JP2004009485A - ポリイミド系樹脂フィルムおよびそれを用いた多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片側に導体層を有する片面導体層付きポリイミド系樹脂フィルムの少なくとも片側の最表層に、フィラーを含有するポリイミド系樹脂層を有する。また、フィラーの平均粒径を0.1〜5μmであること、最表層のポリイミド系樹脂に対するフィラーの含有率を2〜100重量部であること、フィラーのpHがスラリー状態で2〜6を示すことも含まれる。そして、導体層をパターニングすることにより多層配線基板を製造する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多層配線基板およびその製造方法に関するものであり、特に導体回路と絶縁樹脂層とが交互に積層された多層配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩に伴い、大型コンピューターなどの電子機器に対する高密度化あるいは演算機能の高速化が進められている。その結果、プリント配線板に代表される配線基板においても高密度化を目的として導体回路が多層に形成された多層配線基板が脚光を浴びてきている。
【0003】
従来、プリント配線板としては、例えば内装回路を接続し導通せしめた多層プリント配線板が代表的なものであった。しかしながら、このような多層プリント配線板は複数の内装回路を、スルーホールを介して接続導通させたものであるため、導体回路が複雑になりすぎて高密度化あるいは高速化を実現することが困難であった。
【0004】
このような問題点を克服することのできる配線基板として、最近、導体回路と有機絶縁膜とを交互に積層した多層配線基板が開発されている。この多層配線基板は、超高密度化と高速化に適合したものであるが、欠点は有機絶縁膜と導体回路との密着性を向上させることが困難なことにあった。
【0005】
最近、絶縁樹脂層と導体層との密着性を向上させる方法として、絶縁樹脂層中に酸や酸化剤(クロム酸、クロム酸塩、過マンガン酸塩等)に可溶な成分を混合除去することによって、導体層に接する面を荒らす方法が提案されている。例えば、特開昭64−47095号公報にあるように耐熱性の絶縁樹脂層をマトリックスとして樹脂層中に酸化剤に可溶のエポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂と、酸化剤に不溶の樹脂や無機フィラーの混合により、絶縁樹脂層の表面を酸化剤で荒らして無電解めっき膜形成のアンカー効果を高めたものや、これらの効果をさらに高めた特公平7−34505号公報にあるように酸化剤に対して可溶な樹脂粒子の大きさを異なるもので疑似粒子を形成させて耐熱性マトリックス樹脂層に混ぜたものなどが提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの方法では耐熱性の絶縁樹脂層に対して酸化剤などで溶解させる樹脂粒子の耐熱性が劣っており、酸化剤によって表面の溶解性樹脂は除去されるものの耐熱性絶縁樹脂層がマトリックスとなる樹脂内部の溶解性樹脂はそのまま樹脂内に残存したまま導体層が形成されることになる。よって、絶縁樹脂層の耐熱性は溶解性樹脂の耐熱性に依存し、結果として耐熱性の低い絶縁樹脂層しか形成することができないことが問題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のごとき従来の多層配線基板の有する問題点を解消し、ポリイミド系樹脂からなる絶縁樹脂層に複数の導体回路を有する多層配線基板にあって、導体層と絶縁樹脂層の密着性を上げ、信頼性を向上させた多層配線基板を提供するところにある。特に、リール・ツー・リール工法により生産性を向上させた多層配線基板の製造方法を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1においては、ポリイミド系樹脂フィルムの少なくとも片側の最表層に、フィラーを含有するポリイミド系樹脂層を有することを特徴とするポリイミド系樹脂フィルムを提供する。
【0009】
また、請求項2においては、前記フィラーの平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とするポリイミド系樹脂フィルムを提供する。
【0010】
また、請求項3においては、最表層のポリイミド系樹脂に対するフィラーの含有率が2〜100重量部であることを特徴とするポリイミド系樹脂フィルムを提供する。
【0011】
また、請求項4においては、前記フィラーのpHがスラリー状態で2〜6を示すことを特徴とするポリイミド系樹脂フィルムを提供する。
【0012】
また、請求項5においては、前記ポリイミド系樹脂フィルムが片側に導体層を有する片面導体層付きポリイミド系樹脂フィルムであることを特徴とするポリイミド系樹脂フィルムを提供する。
【0013】
請求項6において、回路形成された配線板に絶縁樹脂層と導体回路パターンを順次形成する多層配線基板の製造方法において、両面に回路形成された配線板の少なくとも一方の面に請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド系樹脂フィルムを積層することによって製造されることを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
【0014】
また、請求項7においては、請求項6記載の多層配線基板の製造方法において、前工程としてフィラーの溶出によるポリイミド表面の粗化工程を含ことを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
【0015】
また、請求項8においては、前記表面粗化工程はアルカリ性溶液による処理であることを特徴とする請求項7に記載の多層配線基板の製造方法である。
【0016】
また、請求項9においては、前記アルカリ性溶液が少なくとも酸化剤を含むことを特徴とする請求項8に記載の多層配線基板の製造方法である。
【0017】
また、請求項10においては、請求項7〜8のいずれかに記載の工程がリール・ツー・リール工法により製造されることを特徴とする多層配線基板の製造方法である。
【0018】
さらにまた、請求項11においては、請求項6〜10のいずれかに記載の方法により製造されることを特徴とする多層配線基板である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明のポリイミド系樹脂としては例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドのことを示し、通常ジアミンと酸無水物とを加熱もしくは化学的にイミド化させることによって得られるが、ポリイミド系樹脂であれば、その製造方法は特に限定されるものではない。また、本発明のポリイミド系樹脂フィルムは少なくとも片側の最表層にフィラーを含有するものであれば、層数は一層でも二層以上であっても差し支えない。さらに、本発明のポリイミド系樹脂フィルムとして、片側に導体層を有する片面導体層付きポリイミド系樹脂フィルムを使用することも可能である。
【0020】
本発明のポリイミド系樹脂に含まれるフィラーとして、シリカ、タルク、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどの無機充填剤またはフッ素樹脂やベンゾグアナミン樹脂などの有機充填剤を使用することができる。なかでも、シリカ系微粒子は表面が酸性を示すため特に好適である。
【0021】
フィラーの平均粒径は0.1〜5μmのものが好ましい。その理由として平均粒径0.1μm以下ではフィラーの溶解によって形成される絶縁樹脂層表面のアンカー効果が弱く、また5μm以上であると表面の凹凸が必要以上に大きくなって、導体層において微細パターンが得にくくなること、積層時にボイドを生じやすくなること、及び部品などを実装する上で不都合を生じやすくなるからである。
【0022】
このフィラーの含有量はマトリックスを構成するポリイミド系樹脂100重量部に対し、2〜100の重量部であることが有利であり、とくに5〜30であることが導体層と絶縁樹脂層との密着強度を高くする上で好適である。前記フィラーの含有量が2重量部より少ないと十分なアンカー効果が得られず、絶縁樹脂層表面を導体層との十分な密着強度が得られないからである。一方、100重量部より多くなると絶縁樹脂層表面の大部分が溶解除去されるため、明確なアンカーを形成することが困難となるからである。
【0023】
アルカリ性溶液に溶解するフィラーとしては表面が酸性を示すものが望ましく、具体的には約5%のスラリー状態でpH2〜6のものがアルカリ性溶液に対する溶解性が高く、pH3〜5程度のものが特に望ましい。前記絶縁樹脂層表面のフィラーはアルカリ性溶液によって溶解され、絶縁樹脂層の表面は均一に粗面化され、それにより明確なアンカーが形成され、その結果、導体層との高い密着強度および信頼性が得られるのである。
【0024】
ポリイミド系樹脂表面の粗化工程としては、処理液の中に浸漬するか、あるいはポリイミド系樹脂層の表面に処理液をスプレーするなどの方法を適用することができ、その結果ポリイミド系樹脂層の表面を粗化することができる。なかでも、リール・ツー・リール工法に対応しやすいスプレー方式がより好ましい。なお、前記フィラーの溶解除去を効果的に行わせることを目的として、予め前記ポリイミド系樹脂層の表面部分を例えば微粉研磨剤を用いた物理研磨や液体ホーニングによって軽く研磨、除去することで、フィラーの溶解を確実に行うのに有利となる。
【0025】
アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、ジエタノールアミン水溶液、トリエタノールアミン水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイト水溶液などが挙げられる。なかでも水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。
【0026】
酸化剤としては、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0027】
次に本発明のポリイミド系樹脂フィルムおよび多層配線基板の製造方法について具体的に説明する。ジカルボン酸およびジアミンを溶剤に溶解させた後、十分に撹拌することによってジカルボン酸とジアミンとを反応させ、ポリアミド酸溶液を調製する。
【0028】
前記ジカルボン酸およびジアミンを溶解させる溶剤として、N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ベンゼン、アニソール、ジフェニルエーテル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、ピリジンのような芳香族系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンのようなハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグリムのようなエーテル系溶媒等を例示することができる。特にN,N−ジメチルアセトアミドや、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒を使用すると、高重合体のポリアミド酸を得ることができる。
【0029】
前記ポリアミド酸溶液中にフィラーを添加して、均一に分散させることにより、フィラー含有ポリアミド酸溶液を調製する。このフィラー含有ポリアミド酸溶液をポリイミド系樹脂フィルムにコーティングした後、加熱処理または無水酢酸とピリジンを用いた脱水閉環剤による処理など公知の方法により、フィラー含有ポリイミド系樹脂層を形成する。
【0030】
また、可溶性ポリイミドを有機溶剤に溶解させ、フィラーを添加する方法も可能である。ここで用いられる溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ―ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を例示することができる。これらの溶剤はその一種のみを用いてもよくまた二種以上を併用しても差し支えない。このフィラー含有可溶性ポリイミド溶液をポリイミド系樹脂フィルムにコーティングした後、加熱処理によってフィラー含有ポリイミド系樹脂層を形成する。
【0031】
前記フィラー含有ポリイミド系樹脂層を形成する方法としては、フィラー含有ポリアミド酸溶液もしくはフィラー含有可溶性ポリイミド溶液を被塗布フィルムであるポリイミド系樹脂層に塗布する方法を適用することができる。前記塗布方法としては、例えばローラーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スクリーン印刷法が例示できるがこれらに限定されるものではない。
【0032】
次に、前記ポリイミド系樹脂フィルム表面のフィラーを、アルカリ性溶液を用いて溶解除去する。この溶解除去の方法としては、前記フィラー含有ポリイミド系樹脂層が形成されたフィルムをアルカリ性溶液の中に浸漬するか、あるいはポリイミド系樹脂層の表面にアルカリ性溶液をスプレーするなどの方法を適用することができ、その結果ポリイミド系樹脂層の表面を粗化することができる。
【0033】
本発明の多層配線基板においては、前記フィラー含有ポリイミド系樹脂層の表面を粗化した後、積層することによって、ポリイミド系樹脂層を形成することができる。少なくとも片面に回路形成された配線板の少なくとも片面に、前記ポリイミド系樹脂フィルムを粗化面を内側にして接着、積層する。積層方法としては、一括積層、逐次積層のどちらも可能である。前記積層方法としては、例えばロールラミネート、平板ラミネート、平板プレスなどの各種手段を用いることができるが、生産性の高いリール・ツー・リール工法に対応できるロールラミネート方法が最も好ましい。導体層付きポリイミド系樹脂フィルムを積層することにより、導体層およびポリイミド系樹脂層を同時に形成できる。また、ポリイミド系樹脂層を積層後、蒸着やスパッタリングなどのPVD法、無電解めっき、電解めっき、蒸着やスパッタリングなどのPVD法およびこれらの方法の併用によって導体層を形成することも可能である。
【0034】
このうようにして得られた積層体の少なくとも片面に、通常導体層間を接続するためのブラインドビアが設けられる。ブラインドビアの形成方法としては、レーザー加工による方法が好適である。ブラインドビア形成後、デスミア処理を行い、無電解めっきなどによって導電処理を行う。さらに、電解めっきによってブラインドビア内を導電性物質で充填し、導体層間を導通させる。
【0035】
その後、導体層をフォトリソグラフィー法などによって回路パターンを加工し、多層配線基板を得る。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
【0037】
<実施例1>
ビス(4−アミノフェニルエーテル)(ODA)1.0g(5mmol)をN−メチルピロリドン20mlに溶解させる。この反応液を撹拌しながら、無水ピロメリット酸1.1g(5mmol)をゆっくり加える。この溶液を12〜15℃で1時間撹拌し、さらに20〜25℃で1.5時間撹拌し、ポリアミド酸溶液を調製した。
【0038】
シリカ系微粒子(サイリシア30,富士シリシア化学(株)製)(平均粒径3.0μm、5%スラリー状pH4.0)0.3gを前記ポリアミド酸溶液に加え連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、フィラー含有ポリアミド酸溶液を作成した。
【0039】
前記フィラー含有ポリアミド酸溶液の一部を、片面に導体層を設けたフレキシブルプリント回路用基板(エスパネックス:新日鐵化学(株)製)のポリイミド層上に1μmキャストし、80℃で通風乾燥させた後、窒素雰囲気下、100℃で1時間、200℃で1時間、350℃で1時間加熱処理を行い、フィラー含有ポリイミド樹脂層5を形成した(図1(a)、(b)参照)。
【0040】
70℃に保持した過マンガン酸カリウム70g/リットル溶液と水酸化ナトリウム40g/リットルの混合液にフィラー含有ポリイミド樹脂層を有するフィルム6を5分間浸漬させた。このとき前記フィルム上の電子顕微鏡による表面観察を行ったところ、ポリイミド樹脂表面のシリカ系微粒子は完全に溶出し表面に微細な凹凸が形成されていることが確認された(図1(c)参照)。
【0041】
両面に導体層を設けた2層フレキシブルプリント回路用基板(エスパネックス:新日鐵化学(株)製)の導体層に回路パターンを施し、第1導体回路を形成した(図2(a)参照)。次に、エポキシ系接着フィルム(AS2700:日立化成工業(株)製)を基板の両面に接着剤12が内側を向くように配置し、真空プレスを用いて120℃、5kg/cm2、60秒で仮圧着を行った後、さらに剥離フィルム11を剥離した(図2(b)参照)。
【0042】
前記基板にフィラー含有ポリイミド樹脂層を持つフィルムの非導体層面を重ね合わせ、真空プレスを用い150℃、10kg/cm2、1時間加熱・圧着を行い積層した(図2(c)参照)。
【0043】
得られた積層体の表裏に、レーザー加工によりブラインドビアホールを形成し、通常の無電解めっきおよび電解めっきを行い、ブラインドビア13により層間の導通を接続せしめた後、第2導体回路パターンの形成、カバーレイフィルムの積層、外形加工を行い多層配線基板15を作成した(図2(b)、(e)参照)。
【0044】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約1.0kg/cmであった。
【0045】
<実施例2>
実施例1のシリカ系微粒子をサイリシア770(富士シリシア化学(株)製)(平均粒径6.0μm、5%スラリー状pH4.0)に変えた以外は実施例1と同様にして多層配線基板を作成した。
【0046】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約1.1kg/cmであった。
【0047】
<実施例3>
実施例1のエポキシ系接着フィルム(AS2700:日立化成工業(株)製)を合成ゴム/エポキシ系接着フィルムTB1650(スリーボンド(株)製)、真空プレスの仮圧着温度を100℃、加熱圧着条件を100℃で2時間、さらに130℃で3時間に変えた以外は実施例1と同様にして多層配線基板を作成した。
【0048】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約0.8kg/cmであった。
【0049】
<実施例4>
実施例1のシリカ系微粒子をサイリシア770(富士シリシア化学社製)(平均粒径6.0μm、5%スラリー状pH4.0)に変え、実施例1のエポキシ系接着フィルム(AS2700:日立化成工業(株)製)を合成ゴム/エポキシ系接着フィルムTB1650(スリーボンド(株)製)真空プレスの仮圧着温度を100℃、加熱圧着条件を100℃で2時間、さらに130℃で3時間に変えた以外は実施例1と同様にして多層配線基板を作成した。
【0050】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約1.0kg/cmであった。
【0051】
<実施例5>
実施例1の無水ピロメリット酸を無水ジフタル酸1.5g(5mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして多層配線基板を作成した。
【0052】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約0.8kg/cmであった。
【0053】
<実施例6>
実施例5のシリカ系微粒子をサイリシア770(富士シリシア化学(株)製)(平均粒径6.0μm、5%スラリー状pH4.0)に変えた以外は実施例5と同様にして多層配線基板を作成した。
【0054】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約1.0kg/cmであった。
【0055】
<実施例7>
実施例5のエポキシ系接着フィルム(AS2700:日立化成工業(株)製)を合成ゴム/エポキシ系接着フィルムTB1650(スリーボンド(株)製)真空プレスの仮圧着温度を100℃、加熱圧着条件を100℃で2時間、さらに130℃で3時間に変えた以外は実施例5と同様にして多層配線基板を作成した。
【0056】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約0.7kg/cmであった。
【0057】
<実施例8>
実施例5のシリカ系微粒子をサイリシア770(富士シリシア化学(株)製)(平均粒径6.0μm、5%スラリー状pH4.0)に変え、実施例5のエポキシ系接着フィルム(AS2700:日立化成工業(株)製)を合成ゴム/エポキシ系接着フィルムTB1650(スリーボンド(株)製)真空プレスの仮圧着温度を100℃、加熱圧着条件を100℃で2時間、さらに130℃で3時間に変えた以外は実施例5と同様にして多層配線基板を作成した。
【0058】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約0.7kg/cmであった。
【0059】
<比較例1>
両面に導体層を設けた2層フレキシブルプリント回路用基板(エスパネックス:新日鐵化学(株)製)の導体層に回路パターンを施し、第1導体回路を形成した。次に、エポキシ系接着フィルム(AS2700:日立化成工業(株)製)を基板の両面に接着剤が内側を向くように配置し、真空プレスを用いて120℃、5kg/cm2、60秒で仮圧着を行った後、さらに剥離フィルムを剥離した。
【0060】
前記基板上に片面に導体層を設けたフレキシブルプリント回路用基板(エスパネックス:新日鐵化学(株)製)の非導体層面を重ね合わせ、真空プレスを用い150℃、10kg/cm2、1時間加熱・圧着を行い積層した。
【0061】
得られた積層体の表裏に、レーザー加工によりブラインドビアホールを形成し、通常の無電解めっきおよび電解めっきを行い、ブラインドビア13により層間の導通を接続せしめた後、回路パターンの形成、カバーレイフィルムの積層、外形加工を行い多層配線基板を作成した。
【0062】
以上のように作成した多層配線基板の導体回路のピール強度を測定したところ約0.2kg/cmであった。
【0063】
【発明の効果】
本発明のポリイミド系樹脂フィルムおよびそれを用いた多層配線基板の製造方法の使用により、導体層または接着剤層とポリイミド系絶縁樹脂層の密着が強固な多層配線基板を提供することができる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリイミド系樹脂フィルム表面粗化工程の模式断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板の製造工程を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 ポリイミド系樹脂フィルム
2 導体層
3 フィラー
4 ポリアミド酸溶液
5 フィラー含有ポリイミド系樹脂層
6 フィラー含有ポリイミド系樹脂層を有するポリイミド系樹脂フィルム
7 表面粗化されたポリイミド系樹脂層
8 表面粗化ポリイミド系樹脂フィルム
9 導体層
10 ポリイミド系樹脂フィルム
11 剥離フィルム
12 接着剤
13 ブラインドビア
14 回路パターン
15 多層配線基板
Claims (11)
- ポリイミド系樹脂フィルムの少なくとも片側の最表層に、フィラーを含有するポリイミド系樹脂層を有することを特徴とするポリイミド系樹脂フィルム。
- 前記フィラーの平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1記載のポリイミド系樹脂フィルム。
- 最表層のポリイミド系樹脂に対するフィラーの含有量が2〜100重量部であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリイミド系樹脂フィルム。
- 前記フィラーのpHがスラリー状態で2〜6を示すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド系樹脂フィルム。
- 前記ポリイミド系樹脂フィルムが片側に導体層を有する片面導体層付きポリイミド系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド系樹脂フィルム。
- 回路形成された配線板に絶縁樹脂層と導体回路パターンを形成する多層配線基板の製造方法において、両面に回路形成された配線板の少なくとも一方の面に請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド系樹脂フィルムを積層することによって製造されることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
- 請求項6記載の多層配線基板の製造方法において、前工程としてフィラーの溶出によるポリイミド表面の粗化工程を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
- 前記表面粗化工程はアルカリ性溶液による処理であることを特徴とする請求項7に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記アルカリ性溶液が少なくとも酸化剤を含むことを特徴とする請求項8に記載の多層配線基板の製造方法。
- 請求項7〜8のいずれかに記載の工程がリール・ツー・リール工法により製造されることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の方法により製造されることを特徴とする多層配線基板。
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