JPH08224843A - 多層芳香族ポリイミドフィルム - Google Patents
多層芳香族ポリイミドフィルムInfo
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- JPH08224843A JPH08224843A JP7032638A JP3263895A JPH08224843A JP H08224843 A JPH08224843 A JP H08224843A JP 7032638 A JP7032638 A JP 7032638A JP 3263895 A JP3263895 A JP 3263895A JP H08224843 A JPH08224843 A JP H08224843A
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Abstract
フィルムを提供する。 【構成】 高耐熱性の芳香族ポリイミド層の少なくとも
片面に熱可塑性の芳香族ポリイミド層が積層された多層
芳香族ポリイミドフィルム。
Description
イミド層を表面に有する芳香族ポリイミドフィルムが、
極めて高い耐熱性、寸法安定性および機械的物性を有し
ていると共に、該熱可塑性芳香族ポリイミド層と芳香族
ポリイミドフィルムとの間の接着が強固である多層芳香
族ポリイミドフィルムに関するものである。この多層芳
香族ポリイミドフィルムは、熱硬化性の接着剤等をまっ
たく使用せずに、熱可塑性芳香族ポリイミドの薄層と金
属箔等とを熱圧着で接合できるので、高い耐熱性を有す
る積層体を得ることができるのである。この発明の多層
芳香族ポリイミドフィルムは、印刷回路基板、TAB用
テープ、複合リードフレーム等に有用である。
ば、芳香族ポリイミド)支持体とからなる複合材料(例
えば、銅張基板等)は、芳香族ポリイミドフィルムと金
属箔とを『エポキシ樹脂等の熱硬化性接着剤』を介して
熱接着することによって積層して製造されることが、一
般的であった。
接着剤層は、適当な接着力が保持され得る常時使用温度
がせいぜい200℃以下であったので、ハンダ処理等の
高温に晒される加工工程、または、高温に晒される用途
では使用できないという問題があり、金属箔等と耐熱性
フィルムとの複合材料としてはより耐熱性のあるものが
期待されていた。
討が種々行われているが、高い耐熱性を有する接着剤
は、積層工程が高温を必要としたり、複雑な積層工程を
必要としたり、また、得られた積層体が充分な接着性を
示さないことが多い等の問題があり、実用的ではなかっ
た。
しないで、芳香族ポリイミドフィルム支持体に金属層が
形成されている『無接着剤型の複合材料』を製造する方
法もいくつか検討されている。
としては、芳香族ポリイミド前駆体(芳香族ポリアミッ
ク酸)の溶液を、金属箔上で流延・製膜して複合材料を
製造する方法、あるいは、芳香族ポリイミドフィルム上
に金属をメッキしたり、および/または、真空蒸着した
りして複合材料を製造する方法が提案されている。
充分に厚くすることが極めて困難であったり、あるい
は、製膜工程における溶媒の蒸発・除去工程が極めて長
時間となって生産性が低いという問題点があった。ま
た、前述の金属メッキ法および/または金属蒸着法は、
金属層の厚さを充分に厚くすることが困難であり、この
点において生産性が低かったのである。
ドフィルムと金属箔との積層によって積層体を製造する
方法(特開昭62−53827号公報、特開平6−93
238号公報、特開平6−218880号公報)が提案
されている。しかし、この方法では熱可塑性のポリイミ
ドの耐熱性、寸法安定性、機械的物性の点が充分でな
く、これを使用した金属箔積層体の特性も満足できるも
のではない。
い耐熱性を有する芳香族ポリイミドのフィルム層の少な
くとも片面に他の基材と積層可能な熱可塑性の芳香族ポ
リイミド層が一体に積層されている多層芳香族ポリイミ
ドフィルムであって、他の基材、例えば金属箔と接着し
た場合高い耐熱性が得られる多層芳香族ポリイミドフィ
ルムを提供することである。
高耐熱性の芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片面
に、低対数粘度の熱可塑性の芳香族ポリイミド層が一体
に積層されていることを特徴とする多層芳香族ポリイミ
ドフィルムに関するものである。
て、詳しく説明する。図1および図2は、この発明の多
層芳香族ポリイミドフィルムの例を示す断面図である。
この発明の多層芳香族ポリイミドフィルム:1は、例え
ば、図1および図2に示されるように、熱可塑性の芳香
族ポリイミドからなる薄膜B:3(3’)が、高耐熱性
の芳香族ポリイミドからなる基体層A:2の少なくとも
片面に、一体に積層されている多層ポリイミドフィルム
である。
(a法)脱水剤および触媒を含有する芳香族ポリイミド
前駆体の有機極性溶媒溶液を、フィルム状に流延塗布
後、加熱して芳香族ポリイミド前駆体をイミド化して得
られた、20〜90重量%の揮発物を自己支持性のゲル
化フィルムの少なくとも片面に低対数粘度の熱可塑性の
芳香族ポリイミド溶液の層を形成し、得られた積層物
を、好適には50〜200℃の温度で乾燥し、次いで3
00℃以上の温度での熱処理段階を含む熱処理に付すこ
とにより溶媒蒸発・イミド化完了させて製造した低対数
粘度の熱可塑性芳香族ポリイミド層を少なくとも片面に
有する多層芳香族ポリイミドフィルム、または(b法)
高耐熱性の芳香族ポリイミドの前駆体溶液と低対数粘度
の熱可塑性の芳香族ポリイミド溶液とを多層押し出し法
によって押し出した後、得られた積層物を好適には、5
0〜200℃の温度で乾燥し、次いで熱300℃以上の
温度での熱処理段階を含む熱処理に付すことにより溶媒
蒸発・イミド化完了させて製造した熱可塑性芳香族ポリ
イミド層を少なくとも片面に有する多層芳香族ポリイミ
ドフィルム、あるいは(c法)高耐熱性の芳香族ポリイ
ミドフィルムに、熱可塑性の芳香族ポリイミドと積層さ
れる面が予め接着性付与のための活性化処理がされて、
コ−ティング法によって積層された低対数粘度の熱可塑
性芳香族ポリイミド層を表面に有する多層芳香族ポリイ
ミドフィルム、あるいは(d法)高耐熱性の芳香族ポリ
イミドフィルムにコ−ティング法によって、好適にはシ
ランカップリング剤を添加した低対数粘度の熱可塑性芳
香族ポリイミドが積層された低対数粘度の熱可塑性芳香
族ポリイミド層を表面に有する多層芳香族ポリイミドフ
ィルムである。
は、芳香族テトラカルボン酸二無水物またはその誘導体
と芳香族ジアミンとから有機極性溶媒中それ自体公知の
方法によって、重合、流延、乾燥、イミド化して得られ
る。特に、高耐熱性の芳香族ポリイミドフィルムとし
て、30モル%以上、特に50モル%以上のビフェニル
テトラカルボン酸成分(特に3、3’、4、4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物)と50モル%以上の
フェニレンジアミン成分(特にp−フェニレンジアミ
ン)とから、重合およびイミド化によって得られる芳香
族ポリイミドであることが、耐熱性、機械的強度、寸法
安定性の点から好ましい。他の残部の(もし2種類のテ
トラカルボン酸二無水物および/またはジアミンを使用
する場合)芳香族テトラカルボン酸二無水物としてはピ
ロメリット酸二無水物が、また芳香族ジアミンとしては
ジアミノジフェニルエ−テルが好ましい。
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタ
ム等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルフォスホルアミド、ジメチルスルホン、テトラメチ
レンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ピリ
ジン、エチレングリコール等を挙げることができる。
性の芳香族ポリイミド層を使用することが必要であり、
これによって、信頼性(再現性)の高い金属箔積層ポリ
イミドフィルムが得られるのである。前記の熱可塑性の
芳香族ポリイミドは対数粘度が0.1〜1.2(N,N
−ジメチルアセトアミド、30℃、0.5g/100m
l)、特に0.1〜0.7その中でも特に0.2〜0.
6のものが好ましい。
は、芳香族テトラカルボン酸成分としてベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物が好ましく、そのなかでも特に3,3’4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好
ましく、芳香族ジアミン成分としては、ジアミノジフェ
ニルエーテル類、ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン類、
ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホン類、ビス
(アミノフェノキシフェニル)プロパン類類が好まし
い。また、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物と5〜25モル%のジアミノシロキサン
と75〜95モル%の芳香族ジアミンとを使用したもの
が好適に使用される。
を上げる目的で、芳香族ジカルボン酸無水物または芳香
族モノアミンを使用してアミック酸の両末端のアミンま
たはジカルボキシル基を封鎖(封止)したものが好まし
い。封鎖(封止)剤として、芳香族ジカルボン酸無水物
としてテレフタル酸無水物が特に好ましく、芳香族モノ
アミンとしてアニリンが好ましい。
ミド層を設けるために熱可塑性ポリイミド溶液を使用す
ることが好ましい。このポリイミドの溶液には、酸化チ
タン、二酸化ケイ素等のフィラ−を添加してもよい。フ
ィラ−の添加はどの段階でもよい。上記熱可塑性の芳香
族ポリイミド溶液の溶液は、有機極性溶媒中のポリマ−
濃度が5〜50重量%、特に7〜45重量%であり、3
0℃で測定した回転粘度が0.5〜10000ポイズ、
特に0.7〜5000ポイズであるものが好適に使用さ
れる。
なくとも片面に設けたポリイミドフィルムは、全体の厚
さが6〜250μm、特に8〜200μm、更に好まし
くは10〜150μm程度である。また、熱可塑性の芳
香族ポリイミド層は、高耐熱性の芳香族ポリイミドフィ
ルムに対して重合体重量基準で2〜100重量%、特に
5〜90重量%であることが好ましい。
ルムは、例えば、この出願人がすでに出願している特開
昭63−42817号公報に記載の方法によって製造す
ることができる。上記高耐熱性の芳香族ポリイミドフィ
ルムの組成のポリアミック酸溶液にそれ自体公知の方法
により、脱水剤および触媒を含有させ、20〜200℃
に加熱してポリアミック酸を好適には、イミド化率が2
0〜80%の部分イミド化され、揮発物含有量が20〜
90重量%である芳香族ポリイミドゲル化フィルムを製
造する。上記脱水剤としては無水酢酸、触媒としてはイ
ソキノリンが好ましい。上記ゲル化フィルムのイミド化
率は赤外分光で1780cm-1(イミドに由来する吸
収)と1510cm-1(ベンゼン環に由来する吸収)か
ら求めた。
定対象フィルムを420℃で20分間乾燥し、乾燥前の
重量W1 と乾燥後の重量W2 とから次式によって求め
た。 揮発物含有量(重量%)=〔(W1 −W2 )/W1 〕×
100 上記ゲル化フィルム表面の少なくとも片面に熱可塑性の
芳香族ポリイミドまたはその前駆体の溶液をそれ自体公
知の方法(ナイフコ−タ−、コンマコ−タ−、グラビア
コ−タ−等)で塗布し、好適には50〜170℃で乾燥
した後、300℃以上の温度に加熱する工程を含む加熱
処理により、特に好ましくは200〜350℃以上の温
度で加熱して、イミド化を進め、多層芳香族ポリイミド
フィルムを得ることができる。
ルムは、好適には、この出願人がすでに出願している特
開平3−180343号公報に記載の方法によって製造
することができる。すなわち、高耐熱性の芳香族ポリイ
ミドを与える芳香族ポリアミック酸(前駆体)溶液と、
熱可塑性の芳香族ポリイミド溶液を2層以上の押し出し
成形用ダイスを用い、2層以上の薄膜状物として平滑な
支持体に流延し、乾燥した後、支持体より剥がし、前述
のように300℃以上の温度で加熱して溶媒除去・イミ
ド完了して、多層芳香族ポリイミドフィルムを得ること
ができる。
ルムは、好適には上記高耐熱性の芳香族ポリイミドフィ
ルムの表面をアミノシラン処理や、プラズマ処理あるい
はコロナ放電処理等によって活性化処理した後、熱可塑
性の芳香族ポリイミド溶液をそれ自体公知の方法、例え
ばブレ−ドコ−タ−、ナイフコ−タ−、含浸コ−タ−、
コンマコ−タ−、リバ−スロ−ルコ−タ−、グラビヤコ
−タ−などを使用して塗布し、乾燥後、前述のように3
00℃以上の温度で加熱して溶媒除去して、多層芳香族
ポリイミドフィルムを得ることができる。
ルムは、好適には上記高耐熱性の芳香族ポリイミドフィ
ルムに、高耐熱性の芳香族ポリイミドフィルムとの接着
性を付与する目的で、アミノシラン、エポキシシラン、
メルカプトシラン等のシランカップリング剤を添加した
熱可塑性の芳香族ポリイミド溶液を塗布し、乾燥後、前
述のように300℃以上の温度で加熱して溶媒除去し
て、多層芳香族ポリイミドフィルムを得ることができ
る。シランカップリング剤の量は、熱可塑性の芳香族ポ
リイミドに対して0.2〜5重量%であることが好まし
い。
の発明の多層芳香族ポリイミドフィルムを用いて、例え
ば、この出願人がすでに特許出願している特開平4−3
3847号公報、特開平4−33848号公報に記載の
方法により、熱可塑性の芳香族ポリイミド層と金属箔と
が加熱圧着した金属箔積層ポリイミドフィルムを得るこ
とができる。
において部は重量部を示し、各例の測定は以下に示す試
験方法によって行った。対数粘度 対数粘度=自然対数(溶液粘度/溶媒粘度)÷溶液の濃
度 溶液濃度はポリマー0.5gを溶媒100mlに溶解し
て測定した。回転粘度 東京計測株式会社のビスメトロンを使用し、30℃で測
定した。ガラス転移温度(Tg ) 示差走査熱量計(DSC)で求めたか、あるいはフィル
ム状試料を熱機械分析(TMA)の測定より求めた。接着強度 金属箔積層フィルム(多層芳香族ポリイミドフィルムと
金属箔:厚み35μmの銅箔 とを熱可塑性ポリイミド
層と金属箔とが接着するようにして積層したもの)の接
着強度をIPC−TM−650(2.4.9.)の『9
0°−剥離法』によって測定した。耐ハンダ性 IPC−TM−650(2.4.13)に準拠した測定
法で、288±5℃の温度に維持したハンダ浴に、上記
で得られた試料の金属箔積層フィルムを、金属箔側とハ
ンダ浴とが接触するように10秒間浮かべて、金属箔積
層フィルムの膨れ、剥がれ等の有無を目視で判断(良否
を決定)する方法で行った。引張試験、線膨張係数 ASTM D−882に準ずる方法で、引張強度、伸び
率および弾性率を測定した。線膨張係数は試料フィルム
を400℃で熱処理した後の試料フィルムについて、長
手方向について50〜300℃において、5℃/min
で測定した。フィルム表面の表面張力 和光純薬工業株式会社製ぬれ指数標準液で測定した。信頼性(再現性) 同じ操作を10回繰り返し、すべて同じ程度の結果がえ
られたものを良好、1回でも不良の結果が得られたもの
を不良と評価した。
えた反応容器に、溶媒としてN、N−ジメチルアセトア
ミド(DMAc)3600部、さらに、(a)芳香族テ
トラカルボン酸成分;3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)83.85
部(285ミリモル)および2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)8
3.85部(285ミリモル)、(b)芳香族ジアミン
成分;ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルホン(4−BAPS)259.5部(600ミリモ
ル)、および、(c)芳香族ジカルボン酸成分;無水フ
タル酸(PA)8.89部(60ミリモル)、さらに、
粒径約600ÅのコロイダルシリカのDMAc溶液をコ
ロイダルシリカの重量が2部になるように添加し、25
℃で6時間攪拌してポリアミック酸の溶液(濃度:10
重量%、回転粘度:30ポイズ)を得た。
脱水用トルエン50部を添加し、窒素ガスを吹き込みな
がら、攪拌して生成水を留去させながら、約165℃の
反応温度で4時間反応させて、均一な熱可塑性芳香族ポ
リイミドのDMAc溶液(10重量%、回転粘度:25
ポイズ)を製造した。この重合体溶液の一部をメタノー
ル中に注入し、シリカを含む重合体を析出し、芳香族ポ
リイミドの粉末を回収し、この芳香族ポリイミドの粉末
を熱メタノールで洗浄してから乾燥して、熱可塑性芳香
族ポリイミドを得た。得られた熱可塑性芳香族ポリイミ
ドはTgが269℃、対数粘度が0.38であった。
添加し、さらに、(a)芳香族テトラカルボン酸成分と
して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(s−BPDA)113.0部(384ミリ
モル)および2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物(a−BPDA)113.0部(38
4ミリモル)、(b)芳香族ジアミン成分として、1,
4−ジアミノフェニルエーテル(DADE)80.1部
(400ミリモル)および1,4−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン(APB)116.9部(400ミ
リモル)、並びに、(c)芳香族ジカルボン酸成分とし
て、無水フタル酸(PA)9.48部(64ミリモル)
を添加した他は、参考例1と同様にして、ポリアミック
酸溶液を調製した。このポリアミック酸の溶液(濃度:
30重量%、回転粘度:1400ポイズ)を得た。この
ポリアミック酸溶液500部に共沸脱水用トルエン50
部を添加し、窒素ガスを吹き込みながら、攪拌して生成
水を留去させながら、約165℃の反応温度で4時間反
応させて、均一な熱可塑性芳香族ポリイミドのDMAc
溶液(30重量%、回転粘度:1200ポイズ)を製造
した。この重合体溶液の一部をメタノール中に注入し、
重合体を析出し、芳香族ポリイミドの粉末を回収し、こ
の芳香族ポリイミドの粉末を熱メタノールで洗浄してか
ら乾燥して、熱可塑性芳香族ポリイミド粉末を得た。得
られたポリイミド粉末の対数粘度は0.38であった。
えた500容量部の反応容器に、2,3,3’,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BBPD
A)26.48部(90ミリモル)、ω、ω’−(3−
アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(BAPS)
(信越シリコン株式会社製、X−22−161AS、l
=8)16.8部(20ミリモル)、およびおよびN−
メチル−2−ピロリドン(NMP)300部を仕込み、
窒素気流中で50℃の温度に高め溶解させた後に、更に
2,2−ビス〔4−(4−ジアミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン(BAPP)28.74部(70ミリモ
ル)を添加し、この温度で1時間攪拌して、その後この
溶液にキシレンを50部添加して200℃に昇温して3
時間還流下に攪拌して反応水を除去した後ポリイミドシ
ロキサンが18重量%均一に溶解したポリイミド溶液を
得た。次に、室温に戻したポリマ−液を加圧濾過してイ
オン交換水を使用して析出、洗浄させて、ポリイミドシ
ロキサン(収率95%、イミド化率:100%、対数粘
度:0.52)が得られた。このポリイミドのTgは2
34℃であった。このポリイミド100部と、ポリイミ
ドに対して2重量%のγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン(信越シリコン株式会社製)および溶剤と
してテトラヒドロフラン(THF)200部とを23℃
で約5時間攪拌して均一な溶液(濃度:33重量%、3
0℃の粘度:45ポイズ)を調製した。
濃度を10重量%としたこと以外は参考例1と同様にポ
リアミック酸溶液を調製した。この芳香族ポリアミック
酸溶液から参考例2と同様にしてこの熱可塑性芳香族ポ
リイミドのDMAc溶液(10重量%、回転粘度:50
ポイズ)を得た。さらに参考例2と同様にしてポリイミ
ド粉末を得た。このポリイミド(粉末)のTgは269
℃、対数粘度1.95であった。
ルアセトアミド(DMAc)6200部およびp−フェ
ニレンジアミン(PPD)270.35部(2.5モ
ル)を入れ、窒素中室温(約30℃)で攪拌した。この
溶液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(s−BPDA)735.55部(2.5モ
ル)を添加し、6時間攪拌してポリマ−濃度14重量%
の芳香族ポリアミック酸の溶液を得た。この溶液の回転
粘度は1300ポイズ(30℃)であった。
0.7部(0.63モル)、無水酢酸510.5部
(5.0モル)、およびDMAc3050部を加えた。
得られた溶液をTダイより回転しているエンドレス金属
ベルト上に押し出して塗膜を形成した後、65℃の熱風
をその表面に供給して15分間乾燥した後、形成された
ゲル化フィルムを金属ベルトからはがした。このフィル
ムの加熱減量は76重量%であり、表面張力は37dy
ne/cmであった。
ティング溶液として、コンマコ−タ−で上記のゲル化フ
ィルムに2m/minの速度で、乾燥物基準でゲル化フ
ィルムに対し20重量%になるような量でコ−ティング
し、得られた積層物を80℃の熱風炉で乾燥した。この
積層乾燥フィルムをピンテンタ−で把持して高温炉内を
2m/minの速度で連続的に移動させながら、200
℃で3分間、310℃で3分間、440℃で3分間、さ
らに350℃で3分間熱処理して、厚み60μm(薄層
の厚み:10μm、以下同じ)の2層の芳香族ポリイミ
ドフィルムを得た。この多層ポリイミドフィルムと清浄
化した金属箔(電解銅箔)とを50cm/minの圧着
速度で連続的に圧着した試料を使用して測定した(以下
同じ)。測定結果を表1、表2に示す。
として使用し、ゲル化フィルムの両面にコ−ティングし
た他は実施例1と同様にして、厚み70μm(両面の薄
層の厚み:各々10μm)の3層芳香族ポリイミドフィ
ルム得た。結果を表1、表2に示す。
リマ−濃度18重量%、溶液粘度1600ポイズの芳香
族ポリアミック酸溶液を得た。第一の芳香族ポリアミッ
ク酸溶液と参考例3の芳香族ポリイミド溶液とを使用し
て、3層押し出しダイスから、平滑な金属製支持体の上
面に押し出して流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥
し、固化フィルム(自己支持性フィルム、揮発物含有
量:35重量%)を形成し、その固化フィルムを支持体
から剥離した後加熱炉で200℃から450℃まで徐々
に昇温して、溶媒を除去すると共に高耐熱性のポリマ−
をイミド化して、3層芳香族ポリイミドフィルムを得
た。結果を表1、表2に示す。
マ−濃度18重量%、溶液粘度1600ポイズの芳香族
ポリアミック酸溶液を調製した。この芳香族ポリアミッ
ク酸溶液を使用して、平滑な金属製支持体の上面に押し
出して流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化
フィルム(溶媒含有率:35重量%)を形成し、その固
化フィルムを支持体から剥離した後、加熱炉で200℃
から450℃まで徐々に昇温して、溶媒を除去すると共
にポリマ−をイミド化して、芳香族ポリイミドフィルム
を得た。ポリイミドフィルムの厚みは50μmであっ
た。このポリイミドフィルムの表面を酸素雰囲気中でプ
ラズマ処理した。参考例2で調製したコ−ティング溶液
をコンマコ−タ−で、プラズマ処理した高耐熱性の芳香
族ポリイミドフィルムの両面に、2m/minの速度で
乾燥物基準で両面合計で40重量%になるような量でコ
−ティングし、得られた積層物を80℃の熱風炉で乾燥
した。さらに高温炉内を連続的に移動させながら、20
0℃で3分間、310℃で3分間熱処理して、厚み70
μmの3層芳香族ポリイミドフィルムを得た。結果を表
1、表2に示す。
重量%のコ−ティング溶液(回転粘度:20ポイズ)を
使用した他は実施例4と同様にして、3層の芳香族ポリ
イミドフィルムを得た。結果を表1、表2に示す。
で、実施例4で調製した高耐熱性の芳香族ポリイミドフ
ィルム(プラズマ未処理) の両面に、2m/minの
速度で乾燥物基準で両面合計で40重量%になるような
量でコ−ティングし、得られた積層物を80℃の熱風炉
で乾燥した。さらに高温炉内を連続的に移動させなが
ら、200℃で3分間、310℃で3分間熱処理して、
厚み70μmの3層芳香族ポリイミドフィルムを得た。
結果を表1、表2に示す。
0部、PPD227.09部(2.1モル)、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル180.22部(0.9
モル)を入れ、窒素中室温(約30℃)で攪拌した。こ
の溶液にs−BPDA441.33g(1.5モル)お
よびピロメリット酸二無水物(PMDA)327.18
部(1.5モル)を添加し、6時間攪拌してポリマ−濃
度20重量%の高耐熱性ポリイミド用の共重合ポリアミ
ック酸の溶液を得た。この溶液の回転粘度は1700ポ
イズ(30℃)であった。得られた高耐熱性の芳香族ポ
リイミド用の共重合ポリアミック酸を用いた他は実施例
3と同様にして、3層の芳香族ポリイミドフィルムを得
た。結果を表1、表2に示す。
ポリアミック酸溶液を使用した他は実施例4と同様にし
て高耐熱性ポリイミドフィルム(プラズマ未処理)を得
た。この高耐熱性ポリイミドフィルムの両面に参考例4
で調製したコ−ティング溶液を使用して、実施例6と同
様にして3層芳香族ポリイミドフィルムを得た。結果を
表1、表2に示す。
て使用した他は、実施例6と同様にして3層の芳香族ポ
リイミドフィルムを得た。結果を表1、表2に示す。
ているので、以下に記載されているような効果を奏す
る。
塑性の芳香族ポリイミドフィルム層との接着強度が大き
い。また、積層ポリイミドフィルムを用いた金属箔との
積層フィルムの耐ハンダ性が良好である。
イミドフィルムを用いるので、金属箔との加熱圧着がゆ
るやかな条件で行えるので、信頼性の高い結果が得ら
れ、連続的で工業的な生産が可能になる。
ムがビフェニルテトラカルボン酸成分を30モル%以上
と、フェニレンジアミン成分50モル%とからなるポリ
イミドを用いて得られる多層芳香族ポリイミドフィルム
は、線膨張係数が1×10-5〜3×10-5cm/cm/
℃であり、高精度の用途に使用可能となる。
一例を示す断面図である。
一例を示す断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 高耐熱性の芳香族ポリイミドフィルムの
少なくとも片面に、低対数粘度の熱可塑性の芳香族ポリ
イミド層が一体に積層されていることを特徴とする多層
芳香族ポリイミドフィルム。 - 【請求項2】 線膨張係数が1×10-5〜3×10-5c
m/cm/℃である請求項1記載の多層芳香族ポリイミ
ドフィルム。 - 【請求項3】 熱可塑性の芳香族ポリイミドが芳香族テ
トラカルボン酸二無水物またはその誘導体と、一般式I 【化1】 (但し、XはO、COまたはSO2 であり、nは0〜4
の整数である)で示される芳香族ジアミン化合物と、芳
香族ジカルボン酸無水物またはその誘導体あるいは芳香
族モノアミンとを有機極性溶媒中重合、イミド化して得
られた対数粘度(N,N−ジメチルアセトアミド、30
℃、0.5g/100ml)が0.1〜1.2、ガラス
転移点(Tg)が200〜300℃の両末端封止ポリイ
ミドである請求項1記載の多層芳香族ポリイミドフィル
ム。 - 【請求項4】 積層が脱水剤および触媒を含有する高耐
熱性の芳香族ポリイミド前駆体の有機極性溶媒溶液を、
フィルム状に流延塗布後、加熱して芳香族ポリイミド前
駆体を部分イミド化して得られた、20〜90重量%の
揮発物を含有する自己支持性のゲル化フィルムの少なく
とも片面に低対数粘度の熱可塑性の芳香族ポリイミド溶
液の層を形成し、得られた積層物を溶媒蒸発・イミド化
完了のための熱処理に付すことによりなされたものであ
る請求項1記載の多層芳香族ポリイミドフィルム。 - 【請求項5】 積層が高耐熱性の芳香族ポリイミド前駆
体溶液と低対数粘度の熱可塑性の芳香族ポリイミド溶液
とを多層押し出し法によって押し出した後、得られた積
層物を溶媒蒸発・イミド化完了のための熱処理に付すこ
とによりなされたものである請求項1記載の多層芳香族
ポリイミドフィルム。 - 【請求項6】 高耐熱性の芳香族ポリイミドフィルムの
熱可塑性の芳香族ポリイミドと積層される面が予め接着
性付与のための活性化処理がされたものである請求項1
記載の多層芳香族ポリイミドフィルム。 - 【請求項7】 積層が高耐熱性の芳香族ポリイミドフィ
ルムの少なくとも片面に低対数粘度の熱可塑性の芳香族
ポリイミドにシランカップリング剤を添加した溶液を塗
布、乾燥、熱処理に付すことによりなされたものである
請求項1記載の多層芳香族ポリイミドフィルム。 - 【請求項8】 熱可塑性の芳香族ポリイミドが2,3,
3' ,4' −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物また
はその誘導体を主成分とする芳香族テトラカルボン酸二
無水物と、ジアミノシロキサン5〜25モル%および芳
香族ジアミン75〜95モル%のジアミン成分とから得
られるガラス転移温度(Tg)が200〜300℃のポ
リイミドシロキサンである請求項7記載の多層芳香族ポ
リイミドフィルム。
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