JP2003236982A - 積層体およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents

積層体およびプリント配線板の製造方法

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JP2003236982A
JP2003236982A JP2002039274A JP2002039274A JP2003236982A JP 2003236982 A JP2003236982 A JP 2003236982A JP 2002039274 A JP2002039274 A JP 2002039274A JP 2002039274 A JP2002039274 A JP 2002039274A JP 2003236982 A JP2003236982 A JP 2003236982A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セミアディティブ法で高密度のプリント配線
板を実現できる高分子と金属層の積層体であって、その
目的は、接着性、回路形状、線間絶縁性に優れたプリン
ト配線板を提供することにある。 【解決手段】 表面の平滑な高分子フィルムの表面に物
理的手法によって形成したニッケルまたはニッケル合金
の第1金属層、無電解ニッケルめっきによる第2金属層
および電気銅めっきによる第3の金属層からなり、第
一、第二金属被膜をエッチングする際にニッケルまたは
ニッケル合金のエッチング速度が銅のエッチング速度の
2倍以上である、ニッケルまたはその合金を選択的にエ
ッチングするエッチング液を用いて製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器等
に広く使用される、平滑な平面を有する高分子フィルム
上に金属層を形成した積層体に関係しており、特にプリ
ント配線板製造に最適な積層体に関係している、さらに
詳しくは、セミアディティブ工法により製造される高密
度プリント配線板、および該工法を適用しうるビルドア
ップ多層プリント配線板用積層体と、該積層体を用い、
該工法を適用して製造したビルドアップ多層プリント配
線板に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に回路を形成したプリント配線板
が、電子部品や半導体素子等を実装するために広く用い
られ、近年の電子機器の小型化、高機能化の要求に伴
い、その様なプリント配線板には、回路の高密度化や薄
型化が強く望まれている。とくにライン/スペースの間
隔が20μm/20μm以下であるような微細回路形成
方法の確立はプリント配線板分野の重要な課題である。
【0003】この高密度なプリント配線板を製造する方
法として、セミアディティブ法と呼ばれる方法が検討さ
れており、代表例としては以下のような工程でプリント
配線板が製造されている。
【0004】高分子材料よりなる絶縁基板の表面にパラ
ジウム化合物等のめっき触媒を付与した後、そのめっき
触媒を核として無電解銅めっきを行い、絶縁基板1の表
面全体に、厚みの薄い金属皮膜を形成する。
【0005】次に、その様にして形成された銅皮膜の表
面にレジスト膜を塗布し、回路の形成を予定する部分の
レジスト被膜を取り除く。その後、無電解めっき膜が露
出する部分を給電電極として使用して電気銅めっきを行
い、その表面に第二金属皮膜を形成する。次いで、レジ
スト被膜を除去した後、無電解銅めっき皮膜をエッチン
グ除去する。なおこの際に、電気銅めっき皮膜の表面
も、無電解銅皮膜の厚み程度エッチングされて、回路パ
ターンの厚みや幅が減少する。
【0006】さらに、必要に応じて、形成された回路パ
ターンの表面にニッケルめっき金めっきを行って、プリ
ント配線板を製造する。
【0007】このようにセミアディティブ法は、厚みの
薄い無電解銅皮膜(第一金属皮膜)をエッチングして製
造するため、厚みの厚い金属箔をエッチングして回路を
形成するサブトラクティブ法と呼ばれる方法と比較し
て、微細な回路を精度良く形成することが可能となって
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このセ
ミアディティブ法は以下のような問題点を有している事
が明らかになっている。その第一は形成される回路電極
と基板間の接着性の問題である。先に述べたように基板
と回路電極の間は無電解銅めっき層になっている。先に
述べたように無電解めっき層は触媒を活性点としてそこ
から形成されるので、本質的には基板との接着性はない
と考えるべきである。基板表面の凹凸が大きい場合には
この間の接着はアンカー効果によって良好に保たれる
が、基板表面が平滑になるに従い当然その接着性は弱く
なる傾向にある。このためセミアディテイブ法では基板
となる高分子フィルムの表面を粗化する工程が必要とな
り、通常その表面にはRz値換算で3〜5μm程度の凹
凸がつけられる。この様な基板表面の凹凸は形成される
回路のライン/スペースの値が30/30μm以上であ
る場合には問題とならないが、30/30μm以下、特
に20/20μm以下の線幅の回路形成には重大な問題
となる。この様な高密度の回路線が基盤表面の凹凸の影
響をうけるためである。従って、ライン/スペースの値
が20/20μm以下の回路の形成には表面平滑性の高
い高分子基板への回路形成技術が必要となり、その平面
性はRz値換算で2μm以下、さらに望ましくは1μm
以下である必要がある。当然この場合にはアンカー効果
は弱くなり接着力としては期待出来なくなるので、別の
接着方法を開発が必要となる。セミアディテイブ工法の
第二の問題はそのエッチング工程である。電気めっき層
の給電層として用いられる無電解めっき層は回路には不
要な層であるから、電気めっき層形成後はエッチングに
よって取り除く必要がある。しかし、無電解めっき銅層
(第一金属皮膜)をエッチング除去する際に電気めっき
層(第二金属皮膜)の回路パターンも幅、厚みが減少
し、精密な回路パターンを再現性良く製造することが難
しくなるのである。また、第三の問題として、絶縁基板
の表面にめっき触媒が残留しやすいため、得られるプリ
ント配線板の絶縁性が低下しやすく、さらに最終工程で
回路にニッケルめっきや金めっきを行う際、これらの残
留しているめっき触媒の触媒作用で絶縁基板の表面にニ
ッケル、金がめっきされ、回路が形成できないという点
も挙げられる。そのため、エッチング能力の高いエッチ
ング液を用いて第一金属皮膜をエッチング除去すること
により、絶縁基板の表面のめっき触媒をも同時に除去す
ることが行われている。
【0009】しかし、このエッチング能力の高いエッチ
ング液を用いて無電解めっき層をエッチング除去した場
合、電気めっき層(第二金属皮膜)が影響を受け、回路
のトップ部分の幅が狭くなり、回路形状が悪くなるとい
う問題があった。本発明は、その目的とするところは、
表面平滑性に優れた高分子基板上に、強固に接着された
銅の伝導層を形成する事にある。本発明は、上記問題点
を改善するために成された、セミアディティブ法で高密
度のプリント配線板を実現できる高分子と金属層の積層
体であって、その目的は、接着性、回路形状、線間絶縁
性に優れたプリント配線板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる積層体の
第一の特徴は物理的手法で形成されたニッケルあるいは
ニッケル合金層を形成する点にある。本発明にかかる積
層体の第二の特徴は物理的手法で形成されたニッケルあ
るいはニッケル合金層上に無電解ニッケルめっき層を形
成する点にある。プリント配線板の多層化のために、積
層体にスルーホールまたはIVH(インターステシャル
ビアホール)を形成し、孔内の導電化するために無電解
めっきが一般採用されている。無電解ニッケルは物理的
手法によるニッケルまたはニッケル合金層と強固に接着
する。本発明にかかる積層体の第三の特徴は物理的手法
で形成したニッケルまたはニッケル合金である第一層と
無電解ニッケルめっきによる第二層と、その表面に形成
された電気銅めっきによる第三層からなる点にある。プ
リント配線板用途として、物理的手法による第一金属層
は、平滑な絶縁材料と強固に密着し、無電解ニッケルめ
っきによる第二の金属層はプリント配線板のスルーホー
ルやIVHを良好に導通しかつ第一金属層とも強固に密
着するとともに、電気銅めっきによる第三金属層とも強
固に密着する。回路部分となる第三層は、電気抵抗の低
い銅または銅合金が好適である。本発明にかかる積層体
の第四の特徴は、金属層、接着層、およびそれらに狭持
された高分子層からなる積層体であって、該金属層が物
理的手法で形成したニッケルまたはニッケル合金である
点にある。本発明にかかる積層体の第五の特徴は、金属
層、接着層、およびそれらに狭持された高分子層からな
る積層体であって、該金属層が物理的手法で形成したニ
ッケルまたはニッケル合金である第一層と無電解ニッケ
ルめっき層による第二層からなる点にある。
【0011】本発明にかかる積層体の第六の特徴は、金
属層、接着層、およびそれらに狭持された高分子層から
なる積層体であって、該金属層が物理的手法で形成した
ニッケルまたはニッケル合金である第一層と無電解ニッ
ケルめっき層による第二層と、その表面に形成された電
気銅めっき層からなる点にある。
【0012】本発明にかかる積層体の第七の特徴は、前
記、第一層を形成する物理的手法がスパッタリング法で
ある点にある。
【0013】本発明にかかる積層体の第八の特徴は、前
記第一層の厚さが5nm以上、1000nm以下のニッ
ケルまたはニッケル合金である点にある。
【0014】本発明にかかる積層体の第九の特徴は、前
記高分子フィルムの表面粗さが、Rz値換算で2μm以
下である点にある。
【0015】本発明にかかる積層体の第十の特徴は、前
記高分子フィルムがポリイミドフィルムである点にあ
る。本発明にかかる積層体の第11の特徴は、前記接着
層がポリイミド樹脂を含む点にある。
【0016】本発明にかかるプリント配線板の製造方法
の特徴は、前記積層体を用いて回路を形成する点にあ
る。
【0017】本発明にかかるプリント配線板の製造方法
のもう一つの特徴は、請求項1、2、4、5記載の積層
体の金属層上の回路の形成を予定する部分を除く部分に
レジスト被膜を形成した後、電気銅めっきを行って、金
属層が露出する部分の表面に銅皮膜を形成し、次いで、
レジスト被膜を除去し、次いで、ニッケルまたはニッケ
ル合金のエッチング速度が銅または銅合金のエッチング
速度の二倍以上のエッチング液を用いてニッケルまたは
ニッケル合金層をエッチング除去して回路を形成する点
にある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る積層体について説明
する。
【0019】本発明に用いる高分子フィルムとしては、
特に限定するものではなく、例えば、エポキシ樹脂系、
フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエス
テル樹脂系、ポリフェニレンエーテル樹脂系等の熱硬化
性樹脂等が挙げられる。この高分子フィルムの内部に
は、導体回路や、スルーホール等を有していても良い。
また、第一金属層との密着性を向上するために絶縁基板
の表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、加
熱処理、プライマー処理等の公知の種々の表面処理を施
しても良い。また、高分子フィルムを構成する樹脂に公
知の接着性付与剤を添加あるいは表面処理をすることも
有効であり、好ましい。これらの中でも、耐熱性、柔軟
性、寸法安定性、誘電率、表面性、価格、等の観点から
ポリイミド樹脂系やエポキシ樹脂系あるいはこれらをブ
レンドしたものが好ましい。
【0020】以下に高分子フィルムにポリイミドフィル
ムを用いる場合について詳しく説明する。ポリイミドフ
ィルムは公知の製造方法が適用可能である。すなわち、
1種または2種以上のテトラカルボン酸二無水物成分と
1種または2種以上のジアミン成分を実質的に等モル使
用し、有機極性溶媒中で重合して得られたポリアミド酸
重合体溶液をガラス板やステンレスベルトなどの支持体
上に流延塗布し、自己支持性を持つ程度に部分的にイミ
ド化または部分的に乾燥したポリアミド酸フィルム(以
下ゲルフィルムという)を支持体より引き剥がし、端部
をピン、クリップなどの方法で固定してさらに加熱して
ポリアミド酸を完全にイミド化することで得られる。
【0021】ポリアミド酸重合体の製造に用いられるテ
トラカルボン酸二無水物成分としては公知のテトラカル
ボン酸二無水物類を使用することができる。具体的に
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,
3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニル
シランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フ
ランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無
水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフ
タル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸
無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が例示さ
れる。
【0022】本発明の用途に適したポリイミドフィルム
を得るためには、p−フェニレンビス(トリメリット酸
モノエステル無水物)(以下、TMHQという)とピロ
メリット酸二無水物(以下,PMDAという)を任意の
割合で混合したものが好ましい。一方、ポリアミド酸重
合体の製造に用いられる代表的なジアミン成分としては
公知のジアミン類を使用することができる。具体的に
は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ア
ミノフェノキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル)スルフォン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス
(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、4、4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3、
3’−ジアミノジフェニルスルフォン、9、9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレン、ビスアミノフェノ
キシケトン、4、4’−(1,4−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−
(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))
ビスアニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3、
3’−ジメチル−4、4’−ジアミノビフェニル、3、
3’−ジメトキシ−4、4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジヒドロキ
シベンジジン等の芳香族ジアミン、あるいはその他の脂
肪族ジアミンが例示される。
【0023】本発明の用途に適したポリイミドフィルム
を得るためには、パラフェニレンジアミン(以下、PD
Aという)4,4’−ジアミノベンズアニリド(以下,
DABAという)と4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル(以下、ODAという)を任意の割合で混合したも
のが好ましい。
【0024】ここに記載したテトラカルボン酸二無水物
成分とジアミン成分の組み合わせは、本発明のポリイミ
ドフィルムを得るための一具体例を示すものであり、こ
れらの組み合わせに限らず、用いるテトラカルボン酸二
無水物成分及びジアミン成分の組み合わせおよび使用比
率を変えて、ポリイミドフィルムの特性を調整すること
が可能である。
【0025】ポリアミド酸共重合体の生成反応に使用さ
れる有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶
媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、
フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシ
レノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフ
ェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これ
らを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更
にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の一部
使用も可能である。
【0026】これらの原料を用いてポリアミド酸重合体
溶液を作製するには公知の方法を適用できる。具体的に
は、溶媒にジアミン成分を溶解した後テトラカルボン酸
二無水物成分を徐々に添加する方法、ジアミン成分とテ
トラカルボン酸二無水物成分を同時に溶媒に溶解する方
法、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを
交互に溶解していく方法等が例示される。
【0027】3種類以上のモノマー原料を用いてポリア
ミド酸重合体溶液を共重合する場合には、各原料の添加
順序をコントロールして高分子内の分子の配列を制御す
ることが可能であり、ランダム共重合、ブロック共重
合、パーシャルブロック共重合、シーケンシャル共重合
などの方法が提案されている。本発明のポリイミドフィ
ルムの前駆体であるポリアミド酸の平均分子量は、1
0,000〜1,000,000であることが望まし
い。平均分子量が10,000未満ではできあがったフ
ィルムが脆くなる場合がある。一方、1,000,00
0を越えるとポリイミド前駆体であるポリアミド酸ワニ
スの粘度が高くなりすぎ、取扱いが難しくなるおそれが
ある。また、ポリアミド酸重合体溶液の重合においては
重合前、重合中、重合後の任意の段階でポリアミド酸重
合体溶液内の異物や高分子量物などを除去する目的でろ
過等の工程を加えることも可能である。
【0028】さらに、重合工程に要する時間を短縮する
為に重合度の低いいわゆるプレポリマーを得る第1の重
合工程と、より重合度を上げて高分子量のポリアミド酸
重合体溶液を得る第2の重合工程を分けることも可能で
ある。特に第1の重合工程後のプレポリマー段階でろ過
等の工程を経た後に第2の重合工程を行うことは、重合
効率やろ過効率の点から好ましい。
【0029】また、このポリアミド酸共重合体は、前記
の有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜
30重量%溶解されていると、取扱いの面から望まし
い。上記の方法で得られたポリアミド酸重合体溶液をポ
リイミドフィルムに成形する方法については公知の方法
が適用可能である。即ち、ポリアミド酸重合体溶液をガ
ラス、ステンレス等の支持体上に流延、塗布し、自己支
持性を持つ程度に部分的にイミド化または部分的に乾燥
したポリアミド酸フィルム(以下ゲルフィルムという)
を支持体より引き剥がし、端部をピン、クリップなどの
方法で固定してさらに加熱してポリアミド酸を完全にイ
ミド化することで得られる。この際、ポリアミド酸を流
延塗布する前にポリアミド酸のイミド化反応を促進する
脱水剤及び触媒と溶媒を混合した硬化剤(以下ケミカル
キュア剤という)を、ポリアミド酸溶液に添加し、混
合、攪拌するいわゆるケミカルキュア法、熱的にイミド
化する熱キュア法、両者を併用する方法等が適用でき
る。
【0030】フィルムの生産性や得られるフィルムの物
性などの観点からケミカルキュア法、あるいはケミカル
キュア法と熱キュア法の併用が好ましい。また、上記方
法で得られるポリイミドフィルムは公知の表面処理や後
処理を適用することができる。具体的には、エンボス処
理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理、プラズマ放
電処理、電子線照射処理、UV処理、加熱処理、火炎処
理、溶剤洗浄処理、プライマー処理、ケミカルエッチン
グ処理などが適用できる。また、ゲルフィルムに対して
これらを単独であるいは複数の処理を組み合わせて処理
を施した後にポリイミドフィルムを得ることも可能であ
る。特に、部分的にイミド化または部分的に乾燥したポ
リアミド酸フィルム(ゲルフィルム)をAl、Si、T
i、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Sn、Sb、P
b、Bi、Pdからなる群から選ばれる少なくとも1種
類の元素を含む化合物の溶液に浸漬あるいは該ゲルフィ
ルムに該溶液を塗布した後にポリアミド酸を完全に乾燥
しかつイミド化する方法が接着性の向上に有効である。
【0031】ゲルフィルムは乾燥の途中段階にあり、溶
剤含んでいる。この溶剤含有量(揮発成分含量)は、式
1から算出される。
【0032】(A−B)×100/B・・・・式1 式1中、A、Bは、以下のものを表す。 Aは、ゲルフィルムの重量 Bは、ゲルフィルムを450℃で20分間加熱した後の
重量 揮発成分含量は、5〜300重量%の範囲、好ましく
は、5〜100重量%の範囲、より好ましくは5〜50
重量%の範囲が好適である。
【0033】また、ゲルフィルムはポリアミド酸からポ
リイミドへの反応の途中段階にありその反応の進行度合
を示すイミド化率は、赤外線吸光分析法を用いて、式2
から算出される。
【0034】 (C/D)×100/(E/F)・・・・式2 式2中、C、D、E、Fは以下のものを表す。 C:ゲルフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ D:ゲルフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ E:ポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ F:ポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ イミド化率は50%以上の範囲、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは85%
以上の範囲が好適である。Al、Si、Ti、Mn、F
e、Co、Cu、Zn、Sn、Sb、Pb、Bi、Pd
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む
化合物としては、上記元素を含む有機または無機化合物
の形のものが好ましく用いられる。具体的には、無機化
合物としては、例えば塩化物、臭化物等のハロゲン化
物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リ
ン酸塩、硫酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、縮合リン酸塩等が
挙げられる。
【0035】また、有機化合物としては、たとえば、ア
ルコキシド、アシレート、キレートやジアミン、ジホス
フィン等の中性分子やアセチルアセトナートイオン、カ
ルボン酸イオン、ジチオカルバミン酸イオン等を有する
有機化合物、またポリフィリン等の環状配位子等が挙げ
られる。
【0036】この中で、好ましい元素はSi、Tiであ
る。これらの元素を含む化合物はアルコキシド、アシレ
ート、キレート、あるいは金属塩の形で与えられる。珪
素化合物では、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系の化合
物や、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン等のエポキシシラン系の化合物が挙げられる。
【0037】チタン化合物は一般式(化1)で示される
ものが好ましく、具体的にはトリ−n−ブトキシチタン
モノステアレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリ
エタノールアミネート)、ブチルチタネートダイマー、
テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2ーエチル
ヘキシル)チタネート、チタンオクチレングリコレート
などが例示される他、ジヒドロキシビス(アンモニウム
ラクテート)チタニウム、ジヒドロキシチタンビスラク
テート等も使用可能である。最も好ましいのはトリ−n
−ブトキシチタンモノステアレートあるいはジヒドロキ
シチタンビスラクテートである。
【0038】
【化1】
【0039】該溶液に使用される溶媒は、上記化合物を
溶解するものであれば良い。例示すると、水、トルエ
ン、キシレン、テトラヒドロフラン、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、酢酸エチル、N,N−ジメチルフ
ォルムアミド、アセチルアセトンなどが使用可能であ
る。これらの溶剤を2種類以上混合して使用しても良
く、ポリアミド酸のケミカルキュア剤成分を混合するこ
とも可能である。本発明において、N,N−ジメチルフ
ォルムアミド、1−ブタノール、2−プロパノールおよ
び水が特に好ましく用いられ得る。
【0040】溶液の濃度は、好ましくは0.01%〜1
0%、さらに好ましくは0.1%〜5%が好適である。
即ち溶液中の前記元素の濃度は1ppmから100,0
00ppmが好ましく、10ppm〜50,000pp
mがより好ましい。
【0041】ゲルフィルムに該溶液を塗布または浸漬の
後、表面の余分な液滴を除去する工程を加えることによ
り、フィルム表面にムラのない外観の優れたポリイミド
フィルムを得ることができるので好ましい。液滴の除去
は、ニップロール、エアナイフ、ドクターブレードなど
の公知の方法が利用可能であり、フィルムの外観、液切
り性、作業性等の観点より、ニップロールが好ましく用
いられ得る。また、ポリイミドフィルムを製造する任意
の段階で各種の有機添加剤、無機のフィラー類、あるい
は各種の強化材を添加し、複合化されたポリイミドフィ
ルムとすることも可能である。
【0042】本発明におけるポリイミドフィルムは、厚
みの制限は無いが5μm〜125μmが好ましい。特に
多層プリント配線板用途としてはポリイミドフィルムの
厚みは10〜75μm、好ましくは10〜50μm、引
張り弾性率は4GPa以上、好ましくは6GPa以上、
より好ましくは10GPa以上、線膨張係数は17pp
m以下、好ましくは12ppm以下、より好ましくは1
0ppm以下、吸水率は2%以下、好ましくは1.5%
以下、より好ましくは1%以下のものが好適である。ま
た高分子フィルムの表面粗さがRzで2μm以下好まし
くは1μm以下のものが高密度配線の形成に好適であ
る。
【0043】高分子フィルム表面に第一金属被膜を形成
する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、CVD法などの物理的手法が好適であ
る。これは、絶縁基板にめっき触媒を付与する必要はな
く、従って第一金属被膜エッチング後にめっき触媒が残
ることもないという点、湿式無電解めっきの様に密着性
向上のため表面粗化処理(デスミア処理)を行う必要が
なく、金属皮膜と絶縁基板の界面が平滑となり、狭間隔
の回路形成や、電気特性に良い影響を与えるという点が
理由として挙げられる。物理的手法としては、成膜の生
産性、高分子フィルムとの密着性、等の観点からスパッ
タリング法が好ましい。第一金属皮膜の厚みとしては、
5nmから1000nmが好ましい。5nm未満の場
合、絶縁基板表面を均一に積層できず、絶縁基板と金属
層の充分な密着が得られない。また、1000nmを越
えて形成すると、経済的でないばかりでなく、第一金属
層と第二金属層との内部応力差から絶縁基板との密着力
が低下する、回路部に抵抗の高いニッケルやニッケル合
金の比率が大きくなり伝送特性が悪化する、不要な部分
の第一金属層をエッチング除去する際に時間がかかり、
第二金属被膜による回路パターンがエッチングの影響を
受け回路形状が悪化する、等の問題が生じる。第一金属
層形成後、接着層の形成、積層加工、その他の加工工程
で第一層が劣化、汚染することを防ぐため、第一層表面
に再剥離可能な保護フィルムを積層しても良い。次い
で、必要に応じてスルーホールやIVHを穴開けする。
これらはパンチング加工、ドリル加工、レーザー加工、
感光性樹脂を用いる方法、湿式のエッチングによる方
法、プラズマ等の乾式エッチングによる方法などを単独
であるいはこれらの方法を組み合わせて適用できる。微
細加工、生産性、等の観点からレーザー加工、特にUV
−YAGレーザーやエキシマレーザーが好適である。形
成したスルーホールやIVHを導通するために無電解め
っきによる第二金属層を形成する。無電解ニッケルめっ
きとしては、公知の無電解ニッケルめっきが適用でき
る。この様にして得られた無電解めっき被膜の表面に電
気銅めっきを施す。実質的に、この電気銅めっき層がプ
リント配線板の回路パターンを形成する。無電解ニッケ
ルめっきと電気めっきの密着性を向上するために、ニッ
ケル表面を洗浄、粗化、等を行っても良い。
【0044】また、高分子フィルムの一方の面に上記の
金属層を形成し、他方の面に接着層を形成した積層体に
ついて、接着層に関しては、特に種類を制限されるもの
でなく、公知の樹脂を適用でき、大きくは(A)熱可塑
性樹脂を用いた熱融着性の接着剤、(B)熱硬化樹脂の
硬化反応を利用した硬化型の接着剤に分けることができ
る。これらについて以下に説明する。 (A)接着剤に熱融着性を与える熱可塑性樹脂として
は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエー
テルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリスルホ
ン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂、
ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー樹脂等が挙げられ、
これらの1種または2種以上を適宜組合わせて本発明の
積層体の接着層として用いることができる。中でも優れ
た耐熱性、電気信頼性等の観点より熱可塑性ポリイミド
樹脂を用いることが好ましい。
【0045】ここで熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法
について説明する。ポリイミド樹脂はその前駆体である
ポリアミド酸重合体溶液から得られるが、このポリアミ
ド酸重合体溶液は、前述のごとき公知の方法で製造する
ことができる。すなわち、テトラカルボン酸二無水物成
分とジアミン成分を実質等モル使用し、有機極性溶媒中
で重合して得られる。この熱可塑性ポリイミド樹脂に用
いられる酸二無水物は、酸二無水物であれば特に限定さ
れない。酸二無水物成分の例としては、ブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,
4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無
水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカル
ボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ
フラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オク
ト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無
水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水
物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、4,4’−オキシフタル酸無水物、3,3’,
4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸
二無水物、3,3‘,4,4’−テトラフェニルシラン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテ
トラカルボン酸二無水物、4,4‘−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水
物、4,4‘−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4‘−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパ
ン二無水物、4,4‘−ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジフタル酸無水物、3,3’,4,4‘−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4‘−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フ
ェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン
−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニ
レン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエー
テル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,
4’−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テ
トラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメ
リット酸モノエステル無水物)、4,4’−ビフェニレ
ンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,4
−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエス
テル無水物)、1,3−トリメチレンビス(トリメリッ
ト酸モノエステル無水物)、1,4−テトラメチレンビ
ス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,5−ペ
ンタメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメリット酸モ
ノエステル無水物)、4,4’−(4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)などが好
ましく、これらの1種を、または2種以上を組み合わせ
て酸二無水物成分の一部または全部として用いることが
できる。
【0046】優れた熱融着性の発現のためには、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ
ート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水
物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステ
ル無水物)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジフタル酸無水物、2,3,3’,4‘−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル
酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、4,4’−(4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)を用いる
のが好ましい。
【0047】また、ジアミン成分としては4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2,−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、4,4’
−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−
ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、4、4’−ジアミノジフェニルスルフォン、
3、3’−ジアミノジフェニルスルフォン、9、9−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン、ビスアミノフェ
ノキシケトン、4、4’−(1,4−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−
(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))
ビスアニリン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,
3’−ジヒドロキシベンジジン等を挙げることができ、
これらを単独で、または2種以上を組合わせて用いるこ
とができる。
【0048】本発明の積層体に用いる熱可塑性ポリイミ
ド樹脂の材料としては、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシベンジジ
ン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ス
ルフォンをそれぞれ単独または任意の割合で混合して用
いることが好ましい。
【0049】ポリアミド酸重合体溶液を得る反応の代表
的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶
剤に溶解または拡散させ、その後1種以上の酸二無水物
成分を添加しポリアミド酸溶液を得る方法が挙げられ
る。各モノマーの添加順序は特に限定されず、酸二無水
物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分
を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としても良いし、
ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、次に
過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミ
ン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としても良
い。この他にも、当業者に公知の様々な添加方法があ
る。なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全
に溶解する場合の他に、溶質が溶媒中に均一に分散また
は拡散されて実質的に溶解しているのと同様の状態にな
る場合を含む。
【0050】ポリアミド酸溶液の生成反応に用いられる
有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセト
アミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニ
ル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、フェノー
ル、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノー
ル、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノー
ル系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−
ブチロラクトンなどを挙げることができる。更に必要に
応じて、これらの有機極性溶媒とはキシレン、トルエン
のような芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることも
できる。
【0051】次に、ポリアミド酸をイミド化する方法に
ついて説明する。
【0052】ポリアミド酸のイミド化反応はポリアミド
酸の脱水閉環反応であり、反応によって水を生成する。
この生成した水は、ポリアミド酸を容易に加水分解し分
子量の低下を引き起こす。この水を除去しながらイミド
化する方法として、通常1)トルエン・キシレン等の共
沸溶媒を加え共沸により除去する方法、2)無水酢酸等
の脂肪族酸二無水物とトリエチルアミン・ピリジン・ピ
コリン・イソキノリン等の3級アミンを加える化学的イ
ミド化法、3)減圧下で加熱してイミド化する方法があ
る。
【0053】本発明の熱可塑性ポリイミド樹脂のイミド
化の方法は、減圧下で加熱してイミド化する方法が好ま
しい。このイミド化の方法によれば、イミド化によって
生成する水を積極的に系外に除去できるので、ポリアミ
ド酸の加水分解を抑えることが可能で高分子量のポリイ
ミドが得られる。またこの方法によれば、原料の酸二無
水物中に不純物として存在する片側または両側開環物が
再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期待で
きる。
【0054】減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件
は80〜400℃が好ましいが、イミド化が効率よく行
われ、しかも水が効率よく除かれる100℃以上がより
好ましく、更に好ましくは120℃以上である。最高温
度は目的とするポリイミドの熱分解温度以下が好まし
く、通常のイミド化の完結温度すなわち250〜350
℃程度が通常適用される。
【0055】減圧する圧力の条件は、小さいほうが好ま
しいが、具体的には900hPa以下、好ましくは80
0hPa以下、より好ましくは700hPa以下であ
る。また、熱可塑性ポリイミド樹脂を得るための別の方
法として、上記の熱的または化学的に脱水閉環する方法
において溶媒の蒸発を行わない方法もある。具体的に
は、熱的イミド化処理または脱水剤による化学的イミド
化処理を行って得られるポリイミド樹脂溶液を貧溶媒中
に投入して、ポリイミド樹脂を析出させ、未反応モノマ
ーを取り除いて精製、乾燥させ固形のポリイミド樹脂を
得る方法である。貧溶媒としては、溶媒とは良好に混合
するがポリイミドは溶解しにくい性質を有するものを選
択し、例示すると、アセトン、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ、
メチルエチルケトン等が挙げられるがこれに限定されな
い。これらの方法により熱可塑性ポリイミド樹脂を得る
ことができ、本発明の積層体の接着層として用いること
ができる。
【0056】次に(B)熱硬化樹脂の硬化反応を利用し
た硬化型の接着剤に関して説明する。熱硬化型樹脂とし
てはビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、
フェノール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシ
リル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂等を挙げることができ、これらを単独または適宜組み
合わせて用いることができる。また、上記熱硬化性樹脂
以外に高分子鎖の側鎖または末端にエポキシ基、アリル
基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基,
水酸基等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高
分子を熱硬化成分として使用することも可能である。以
下に側鎖反応性基型熱硬化性ポリイミド樹脂について説
明する。具体的製法例としては、(1)既に述べた熱可
塑性ポリイミド樹脂に準じた方法で製造され、この際に
エポキシ基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、アク
リル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、カルボ
キシ基、水酸基、シアノ基等の官能基有するジアミン成
分、酸二無水物成分をモノマー成分として用い熱硬化型
ポリイミドを得る方法、また、(2)水酸基、カルボキ
シ基、芳香族ハロゲン基等を有する溶媒可溶性ポリイミ
ドを既に述べた熱可塑性ポリイミド樹脂の製法に準じて
製造した後、エポキシ基、ビニル基、アリル基、メタク
リル基、アクリル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリ
ル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基等の官能基を化
学反応により付与する方法等により、熱硬化性ポリイミ
ド樹脂を得ることも可能である。熱硬化性樹脂に対し、
さらに有機過酸化物等のラジカル反応開始剤、反応促進
剤、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート等の架橋助剤、耐熱性、接着性等の向上のため、必
要に応じて、酸二無水物系、アミン系、イミダゾール系
等の一般に用いられるエポキシ硬化剤、種々のカップリ
ング剤等を適宜添加することも可能である。
【0057】加熱接着時の接着剤の流れ性を制御する目
的で、前記熱可塑性樹脂に熱硬化性樹脂を混合すること
も可能である。このためには、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、熱硬化性樹脂を1〜10000重量部、好
ましくは5〜2000重量部加えるのが望ましい。熱硬
化性樹脂が多すぎると接着層が脆くなるおそれがあり、
逆に少なすぎると接着剤のはみ出しが生じたり、接着性
が低下するおそれがある。本発明の積層体に用いる接着
剤として、熱可塑性ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂を混
合したものが接着性、加工性、耐熱性などのバランスが
よく好適である。
【0058】高分子フィルムに接着層を形成する方法
は、公知の湿式コーティング法が適用できる。具体的に
は、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコータ
ー、スピンコーター、ナイフコーター、スプレーコータ
ーなどが例示できる。ロール状の高分子フィルムに連続
的にコーティングするには、グラビアコーター、ダイコ
ーター、カーテンコーターなどが好適である。本積層体
を用いて多層プリント配線板を作製するためには接着層
はたとえば、硬化反応を進めすぎず、溶剤成分を蒸発さ
せた半硬化状態(Bステージ状態)とする。上記積層体
を用いてプリント配線板を製造する方法は、たとえば以
下の工程を例示できる。 (1)高分子フィルムの一方の面に物理的方法で第1層
を形成し、他方の面に接着層を形成する。 (2)内層基板に上記積層体を内層回路面と接着面を合
わせ、プレス積層する。プレス積層加工は単板プレスの
他、真空プレスも適用でき、積層時の泡の咬み込み、内
層回路の埋め込み性、第一金属層の酸化を防ぐ、等の点
から真空プレスが好ましい。加熱温度は180℃〜20
0℃で1〜3時間程度である。 (3)必要な位置にビアホールを形成する。ビアホール
の穴開けは、レーザードリリングが小径ビアのブライン
ドビア形成に有効であり、第1金属被膜ごと穴開けする
ためにはUV−YAGレーザーが好適である。 (4)無電解ニッケルめっきにより、形成したスルーホ
ールやIVHを導通する。 (5)回路の形成を予定する部分を除く部分にレジスト
被膜を形成する。本発明に用いるレジスト被膜として
は、回路パターンを形成する電気めっき液に耐え、この
めっきを行ったときに、その表面に第二金属皮膜が形成
されにくいものであれば特に限定するものではなく、例
えば、液状の樹脂をスクリーン印刷法で回路の形成を予
定する部分を除く部分に塗布した後、固化して形成した
ものや、液状又はシート状の感光性樹脂を無電解めっき
被膜の表面全体に形成した後、回路形状に露光し、次い
で、回路の形成を予定する部分の感光性樹脂を除去して
形成したもの等が挙げられる。無電解めっき層とレジス
ト被膜との密着性を向上するために無電解めっき層表面
の洗浄や粗化、酸化層の除去、あるいは酸化層の形成な
どを行うこともある。 (6)第一、第二金属層を給電層として電気めっきを行
って、給電層が露出する部分の表面に、回路パターンを
形成する。なお、このとき形成する回路パターンの厚み
は、レジスト被膜の厚みより厚くても良く、薄くても良
い。また、電気めっきに代えて、無電解めっきにより回
路パターンをを形成するようにしても良い。 (7)レジスト被膜を除去する。レジスト剥離液は、用
いるレジスト被膜によって適宜決められるものである。 (8)給電層をエッチング除去する。なおこの際、回路
パターンを殆ど浸食せず、給電層のみを選択的にエッチ
ングするエッチング液を用いる。すなわち、ニッケルま
たはニッケル合金に対するエッチング速度が銅または銅
合金にたいするエッチング速度の2倍以上であるエッチ
ング液を用いる。これにより、回路パターンはエッチン
グされず、形成したときの状態がほぼ保たれる。そのた
め、回路形状はほぼ矩形を保つことができ、形状が優れ
た回路を得ることが可能になる。エッチング液の例とし
ては、たとえば特開2001−140084に開示され
ているエッチング液が好適に用いられる。エッチング速
度は、40mm×40mm×0.3mm(厚み)の金属
板をエッチング液中に3分間浸漬、静置した際の重量減
少から次式で算出する。エッチンク゛ 速度(μm/分)=(重量減少)×10000/(表
面積×金属板の密度×浸漬時間)ここで、金属板の密
度:ニッケル=8.845g/cm3、銅=8.92g
/cm3、表面積:4×4×2+4×0.03×4=3
2.48cm2、浸漬時間:3分である。 (9)必要に応じて無電解ニッケルめっきや無電解金め
っきの仕上げ加工を行って、プリント配線板を製造す
る。
【0059】以上の工程を経ることで、本発明の積層体
の特徴を充分に生かして多層プリント配線板を製造でき
る。特にビアホールの導通のためには無電解ニッケルめ
っきの触媒付与が必要となるが、ビアホール部以外は第
1金属被膜上に触媒が付与しているため、第1金属被膜
のエッチングによって不要部の触媒は容易に除去でき
る。
【0060】
【実施例】(実施例1)厚み25μmのポリイミドフィ
ルム(鐘淵化学製アピカルHP)の片方の面にニッケル
をDCマグネトロンスパッタリングして第一金属皮膜を
形成した。実験に用いたポリイミドフィルムの表面粗さ
(Rz)は1μmであった。また、代表的なスパッタリ
ング条件はアルゴン圧0.2Pa、放電電力400W、
2分間スパッタリングし、200nmのニッケル被膜を
得た。次いで、第一金属層全面に無電解ニッケルめっき
被膜を得た。無電解ニッケルめっきの代表的なプロセス
は、スパッタニッケル表面の脱脂、硫酸、過酸化水素水
によるソフトエッチング、希硫酸によるスマット除去、
希塩酸に予備浸漬、スパッタニッケル表面へパラジウム
触媒付与、無電解ニッケルめっき(80℃、10分)を
行った。この方法で無電解ニッケルめっきが約0.5μ
m析出した。次いで、ニッケルめっき表面を10重量%
の硝酸に10秒間浸漬した後、硫酸銅電気めっき(ハイ
スロー浴)により銅被膜を形成した。電気めっきは、室
温,2A/dm2、40分の条件で厚み18μmの銅被
膜を形成した。JIS C6471(引き剥がし強さ:
B法)により、得られた積層体の金属層とポリイミドフ
ィルムの接着強度(常態接着強度)を測定した結果、6
〜8N/cmであった。また、剥離界面は、スパッタニ
ッケルとポリイミドフィルムの界面であった。また、得
られた積層体を温度121℃、相対湿度100%のプレ
ッシャークッカーで96時間曝露した後の接着強度(P
CT後接着強度)を測定した結果、4〜6N/cmであ
った。また、剥離界面は、スパッタニッケルとポリイミ
ドフィルムの界面であった。
【0061】(比較例1)実施例1と同様のポリイミド
フィルムにスパッタにより銅薄膜を形成し、次いで無電
解銅めっきを行った後、実施例1と同様の方法で電気銅
めっき層を形成した。ポリイミドフィルムと金属層の常
態接着強度は5〜7N/cm、PCT後接着強度は1N
/cm以下であった。また、剥離界面は、スパッタニッ
ケルとポリイミドフィルムの界面であった。
【0062】(比較例2)実施例1と同様のポリイミド
フィルム表面に、スパッタニッケル層、無電解銅めっき
層、電気銅めっき層を形成した積層体を作製し、常態、
PCT後の接着強度を測定した。結果はともに1N/c
m以下であった。また、剥離界面は、スパッタニッケル
と無電解銅めっきの界面であった。
【0063】(実施例2)実施例1の方法で作製した、
ポリイミドフィルム/スパッタニッケル層からなる積層
体を用いて以下の手順で多層プリント配線板を作製し
た。(接着層の形成)窒素雰囲気下で容量2000ml
のガラス製フラスコに、N,N−ジメチルホルムアミド
(以下、DMFという。)に1当量のビス{4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(以下BAPS
−Mという)を溶解した。溶液を氷水で冷却しつつ撹拌
し、1当量の4、4´―(4、4´―イソプロピリデン
ジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)(以下、BPAD
Aという)を溶解、重合し固形分濃度30重量%のポリ
アミド酸重合体溶液を得た。
【0064】このポリアミド酸溶液を200℃180
分、665Paの減圧下で200℃3時間で減圧加熱
し、固形の熱可塑性ポリイミド樹脂を得た。上記で得た
ポリイミド樹脂とノボラック型のエポキシ樹脂(エピコ
ート1032H60:油化シェル社製)、および4,
4’−ジアミノジフェニルスルフォン(以下、4,4’
−DDSとする)を重量比が70/30/9になるよう
に混合し、ジオキソランに固形分濃度が20重量%にな
るように溶解して接着剤溶液を得た。得られた接着剤溶
液を第一金属被膜を形成した積層体の該ポリイミドフィ
ルムの他方の面に乾燥後の厚みが9μmになるように塗
布し、170℃で2分間乾燥して接着層を形成して、ス
パッタニッケル層/ポリイミドフィルム層/接着層から
なる積層体を作製した。 (積層)得られたスパッタニッケル層/ポリイミドフィ
ルム層/接着層からなる積層体の接着層を、銅箔9μm
のガラスエポキシ銅張積層板から作製した内層回路板の
回路面対向させ、真空プレスにより200℃2時間の条
件でプリント配線板表面に積層、硬化した。 (穴開け)積層体の内層回路と外層回路を接続すべき位
置にUV−YAGレーザーにより直径50μmのビアホ
ールの穴開けを行った。 (無電解めっき)実施例1と同様の方法でスパッタニッ
ケル面上に無電解ニッケルめっきを施した。 (レジストパターニング)感光性ドライフィルムレジス
ト(旭化成製サンフォート)を105℃で熱ラミネート
した後回路形状に露光した。なお回路形状としては、1
5μmの絶縁間隔を設けて形成した回路幅15μmの櫛
型電極の形状に露光し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液
で現像した。 (電気銅めっき)ニッケルめっき表面を10重量%の硝
酸に10秒間浸漬した後、硫酸銅電気めっき(ハイスロ
ー浴)により銅被膜を形成した。電気めっきは、室温,
1A/dm2、40分の条件で厚み9μmの銅被膜を形
成した。 (レジスト剥離)重量濃度3%の水酸化ナトリウム水溶
液で残ったレジスト膜を剥離した。 (フラッシュエッチング)表1に示される組成のエッチ
ング液を基板にスプレーしてニッケルの第一、第二金属
被膜をエッチングし、回路幅15μm、絶縁間隔15μ
mのパターンを作製した。
【0065】用いたエッチング液のエッチング速度は、
ニッケルのエッチング速度=5.38μm/分、銅のエ
ッチング速度=0.04μm/分であった。
【0066】
【表1】
【0067】(比較例3)エポキシ樹脂両面銅張り積層
板の表面の銅箔を全面エッチングした板の表面に、エポ
キシ樹脂をカーテンコーター法で塗布した後、150℃
で1時間加熱して、表面樹脂層が半硬化状態である絶縁
基板を得た。
【0068】次いで、上記絶縁基板に炭酸ガスレーザー
にてビアホールを形成し、過マンガン酸カリウム溶液に
浸漬して、樹脂層の表面を粗面化して、無電解めっきの
密着性を向上させる処理を行った。粗化後の樹脂の表面
粗さRzは4μmであった。次いで、その樹脂層の表面
に、パラジウム−スズコロイド型のめっき触媒を付与し
た後、無電解銅めっきを行い、絶縁基板の表面に、厚み
0.5μmの銅製第一金属皮膜を形成した。
【0069】次いで、第一金属皮膜の表面に実施例1と
同様で回路の形成を予定する部分を除く部分にレジスト
被膜を形成し、第一金属皮膜が露出する部分の表面に、
厚み9μmの銅製第二金属皮膜を形成した。
【0070】次いで、ハンダめっきを行って、第二金属
皮膜の表面に、厚み3μmのハンダ製金属皮膜(第三金
属皮膜)を形成した。
【0071】次いで、アルカリ型の剥離液を用いてレジ
スト被膜を除去した後、アルカリエッチング液を絶縁基
板の表面にスプレーして第一金属皮膜をエッチングし、
次いで、ハンダ剥離液を用いて、第二金属皮膜の表面に
形成したハンダ製の第三金属皮膜を除去して、第二金属
皮膜を露出させた。
【0072】次いで、過マンガン酸カリウム溶液に絶縁
基板を浸漬して、絶縁基板の表面の半硬化状態の樹脂層
を除去すると共に、絶縁基板の表面に残留するめっき触
媒を除去した後、170℃で2時間加熱して、半硬化状
態の樹脂層を完全硬化させた。 (評価、結果)実施例2及び比較例3で得られた多層プ
リント配線板の回路形状及び絶縁性を評価した。回路形
状は、形成した櫛型電極の形状の回路のうち、回路幅1
5μmに露光した部分の回路幅を顕微鏡で、回路断面の
形状が矩形であるか、また線状パターンの端部が直線状
であるかを観察した。絶縁性は、形成した櫛型電極の形
状の回路のうち、15μmの絶縁間隔を有して導通しな
い回路間の、絶縁抵抗を求めた。その結果は、実施例2
の製造方法は、比較例3と比べて回路形状、絶縁性が優
れているプリント配線板を簡便に製造できることが確認
された。
【0073】
【発明の効果】本発明に係る積層体は、表面の平滑な高
分子フィルムの表面に物理的手法によって形成したニッ
ケルまたはニッケル合金の第1金属層、無電解ニッケル
めっきによる第2金属層および電気銅めっきによる第3
の金属層からなり、高分子フィルムと金属層が強固に接
着する。また、本発明にかかるプリント配線板の製造方
法によれば、超高密度回路を形成するプリント配線板を
簡便に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA04 BB01 BB33 BB35 CC03 CC06 DD04 DD19 GG01 4F100 AB01B AB01C AB16B AB16C AB16D AB16E AB31B AB31C AK01A AK49A BA02 BA03 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E CB00 EH66B EH66C EH71D EH71E GB43 JK14A JL11 YY00A YY00B YY00C 5E343 AA18 BB17 BB24 BB44 CC34 CC45 DD44 DD76 EE32 EE37 EE52 ER13 ER16 ER18 GG02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルムと少なくともその一方の表
    面に形成された金属層からなる積層体であって、該金属
    層が物理的手法で形成したニッケルまたはニッケル合金
    であることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】高分子フィルムと少なくともその一方の表
    面に形成された金属層からなる積層体であって、該金属
    層が物理的手法で形成したニッケルまたはニッケル合金
    である第一層と無電解ニッケルめっき層による第二層か
    らなることを特徴とする積層体。
  3. 【請求項3】高分子フィルムと少なくともその一方の表
    面に形成された金属層からなる積層体であって、該金属
    層が物理的手法で形成したニッケルまたはニッケル合金
    である第一層と無電解ニッケルめっき層による第二層
    と、その表面に形成された電気銅めっき層による第三層
    からなることを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】金属層、接着層、およびそれらに狭持され
    た高分子層からなる積層体であって、該金属層が物理的
    手法で形成したニッケルまたはニッケル合金であること
    を特徴とする積層体。
  5. 【請求項5】金属層、接着層、およびそれらに狭持され
    た高分子層からなる積層体であって、該金属層が物理的
    手法で形成したニッケルまたはニッケル合金である第一
    層と無電解ニッケルめっき層による第二層からなること
    を特徴とする積層体
  6. 【請求項6】金属層、接着層、およびそれらに狭持され
    た高分子層からなる積層体であって、該金属層が物理的
    手法で形成したニッケルまたはニッケル合金である第一
    層と無電解ニッケルめっき層による第二層と、その表面
    に形成された電気銅めっき層による第三層からなること
    を特徴とする積層体。
  7. 【請求項7】請求項1から6記載の第一金属層がスパッ
    タリング法により形成されたニッケルまたはニッケル合
    金である積層体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の第一金属層の厚さが5nm
    以上、500nm以下のニッケルまたはニッケル合金で
    ある積層体。
  9. 【請求項9】請求項1から6記載の高分子フィルムの表
    面粗さが、Rz値換算で2μm以下である積層体。
  10. 【請求項10】請求項1から6記載の高分子フィルムが
    ポリイミドフィルムであることを特徴とする積層体。
  11. 【請求項11】請求項4から6記載の接着層がポリイミ
    ド樹脂を含むことを特徴とする積層体。
  12. 【請求項12】請求項1から11記載の積層体を用いて
    回路を形成するプリント配線板の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1、2、4、5記載の積層体の金
    属層上の回路の形成を予定する部分を除く部分にレジス
    ト被膜を形成した後、電気銅めっきを行って、金属層が
    露出する部分の表面に銅皮膜を形成し、次いで、レジス
    ト被膜を除去し、次いで、ニッケルまたはニッケル合金
    のエッチング速度が銅または銅合金のエッチング速度の
    二倍以上のエッチング液を用いてニッケルまたはニッケ
    ル合金層をエッチング除去して回路を形成するプリント
    配線板の製造方法。
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