JP2003118054A - 積層体並びに多層プリント配線板 - Google Patents

積層体並びに多層プリント配線板

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JP2003118054A JP2001315187A JP2001315187A JP2003118054A JP 2003118054 A JP2003118054 A JP 2003118054A JP 2001315187 A JP2001315187 A JP 2001315187A JP 2001315187 A JP2001315187 A JP 2001315187A JP 2003118054 A JP2003118054 A JP 2003118054A
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寛司 下大迫
Taku Ito
卓 伊藤
Masaru Nishinaka
賢 西中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐熱性、挟ピッチ配線パターン、小径ヴィ
アホール、均一な絶縁層厚み、適度に低い線膨張係数を
有し、表面平滑性及び半田耐熱性に優れた信頼性の高い
多層プリント配線板製造に適した導体層/ポリイミドフ
ィルム/接着剤積層体を提供することを目的とする。 【解決手段】 高分子フィルムの一方の面に導体層を、
他方の面に接着剤層を有する積層体で、特定の エステ
ル酸二無水物と特定のジアミンからなるポリイミドと、
エポキシ樹脂で構成された樹脂組成物を接着剤層に有す
る積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド樹脂と
エポキシ樹脂とを含む樹脂組成物からなる接着剤層を片
面に有する積層体並びにこの積層体を用いる、高耐熱
性、挟ピッチ配線パターン、小径ヴィアホール、均一な
絶縁層厚み、適度に低い線膨張係数を有し、表面平滑性
に優れ、半田耐熱性に優れた信頼性の高い多層プリント
配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、高性能化、高機能化
が進む中でプリント配線板には、高密度実装化に対応で
きることが要求されている。これらの要求に応えるため
にプリント配線板は、多層化、絶縁層の薄膜化、従来の
スルーホールに代わるインナーヴィアホールの採用、ヴ
ィアホール径の小径化、回路の狭ピッチ化などの改良が
行われている。これらの改良を実現する技術として、ビ
ルドアップ方式による多層プリント配線板(以下、単に
ビルドアップ配線板という)製造技術がある。
【0003】このビルドアップ配線板は、配線板メーカ
ー各社により様々な方法で製造されているが、ほとんど
の配線板メーカーは、絶縁接着剤付き銅箔を用いる方法
を採用している。これは、材料の取扱いが容易であり、
既に導体層が形成されていることにより工程の大幅短縮
化が可能であるなどの理由による。この絶縁接着剤付き
銅箔は、銅箔と接着剤層の2層構造を有しており、銅箔
上に溶液状の接着剤を塗布、乾燥する方法で製造されて
いる。この絶縁接着剤付き銅箔を用いたビルドアップ配
線板の製造例は、以下の例に示される:予め回路を形成
し、スルーホール加工を施したガラスクロス入り銅張積
層板に絶縁接着剤付き銅箔をプレス加工やロールラミネ
ート等の方法で積層する;次にヴィアを形成する場所の
銅箔を感光性樹脂を用いたエッチング法により除去す
る;除去後、更にレーザードリリングによって接着層を
除去してヴィアを形成し、無電解メッキによってヴィア
を導電化する;その後、エッチング法によって絶縁接着
剤付き銅箔の銅箔を回路パターン化して、再び絶縁接着
剤付き銅箔を積層する;以下、同様の工程を繰り返す。
【0004】この高密度実装化に加えて、ビルドアップ
配線板には、さらなる改良が求められる:例えば、近
年、環境に対する配慮から推奨されている、鉛フリーの
高融点半田の使用に対する対応;回路パターンを狭ピッ
チ化することによる導体抵抗の上昇に伴う基板温度の上
昇への対応;ビルドアップ配線板の信頼性を確保するた
めの耐湿耐熱性の向上;などが挙げられる。従って、ビ
ルドアップ配線板に用いられる絶縁接着剤付き銅箔の絶
縁接着剤にも、高Tg、高耐熱性、高機械強度が要求さ
れる。
【0005】従来、絶縁接着剤付き銅箔の絶縁接着剤と
しては、良好な機械的特性や耐熱特性、絶縁特性を示す
樹脂として、アクリル系、フェノール系、エポキシ系、
ポリイミド系樹脂等が知られている。
【0006】ところが、接着性に優れているフェノール
系およびエポキシ系の樹脂は、柔軟性に劣る。柔軟性に
優れているアクリル系の樹脂は耐熱性が低いという問題
が生じていた。また、環境試験の一つであるプレッシャ
ークッカーテスト(PCT)後の接着強度の低下や半田
耐熱性が低いといった問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、低温での加工性、常態での接着強
度に優れ、かつPCT後にも接着強度が大幅に低下する
ことのない、ポリイミド系接着剤用樹脂組成物を用いて
ビルドアップ配線板の製造に適した積層体を提供するこ
と、およびこの積層体を用いて、高耐熱性、挟ピッチ配
線パターン、小径ヴィアホール、均一な絶縁層厚み、お
よび適度に低い線膨張係数を有する、表面平滑性に優
れ、半田耐熱性に優れた信頼性の高い多層プリント配線
板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成から
なる新規な積層体および多層プリント配線板を提供する
ものであり、これにより上記目的が達成される。 1) 高分子フィルムの一方の面に導体層を、他方の面
に接着剤層を有する積層体であって、該接着剤層が下記
一般式(1)で表される酸二無水物を含む酸二無水物成
分と、ジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド
樹脂及び熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物であること
を特徴とする積層体。
【0009】
【化7】
【0010】(式中Vは、−O−または−O−T−O−
で、Tは2価の有機基を表す) 2) 前記ジアミン成分が下記一般式(2)で表される
ジアミンを含むジアミン成分であることを特徴とする
1)記載の積層体。
【0011】
【化8】
【0012】(式中、Yは、−C(=O)−、−SO2
−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、
−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=O)O
−、または結合を示す。mおよびnは1以上5以下の整
数である。) 3)前記ジアミン成分が水酸基及び/またはカルボキシ
ル基を有するジアミンを含むジアミン成分であることを
特徴とする1)記載の積層体。 4)前記ジアミン成分が一般式(2)で表されるジアミ
ンならびに水酸基及び/またはカルボキシル基を有する
ジアミンを含むジアミン成分であることを特徴とする
1)記載の積層体。 5)前記水酸基を有するジアミンが下式(3)で表され
る3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェ
ニルであることを特徴とする3ン成分を全ジアミン成分
の60〜99モル%と、3,3’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジアミノビフェニルを全ジアミン成分の40〜1
モル%含むジアミン成分を反応させて得られるポリイミ
ドであることを特徴とする積層体である。また、好まし
くは一般式(2)で表されるジアミンが、下式(4)で
表されるメタ位にアミノ基を有するジアミンであること
を特徴とする積層体である。)または4)記載の積層
体。
【0013】
【化9】
【0014】6)前記酸二無水物成分の一般式(1)に
おけるTが
【0015】
【化10】
【0016】で表される基および
【0017】
【化11】
【0018】(式中、Zは、−CQ2Q−、−C(=
O)−、−SO2−、−O−及び−S−から成る群より
選択される二価の基であり、Qは1〜5の整数であ
る。)で表される基からなる群であって、一般式(1)
で表される酸二無水物が該群より選択される少なくとも
一種の酸二無水物であることを特徴とする1)〜5)の
いずれか一項に記載の積層体。 7)前記ポリイミド樹脂が、一般式(2)で表されるジ
アミン成分を全ジアミン成分の60〜99モル%と、
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
ルを全ジアミン成分の40〜1モル%含むジアミン成分
を反応させて得られるポリイミドであることを特徴とす
る5)または6)に記載の積層体。 8)一般式(2)で表されるジアミンが、下式(4)で
表されるメタ位にアミノ基を有するジアミンであること
を特徴とする2、4、5、6、7のいずれか一項に記載
の積層体。
【0019】
【化12】
【0020】(式中、Yは、−C(=O)−、−SO2
−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、
−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=O)O
−、または結合を示す。mおよびnは1以上5以下の整
数である。) 9) 導体層が乾式メッキにより高分子フィルムの表面
に形成されていることを特徴とする1)乃至8)記載の
積層体。 10) 導体層が金属箔であって、該金属箔が高分子フ
ィルムと接着剤層を介して接合していることを特徴とす
る1)乃至8)記載の積層体。 11) 導体層の厚みが5μm以下であることを特徴と
する1)乃至10)記載の積層体。 12) 高分子フィルムがポリイミドフィルムであるこ
とを特徴とする1)乃至11)記載の積層体。 13) 1)乃至12)記載の積層体を用いることを特
徴とする多層プリント配線板。
【0021】本発明により、低温での加工性、常態での
接着強度に優れ、かつPCT後にも接着強度が大幅に低
下することのない、ポリイミド系接着剤用樹脂組成物を
用いてビルドアップ配線板の製造に適した積層体が提供
され、この積層体を用いて、高耐熱性、挟ピッチ配線パ
ターン、小径ヴィア、均一な絶縁層厚み、および適度に
低い線膨張係数を有する、表面平滑性に優れ、半田耐熱
性に優れた信頼性の高い多層プリント配線板が提供され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は、接着剤層、高
分子フィルム、導体層で構成される。以下に接着剤層、
高分子フィルム、導体層について説明する。本発明の積
層体に用いられる接着剤は、特定の組成を有するポリイ
ミド樹脂と熱硬化性樹脂とを含む樹脂組成物である。
【0023】(ポリイミド樹脂)本発明に用いられるポ
リイミド樹脂は、可溶性のポリイミド樹脂であることが
好ましい。本発明において、可溶性ポリイミド樹脂の
「可溶性」とは、室温〜100℃の温度範囲においてジ
オキソランに1重量%以上溶解することをいう。
【0024】このようなポリイミド樹脂は、下記一般式
(1)で表される酸二無水物を含む酸二無水物成分と、
ジアミン成分とを反応させて得られる。ポリイミド樹脂
は、酸二無水物成分とジアミン成分とを反応させて得ら
れ、酸二無水物成分は一般式(1)で表される酸二無水
物を含む。
【0025】
【化13】
【0026】(式中、Vは、−O−または−O−T−O
−で、Tは2価の有機基を表す) この中でも、前記一般式(1)におけるTが
【0027】
【化14】
【0028】で表される基および
【0029】
【化15】
【0030】(式中、Zは、−CQ2Q−、−C(=
O)−、−SO2−、−O−及び−S−から成る群より
選択される二価の基であり、Qは1〜5の整数であ
る。)で表される基からなる群であって、一般式(1)
で表される酸二無水物として該群より選択される少なく
とも一種の酸二無水物を用いることは半田耐熱性、PC
T耐性に優れた樹脂組成物が得られるという点から好ま
しい。また、下記
【0031】
【化16】
【0032】で表される酸二無水物を用いることも半田
耐熱性、PCT耐性に優れた樹脂組成物が得られる点か
ら好ましい。
【0033】これらの酸二無水物の中でも、前記一般式
(1)におけるTが
【0034】
【化17】
【0035】で表される4,4´―(4,4´―イソプ
ロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸無水物を用いる
と得られるポリイミドの溶媒に対する溶解性や得られる
ポリイミドを用いた接着剤の加工特性や耐熱性における
バランスがよくなる点から特に好ましい。
【0036】前記酸二無水物は全酸二無水物成分の50
モル%以上用いることが好ましい。
【0037】一般式(1)で表される酸二無水物以外の
酸二無水物としては例えば以下のものが例示される。
【0038】ピロメリット酸二無水物、3,3´,4,
4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、4、4´−オキシジフタル酸無水物、
3,3´,4,4´−ジメチルジフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカ
ルボン酸二無水物、4,4´−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、4,
4´−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水
物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物など
が挙げられるが、これに限定されない。
【0039】前記ポリイミド樹脂は、一般式(2)
【0040】
【化18】
【0041】で表されるジアミン化合物を用いて得られ
たものが好ましい。(式中、Yは、−C(=O)−、−
SO2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHC
O−、−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=
O)O−、または結合を示す。mおよびnは1以上5以
下の整数である。) 前記ジアミン化合物は、単独で用いても、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。ここで、式(2)において、
複数個のYは各繰り返し単位間で同一であっても異なっ
ていても良く、各ベンゼン環には、メチル基やエチル基
などの炭化水素基やBrやClなどのハロゲン基が導入
されていても良い。
【0042】一般式(2)で表されるジアミン化合物と
しては、例えば、ビス[4− (3−アミノフェノキ
シ)フェニル]メタン、ビス[4 −(4−アミノフェ
ニキシ)フェニル]メタン、1,1 −ビス[4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]エタ ン、1,1−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ ニル]エタ
ン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノ キシ)フ
ェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−ア ミノフ
ェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4 −
(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,
2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキ
シ) フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−ア
ミノフ ェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,
3−ヘキ サフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノ フェノキシ)フェニル]−1,1,1,
3,3,3−ヘ キサフルオロプロパン、1,3−ビス
(3−アミノフェ ノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−アミノフェノキ シ)ベンゼン、1,4’−ビス
(4−アミノフェノキ シ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキ シ)ビフェニル、ビス[4−
(3−アミノフェノキシ) フェニル]ケトン、ビス
[4−(4−アミノフェノキ シ)フェニル]ケトン、
ビス[4−(3−アミノフェノ キシ)フェニル]スル
フィド、ビス[4−(4−アミノ フェノキシ)フェニ
ル]スルフィド、ビス [4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、 ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]スルホ ン、ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]エ ーテル、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニ ル]エーテル、1,
4−ビス[4−(3−アミノフェノ キシ)ベンゾイ
ル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3 −アミノフェ
ノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’ −ビス[3
−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジ フェニル
エーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノ フェノ
キシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4, 4’−
ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベン ジ
ル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス
[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェ
ノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4
− アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホ
ン、 1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−
α,α −ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス
[4− (4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチル
ベンジ ル]ベンゼン等が挙げられる。
【0043】さらに、一般式(2)で表されるジアミン
化合物中、メタ位にアミノ基を有するジアミン化合物、
すなわち一般式(4)で表されるジアミン化合物は、パ
ラ位にアミノ基を有するジアミン化合物よりもさらに溶
解性に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂を与えるので好ま
しい。
【0044】
【化19】
【0045】(式中、Yは、−C(=O)−、−SO2
−、−O−、−S−、−(CH2m−、−NHCO−、
−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=O)O
−、または結合を示す。mおよびnは1以上5以下の整
数である。) 一般式(3)で表されるジアミン化合物としては1,1
−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エ
タ ン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノ キシ)
フェニル]エタン、2,2−ビス[4 −(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(3−アミノフェノキシ) フェニル]ブタン、2,2
−ビス[3−(3−アミノフ ェノキシ)フェニル]−
1,1,1,3,3,3−ヘキ サフルオロプロパン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(3−アミノフェノキ シ)ベンゼン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ) フェニル]ケトン、
ビス[4−(3−アミノフェノ キシ)フェニル]スル
フィド、ビス [4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル]エ ーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノ
フェノ キシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス
[4−(3 −アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼ
ン、4,4’−ビス[3−(3−アミノ フェノキシ)
ベンゾイル]ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0046】上記したジアミン化合物のうち、1,3−
ビス(3−アミノフェ ノキシ)ベンゼンを用いること
は各種の有機溶媒に対する溶解性、半田耐熱性、PCT
耐性に優れた樹脂組成物を与えるため特に好ましい。
【0047】またジアミン成分は、水酸基及び/または
カルボキシル基を有するジアミンを用いて得られるポリ
イミド樹脂であることも好ましい。水酸基及び/または
カルボキシル基を有するジアミンを用いたポリイミド樹
脂には水酸基及び/またはカルボキシル基が導入されて
いるので、水酸基及び/またはカルボキシル基と反応可
能な基を有する化合物と反応させることができる。従っ
て、後述の熱硬化性樹脂成分として水酸基及び/または
カルボキシル基と反応可能な基を有する樹脂を用いれ
ば、架橋が進行し、さらに耐熱性、半田耐熱性およびP
CT耐性に優れた樹脂組成物を与えることが可能であ
る。
【0048】水酸基及び/またはカルボキシル基を有す
るジアミンとしては、水酸基及び/またはカルボキシル
基を有していれば特に限定されることはないが、例え
ば、2,4−ジアミノフェノール等のジアミノフェノー
ル類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキ
シビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒド
ロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,
5,5’−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシ
ビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−
ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’
−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタ
ン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキ
シフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−
ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,
4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキ
シジフェニルメタン等のヒドロキシジフェニルメタン等
のヒドロキシジフェニルアルカン類、3,3’−ジアミ
ノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’,
5,5‘−テトラヒドロキシジフェニルエーテル等のヒ
ドロキシジフェニルエーテル化合物、3,3’−ジアミ
ノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、
4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−
2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスル
フォン等のジフェニルスルフォン化合物、2,2−ビス
[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル]プロパン等のビス[(ヒドロキシフェニル)フェ
ニル]アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ
−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒド
キシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス
[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フ
ェニル]スルフォン化合物、3,5−ジアミノ安息香酸
等のジアミノ安息香酸類、3,3’−ジアミノ−4,
4’−ジカルボキシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−
3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミ
ノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジ
アミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェ
ニル等のカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジ
アミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2‘−ジハイド
ロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−
4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−
ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフル
オロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,
5’−テトラカルボキシジフェニルメタン等のカルボキ
シジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン
類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカ
ルボキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−
2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジ
フェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化
合物、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジ
フェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミ
ノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、
4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカル
ボキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン
化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボ
キシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(カル
ボキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、4,
4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビ
フェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化
合物類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボ
キシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(カル
ボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物等を挙
げることができる。
【0049】上記水酸基及び/またはカルボキシル基を
有するジアミンの中でも下式(3)で表される3,3’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルを用い
ることは特に好ましい。
【0050】
【化20】
【0051】前記ポリイミド樹脂は、一般式(2)で表
されるジアミン化合物と水酸基を有するジアミンを併用
することが好ましく、特に水酸基を有するジアミンとし
て、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフ
ェニルを併用することが半田耐熱性およびPCT耐性の
点から好ましい。式(2)で表されるジアミンを60〜
99モル%と水酸基を有するジアミン、特に、式(3)
で表される3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミ
ノビフェニルを40〜1モル%含むことが好ましい。
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
ルが40モル%を超えると得られるポリイミド樹脂の溶
解性が低下する。
【0052】その他の使用可能なジアミン成分として
は、m−フェニレンジアミン、o−フェニレン ジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジ ルア
ミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミ ノ
フェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4
−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェ
ニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スル
ホ キシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェ
ニ ル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)ス
ルホ ン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニ
ル)ス ルホン、ビス(4アミノフェニル)スルホン、
3, 4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジア
ミノベ ンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニル
メタン、 3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジア ミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミ
ノジフェニル エーテル、3,3’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
ビス[4−(3− アミノフェノキシ)フェニル]スル
ホキシド、ビス[4 −(アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホキシド等を用が挙げられるがこれに限定され
ない。
【0053】(ポリイミド樹脂の製造)前記ポリイミド
樹脂は、対応する前駆体ポリアミド酸重合体を脱水閉環
して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分
とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られ
る。
【0054】反応の代表的な手順として、1種以上のジ
アミン成分を有機極性溶剤に溶解または拡散させ、その
後1種以上の酸二無水物成分を添加しポリアミド酸溶液
を得る方法が挙げられる。各モノマーの添加順序は特に
限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加え
ておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の
溶液としても良いし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に
先に適量加えて、次に過剰の酸二無水物成分を加え、過
剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重
合体の溶液としても良い。この他にも、当業者に公知の
様々な添加方法がある。なお、ここでいう「溶解」と
は、溶媒が溶質を完全に溶解する場合の他に、溶質が溶
媒中に均一に分散または拡散されて実質的に溶解してい
るのと同様の状態になる場合を含む。
【0055】ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機
極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジ
エチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド
等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系
溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶
媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キ
シレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフ
ェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。更に
必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるい
はトルエン等の芳香族炭化水素とを組み合わせて用いる
こともできる。
【0056】上記で得られたポリアミド酸溶液を、熱的
または化学的方法により脱水閉環し、ポリイミドを得る
が、ポリアミド酸溶液を熱処理して脱水する熱的方法、
脱水剤を用いて脱水する化学的方法のいずれも用いられ
る。また、減圧下で加熱してイミド化する方法も用いる
ことができる。以下に各方法について説明する。
【0057】熱的に脱水閉環する方法として、上記ポリ
アミド酸溶液を加熱処理によりイミド化反応を進行させ
ると同時に、溶媒を蒸発させる等により行う方法を例示
することができる。この方法により、固形のポリイミド
樹脂を得ることができる。加熱の条件は特に限定されな
いが、300℃以下の温度で約5分〜200分の時間の
範囲で行うのが好ましい。
【0058】また化学的に脱水閉環する方法として、上
記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加
えることで脱水反応と有機溶媒を蒸発させる等により行
う方法を例示することができる。これにより、固形のポ
リイミド樹脂を得ることができる。化学的方法による脱
水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無
水安息香酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。また
触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第
3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミ
ン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピ
コリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類など
が挙げられる。化学的に脱水閉環する際の条件は100
℃以下の温度が好ましく、有機溶媒の蒸発は、200℃
以下の温度で約5分〜120分の時間の範囲で行うのが
好ましい。また、ポリイミド樹脂を得るための別の方法
として、上記の熱的または化学的に脱水閉環する方法に
おいて溶媒の蒸発を行わない方法もある。具体的には、
熱的イミド化処理または脱水剤による化学的イミド化処
理を行って得られるポリイミド樹脂溶液を貧溶媒中に投
入して、ポリイミド樹脂を析出させ、未反応モノマーを
取り除いて精製、乾燥させ固形のポリイミド樹脂を得る
方法である。貧溶媒としては、溶媒とは良好に混合する
がポリイミドは溶解しにくい性質のものを選択し、例示
すると、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ベンゼン、メチルセロソルブ、メチルエチル
ケトン等が挙げられるがこれに限定されない。
【0059】次に減圧下で加熱してイミド化する方法で
あるが、このイミド化の方法によれば、イミド化によっ
て生成する水を積極的に系外に除去できるので、ポリア
ミド酸の加水分解を抑えることが可能で高分子量のポリ
イミドが得られる。またこの方法によれば、原料の酸二
無水物中に不純物として存在する片側または両側開環物
が再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期待
できる。
【0060】減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件
は80〜400℃が好ましいが、イミド化が効率よく行
われ、しかも水が効率よく除かれる100℃以上がより
好ましく、更に好ましくは120℃以上である。最高温
度は目的とするポリイミドの熱分解温度以下が好まし
く、通常のイミド化の完結温度すなわち250〜350
℃程度が通常適用される。
【0061】減圧する圧力の条件は、小さいほうが好ま
しいが、具体的には0.9〜0.001気圧、好ましく
は0.8〜0.001気圧、より好ましくは0.7〜
0.01気圧である。
【0062】このようにして得られたポリイミド樹脂は
ガラス転移温度を比較的低温において有するが、本発明
の樹脂組成物が特に良好な加工特性を得るためにはポリ
イミド樹脂のガラス転移温度は350℃以下が好まし
く、より好ましくは320℃以下、特に好ましくは28
0℃以下である。
【0063】(熱硬化性樹脂)熱硬化性樹脂としてはビ
スマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノ
ール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシリル硬
化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を
挙げることができ、これらを単独または適宜組み合わせ
て用いることができる。
【0064】また、上記熱硬化性樹脂以外に高分子鎖の
側鎖または末端にエポキシ基、アリル基、ビニル基、ア
ルコキシシリル基、ヒドロシリル基等の反応性基を有す
る側鎖反応性基型熱硬化性高分子を熱硬化成分として使
用することも可能である。上記熱硬化性樹脂の中でも高
接着性、低温加工性に優れ、耐熱性及び半田耐熱性を向
上させることができるという点から、エポキシ樹脂を用
いることが好ましい。以下にエポキシ樹脂について説明
する。エポキシ樹脂としては、任意のエポキシ樹脂が本
発明に使用可能である。例えば、ビスフェノール系エポ
キシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノール系エポキシ樹脂、
フェノールノボラック系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェ
ノールノボラック系エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック系エポキシ樹脂、ポリフェノール系エポキシ
樹脂、ポリグリコール系エポキシ樹脂、環状脂肪族エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂、グリ
シジルアミン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリシロキサ
ン等を用いることができる。
【0065】(接着剤組成物の製造)接着剤組成物にお
ける前記熱硬化樹脂の混合割合は、前記ポリイミド樹脂
100重量部に対して1〜70重量部が好ましく、より
好ましくは5〜60重量部である。少なすぎると接着強
度が低くなるおそれがあり、多すぎると柔軟性または耐
熱性が低下するおそれがある。
【0066】積層体の接着剤層は、好ましい実施態様に
おいては、1.5%以下、より好ましくは1.3%以
下、特に好ましくは1.0%以下という優れた低吸水率
を発揮することを可能とする。
【0067】好ましい実施態様として、接着剤組成物に
は、少なくとも1種の溶媒が含まれる。溶媒は、ポリイ
ミド樹脂およびエポキシ樹脂を溶解するものであれば特
に限定されないが、接着剤の硬化後の残揮発分を3重量
%以下に抑えることができる種類および量が好ましい。
また、経済性および作業性の点を考えて沸点が160℃
以下の低沸点溶媒が好ましい。130℃以下の沸点を有
する溶媒がより好ましく、さらに好ましくは、105℃
以下の沸点を有する溶媒である。このような低沸点溶媒
としては、好適には、テトラヒドロフラン(以下、TH
Fと略す。沸点66℃)、1,4−ジオキサン(以下、
ジオキサンと略す。沸点103℃)、モノグライム(沸
点84℃)、ジオキソラン(沸点76℃)を使用するこ
とができる。これらは、1種で使用しても良いし、2種
以上組み合わせて用いることもできる。
【0068】さらに、接着剤組成物には吸水性、耐熱
性、接着性等必要に応じて、酸二無水物などの酸無水物
系、アミン系、イミダゾール系等の一般に用いられるエ
ポキシ硬化剤、促進剤や種々のカップリング剤を併用し
得る。また、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂、フェノ
ール樹脂、シアナート樹脂等を併用してもよい。
【0069】(接着剤層)接着剤としては、上記樹脂組
成物を前記THF、ジオキサン、モノグライム、ジオキ
ソランなどの溶媒に溶解する。濃度は、特に制限はない
が、5〜50重量%が好ましい。得られた樹脂溶液は、
高分子フィルムの表面に塗布後乾燥する。あるいは、支
持体上にキャストし、溶媒を除去してシートとした後、
高分子フィルムに貼り合わせて得ることもできる。
【0070】接着剤層の厚みは、特に制限はないが、1
〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましく
は、1〜20μmである。
【0071】(高分子フィルム)次に本発明の積層体に
用いられる高分子フィルムについて説明する。本発明の
積層体を用いてビルドアップ法により多層プリント配線
板を作製する場合、高分子フィルムは接着剤層とともに
絶縁層を形成するので、絶縁層が極端に薄くなるのを防
いで、均一な絶縁層厚みを実現する。
【0072】本発明に用いる高分子フィルムとしては、
寸法安定性、耐熱性並びに機械的特性に優れた材料が好
ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテンなどのポリオレフィン;エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−2,6
−ナフタレートなどのポリエステル;さらに、ナイロン
−6、ナイロン−11、芳香族ポリアミド、ポリアミド
イミド樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリケトン系樹脂、ポリスルホン系樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマ
ー樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂
などのフィルムがあげられる。
【0073】ここで、高分子フィルムは、本発明の積層
体およびこの積層体を用いて得られるビルドアップ配線
板に十分な剛性を付与するために、引張弾性率が5GP
a以上であることが好ましく、6GPa以上であること
がより好ましい。
【0074】また、小径ヴィアホールの形成のために高
分子フィルムの厚みは50μm以下が好ましく、35μ
m以下がより好ましく、25μm以下がさらに好まし
い。好ましくは1μm以上、より好ましくは、2μm以
上である。厚みがあまりなく、かつ充分な電気絶縁性が
確保される高分子フィルムが望ましい。
【0075】更に、ビルトアップ配線板加工時には熱的
な安定性が求められるので、高分子フィルムには寸法安
定性が望まれる。したがって、2.0×10-5/℃以
下、より好ましくは1.5×10-5/℃以下、更に好ま
しくは1.0×10-5/℃以下の線膨張係数を有する高
分子フィルムが望ましい。さらに、加工時の熱によって
膨れ等の欠陥が発生しないように、低吸水率の高分子フ
ィルムが望ましい。ASTM−D570に準じて測定し
た高分子フィルムの吸水率は、同一組成でも厚みによっ
て左右されるが、厚み25μmのフィルムの吸水率が、
好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.2%以下
となる組成からなる高分子フィルムが望ましい。
【0076】上記の諸特性を満足するフィルムとしてポ
リイミドフィルムが挙げられる。ポリイミドフィルム
は、その前駆体であるポリアミド酸重合体溶液から得ら
れる。このポリアミド酸重合体溶液は、当業者が通常用
いる方法で製造することができる。すなわち、1種また
は2種以上のテトラカルボン酸二無水物成分と1種また
は2種以上のジアミン成分を実質等モル使用し、有機極
性溶媒中で重合してポリアミド酸重合体溶液が得られ
る。
【0077】ポリイミドフィルムの製造に用いられる代
表的なテトラカルボン酸二無水物成分としては、ピロメ
リット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,
4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラ
カルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,
4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水
物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸
モノエステル無水物)、p−フェニレンジフタル酸無水
物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等がある。
【0078】これらのテトラカルボン酸二無水物の中
で、引張弾性率が5GPa以上で線膨張係数が2.0×
10-5/℃以下、吸水率が1.5%以下であるポリイミ
ドフィルムを得るための好ましい組み合わせを例示する
と、テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸
二無水物を0〜80モル%、およびp−フェニレンビス
(トリメリット酸モノエステル無水物)を100〜20
モル%用いる場合が挙げられる。
【0079】なお、ここに記載したテトラカルボン酸二
無水物の組み合わせは本発明の積層体を構成する高分子
フィルムに適するポリイミドフィルムを得るための一具
体例を示すものにすぎない。これらの組み合わせに限ら
ず、用いるテトラカルボン酸二無水物の組み合わせおよ
び使用比率を変えて、ポリイミドフィルムの特性を調整
することが可能である。
【0080】一方、ジアミン成分としては、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ
フェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)スルフォン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル)スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェ
ノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4、4’−
ジアミノジフェニルスルフォン、3、3’−ジアミノジ
フェニルスルフォン、9、9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、ビスアミノフェノキシケトン、4、
4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン))ビスアニリン、4、4’−(1,3−フェニレン
ビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、メタフ
ェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4、4’
−ジアミノベンズアニリド、3、3’−ジメチル−4、
4’−ジアミノビフェニル、3、3’−ジメトキシ−
4、4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン、あ
るいはその他の脂肪族ジアミンを挙げることができる。
【0081】これらのジアミン成分の中で、引張弾性率
が5GPa以上で線膨張係数が2.0×10-5/℃以
下、吸水率が1.5%以下であるポリイミドフィルムを
得るための好ましい組み合わせを例示すると、パラフェ
ニレンジアミン及び/又は4、4’−ジアミノベンズア
ニリドをジアミン成分の20〜80モル%、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルを80〜20モル%用いる
場合が挙げられる。
【0082】なお、ここに記載したジアミン成分の組み
合わせは本発明の積層体を構成する高分子フィルムに適
するポリイミドフィルムを得るための一具体例を示すも
のである。これらの組み合わせに限らず、用いるジアミ
ン成分の組み合わせおよび使用比率を変えて、ポリイミ
ドフィルムの特性を調整することが可能である。
【0083】本発明の積層体を構成する高分子フィルム
としてポリイミドフィルムを用いる場合、その前駆体で
あるポリアミド酸の数平均分子量は10,000〜1,
000,000であることが望ましい。平均分子量が1
0,000未満ではできあがったフィルムが脆くなる場
合がある。他方、数平均分子量が1,000,000を
越えるとポリイミド前駆体であるポリアミド酸ワニスの
粘度が高くなりすぎ取扱いが難しくなるおそれがある。
【0084】また、ポリアミド酸に各種の有機添加剤、
或は無機のフィラー類、或は各種の強化材を添加し、複
合化されたポリイミドフィルムとすることも可能であ
る。
【0085】ポリアミド酸共重合体の生成反応に使用さ
れる有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶
媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒;N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒;
フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシ
レノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフ
ェノール系溶媒;あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。こ
れらは単独または混合物として用いるのが望ましい。更
にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素を前記
溶媒に一部混合して使用してもよい。
【0086】また、このポリアミド酸共重合体は前記の
有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜3
0重量%溶解されているのが取扱いの面から望ましい。
【0087】このポリアミド酸共重合体溶液から、ポリ
イミドフィルムを得るためには熱的に脱水する熱的方
法、脱水剤を用いる化学的方法のいずれを用いてもよい
が、化学的方法によると生成するポリイミドフィルムの
伸び率や引張強度等の機械特性がすぐれたものになるの
で好ましい。
【0088】以下に化学的方法によるポリイミドフィル
ムの作製についての例を説明する。上記ポリアミド酸重
合体またはその溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量の
第3級アミンを加えた溶液をドラム或はエンドレスベル
ト上に流延または塗布して膜状とし、その膜を150℃
以下の温度で約5〜90分間乾燥し、自己支持性のポリ
アミド酸の膜を得る。ついで、これを支持体より引き剥
し端部を固定する。その後約100〜500℃まで徐々
に加熱することによりイミド化し、冷却後端部の固定を
解放しポリイミドフィルムを得る。ここで言う脱水剤と
しては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無水安息
香酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。また触媒と
しては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級ア
ミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、
ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級
アミン類などが挙げられる。
【0089】また、高分子フィルムは、接着層との密着
性を向上させる目的で各種表面処理を行うことができ
る。
【0090】例えば、高分子フィルムの表面にCr、N
i、Ti、Mo等の金属の酸化物をスパッタ、プラズマ
イオン打ち込み等の方法で高分子フィルム表面に金属酸
化物接着層を形成する方法、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、有機モノマー、カップリング剤等の各種有機物をプ
ライマーとして塗布する方法、金属水酸化物、有機アル
カリ等で表面処理する方法、プラズマ処理、コロナ処理
する方法、表面をグラフト化させる方法等、高分子フィ
ルムの製造段階で表面処理する方法等が挙げられる。こ
れらの方法を単独でまたは各種組み合わせで高分子フィ
ルム表面の処理を行っても良い。また、上記表面処理方
法は、他面側の接着層との密着性を改善する事にも利用
できる。
【0091】(導体層)本発明の積層体は高分子フィル
ムの一方の面に導体層を有するが、該導体層は、1)乾
式メッキにより高分子フィルムの表面に形成されている
導体層と2)金属箔であって、該金属箔が高分子フィル
ムと接着剤層を介して接合している導体層のいずれかで
あることが好ましい。それぞれについて以下に説明す
る。1)の導体層の形成方法としては、真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法な
どが適用できる。成膜の生産性、絶縁基板との密着性等
の観点からスパッタリングやイオンプレーティング法が
好ましい。乾式メッキを用いると、高分子フィルムの表
面にメッキ触媒を付与する必要はなく、従って該導体層
をエッチングした後にメッキ触媒が残ることがなく、ま
た、湿式無電解メッキの様に密着性向上のため表面粗化
処理(デスミア処理)を行うこともないため導体層と絶
縁基板の界面が平滑であり、狭間隔の回路形成や、電気
特性に良い影響を与えるので好ましい。
【0092】導体層の材質は、高分子フィルムと乾式メ
ッキによって充分な密着を発現するものであれば特に限
定はないが、プリント配線板の回路パターンとして化学
メッキなどによって形成される金属として銅を用いるこ
とが一般的であること、および高分子フィルムとの密着
性の観点から銅、ニッケル、クロム、チタン、アルミニ
ウム、スズが好ましい。特に高分子フィルム(たとえば
ポリイミド樹脂)との密着性、耐久性、選択エッチング
に適していることよりニッケルがより好ましい。また、
これらを単独でまたは二種類以上組み合わせて用いるこ
とも可能である。
【0093】導体層の厚みとしては、0.1〜2μmが
好ましい。0.1μm未満の場合、後工程で化学メッキ
する際に供給する電気の流れが悪くなるため、高分子フ
ィルムの面内位置による、化学メッキの厚みバラツキが
生じやすくなる。また、2μmを越えて形成すると、回
路の形状や電気の流れ等に差がないため、経済的でない
ばかりでなく、導体層をエッチング除去する際に時間が
かかり、化学メッキ後の回路パターンがエッチングの影
響を受け回路形状が悪化するため好ましくない。
【0094】また、取り扱い性に優れる、導体層の表面
酸化を抑えるという観点から剥離用キャリアを貼合する
こともできる。剥離用キャリアとしては特に制限はな
く、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リカーボネート、離型紙、さらには銅箔、アルミ箔、4
2合金箔などの金属箔を用いることが可能である。剥離
用キャリアの厚みには特に制限はないが、好ましくは1
〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmである。
【0095】次に2)について説明する。金属箔として
は特に限定はないが、プリント配線板の回路パターンと
して化学メッキなどによって形成される金属として銅を
用いることが一般的であるという観点から銅箔を用いる
ことが好ましい。また、剥離用キャリアを備えた金属箔
は、取り扱い性に優れ、剥離用キャリアの厚みとコシに
よりプレス積層後の表面平滑性が向上するため本発明に
好適である。剥離用キャリアとしては特に制限はなく、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカ
ーボネート、離型紙、さらには銅箔、アルミ箔、42合
金箔などの金属箔を用いることが可能であるが、上述の
ように本発明に好適な銅箔を導体層として用いる場合に
は、剥離用キャリアは銅箔を用いることが好ましい。剥
離用キャリアの厚みには特に制限はないが、好ましくは
1〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmであ
る。また、接合するための接着剤にも特に限定はない
が、耐熱性、半田耐熱性、PCT耐性、また効率的に製
造できる点から、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂からな
る本発明の樹脂組成物を接着剤として用いて貼合するこ
とが特に好ましい。金属箔の厚みは特に制限されるもの
ではないが、挟ピッチ回路パターンを作製するためには
12μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ま
しくは5μm以下である。
【0096】(積層体)本発明の積層体は、高分子フィ
ルムの一方の面に導体層を、他方の面に接着剤層を有す
る。すなわち、接着剤層は、高分子フィルムの導体層が
形成されている面とは逆の面に積層されている。本発明
の積層体は、加熱プレス、ロール加熱等の方法により内
層板と積層され、多層板とされる。積層体の一方の面に
ある接着剤層は、多層体とした場合、内層回路と接触、
溶融し接着する。これにより内層回路は接着剤に埋め込
まれた形で強固に固定される。内層回路の表面凹凸は積
層加工時に接着剤が熱流動により内層回路の凹凸に流れ
込むことで平滑化される。そのため接着剤層は半硬化状
態で積層されていることが好ましい。ここで、本発明で
いう半硬化状態とは、接着剤表面は乾燥しているが、熱
流動性を維持し且つ金属や高分子フィルムなどに対する
接着性を維持している状態である。また、導体層が金属
箔である場合、該金属箔は高分子フィルムと接着剤層を
介して接合している。金属箔側の接着剤層は半硬化状態
であっても硬化状態であってもかまわないが、半硬化状
態にすることは本発明の積層体のカールを小さくする効
果があるため特に好ましい。
【0097】(積層体の製造方法)以下、本発明の積層
体の製造方法について、本発明の積層体の導体層がa)
乾式メッキにより高分子フィルムの表面に形成されてい
る導体層である場合とb)金属箔であって、該金属箔が
高分子フィルムと接着剤層を介して接合している導体層
である場合の積層体の製造方法を示す。a)について
は、まず特定のポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂を含む樹
脂組成物を溶媒に溶解し、樹脂溶液を得た後、高分子フ
ィルムの表面に塗布後乾燥する。あるいは、上記のよう
にして得た樹脂溶液を支持体上にキャストし、溶媒を除
去してシートとした後、高分子フィルムに貼り合わせて
得ることもできる。いずれの方法を採用するにしても、
接着剤層の形成は、高分子フィルムの片面に既に導体層
が形成されていても良いし、接着層形成後に導体層を形
成しても良い。また、熱流動及び接着性の観点から、接
着剤層が半硬化状態となる条件で乾燥することが特に好
ましい。b)についても同様に、まず特定のポリイミド
樹脂と熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を溶媒に溶解し、
樹脂溶液を得た後、高分子フィルムの表面に塗布後乾燥
する。このとき、接着剤層は両面とも半硬化状態である
ことが特に好ましい。よって、好ましい製造方法は、高
分子フィルムの片面に接着剤層を塗布、乾燥し、片面の
接着剤を半硬化状態にした後、金属箔を貼合し、さらに
金属箔と反対の面に両面の接着剤層が半硬化状態を維持
し得る条件で接着剤を塗布、乾燥する方法、若しくは高
分子フィルムの両面または片面ずつに接着剤を塗布、乾
燥し、両面の接着剤層を半硬化状態にした後、片面にの
み金属箔を貼合するにあたり、両面の接着剤層が半硬化
状態を維持し得る条件で一方の面に金属箔を貼合する方
法である。a)、b)いずれの場合も本発明の積層体に
は表面を保護する目的で保護フィルムを用いることも可
能である。
【0098】上記した積層体の製造方法は一例であり、
当業者が実施しうる範囲内のいずれの方法も可能であ
る。
【0099】次に本発明の積層体を用いた多層板の製造
例を示す。両面に第1層回路を形成したコア基板の両
面に本発明の積層体を熱ラミネートまたは加熱プレス
により貼り合わせる。この際の条件は接着層の種類によ
り適切な条件を設定するが、導体層が銅箔の場合は酸化
劣化を抑える為に300℃以下であるのが好ましい。
次に金属箔の第1層回路のランドの直上の導体層上にヴ
ィアホールを形成する。形成の方法としては各種レーザ
ー、プラズマエッチング、化学エッチング等の方法が挙
げられる。ヴィアホールの形成後必要に応じて、デス
ミア処理によりヴィア形状を整える。次に導電性ペー
スト埋め込み、メッキ等の方法によりヴィアホールの導
通をとる。続いて、本発明の積層体の導体層をパター
ニング後エッチング処理して、新たな回路を形成する。
上記〜までの工程を繰り返すことにより多層板を
得ることができる。本発明の積層体を用いて得られる多
層プリント配線板は、半田耐熱性、PCT耐性及び表面
平滑性に特に優れている。
【0100】以上、本発明の樹脂組成物、およびこの樹
脂組成物を用いる積層体について説明したが、本発明は
これらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、
修正、変形を加えた態様で実施できることはいうまでも
ない。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これら実施例は、本発明を説明するものであり、
限定するためのものではない。当業者は、本発明の範囲
を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を
行い得る。
【0102】(実施例1)容量2000mlのガラス製
フラスコに、ジメチルホルムアミド(以下、DMFとい
う。)に0.95当量の1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン(以下、APBという。)および0.
05当量の3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミ
ノビフェニル(和歌山精化社製)を仕込み、窒素雰囲気
下で撹拌溶解した。さらにフラスコ内を窒素置換雰囲気
下、溶液を氷水で冷却しつつ撹拌し、1当量の4、4´
―(4、4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフ
タル酸無水物(以下、IPBPという。)を添加した。
以上のようにして、ポリアミド 酸重合体溶液を得た。
なお、DMFの使用量は、APB、3,3’−ジヒドロ
キシ−4,4’−ジアミノビフェニルおよびIPBPの
モノマー仕込濃度が30重量%となるようにした。
【0103】このポリアミド酸溶液300gを、テフロ
ン(登録商標)でコートしたバットにとり、真空オーブ
ンで、200℃180分、665Paで減圧加熱し、8
0gの水酸基を有する熱可塑性ポリイミド樹脂を得た。
【0104】上記で得たポリイミド樹脂粉末、ノボラッ
ク型のエポキシ樹脂(エピコート1032H60:油化
シェル社製)、および硬化剤として4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルフォン(以下、4,4’−DDSとす
る)をそれぞれジオキソランに溶解し、濃度が20重量
%の溶液を得た。得られたそれぞれの溶液をポリイミ
ド、エポキシ樹脂、4,4’−DDSの重量比が70:
30:9になるように混合し、接着剤溶液を得た。得ら
れた接着剤溶液をポリイミドフィルム(アピカル12.
5HP、鐘淵化学工業社製)にグラビアコーターにて片
面に塗布、170℃で2分間乾燥し、次に反対の面にも
同条件で塗布、乾燥し、それぞれの接着剤層の厚みが5
μm、及び9μmである接着層を形成した。得られた両
面接着剤層付きポリイミドフィルムの厚さ5μmの接着
剤層と厚さ35μmのキャリア銅箔付きの厚さ5μmの
銅箔とが接するように、温度200℃、圧力3MPaで
5分加熱圧着し、接着層が半硬化状態となっている積層
体を得た。この積層体の導体層と反対の面の接着剤層に
18μmの厚延銅箔のマット面を温度200℃、圧力3M
Paで60分加熱圧着し、接着剤層を硬化させ、この銅
箔と積層体との引き剥し強度を測定したところ、常態で
10.0N/cm、PCT後で7.0N/cmで、PCT後保持
率は70%であった。また、半田耐熱試験を行ったとこ
ろ、260℃で膨れや剥がれは生じなかった。
【0105】(実施例2)実施例1と同様にして得たポ
リアミド酸溶液500gにβ−ピコリン35g、無水酢
酸60gを加えて1時間攪拌した後、さらに100℃で
1時間攪拌し、イミド化させた。その後、高速で攪拌し
たメタノール中にこの溶液を少しずつ投入し、糸状のポ
リイミド樹脂を得た。100℃で30分乾燥後、ミキサ
ーで粉砕し、メタノールでソックスレー洗浄を行い、1
00℃で2時間乾燥させ、ポリイミド粉末を得た。
【0106】上記のようにして得たポリイミド樹脂粉末
を用いた以外は実施例1と同様にして銅箔と積層体との
引き剥し強度を測定したところ、常態で9.8N/cm、P
CT後で6.9N/cmで、PCT後保持率は70%であっ
た。また、半田耐熱試験を行ったところ、260℃で膨
れや剥がれはなかった。
【0107】(実施例3)実施例1におけるポリイミ
ド、エポキシ樹脂、4,4’−DDSの重量比が50:
50:15になるように混合した以外は実施例1と同様
にして接着剤溶液を得た。さらに実施例1と同様にして
積層体を得、銅箔と積層体との引き剥し強度を測定した
ところ、常態で8.7N/cm、PCT後で6.0N/cmで、
PCT後保持率は69%であった。また、半田耐熱試験
を行ったところ、260℃で膨れや剥がれは生じなかっ
た。
【0108】(実施例4)0.95当量のAPBおよび
0.05当量の3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジ
アミノビフェニルを1当量のビス[4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル]スルホン(以下BAPS-Mとい
う)とした以外は実施例1と同様にして熱可塑性ポリイ
ミド樹脂を得た。実施例1と同様にしてポリイミド、エ
ポキシ樹脂、4,4’−DDSの重量比が70:30:
9になるように混合した接着剤溶液を得、さらに実施例
1と同様にして積層体を得、銅箔と積層体との引き剥し
強度を測定したところ、常態で9.0N/cm、PCT後で
6.0N/cmで、PCT後保持率は67%であった。ま
た、半田耐熱試験を行ったところ、260℃で膨れや剥
がれは生じなかった。
【0109】(実施例5)0.95当量のAPBおよび
0.05当量の3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジ
アミノビフェニルを0.8当量のAPBおよび0.2当
量の3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフ
ェニルとした以外は実施例1と同様にして熱可塑性ポリ
イミド樹脂を得た。実施例1と同様にしてポリイミド、
エポキシ樹脂、4,4’−DDSの重量比が70:3
0:9になるように混合した接着剤溶液を得、さらに実
施例1と同様にして積層体を得、銅箔と積層体との引き
剥し強度を測定したところ、常態で8.2N/cm、PCT
後で5.7N/cmで、PCT後保持率は70%であった。
また、半田耐熱試験を行ったところ、260℃で膨れや
剥がれは生じなかった。
【0110】(実施例6)ポリイミドフィルム(アピカ
ル12.5HP、鐘淵化学工業社製)を(株)島津製作
所製マグネトロンスパッタ装置HSM−720の基板ホ
ルダーに取り付け4×10-4Paまで排気した。その後
Arガスを流してマグネトロンスパッタ装置内を0.6
Paの圧力を保った。この状態でニッケルターゲットを
用い、電流値0.5AでDC電源を用いてフィルムの片
面上にニッケル薄膜を100Å形成し、続けて銅ターゲ
ットを用い、電流値0.5AでDC電源を用いて上記ニ
ッケル薄膜上に合計の厚みが0.2μmとなるように銅
薄膜を形成した。尚、薄膜形成前にプレスパッタを15
分間行った。続いて電解メッキ法により2A/dm2
電流を流しながら導体厚みが10μmになるまで電解銅
メッキを行った。この導体層付きポリイミドフィルムの
導体層と反対の面に実施例1と同じ接着剤溶液を用いて
グラビアコーターにて塗布後、170℃で2分間乾燥
し、接着剤層の厚みが9μmである接着層を形成し、積
層体を得た。この積層体の導体層と反対の面の接着剤層
に18μmの厚延銅箔のマット面を温度200℃、圧力3
MPaで60分加熱圧着し、接着剤層を硬化させ、この
銅箔と積層体との引き剥し強度を測定したところ、常態
で9.8N/cm、PCT後で6.8N/cmで、PCT後保持
率は69%であった。また、半田耐熱試験を行ったとこ
ろ、260℃で膨れや剥がれは生じなかった。
【0111】(実施例7)FR−4基板の両面にパター
ニングを施し導体層厚み9μmの回路パターンを有する
内層回路基板を作製した。この内層回路基板の両パター
ン面と実施例1の積層体の接着剤層とが接するように、
温度200℃、圧力3MPaで60分加熱圧着して配線
板を作製した。この配線板の内層回路のランドの直上に
UVレーザーにてヴィアホールを形成し、デスミア処理
によりヴィアホール形状を整え、さらに無電解銅めっき
及び電解銅めっきによりヴィアホールの導通をとった。
さらに上記配線板の両面にパターニングを施し回路形成
して、4層配線板を作製した。この4層配線板の両面に
さらに実施例1の積層体を温度200℃、圧力3MPa
で60分加熱圧着して多層配線板を作製した。この多層
配線板の内層回路は短絡や断線がなく、さらに積層体と
内層回路基板、積層体同士の密着性はPCT後も高かっ
た。また、触針式表面粗さ計にてこの多層配線板の内層
回路のある部分と内層回路のない部分の表面凹凸を測定
したところ1μm以下であった。
【0112】(実施例8)実施例2の積層体を用いた以
外は実施例7と同様にして多層配線板を作製した。この
多層配線板の内層回路は短絡や断線がなく、さらに積層
体と内層回路基板、積層体同士の密着性はPCT後も高
かった。また、触針式表面粗さ計にてこの多層配線板の
内層回路のある部分と内層回路のない部分の表面凹凸を
測定したところ1μm以下であった。
【0113】(実施例9)実施例3の積層体を用いた以
外は実施例7と同様にして多層配線板を作製した。この
多層配線板の内層回路は短絡や断線がなく、さらに積層
体と内層回路基板、積層体同士の密着性はPCT後も高
かった。また、触針式表面粗さ計にてこの多層配線板の
内層回路のある部分と内層回路のない部分の表面凹凸を
測定したところ1μm以下であった。
【0114】(実施例10)実施例4の積層体を用いた
以外は実施例7と同様にして多層配線板を作製した。こ
の多層配線板の内層回路は短絡や断線がなく、さらに積
層体と内層回路基板、積層体同士の密着性はPCT後も
高かった。また、触針式表面粗さ計にてこの多層配線板
の内層回路のある部分と内層回路のない部分の表面凹凸
を測定したところ1μm以下であった。
【0115】(実施例11)実施例5の積層体を用いた
以外は実施例7と同様にして多層配線板を作製した。こ
の多層配線板の内層回路は短絡や断線がなく、さらに積
層体と内層回路基板、積層体同士の密着性はPCT後も
高かった。また、触針式表面粗さ計にてこの多層配線板
の内層回路のある部分と内層回路のない部分の表面凹凸
を測定したところ1μm以下であった。
【0116】(実施例12)実施例6の積層体を用いた
以外は実施例7と同様にして多層配線板を作製した。こ
の多層配線板の内層回路は短絡や断線がなく、さらに積
層体と内層回路基板、積層体同士の密着性はPCT後も
高かった。また、触針式表面粗さ計にてこの多層配線板
の内層回路のある部分と内層回路のない部分の表面凹凸
を測定したところ1μm以下であった。
【0117】(比較例1)酸二無水物成分をピロメリッ
ト酸二無水物(PMDA)、ジアミン成分をオキシジア
ニリン(ODA)とする以外は実施例1と同様にポリイ
ミド樹脂粉末を得た。
【0118】このポリイミド樹脂粉末はDMF、TH
F、ジオキサン、ジオキソラン何れの溶媒にも溶解しな
かった。
【0119】(比較例2)プラタボンドM1276(共
重合ナイロン、日本リルサン社製)を10g、エピコー
ト1032H60(油化シェル社製)を20g、ジアミ
ノジフェニルサルフォン1gを83gのDMFに溶解し
た。得られた接着剤溶液をポリイミドフィルム(アピカ
ル12.5HP、鐘淵化学工業社製)にグラビアコータ
ーにて片面ずつ塗布後、100℃で4分間乾燥し、それ
ぞれの接着剤層の厚みが5μm、9μmである接着層を形
成した。の厚さ5μmの接着剤層と厚さ35μmのキャ
リア銅箔付きの厚さ5μmの銅箔とが接するように、温
度200℃、圧力3MPaで5分加熱圧着し、接着層が
半硬化状態となっている積層体を得た。この積層体の導
体層と反対の面の接着剤層に18μmの厚延銅箔のマット
面を温度200℃、圧力3MPaで60分加熱圧着し、
接着剤層を硬化させ、この銅箔と積層体との引き剥し強
度を測定したところ、常態で8.0N/cm、PCT後で
2.0N/cmで、PCT後保持率は25%であった。ま
た、半田耐熱試験を行ったところ、260℃で膨れや剥
がれを生じた。
【0120】(比較例3)比較例2で得られた積層体を
用いて実施例6と同様にして多層配線板を作製した。こ
の多層配線板の内層回路は短絡や断線はなかったが、P
CT後の積層体と内層回基板、積層体同士の密着性は低
く、パターン剥がれを生じた。また、触針式表面粗さ計
を用いてこの多層配線板の内層回路のある部分と内層回
路のない部分の表面の凹凸を測定したところ、5μmで
あった。
【0121】なお、引き剥がし強度の測定は、JISC
6481に準拠した。また、半田耐熱試験について
は、積層体を40℃、湿度90%、192時間の環境試
験後に、260℃の半田浴に10秒浸漬し、膨れや剥が
れは目視にて判断した。
【0122】エレクトロニクス用材料の信頼性試験であ
るPCT(Pressure Cooker Tes
t)処理条件は、121℃、湿度100%、96時間と
した。
【0123】PCT処理後の引き剥がし強度の保持率
は、PCT処理前の引き剥がし強度をF1とし、PCT
処理後の引き剥がし強度をF2とし、下記式: PCT処理後の引き剥がし強度の保持率(%)=F2÷
1×100 により算出した。
【0124】
【発明の効果】本発明の積層体は、多層プリント配線板
の製造に広く用いられることが可能であり、高信頼性と
耐熱性と平滑性を要求するエレクトロニクス用材料とし
て工業的に極めて利用価値が高いという利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 B T Fターム(参考) 4F100 AB01A AB17 AB33A AK01B AK01C AK49B AK49C AK49K AK53 AL05C BA03 BA07 BA10A BA10C CB00 EH71A GB43 JB13C JG01A JJ03 JL11C YY00A 4J004 AA02 AA11 AB05 CA06 CC03 FA05 4J040 DD042 DF042 DF052 EB032 EC002 ED112 EH022 EH031 EK062 JA09 JB02 LA02 LA08 MA10 NA20 4J043 QB31 RA35 SB01 TA14 TA22 TB01 UA132 UA141 UA142 UA152 UA622 UB011 UB021 UB022 UB061 UB121 UB122 UB131 UB132 UB151 UB152 UB161 UB281 UB282 UB301 UB302 UB402 ZB50 5E346 AA06 AA12 AA15 AA16 AA32 BB01 CC10 CC31 CC41 DD02 DD32 EE31 EE38 FF18 GG28 HH11 HH18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムの一方の面に導体層を、
    他方の面に接着剤層を有する積層体であって、該接着剤
    層が下記一般式(1)で表される酸二無水物を含む酸二
    無水物成分と、ジアミン成分とを反応させて得られるポ
    リイミド樹脂及び熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物で
    あることを特徴とする積層体。 【化1】 (式中Vは、−O−または−O−T−O−で、Tは2価
    の有機基を表す)
  2. 【請求項2】 前記ジアミン成分が下記一般式(2)で
    表されるジアミンを含むジアミン成分であることを特徴
    とする請求項1記載の積層体。 【化2】 (式中、Yは、−C(=O)−、−SO2−、−O−、
    −S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(C
    32−、−C(CF32−、−C(=O)O−、また
    は結合を示す。mおよびnは1以上5以下の整数であ
    る。)
  3. 【請求項3】前記ジアミン成分が水酸基及び/またはカ
    ルボキシル基を有するジアミンを含むジアミン成分であ
    ることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. 【請求項4】前記ジアミン成分が一般式(2)で表され
    るジアミンならびに水酸基及び/またはカルボキシル基
    を有するジアミンを含むジアミン成分であることを特徴
    とする請求項1記載の積層体。
  5. 【請求項5】前記水酸基を有するジアミンが下式(3)
    で表される3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミ
    ノビフェニルであることを特徴とする請求項3または4
    記載の積層体。 【化3】
  6. 【請求項6】前記酸二無水物成分の一般式(1)におけ
    るTが 【化4】 で表される基および 【化5】 (式中、Zは、−CQ2Q−、−C(=O)−、−SO2
    −、−O−及び−S−から成る群より選択される二価の
    基であり、Qは1〜5の整数である。)で表される基か
    らなる群であって、一般式(1)で表される酸二無水物
    が該群より選択される少なくとも一種の酸二無水物であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の積層体。
  7. 【請求項7】前記ポリイミド樹脂が、一般式(2)で表
    されるジアミン成分を全ジアミン成分の60〜99モル
    %と、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビ
    フェニルを全ジアミン成分の40〜1モル%含むジアミ
    ン成分を反応させて得られるポリイミドであることを特
    徴とする請求項5または6に記載の積層体。
  8. 【請求項8】一般式(2)で表されるジアミンが、下式
    (4)で表されるメタ位にアミノ基を有するジアミンで
    あることを特徴とする請求項2、4、5、6、7のいず
    れか一項に記載の積層体。 【化6】 (式中、Yは、−C(=O)−、−SO2−、−O−、
    −S−、−(CH2m−、−NHCO−、−C(C
    32−、−C(CF32−、−C(=O)O−、また
    は結合を示す。mおよびnは1以上5以下の整数であ
    る。)
  9. 【請求項9】 導体層が乾式メッキにより高分子フィル
    ムの表面に形成されていることを特徴とする請求項1乃
    至請求項8記載の積層体。
  10. 【請求項10】 導体層が金属箔であって、該金属箔が
    高分子フィルムと接着剤層を介して接合していることを
    特徴とする請求項1乃至請求項8記載の積層体。
  11. 【請求項11】 導体層の厚みが5μm以下であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項10記載の積層体。
  12. 【請求項12】 高分子フィルムがポリイミドフィルム
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項11記載の
    積層体。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項12記載の積層体
    を用いることを特徴とする多層プリント配線板。
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