JP3031020B2 - 耐熱性樹脂接着剤 - Google Patents

耐熱性樹脂接着剤

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JP3031020B2
JP3031020B2 JP3354141A JP35414191A JP3031020B2 JP 3031020 B2 JP3031020 B2 JP 3031020B2 JP 3354141 A JP3354141 A JP 3354141A JP 35414191 A JP35414191 A JP 35414191A JP 3031020 B2 JP3031020 B2 JP 3031020B2
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浩 井上
誠一郎 高林
勝海 木村
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/386Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by the use of an organic polymeric bonding layer, e.g. adhesive

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、(a)可溶性のポリ
イミドシロキサン、(b)アクリレート系不飽和化合物
を主成分とする不飽和化合物、(c)エポキシ基を有す
るエポキシ化合物および(d)エポキシ硬化剤が、樹脂
成分として特定の組成比で含有されている耐熱性樹脂接
着剤に係わるものである。
【0002】この発明の耐熱性樹脂接着剤は、銅箔等の
各種金属箔と、耐熱性支持材料(例えば、耐熱性フィル
ム、無機シートなど)との張り合わせを比較的低温で行
うことができると共に、前記の耐熱性樹脂接着剤で張り
合わされた積層体は、接着剤層が充分な接着力を示し、
しかも、優れた耐熱性を示すので、例えば、フレキシブ
ル配線基板、TAB(Tape Automated
Bonding)用銅張基板などの製造に使用すれば、
その耐熱性樹脂接着剤を使用して得られた各基板が、そ
の後のハンダ処理などの各種の高温処理工程を安心して
行うことができ、最終製品の品質を高めたり、不良率を
低下させたりできる。
【0003】
【従来技術の説明】従来、フレキシブル配線基板は、エ
ポキシ樹脂やウレタン樹脂などの接着剤を用いて、芳香
族ポリイミドフィルムと銅箔とを張り合わせることによ
って製造されていることが多かった。
【0004】しかし、公知の接着剤を使用して製造され
たフレキシブル配線基板は、その後のハンダ工程で高温
に曝されると、接着剤層において、ふくれや剥がれを生
じるという問題があり、接着剤の耐熱性の向上が望まれ
ていた。
【0005】耐熱性接着剤として、イミド樹脂系接着剤
が提案されており、例えば、N,N’−(4,4’−ジ
フェニルメタン)ビスマレイミドと、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタンからなる予備縮合物が知られてい
る。しかし、この予備縮合物自体は、脆いために、フレ
キシブル回路用基板用の接着剤としては適していない。
【0006】前記の欠点を改良する方法として、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンとから得ら
れる芳香族ポリイミドとポリビスマレイミドとを混合し
た樹脂組成物から接着性フィルム(ドライフィルム)を
形成し、その接着性フィルムをポリイミドフィルムなど
の耐熱性フィルムと銅箔との間に挟み込んで熱圧着する
方法が提案されている。(特開昭62−232475号
公報および特開昭62−235382号公報を参照)
【0007】しかし、前記の接着性フィルムはその軟化
点が180℃以上であり、ポリイミドフィルムと銅箔と
の接着を、約260〜280℃程度の高い温度下で、し
かも、約30〜60kg/cm程度の高い圧力下で行
う必要があり、このような接着条件では、有機樹脂製の
圧着ロールを使用して連続的にポリイミドフィルムと銅
箔とをラミネートすることが極めて困難であり、実用性
という点で問題であった。
【0008】なお、配線板等の電子部品のコーティング
用組成物として、芳香族ポリイミド等にエポキシ樹脂を
配合した樹脂溶液(ワニス)が、前記樹脂硬化物からな
る耐熱性コーティング層と配線板等との接着性を改良す
るために、種々提案されている。
【0009】しかし、公知の組成物は、前述のような銅
張基板の製造における『銅箔と芳香族ポリイミドフィル
ムとを接着するための接着剤』としては、張り合わせ又
は硬化の温度が高くなったり、芳香族ポリイミドとエポ
キシ樹脂との相溶性又は芳香族ポリイミドと溶媒との相
溶性が低かったり、あるいは、接着・硬化した後の接着
剤層が柔軟でなかったりという問題があり、実際に接着
剤として使用できるものではなかった。
【0010】
【本発明の解決しようとする問題点】この発明の目的
は、前述の公知の接着剤における問題点が解消されてい
て、接着剤溶液の塗布、乾燥、銅箔のラミネート、及び
接着剤層の硬化からなる工程を経て、耐熱性フィルムと
各種金属箔とを好適に張り合わすことができる『高温度
での高い接着性を示す耐熱性接着剤』を提供することを
目的とするものである。
【0011】
【問題点を解決するための手段】この発明は、(a)2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸あるいは
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、そ
れらの酸二無水物、あるいはそれらの酸エステル60〜
100モル%と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−
テルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン、ピロメリット酸、それらの酸二無
水物、あるいはそれらの酸エステル0〜40モル%とか
らなる芳香族テトラカルボン酸成分と、一般式I H2N−R−[Si(R1)(R2)−O−]n−Si(R
3)(R4)−R−NH2(I)
【0012】
【0013】(ただし、式中のRは炭素数2〜6個の複
数のメチレン基またはフェニレン基からなる2価の炭化
水素残基を示し、R1、R2、R3及びR4は炭素数1〜5
個の低級アルキル基又はフェニル基を示し、nは3〜6
0の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキサン
10〜80モル%及び芳香族ジアミン20〜90モル%
からなるジアミン成分とから得られる可溶性のポリイミ
ドシロキサン100重量部、 (b)分子の末端又は側鎖にアクリロイル基またはメタク
リロイル基を有する不飽和化合物5〜400重量部、 (c)エポキシ基を有するエポキシ化合物20〜250重
量部、および (d)エポキシ硬化剤が、樹脂成分として含有されている
ことを特徴とする耐熱性樹脂接着剤に関する。
【0014】この発明において、前記の(b)不飽和化
合物は、不飽和化合物の全量に対して30重量%以上、
特に40〜100重量%のアクリレート系不飽和化合物
(b−1)を含有していることが好ましく、さらに、ア
クリレート系不飽和化合物(b−1)を、(a)ポリイ
ミドシロキサン100重量部に対して、5〜300重量
部、特に5〜250重量部の割合で含有していると共
に、マレイミド系不飽和化合物(マレイミド樹脂)(b
−2)を、(a)ポリイミドシロキサン100重量部に
対して、0〜100重量部、特に0.1〜90重量部程
度の割合で含有されていることが好ましい。
【0015】この発明において使用されるポリイミドシ
ロキサンは、3,3’,4,4’−又は2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸類(好ましくは2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸又はその
酸二無水物、或いは、その酸エステル化物)を主成分と
する(60モル%以上、特に80〜100モル%含有す
る)芳香族テトラカルボン酸成分と、前記一般式Iで
示されるジアミノポリシロキサン10〜80モル%(特
に15〜70モル%、更に好ましくは20〜60モル
%)、及び、芳香族ジアミン20〜90モル%(特に
30〜85モル%、更に好ましくは40〜80モル%)
からなるジアミン成分とを、重合及びイミド化すること
により得られた高分子量のポリイミドシロキサンが好ま
しい。
【0016】前記のポリイミドシロキサン(a)は、対
数粘度(測定濃度;0.5g/100ミリリットル溶
媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、測定温度;3
0℃)が0.05〜7、特に0.07〜4、さらに好ま
しくは0.1〜3程度である重合体であり、さらに、有
機極性溶媒のいずれかに(特にアミド系溶媒)少なくと
も3重量%、特に5〜40重量%程度の濃度で均一に溶
解させることができることが好ましい。
【0017】前記のポリイミドシロキサンは、赤外線吸
収スペクトル分析法で測定したイミド化率が90%以
上、特に95%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分
析においてポリマーのアミド−酸結合に係わる吸収ピー
クが実質的に見出されず、イミド環結合に係わる吸収ピ
ークのみが見られるような高いイミド化率であることが
好ましい。
【0018】さらに、前記のポリイミドシロキサンは、
フィルムに成形した場合に、その弾性率が250kg/
mm以下、特に150kg/mm以下、さらに好ま
しくは0.5〜100kg/mmであって、そのフィ
ルムの軟化温度が5℃以上、特に5〜250℃程度であ
ることが好ましい。
【0019】ポリイミドシロキサンの製法としては、例
えば、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類を約60モル%以上含有する芳香族テトラカルボン
酸成分と、前記一般式Iで示されるジアミノポリシロ
キサン20〜80モル%及び芳香族ジアミン20〜8
0モル%からなるジアミン成分とを使用して、フェノー
ル系溶媒、アミド系溶媒、硫黄原子を有する化合物の溶
媒、グリコール系溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機
極性溶媒中で、高温下(特に好ましくは140℃以上の
温度下)に、両モノマー成分を重合及びイミド化すると
いう製法を挙げることができる。
【0020】前記のビフェニルテトラカルボン酸類は、
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン二無水
物(a−BPDA)が、ジアミン成分との重合によって
得られたポリイミドシロキサンの有機極性溶媒に対する
溶解性及びエポキシ化合物との相溶性の点で最適であ
る。
【0021】また、前記のポリイミドシロキサンの製法
としては、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミ
ン成分とを有機極性溶媒中で0〜80℃の低温下に重合
して、対数粘度が0.05以上であるポリアミック酸を
製造し、そのポリアミック酸を何らかの公知の方法でイ
ミド化して可溶性のポリイミドシロキサンを製造する方
法であってもよい。
【0022】さらに、前記のポリイミドシロキサンの製
法においては、前述の芳香族テトラカルボン酸成分の過
剰量とジアミノシロキサンのみからなるジアミン成分と
を重合して得られたイミドシロキサンオリゴマー(X成
分:平均重合度が1〜10程度であり、末端に酸又は酸
無水基を有する。)、および、前記の芳香族テトラカル
ボン酸成分と芳香族ジアミンのみからなるジアミン成分
の過剰量とを重合して得られたイミドオリゴマー(Y成
分:重合度が1〜10程度であり、末端にアミノ基を有
する。)を準備して、次いで前記X成分及びY成分を両
者の全酸成分と全ジアミン成分との比が略等モル付近と
なるように混合し反応させて、ブロックタイプのポリイ
ミドシロキサンを製造する方法も好適に挙げることがで
きる。
【0023】この発明の耐熱性樹脂接着剤において、ポ
リイミドシロキサンが、ビフェニルテトラカルボン酸類
以外の他のテトラカルボン酸類を主成分として製造され
たものであると、そのポリイミドシロキサンが有機極性
溶媒に対して難溶性となったり、不飽和化合物及び/又
はエポキシ樹脂との相溶性が悪化したりするので適当で
はない。
【0024】前記ポリイミドシロキサンの製造に使用さ
れる芳香族テトラカルボン酸成分としてa−BPDAな
どと共に使用することができるテトラカルボン酸化合物
としては、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニル
エーテルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン、ピロメリット酸、または、そ
れらの酸二無水物、エステル化物などを好適に挙げるこ
とができる。
【0025】前記のポリイミドシロキサンの製造に使用
される前記一般式Iで示されるポリシロキサンとして
は、一般式I中のRが炭素数2〜6個、特に3〜5個の
『複数のメチレン基』またはフェニレン基からなる2価
の炭化水素残基であり、R〜Rがメチル基、エチル
基、プロピル基等の炭素数1〜5個の低級アルキル基ま
たはフェニル基であることが好ましく、さらに、nが特
に5〜20、さらに好ましくは5〜15程度であること
が好ましい。
【0026】前記のポリイミドシロキサンの製造に使用
される芳香族ジアミンとしては、例えば、 1) ビフェニル系ジアミン化合物、ジフェニルエーテ
ル系ジアミン化合物、ベンゾフェノン系ジアミン化合
物、ジフェニルスルホン系ジアミン化合物、ジフェニル
メタン系ジアミン化合物、2,2−ビス(フェニル)プ
ロパンなどのジフェニルアルカン系ジアミノ化合物、
2,2−ビス(フェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジ
アミン系化合物、ジフェニレンスルホン系ジアミン化合
物、
【0027】2) ジ(フェノキシ)ベンゼン系ジアミ
ン化合物、ジ(フェニル)ベンゼン系ジアミン化合物、 3) ジ(フェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン系ジアミン系化合物、ビス(フェノキシフェニル)プ
ロパン系ジアミン系化合物、ビス(フェノキシフェニ
ル)スルホン系ジアミン化合物などの『芳香族環(ベン
ゼン環など)を2個以上、特に2〜5個有する芳香族ジ
アミン化合物』を主として含有する芳香族ジアミンを挙
げることができ、それらを単独、あるいは、混合物とし
て使用することができる。
【0028】前記の芳香族ジアミンとしては、特に、
1,4−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ジアミ
ノジフェニルエーテルなどのジフェニルエーテル系ジア
ミン化合物、1,3−ジ(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
などのジ(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン等のビス(フェノキシフェニ
ル)プロパン系ジアミン系化合物、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのジ(フ
ェノキシフェニル)スルホン系ジアミン化合物などの
『芳香族環を2〜4個有する芳香族ジアミン化合物』を
主として(90モル%以上)含有する芳香族ジアミンを
好適に挙げることができる。
【0029】前記ポリイミドシロキサンの製造で使用さ
れる有機極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチ
ルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホル
アミドなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレゾール、フ
ェノール、キシレノールなどのフェノール系溶媒、アセ
トン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、
ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子
内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチル尿素などのそ
の他の溶媒を挙げることができ、さらに、必要であれ
ば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリルのよう
な他の種類の有機溶媒を併用することも可能である。
【0030】この発明において、ポリイミドシロキサン
(a)としては、前記のビフェニルテトラカルボン酸類
を主成分とする(90モル%以上含有する)芳香族テト
ラカルボン酸成分と、前述の一般式Iで示されるジアミ
ノポリシロキサン20〜80モル%及びベンゼン環を2
個以上有する芳香族ジアミン20〜80モル%からなる
ジアミン成分とから得られた可溶性のポリマー(イミド
化率:95%以上、特に100%)であって、フィルム
に形成した場合に弾性率が150kg/mm以下、特
に0.5〜100kg/mm程度であって、さらに、
そのフィルムの軟化温度が5℃以上、特に5〜250℃
程度であるポリイミドシロキサンが好適である。
【0031】この発明において使用される不飽和化合物
(b)に配合されるアクリレート系不飽和化合物(b−
1)としては、分子の末端又は側鎖にアクリロイル基ま
たはメタクリロイル基を有する不飽和化合物であればよ
く、特に、分子量が130〜2000程度であり、室温
で液状であって、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
有機極性溶媒への溶解度が5重量%以上とかなり高いも
のであることが好ましく、例えば、グリセリン、ペンタ
エリスリトール等のポリオールとエステル結合している
ポリオールポリ(メタ)アクリレート、トリアジン骨格
を有するポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル骨格
を有するポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどを
を好適に挙げることができる。
【0032】この発明では、アクリレート系不飽和化合
物としては、特に、ポリオールポリ(メタ)アクリレー
ト系のアクリレート不飽和化合物(東亜合成化学工業株
式会社製のアロニックス−M400、日本化薬株式会社
製のカヤラド−TMPTAなど)を好適に挙げることが
できる。
【0033】前記の不飽和化合物(b)において、アク
リレート系不飽和化合物と共に使用することができるマ
レイミド系不飽和化合物(b−2)としては、マレイン
酸無水物とジアミン化合物とを縮合させて得られた、マ
レイン酸に基づく不飽和基(炭素−炭素二重結合)を両
末端に有するものであればよく、例えば、ジアミノベン
ゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェ
ニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ンなどの芳香族ジアミン1モルと、無水マレイン酸約2
モルとを反応させて得られた可溶性のビスマレイミドを
好適に挙げることができる。
【0034】また、ビフェニルテトラカルボン酸類等の
テトラカルボン酸成分を過剰の前述の芳香族ジアミンか
らなるジアミン成分と反応させて得られた両末端にアミ
ノ基を有するイミドオリゴマーに、さらに、無水マレイ
ン酸を反応させて得られた下記の一般式(II)で示さ
れるビスマレイミド化合物をも好適に挙げることができ
る。
【0035】
【化3】 (ただし、式中、Aは、ジアミン成分に基づく2価の残
基であり、Rはテトラカルボン酸成分に基づく4価の残
基である。又、mは1〜10、特に1〜5程度であ
る。)
【0036】前記のマレイミド系不飽和化合物として
は、ビスマレイミド樹脂(4,4’−ジアミノフェニル
メタンと無水マレイン酸とのビスマレイミド化合物、味
の素株式会社製のビスマレイミド樹脂(商品名:ATU
−BMI樹脂)、日本ポリイミド株式会社製のマレイミ
ド樹脂(商品名:ケルイミド−NE20200)、テク
ノヘミー社製のマレイミド樹脂(商品名:コンピット3
53)などを好適に挙げることができる。
【0037】この発明の耐熱性樹脂接着剤において使用
されるエポキシ基を有するエポキシ化合物(c)として
は、例えば、ビスフェノールA型又はビスフェノールF
型エポキシ樹脂(油化シェル株式会社製、エピコート8
07、828等)、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、アルキル多価フェノール型エポキシ樹脂(日本化薬
株式会社製、RE701等)、多官能型エポキシ樹脂
(住友化学株式会社製、ELM−100等)、グリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱瓦斯
化学株式会社製、テトラットX等)などの『1個以上の
エポキシ基を有するエポキシ化合物』を挙げることがで
き、前述の各種のエポキシ樹脂を複数併用することもで
きる。この発明では、エポキシ樹脂は、融点が90℃以
下、特に0〜80℃程度であるもの、あるいは、30℃
以下の温度で液状であるものが特に好ましい。
【0038】また、この発明の耐熱性樹脂接着剤で使用
されるエポキシ硬化剤(d)としては、イミダール類、
第3級アミン類、トリフェニルフォスフィン類などの硬
化触媒、ジシアンジアミド類、ヒドラジン類、芳香族ジ
アミン類、水酸基を有するフェノールノボラック型硬化
剤などの重付加型硬化剤、有機過酸化物などを挙げるこ
とができる。
【0039】前記のエポキシ硬化剤は、その使用割合を
適宜決めることができるが、エポキシ変性ポリシロキサ
ン化合物(b)及び他のエポキシ化合物(c)からなる
エポキシ樹脂100重量部に対して、0.01〜110
重量部、特に0.03〜100重量部程度使用すること
が好ましい。前記のエポキシ硬化剤として重付加型硬化
剤を使用する場合には、エポキシ樹脂100重量部に対
して5〜110重量部、特に10〜100重量部程度の
使用割合であることが好ましい。
【0040】この発明の耐熱性樹脂接着剤は、前述の種
々の優れた点を有していると共に、厚さ5〜150μm
程度の柔軟な耐熱性樹脂フィルムと、銅箔、アルミニウ
ム箔などの金属箔とが、この接着剤層を介して接合して
得られた金属箔張り合わせ材料(フレキシブル銅張り
板)をエッチング処理して配線板とした場合に、接着操
作において加熱硬化された前述の接着剤層が極めて柔軟
であって、その配線板が激しくカールを生じることがほ
とんどないのである。
【0041】この発明の耐熱性樹脂接着剤は、前記のポ
リイミドシロキサン(a)と、アクリレート系不飽和化
合物(b−1)が主成分として含有されている不飽和化
合物(b)、エポキシ化合物(c)およびエポキシ硬化
剤(d)が含有されている耐熱性樹脂接着剤であればよ
いが、前記の全樹脂成分が、適当な有機極性溶媒中に、
特に3〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%
の濃度で、均一に溶解されている耐熱性樹脂接着剤の溶
液組成物であってもよい。
【0042】前記の耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物は、
その溶液粘度(30℃)が0.1〜10000ポイズ、
特に0.2〜5000ポイズ、さらに好ましくは1〜1
000ポイズ程度であることが好ましい。また、前記溶
液組成物は、二酸化ケイ素(例えば、日本アエロジル社
製の『アエロジル200』)等の微細な無機充填剤が配
合されていてもよい。
【0043】なお、この発明の耐熱性樹脂接着剤は、未
硬化の樹脂成分のみの組成物の軟化点(熱板上で軟化が
開始する温度)が、150℃以下、特に120℃以下、
さらに好ましくは0〜100℃程度であることが好まし
い。この発明の耐熱性樹脂接着剤は、100〜350
℃、さらに好ましくは120〜300℃(特に140〜
250℃)の硬化温度に加熱することによって熱硬化す
ることができるものであることが好ましい。
【0044】また、この発明の耐熱性樹脂接着剤は、樹
脂成分として、フェノール樹脂などの他の熱硬化性樹脂
などが少ない割合で含有されていてもよい。
【0045】前記の耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を調
製する際に使用される有機極性溶媒は、前述のポリイミ
ドシロキサンの製造に使用される有機極性溶媒をそのま
ま使用することができ、例えば、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランなどの酸素原子を分子内に有する有機極性溶
媒を好適に使用することがでる。
【0046】この発明の耐熱性樹脂接着剤は、前述の樹
脂成分の全てが有機極性溶媒に均一に溶解されている耐
熱性樹脂接着剤の溶液組成物を、適当な金属箔、芳香族
ポリイミドフィルムなどの耐熱性フィルム面、または、
ポリエステルやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂性のフ
ィルム面上に塗布し、その塗布層を80〜200℃の温
度で20秒〜100分間乾燥することによって、溶媒が
1重量%以下にまで除去された(好ましくは溶媒残存割
合が特に0.5重量%以下である)未硬化状態の耐熱性
接着剤の薄膜(厚さが約1〜200μmであるドライフ
ィルムまたはシート)を形成することができる。
【0047】前述のようにして製造された未硬化の耐熱
性樹脂接着剤の薄膜は、好適な柔軟性を有しており、紙
管などに巻きつけたり、また、打ち抜き法などの穴開け
加工をすることもでき、さらに、例えば、前記の耐熱性
又は熱可塑性フィルム上に未硬化の耐熱性樹脂接着剤の
薄層が形成されている積層シートと、転写先用の金属箔
または耐熱性フィルムなどとを重ね合わせて、約20〜
200℃温度に加熱された一対のロール(ラミネートロ
ール)間を通すことによって、転写先用の金属箔又は耐
熱性フィルム上に転写することも可能である。
【0048】この発明の耐熱性樹脂接着剤を使用して耐
熱性フィルムと金属箔等とを接合させて銅張基板などの
積層体を形成するには、例えば、前述のように形成され
た薄膜状の耐熱性樹脂接着剤層を介して、耐熱性フィル
ムと金属箔とを、80〜200℃、特に120〜180
℃の温度で、加圧下に、ラミネート(張り合わせ)し
て、さらに、そのラミネートされたものを、約150〜
300℃、特に150〜280℃の温度で、30分間〜
40時間、特に1〜30時間加熱して、前記耐熱性樹脂
樹脂接着剤層を加熱硬化させることによって、前述の積
層体を何らの支障もなく容易に連続的に製造することが
できる。
【0049】この発明の耐熱性樹脂接着剤は、芳香族ポ
リイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテル
エーテルケトン、PEEKフィルム、ポリエーテルスル
ホンフィルムなどの耐熱性フィルムと、銅箔などの適当
な金属箔と接合するために好適に使用することができ
る。
【0050】
【実施例】以下、実施例などを示し、この発明をさらに
詳しく説明する。以下の実施例等において、対数粘度
(η)は、樹脂成分濃度が0.5g/100ミリリット
ル溶媒となるように、芳香族ポリイミドシロキサンを、
N−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解して樹脂溶液
を調製し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの溶液粘
度を30℃で測定して下記の計算式で算出された値であ
る。
【0051】
【式1】
【0052】ポリイミドシロキサンフィルムの軟化温度
は、粘弾性試験における粘弾性ピークのTanδ(高温
側)より求めた値である。また、接着強度は、インテス
コ社製の引張り試験機を用いて、剥離速度50mm/分
として、測定温度25℃では90°、そして測定温度1
80℃では80°剥離試験を行って測定した結果であ
る。
【0053】〔イミドシロキサンオリゴマーの製造〕 参考例1 容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、 1)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物(a−BPDA)0.045 モル、 2)ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチ
ルシロキサン(信越シリコン(株)製、X−22−16
1AS、n:9)0.030モル、および、 3)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)160g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間攪拌して、アミ
ック酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約
200℃に昇温してその温度で3時間攪拌して末端に無
水基を有するイミドシロキサンオリゴマー(A−1成
分、平均重合度:1)を生成させた。
【0054】参考例2 第1表に示す量のa−BPDA、ジアミノポリシロキサ
ン(X−22−161AS)およびNMPをそれぞれ使
用したほかは、参考例1と同様にして末端に無水基を有
するイミドシロキサンオリゴマー(A−2、平均重合
度:5)を製造した。
【0055】〔イミドオリゴマーの製造〕 参考例3 容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、 1)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物(a−BPDA)0.044 モル 2)2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン(BAPP) 0.066モル、およ
び、 3) N−メチル−2−ピロリドン(NMP)160g を仕込み、窒素気流中50℃で2時間攪拌してアミック
酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約20
0℃に昇温してその温度で3時間攪拌して末端に無水基
を有するイミドオリゴマー(B−1成分、平均重合度:
2)を生成させた。
【0056】参考例4〜5 第1表に示す量のa−BPDA、BAPPおよびNMP
をそれぞれ使用したほかは、参考例4と同様にして末端
にアミノ基を有するイミドオリゴマーB−2(平均重合
度;5)、およびB−3(平均重合度;10)をそれぞ
れ製造した。
【0057】
【表1】
【0058】〔ポリイミドシロキサンの製造〕 参考例6 参考例1で製造したイミドシロキサンオリゴマー(A−
1成分)0.0055モルの20重量%NMP溶液、及
び、参考例4で製造したイミドオリゴマー(B−2成
分)0.0055モルの20重量%のNMP溶液を容量
500ミリリットルのガラス製フラスコに仕込み、窒素
気流中、50℃で1時間攪拌してポリアミック酸ブロッ
クポリマーを生成させ、次いで、その反応液を200℃
に昇温して、その温度で3時間攪拌してポリイミドシロ
キサン(ブロックポリマー)を生成させた。前記ポリイ
ミドシロキサンは、イミド化率が95%以上であり、対
数粘度が0.49であった。
【0059】参考例7〜9 前述の参考例1〜5で製造された各オリゴマーを第2表
に示すような量および反応条件で使用したほかは参考例
6と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリ
マー)をそれぞれ製造した。製造された各ポリイミドシ
ロキサンの対数粘度、フィルムに形成した際の弾性率お
よび軟化温度を第2表に示す。
【0060】参考例10 容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、1)a
−BPDA:0.048モル、2)ジアミノポリシロキ
サン(信越シリコン(株)製、X−22−161A
S):0.016モル、3)BAPP:0.032モ
ル、および、4)NMP:165gを仕込んだ後、窒素
気流中、50℃で2時間攪拌してアミック酸オリゴマー
を生成させ、次いでその反応液を約200℃に昇温し
て、その温度で3時間攪拌してポリイミドシロキサン
(ランダムポリマー、対数粘度:0.56、シロキサン
単位の含有率:33.3モル%)を生成させた。それら
のポリイミドシロキサンの物性を第2表に示す。
【0061】
【表2】
【0062】実施例1 〔耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物の調製〕容量500ミ
リリットルのガラス製フラスコに、前述の参考例6で製
造されたポリイミドシロキサン(ブロックポリマー、A
−1−B−2)50g、アクリレート系不飽和化合物
(東亜合成化学株式会社製、アロニックス M400)
20g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品
名:エピコート807)17g、フェノールノボラック
型硬化剤(明和化成株式会社製、H−1)13g、およ
びジオキサン185gを仕込み、室温(25℃)で、約
2時間攪拌して均一な耐熱姓の接着剤の溶液組成物(2
5℃の粘度:7ポイズ)を調製した。この溶液組成物
は、室温に1週間放置しても均一な溶液の状態(粘度)
を保持していた。
【0063】〔耐熱性樹脂接着剤による積層体の製造〕
前述の耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物をポリイミドフィ
ルム(宇部興産(株)製、商品名:UPILEX−Sタ
イプ、厚さ75μm)上にドクターブレードで125μ
mの厚さで塗布し、次いで、その塗布層を50℃で30
分間、100℃で30分間、加熱して乾燥し、ポリイミ
ドフィルム上に厚さ約20μmの耐熱性樹脂接着剤層
(未硬化の乾燥された層、軟化点:60℃)を形成し
た。
【0064】この耐熱性樹脂接着剤層を有するポリイミ
ドフィルムと銅箔(35μm)とを重ね合わせて130
℃に加熱したラミネートロール間で圧力を加えながら通
過させることにより圧着し、この圧着した積層体を10
0℃で1時間、120℃で1時間、そして180℃で6
時間で加熱処理して、耐熱性樹脂接着剤層を硬化させ、
積層体を製造した。得られた積層体について接着強度を
測定し、その結果を第3表に示す。
【0065】実施例2〜4 第3表に示すような各参考例6〜9で製造されたポリイ
ミドシロキサン(ブロック)を使用し、各成分の組成を
第3表に示すようにしたほかは、実施例1と同様にし
て、耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物をそれぞれ調製し
た。前記の各溶液組成物を使用したほかは、実施例1と
同様にして、積層体をそれぞれ製造した。その積層体の
性能を第3表に示す。
【0066】実施例5 参考例10で製造されたポリイミドシロキサン(ランダ
ム)を使用し、各成分の組成を第3表に示すようにした
ほかは、実施例1と同様にして、耐熱性の接着剤の溶液
組成物をそれぞれ調製した。前記の各溶液組成物を使用
したほかは、実施例1と同様にして、積層体をそれぞれ
製造した。その積層体の性能を第3表に示す。
【0067】
【表3】
【0068】第3表において、『30℃の作業性』は、
タック性(保護用フィルムとのタック性)、パンチング
性、加熱接着時の作業性を総合的に評価したものであ
り、◎は優良、○は良、△は普通、×は不良を示す。
【0069】比較例1 参考例7で製造したポリイミドシロキサン80g、エポ
キシ樹脂(油化シェル株式会社製、エピコート 80
7)6g、フェノールノボラック(明和化成株式会社
製、H−1)4g及びジオキサン230gだけを用いた
他は実施例1と同様にして耐熱性樹脂接着剤の溶液組成
物を調製した。その溶液組成物を用いたほかは実施例1
と同様にしてポリイミドフィルム上に前記溶液組成物を
塗布し乾燥して、接着剤層(未硬化の乾燥された接着剤
層、厚さ:20μm)を形成した。
【0070】前記のポリイミドフィルム上に形成された
接着剤層は、粘着性が乏しく、ポリイミドフィルム上か
ら簡単に剥がれ、銅箔とラミネートして積層体を製造す
ることは実質的に不可能であった。その結果を第3表に
示す。
【0071】比較例2 アクリレート系不飽和化合物(東亜合成化学工業株式会
社製、商品名:アロニックス215)40g、エポキシ
樹脂(油化シェル株式会社製、商品名:エピコート 8
28)23g及びジオキサン150gだけを用いた他は
実施例1と同様にして耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を
調製した。その溶液組成物を用いたほかは実施例1と同
様にしてポリイミドフィルム上に前記溶液組成物を塗布
し乾燥して、接着剤層(未硬化の乾燥された接着剤層、
厚さ:20μm)を形成した。実施例1と同様にして前
記の接着剤層を有するポリイミドフィルムを形成し、そ
のポリイミドフィルムと銅箔とを実施例1と同様にラミ
ネートしたが、そのラミネートの際に接着剤層が流れて
積層体を容易に形成することができなかった。
【0072】比較例3 第3表に示すような組成比で、参考例7で製造された各
ポリイミドシロキサン、アクリレート系不飽和化合物、
エポキシ樹脂を使用した他は、実施例1と同様にして耐
熱性樹脂接着剤の溶液組成物をそれぞれ調製した。実施
例1と同様のラミネートを行ったが、接着剤層が流れて
積層体を製造することができなかった。
【0073】
【本発明の作用効果】この発明の耐熱性樹脂接着剤は、
その溶液組成物を支持フィルム上に塗布し比較的低温で
乾燥することによって、未硬化で薄層状態の耐熱性樹脂
接着剤層を容易に形成することができ、しかも、その薄
層の耐熱性樹脂接着剤層が充分な柔軟性を有しており、
しかも、その支持フィルム上の薄層の耐熱性樹脂接着剤
層が、穴開け加工を受けても何ら支障がなく、また、他
の耐熱性の支持フィルム上へ適当な温度で転写すること
も可能であり、そして、耐熱性フィルムと銅箔とのラミ
ネートを比較的低温で実施することができる作業性のよ
いものである。
【0074】さらに、この発明の耐熱性樹脂接着剤は、
積層体を形成するために加熱硬化された後でも、耐熱
性、可とう性などに優れており、そして、銅箔などのエ
ッチング後のエッチングフィルムのカールも小さいの
で、特にフレキシブル配線基板、TAB用銅張り基板な
どの接着剤として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−7384(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)2,3,3’,4’−ビフェニルテト
    ラカルボン酸あるいは3,3’,4,4’−ビフェニル
    テトラカルボン酸、それらの酸二無水物、あるいはそれ
    らの酸エステル60〜100モル%と3,3’,4,
    4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,
    4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、ビス
    (3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビ
    ス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ピロメ
    リット酸、それらの酸二無水物、あるいはそれらの酸エ
    ステル0〜40モル%とからなる芳香族テトラカルボン
    酸成分と、一般式I H2N−R−[Si(R1)(R2)−O−]n−Si(R
    3)(R4)−R−NH2(I) (ただし、式中のRは炭素数2〜6個の複数のメチレン
    基またはフェニレン基からなる2価の炭化水素残基を示
    し、R1、R2、R3及びR4は炭素数1〜5個の低級アル
    キル基又はフェニル基を示し、nは3〜60の整数を示
    す。)で示されるジアミノポリシロキサン10〜80モ
    ル%及び芳香族ジアミン20〜90モル%からなるジア
    ミン成分とから得られる可溶性のポリイミドシロキサン
    100重量部、 (b)分子の末端又は側鎖にアクリロイル基またはメタク
    リロイル基を有する不飽和化合物5〜400重量部、 (c)エポキシ基を有するエポキシ化合物20〜250重
    量部、および (d)エポキシ硬化剤が、樹脂成分として含有されている
    ことを特徴とする耐熱性樹脂接着剤。
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