JP H0643341B2 JP 61067232 A JP61067232 A JP 61067232A JP 6723286 A JP6723286 A JP 6723286A JP H0643341 B2 JPH0643341 B2 JP H0643341B2
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kidney
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紀夫 大津
一郎 中越
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Ube Industries Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は臓器機能改善剤に関する。さらに詳しくは、単
細胞微生物特にヒト銅、亜鉛型スーパーオキシドジスム
ターゼ(またはヒト銅・亜鉛スーパーオキシドジスムタ
ーゼともいう)構造遺伝子を有する組換えDNAで形質
転換された単細胞微生物中で産生されたヒトスーパーオ
キシドデイスムターゼと実質的に同一のアミノ酸配列を
有するポリペプチドを活性成分とする臓器機能改善剤に
関する。
スーパーオキシドデイスムターゼ(以下SODと略す)
は、次式に示す不均化反応により、スーパーオキシド
(・O )を消失させる酵素である。
・O +・O +2H→O+H スーパーオキシドは、生体における酸素毒性の中で最も
毒性の高い分子種で、炎症、未熟児酸素網膜症、放射線
障害、ガンなどの疾病を引き起こすと言われている。
ところで、近年、心臓、腎臓、肝臓、膵臓などの臓器移
植が行なわれるようになっているが、これらの臓器の移
植においては移植臓器の血流を一時的に遮断し、血液凝
固防止のためヘパリンかリンゲル液などの潅流する必要
がある。
しかして、潅流された移植臓器は生体へ移植されるまで
血液の供給を受けることが出来ないので、酸素不足とな
り、この際に電子伝達系から自由電子が放出され、移植
臓器中に活性酸素がつくられることになるという不都合
が生じる。
また、生体へ移植された臓器は、移植手術終了後血流の
再開により血液供給を受けるので、その際に移植臓器は
急激に酸素加されて細胞内のPO2(酸素分圧)が上昇
し、活性酸素の産生が高まり組織障害を起こす問題もあ
る。臓器移植後に起こる拒絶反応もこの活性酸素に関係
しているとさえ云われている。
現在、臓器保存については保存剤というものはなく、ま
た拒絶反応については免疫抑制剤が使用されているが種
々の副作用が問題とされている。
一方、特開昭57−141,288号公報には、ヒト細胞スー
パーオキシドデイスムターゼの特異抗体結合担体を用い
て、ヒト細胞からスーパーオキシドデイスムターゼを該
担体に結合させて単離する方法が開示されている。
特開昭57−155,991号公報には、ヒト・胎盤の水抽出
液から40〜50%飽和硫安沈殿画分を除去した後の7
0〜80%飽和硫安上清から、硫安分画、陰イオンクロ
マトグラフイー、ゲルろ過等によってスーパーオキシド
デイスムターゼを取得する方法が開示されている。
また、特開昭59−91,881号公報には、不純な銅亜鉛ス
ーパーオキシドデイスムターゼを含有する溶液を、非極
性ハイポーラスポリマー系樹脂と接触させ、次いで該該
脂を洗浄し、さらに該樹脂に吸着した銅、亜鉛スーパー
オキシドデイスムターゼを溶出して精製する方法が開示
されている。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、前記した方法は原料を多量に入手するこ
とが困難であるし、また比較的入手し易い原料であるヒ
ト胎盤ではSOD含有量が低いなどの欠点があり、工業
生産に適したものとは言い難い。
この点を解決するため、本願出願人は、先に、遺伝子組
換え法によるヒトSODの製造法を提案した。
残された問題は、かくして製造されたヒトSODが実際
に酵素活性および薬理活性を持つか否かを明らかにする
ことであった。
それ故、本発明の目的は、上記残された問題を明らかに
することにある。
本発明の他の目的は、ヒト・スーパーオキシドデイスム
ターゼと実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドを含有する臓器機能改善剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、遺伝子組換え技術によって
製造した上記構造を持つポリペプチドを含有する臓器移
植改善剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明
らかとなろう。
<問題点を解決するための手段及び作用> 本発明によれば、本発明の上記目的及び利点はヒトスー
パーオキシドデイスムターゼと実質的に同一のアミノ酸
配列を有するポリペプチドを活性成分とする臓器機能改
善剤によって達成される。
上記ポリペプチドは、例えばポジテイブレギユレーシヨ
ンサイトを有する形質発現調節遺伝子の下流にヒト銅、
亜鉛型スーパーオキシドデイスムターゼ構造遺伝子を有
する組換えDNAで形質転換された微生物を培養し、培
養物中に蓄積されたヒト銅、亜鉛型スーパーオキシドデ
イスムターゼ(以下ヒトCu,Zn−SODという)を採取
することによって製造される。
上記ヒトCu,Zn−SODのcDNA含成の鋳型として用
いられるmRNAは正常なヒト組織(肝臓、胎盤、腎臓
など)から分離される。組織からのDNAの分離は、フ
エノールークロロホルム法、グアニジニウム−熱フエノ
ール法、グアニジニウム−塩化セシウム法などの公知の
方法(Maniatis,T.ら,Molecular Cloning,187−1
98,1982,Cold Spring Harbor Laboratory)が利
用できる。次いでオリゴ(dT)セルロース、ポリ
(U)セフアロースなどを用いてポリ(A)テイルをも
つmRNAを分離する。
このようにして得られたmRNAは、ヒトCu,Zn−SO
DのmRNAを含んでいるmRNA混合物であるが、こ
れをそのままcDNA合成に用いる。まず、逆転写酵素
を用いmRNAを鋳型として一体鎖cDNAを合成し、
次いで逆転写酵素またはDNAポリメラーゼを用いて二
本鎖cDNAを合成した後、適当なベクターに組込まれ
た形でcDNAを得る。これにはdG−dCまたはdA
−dTホモポリマー結合法(Nelson,T.S.,Method
s in Enzymology,68,41,1979,Academic Pr
ess Inc.)やOkayama-Berg法(Okayama,H.and Ber
g,P.,Mol.Cell.Biol.,2,161,1982)が
利用できる。
この場合のようにmRNA混合物中の目的mRNA含量
が低い場合は、効率の高いOkayama-Berg法が好ましい。
この方法に必要なDNAおよび宿主菌はフアルマシア
P.L.バイオケミカルズ社カタログNo.27−47
50−01として入手できる。
このようにして得られる組換えDNAをたとえばエシエ
リヒア・コリ(Escherichia coli)×1776株あるい
はDH1株(Low,B.,Proc.Natl.Acad.Sci.,60,
160,1968;Meselson,M.and Yuan,P.,Na
ture,217,1110,1968;Hanahan,D.,
J.Mol,Biol,166,557,1983)に導入して
形質転換させる。形質転換法は公知の方法(重定勝哉,
細胞工学、Vol.2,No.3,616,1983)または
それに準ずる方法で行うことができる。アンピシリン耐
性などの薬剤耐性によりまず形質転換体を選別したの
ち、ヒトCu,Zn−SOD遺伝子に対応すると考えられる
塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを化学合成しこれ
32Pで標識してプローブとして用い、公知のコロニ
ーハイブリダイゼーシヨン法(Hanahan.D.ら、Method
s in Enzymology,100,333,1983)により
ポジテイブなシグナルを示した形質転換体を選択する。
これらの形質転換体より常法に従ってプラスミドDNA
を単離し、cDNA部分の塩基配列をMaxam-Gilbert法
(Maxam,A.M.and Gilbert,W.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.,74,560,1977)またはジデオキシ法
(Messing,J.ら,Nucleic Acids Res.,9,309,
1981)によって決定し、ヒトCu,Zn−SOD cD
NAの存在を確認する。確認には、ヒト赤血球より単離
されたCu,Zn−SODのアミノ酸配列(Jabusch,J.
R.,Biochemistry,19,2310,1980)また
はダウン症候群患者に由来する樹立細胞株より分離され
たmRNAから得られたcDNAの塩基配列(Sherma
n,L.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.,80,5465,1
983)を参考にすることができる。
次に、得られたヒトCu,Zn−SODのcDNAを適当な
形質発現調節遺伝子の下流にに連結する。これにはトリ
プトフアンオペロンプロモーター(trpプロモータ
ー)、ラクトースオペロンプロモーター(lacプロモー
ター)、λフアージのPプロモーター、tacプロモー
ターなどの公知のプロモーターが利用される。
しかし、ここで注目すべきことは、生体内にはO
必要とする酵素の存在が知られており(大柳善彦,スー
パーオキサイドと医学,58,1981,共立出版)、
従って、O を消去する作用を持つSODを過剰生産
させることにより宿主菌の生理障害をひき起す可能性が
充分に考えられることである。これを避けるためには、
遺伝子の発現を抑制した状態で細胞を生育させたのち、
適当な条件下にこの抑制を解除させて遺伝子を発現させ
SODを多量の産生させることが好ましい。
エシエリヒア・コリから分離されたプラスミドCol E1上
に存在するコリシンE1遺伝子はコリシンE1タンパク
の産生を支配している遺伝子であり、通常の状態におい
てはリプレツサータンパクがオペレーターに結合するこ
とにより遺伝子の発現は抑制されているが、DNAに損
傷を与えるような処理、たとえば紫外線照射、マイトマ
イシンC処理、ナリジキシン酸処理などによりこの抑制
が解除されて誘発が起り、コリシンE1タンパクが多量
につくられる。これはいわゆる負の制御と呼ばれる調節
機構である。これに加えて、コリシンE1遺伝子には正
の制御も存在しており(調恒明ら、生化学、Vol.56,
No.8,1082,1984)、ユニークな形質発現調
節機構を持つ遺伝子であって、誘発時には正の制御の効
果も加わってきわめて多量のコリシンE1タンパクが産
生される。さらにコリシンE1タンパクはエシエリヒア
・コリに対する抗菌性を機能とするタンパクであって、
通常時の細胞の成育には必要ないタンパクと見なし得る
ものであり、その性質上、通常時のコリシンE1遺伝子
の発現が厳密に抑制されていることからも、コリシンE
1遺伝子の形質発現調節遺伝子の利用は本発明にとって
きわめて有利である。
Col E1 DNAはたとえばフアルマシアP.L.バ
イオケミカルズ社のカタログNo.27−4914−01
として入手することが可能である。また、正のの制御に
関与する領域、プロモーター・オペレーター領域、リボ
ソーム結合領域からなるコリシンE1遺伝子の形質発現
調節遺伝子の塩基配列は既に報告されている(Ebina,
Y.ら,Cene,15,119,1981)。なお、本発
明におけるコリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子と
は、第1図の−140から78番目までの塩基配列の存
在を必須とするものである。
コリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子の下流にヒト
Cu,Zn−SOD cDNAを連結する際に、いわゆる融
合タンパクを産生するような形での連結は、適当な制限
酵素の切断部位を利用することにより比較的容易に行う
ことができる。しかし、コリシンE1タンパクに由来す
る部分がある程度以上の長さを持っている場合、この融
合タンパクを人体に投与した際に免疫原性(抗原性)を
発揮する危険性が充分に考えられる。従って、コリシン
E1遺伝子の翻訳開始コドン(ATG)の直後にヒトC
u,Zn−SODのN末端アミノ酸コドンが連結される形が
好ましい。しかし、これを満足させてくれるような適当
な制限酵素の切断部位はどちらの遺伝子にも存在しな
い。そこで、制限酵素を用いて両方のDNA断片を必要
部分が欠失した形で切り出し、欠失した部分は合成DN
A断片により補間することができる。
合成DNA断片は、たとえば固相トリエステル法(Miyos
hi,K.ら、Nucl.Acids Res.,8,5507,198
0)によりオリゴヌクレオチドを化学合成し、これらを
たとえばT4DNAリガーゼでつなぎ合せることにより
得られる。合成DNA断片は、もとの塩基配列を再現す
るものである必要は必ずしもない。アミノ酸コドンには
縮重が存在し、かつ生物の種によってコドンの使用頻度
が異なることは良く知られている。従って、アミノ酸の
配列を変えない限りにおいては、合成DNA断片の作製
時にどのようなコドンを選んでも自由であるが、宿主菌
中で使用頻度の高いコドンを選択すると、遺伝子の発現
量の増大が期待できる。コドンE1遺伝子の形質発現調
節遺伝子領域に関しては、もとの塩基配列を再現する方
が好ましいが、結果として遺伝子の発現量の増加につな
がるような塩基配列の変更は採用できる。
自律複製できるベクターに、コリシンE1遺伝子の形質
発現調節遺伝子を含むDNA断片、合成DNA断片、ヒ
トCu,Zn−SOD構造遺伝子断片を正しく組込むことに
より目的の組換えDNAが得られる。これらのDNA断
片は、たとえばT4DNAリガーゼにより連結すること
ができ、最終的に得られる組換えDNAの構造が目的す
るものである限り、DNA断片の連結順序に制限はな
い。使用するベクターは宿主微生物内で複製可能なもの
であれば特に制限はなく、宿主がエシエリヒア・コリの
場合はpBR322が良く用いられている。
得られた組換えDNAをベクターの宿主微生物内に導入
し形質転換させる。本発明では宿主微生物としてエシエ
リヒア・コリを使用しているが、形質発現調節遺伝子、
特にコリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子が機能す
る限りにおいては、バチルス・ズブチリス(Bacillus s
ubtilis)、サツカロミセス・セレビシエ(Saccharomyc
es cerevisiae)等の他の微生物を使用できる。エシエ
リヒア・コリの場合はW3110株、20S0株、C6
00S株などの名前があげられる。特にW3110株が
好ましい。W3110株はエシエリア・コリK12株の
野生性株(λ,F)から誘導されたλ,F株で
あり、栄養要求性などその他の点では野性株と同一であ
る(Bachmann,B.J.,Bacteriological Reviews,
36,525,1972)。
テトラサイクリン耐性などによりまず形質転換体を選択
したのち、常法に従いプラスミドDNAを分離し、制限
酵素地図の解析により第2次のスクリーニングを行う。
さらに誘発時のヒトCu,Zn−SODの産生能によって目
的の形質転換体を選択する。
SOD活性の測定法としては、チトクロームC−キサン
チン−キサンチンオキシダーゼを用いる方法(McCord,
J.M.and Fridovich,I.,J.Biol.Chem.,24
4,6049,1969)、ニトロブルーテトラゾリウ
ム(NBT)−リボフラビンを用いる方法(Beaucham
p,C.and Fridovich,I.,Anal.Biochem.,44,
276,1971)等が利用できる。NBT−リボフラ
ビン法は簡便であり、電気泳動後のタンパクの活性染色
にも利用できるため便利である。エシエリヒア・コリの
場合について言うと、組換えDNAから産生されるヒト
Cu,Zn−SODに加えて、宿主染色体から産生されるMn
−SODおよびFe−SODが混在している。これらのS
ODの酵素としての作用は同一であるが、Cu,Zn−SO
Dは1〜2mMのCN−イオンによって活性が阻害され
るのに対し、Mn−SOD,Fe−SODは同条件下での阻
害を受けないことから区別できる。また、これら3種の
SODは分子量や等電点が互いに異なるため、電気泳
動、イオン交換またはゲルロ過カラムクロマトグラフイ
ーによって分離することができる。
このようにして得られた、形質発現調節遺伝子特にはコ
リシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子に下流にヒトC
u,Zn−SOD構造遺伝子を有する組換えDNAで形質転
換された微生物を、その宿主微生物の増殖に適した条件
下で所定の時間培養し、その後に誘発合成を行わせてヒ
トCu,Zn−SODを大量に産生させる。エシエリヒア・
コリの場合、たとえばL培地、グルコースおよびカザミ
ノ酸を含むM9培地などの公知の培地により培養を行
う。培養は通常15〜43℃の温度で2〜24時間行
う。必要により通気、撹拌を加えることができる。対数
増殖基にある培養物にマイトマイシンC、ナリジキシン
酸などの薬剤を添加したり、紫外線を照射することによ
り誘発合成を行わせることができる。
培養後、公知の方法で菌体を集め破砕したのち、通常知
られているタンパクの精製法に従ってヒトCu,Zn−SO
D活性を持つタンパクを単離することによりヒトCu,Zn
−SODが製造できる。精製は、たとえば熱処理、塩
析、濃縮、透析、イオン交換クロマトグラフイー、ゲル
ロ過クロマトグラフイー、クロマトフオーカシング、電
気泳動、高速液体クロマトグラフイー、アフイニテイク
ロマトグラフイーなどの操作を適宜組合せて行うことが
できる。
かくして製造されたヒトスーパーオキシドデイスムター
ゼと実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド
は、例えば腸管、肝臓、腎臓、心臓等の臓器の機能を改
善する活性を示す。
本発明のポリペプチドは、通常の方法に従って注射剤、
錠剤、軟膏剤、カプセル剤、リポソーム製剤などの製剤
とすることができる。
本発明のポリペプチドは、生体から取出した臓器を生き
たまま保存するためにあるいは生体に投与して臓器機能
を改善するために使用される。臓器の保存には、例えば
1〜10mgの量が好適に用いられ、あるいは1日0.0
17〜0.17mg/kg・体重の投与量で1回〜数回に分
けて例えば各種腎疾患の治療を目的として、経口的また
非経口的に投与し得る。
以下に実施例および参考例を示す。
参考例1 ヒトCu,Zn−SODのcDNAを組込んだプ
ラスミドpSOD2の作製: 正常分娩によって得られたヒト胎盤からグアニジウム−
塩化セシウム法によってRNAを分離し、ついでオリゴ
(dT)セルロースを用いてポリ(A)テイルをもった
mRNAを分離した。
得られたmRNAより、岡山−バーグ法に従って、cD
NAライブラリーを作成した。宿主菌として大腸菌DH
1株を用いた。
コロニーハイブリダイゼーシヨン法にて、ヒトCu,Zn−
SODのcDNAが組込まれたプラスミドpSOD2を
保持した大腸菌DH1(pSOD2)株を得た。この菌
株より常法に従ってプラスミドpSOD2を単離した。
参考例2 ヒトCu,Zn−SOD産生用組換えDNAの作
製: コリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子の下流にヒト
Cu,Zn−SOD構造遺伝子を連結して、ヒトCu,Zn−SO
Dを産生させるためのプラスミドは、第3図に示すスト
ラテジーに従って作製した。
(1) コリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子断片を
組込んだプラスミドpAOK1の作製: コリシンE1DNAをDralで切断し、ついで、St
ulで切断した後、5%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法で340bpのStuI−DraI断片を得た。この
断片をプラスミドpBR322のDraIサイトに挿入
し、プラスミドpAOK1を作製した。
(2) ヒトCu,Zn−SOD構造遺伝子断片の作製: プラスミドpSOD2をAluIで切断し、ついでTa
qlで切断した後、5%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法で440bp断片を得た。
(3) 合成DNAの作製: コリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子の下流にヒト
Cu,Zn−SOD構造遺伝子を連結するために、コリシン
E1 340bp断片およびSOD構造遺伝子の440bp
断片で欠失している部分84bpを第4図に示すように1
2個のオリゴペプチドに分割して合成した。
(4) ヒトCu,Zn−SOD産生用組換えDNAの作製: プラスミドpAOK1のDraIサイトに、84bpの合
成DNAと、440bpのSOD構造遺伝子断片を挿入
し、コリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子の下流
に、ヒトCu,Zn−SOD構造遺伝子が連結したヒトCu,Zn
−SOD産生用組換えDNApUBE2を得た。
参考例3 ヒトCu,Zn−SODの産生する組換え大腸菌
545πHR(pUBE2)株の作製: SOB培地でOD550=0.55まで培養した大腸菌
545πHR株をTfbIついでTfbIIで処理したの
ち、処理液にプラスミドpUBE2を加え、0℃で30
分間、ついで42℃で90秒間熱処理して、プラスミド
pUBE2を保持する大腸菌545πHR(pUBE
2)株を得た。
参考例4 ヒトCu,Zn−SODと実質上同一のアミノ酸
配列を有するポリペプチドの製造: カザミノ酸300g、グルコース400g、テトラサイ
クリン1g、Na2HPO4600g、KH2PO4300g、NaCl
50g、NH4Cl100g、CuCl2・2HO0、5g、Zn
SO4・7HO0・9gを含む100lに大腸菌545
πHR(pUBE2)を接種し、クレツト116まで3
7℃で撹拌(2000rpm)培養後、培養液にNa2HPO4
00g、KH2PO4300g、NaCl50g、NH4Cl100g
を含む水2、グルコース450gを含む水1とマイ
トマイシンC200mgを含む水500mlを加えて誘発合
成を37℃、2時間行わせた。シヤープレス型遠心分離
機での遠心(2000rpm、3時間)により344gの
温菌体を得た。
集菌した菌体を3の10mMトリエタノールアン緩衝液
(pH7.0)に懸濁して、ダイノミルで破砕した。破砕
液を遠心(9000rpm,60分)し、得られた粗抽出
液の全量を3.5とした。粗抽出液に1M塩化第2銅
水溶液0.35mlを加え、一晩撹拌したのち60℃で5
分間加熱処理した。生じた沈殿を9000rpm、20分
の遠心により除去した。上清から硫安沈殿によって70
〜95%飽和画分を回収し、透析後イオン交換セルロー
スDE52カラムクロマトグラフイーにかけて、20mM
NaCl濃度(10mMトリエタノールアミン緩衝液)で溶
出しSOD活性画分を得た。この画分から100%飽和
硫安で分離した硫安沈殿を遠心(15000rpm、10
分)で得、透析後、凍結乾燥してヒトCu,Zn−SODと
実質上同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得た
(990mg)。
実施例1(腸管保存試験) モルモツトを撲殺し、放血させたのち、回腸を摘出し、
マグヌス試験装置を用いて腸管収縮能を測定した(コン
トロール値) その後、生理食塩液50mlを入れたシヤーレ(コントロ
ール群)と本物質10mgを生理食塩液50mlの入ったシ
ヤーレ(本物質投与群)にそれぞれ収縮能測定後の腸管
を入れ、室温で2時間保存した。
保存後、再び腸管の収縮能を測定した結果、コントロー
ル群では2時間の保存により、収縮能の低下率は92.
4%であったのに対し、投与群では29.7%の低下率
しか示さなかった(第1表参照)。
実施例2(ウサギの腎虚血に対する効果) 体重2.3〜3.6kgのニユージーランド白ウサギ
(雄)をコントロール群10例、ヒトCu,Zn−SOD投
与群10例用いた。
ウサギをペントバルビタールNaの静脈内投与により麻酔
し、正中切開により開腹した。右および左腎臓を周囲組
織から遊離したのち、ヘパリンNa100U/kgを静脈内
投与した。次いで生理食塩液で1%に溶解したヒトCu,Z
n−SOD溶液を5mg/kg静脈内投与したのち、左腎臓、
静脈、尿管を遮断し1時間放置した。遮断解除(血流再
開)2分前に再びヒトCu,Zn−SODを5mg/kg静脈内投
与し、その後、経日的に血液を採取した血清クレアチニ
ン値を測定した。
その結果、クレアチニンの上昇はコントロール群に比較
し、ヒトCu,Zn−SOD投与群では有意に低いことが認
められた(第2表および第5図参照)。
なお、第2表の値(平均値±標準偏差)および第5図の
縦軸の値は血清中のクレアチニンの濃度(mg/dl)であ
る。また第5図の黒丸はh−SOD投与群(n=10)
であり、白丸はコントロール群(n=10)である。
実施例3(マウスにおける急性毒性試験) ddY系雄マウス(体重32±2g)1群8匹を用いて、
本物質を生理食塩液に溶解し、静脈内(i.v.)投与
した。投与量は30mg/kg、100mg/kg、300mg/kg
の3群である。投与後2週間中毒症状について観察した
が、各群ともに異常なく生存した。屠殺後の解剖所見に
おいても、生理食塩液のみを投与したコントロール群と
何ら変わるところがなかった。従って、マウスにおける
本物質の静脈内投与におけるLD50値は300mg/kg
以上である(第3表参照)。
実施例4(移植腎に対する腎機能保護効果) イヌをGOF(笑気、Oおよびフローセン混合物)に
よる吸入麻酔下で正中切開により開膜し左腎臓を露出し
た。
腎動脈根部に塩酸プロカイン3〜5mlを注入し、左腎を
非接触分離技術(non-touch isolation technique)に
より摘出した。次いで左腎をヘパリンを加えた生理食塩
水により100cmH2Oの圧で初期還流を行ない、その後
h−SOD10mgを摘出腎に局所投与し、その状態で6
0分間腹腔内で温保存した。
その後、同一犬の右腸骨窩に自己移植を行なった。移植
腎の腎静脈は外腸骨静脈に端側吻合、腎動脈は内腸骨動
脈に端々吻合、また尿管は胱膀に吻合した。この際、腎
動脈後壁を吻合し、前壁に維持縫合糸(stay suture)
を施した状態でh−SOD10mgを腎動脈より投与し血
流再開を行なった。また、術中の輸液は5%グルコース
を15ml/kg/hrの速度で点滴投与した。上記腎移植の方
法を第6図に模式的に示した。
術後、抗生物質(pentorex )20mg/kgを1日1回7
日目まで連日静脈内投与した。輸液は5%グルコースお
よび乳酸リンゲル(Lactic Ringer)液を適宜投与し
た。
腎機能評価のためのパラメーターとしては、今回の実験
では一般的に、臨床で腎不全の指標としている血清クレ
アチニン値を用いた。
結果を第4表および第5表に示した。
第7図には、第4表および第5表の結果を図示した。
【図面の簡単な説明】
第1図はコリシンE1遺伝子の形質発現調節遺伝子領域
の塩基配列を示したものである。PBはRNAポリメラ
ーゼの結合部位、RSはRNAポリメラーゼの認識部位
である。太い矢印は転写の開始点と転写方向を示してい
る。破線による下線部はリボソーム結合部位を示し、Me
tが翻訳開始コドンの位置を示している。2カ所存在す
る実線下線部は正の制御に関与する領域である。また制
限酵素DraIの切断位置を示した。 第2図は胎盤のmRNAから得られたヒトCu,Zn−SO
D cDNAの構造遺伝子領域の塩基配列と、塩基配列
から決定されるアミノ酸配列を示した。2カ所の下線部
はコロニーハイブリダイゼーシヨンに用いた2種類の合
成DNAがハイブリダイズする領域である。 第3図は組換えDNA pUBE2が作製されるまでの
経過の概略を図示したものである。 第4図は合成DNA断片の塩基配列と、化学合成したオ
リゴヌクレオチドの塩基配列を示したものであり、オリ
ゴヌクレオチドを結合して得られる合成DNA断片は、
5′端はDraI断端、3′端はTaqI切断端となっ
ている。*印は第2図の塩基配列を変更した個所で2カ
所存在している。但しアミノ酸配列は変わっていない。 第5図は本発明のポリペプチドの臓器機能改善活性を示
す図である。 第6図は腎移植の方法を示す模式図である。 第7図はイヌの移植腎に対する腎機能保護効果を示して
いる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト銅・亜鉛スーパーオキシドジスムター
    ゼと実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド
    を活性成分として含んでなる腸管または腎臓の機能改善
    剤。
  2. 【請求項2】上記ポリペプチドが単細胞微生物中で産生
    されたものである特許請求の範囲第1項に記載の腸管ま
    たは腎臓の機能改善剤。
  3. 【請求項3】上記単細胞微生物がポジテイブレギユレー
    シヨンサイトを有する形質発現調節遺伝子の下流にヒト
    銅・亜鉛型スーパーオキシドジスムターゼ構造遺伝子を
    有する組換えDNAで形質転換されたものである特許請
    求の範囲第2項に記載の腸管または腎臓の機能改善剤。
  4. 【請求項4】摘出された腸管または腎臓の保存に向けら
    れる特許請求の範囲第1項に記載の腸管または腎臓の機
    能改善剤。
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