JP2002317046A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法ならびにそれを使用した積層体および多層プリント配線板 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびその製造方法ならびにそれを使用した積層体および多層プリント配線板

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JP2002317046A
JP2002317046A JP2001123677A JP2001123677A JP2002317046A JP 2002317046 A JP2002317046 A JP 2002317046A JP 2001123677 A JP2001123677 A JP 2001123677A JP 2001123677 A JP2001123677 A JP 2001123677A JP 2002317046 A JP2002317046 A JP 2002317046A
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polyimide film
polyimide
film
polyamic acid
dianhydride
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JP2001123677A
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English (en)
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Masaru Nishinaka
賢 西中
Taku Ito
卓 伊藤
Kanji Shimooosako
寛司 下大迫
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミドフィルムが湿度の影響を受けて寸
法が変化することはフレキシブルプリント配線板用ベー
スフィルムなどのプリント配線板用材料として、配線パ
ターンの高密度化を進めていく上で大きな問題であっ
た。 【解決手段】 吸湿膨張係数の小さいポリイミドフィル
ムを新規に開発した。このポリイミドフィルムを用いる
ことによりプリント配線板の寸法変化を小さくし、配線
パターンの高密度化、信頼性の向上が可能になる。具体
的には、一般式(化1)で示される芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物類を含む酸二無水成分と、一般式(化2)
で示される芳香族ジアミン類を含むジアミン成分とを反
応させて得られる芳香族ポリアミド酸をイミド化して得
られるポリイミドを含み、かつ、吸収膨張係数が7pp
m以下である、ポリイミドフィルムが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミドフィル
ムに関する。さらに詳しくは、温度および湿度の変化に
よる寸法変化が小さく、かつ接着強度の耐熱耐湿性の高
いポリイミドフィルムおよびそのポリイミドフィルムを
用いた導体層の積層体、およびその積層体を用いた多層
プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドフィルムは高い耐熱性、耐薬
品性、電気絶縁性を持つことから、従来からフレキシブ
ルプリント配線板のベースフィルムおよび電線被覆材料
などとして幅広く利用されている。しかし、従来のポリ
イミドは、イミド基の高い分極に由来して吸水率が高
く、水分の影響を受けやすいという欠点がある。特に、
水分の影響を受けて寸法が変化することは、フレキシブ
ルプリント配線板用ベースフィルムなどのプリント配線
板用材料として、配線パターンの高密度化を進めていく
上で大きな問題であった。
【0003】このように、フレキシブルプリント配線板
などのプリント配線板のようなポリイミドフィルムと導
体とを積層する用途において、一般に導体層には金属層
が用いられる。金属層は湿度による寸法変化は0と見な
してよく、従って、ポリイミドフィルムについてもその
吸湿膨張係数(相対湿度1%あたりの寸法変化率、本明
細書においてCHEともいう)は小さいほど良い。
【0004】しかし、現在入手可能なポリイミドフィル
ムにおいては吸湿膨張係数の実測値は最小でも7ppm
である。
【0005】さらに電気通信機器のさらなる小型化の傾
向の中でプリント配線板材料においてもさらなる薄型化
が要求されている。ポリイミドフィルムの薄型化に際し
てはその取り扱い性、強度を確保する為にフィルムの高
弾性化が検討されており、特開平11−236448な
どに一般式(化4)で示される弾性率が10GPa以上
のポリイミドフィルムが開示されている。
【0006】
【化4】 しかし、これらの技術では、得られるポリイミドフィル
ムが脆く、例えば引張り伸び率が2%程度であり、工業
的に安定して製造できないという問題点があった。この
問題を解決するために、ポリイミドフィルムに酸化防止
剤または可塑剤を添加する方法が知られているが、この
方法によるとこれらの添加剤がフィルムに残留し、フィ
ルムの高温高湿耐性を低下させるという問題がある。
【0007】また、これらのポリイミドフィルムはプリ
ント配線板材料として導体層との十分な接着強度を発現
できなかった。特に、近年これらの接着強度について、
耐熱性および耐熱耐湿性が求められている状況で、ポリ
イミドフィルムの湿度に対する寸法安定性、高弾性率お
よび接着強度についての耐熱性、ならびに耐熱耐湿性を
すべて満たすことはこれまでに実現していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイミド
フィルムが有する上記の課題を解決し,吸湿膨張係数が
小さく、弾性率が高く、伸び率が大きく、かつ接着性の
高いポリイミドフィルム、およびそのポリイミドフィル
ム、導体層および接着剤層を積層した積層体、その積層
体を用いた寸法安定性の良い多層プリント配線板を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下を提供す
る。
【0010】1つの局面において、本発明は、一般式
(化5)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物類
を含む酸二無水成分と、一般式(化6)で示される芳香
族ジアミン類を含むジアミン成分とを反応させて得られ
る芳香族ポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミ
ドを含み、かつ、吸収膨張係数が7ppm以下である、
ポリイミドフィルムに関する。ここで上記吸湿膨張係数
は、好ましくは5ppm以下、より好ましくは2ppm
以下であり得る。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】別の局面において、本発明は、一般式(化
7)で示されるポリイミド構造を有するポリイミドを含
む、ポリイミドフィルムに関する。本発明のポリイミド
フィルムは、化7に示されるように各モノマーが規則正
しく並んだ配列を有し得る。
【0014】
【化7】 1つの実施形態において、上記ポリイミドフィルムは、
吸収膨張係数が7ppm以下であり得る。好ましくは、
その吸収膨張係数は、5ppm以下であり、より好まし
くは、2ppm以下であり得る。
【0015】別の局面において、本発明は、本発明のポ
リイミドフィルム表面に、Al、Si、Ti、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、Sb、P
b、BiおよびPdからなる群から選ばれる元素を含有
するポリイミドフィルムの製造方法を提供する。この方
法は、(1)(a)前記ポリアミド酸から前記ポリイミ
ドへのイミド化の過程で生じる、部分的にイミド化また
は部分的に乾燥したポリアミド酸フィルムを、Al、S
i、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Sn、Sb、Pb、BiおよびPdからなる群より
選択される少なくとも1種類の元素を含む化合物の溶液
に浸漬する工程、または(b)該ポリアミド酸フィルム
に該溶液を塗布する工程;および(2)該ポリアミド酸
フィルムを乾燥し、かつイミド化する工程、を包含し得
る。
【0016】別の局面において、本発明は、本発明のポ
リイミドフィルムの片面または両面に導体層を形成した
積層体を提供する。
【0017】さらなる局面において、本発明は、本発明
のポリイミドフィルムの一方の面に導体層を形成し、他
方の面に接着剤層を形成した積層体に関する。
【0018】なおさらなる局面において、本発明は、本
発明の積層体を含む、多層プリント配線板を提供する。
【0019】本発明のポリイミドフィルムまたは積層体
を用いれば、従来実現していなかった、寸法安定性の良
い、配線の高密度化に適した多層プリント配線板を得る
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。
【0021】本発明のポリイミドフィルムは、公知の製
造方法を組み合わせて製造することが可能である。以下
は、本発明のポリイミドフィルムを製造する方法の例示
である。したがって、本発明は、以下の例示の製造方法
によっては限定何ら限定されることはない。
【0022】1つの実施形態において、本発明のポリイ
ミドフィルムは、1種または2種以上のテトラカルボン
酸二無水物成分と1種または2種以上のジアミン成分と
を実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合して得
られたポリアミド酸重合体溶液をガラス板またはステン
レスベルトなどの支持体上に流延塗布し、自己支持性を
持つ程度に部分的にイミド化または部分的に乾燥したポ
リアミド酸フィルム(本明細書において以下「ゲルフィ
ルム」という)を支持体より引き剥がし、端部をピン、
クリップなどの方法で固定してさらに加熱してポリアミ
ド酸を完全にイミド化することで得られる。
【0023】ポリアミド酸重合体の製造に用いられるテ
トラカルボン酸二無水物成分は、少なくとも1種の下記
一般式(化8)で示される芳香族テトラカルボン酸二無
水物を含む。
【0024】
【化8】 使用目的に合わせてポリイミドフィルム特性を調整する
ために、公知の他のテトラカルボン酸二無水物類を使用
することができる。具体的には、ピロメリット酸二無水
物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジ
フタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェ
ニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水
物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−ヘキサフ
ルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テト
ラカルボン酸二無水物などが例示される。
【0025】本発明のポリイミドフィルムを得るために
は、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル
無水物)(本明細書において以下、TMHQという)と
ピロメリット酸二無水物(本明細書において以下,PM
DAという)を任意の割合で混合したものが好ましく、
TMHQを単独で用いることがより好ましい。
【0026】一方、ポリアミド酸重合体の製造に用いら
れる代表的なジアミン成分は、少なくとも1種の下記一
般式(化9)で示される芳香族ジアミンを含む。
【0027】
【化9】 使用目的に合わせてポリイミドフィルム特性を調整する
ために、公知の他のジアミン類を使用することができ
る。具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−
ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,
4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,
4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,
2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、4、4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3、3’−ジアミノジフェニルスルホン、9、9−
ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、ビスアミノフ
ェノキシケトン、4、4’−(1,4−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−
(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))
ビスアニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3、
3’−ジメチル−4、4’−ジアミノビフェニル、3、
3’−ジメトキシ−4、4’−ジアミノビフェニルなど
の芳香族ジアミン、あるいはその他の脂肪族ジアミンが
例示される。
【0028】本発明のポリイミドフィルムを得るために
は、4,4’−ジアミノベンズアニリド(以下,DAB
Aという)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
(以下、ODAという)を任意の割合で混合したものが
好ましく、4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で9:1か
ら5:5の割合で混合したものがより好ましい。
【0029】ここに記載したテトラカルボン酸二無水物
成分およびジアミン成分の組み合わせは、本発明のポリ
イミドフィルムを得るための一具体例を示すものであ
り、これらの組み合わせに限らず、用いるテトラカルボ
ン酸二無水物成分およびジアミン成分の組み合わせおよ
び/または使用比率を変えて、ポリイミドフィルムの特
性を調整することが可能である。
【0030】ポリアミド酸共重合体の生成反応に使用さ
れる有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶
媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、
フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシ
レノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフ
ェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これ
らを単独またはこれら相互の混合物として用いるのが望
ましいが、キシレン、トルエンのような芳香族炭化水素
をさらに混合させて使用することも可能である。
【0031】これらの原料を用いてポリアミド酸重合体
溶液を作製するには公知の方法の組合せが適用できる。
具体的には、溶媒にジアミン成分を溶解した後テトラカ
ルボン酸二無水物成分を徐々に添加する方法、ジアミン
成分およびテトラカルボン酸二無水物成分を同時に溶媒
に溶解する方法、ジアミン成分およびテトラカルボン酸
二無水物成分とを交互に溶解する方法などが例示され
る。
【0032】3種類以上のモノマー原料を用いてポリア
ミド酸重合体溶液を共重合する場合には、各原料の添加
順序をコントロールして高分子内の分子の配列を制御す
ることが可能であり、ランダム共重合、ブロック共重
合、パーシャルブロック共重合、シーケンシャル共重合
などの方法が提案されている。
【0033】本発明においては以下(1)から(3)の
手順を経るいわゆるシーケンシャル共重合法が好まし
い。
【0034】(1)ポリアミド酸重合溶媒に一般式(化
10)で示されるジアミン化合物を溶解する。
【0035】
【化10】 (2)溶解したジアミン化合物のモル量の1.1倍以上
の、一般式(化11)で示されるテトラカルボン酸二無
水物を添加し、溶解し、そしてジアミン成分とテトラカ
ルボン酸成分とを反応させる。
【0036】
【化11】 (3)(1)で溶解したジアミン成分と異なると一般式
(化12)で示されるジアミン化合物を添加し、テトラ
カルボン酸成分がおよそ等モル量になるように調整して
高分子量のポリアミド酸溶液を得る。
【0037】
【化12】 RmおよびRnは、独立して、H、CH3、Clおよび
Brからなる群より選択される少なくとも1種を表す。
【0038】この重合方法によって得られるポリアミド
酸の構造式は、一般式(化13)となる。
【0039】
【化13】 RmおよびRnは、独立して、H、CH3、Clおよび
Brからなる群より選択される少なくとも1種を表す。
【0040】この構造が、得られるポリイミドフィルム
のCHEを小さくし、引張り伸び率を向上させるのに有
効である。
【0041】本発明のポリイミドフィルムの前駆体であ
るポリアミド酸の平均分子量は、任意の分子量であり得
るが、10,000〜1,000,000であることが
望ましい。平均分子量が10,000未満ではできあが
ったフィルムが脆くなる場合があり得る。他方、1,0
00,000を超えるとポリイミド前駆体であるポリア
ミド酸ワニスの粘度が高くなりすぎ、取扱いが難しくな
るおそれがある。
【0042】また、ポリアミド酸重合体溶液の重合にお
いては重合前、重合中および/または重合後の任意の段
階でポリアミド酸重合体溶液内の異物または高分子量物
などを除去する目的でろ過などの工程を加えることも可
能である。
【0043】さらに、重合工程に要する時間を短縮する
ために、重合工程を、重合度の低いいわゆるプレポリマ
ーを得る第1の重合工程と、より重合度を上げて高分子
のポリアミド酸重合体溶液を得る第2の重合工程とに分
けることも可能である。
【0044】特に第1の重合工程後のプレポリマー段階
でろ過などの工程を経た後に第2の重合工程を行うこと
は、重合効率およびろ過効率の点から好ましい。
【0045】また、このポリアミド酸共重合体は、前記
の有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜
30重量%溶解されていると、取扱いの面から望まし
い。
【0046】上記の方法で得られたポリアミド酸重合体
溶液をポリイミドフィルムに成形する方法については公
知の方法が適用可能である。すなわち、ポリアミド酸重
合体溶液をガラス、ステンレスなどの支持体上に流延、
塗布し、自己支持性を持つ程度に部分的にイミド化また
は部分的に乾燥したポリアミド酸フィルム(以下ゲルフ
ィルムという)を支持体より引き剥がし、端部をピン、
クリップなどの手段で固定してさらに加熱してポリアミ
ド酸を完全にイミド化することで得られる。この際、ポ
リアミド酸を流延塗布する前にポリアミド酸のイミド化
反応を促進する脱水剤および触媒と溶媒とを混合した硬
化剤(本明細書において以下「ケミカルキュア剤」とい
う)を、ポリアミド酸溶液に添加し、混合、攪拌するい
わゆるケミカルキュア法、熱的にイミド化する熱キュア
法、両者を併用する方法などが適用できる。
【0047】フィルムの生産性および得られるフィルム
の物性などの観点からケミカルキュア法、あるいはケミ
カルキュア法と熱キュア法との併用が好ましい。
【0048】また、上記方法で得られるポリイミドフィ
ルムは公知の表面処理および後処理を適用することがで
きる。具体的には、エンボス処理、サンドブラスト処
理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、電子線照射処
理、UV処理、加熱処理、火炎処理、溶剤洗浄処理、プ
ライマー処理、ケミカルエッチング処理などを適用する
ことができる。また、ゲルフィルムに対してこれらを単
独であるいは複数の処理を組み合わせて処理を施した後
にポリイミドフィルムを得ることも可能である。特に、
部分的にイミド化または部分的に乾燥したポリアミド酸
フィルム(ゲルフィルム)を、Al、Si、Ti、M
n、Fe、Co、Cu、Zn、Sn、Sb、Pb、Bi
およびPdからなる群から選ばれる少なくとも1種類の
元素を含む化合物の溶液に浸漬あるいは該ゲルフィルム
に上記溶液を塗布した後にポリアミド酸を完全に乾燥し
かつイミド化する方法が接着性の向上に有効である。
【0049】ゲルフィルムは乾燥の途中段階にあり、溶
剤を含んでいる。この溶剤含有量(揮発成分含量)は、
式1から算出される。
【0050】(A−B)×100/B・・・・式1 式1中、A、Bは、以下のものを表す。Aは、ゲルフィ
ルムの重量 Bは、ゲルフィルムを450℃で20分間加熱した後の
重量。
【0051】揮発成分含量は、5〜300重量%の範
囲、好ましくは、5〜100重量%の範囲、より好まし
くは5〜50重量%の範囲である。
【0052】また、ゲルフィルムは、ポリアミド酸から
ポリイミドへの反応の途中段階にあり、その反応の進行
度合を示すイミド化率は、赤外線吸光分析法を用いて、
式2から算出される。
【0053】 (C/D)×100/(E/F)・・・・式2 式2中、C、D、E、Fは以下のものを表す。 C:ゲルフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ D:ゲルフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ E:ポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク
高さ F:ポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク
高さ。
【0054】イミド化率は50%以上の範囲、好ましく
は70%以上、より好ましくは80%以上、最も好まし
くは85%以上の範囲が好適である。
【0055】Al、Si、Ti、Mn、Fe、Co、C
u、Zn、Sn、Sb、Pb、BiおよびPdからなる
群より選択される少なくとも1種類の元素を含む化合物
としては、上記元素を含む有機または無機化合物の形の
ものが好ましく用いられる。
【0056】具体的には、無機化合物としては、例え
ば、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物など)、酸
化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸
塩、硫酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、縮合リン酸塩などが挙
げられる。
【0057】また、有機化合物としては、例えば、アル
コキシド、アシレート、キレート、ジアミン、ジホスフ
ィンなどの中性分子、アセチルアセトナートイオン、カ
ルボン酸イオン、ジチオカルバミン酸イオンなどを有す
る有機化合物、およびポリフィリンなどの環状配位子な
どが挙げられる。
【0058】上記元素の中で、好ましい元素は、Siお
よびTiである。これらの元素を含む化合物は、通常、
アルコキシド、アシレート、キレート、あるいは金属塩
の形で与えられる。
【0059】珪素化合物としては、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど
のアミノシラン系の化合物、β−(3,4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシランなどのエポキシシラン系
の化合物が挙げられる。
【0060】チタン化合物は一般式(化14)で示され
るものが好ましく、具体的にはトリ−n−ブトキシチタ
ンモノステアレート、ジイソプロポキシチタンビス(ト
リエタノールアミネート)、ブチルチタネートダイマ
ー、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2ーエ
チルヘキシル)チタネート、チタンオクチレングリコレ
ートなどが例示される他、ジヒドロキシビス(アンモニ
ウムラクテート)チタニウム、ジヒドロキシチタンビス
ラクテートなども使用可能である。最も好ましいのは、
トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートあるいはジ
ヒドロキシチタンビスラクテートである。
【0061】
【化14】 上記溶液に使用される溶媒は、上記化合物を溶解するも
のであれば良い。例示すると、水、トルエン、テトラヒ
ドロフラン、2−プロパノール、1−ブタノール、酢酸
エチル、N,N−ジメチルフォルムアミド、アセチルア
セトンなどが使用可能である。これらの溶剤を2種類以
上混合して使用しても良い。本発明において、N,N−
ジメチルフォルムアミド、1−ブタノール、2−プロパ
ノールおよび水が特に好ましく用いられ得る。
【0062】溶液の濃度は、好ましくは0.01%〜1
0%、さらに好ましくは0.1%〜5%が好適である。
従って、溶液中の上記元素の濃度は、1ppmから10
0,000ppmが好ましく、10ppm〜50,00
0ppmがより好ましい。
【0063】好ましくは、ゲルフィルムに上記溶液を塗
布または浸漬した後、表面の余分な液滴を除去する工程
を加える。フィルム表面にムラのない外観の優れたポリ
イミドフィルムを得ることができることからである。液
滴の除去のためには、ニップロール、エアナイフ、ドク
ターブレードなどの公知の手段が利用可能であり、フィ
ルムの外観、液切り性、作業性などの観点より、ニップ
ロールが好ましく用いられ得る。
【0064】また、ポリイミドフィルムを製造する任意
の段階で各種の有機添加剤、無機のフィラー類、あるい
は各種の強化材を添加し、複合化されたポリイミドフィ
ルムとすることも可能である。
【0065】本発明におけるポリイミドフィルムは、厚
みの制限は特に無いが、5μm〜225μmが好まし
く、10〜125μmがより好ましい。
【0066】特に多層プリント配線板用途としてはポリ
イミドフィルムの厚みは、通常10〜75μm、好まし
くは10〜50μmであり、引張り弾性率は4GPa以
上、好ましくは6GPa以上、より好ましくは10GP
a以上であり、線膨張係数は17ppm以下、好ましく
は12ppm以下、より好ましくは10ppm以下であ
り、吸水率は2%以下、好ましくは1.5%以下、より
好ましくは1%以下であるものが好適である。
【0067】本発明のポリイミドフィルムは、他の用途
に使用する場合でも上記厚み、引張弾性率、線膨張係
数、吸湿膨張係数などを有することが好ましい。
【0068】次に上記ポリイミドフィルムの片面ないし
は両面に導体層を形成した積層体について説明する。
【0069】導体層の形成については、公知の方法を適
用できる。すなわち、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、無電解メッキ法、ダイレクト
プレーティング法などよりポリイミドフィルムに直接導
体層形成ことができる。また、これらの方法でポリイミ
ドフィルム上に薄膜の導体層を形成する方法と電気メッ
キなどの方法とを組み合わせることもできる。あるいは
接着剤を用いて上記ポリイミドフィルムおよび金属箔を
接着積層することもできる。
【0070】導体層の厚みは任意の値を選択することが
できるが、高密度配線を可能にする為には導体層厚みは
薄いほうが良い。一方で薄すぎると回路の導通信頼性が
損なわれるため導体層厚みは1〜35μmが好ましく、
3〜18μmがより好ましい。
【0071】これらの積層体に用いる導体層の材料とし
ては、銅あるいは銅合金が好適である。
【0072】上記、積層体に用いる接着剤について説明
する。この接着剤は、特に種類を制限されるものでな
く、公知の多くの樹脂を適用でき、大きくは(A)熱可
塑性樹脂を用いた熱融着性の接着剤、および(B)熱硬
化樹脂の硬化反応を利用した硬化型の接着剤に分けるこ
とができる。これらについて以下に説明する。
【0073】(A)接着剤に熱融着性を与える熱可塑性
樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリケトン系樹
脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー樹
脂などが挙げられ、これらの1種または2種以上を適宜
組合わせて本発明の積層体の接着層として用いることが
できる。中でも優れた耐熱性、電気信頼性などの観点よ
り熱可塑性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
【0074】ここで熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法
について説明する。ポリイミド樹脂はその前駆体である
ポリアミド酸重合体溶液から得られるが、このポリアミ
ド酸重合体溶液は、前述のごとき公知の方法で製造する
ことができる。すなわち、テトラカルボン酸二無水物成
分およびジアミン成分を実質等モル使用し、有機極性溶
媒中で重合して得られる。この熱可塑性ポリイミド樹脂
に用いられる酸二無水物は、酸二無水物であれば特に限
定されない。酸二無水物成分の例としては、ブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタン
テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸
二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラ
カルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒ
ドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−
オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸
二無水物などの脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二
無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4’−オキシフタル酸無水物、3,
3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニル
シランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フ
ランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二
無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパ
ン二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フ
ェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン
−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニ
レン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエー
テル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,
4’−ジフェニルメタン二無水物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−
テトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリ
メリット酸モノエステル無水物)、4,4’−ビフェニ
レンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,
4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエス
テル無水物)、1,3−トリメチレンビス(トリメリッ
ト酸モノエステル無水物)、1,4−テトラメチレンビ
ス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,5−ペ
ンタメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水
物)、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメリット酸モ
ノエステル無水物)、などが好ましく、これらの1種
を、または2種以上を組み合わせて酸二無水物成分の一
部または全部として用いることができる。
【0075】優れた熱融着性の発現のためには、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ
ート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水
物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステ
ル無水物)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジフタル酸無水物、2,3,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル
酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物を用いるのが好ましい。
【0076】また、ジアミン成分としては4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2,−ビス[3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス
(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、4、4’−ジアミノジフェニルスルホン、3、
3’−ジアミノジフェニルスルホン、9、9−ビス(4
−アミノフェニル)フルオレン、ビスアミノフェノキシ
ケトン、4、4’−(1,4−フェニレンビス(1−メ
チルエチリデン))ビスアニリン、4、4’−(1,3
−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニ
リン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジヒ
ドロキシベンジジンなどを挙げることができ、これらを
単独で、または2種以上を組合わせて用いることができ
る。
【0077】本発明の積層体に用いる熱可塑性ポリイミ
ド樹脂の材料としては、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシベンジジ
ン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ス
ルホンをそれぞれ単独または任意の割合で混合して用い
ることが好ましい。
【0078】ポリアミド酸重合体溶液を得る反応の代表
的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶
剤に溶解または拡散させ、その後1種以上の酸二無水物
成分を添加しポリアミド酸溶液を得る方法が挙げられ
る。各モノマーの添加順序は特に限定されず、酸二無水
物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分
を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としても良いし、
ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、次に
過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミ
ン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としても良
い。この他にも、当業者に公知の様々な添加方法があ
る。なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全
に溶解する場合の他に、溶質が溶媒中に均一に分散また
は拡散されて実質的に溶解しているのと同様の状態にな
る場合を含む。
【0079】ポリアミド酸溶液の生成反応に用いられる
有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのア
セトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−
ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェ
ノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノ
ール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノ
ール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ
−ブチロラクトンなどを挙げることができる。さらに必
要に応じて、これらの有機極性溶媒と、キシレン、トル
エンのような芳香族炭化水素とを組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0080】次に、ポリアミド酸をイミド化する方法に
ついて説明する。
【0081】ポリアミド酸のイミド化反応はポリアミド
酸の脱水閉環反応であり、反応によって水を生成する。
この生成した水は、ポリアミド酸を容易に加水分解し分
子量の低下を引き起こす。この水を除去しながらイミド
化する方法として、通常1)トルエン・キシレンなどの
共沸溶媒を加え共沸により除去する方法、2)無水酢酸
などの脂肪族酸二無水物、およびトリエチルアミン、ピ
リジン、ピコリン、イソキノリンなどの3級アミンを加
える化学的イミド化法、3)減圧下で加熱してイミド化
する方法などがある。
【0082】本発明の熱可塑性ポリイミド樹脂のイミド
化の方法は、減圧下で加熱してイミド化する方法が好ま
しい。このイミド化の方法によれば、イミド化によって
生成する水を積極的に系外に除去できるので、ポリアミ
ド酸の加水分解を抑えることが可能で高分子量のポリイ
ミドが得られる。またこの方法によれば、原料の酸二無
水物中に不純物として存在する片側または両側開環物が
再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期待で
きる。
【0083】減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件
は80〜400℃が好ましいが、イミド化が効率よく行
われ、しかも水が効率よく除かれる100℃以上がより
好ましく、さらに好ましくは120℃以上である。最高
温度は目的とするポリイミドの熱分解温度以下が好まし
く、通常のイミド化の完結温度すなわち250〜350
℃程度が通常適用される。
【0084】減圧する圧力の条件は、低いほうが好まし
いが、具体的には900hPa以下、好ましくは800
hPa以下、より好ましくは700hPa以下である。
【0085】また、熱可塑性ポリイミド樹脂を得るため
の別の方法として、上記の熱的または化学的に脱水閉環
する方法において溶媒の蒸発を行わない方法もある。具
体的には、熱的イミド化処理または脱水剤による化学的
イミド化処理を行って得られるポリイミド樹脂溶液を貧
溶媒中に投入して、ポリイミド樹脂を析出させ、未反応
モノマーを取り除いて精製、乾燥させ固形のポリイミド
樹脂を得る方法である。貧溶媒としては、溶媒とは良好
に混合するがポリイミドは溶解しにくい性質を有するも
のを選択し、例示すると、アセトン、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソル
ブ、メチルエチルケトンなどが挙げられるがこれに限定
されない。これらの方法により熱可塑性ポリイミド樹脂
を得ることができ、本発明の積層体の接着層として用い
ることができる。
【0086】次に(B)熱硬化樹脂の硬化反応を利用し
た硬化型の接着剤に関して説明する。熱硬化型樹脂とし
てはビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、
フェノール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシ
リル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂などを挙げることができ、これらを単独または適宜組
み合わせて用いることができる。また、上記熱硬化性樹
脂以外に高分子鎖の側鎖または末端にエポキシ基、アリ
ル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル
基,水酸基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬
化性高分子を熱硬化成分として使用することも可能であ
る。
【0087】以下に側鎖反応性基型熱硬化性ポリイミド
樹脂について説明する。具体的製法例としては、(1)
既に述べた熱可塑性ポリイミド樹脂に準じた方法で製造
され、この際にエポキシ基、ビニル基、アリル基、メタ
クリル基、アクリル基、アルコキシシリル基、ヒドロシ
リル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基などの官能基
を有するジアミン成分、酸二無水物成分をモノマー成分
として用い熱硬化型ポリイミドを得る方法、また、
(2)水酸基、カルボキシ基、芳香族ハロゲン基などを
有する溶媒可溶性ポリイミドを既に述べた熱可塑性ポリ
イミド樹脂の製法に準じて製造した後、エポキシ基、ビ
ニル基、アリル基、メタクリル基、アクリル基、アルコ
キシシリル基、ヒドロシリル基、カルボキシ基、水酸
基、シアノ基などの官能基を化学反応により付与する方
法などにより、熱硬化性ポリイミド樹脂を得ることも可
能である。
【0088】熱硬化性樹脂に対し、さらに有機過酸化物
などのラジカル反応開始剤、反応促進剤、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋助
剤、耐熱性、接着性などの向上のため、必要に応じて、
酸二無水物系、アミン系、イミダゾール系などの一般に
用いられるエポキシ硬化剤、種々のカップリング剤など
を適宜添加することも可能である。
【0089】加熱接着時の接着剤の流れ性を制御する目
的で、前記熱可塑性樹脂に熱硬化性樹脂を混合すること
も可能である。このためには、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、熱硬化性樹脂を1〜10000重量部、好
ましくは5〜2000重量部加えるのが望ましい。熱硬
化性樹脂が多すぎると接着層が脆くなるおそれがあり、
逆に少なすぎると接着剤のはみ出しが生じたり、接着性
が低下するおそれがある。
【0090】本発明の積層体に用いる接着剤として、熱
可塑性ポリイミド樹脂およびエポキシ樹脂を混合したも
のが接着性、加工性、耐熱性などのバランスがよく好適
である。
【0091】また、ポリイミドフィルムの一方の面に導
体層を形成し、他方の面に接着剤層を形成した積層体を
作製する方法は、ポリイミドフィルムの両面に上記接着
剤を塗布し半硬化状態に保持した接着シートの片面に、
接着剤が完全に硬化してしまわない条件で金属箔を仮圧
着する、ポリイミドフィルムの片面にポリイミドフィル
ムの片面に蒸着,スパッタリング,無電解メッキ、ダイ
レクトプレーティングなどの方法であるいは接着剤を用
いて金属箔を貼り合わせる方法で導体層を形成した後、
他方の面に接着剤を塗布する、などの方法がある。
【0092】また、上記ポリイミドフィルムの片面に導
体層を、他方の面に接着剤層を形成した積層体を用い、
公知の方法で多層プリント配線板を作製できる。すなわ
ちピンラミネーション法、マスラミネーション法、逐次
積層法、ビルドアップ法などの方法が適用できる。
【0093】本発明で用いたポリイミドフィルムのCH
Eの測定方法について図を用いて説明する。サンプル1
(測長部長さ8mm、幅2mm)を寸法計測器にセット
した計測部2を50℃に保持する。蒸留水槽2をバブリ
ングして通した飽和水蒸気を保持した窒素ガスを計測部
2に導入する。蒸留水槽3の温度を制御することでサン
プル部分(50℃に保持)での相対湿度をコントロール
する。蒸留水槽3を約32℃にした場合、サンプル部の
相対湿度は約40%RHの低湿度状態となる。この状態
に7時間保持してサンプルを安定させた後、蒸留水槽3
を約44℃に昇温し、サンプル部の相対湿度を約80%
RHの高湿度状態で12時間保持する。湿度センサー4
で相対湿度を実測しつつサンプルの寸法変化を計測し吸
湿膨張係数を次式より算出する。
【0094】CHE=L/(H2−H1)/L0 但し、L・・・低湿度状態時および高湿度状態時のサン
プルの寸法の差 H1・・低湿度状態時の相対湿度の実測値 H2・・高湿度状態時の相対湿度の実測値 L0・・低湿度状態時のサンプルの寸法。
【0095】本発明のポリイミドフィルムは、通常、吸
湿膨張係数(CHE)が7ppm以下である。このよう
な優れた吸湿膨張係数は、従来の技術では達成不可能で
あった格別の効果であるといえる。好ましくは、本発明
のポリイミドフィルムは、吸湿膨張係数が、6ppm以
下であり、より好ましくは、5ppm以下であり、さら
に好ましくは4ppm以下、最も好ましくは2ppm以
下である。
【0096】以下に、本発明をより詳細に説明するため
に実施例を提供する。これら実施例は、例示の目的にの
み使用され、本発明の範囲を限定するとは決して解釈さ
れない。
【0097】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0098】本明細書において、以下の略語を使用す
る。ODAは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
p−PDAはパラフェニレンジアミン、APBは1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、HABは
3,3’−ジヒドロキシベンジジン、DABAは、4,
4’−ジアミノベンズアニリド、PMDAはピロメリッ
ト酸二無水物、TMHQはp−フェニレンビス(トリメ
リット酸モノエステル無水物)、ESDAは2,2−ビ
ス(4―ヒドロキシフェニル)プロパンベンゾエートー
3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、DM
FはN,N−ジメチルホルムアミドを表す。
【0099】(実施例1)セパラブルフラスコにDMF
およびDABA3当量をとり、DABAが完全に溶解す
るまでよく攪拌する。その後TMHQ4当量を加え30
分間攪拌した。その後、ポリアミド酸重合体溶液の粘度
上昇に注意しながらODA1当量を徐々に添加してポリ
アミド酸のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジ
アミン成分およびテトラカルボン酸二無水物成分のモノ
マー仕込濃度が、15重量%となるようにした。また、
重合は40℃で行った。
【0100】上記ポリアミド酸溶液100gに対して、
無水酢酸10gおよびイソキノリン10gを添加し均一
に攪拌した後、脱泡を行い、ガラス板上に流延塗布し、
約110℃に約5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラ
ス板より剥し、自己支持性を持つゲルフィルムを得た。
このゲルフィルムをフレームに固定して、その後約20
0℃で約1分間、約300℃で約1分間、約400℃で
約1分間、約500℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥
し、厚み12μmのポリイミドフィルムを得た。
【0101】得られたポリイミドフィルムのCHEを測
定したところ2ppmであった。また、このフィルムは
引張り弾性率が10GPa、100℃から200℃の平
均線膨張係数が4ppmであった。
【0102】(比較例1)宇部興産社製ポリイミドフィ
ルム、ユーピレックス−S(厚み25μm)のCHEを
測定したところ9ppmであった。また、このフィルム
は引張り弾性率が9GPa、100℃から200℃の平
均線膨張係数が13ppmであった。
【0103】(比較例2)デュポン社製ポリイミドフィ
ルム、カプトン−E(厚み25μm)のCHEを測定し
たところ14ppmであった。また、このフィルムは引
張り弾性率が6GPa、100℃から200℃の平均線
膨張係数が12ppmであった。
【0104】(比較例3)鐘淵化学工業社製ポリイミド
フィルム、アピカル−NPI(厚み25μm)のCHE
を測定したところ13ppmであった。また、このフィ
ルムは引張り弾性率が4GPa、100℃から200℃
の平均線膨張係数が16ppmであった。
【0105】(実施例2)セパラブルフラスコにDMF
およびAPBを9当量、HAB1当量をとり、これらが
完全に溶解するまで室温でよく撹拌しその後、氷で冷却
した。次に、ESDA10当量を加え、1時間冷却撹拌
し、ポリアミド酸のDMF溶液を得た。なおDMFの使
用量はジアミノ化合物および芳香族テトラカルボン酸化
合物のモノマー仕込濃度が、30重量%となるようにし
た。このポリアミド酸溶液を200℃で2時間真空乾燥
し、イミド化させた。この熱可塑性ポリイミド樹脂9当
量に対してエポキシ樹脂(エピコート1032H60:
油化シェル製)を1当量、硬化剤として4,4’−ジア
ミノジフェニルスルホン0.3当量をジオキソランに溶
解混合し、固形分濃度10重量%の接着剤溶液を得た。
【0106】実施例1で得られたポリイミドフィルムの
一方の面にスパッタリング法および電気メッキ法によっ
て厚み5μmの銅による導体層を形成した。また他方の
面に上記接着剤溶液を塗布して、170℃で2分間乾燥
し、接着剤を半硬化状態した。このときの接着剤厚みが
5μmになるように接着剤溶液の塗布厚みを調整した。
このように得られた導体層/ポリイミドフィルム層/接
着剤層からなる積層体を、回路をパターニングしたプリ
ント配線板に、200℃、3MPa、1時間の条件で熱
プレス法により積層し、多層プリント配線板を作製し
た。得られた多層プリント配線板を20℃、60%RH
の環境に1週間放置したところ、そりは発生しなかっ
た。
【0107】(比較例4)比較例1のフィルムを用い、
実施例2と同様の方法で多層プリント配線板を作製し
た。得られた多層プリント配線板を20℃、60%RH
の環境に1週間放置したところ、基板に反りが発生し
た。
【0108】(実施例3)実施例1で得られたポリイミ
ドフィルムの両面に実施例2で得られた接着剤溶液を塗
布し、その一方の面に電解銅箔を熱プレス法により20
0℃、3MPa、10分間の条件で積層し導体層/接着
剤層/ポリイミドフィルム層/接着剤層の構成の積層体
を得た。この積層体は接着剤層は完全に硬化していな
い。この積層体を、回路をパターニングしたプリント配
線板に、200℃、3MPa、1時間の条件でプレス法
により積層し、多層プリント配線板を作製した。得られ
た多層プリント配線板を20℃、60%RHの環境に1
週間放置したところ、そりは発生しなかった。
【0109】(比較例5)比較例1のポリイミドフィル
ムを用い実施例3と同様の方法で多層プリント配線板を
作製した。得られた多層プリント配線板を20℃、60
%RHの環境に1週間放置したところ、基板に反りが発
生した。
【0110】(実施例4)実施例1で得られたゲルフィ
ルムをチタン濃度100ppmに調整したTBSTAの
1−ブタノール溶液に1分間浸漬し、フィルム表面の液
滴を除去した後フレームに固定して、その後約200℃
で約1分間、約300℃で約1分間、約400℃で約1
分間、約500℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥し、
厚み約12μmのポリイミドフィルムを得た。このポリ
イミドフィルムは引張り弾性率が10GPa、引張り伸
び率が20%であった。
【0111】得られたポリイミドフィルムの一方の面に
スパッタリング法および電気メッキ法によって厚み20
μmの銅による導体層を形成した。
【0112】このポリイミドフィルムと銅との接着強度
は8N/cmであった。また、この積層体を121℃、
100%RHに96時間暴露した後の接着強度は5N/
cmであった。
【0113】(実施例5)TBSTAの1−ブタノール
溶液をγ−アミノプロピルトリエトキシシランの水溶液
(シリコン濃度100ppm)とする以外は実施例4と
同様にして厚み約12μmのポリイミドフィルムを得
た。このポリイミドフィルムは引張り弾性率が10GP
a、引張り伸び率が20%であった。このフィルムの吸
湿膨張係数は2ppmであった。
【0114】このポリイミドフィルムを用いて実施例4
と同様に導体層を形成した。積層体のポリイミドフィル
ムと銅との接着強度は8N/cmであった。また、この
積層体を121℃、100%RHに96時間暴露した後
の接着強度は5N/cmであった。
【0115】(比較例6)比較例3のポリイミドフィル
ムを用いて実施例4と同様に導体層を形成した。積層体
のポリイミドフィルムと銅との接着強度は3N/cmで
あった。また、この積層体を121℃、100%RHに
96時間暴露した後の接着強度は0.2N/cmであっ
た。
【0116】(実施例6)実施例4で得られた銅/ポリ
イミドフィルム積層体を用いて実施例2の方法で得られ
た銅/ポリイミドフィルム/接着剤からなる積層体を用
いて薄型の多層プリント配線板を製造した。得られた多
層プリント配線板は121℃、100%RHに96時間
暴露した後も銅が剥離することなく良好であった。
【0117】(実施例7)実施例4で得られたポリイミ
ドフィルムを用いて実施例3の方法で銅/接着剤/ポリ
イミドフィルム/接着剤からなる積層体を用いて薄型の
多層プリント配線板を製造した。得られた多層プリント
配線板は121℃、100%RHに96時間暴露した後
も銅が剥離することなく良好であった。
【0118】(比較例7)比較例3のポリイミドフィル
ムを用いて、実施例7と同様の方法で多層プリント配線
板を作製した。この多層プリント配線板は121℃、1
00%RHに96時間暴露したところ、最外層の銅が剥
離した。
【0119】
【発明の効果】以上、本発明のポリイミドフィルムは吸
湿膨張係数が小さい。また、接着強度の耐熱耐湿性が高
い。このため、このポリイミドフィルムを用いた積層体
は多層プリント板用材料として好適であり、この積層体
を用いて作製した多層プリント配線板は湿度変化の影響
を受けず、基板の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フィルムの吸湿膨張係数の測定システムの概
略図
【符号の説明】
1 測定サンプル 2 計測部 3 蒸留水槽 4 湿度センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 79:08 C08L 79:08 D (72)発明者 伊藤 卓 滋賀県大津市仰木の里4−7−15 (72)発明者 下大迫 寛司 滋賀県大津市比叡辻1−25−1 Fターム(参考) 4F071 AA60 AB15 AB17 AB18 AB21 AB24 AB25 AC05 AC09 AC15 AF21Y AG12 AH13 BA02 BB02 BC01 4F100 AA02B AB01A AB02B AB10B AB11B AB12B AB13B AB14B AB15B AB16B AB17A AB17B AB18B AB21B AB22B AB23B AB24B AB33A AK49B AK53C BA03 BA07 BA10A BA10C CB00C EH46 EH66 EH71 EJ17 EJ42 GB43 JB13C JG01A JL04 4F205 AA40 AB15 AG01 AH36 AR04 AR06 GA07 GB02 GC06 GF03 GF24 GN13 GN22 4J043 PA02 PA04 PA19 QB15 QB26 QB31 RA35 RA39 SA06 SA42 SA43 SA52 SA53 SA72 SB01 SB02 TA22 TA42 TA45 TA66 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA152 UA231 UA262 UA622 UA632 UA662 UA672 UB012 UB022 UB061 UB062 UB121 UB122 UB131 UB151 UB152 UB172 UB221 UB231 UB301 UB302 UB322 UB401 UB402 VA011 VA012 VA021 VA022 VA031 VA041 VA051 VA061 VA062 VA071 VA081 VA092 XA15 XA16 XA17 XA19 XB35 XB36 XB37 YA06 YA08 YB08 YB12 YB15 YB22 YB27 YB32 YB40 YB42 YB44 YB47 YB48 ZA34 ZB11 ZB50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(化1)で示される芳香族テトラ
    カルボン酸二無水物類を含む酸二無水成分と、一般式
    (化2)で示される芳香族ジアミン類を含むジアミン成
    分とを反応させて得られる芳香族ポリアミド酸をイミド
    化して得られるポリイミドを含み、かつ、吸収膨張係数
    が7ppm以下である、ポリイミドフィルム。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 一般式(化3)で示されるポリイミド構
    造を有するポリイミドを含む、ポリイミドフィルム。 【化3】
  3. 【請求項3】 吸収膨張係数が7ppm以下である、請
    求項2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜2のいずれか1項に記載のポ
    リイミドフィルム表面に、Al、Si、Ti、Cr、M
    n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、Sb、P
    b、BiおよびPdからなる群から選ばれる元素を含有
    するポリイミドフィルムの製造方法であって、 (1)(a)前記ポリアミド酸から前記ポリイミドへの
    イミド化の過程で生じる、部分的にイミド化または部分
    的に乾燥したポリアミド酸フィルムを、Al、Si、T
    i、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、S
    n、Sb、Pb、BiおよびPdからなる群より選択さ
    れる少なくとも1種類の元素を含む化合物の溶液に浸漬
    する工程、または(b)該ポリアミド酸フィルムに該溶
    液を塗布する工程;および(2)該ポリアミド酸フィル
    ムを乾燥し、かつイミド化する工程、を包含する、方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
    リイミドフィルムの片面または両面に導体層を形成した
    積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
    リイミドフィルムの一方の面に導体層を形成し、他方の
    面に接着剤層を形成した積層体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の積層体を含む、多層プ
    リント配線板。
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