JP2001179910A - ポリイミドボ−ド及びその製法 - Google Patents
ポリイミドボ−ド及びその製法Info
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Abstract
に接合されしかも表面平滑で反りがないポリイミドボ−
ドを提供することである。 【解決手段】 複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムがポ
リイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤によ
って接合されている厚みが0.15〜3mmで、層間の
密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリイミドボ−
ド、及びその製法を提供する。
Description
ポリイミドフィルムがポリイミドシロキサンを必須成分
とする耐熱性接着剤により接合されてなる大きな密着力
を有し、特に表面平滑で反りがないポリイミドボ−ド、
及びその製法に係わるものである。
有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがな
いので、高速で回転する電気・電子機器の部材として好
適に使用することができる。また、この発明によれば、
簡単な操作で耐熱性を有し各層が強固に接合され、しか
も表面平滑で反りがないポリイミドボ−ドを製造するこ
とができる。
性を有するポリイミドフィルム同士を接着剤を介さずに
直接に加熱・圧着したポリイミド積層シ−トが電気・電
子部品用等に使用されている。このポリイミド積層シ−
トは、特公平5−59815号公報に記載されているよ
うにガラス転移点が比較的低いポリイミドフィルム同士
を加熱・圧着することによって得られている。
の高速化や高精度化が要求されており、その分野に使用
されるポリイミドボ−ドも耐熱性を有し各層が強固に接
合され、しかも表面平滑で反りがないものが要求されて
いる。
ポリイミドフィルム同士を加熱・圧着して得られるポリ
イミドボ−ドは、反りが比較的大きく、特に表面の耐熱
性が要求される分野の用途には使用できないという問題
がある。さらに、厚みを大きくしようとすると益々層間
の密着力が低下し、しかも反りが大きくなるという問題
点が指摘されている。
ルムをアクリル系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤で積層
した多層積層ポリイミドボ−ドが提案されたが、却って
ポリイミドフィルムの表面処理が必要であり、工程が複
雑になるとか、得られる多層積層ポリイミドボ−ドの耐
熱性が低下するため、実用的ではなかった。
熱性を有し各層が強固に接合されしかも表面平滑で反り
がないポリイミドボ−ドを提供することである。
熱性ポリイミドフィルムがポリイミドシロキサンを必須
成分とする耐熱性接着剤によって接合されている厚みが
0.15〜3mmで、層間の密着力が1.0kg/cm
幅以上であるポリイミドボ−ドに関する。また、この発
明は、複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムの各層間にポ
リイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤を介
在させ、加熱圧着して接合する厚みが0.15〜3mm
で、層間の密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリ
イミドボ−ドの製法に関する。
列記する。 1)耐熱性ポリイミドフィルムが、ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび/ま
たは4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを必須成
分として得られるものである上記のポリイミドボ−ド。 2)耐熱性接着剤が、ポリイミドシロキサンとエポキシ
樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイミ
ド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ−ト樹脂な
どの耐熱性樹脂の少なくとも1種、および場合によりさ
らにエポキシシラン化合物とからなる熱可塑性接着剤で
ある上記のポリイミドボ−ドの製法。
25μmの耐熱性芳香族ポリイミドフィルムの複数枚
を、各層間にポリイミドシロキサンを必須成分とする耐
熱性接着剤を介在させて、好適には圧力:5〜70kg
/cm2で、温度:180〜250℃、時間:0.5〜
60分間加熱圧着して、熱硬化性接着剤の場合はさらに
好ましくは圧力開放下に150〜250℃の温度で、3
0分間以上加熱することによって熱硬化−接着して各層
が強固に接合したポリイミドボ−ドを得ることができ
る。
ポリイミドフィルムを構成するポリイミドとしては、耐
熱性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、芳
香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとから
得られる公知の芳香族ポリイミドが使用できる。
しては、例えば3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物(以下単にs−BPDAと略記する
こともある。)、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
ラ−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエ−テルが挙げられる。その一部を4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2
−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,4’
−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスルホン、
4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスル
フィド、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェ
ニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2
−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環
を有する柔軟な芳香族ジアミンによって置き換えられて
もよい。
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とパラ−フェニレンジアミン(PPDと略記することも
ある)とから得られる高耐熱性ポリイミド、ピロメリッ
ト酸二無水物とパラ−フェニレンジアミンおよび4,
4’−ジアミノジフェニルエ−テル(DADEと略記す
ることもある)の芳香族ジアミン成分とから製造される
高耐熱性ポリイミド、あるいはピロメリット酸二無水物
と3,3’,4,4’−ビフェニルテットラカルボン酸
二無水物またはベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物との芳香族テトラカルボン酸成分とパラ−フェニレン
ジアミンまたはパラ−フェニレンジアミンと4,4’−
ジアミノジフェニルエ−テル(DADEと略記すること
もある)との芳香族ジアミン成分とから製造される高耐
熱性ポリイミドなどの芳香族ポリイミドが好適に使用さ
れる。芳香族ポリイミドは、単独重合、ランダム重合、
ブロック重合、あるいはあらかじめ2種類以上のポリア
ミック酸を合成しておきポリアミック酸溶液を混合し反
応を完了させる、いずれの方法によっても達成される。
また、高耐熱性芳香族ポリイミドフィルムとして、ポリ
アミドイミドフィルムのように、アミド結合も有するフ
ィルムも使用することができる。
ば、前記芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸
二無水物の略等モル量を、有機溶媒中で反応させてポリ
アミック酸の溶液(均一な溶液状態が保たれていれば一
部がイミド化されていてもよい)とし、好適には該ポリ
アミック酸の溶液に無機フィラ−を添加して均一に混合
したポリアミク酸混合物であるド−プ液を支持体にキャ
スティングした後加熱乾燥して、支持体から剥離した自
己支持性フィルムを乾燥して得られた乾燥フィルムを、
420℃以上、特に420〜520℃の温度で、好適に
は2〜30分間程度加熱してイミド化を完了させて、厚
み25〜125μm程度のポリイミドフィルムを形成す
ることによって得ることが好ましい。なお、前記の工程
中で、イミド化を促進するために化学イミド化剤を使用
してもよい。
ロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤としては、特に
制限はなくポリイミドシロキサンを必須成分とする公知
の耐熱性接着剤が使用できる。
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ある
いは3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカ
ルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸、ピロメリット酸、それら酸の二無水物、あるいは
それら酸のエステルからなる芳香族テトラカルボン酸成
分と、一般式I H2N−R−[Si(R1)(R2)−O−]l−Si(R3)(R4)−R−NH2 (I)
数のメチレン基またはフェニレン基からなる2価の炭化
水素残基を示し、R1、R2、R3及びR4は炭素数1〜5
個の低級アルキル基又はフェニル基を示し、lは3〜6
0の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキサン
1〜80モル%及び下記の一般式 H2N−Bz−O−Bz-C3H6−Bz−O−Bz−NH2 H2N−Bz−O−Bz−O−Bz−NH2、又は H2N−Bz−Bz−Bz−NH2 (ただし、Bzはベンゼン環を示す。)で示されるベン
ゼン環を3個以上有する芳香族ジアミン芳香族ジアミン
20〜99モル%および下記の一般式 H2N−Bz(r)n−[X−Bz(r)n]m−NH2
直接結合、CH2またはOを示し、mおよびnは独立に
0〜3、好適には0〜1の0または整数を示し、rはC
OOHまたはOH基を示す。)で示されるエポキシ基と
の反応性の基を有する芳香族ジアミン0〜40モル%か
らなるジアミン成分とから得られる、好適にはフィルム
を形成した場合に弾性率が250kg/mm2以下、特
に0.5〜150kg/mm2で軟化温度が5℃以上で
ある可溶性ポリイミドシロキサン100重量部、(B)エ
ポキシ樹脂,ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマ
レイミド樹脂、シアナ−ト化合物、および、アクリレ−
ト化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱
性樹脂5〜300重量部、および、(C)硬化剤0〜60
重量部が含有され、これら各成分と有機極性溶媒との溶
液組成物を支持材料に塗布し、乾燥した薄膜の耐熱性接
着剤が挙げられる。
(測定濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N−メ
チル−2−ピロリドン:NMP、測定温度;30℃)が
0.05〜7、特に0.07〜4、さらに0.1〜3程
度である重合体であり、さらに、有機極性溶媒のいずれ
かに少なくとも10重量%、特に10〜60重量%程度
の濃度で均一に溶解させることができるものが好まし
い。また、ポリイミドシロキサンは、赤外線吸収スペク
トル分析法で測定したイミド化率が90%以上、特に9
5%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分析において
ポリマ−のアミド−酸結合に係わる吸収ピ−クが実質的
に見出されず、イミド環結合に係わる吸収ピ−クのみが
見られるような高いイミド化率であることが好ましい。
は、例えば、芳香族テトラカルボン酸成分、好適には
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(以下、単にa−BPDAと表記することもあ
る。)と、ジアミノポリシロキサン5〜80モル%、ベ
ンゼン環を3個以上有する芳香族ジアミン、好適には
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン20〜90モル%およびエポキシ基との反
応性の基を有する芳香族ジアミン、好適にはジアミノ安
息香酸、ビス(3−カルボキシ,4−アミノフェニル)
メタンあるいは3,3’−ジハイドロキシ−4,4’−
ジアミノビフェニル0〜40モル%からなるジアミン成
分とを使用して、フェノ−ル系溶媒、アミド系溶媒、硫
黄原子を有する化合物の溶媒、酸素原子を有する化合物
の溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機溶媒中で、高温
下(特に好ましくは140℃以上の温度下)に、両モノ
マ−成分を重合及びイミド化するという製法を挙げるこ
とができる。
としては、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミ
ン成分とを有機溶媒中で0〜80℃の低温下に重合し
て、対数粘度が0.05以上であるポリアミック酸を製
造し、そのポリアミック酸を何らかの公知の方法でイミ
ド化して可溶性のポリイミドシロキサンを製造する方法
であってもよい。
法においては、前述の芳香族テトラカルボン酸成分の過
剰量とジアミノポリシロキサンのみからなるジアミン成
分とを重合して得られたイミドシロキサンオリゴマ−
(X成分:平均重合度が1〜10程度であり、末端に酸
又は酸無水基を有する。)、および、前記の芳香族テト
ラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分の過剰量とを重
合して得られた芳香族ジアミン系イミドオリゴマ−(Y
成分:重合度が1〜10程度であり、末端にアミノ基を
有する。)を準備して、次いで、前記X成分及びY成分
を、両者の全酸成分と全ジアミン成分との比が略等モル
付近となるように混合し反応させて、ブロックポリイミ
ドシロキサンを製造する方法も好適に挙げることができ
る。
れる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、ジメ
チルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルス
ルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミ
ドなどの硫黄原子を含有する化合物の溶媒、クレゾ−
ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなどのフェノ−ル系溶
媒、トリグライム、ジグライム、ラクトン、ジオキサン
などの酸素原子を分子内に有する溶媒、ピリジン、テト
ラメチル尿素などのその他の溶媒を挙げることができ、
さらに、必要であれば、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベ
ンゾニトリルのような他の種類の有機溶媒を併用するこ
とも可能である。
スフェノ−ルA又はビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、
アルキル多価フェノ−ル型エポキシ樹脂、多官能型エポ
キシ樹脂、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポ
キシ樹脂などの1個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物やエポキシ変性ポリシロキサン樹脂を挙げること
ができる。これらのエポキシ樹脂は1種のみを使用して
もよく複数併用することもできる。前記エポキシ樹脂
は、融点が90℃以下、特に0〜80℃程度であるも
の、あるいは、30℃以下の温度で液状であるものであ
ってもよい。特にエポキシ樹脂として、ビスフェノ−ル
A型エポキシ樹脂が好適である。
しては、例えば、ビスマレイミド成分とシアネ−ト基を
有するトリアジンモノマ−又はプレポリマ−とから得ら
れた、イミド基とトリアジン環とを有する耐熱性樹脂が
挙げられる。これらはアクリル酸エステル類、ジビニル
ベンゼン、スチレン、トリアリルイソシアネ−ト等で0
〜30重量%程度変性されていてもよい。
イン酸とジアミン化合物とを縮合させて得られた、マレ
イン酸に基づく不飽和(二重結合)基を両末端に有する
ものが挙げられる。
−ト基を有する有機化合物であればよく、例えば、ビス
フェノ−ルAジシアネ−ト、ビス(4−シアネ−トフェ
ニル)エ−テル、1,1,1−トリス(4−シアネ−ト
フェニル)エタンが挙げられる。
の末端又は側鎖にアクリロイル基またはメタクルロイル
基を有する不飽和化合物であればよく、特に、分子量が
130〜2000程度であり、室温で液状であって、ト
リグライム、ジグライム、ラクトン、ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどの有機極性溶媒への溶解度の高いも
のが好ましく、例えば、グリセリン、エリスリト−ル等
のポリオ−ルとエステル結合しているポリオ−ル(メ
タ)アクリレ−ト、トリアジン骨格を有するポリ(メ
タ)アクリレ−ト、ポリエステル骨格を有するポリエス
テル(メタ)アクリレ−トなどを好適に挙げることがで
きる。
基を複数有する芳香族化合物、特にフェノ−ルノボラッ
ク型エポキシ硬化剤、2−アルキル−4−メチルイミダ
ゾ−ル、2−アルキル−4−エチルイミダゾ−ル、1−
(2−シアノエチル)−2−アルキルイミダ−ル、2−
フェニルイミダゾ−ル等のイミダゾ−ル系化合物、トリ
エチルアンモニウムテトラフェニルボレ−ト等の第三級
アミン類のテトラフェニルほう素酸塩、ほうふっ化亜
鉛、ほうふっ化錫、ほうふっ化ニッケル、第3級アミン
類、フェノ−ル類、トリフェニルフォスフィン類、ジシ
アンジアミド類、ヒドラジン類などが挙げられる。
前記のポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂などの耐熱
性樹脂および場合によりさらにエポキシシラン化合物
(シランカップリング剤、ポリイミドシロキサン100
重量部に対して0〜10重量部、特に0.05〜5重量
部程度使用することが好ましい。)とからなる熱可塑性
接着剤、あるいは前記のポリイミドシロキサンとエポキ
シ樹脂などの耐熱性樹脂とさらに硬化触媒(ポリイミド
シロキサンを製造するための芳香族ジアミンとして分子
中に耐熱性樹脂の硬化機能を有する官能基を有するもの
を使用してもよい)とからなる熱硬化性接着剤のいずれ
かであればよいが、特にポリイミドシロキサンとエポキ
シ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビスマレイ
ミド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ−ト樹脂
などの耐熱性樹脂の少なくとも1種、および場合により
さらにエポキシシラン化合物とからなる熱可塑性接着剤
を、通常は、前記(A)〜(C)の全成分が適当な有機溶
媒中に、特に3〜50重量%、さらに好ましくは5〜4
0重量%の濃度で均一に溶解されてい接着剤の溶液組成
物(ワニス)として、ポリアミドフィルム、ポリエ−テ
ルエ−テルケトン、PEEKフィルム、ポリエ−テルス
ルホンフィルムなどの耐熱性フィルムや芳香族ポリイミ
ドフィルムム上に塗布し、その塗布層を80〜200℃
の温度で20秒〜30分間程度乾燥することによって、
溶媒が1重量%以下にまで除去された(好ましくは溶媒
残存割合が0.5重量%以下である)接着剤の薄層(厚
さが約2〜30μm、好適には10〜20μm程度であ
る。)を形成して使用することができる。
る際に使用される有機溶媒は、前述のポリイミドシロキ
サンの製造に使用される有機溶媒をそのまま使用するこ
とができ、例えばトリグライム、ジグライム、ラクト
ン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を
分子内に有する有機溶媒を好適に使用することがでる。
前記接着剤の溶液組成物は、その溶液粘度(30℃)
が、0.1〜1000ポイズ程度であることが好まし
い。
素(例えば、日本アエロジル社製の「アエロジル20
0」)、タルク(特に好ましい。)などの微細な無機フ
ィラ−が配合されていてもよい。無機フィラ−の量は
(A)ポリイミドシロキサン100重量部に対して10重
量部以下、特に0〜10重量部であることが好ましい。
前記の耐熱性ポリイミドフィルムの複数枚、好適には3
〜15枚の間に、前記のポリイミドシロキサンを必須成
分とする耐熱性接着剤の薄層を介在させ、圧力:5〜7
0kg/cm2で、温度:180〜250℃、時間:
0.5〜60分間加熱することによって、あるいは熱硬
化性接着剤の場合にはさらに圧力開放下に150〜25
0℃の温度で、30分間以上加熱することによって加熱
圧着し、複数枚の芳香族ポリイミドフィルムと接着剤と
を積層一体化して厚み0.3〜3mm程度で層間の密着
力が1.5kg/100mm幅以上であり各層が強固に
密着した積層体として得ることができる。
有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りがな
いので、高速で回転する機器の部材として好適に使用す
ることができる。特に、この発明のポリイミドボ−ド
は、電子部品の研磨用ボ−ドの部材として好適である。
詳しく説明する。以下の実施例においては、対数粘度
(ηinh)は、樹脂成分濃度が0.5g/100ml
溶媒となるように、ポリイミドシロキサンを、N−メチ
ル−2−ピロリドンに均一に溶解して樹脂溶液を調製
し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの溶媒粘度を3
0℃で測定して下記の計算式で算出された値である。 対数粘度(ηinh)=〔ln(溶液粘度/溶媒粘
度)〕/溶液の濃度
−剥離により測定した。ポリイミドボ−ドの表面平滑性
及び反りの評価について、表面平滑性については目視観
察で表面平滑な場合は表面平滑性が良好、目視観察で表
面平滑でない場合は表面平滑性が不良とし、反りについ
ては目視観察で反りが実質的に認められない場合は反り
なし、目視観察で反りが認められる場合は反り有りとし
た。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(s−BPDA)とから得られた厚み125μmの
ポリイミドフィルム表面に、2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物100モル%と前記一
般式(Rは炭素数3個のメチレン基を示し、R1、R2、
R3及びR4はプロピル基を示し、lは9である。)で示
されるジアミニポリシロキサン2モル%および2,2−
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン(BAPP)98モル%からなるジアミン成分100
モル%をトリグライム中、200℃で3時間重合反応し
てポリイミドシロキサン40重量%溶液(トリグライム
溶液)に、ポリイミドシロキサン100重量部に対して
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:EP
807)6重量部、ビスマレイミド−トリアジン樹脂
(商品名:BT2170)12重量部及びエポキシシラ
ン化合物(シランカップリング剤、商品名:SH604
0)1.8重量部の割合で添加・混合して得た接着剤ワ
ニスを、乾燥後の厚みが15μmになるように塗布し、
加熱乾燥して、熱可塑性接着剤付きポリイミドフィルム
を得た。
[構成(上から):(PI/Ad)/(PI/Ad)/
(Ad/PI)/(Ad/PI)、PI:ポリイミド
層、Ad:接着剤層](、230℃、20kg/c
m2、60分間加熱圧着して、厚み0.56mmの表面
平滑性良好で、反りがなく、各層間の密着力が1.5k
g/cm幅以上のポリイミドボ−ドを得た。このポリイ
ミドボ−ドは、切削加工および穴開け加工で剥離が生じ
ず部材を好適に作成することができ、そして高速で回転
する電子機器の部材として好適に使用することができ
た。
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BP
DA)とから得られた厚み125μmのポリイミドフィ
ルムを使用した他は実施例1と同様に実施して、厚み
0.56mmの表面平滑性良好で、反りがなく、各層間
の密着力が1.5kg/cm幅以上のポリイミドボ−ド
を得た。このポリイミドボ−ドは、切削加工および穴開
け加工で剥離が生じず部材を好適に作成することがで
き、そして高速で回転する電子機器の部材として好適に
使用することができた。
ルムを重ねて、230℃、20kg/cm2、60分間
加熱圧着して、厚み約0.5mmのポリイミドボ−ドを
作成した。このポリイミドボ−ドは、層間の密着力が
0.1kg/cm幅で、切削加工および穴開け加工で剥
離が生じ部材を作成することができず、不満足なもので
あった。
を有し各層が強固に接合され、しかも表面平滑で反りが
ないので、高速で回転する機器の部材として好適に使用
することができる。また、この発明によれば、簡単な操
作で耐熱性を有し各層が強固に接合され、しかも表面平
滑で反りがないポリイミドボ−ドを製造することができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムがポ
リイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接着剤によ
って接合されている厚みが0.15〜3mmで、層間の
密着力が1.0kg/cm幅以上であるポリイミドボ−
ド。 - 【請求項2】 耐熱性ポリイミドフィルムが、ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン
および/または4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル
とを必須成分として得られるものである請求項1に記載
のポリイミドボ−ド。 - 【請求項3】 複数枚の耐熱性ポリイミドフィルムの各
層間にポリイミドシロキサンを必須成分とする耐熱性接
着剤を介在させ、加熱圧着して接合する厚みが0.15
〜3mmで、層間の密着力が1.0kg/cm幅以上で
あるポリイミドボ−ドの製法。 - 【請求項4】 耐熱性接着剤が、ポリイミドシロキサン
とエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、シアネ−ト樹脂、あるいはアクリレ
−ト樹脂などの耐熱性樹脂の少なくとも1種、および場
合によりさらにエポキシシラン化合物とからなる熱可塑
性接着剤である請求項1に記載のポリイミドボ−ドの製
法。
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