JP4168562B2 - ポリイミドボ−ド及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムがポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤により接合されてなる大きな密着力を有し、特に表面平滑で反りがないポリイミドボ−ド、及びその製法に係わるものである。
【0002】
この発明のポリイミドボ−ドは、耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがないので、高速で回転する電気・電子機器の部材として好適に使用することができる。
また、この発明によれば、簡単な操作で耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがないポリイミドボ−ドを製造することができる。
【0003】
【従来の技術】
従来、ポリイミドボ−ドとしては、耐熱性を有するポリイミドフィルム同士を接着剤を介さずに直接に加熱・圧着したポリイミド積層シ−トが電気・電子部品用等に使用されている。
このポリイミド積層シ−トは、特公平5−59815号公報に記載されているようにガラス転移点が比較的低いポリイミドフィルム同士を加熱・圧着することによって得られている。
【0004】
また、最近、電子部品分野において、操作の高速化や高精度化が要求されており、その分野に使用されるポリイミドボ−ドも耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがないものが要求されている。
【0005】
しかし、前記のガラス転移点が比較的低いポリイミドフィルム同士を加熱・圧着して得られるポリイミドボ−ドは、反りが比較的大きく、特に表面の耐熱性が要求される分野の用途には使用できないという問題がある。
さらに、厚みを大きくしようとすると益々層間の密着力が低下し、しかも反りが大きくなるという問題点が指摘されている。
【0006】
このため、複数枚の芳香族ポリイミドフィルムをアクリル系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤で積層した多層積層ポリイミドボ−ドが提案されたが、却ってポリイミドフィルムの表面処理が必要であり、工程が複雑になるとか、得られる多層積層ポリイミドボ−ドの耐熱性が低下するため、実用的ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、耐熱性を有し各層が強固に接合されしかも表面平滑で反りがないポリイミドボ−ドを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムがポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤によって接合されている厚みが0.15〜3mmで、層間の密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリイミドボ−ドに関する。
また、この発明は、複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムの各層間にポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤を介在させ、加熱圧着して接合する厚みが0.15〜3mmで、層間の密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリイミドボ−ドの製法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の好ましい態様を列記する。
1)耐熱性ポリイミドフィルムが、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび/または4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを必須成分として得られるものである上記のポリイミドボ−ド。
2)耐熱性接着剤が、ポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ−ト樹脂などの耐熱性樹脂の少なくとも1種、および場合によりさらにエポキシシラン化合物とからなる熱可塑性接着剤である上記のポリイミドボ−ドの製法。
【0010】
この発明において、例えば、厚さ25〜125μmの耐熱性芳香族ポリイミドフィルムの複数枚を、各層間にポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤を介在させて、好適には圧力:5〜70kg/cm2で、温度:180〜250℃、時間:0.5〜60分間加熱圧着して、熱硬化性接着剤の場合はさらに好ましくは圧力開放下に150〜250℃の温度で、30分間以上加熱することによって熱硬化−接着して各層が強固に接合したポリイミドボ−ドを得ることができる。
【0011】
この発明において使用される耐熱性芳香族ポリイミドフィルムを構成するポリイミドとしては、耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとから得られる公知の芳香族ポリイミドが使用できる。
【0012】
前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下単にs−BPDAと略記することもある。)、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
【0013】
前記の芳香族ジアミンとしては、例えばパラ−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルが挙げられる。その一部を4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環を有する柔軟な芳香族ジアミンによって置き換えられてもよい。
【0014】
特に、芳香族ポリイミドとして、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラ−フェニレンジアミン(PPDと略記することもある)とから得られる高耐熱性ポリイミド、ピロメリット酸二無水物とパラ−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADEと略記することもある)の芳香族ジアミン成分とから製造される高耐熱性ポリイミド、あるいはピロメリット酸二無水物と3,3’,4,4’−ビフェニルテットラカルボン酸二無水物またはベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物との芳香族テトラカルボン酸成分とパラ−フェニレンジアミンまたはパラ−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADEと略記することもある)との芳香族ジアミン成分とから製造される高耐熱性ポリイミドなどの芳香族ポリイミドが好適に使用される。芳香族ポリイミドは、単独重合、ランダム重合、ブロック重合、あるいはあらかじめ2種類以上のポリアミック酸を合成しておきポリアミック酸溶液を混合し反応を完了させる、いずれの方法によっても達成される。
また、高耐熱性芳香族ポリイミドフィルムとして、ポリアミドイミドフィルムのように、アミド結合も有するフィルムも使用することができる。
【0015】
前記の芳香族ポリイミドフィルムは、例えば、前記芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物の略等モル量を、有機溶媒中で反応させてポリアミック酸の溶液(均一な溶液状態が保たれていれば一部がイミド化されていてもよい)とし、好適には該ポリアミック酸の溶液に無機フィラ−を添加して均一に混合したポリアミク酸混合物であるド−プ液を支持体にキャスティングした後加熱乾燥して、支持体から剥離した自己支持性フィルムを乾燥して得られた乾燥フィルムを、420℃以上、特に420〜520℃の温度で、好適には2〜30分間程度加熱してイミド化を完了させて、厚み25〜125μm程度のポリイミドフィルムを形成することによって得ることが好ましい。なお、前記の工程中で、イミド化を促進するために化学イミド化剤を使用してもよい。
【0016】
この発明において使用されるポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤としては、特に制限はなくポリイミドシロキサンを必須成分とする公知の耐熱性接着剤が使用できる。
【0017】
前記の耐熱性接着剤として、(A)3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸あるいは3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、それら酸の二無水物、あるいはそれら酸のエステルからなる芳香族テトラカルボン酸成分と、一般式I
2N−R−[Si(R1)(R2)−O−]l−Si(R3)(R4)−R−NH2(I)
【0018】
(ただし、式中のRは炭素数2〜6個の複数のメチレン基またはフェニレン基からなる2価の炭化水素残基を示し、R1、R2、R3及びR4は炭素数1〜5個の低級アルキル基又はフェニル基を示し、lは3〜60の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキサン1〜80モル%及び下記の一般式
2N−Bz−O−Bz-C36−Bz−O−Bz−NH2
2N−Bz−O−Bz−O−Bz−NH2、又は
2N−Bz−Bz−Bz−NH2
(ただし、Bzはベンゼン環を示す。)で示されるベンゼン環を3個以上有する芳香族ジアミン芳香族ジアミン20〜99モル%および下記の一般式
2N−Bz(r)n−[X−Bz(r)nm−NH2
【0019】
(ただし、Bzはベンゼン環を示し、Xは直接結合、CH2またはOを示し、mおよびnは独立に0〜3、好適には0〜1の0または整数を示し、rはCOOHまたはOH基を示す。)で示されるエポキシ基との反応性の基を有する芳香族ジアミン0〜40モル%からなるジアミン成分とから得られる、好適にはフィルムを形成した場合に弾性率が250kg/mm2以下、特に0.5〜150kg/mm2で軟化温度が5℃以上である可溶性ポリイミドシロキサン100重量部、 (B)エポキシ樹脂,ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアナ−ト化合物、および、アクリレ−ト化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱性樹脂5〜300重量部、および、
(C)硬化剤0〜60重量部
が含有され、これら各成分と有機極性溶媒との溶液組成物を支持材料に塗布し、乾燥した薄膜の耐熱性接着剤が挙げられる。
【0020】
前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度(測定濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリドン:NMP、測定温度;30℃)が0.05〜7、特に0.07〜4、さらに0.1〜3程度である重合体であり、さらに、有機極性溶媒のいずれかに少なくとも10重量%、特に10〜60重量%程度の濃度で均一に溶解させることができるものが好ましい。
また、ポリイミドシロキサンは、赤外線吸収スペクトル分析法で測定したイミド化率が90%以上、特に95%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分析においてポリマ−のアミド−酸結合に係わる吸収ピ−クが実質的に見出されず、イミド環結合に係わる吸収ピ−クのみが見られるような高いイミド化率であることが好ましい。
【0021】
前記ポリイミドシロキサンの製法としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分、好適には2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、単にa−BPDAと表記することもある。)と、ジアミノポリシロキサン5〜80モル%、ベンゼン環を3個以上有する芳香族ジアミン、好適には2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン20〜90モル%およびエポキシ基との反応性の基を有する芳香族ジアミン、好適にはジアミノ安息香酸、ビス(3−カルボキシ,4−アミノフェニル)メタンあるいは3,3’−ジハイドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル0〜40モル%からなるジアミン成分とを使用して、フェノ−ル系溶媒、アミド系溶媒、硫黄原子を有する化合物の溶媒、酸素原子を有する化合物の溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機溶媒中で、高温下(特に好ましくは140℃以上の温度下)に、両モノマ−成分を重合及びイミド化するという製法を挙げることができる。
【0022】
また、前記のポリイミドシロキサンの製法としては、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機溶媒中で0〜80℃の低温下に重合して、対数粘度が0.05以上であるポリアミック酸を製造し、そのポリアミック酸を何らかの公知の方法でイミド化して可溶性のポリイミドシロキサンを製造する方法であってもよい。
【0023】
さらに、前記のポリイミドシロキサンの製法においては、前述の芳香族テトラカルボン酸成分の過剰量とジアミノポリシロキサンのみからなるジアミン成分とを重合して得られたイミドシロキサンオリゴマ−(X成分:平均重合度が1〜10程度であり、末端に酸又は酸無水基を有する。)、および、前記の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分の過剰量とを重合して得られた芳香族ジアミン系イミドオリゴマ−(Y成分:重合度が1〜10程度であり、末端にアミノ基を有する。)を準備して、次いで、前記X成分及びY成分を、両者の全酸成分と全ジアミン成分との比が略等モル付近となるように混合し反応させて、ブロックポリイミドシロキサンを製造する方法も好適に挙げることができる。
【0024】
前記ポリイミドシロキサンの製造で使用される有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどの硫黄原子を含有する化合物の溶媒、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなどのフェノ−ル系溶媒、トリグライム、ジグライム、ラクトン、ジオキサンなどの酸素原子を分子内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチル尿素などのその他の溶媒を挙げることができ、さらに、必要であれば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリルのような他の種類の有機溶媒を併用することも可能である。
【0025】
前記のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノ−ルA又はビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、アルキル多価フェノ−ル型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などの1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物やエポキシ変性ポリシロキサン樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は1種のみを使用してもよく複数併用することもできる。
前記エポキシ樹脂は、融点が90℃以下、特に0〜80℃程度であるもの、あるいは、30℃以下の温度で液状であるものであってもよい。
特にエポキシ樹脂として、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂が好適である。
【0026】
前記のビスマレイミド−トリアジン樹脂としては、例えば、ビスマレイミド成分とシアネ−ト基を有するトリアジンモノマ−又はプレポリマ−とから得られた、イミド基とトリアジン環とを有する耐熱性樹脂が挙げられる。これらはアクリル酸エステル類、ジビニルベンゼン、スチレン、トリアリルイソシアネ−ト等で0〜30重量%程度変性されていてもよい。
【0027】
前記のビスマレイミド樹脂としては、マレイン酸とジアミン化合物とを縮合させて得られた、マレイン酸に基づく不飽和(二重結合)基を両末端に有するものが挙げられる。
【0028】
前記のシアネ−ト化合物としては、シアネ−ト基を有する有機化合物であればよく、例えば、ビスフェノ−ルAジシアネ−ト、ビス(4−シアネ−トフェニル)エ−テル、1,1,1−トリス(4−シアネ−トフェニル)エタンが挙げられる。
【0029】
前記のアクリレ−ト化合物としては、分子の末端又は側鎖にアクリロイル基またはメタクルロイル基を有する不飽和化合物であればよく、特に、分子量が130〜2000程度であり、室温で液状であって、トリグライム、ジグライム、ラクトン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの有機極性溶媒への溶解度の高いものが好ましく、例えば、グリセリン、エリスリト−ル等のポリオ−ルとエステル結合しているポリオ−ル(メタ)アクリレ−ト、トリアジン骨格を有するポリ(メタ)アクリレ−ト、ポリエステル骨格を有するポリエステル(メタ)アクリレ−トなどを好適に挙げることができる。
【0030】
また、前記の(c)硬化触媒としては、水酸基を複数有する芳香族化合物、特にフェノ−ルノボラック型エポキシ硬化剤、2−アルキル−4−メチルイミダゾ−ル、2−アルキル−4−エチルイミダゾ−ル、1−(2−シアノエチル)−2−アルキルイミダ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル等のイミダゾ−ル系化合物、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレ−ト等の第三級アミン類のテトラフェニルほう素酸塩、ほうふっ化亜鉛、ほうふっ化錫、ほうふっ化ニッケル、第3級アミン類、フェノ−ル類、トリフェニルフォスフィン類、ジシアンジアミド類、ヒドラジン類などが挙げられる。
【0031】
この発明における耐熱性接着剤としては、前記のポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂などの耐熱性樹脂および場合によりさらにエポキシシラン化合物(シランカップリング剤、ポリイミドシロキサン100重量部に対して0〜10重量部、特に0.05〜5重量部程度使用することが好ましい。)とからなる熱可塑性接着剤、あるいは前記のポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂などの耐熱性樹脂とさらに硬化触媒(ポリイミドシロキサンを製造するための芳香族ジアミンとして分子中に耐熱性樹脂の硬化機能を有する官能基を有するものを使用してもよい)とからなる熱硬化性接着剤のいずれかであればよいが、特にポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ−ト樹脂などの耐熱性樹脂の少なくとも1種、および場合によりさらにエポキシシラン化合物とからなる熱可塑性接着剤を、通常は、前記(A)〜(C)の全成分が適当な有機溶媒中に、特に3〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%の濃度で均一に溶解されてい接着剤の溶液組成物(ワニス)として、ポリアミドフィルム、ポリエ−テルエ−テルケトン、PEEKフィルム、ポリエ−テルスルホンフィルムなどの耐熱性フィルムや芳香族ポリイミドフィルムム上に塗布し、その塗布層を80〜200℃の温度で20秒〜30分間程度乾燥することによって、溶媒が1重量%以下にまで除去された(好ましくは溶媒残存割合が0.5重量%以下である)接着剤の薄層(厚さが約2〜30μm、好適には10〜20μm程度である。)を形成して使用することができる。
【0032】
前記の耐熱性接着剤の溶液組成物を調製する際に使用される有機溶媒は、前述のポリイミドシロキサンの製造に使用される有機溶媒をそのまま使用することができ、例えばトリグライム、ジグライム、ラクトン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有する有機溶媒を好適に使用することがでる。前記接着剤の溶液組成物は、その溶液粘度(30℃)が、0.1〜1000ポイズ程度であることが好ましい。
【0033】
また、前記の溶液組成物には、二酸化ケイ素(例えば、日本アエロジル社製の「アエロジル200」)、タルク(特に好ましい。)などの微細な無機フィラ−が配合されていてもよい。無機フィラ−の量は(A)ポリイミドシロキサン100重量部に対して10重量部以下、特に0〜10重量部であることが好ましい。
【0034】
この発明のポリイミドボ−ドは、好適には前記の耐熱性ポリイミドフィルムの複数枚、好適には3〜15枚の間に、前記のポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤の薄層を介在させ、圧力:5〜70kg/cm2で、温度:180〜250℃、時間:0.5〜60分間加熱することによって、あるいは熱硬化性接着剤の場合にはさらに圧力開放下に150〜250℃の温度で、30分間以上加熱することによって加熱圧着し、複数枚の芳香族ポリイミドフィルムと接着剤とを積層一体化して厚み0.3〜3mm程度で層間の密着力が1.5kg/100mm幅以上であり各層が強固に密着した積層体として得ることができる。
【0035】
この発明のポリイミドボ−ドは、耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがないので、高速で回転する機器の部材として好適に使用することができる。
特に、この発明のポリイミドボ−ドは、電子部品の研磨用ボ−ドの部材として好適である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例などを示し、この発明をさらに詳しく説明する。
以下の実施例においては、対数粘度(ηinh)は、樹脂成分濃度が0.5g/100ml溶媒となるように、ポリイミドシロキサンを、N−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解して樹脂溶液を調製し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの溶媒粘度を30℃で測定して下記の計算式で算出された値である。
対数粘度(ηinh)=〔ln(溶液粘度/溶媒粘度)〕/溶液の濃度
【0037】
剥離強度は、測定温度約25℃で、90°−剥離により測定した。
ポリイミドボ−ドの表面平滑性及び反りの評価について、表面平滑性については目視観察で表面平滑な場合は表面平滑性が良好、目視観察で表面平滑でない場合は表面平滑性が不良とし、反りについては目視観察で反りが実質的に認められない場合は反りなし、目視観察で反りが認められる場合は反り有りとした。
【0038】
実施例1
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADE)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)とから得られた厚み125μmのポリイミドフィルム表面に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%と前記一般式(Rは炭素数3個のメチレン基を示し、R1、R2、R3及びR4はプロピル基を示し、lは9である。)で示されるジアミニポリシロキサン2モル%および2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)98モル%からなるジアミン成分100モル%をトリグライム中、200℃で3時間重合反応してポリイミドシロキサン40重量%溶液(トリグライム溶液)に、ポリイミドシロキサン100重量部に対してエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:EP807)6重量部、ビスマレイミド−トリアジン樹脂(商品名:BT2170)12重量部及びエポキシシラン化合物(シランカップリング剤、商品名:SH6040)1.8重量部の割合で添加・混合して得た接着剤ワニスを、乾燥後の厚みが15μmになるように塗布し、加熱乾燥して、熱可塑性接着剤付きポリイミドフィルムを得た。
【0039】
接着剤付きポリイミドフィルムを4枚重ね[構成(上から):(PI/Ad)/(PI/Ad)/(Ad/PI)/(Ad/PI)、PI:ポリイミド層、Ad:接着剤層](、230℃、20kg/cm2、60分間加熱圧着して、厚み0.56mmの表面平滑性良好で、反りがなく、各層間の密着力が1.5kg/cm幅以上のポリイミドボ−ドを得た。
このポリイミドボ−ドは、切削加工および穴開け加工で剥離が生じず部材を好適に作成することができ、そして高速で回転する電子機器の部材として好適に使用することができた。
【0040】
実施例2
パラ−フェニレンジアミン(PPD)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)とから得られた厚み125μmのポリイミドフィルムを使用した他は実施例1と同様に実施して、厚み0.56mmの表面平滑性良好で、反りがなく、各層間の密着力が1.5kg/cm幅以上のポリイミドボ−ドを得た。
このポリイミドボ−ドは、切削加工および穴開け加工で剥離が生じず部材を好適に作成することができ、そして高速で回転する電子機器の部材として好適に使用することができた。
【0041】
比較例1
耐熱性接着剤溶液を塗布せずに、4枚のポリイミドフィルムを重ねて、230℃、20kg/cm2、60分間加熱圧着して、厚み約0.5mmのポリイミドボ−ドを作成した。
このポリイミドボ−ドは、層間の密着力が0.1kg/cm幅で、切削加工および穴開け加工で剥離が生じ部材を作成することができず、不満足なものであった。
【0042】
【発明の効果】
この発明のポリイミドボ−ドは、耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがないので、高速で回転する機器の部材として好適に使用することができる。
また、この発明によれば、簡単な操作で耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがないポリイミドボ−ドを製造することができる。

Claims (3)

  1. 複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムが、圧力:5〜70kg/cmで、温度:180〜250℃、時間:0.5〜60分間加熱したポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ−ト樹脂の少なくとも1種からなる熱可塑性接着剤によって接合されている厚みが0.15〜3mmで、層間の密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリイミドボ−ド。
  2. 耐熱性ポリイミドフィルムが、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび/または4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを必須成分として得られるものである請求項1に記載のポリイミドボ−ド。
  3. 複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムの各層間にポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤を介在させ、加熱圧着して接合する厚みが0.15〜3mmで、層間の密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリイミドボ−ドの製法において、
    耐熱性接着剤が、ポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ−ト樹脂の少なくとも1種からなる熱可塑性接着剤であり、
    加熱圧着が、圧力:5〜70kg/cmで、温度:180〜250℃、時間:0.5〜60分間加熱する、
    ことを特徴とするポリイミドボ−ドの製法。
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