JP3063928B2 - 耐熱性接着剤組成物 - Google Patents

耐熱性接着剤組成物

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JP3063928B2
JP3063928B2 JP3347588A JP34758891A JP3063928B2 JP 3063928 B2 JP3063928 B2 JP 3063928B2 JP 3347588 A JP3347588 A JP 3347588A JP 34758891 A JP34758891 A JP 34758891A JP 3063928 B2 JP3063928 B2 JP 3063928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、柔軟性ポリマー成分
として(A)末端に不飽和基を有していない可溶性の芳
香族ポリイミド、そして、硬化成分として『(B1)末
端に不飽和基を有する末端変性イミドシロキサンオリゴ
マー及び(C1)脂肪族酸エステル結合及びエポキシ基
を有するエポキシ化合物』、または、『(B2)末端に
不飽和基を有する末端変性イミドオリゴマー及び(C
2)エポキシ変性ポリシロキサン化合物』、さらに
(D)エポキシ硬化剤が、樹脂成分として特定の組成比
で含有されている、ボンディングシート用の耐熱性接着
剤組成物に係わるものである。
【0002】この発明の耐熱性接着剤組成物は、銅箔な
どの各種金属箔と、耐熱性支持材料(例えば耐熱性フィ
ルム、無機シート等)とを該接着剤組成物を介して貼り
合わす際に比較的低温で行うことができ、該接着剤組成
物で貼り合わされた積層体は、硬化した接着剤層が充分
な接着力を示すと共に優れた耐熱性を示し、剛直でなく
柔軟であるので、フレキシブル配線基板、TAB(Ta
pe Automated Bonding)用銅張基
板などの製造に使用すれば、各基板がその後のハンダ処
理などの各種の高温処理工程を安心して行うことがで
き、最終製品が激しくカールすることがなく、その品質
を高め製品の不良率を低下させることができる。
【0003】
【従来技術の説明】従来、フレキシブル配線基板は、エ
ポキシ樹脂やウレタン樹脂などの接着剤を用いてポリイ
ミドフィルムと金属箔を貼り合わせて製造することが多
かった。しかし、公知の接着剤を使用して製造されたフ
レキシブル配線基板は、その後のハンダ工程で高温に曝
されると、接着剤層において、『ふくれ』や『剥がれ』
を生じるという問題があり、接着剤の耐熱性の向上が望
まれていた。
【0004】耐熱性接着剤としては、イミド樹脂系接着
剤が提案されており、例えば、N,N’−(4,4’−
ジフェニルメタン)ビスマレイミドと、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタンからなる予備縮合物が知られてい
る。しかし、この予備縮合物自体は、脆いために、フレ
キシブル回路用基板用の接着剤としては適していない。
【0005】前記欠点を改良する方法として、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンとから得られ
る芳香族ポリイミドとポリビスマレイミドとを混合した
樹脂組成物から接着性フィルム(ドライフィルム又はボ
ンディングシート)を形成し、その接着性フィルムを耐
熱性フィルムと銅箔との間に挟み込んで熱圧着する方法
が提案されている。(特開昭62−232475号公報
および特開昭62−235382号公報を参照)
【0006】しかし、前記の接着性フィルムはその軟化
点が180℃以上であり、ポリイミドフィルムと銅箔と
の接着を、約260〜280℃程度の高い温度下で、し
かも約30〜60kg/cm程度の高い圧力下で行う
必要があり、このような接着条件では、有機樹脂製の圧
着ロールを使用して連続的に、ポリイミドフィルムと銅
箔とをラミネートすることが極めて困難であるという点
で問題であった。
【0007】一方、配線板等の電子部品のコーティング
用組成物として、芳香族ポリイミド等にエポキシ樹脂を
配合した樹脂溶液(ワニス)が、前記樹脂硬化物からな
る耐熱性コーティング層と配線板等との接着性を改良す
るために、種々提案されているが、公知のコーティング
組成物は、前述のような銅張基板の製造における『銅箔
と芳香族ポリイミドフィルムとを接着するための接着
剤』としては、貼り合わせ又は硬化の温度が高くなった
り、芳香族ポリイミドとエポキシ樹脂との相溶性又は芳
香族ポリイミドと溶媒との相溶性が低かったり、あるい
は接着・硬化した後の接着剤層が柔軟でなかったりとい
う問題があり、実際に接着剤として使用できるものでは
なかった。
【0008】
【本発明の解決しようとする問題点】この発明の目的
は、前述の公知の接着剤における問題点が解消されてい
て、接着性フィルム(ボンディングシート)を容易に形
成することができ、そのボンディングシート自体に、フ
レキシブル性(柔軟性)があり、しかもタック性があ
り、銅箔のラミネートおよび接着剤層の硬化からなる工
程を経て、耐熱性フィルムと各種金属箔とを好適に貼り
合わせて、カールの生じない優れた性能の積層体を得る
ことができる『高温度での高い接着性を示すボンディン
グシートとなる耐熱性接着剤組成物』を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】この発明は、(A)2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸
二無水物、あるいはその酸エステル化物80〜100モ
ル%と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラ
カルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メ
タン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、それらの酸二無水物、あるいはそれらの酸エステル
化物0〜20モル%とからなる芳香族テトラカルボン酸
成分と、一般式I
【0010】H2N−Bz−X−Bz−Y−Bz−X−
Bz−NH2[ただし、式中、Bzは4,4’結合のベ
ンゼン環を示し、Xは、−O−、又は−CH2−であ
り、Yは、−SO2−、又は−CH(CH32−を示
す]で示される芳香族ジアミン80〜100モル%と下
記の一般式H2N−Bz−Bz−NH2、H2N−Bz−
O−Bz−NH2、H2N−Bz−CO−Bz−NH2
2N−Bz−SO2−Bz−NH2、H2N−Bz−CH
2−Bz−NH2、H2N−Bz−C(CH3)2−Bz−N
2、H2N−Bz−C(CF3)2−Bz−NH2、H2N−
Bz−O−Bz−O−Bz−NH2、H2N−Bz−Bz
−Bz−NH2、又は、H2N−Bz−O−Bz-C36
−Bz−O−Bz−NH2(ただし、Bzはベンゼン環
を示す。)で示される芳香族ジアミン0〜20モル%と
からなるジアミン成分とから得られる可溶性の芳香族ポ
リイミド100重量部、
【0011】(B1)芳香族テトラカルボン酸成分、ジアミ
ノポリシロキサンからなるジアミン成分、及び、不飽和
基を有するモノアミン又は2個のカルボキシル基を隣接
して有する不飽和ジカルボン酸化合物を反応させて得ら
れた、300℃以下の軟化点を有する末端変性イミドシ
ロキサンオリゴマ−2〜50重量部(好ましくは5〜2
0重量部)、及び、(C1)脂肪族酸エステル結合を有する
と共に、エポキシ基を有するエポキシ化合物5〜150
重量部(好ましくは10〜100重量部)、あるいは、
【0012】(B2)芳香族テトラカルボン酸成分、芳香族
ジアミンからなるジアミン成分、及び、不飽和基を有す
るモノアミン又は2個のカルボキシル基を隣接して有す
る不飽和ジカルボン酸化合物を反応させて得られた、3
00℃以下の軟化点を有する末端変性イミドシロキサン
オリゴマ−2〜50重量部(好ましくは5〜20重量
部)、及び、(C2)末端に水酸基、カルボキシル基、又は
アミノ基を有する反応性ポリシロキサンオイルと、ビス
フェノ−ル型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、又は
グリシジルエステル型エポキシ樹脂であるエポキシ化合
物とを反応させて得られる末端にエポキシ基を少なくと
も1つ有するエポキシ変性ポリシロキサン5〜150重
量部(好ましくは10〜100重量部)、さらに、
【0013】(D)エポキシ硬化剤が(好ましくはエポキ
シ化合物またはエポキシ変性ポリシロキサン化合物10
0重量部に対して0.01〜90重量部)が、樹脂成分
として、含有されていることを特徴とする耐熱性接着剤
組成物に関する。
【0014】この発明で樹脂成分の1成分として使用さ
れる可溶性の芳香族ポリイミド(A)は、例えば、2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類(例え
ば、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
又はその酸二無水物、或いは、その酸エステル化物)を
主成分とする(80モル%以上、特に90〜100モル
%含有する)芳香族テトラカルボン酸成分と、前記一般
式Iで示される特定の芳香族ジアミンを主成分とする
(80モル%以上、特に90〜100モル%)ジアミン
成分との略等モルをモノマー成分として使用して、有機
極性溶媒中140℃以上の温度で、重合及びイミド化す
ることにより得られる、末端に不飽和基を有していない
高分子量の芳香族ポリイミドであることが好ましい。
【0015】また、芳香族ポリイミド(A)の製法は、
芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分との略等モ
ルを、有機極性溶媒中0〜80℃の低温で重合してポリ
アミック酸を製造し、そのポリアミック酸を何らかの公
知の方法でイミド化する製法を採用することもできる。
【0016】芳香族ポリイミド(A)は、ポリマーの分
子量に対応する対数粘度(測定濃度;0.5g/100
ミリリットル溶媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリド
ン、測定温度;30℃)が、0.3〜6、特に0.5〜
5程度であるポリマーであり、さらに、有機極性溶媒
(特にアミド系溶媒)に少なくとも3重量%、特に5〜
40重量%程度の濃度で均一に溶解させることができる
ものが好ましい。
【0017】前記の芳香族ポリイミド(A)は、別の表
現をすれば、一般式II
【化4】 (但し、一般式IIで、Arは芳香族ジアミンなどのジ
アミン化合物の2個のアミノ基を除いた二価の残基であ
る)で示される反復単位を80モル%以上、特に90〜
100モル%含有していて、有機極性溶媒に可溶性であ
って、両末端に不飽和基を有していない高分子量の芳香
族ポリイミドであることが好ましい。
【0018】芳香族ポリイミド(A)は、赤外線吸収ス
ペクトル分析法で測定したイミド化率が90%以上、特
に95%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分析にお
いてポリマーのアミド−酸結合に係わる吸収ピークが見
出されず、イミド環結合に係わる吸収ピークのみが見ら
れるイミド化率が100%であることが好ましい。
【0019】この発明において、芳香族ポリイミドが
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類以
外の他のテトラカルボン酸類を主成分として製造された
ものであると、その芳香族ポリイミドが有機極性溶媒に
対して難溶性となったり、前記の末端変性イミドオリゴ
マー又はイミドシロキサンオリゴマー、あるいは、エポ
キシ化合物との相溶性が低いことがあるので適当ではな
い。
【0020】前記芳香族ポリイミド(A)の製造に使用
されるテトラカルボン酸成分においてa−BPDA等と
共に使用できるテトラカルボン酸としては、例えば3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、又はそれらの酸の二無水物、エステル化物を挙げる
ことができる。
【0021】芳香族ポリイミド(A)の製造でジアミン
成分として使用される一般式Iで示される芳香族ジアミ
ンは2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン(BAPP)、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェニルメチル)フェニル〕プロパン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(4−アミノフェニルメチル)フェニル〕ス
ルホン(BAPS)等を挙げることができる。
【0022】芳香族ポリイミド(A)の製造において一
般式Iで示される芳香族ジアミンと併用できるジアミン
化合物としては、ビフェニル系ジアミン、ジフェニルエ
ーテル系ジアミン、ベンゾフェノン系ジアミン、ジフェ
ニルスルホン系ジアミン、ジフェニルメタン系ジアミ
ン、ジフェニルプロパン系ジアミン、2,2−ビス(フ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン、ジフェニ
レンスルホン系ジアミン、ジ(フェノキシ)ベンゼン系
ジアミン、ジ(フェニル)ベンゼン系ジアミン、ジ(フ
ェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン
等の『芳香族環(ベンゼン環など)を2個以上有する芳
香族ジアミン化合物』を挙げることができる。
【0023】この発明において樹脂成分の1成分として
使用される末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B
1)は、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分、ジアミ
ン成分、及び、不飽和基を有するモノアミン又はジカル
ボン酸を、各成分中の酸無水基(又は隣接する一対のカ
ルボキシル基)の総量とアミノ基の総量とが等しい当量
となるように調整して準備して、まず、芳香族テトラカ
ルボン酸成分とジアミン成分とを、有機極性溶媒中10
0℃以下の温度で反応させてアミド−酸結合を有するア
ミック酸オリゴマーを生成させ、次いで、そのアミック
酸オリゴマーと、不飽和基を有するモノアミン又はジカ
ルボン酸とを反応させ、さらに140〜250℃の高温
に加熱する製法で得られるものであればよい。
【0024】末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B
1)はその軟化点が300℃以下、特に40〜250℃
であって、対数粘度が0.5以下、特に0.01〜0.
4程度であり、末端に不飽和基を有すると共に分子内に
イミド結合を有する末端変性イミドシロキサンオリゴマ
ーが好ましい。
【0025】末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B
1)は、一般式III又はIV
【化5】 (式中、Arは芳香族テトラカルボン酸の4個のカル
ボキシル基を除去した四価の芳香族残基であり、Ar
は、ジアミン化合物の2個のアミノ基を除いた二価の残
基であり、Rは不飽和基を有するモノアミン化合物の
1個のアミノ基を除去した一価の有機残基であり、そし
てRは不飽和基を有するジカルボン酸の2個のカルボ
キシル基を除去した二価の有機残基であって、さらに、
mおよびnは1〜50、特に1〜30程度の整数であ
る)で示される末端変性イミドシロキサンオリゴマーで
あることが好ましい。
【0026】前記末端変性イミドシロキサンオリゴマー
の製法において使用される芳香族テトラカルボン酸成分
は、芳香族ポリイミドの製法においてすでに例示した芳
香族テトラカルボン酸類をいずれも使用することが可能
である。
【0027】前記末端変性イミドシロキサンオリゴマー
の製法で使用される芳香族テトラカルボン酸成分として
は、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸、又はそれらの酸二無水物、或いはそれらの酸のエス
テル価物などのビフェニルテトラカルボン酸類が主成分
として(80モル%以上、特に90モル%以上)含有さ
れている芳香族テトラカルボン酸成分が好適であり、そ
して、ベンゾフェノンテトラカルボン酸類、ビフェニル
エーテルテトラカルボン酸類、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)ベンゼン類、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン類なども芳香族テトラカ
ルボン酸成分として使用することができる。
【0028】末端変性イミドシロキサンオリゴマーの製
法で使用されるジアミノポリシロキサンとしては、例え
ば、一般式V
【化6】 (但し、式中、Rは二価の炭化水素残基を示し、R
、R及びRは炭素数1〜4の低級アルキル基又
はフェニル基を示し、pは3〜60、好ましくは5〜5
0の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキサン
を挙げることができる。
【0029】一般式Vで示されるジアミノポリシロキサ
ンは、一般式V中のRが炭素数2〜6個の『複数のメチ
レン基』又はフェニレン基からなる2価の炭化水素残基
であり、R〜Rがメチル基、エチル基、プロピル基
等の炭素数1〜5個のアルキル基又はフェニル基であっ
て、さらにpが5〜20程度であることが好ましい。
【0030】末端変性イミドシロキサンオリゴマーの製
法で使用される不飽和基を有するモノアミン化合物とし
ては、プロパルギルアミン、3−アミノブチン、4−ア
ミノブチン、4−アミノペンチン、5−アミノペンチ
ン、6−アミノヘキシン、4−アミノー3−メチルブチ
ン、アリルアミンなどの『不飽和基を有する脂肪族モノ
アミン化合物』、または、m−又はp−アミノスチレ
ン、m−アミノ−α−メチルスチレン、1−イソプロペ
ニル−3−(2−アミノイソプロピル)ベンゼン、3−
アミノフェニルアセチレン、4−アミノフェニルアセチ
レンなどの『不飽和基を有する芳香族モノアミン化合
物』を挙げることができる。
【0031】末端変性イミドシロキサンオリゴマーの製
法で使用される不飽和基を有するジカルボン酸化合物と
しては、マレイン酸、シトラコン酸、ナジック酸、イタ
コン酸、テトラヒドロフタル酸、又は、それらの酸無水
物、その酸のエステル化物などの『2個のカルボキシル
基を隣接して有する不飽和ジカルボン酸類』を好適に挙
げることができる。
【0032】この発明において樹脂成分の1成分として
使用される末端変性イミドオリゴマー(B2)は、例え
ば、芳香族テトラカルボン酸成分、芳香族ジアミン、及
び、不飽和基を有するモノアミン又はジカルボン酸化合
物を、各成分中の酸無水基(又は隣接する一対のカルボ
キシル基)の総量とアミノ基の総量とが等しい当量とな
るように調整して準備して、まず、芳香族テトラカルボ
ン酸成分と芳香族ジアミン成分とを有機極性溶媒中10
0℃以下の温度で反応させてアミド−酸結合を有するア
ミック酸オリゴマーを生成させ、次いで、そのアミック
酸オリゴマーと不飽和基を有するモノアミン又はジカル
ボン酸とを反応させ、140〜250℃の高温に加熱す
る製法によって得られるものであればよい。
【0033】前記末端変性イミドオリゴマー(B2)は
別の表現をすれば一般式VI又はVII
【化7】 (式中、Arは、芳香族ジアミン化合物の2個のアミ
ノ基を除いた二価の芳香族残基であり、そして、A
、R及びR、並びに、m及びnは、前述の一般
式IIIおよびIVにおける定義と同様である。)で示
される末端変性イミドオリゴマーであることが好まし
い。
【0034】前記末端変性イミドオリゴマ−(B2)の製造
に使用される芳香族ジアミンとしては、芳香族ポリイミ
ドの製法においてすでに例示した芳香族ジアミン類をい
ずれも使用することができる。芳香族ジアミンとして、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェニ
ルメチル)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−
アミノフェニルメチル)フェニル]スルホン、ビフェニ
ル系ジアミン、ジフェニルエ−テル系ジアミン、ベンゾ
フェノン系ジアミン、ジフェニルスルホン系ジアミン、
ジフェニルメタン系ジアミン、ジフェニルプロパン系ジ
アミン、2,2−ビス(フェニル)ヘキサフルオロプロ
パン系ジアミン、ジフェニレンスルホン系ジアミン、ジ
(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン、ジ(フェニル)ベ
ンゼン系ジアミン、ジ(フェノキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン系ジアミンが挙げられる。
【0035】末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B
1)又は末端変性イミドオリゴマー(B2)は、赤外線
吸収スペクトル分析法で測定したイミド化率が95%以
上であるか、赤外線吸収スペクトル分析においてポリマ
ーのアミド−酸結合に係わる吸収ピークが実質的に見出
されず、イミド環結合に係わる吸収ピークのみが見られ
る実質的にイミド化率100%であることが好ましい。
【0036】末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B
1)又は末端変性イミドオリゴマー(B2)の製造にお
いて使用する有機極性溶媒としては、例えば、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミ
ド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチ
ルスルホルアミドなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレ
ゾール、フェノール、キシレノールなどのフェノール系
溶媒、アセトン、メタノール、エタノール、エチレング
リコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジ
ン、テトラメチル尿素などのその他の溶媒を挙げること
ができる。
【0037】この発明において使用される脂肪族酸エス
テル結合及びエポキシ基を有するエポキシ化合物(C
1)としては、脂肪族酸とグリシジルアルコールとを反
応させて得られるポリグリシジルエステル化合物、例え
ば、リノール酸、リノレン酸などの脂肪族酸のポリグリ
シジルエステル等の可撓性エポキシ樹脂、あるいは、炭
素数10〜30程度の合成脂肪族酸(2塩基酸)とグリ
シジルアルコールとのエステル化合物、例えば油化シェ
ル株式会社製のエピコート871、岡村製油株式会社製
のIPU−22Gなどのポリグリシジルエステルを挙げ
ることができる。
【0038】この発明において使用されるエポキシ変性
ポリシロキサン化合物(C2)としては、末端に水酸
基、カルボキシル基、又はアミノ基を有する反応性ポリ
シロキサンオイルと、ビスフェノール型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂などのエポキシ化合物とを80〜140℃程度の温度
で反応させて得られる、ポリシロキサンの末端または内
部にエポキシ基を少なくとも1つ有するエポキシ変性ポ
リシロキサンであればよい。
【0039】エポキシ変性ポリシロキサン化合物(C
2)としては、融点が90℃以下であるもの、又は30
℃以下で液状であるものが好ましく、例えば、チッソ株
式会社製のポリグリシドキシプロピルメチルシロキサン
(PS920、PS922など)、東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン株式会社製のエポキシ・グライコール変
性シリコンオイル(SF−8421、BY−16−84
5など)、信越化学工業株式会社製のエポキシ末端反応
性シリコンオイル(KF105、X−22−163な
ど)等を挙げることができる。
【0040】この発明では、前記エポキシ化合物(C
1)又は(C2)と共に、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジル
エーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキ
シ樹脂等の『1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化
合物』を、全エポキシ化合物の20重量%以下の割合で
併用することもできる。
【0041】また、この発明の耐熱性接着剤組成物で使
用されるエポキシ硬化剤(D)は、イミダゾール類、第
3級アミン類、フェノール類、トリフェニルフォスフィ
ン類、ジシアンジアミド類、ヒドラジン類、芳香族ジア
ミン類などのアニオン型硬化剤、水酸基を有するフェノ
ールノボラック型硬化剤などの重付加型硬化剤、有機過
酸化物などを挙げることができる。前記のエポキシ硬化
剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、約0.01
〜90重量部、特に0.03〜80重量部程度使用する
ことことが好ましい。
【0042】この発明の耐熱性接着剤組成物は、芳香族
ポリイミド(A)、末端変性イミドシロキサンオリゴマ
ー(B1)及び脂肪族酸エステル結合を有するエポキシ
化合物(C1)、または末端変性イミドオリゴマー(B
2)及びエポキシ変性ポリシロキサン化合物(C2)、
さらにエポキシ硬化剤(D)の特定組成比の樹脂成分が
主成分として(90重量%以上)含有されている耐熱性
樹脂組成物であればよいが、前記の全樹脂成分が適当な
有機極性溶媒に3〜50重量%の濃度で均一に溶解され
ている耐熱性接着剤の溶液組成物であってもよい。
【0043】前記の耐熱性接着剤の溶液組成物は、その
溶液粘度(30℃)が、0.1〜10000ポイズ、特
に0.2〜5000ポイズ程度であることが好ましく、
又、未硬化の耐熱性接着剤組成物はその軟化点(熱板上
で軟化が開始する温度)が150℃以下、特に120℃
以下であり、又、130〜400℃、特に140〜35
0℃の硬化温度に加熱することによって硬化することが
好ましい。
【0044】この発明の耐熱性接着剤組成物を調製する
際に使用する有機極性溶媒は、前述の芳香族ポリイミ
ド、末端変性イミドシロキサンオリゴマー、末端変性イ
ミドオリゴマーの製造において使用される重合用の有機
極性溶媒をそのまま使用することができるが、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有す
る有機極性溶媒を使用することが特に好ましい。
【0045】前記の耐熱性接着剤の溶液組成物は、適当
な金属箔、芳香族ポリイミドフィルム面、またはポリエ
ステルフィルム面に塗布し、その塗布層を60〜140
℃の温度で20〜100分間乾燥することによって、実
質的に溶媒が除去された(溶媒残存割合が1重量%以下
である。)未硬化状態の耐熱性接着剤組成物のシート
(厚さ約1〜200μmであるドライフィルム又はボン
ディングシート)を形成することができる。
【0046】前記のボンディングシートは、好適な柔軟
性を有しており、紙管などに巻きつけたり、又は打ち抜
き法などの穴開け加工をすることもでき、さらに、剥離
性フィルム上に未硬化の耐熱性接着剤層を形成したシー
トと、転写先用の耐熱性フィルム等とを重ね合わせて、
約20〜140℃温度に加熱された一対のラミネートロ
ール間を通すことによって耐熱性フィルム上に接着剤シ
ート層を転写することも可能である。
【0047】この発明の耐熱性接着剤組成物を使用して
耐熱性フィルムと金属箔などとを接合させて銅張基板な
どの積層体を形成するには、例えば、耐熱性接着剤組成
物のフィルム又はシートを介して、耐熱性フィルムと金
属箔とを100〜180℃の温度でラミネートして、さ
らにそのラミネート体を100〜350℃の温度で1〜
30時間加熱して接着剤層を加熱硬化させることによっ
て、前述の積層体を容易に連続的に製造することができ
る。
【0048】この発明の耐熱性接着剤組成物は、芳香族
ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテ
ルエーテルケトン、PEEKフィルム、ポリエーテルス
ルホンフィルムなどの耐熱性フィルムと、銅箔などの適
当な金属箔と接合するために好適に使用することができ
る。
【0049】この発明の耐熱性接着剤組成物は、前述の
種々の優れた点を有していると共に、厚さ5〜150μ
m程度の柔軟な耐熱性樹脂フィルムと銅箔、アルミニウ
ム箔などの金属箔とが耐熱性接着剤組成物層を介して接
合して得られた金属箔貼合わせ材料(フレキシブル銅張
り板など)をエッチング処理して配線板を形成した場合
に、接着時に加熱硬化された該接着剤層が極めて柔軟で
あって、その配線板が極めて激しいカールを生じること
がないのである。
【0050】
【実施例】以下、実施例を示し、この発明をさらに詳し
く説明する。以下の実施例においては、対数粘度(η
inh)は、濃度が0.5g/100ml溶媒となるよ
うに、芳香族ポリイミド、末端変性イミドシロキサンオ
リゴマー又は末端変性イミドオリゴマーをN−メチル−
2−ピロリドンに均一に溶解し、その溶液の溶液粘度お
よび溶媒の粘度を30℃で測定して下記の計算式で算出
された値である。
【0051】
【式1】
【0052】また、ボンディングシートのタック性は、
芳香族ポリエステルフィルム(PET)間にボンディン
グシートを挟み、40℃でロール間で圧着してラミネー
トすることにより測定し、○が充分に密着していること
を示し、×が自然剥離することを示す。そして、ボンデ
ィングシートの接着強度は、インテスコ社製の引張り試
験機を用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試験を
行って測定した結果である。
【0053】さらに、耐熱性接着剤組成物を使用して銅
張り基板を形成し、その銅箔をエッチング処理して除去
した後の配線板のカール性を示す曲率半径は、JIS規
格C5012に示された計算式〔曲率半径(mm)=L
/8h(L:試料長さ、h:そり高さ)〕で算出され
た値である。
【0054】参考例1 〔芳香族ポリイミドAの製造〕容量500ミリリットル
のガラス製フラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)29.4
2g(0.1モル)及び2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)41.
1g(0.1モル)、並びに、N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)282gを仕込んで、前記モノマー成分
をNMP中で200℃の重合温度で2時間攪拌して、重
合およびイミド化して、可溶性の芳香族ポリイミドAが
18重量%含有していて均一に溶解している溶液を調製
した。この芳香族ポリイミドAは、イミド化率が実質的
に100%であり、そして、対数粘度(30℃)が約
1.5であった。
【0055】参考例2 〔末端変性イミドシロキサンオリゴマーB1−1の製
造〕容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)11.77g(0.4モル)、一
般式Vで示されるジアミノポリシロキサン(R:−CH
CHCH−、R〜R:−CH、p:9)5
2.8g(0.06モル)、ジメチルアセトアミド(D
MAc)258gを仕込み、窒素気流中、50℃で1時
間攪拌して、アミック酸オリゴマーを生成させ、次い
で、その反応液を、約165℃に昇温して、その温度で
3時間攪拌して末端にアミノ基を有するイミドオリゴマ
ーを生成させた。
【0056】その反応液を50℃迄冷却した後、無水マ
レイン酸(6.87g)(0.07モル)及びトルエン
35gを添加し、その反応液を約160℃に昇温し、ト
ルエンを発生する水と共に除去しながらその温度で3時
間攪拌してイミド化して、末端にマレイン酸に基づく不
飽和基を有する末端変性イミドシロキサンオリゴマー
(B1−1成分、平均重合度p:2)を生成させた。
【0057】参考例3 〔末端変性イミドシロキサンオリゴマーB1−2の製
造〕容量1000ミリリットルのガラス製フラスコに、
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(a−BPDA)14.71g(0.05モル)、
一般式Vで示されるジアミノポリシロキサン(R:−C
CHCH−、R〜R:−CH、p:9)
88g(0.1モル)、無水マレイン酸(11.77
g)(0.12モル)、及びDMAc411ggを仕込
んだほかは、参考例2と同様にして、末端にマレイン酸
に基づく不飽和基を有する末端変性イミドシロキサンオ
リゴマー(B1−2成分、平均重合度p:1)を生成さ
せた。
【0058】参考例4 〔末端変性イミドオリゴマーB2−1の製造〕容量50
0ミリリットルのガラス製フラスコに、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BP
DA)14.71g(0.05モル)、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン29.23g(0.
1モル)及び無水マレイン酸11.77g(0.12モ
ル)及びDMAc176gを仕込んだほかは、参考例2
と同様にして、末端にマレイン酸に基づく不飽和基を有
する末端変性イミドオリゴマー(B2−1成分、平均重
合度p:1)を生成させた。
【0059】参考例5 〔末端変性イミドオリゴマーB2−2の製造〕容量50
0ミリリットルのガラス製フラスコに、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BP
DA)14.71g(0.05モル)、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン17.54g(0.
06モル)、無水マレイン酸6.87g)(0.07モ
ル)及びDMAc150gを仕込んだほかは、参考例2
と同様にしてマレイン酸に基づく不飽和基を末端に有す
る末端変性イミドオリゴマー(B2−2成分、平均重合
度p:5)を生成させた。
【0060】実施例1 〔耐熱性接着剤の溶液組成物の調製〕容量1リットルの
ガラス製フラスコに、前述の参考例1で製造された芳香
族ポリイミド(A)60重量部、参考例2で製造された
末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B1−1)10
重量部、合成脂肪族酸のグリシジルエステル系エポキシ
樹脂(C1)(岡村製油(株)製、商品名:IPU−2
2G)30重量部、重付加型硬化剤:フェノールノボラ
ック型硬化剤11重量部、アニオン型硬化剤:2−フェ
ニルイミダゾール(2PZ)0.01重量部、テトラヒ
ドロフラン(THF)200重量部を仕込み、室温(2
5℃)で、約2時間攪拌して耐熱性接着剤の溶液組成物
(25℃の粘度:10ポイズ)を調製した。この溶液組
成物は、室温に1週間放置しても均一な溶液の状態を保
持していた。
【0061】〔耐熱性接着剤組成物による積層体の製
造〕前述の耐熱性接着剤の溶液組成物をポリイミドフィ
ルム(宇部興産(株)製、商品名:UPILEX Sタ
イプ、厚さ75μm)上にドクターブレードで175μ
mの厚さで塗布し、次いで、その塗布層を60℃で10
分間、100℃で10分間、さらに、120℃10分間
加熱して乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約25μ
mの耐熱性接着剤組成物のシート層(未硬化の乾燥され
た接着剤組成物のボンディングシート層、軟化点:95
℃)を形成した。
【0062】この耐熱性接着剤組成物のボンディングシ
ート層を有するポリイミドフィルムと銅箔(35μm)
とを重ね合わせて、130℃に加熱したラミネートロー
ル間で圧力をかけながら通過させることにより圧着し、
この圧着した積層体を180℃で2時間、100℃で2
時間、120℃で1時間、140℃で1時間、さらに1
60℃で10時間、窒素気流中、加熱処理してボンディ
ングシート層を硬化させ、積層体を製造した。得られた
積層体について、接着強度を測定し、その結果を第1表
に示す。
【0063】実施例2〜4および比較例1 末端変性イミドシロキサンオリゴマー(B1)の代わり
に第1表に示すような各参考例3〜5で製造された末端
変性イミドオリゴマー(B2)を使用し、第1表に示す
その他の熱硬化性樹脂、エポキシ化合物および硬化剤を
それぞれ使用し、そして、各成分の組成を第1表に示す
ようにしたほかは、実施例1と同様にして、耐熱性接着
剤の溶液組成物をそれぞれ調製した。さらに、前記の各
溶液組成物を使用したほかは、実施例1と同様にして、
積層体をそれぞれ製造した。その積層体の性能を第1表
に示す。
【0064】
【表1】
【0065】第1表において、エポキシ化合物の欄にお
ける『エピコート807』は油化シェル株式会社製のビ
スフェノール型のエポキシ樹脂であり、『KF105』
は信越化学工業株式会社製のエポキシ末端反応性シリコ
ンオイル(エポキシ変性ポリシロキサン化合物)であ
り、そして『PS920』はチッソ株式会社製のポリグ
リシドキシプロピルシロキサン(エポキシ変性ポリシロ
キサン化合物)である。そして、第1表において、アニ
オン型硬化剤の欄における『2−PZ』は四国化成株式
会社製の2−フェニルイミダゾールを示し、そして『2
E4MZ』は、四国化成株式会社製の2−メチル−4−
メチルイミダゾールを示す。
【0066】
【本発明の作用効果】この発明の耐熱性接着剤組成物
は、芳香族ポリイミド、末端変性イミドオリゴマー、エ
ポキシ樹脂及びエポキシ硬化剤からなる樹脂成分を含有
するものであり、熱硬化性樹脂としてシロキサン結合を
有する末端変性イミドシリコンオリゴマー又はエポキシ
変性ポリシロキサンが使用されていることが特徴的であ
る。
【0067】この発明の耐熱性接着剤組成物は、その溶
液組成物を支持フィルム上に塗布し低温で乾燥すること
によって、未硬化で薄層のボンディング層(接着剤層)
を容易に形成することができ、しかも、その薄層のボン
ディング層が充分な柔軟性を有していると共に、その支
持フィルム上のボンディングシート層が穴開け加工を受
けても何ら支障がなく、また、他の耐熱性フィルム上へ
適当な温度で転写することも可能であり、そして、耐熱
性フィルムと銅箔とのラミネートなどを比較的低温で行
うことができ、作業性がよいものである。
【0068】さらに、この発明の耐熱性接着剤組成物
は、加熱硬化された後であっても、耐熱性(150℃以
上の温度での接着性)、可撓性などに優れているので、
特にフレキシブル配線基板、TAB用銅張り基板などの
柔軟性を必要とする積層材料の接着剤として好適に使用
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−7384(JP,A) 特開 平3−14890(JP,A) 特開 平2−158681(JP,A) 特許2943953(JP,B2) 特許2952868(JP,B2) 特許2998865(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)2,3,3’,4’−ビフェニルテト
    ラカルボン酸、その酸二無水物、あるいはその酸エステ
    ル化物80〜100モル%と3,3’,4,4’−ビフ
    ェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾ
    フェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフ
    ェニルエ−テルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカ
    ルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキ
    シフェニル)プロパン、それらの酸二無水物、あるいは
    それらの酸エステル化物0〜20モル%とからなる芳香
    族テトラカルボン酸成分と、一般式IH2N−Bz−X
    −Bz−Y−Bz−X−Bz−NH2[ただし、式中、
    Bzは4,4’結合のベンゼン環を示し、Xは、−O
    −、又は−CH2−であり、Yは、−SO2−、又は−C
    H(CH32−を示す]で示される芳香族ジアミン80
    〜100モル%と下記の一般式H2N−Bz−Bz−N
    2、H2N−Bz−O−Bz−NH2、 H2N−Bz−CO−Bz−NH2、H2N−Bz−SO2
    −Bz−NH2、 H2N−Bz−CH2−Bz−NH2、H2N−Bz−C
    (CH3)2−Bz−NH2、 H2N−Bz−C(CF3)2−Bz−NH2、 H2N−Bz−O−Bz−O−Bz−NH2、H2N−B
    z−Bz−Bz−NH2、又は、H2N−Bz−O−Bz
    -C36−Bz−O−Bz−NH2(ただし、Bzはベン
    ゼン環を示す。)で示される芳香族ジアミン0〜20モ
    ル%とからなるジアミン成分とから得られる可溶性の芳
    香族ポリイミド100重量部、 (B1)芳香族テトラカルボン酸成分、ジアミノポリシロキ
    サンからなるジアミン成分、及び、不飽和基を有するモ
    ノアミン又は2個のカルボキシル基を隣接して有する不
    飽和ジカルボン酸化合物を反応させて得られた、300
    ℃以下の軟化点を有する末端変性イミドシロキサンオリ
    ゴマ−2〜50重量部、 (C1)脂肪族酸エステル結合を有すると共に、エポキシ基
    を有するエポキシ化合物5〜150重量部、及び(D)エ
    ポキシ硬化剤が、 樹脂成分として、含有されていることを特徴とする耐熱
    性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の可溶性の芳香族ポリイミ
    ド100重量部、 (B2)芳香族テトラカルボン酸成分、芳香族ジアミンから
    なるジアミン成分、及び、不飽和基を有するモノアミン
    又は2個のカルボキシル基を隣接して有する不飽和ジカ
    ルボン酸化合物を反応させて得られた、300℃以下の
    軟化点を有する末端変性イミドシロキサンオリゴマ−2
    〜50重量部、 (C2)末端に水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基を有
    する反応性ポリシロキサンオイルと、ビスフェノ−ル型
    エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、
    グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、又はグリシジルエ
    ステル型エポキシ樹脂であるエポキシ化合物とを反応さ
    せて得られる末端にエポキシ基を少なくとも1つ有する
    エポキシ変性ポリシロキサン5〜150重量部、及び
    (D)エポキシ硬化剤が、 樹脂成分として、含有されていることを特徴とする耐熱
    性接着剤組成物。
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