JPH11236459A - 樹脂層の表面粗化法 - Google Patents
樹脂層の表面粗化法Info
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- JPH11236459A JPH11236459A JP5745498A JP5745498A JPH11236459A JP H11236459 A JPH11236459 A JP H11236459A JP 5745498 A JP5745498 A JP 5745498A JP 5745498 A JP5745498 A JP 5745498A JP H11236459 A JPH11236459 A JP H11236459A
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- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K1/00—Printed circuits
- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/0353—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
- H05K1/0373—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers
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- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/38—Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
- H05K3/381—Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate
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- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 環構造含有重合体から形成された樹脂層の表
面粗化法を提供すること。 【解決手段】 (1)環構造含有重合体とフィラーを含
有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、(2)該樹
脂層の表面を有機溶媒と接触させて処理した後、(3)
被処理表面をフィラー可溶性水溶液と接触させて、該表
面のフィラーを除去することを特徴とする環構造含有重
合体から形成された樹脂層の表面粗化法。
面粗化法を提供すること。 【解決手段】 (1)環構造含有重合体とフィラーを含
有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、(2)該樹
脂層の表面を有機溶媒と接触させて処理した後、(3)
被処理表面をフィラー可溶性水溶液と接触させて、該表
面のフィラーを除去することを特徴とする環構造含有重
合体から形成された樹脂層の表面粗化法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂層の表面粗化
法に関し、さらに詳しくは、低誘電性、低誘電正接性、
及び低吸水性に優れる環構造含有重合体から形成された
樹脂層の表面粗化法に関する。本発明の表面粗化法は、
例えば、プリント配線板において、環構造含有重合体か
ら形成された絶縁層(樹脂層)に対するメッキ層の密着
性を高めるのに好適である。
法に関し、さらに詳しくは、低誘電性、低誘電正接性、
及び低吸水性に優れる環構造含有重合体から形成された
樹脂層の表面粗化法に関する。本発明の表面粗化法は、
例えば、プリント配線板において、環構造含有重合体か
ら形成された絶縁層(樹脂層)に対するメッキ層の密着
性を高めるのに好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の急激な進展に伴
い、コンピュータや通信機器などに使用されるプリント
配線板で使用される絶縁層は、低誘電性、低誘電正接
性、及び低吸水性が高度に優れた材料により形成される
ことが要求されている。これらの諸特性を満足する樹脂
材料として、例えば、ノルボルネン系重合体などの環構
造を含有する重合体が注目を集めている。プリント配線
板(印刷配線板)としては、銅張積層板、銅メッキ基板
(アディティブ基板など)、フレキシブル基板、マルチ
ワイヤ配線板などがある。これらのプリント配線板は、
樹脂、補強材、銅箔、メッキ層などの複合体であり、そ
れらが相互に関わり合って一体化していることが必要で
ある。樹脂と銅箔との間については、銅箔製造時に銅箔
の粗面化処理を行って、投錨効果により密着性を高める
方法がある。樹脂と補強材(紙、ガラスクロスなど)と
の間については、処理剤の使用や含浸性向上などにより
密着性を改善することができる。しかしながら、樹脂と
メッキ層との間の密着性を向上させるには、樹脂層の表
面を機械的または化学的に凹凸化(すなわち、表面粗
化)する必要がある。
い、コンピュータや通信機器などに使用されるプリント
配線板で使用される絶縁層は、低誘電性、低誘電正接
性、及び低吸水性が高度に優れた材料により形成される
ことが要求されている。これらの諸特性を満足する樹脂
材料として、例えば、ノルボルネン系重合体などの環構
造を含有する重合体が注目を集めている。プリント配線
板(印刷配線板)としては、銅張積層板、銅メッキ基板
(アディティブ基板など)、フレキシブル基板、マルチ
ワイヤ配線板などがある。これらのプリント配線板は、
樹脂、補強材、銅箔、メッキ層などの複合体であり、そ
れらが相互に関わり合って一体化していることが必要で
ある。樹脂と銅箔との間については、銅箔製造時に銅箔
の粗面化処理を行って、投錨効果により密着性を高める
方法がある。樹脂と補強材(紙、ガラスクロスなど)と
の間については、処理剤の使用や含浸性向上などにより
密着性を改善することができる。しかしながら、樹脂と
メッキ層との間の密着性を向上させるには、樹脂層の表
面を機械的または化学的に凹凸化(すなわち、表面粗
化)する必要がある。
【0003】一方、プリント配線板においては、スルー
ホール部のメッキにより表裏の外層回路や基板内部の内
層回路を相互接続したり、メッキにより導体回路を形成
したりすることにより、高集積化や高密度化が図られて
いる。基板上に多層配線して厚膜印刷多層配線板を作成
する場合には、導体配線/絶縁層/導体配線/絶縁層・
・・の多層構造をとるが、これらの絶縁層(樹脂層)を
形成するとき、各層間を電気的に接続するために、各々
の絶縁層に微小な穴を開けて、これを上下の層間の接続
路として使用する。この穴をビアホールというが、多層
構造の形成時にビアホール内部と絶縁層表面にメッキを
施して、導体配線を相互接続したり、導体配線(導体回
路)を形成する技術も開発されている。メッキとして
は、電解銅メッキや無電解銅メッキなどが代表的なもの
である。樹脂層とメッキ層との間の密着性が不十分であ
ると、スルーホールメッキやビアホールメッキの接続の
信頼性が損なわれたり、導体回路の断線などの問題が生
じる。特に最近、携帯電話等のモバイル電子機器関連分
野において、落下等による衝撃断線が大きな問題になっ
てきている。そのため、プリント配線板の電気絶縁層、
殊に樹脂層に対する要求が、低誘電性、誘電正接性、低
吸水性に優れていることに加えて、導体配線層特にメッ
キ層との間に高度な密着性を有することが求められてい
ている。
ホール部のメッキにより表裏の外層回路や基板内部の内
層回路を相互接続したり、メッキにより導体回路を形成
したりすることにより、高集積化や高密度化が図られて
いる。基板上に多層配線して厚膜印刷多層配線板を作成
する場合には、導体配線/絶縁層/導体配線/絶縁層・
・・の多層構造をとるが、これらの絶縁層(樹脂層)を
形成するとき、各層間を電気的に接続するために、各々
の絶縁層に微小な穴を開けて、これを上下の層間の接続
路として使用する。この穴をビアホールというが、多層
構造の形成時にビアホール内部と絶縁層表面にメッキを
施して、導体配線を相互接続したり、導体配線(導体回
路)を形成する技術も開発されている。メッキとして
は、電解銅メッキや無電解銅メッキなどが代表的なもの
である。樹脂層とメッキ層との間の密着性が不十分であ
ると、スルーホールメッキやビアホールメッキの接続の
信頼性が損なわれたり、導体回路の断線などの問題が生
じる。特に最近、携帯電話等のモバイル電子機器関連分
野において、落下等による衝撃断線が大きな問題になっ
てきている。そのため、プリント配線板の電気絶縁層、
殊に樹脂層に対する要求が、低誘電性、誘電正接性、低
吸水性に優れていることに加えて、導体配線層特にメッ
キ層との間に高度な密着性を有することが求められてい
ている。
【0004】ところが、環構造含有重合体から形成され
た樹脂層とメッキ層との密着性を向上させるために、ス
ルーホール部やビアホール部を含む樹脂層の表面を粗化
することは、困難な課題であった。従来、エポキシ樹脂
から形成された絶縁層とメッキ層との間の密着性を向上
させる方法として、エポキシ樹脂に炭酸カルシウム等の
フィラーを配合した樹脂組成物から形成した樹脂層の表
面を、過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液やクロム
酸の酸性水溶液などの処理液で処理する方法が提案され
ている(特開平7−170070号公報、特開平8−2
48630号公報)。しかしながら、この方法を環構造
含有重合体から形成された樹脂層に適用しても、充分な
表面粗化効果を得ることができない。
た樹脂層とメッキ層との密着性を向上させるために、ス
ルーホール部やビアホール部を含む樹脂層の表面を粗化
することは、困難な課題であった。従来、エポキシ樹脂
から形成された絶縁層とメッキ層との間の密着性を向上
させる方法として、エポキシ樹脂に炭酸カルシウム等の
フィラーを配合した樹脂組成物から形成した樹脂層の表
面を、過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液やクロム
酸の酸性水溶液などの処理液で処理する方法が提案され
ている(特開平7−170070号公報、特開平8−2
48630号公報)。しかしながら、この方法を環構造
含有重合体から形成された樹脂層に適用しても、充分な
表面粗化効果を得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環構
造含有重合体から形成された樹脂層の表面粗化法を提供
することにある。本発明者らは、ノルボルネン系重合体
などの環構造含有重合体から形成された樹脂層の表面粗
化法について研究を行う過程で、環構造含有重合体にフ
ィラーを含有させた樹脂組成物から樹脂層を形成し、そ
の表面を過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液やクロ
ム酸の酸性水溶液などの処理液で処理したところ、表面
粗化がされないことが判明した。そこで、さらに研究を
行い、前記樹脂組成物から形成された樹脂層を、キシレ
ン等の有機溶剤と接触させて表面処理した後、過マンガ
ン酸カリウムのアルカリ水溶液などのフィラー可溶性水
溶液で処理したところ、表面に存在するフィラーが除去
されて、微細な窪み(凹み)ができ、充分に表面粗化さ
れることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づ
いて完成するに至ったものである。
造含有重合体から形成された樹脂層の表面粗化法を提供
することにある。本発明者らは、ノルボルネン系重合体
などの環構造含有重合体から形成された樹脂層の表面粗
化法について研究を行う過程で、環構造含有重合体にフ
ィラーを含有させた樹脂組成物から樹脂層を形成し、そ
の表面を過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液やクロ
ム酸の酸性水溶液などの処理液で処理したところ、表面
粗化がされないことが判明した。そこで、さらに研究を
行い、前記樹脂組成物から形成された樹脂層を、キシレ
ン等の有機溶剤と接触させて表面処理した後、過マンガ
ン酸カリウムのアルカリ水溶液などのフィラー可溶性水
溶液で処理したところ、表面に存在するフィラーが除去
されて、微細な窪み(凹み)ができ、充分に表面粗化さ
れることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づ
いて完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(1)環構造含有重合体とフィラーを含有する樹脂
組成物を用いて樹脂層を形成し、(2)該樹脂層の表面
を有機溶媒と接触させて処理した後、(3)被処理表面
をフィラー可溶性水溶液と接触させて、該表面のフィラ
ーを除去することを特徴とする環構造含有重合体から形
成された樹脂層の表面粗化法が提供される。
ば、(1)環構造含有重合体とフィラーを含有する樹脂
組成物を用いて樹脂層を形成し、(2)該樹脂層の表面
を有機溶媒と接触させて処理した後、(3)被処理表面
をフィラー可溶性水溶液と接触させて、該表面のフィラ
ーを除去することを特徴とする環構造含有重合体から形
成された樹脂層の表面粗化法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】環構造含有重合体樹脂 本発明に使用される環構造含有重合体は、主鎖及び/ま
たは側鎖に環構造を有する単独重合体または共重合体で
あり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に環構
造を含有するものが好ましい。環構造としては、芳香環
構造、飽和環状炭化水素(シクロアルカン構造)、不飽
和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられ
るが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアル
カン構造が好ましい。また、環構造としては、単環、多
環、縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環など
が挙げられる。環構造を構成する炭素原子数は、格別な
制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバラン
スされ好適である。
たは側鎖に環構造を有する単独重合体または共重合体で
あり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に環構
造を含有するものが好ましい。環構造としては、芳香環
構造、飽和環状炭化水素(シクロアルカン構造)、不飽
和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられ
るが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアル
カン構造が好ましい。また、環構造としては、単環、多
環、縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環など
が挙げられる。環構造を構成する炭素原子数は、格別な
制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバラン
スされ好適である。
【0008】本発明に使用される環構造含有重合体中の
環構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じ
て適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは
50重量%以上、より好ましくは70重量%であり、そ
の上限は100%である。環構造含有重合体中の環構造
を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性
に劣り好ましくない。環構造含有重合体中の環構造を有
する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使
用目的に応じて適宜選択される。すなわち、環構造を有
するモノマーの単独重合体または共重合体のみならず、
それと共重合可能な非環式モノマーとの共重合体を使用
することができる。また、環構造含有重合体は、重合後
に、水素添加やグラフト変性などの処理を行ったもので
あってもよい。
環構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じ
て適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは
50重量%以上、より好ましくは70重量%であり、そ
の上限は100%である。環構造含有重合体中の環構造
を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性
に劣り好ましくない。環構造含有重合体中の環構造を有
する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使
用目的に応じて適宜選択される。すなわち、環構造を有
するモノマーの単独重合体または共重合体のみならず、
それと共重合可能な非環式モノマーとの共重合体を使用
することができる。また、環構造含有重合体は、重合後
に、水素添加やグラフト変性などの処理を行ったもので
あってもよい。
【0009】かかる環構造を有する重合体の具体例とし
ては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単
環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役系ジエン
系重合体、(4)ビニル系環状炭化水素重合体、(5)
主鎖中に芳香環の繰返し単位を有する芳香族系重合体、
及び(6)これらの水素添加物などが挙げられる。これ
らの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加
物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが
好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物が
より好ましい。
ては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単
環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役系ジエン
系重合体、(4)ビニル系環状炭化水素重合体、(5)
主鎖中に芳香環の繰返し単位を有する芳香族系重合体、
及び(6)これらの水素添加物などが挙げられる。これ
らの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加
物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが
好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物が
より好ましい。
【0010】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例
えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122
137号公報などで開示される方法によってノルボルネ
ン系モノマーを重合したものが用いられる。具体的に
は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素
添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノル
ボルネン系モノマーとビニル化合物との付加型共重合体
などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性や誘電率を
高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの
開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加
型重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニ
ル化合物の付加型共重合体が好ましく、ノルボルネン系
モノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。
えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122
137号公報などで開示される方法によってノルボルネ
ン系モノマーを重合したものが用いられる。具体的に
は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素
添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノル
ボルネン系モノマーとビニル化合物との付加型共重合体
などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性や誘電率を
高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの
開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加
型重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニ
ル化合物の付加型共重合体が好ましく、ノルボルネン系
モノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0011】ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や
特開平2−227424号公報、特開平2−27684
2号公報などに開示されている公知のモノマーであっ
て、例えば、ノルボルネン構造を有する多環炭化水素;
そのアルキル、アルケニル、アルキリデン、芳香族等の
置換誘導体;ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキ
シ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極
性基置換誘導体;これら極性基を有するアルキル、アル
ケニル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体;などが
挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン構造を有す
る多環炭化水素及びそのアルキル、アルケニル、アルキ
リデン、芳香族等の置換誘導体などが、耐薬品性や耐湿
性などに優れ好適である。
特開平2−227424号公報、特開平2−27684
2号公報などに開示されている公知のモノマーであっ
て、例えば、ノルボルネン構造を有する多環炭化水素;
そのアルキル、アルケニル、アルキリデン、芳香族等の
置換誘導体;ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキ
シ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極
性基置換誘導体;これら極性基を有するアルキル、アル
ケニル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体;などが
挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン構造を有す
る多環炭化水素及びそのアルキル、アルケニル、アルキ
リデン、芳香族等の置換誘導体などが、耐薬品性や耐湿
性などに優れ好適である。
【0012】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル
−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボル
ネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5
メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル
−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−
ノルボルネン等;ジシクロペンタジエン、その上記と同
様の置換誘導体、例えば、2,3−ジヒドロジシクロペ
ンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、その
上記と同様の置換誘導体、例えば、6−メチル−1,
4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,
4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−
1,4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−
1,4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル
−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシ
カルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との
付加物、その上記と同様の置換誘導体、例えば、1,4
−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a
−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−
シクロペンタジエノナフタレン等;シクロペンタジエン
の多量体、その上記と同様の置換誘導体、例えば、4,
9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8
a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、
4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,
4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,
11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセ
ン等;1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,
8a,9a−オクタヒドロフルオレン、その上記と同様
の置換誘導体;1,4−メタノ−1,4,4a,9a−
テトラヒドロフルオレン、その上記と同様の置換誘導
体、例えば、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4
a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−
8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9
a−テトラヒドロフルオレン等;1,4−メタノ−1,
4,4a,9a−テトラヒドロベンゾフラン、その上記
と同様の置換誘導体;1,4−メタノ−9−フェニル−
1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、その
上記と同様の置換誘導体;1,4−メタノ−1,4,4
a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、そ
の上記と同様の置換誘導体;7,10−メタノ−6b,
7,10,10a−テトラヒドロフルオランセン、その
上記と同様の置換誘導体;などが挙げられる。
ば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル
−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボル
ネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5
メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル
−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−
ノルボルネン等;ジシクロペンタジエン、その上記と同
様の置換誘導体、例えば、2,3−ジヒドロジシクロペ
ンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、その
上記と同様の置換誘導体、例えば、6−メチル−1,
4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,
4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−
1,4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−
1,4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル
−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシ
カルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との
付加物、その上記と同様の置換誘導体、例えば、1,4
−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a
−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−
シクロペンタジエノナフタレン等;シクロペンタジエン
の多量体、その上記と同様の置換誘導体、例えば、4,
9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8
a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、
4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,
4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,
11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセ
ン等;1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,
8a,9a−オクタヒドロフルオレン、その上記と同様
の置換誘導体;1,4−メタノ−1,4,4a,9a−
テトラヒドロフルオレン、その上記と同様の置換誘導
体、例えば、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4
a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−
8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9
a−テトラヒドロフルオレン等;1,4−メタノ−1,
4,4a,9a−テトラヒドロベンゾフラン、その上記
と同様の置換誘導体;1,4−メタノ−9−フェニル−
1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、その
上記と同様の置換誘導体;1,4−メタノ−1,4,4
a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、そ
の上記と同様の置換誘導体;7,10−メタノ−6b,
7,10,10a−テトラヒドロフルオランセン、その
上記と同様の置換誘導体;などが挙げられる。
【0013】これらのノルボルネン系モノマーは、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系
モノマーと、それと共重合可能な他のモノマーとの共重
合体であってもよい。ノルボルネン系重合体中のノルボ
ルネン系モノマー結合量の割合は、使用目的に応じて適
宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは50
重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるもの
が、誘電率、耐熱性、及び伸びの特性が高度にバランス
され好適である。
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系
モノマーと、それと共重合可能な他のモノマーとの共重
合体であってもよい。ノルボルネン系重合体中のノルボ
ルネン系モノマー結合量の割合は、使用目的に応じて適
宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは50
重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるもの
が、誘電率、耐熱性、及び伸びの特性が高度にバランス
され好適である。
【0014】共重合可能なビニル化合物としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−
ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレ
ンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテ
ン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチ
ル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,
5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−
インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非
共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル系化合
物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。ノルボルネン系モノマーまた
はノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル系化合
物との重合方法及び水素添加方法は、格別な制限はな
く、公知の方法に従って行うことができる。
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−
ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレ
ンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテ
ン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチ
ル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,
5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−
インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非
共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル系化合
物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。ノルボルネン系モノマーまた
はノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル系化合
物との重合方法及び水素添加方法は、格別な制限はな
く、公知の方法に従って行うことができる。
【0015】ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合
体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒とし
て、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからな
る触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニ
ウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン
化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニ
ウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無
溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜5
0kg/cm2の重合圧力で開環(共)重合させること
により得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アル
コール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、
酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄
化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のル
イス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の
選択性を高めることができる。
体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒とし
て、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからな
る触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニ
ウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン
化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニ
ウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無
溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜5
0kg/cm2の重合圧力で開環(共)重合させること
により得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アル
コール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、
酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄
化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のル
イス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の
選択性を高めることができる。
【0016】ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物
との付加型共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒
中または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃
〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧
力で共重合させる方法により得ることができる。水素添
加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)
重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する
方法により得ることができる。水素化により、主鎖また
は側鎖に存在する炭素−炭素不飽和結合を部分的または
全面的に水素化して飽和させる。芳香環を含有するノル
ボルネン系重合体の場合、水素化により、芳香環を水素
化してもよいし、主鎖及び側鎖の非芳香族炭素−炭素不
飽和結合のみを選択的に水素添加してもよい。
との付加型共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒
中または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃
〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧
力で共重合させる方法により得ることができる。水素添
加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)
重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する
方法により得ることができる。水素化により、主鎖また
は側鎖に存在する炭素−炭素不飽和結合を部分的または
全面的に水素化して飽和させる。芳香環を含有するノル
ボルネン系重合体の場合、水素化により、芳香環を水素
化してもよいし、主鎖及び側鎖の非芳香族炭素−炭素不
飽和結合のみを選択的に水素添加してもよい。
【0017】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環
状オレフィン系モノマーの付加(共)重合体を用いるこ
とができる。 (3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系モノマーを1,2−または
1,4−付加重合した(共)重合体及びその水素添加物
などを用いることができる。
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環
状オレフィン系モノマーの付加(共)重合体を用いるこ
とができる。 (3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系モノマーを1,2−または
1,4−付加重合した(共)重合体及びその水素添加物
などを用いることができる。
【0018】(4)ビニル系環状炭化水素系重合体 ビニル系環状炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59989号公報に開示されているビニルシク
ロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル系環状
炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭
63−43910号公報や特開昭64−1706号公報
などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンな
どのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素
添加物などを用いることができる。 (5)主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体 主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体としては、例え
ば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンなどを用
いることができる。
昭51−59989号公報に開示されているビニルシク
ロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル系環状
炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭
63−43910号公報や特開昭64−1706号公報
などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンな
どのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素
添加物などを用いることができる。 (5)主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体 主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体としては、例え
ば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォンなどを用
いることができる。
【0019】本発明においては、特に、これらの環構造
含有重合体を硬化型樹脂として用いることにより、耐熱
性や表面粗化後のメッキ密着性をさらに向上させること
ができるので、好適である。環構造含有重合体を硬化型
樹脂として用いる場合には、例えば、上記環構造含有重
合体に硬化剤を配合した樹脂組成物、より好ましくは上
記環構造含有重合体のグラフト変性物に硬化剤を配合し
た樹脂組成物が用いられる。グラフト変性物としては、
通常、環構造含有重合体に極性基含有不飽和化合物をグ
ラフトしたグラフト変性物が用いられる。
含有重合体を硬化型樹脂として用いることにより、耐熱
性や表面粗化後のメッキ密着性をさらに向上させること
ができるので、好適である。環構造含有重合体を硬化型
樹脂として用いる場合には、例えば、上記環構造含有重
合体に硬化剤を配合した樹脂組成物、より好ましくは上
記環構造含有重合体のグラフト変性物に硬化剤を配合し
た樹脂組成物が用いられる。グラフト変性物としては、
通常、環構造含有重合体に極性基含有不飽和化合物をグ
ラフトしたグラフト変性物が用いられる。
【0020】より具体的に、環構造含有重合体のグラフ
ト変性物としては、環構造含有重合体に、極性基含有不
飽和化合物として、例えば、極性基含有オレフィン化合
物をグラフト反応させたものが挙げられる。極性基とし
ては、例えば、ヘテロ原子、及びヘテロ原子を有する原
子団が挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素
原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子、ハロゲン原子な
どが挙げられるが、密着性及び反応性の観点から、酸素
原子及び窒素原子が好ましい。極性基の具体例として
は、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オ
キシ基、エステル基、カルボニルオキシカルボニル基、
シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スル
ホン基などが挙げられる。これらの中でも、密着性やグ
ラフト変性率の点で、エポキシ基、ヒドロキシル基、エ
ステル基、シラノール基、カルボニルオキシカルボニル
基などが好ましく、エポキシ基、カルボニルオキシカル
ボニル基が特に好ましい。
ト変性物としては、環構造含有重合体に、極性基含有不
飽和化合物として、例えば、極性基含有オレフィン化合
物をグラフト反応させたものが挙げられる。極性基とし
ては、例えば、ヘテロ原子、及びヘテロ原子を有する原
子団が挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素
原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子、ハロゲン原子な
どが挙げられるが、密着性及び反応性の観点から、酸素
原子及び窒素原子が好ましい。極性基の具体例として
は、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オ
キシ基、エステル基、カルボニルオキシカルボニル基、
シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スル
ホン基などが挙げられる。これらの中でも、密着性やグ
ラフト変性率の点で、エポキシ基、ヒドロキシル基、エ
ステル基、シラノール基、カルボニルオキシカルボニル
基などが好ましく、エポキシ基、カルボニルオキシカル
ボニル基が特に好ましい。
【0021】極性基含有オレフィン系化合物の具体例と
しては、例えば、グリシジルアクリレート、グリジルメ
タクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジル、エ
ンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3
−ジカルボン酸、アリルグリシジルエーテル、2−メチ
ルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールの
グリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジ
ルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテ
ル等のエポキシ基含有オレフィン化合物;アクリル酸、
メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、エンド−シス−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メ
チル−エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボン酸などのカルボキシルキ
含有オレフィン化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マ
レイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、無水シトラコン酸などのカルボオキシカルボニ
ル基含有オレフィン化合物;マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどのエステ
ル基含有オレフィン化合物;アリルアルコール、2−ア
リル−6−メトキシフェノール、4−アリロキシ−2−
ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキシ−1,2−
プロパンジオール、2−アリルフェノール、3−ブテン
−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセ
ン−1−オールなどのヒドロキシル基含有オレフィン化
合物;クロロジメチルビニルシラン、トリメチルシリル
アセチレン、5−トリメチルシリル−1,3−シクロペ
ンタジエン、3−トリメチルシリルアリルアルコール、
トリメチルシリルメタクリレート、1−トリメチルシリ
ロキシ−1,3−ブタジエン、1−トリメチルシリロキ
シ−シクロペンテン、2−トリメチルシリロキシエチル
メタクリレート、2−トリメチルシリロキシフラン、2
−トリメチルシリロキシプロペン、アリロキシ−t−ブ
チルジメチルシラン、アリロキシトリメチルシランなど
のシリル基含有オレフィン化合物;などが挙げられる。
これらの中でも、エポキシ基含有オレフィン化合物及び
カルボオキシカルボニル基含有オレフィン化合物が、変
性率の高いグラフト変性物を得る上で好適である。これ
らの極性基含有オレフィン化合物は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
しては、例えば、グリシジルアクリレート、グリジルメ
タクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジル、エ
ンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3
−ジカルボン酸、アリルグリシジルエーテル、2−メチ
ルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールの
グリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジ
ルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテ
ル等のエポキシ基含有オレフィン化合物;アクリル酸、
メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、エンド−シス−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メ
チル−エンド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボン酸などのカルボキシルキ
含有オレフィン化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マ
レイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、無水シトラコン酸などのカルボオキシカルボニ
ル基含有オレフィン化合物;マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどのエステ
ル基含有オレフィン化合物;アリルアルコール、2−ア
リル−6−メトキシフェノール、4−アリロキシ−2−
ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキシ−1,2−
プロパンジオール、2−アリルフェノール、3−ブテン
−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセ
ン−1−オールなどのヒドロキシル基含有オレフィン化
合物;クロロジメチルビニルシラン、トリメチルシリル
アセチレン、5−トリメチルシリル−1,3−シクロペ
ンタジエン、3−トリメチルシリルアリルアルコール、
トリメチルシリルメタクリレート、1−トリメチルシリ
ロキシ−1,3−ブタジエン、1−トリメチルシリロキ
シ−シクロペンテン、2−トリメチルシリロキシエチル
メタクリレート、2−トリメチルシリロキシフラン、2
−トリメチルシリロキシプロペン、アリロキシ−t−ブ
チルジメチルシラン、アリロキシトリメチルシランなど
のシリル基含有オレフィン化合物;などが挙げられる。
これらの中でも、エポキシ基含有オレフィン化合物及び
カルボオキシカルボニル基含有オレフィン化合物が、変
性率の高いグラフト変性物を得る上で好適である。これ
らの極性基含有オレフィン化合物は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】極性基含有不飽和化合物の環構造含有重合
体へのグラフト反応は、従来公知の方法を用いて行うこ
とができ、通常、ラジカル開始剤の存在下で環構造含有
重合体と極性基含有不飽和化合物とを反応させることに
より実施される。ラジカル開始剤としては、例えば、有
機ペルオキシド、有機ペルエステルなどが好ましく使用
される。このようなラジカル開始剤の具体的な例として
は、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペル
オキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルア
セテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチル
ベルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブ
チレ−ト、tert−ブチルペル−sec−オクトエー
ト、tert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパ
レート及びtert−ブチルペルジエチルアセテートを
挙げることができる。さらに、本発明においては、ラジ
カル開始剤として、アゾ化合物を使用することもでき
る。アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル及びジメチルアゾイソブチレートを挙げること
ができる。
体へのグラフト反応は、従来公知の方法を用いて行うこ
とができ、通常、ラジカル開始剤の存在下で環構造含有
重合体と極性基含有不飽和化合物とを反応させることに
より実施される。ラジカル開始剤としては、例えば、有
機ペルオキシド、有機ペルエステルなどが好ましく使用
される。このようなラジカル開始剤の具体的な例として
は、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペル
オキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチ
ルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペル
オキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルア
セテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチル
ベルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブ
チレ−ト、tert−ブチルペル−sec−オクトエー
ト、tert−ブチルペルピパレート、クミルペルピパ
レート及びtert−ブチルペルジエチルアセテートを
挙げることができる。さらに、本発明においては、ラジ
カル開始剤として、アゾ化合物を使用することもでき
る。アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル及びジメチルアゾイソブチレートを挙げること
ができる。
【0023】これらのラジカル開始剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性の環構造含有
重合体100重量部に対して、通常0.001〜30重
量部、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましく
は0.1〜10重量部の範囲である。グラフト変性反応
は、特に限定はなく、常法に従って行うことができる。
反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜35
0℃で、反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは
30分〜10時間の範囲である。
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性の環構造含有
重合体100重量部に対して、通常0.001〜30重
量部、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましく
は0.1〜10重量部の範囲である。グラフト変性反応
は、特に限定はなく、常法に従って行うことができる。
反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜35
0℃で、反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは
30分〜10時間の範囲である。
【0024】本発明に使用される環構造含有重合体樹脂
のグラフト変性物のグラフト変性率は、使用目的に応じ
て適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単位数を基
準として、通常0.1〜100モル%、好ましくは1〜
80モル%、より好ましくは5〜50モル%の範囲であ
る。変性ノルボルネン系重合体のグラフト変性率がこの
範囲にあるときに、誘電率と金属層との剥離強度(密着
性)が高度にバランスされ好適である。グラフト変性率
は、下式(1)で表される。 グラフト変性率(モル%)=(X/Y)×100 (1) X:グラフトした不飽和化合物による重合体中の変性基
の全モル数 Y:重合体の総モノマー単位数 Xは、グラフトモノマー変性残基全モル数ということが
でき、1H−NMRにより測定することができる。Y
は、重合体の重量平均分子量(Mw)/モノマーの分子
量に等しい。共重合の場合には、モノマーの分子量は、
モノマーの平均分子量とする。
のグラフト変性物のグラフト変性率は、使用目的に応じ
て適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単位数を基
準として、通常0.1〜100モル%、好ましくは1〜
80モル%、より好ましくは5〜50モル%の範囲であ
る。変性ノルボルネン系重合体のグラフト変性率がこの
範囲にあるときに、誘電率と金属層との剥離強度(密着
性)が高度にバランスされ好適である。グラフト変性率
は、下式(1)で表される。 グラフト変性率(モル%)=(X/Y)×100 (1) X:グラフトした不飽和化合物による重合体中の変性基
の全モル数 Y:重合体の総モノマー単位数 Xは、グラフトモノマー変性残基全モル数ということが
でき、1H−NMRにより測定することができる。Y
は、重合体の重量平均分子量(Mw)/モノマーの分子
量に等しい。共重合の場合には、モノマーの分子量は、
モノマーの平均分子量とする。
【0025】本発明のグラフト変性物(例えば、グラフ
ト変性ノルボルネン系重合体)は、環構造含有重合体
(例えば、ノルボルネン系重合体)を幹ポリマーとし、
極性基含有不飽和化合物がこの幹ポリマーにグラフト結
合したグラフト変性ポリマーである。グラフト部の繰り
返し単位は、グラフトモノマー(極性基含有不飽和化合
物)の種類によって決定される。本発明に使用される環
構造含有重合体(そのグラフト変性物を含む)の分子量
は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トルエンを溶
媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量
(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好
ましくは5,000〜500,000、より好ましくは
10,000〜250,000、最も好ましくは20,
000〜100,000の範囲である。環構造含有重合
体の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、
機械的強度と表面粗化後のメッキ密着性のバランスが保
たれ好適である。
ト変性ノルボルネン系重合体)は、環構造含有重合体
(例えば、ノルボルネン系重合体)を幹ポリマーとし、
極性基含有不飽和化合物がこの幹ポリマーにグラフト結
合したグラフト変性ポリマーである。グラフト部の繰り
返し単位は、グラフトモノマー(極性基含有不飽和化合
物)の種類によって決定される。本発明に使用される環
構造含有重合体(そのグラフト変性物を含む)の分子量
は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トルエンを溶
媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量
(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好
ましくは5,000〜500,000、より好ましくは
10,000〜250,000、最も好ましくは20,
000〜100,000の範囲である。環構造含有重合
体の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、
機械的強度と表面粗化後のメッキ密着性のバランスが保
たれ好適である。
【0026】本発明に使用される環構造含有重合体の分
子量分布は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トル
エンを溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
で、通常5.0以下、好ましくは4.0以下、より好ま
しくは3.0以下である。上記の重量平均分子量(M
w)及び分子量分布(Mw/Mn)の範囲及び測定法
は、ノルボルネン系重合体に好適に適合するが、それに
限定されるものではない。また、上記方法で重量平均分
子量や分子量分布が測定できない環構造含有重合体の場
合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程
度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することがで
きる。
子量分布は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トル
エンを溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
で、通常5.0以下、好ましくは4.0以下、より好ま
しくは3.0以下である。上記の重量平均分子量(M
w)及び分子量分布(Mw/Mn)の範囲及び測定法
は、ノルボルネン系重合体に好適に適合するが、それに
限定されるものではない。また、上記方法で重量平均分
子量や分子量分布が測定できない環構造含有重合体の場
合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程
度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することがで
きる。
【0027】その他の重合体成分 本発明に使用される環構造含有重合体は、所望に応じ
て、その他の重合体を配合することができる。その他の
重合体としては、例えば、ゴム質重合体やその他の樹脂
を挙げることができる。ゴム質重合体としては、例え
ば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチ
レン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン
共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン三元
共重合体ゴムのどのジエン系ゴム;これらのジエン系ゴ
ムの水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体等のエ
チレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・その他
のα−オレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴ
ム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレ
フィン・ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共
重合体、イソブチレン・ジエン共重合体などのα−オレ
フィン・ジエン系重合体ゴム;ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、プロピレ
ンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴムなどの特殊ゴ
ム;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体
ゴム、スチレン・イソプレンの水素添加物・スチレンブ
ロック共重合体ゴムなどの熱可塑性エラストマー;熱可
塑性エラストマー;ウレタン系熱可塑性エラストマー;
ポリアミド系熱可塑性エラストマー;1,2−ポリブタ
ジエン系熱可塑性エラストマー;などが挙げられる。
て、その他の重合体を配合することができる。その他の
重合体としては、例えば、ゴム質重合体やその他の樹脂
を挙げることができる。ゴム質重合体としては、例え
ば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチ
レン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン
共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン三元
共重合体ゴムのどのジエン系ゴム;これらのジエン系ゴ
ムの水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体等のエ
チレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・その他
のα−オレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴ
ム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレ
フィン・ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共
重合体、イソブチレン・ジエン共重合体などのα−オレ
フィン・ジエン系重合体ゴム;ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、プロピレ
ンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴムなどの特殊ゴ
ム;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体
ゴム、スチレン・イソプレンの水素添加物・スチレンブ
ロック共重合体ゴムなどの熱可塑性エラストマー;熱可
塑性エラストマー;ウレタン系熱可塑性エラストマー;
ポリアミド系熱可塑性エラストマー;1,2−ポリブタ
ジエン系熱可塑性エラストマー;などが挙げられる。
【0028】その他の樹脂としては、例えば、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シン
ジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、ポリペン
テンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;
ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;エチレン
−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、エポキシ樹脂などが挙げられる。これ
らのその他の重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。その他の重合
体の配合割合は、環構造含有重合体100重量部に対し
て、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以
下、より好ましくは50重量部以下であり、その下限は
0重量部である。
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シン
ジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、ポリペン
テンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;
ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;エチレン
−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、エポキシ樹脂などが挙げられる。これ
らのその他の重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。その他の重合
体の配合割合は、環構造含有重合体100重量部に対し
て、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以
下、より好ましくは50重量部以下であり、その下限は
0重量部である。
【0029】硬化剤 本発明に使用される環構造含有重合体(そのグラフト変
性物を含む)を硬化型樹脂として用いる場合の硬化剤と
しては、例えば、有機過酸化物や熱によって効果を発揮
する架橋剤など通常の硬化型樹脂で用いるものであれば
格別な限定はない。硬化剤の具体例としては、例えば、
メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペ
ルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロ
ペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、オクタノイルペルオキシ
ド、イソブチリルペルオキシド、ペルオキシジカーボネ
ートなどの有機過酸化物;ヘキサメチレンジアミン、ト
リエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラ
エチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン;ジアミノ
シクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン;1,
3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジア
ミン、イソホロンジアミンN−アミノエチルピペラジ
ン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メ
タン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの
脂環族ポリアミン;4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′
−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピ
ルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−
1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン、メタ
キシシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミン;4,
4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサ
ノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス
(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−
ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘ
キサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、
4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジア
ジドスチルベンなどのビスアジド;無水フタル酸、無水
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの酸無
水物;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット
酸、ハイミック酸などのジカルボン酸;1,3′−ブタ
ンジオール、1,4′−ブタンジール、ヒドロキノンジ
ヒドロキシジエチルエーテル、トリシクロデカンジメタ
ノールなどのジオール;1,1,1−トリメチロールプ
ロパン等のトリオール;フェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂などの多価フェノール;ナイロ
ン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン
−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン
−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチ
レンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイ
ソフタルアミドなどのポリアミド;ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどのジイ
ソシアネート;などが挙げられる。これらの硬化剤は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。硬化剤の配合割合は、環構造含有重合
体(そのグラフト変性物を含む)100重量部に対し
て、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量
部、より好ましくは2〜30重量部の範囲である。
性物を含む)を硬化型樹脂として用いる場合の硬化剤と
しては、例えば、有機過酸化物や熱によって効果を発揮
する架橋剤など通常の硬化型樹脂で用いるものであれば
格別な限定はない。硬化剤の具体例としては、例えば、
メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペ
ルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロ
ペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、オクタノイルペルオキシ
ド、イソブチリルペルオキシド、ペルオキシジカーボネ
ートなどの有機過酸化物;ヘキサメチレンジアミン、ト
リエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラ
エチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン;ジアミノ
シクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン;1,
3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジア
ミン、イソホロンジアミンN−アミノエチルピペラジ
ン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メ
タン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの
脂環族ポリアミン;4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′
−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピ
ルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−
1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン、メタ
キシシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミン;4,
4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサ
ノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス
(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−
ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘ
キサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、
4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジア
ジドスチルベンなどのビスアジド;無水フタル酸、無水
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの酸無
水物;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット
酸、ハイミック酸などのジカルボン酸;1,3′−ブタ
ンジオール、1,4′−ブタンジール、ヒドロキノンジ
ヒドロキシジエチルエーテル、トリシクロデカンジメタ
ノールなどのジオール;1,1,1−トリメチロールプ
ロパン等のトリオール;フェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂などの多価フェノール;ナイロ
ン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン
−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン
−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチ
レンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイ
ソフタルアミドなどのポリアミド;ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどのジイ
ソシアネート;などが挙げられる。これらの硬化剤は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。硬化剤の配合割合は、環構造含有重合
体(そのグラフト変性物を含む)100重量部に対し
て、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜40重量
部、より好ましくは2〜30重量部の範囲である。
【0030】本発明においては、環構造含有重合体と硬
化剤とを含む樹脂組成物の硬化性をさらに高めるため
に、硬化促進剤や硬化助剤を使用することができる。硬
化促進剤としては、例えば、ピリジン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルホル
ムアミド、イミダゾールなどのアミン類;などが挙げら
れる。これらの硬化促進剤は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化促
進剤の配合割合は、環構造含有重合体100重量部に対
して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重
量部の範囲である。
化剤とを含む樹脂組成物の硬化性をさらに高めるため
に、硬化促進剤や硬化助剤を使用することができる。硬
化促進剤としては、例えば、ピリジン、ベンジルジメチ
ルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルホル
ムアミド、イミダゾールなどのアミン類;などが挙げら
れる。これらの硬化促進剤は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化促
進剤の配合割合は、環構造含有重合体100重量部に対
して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重
量部の範囲である。
【0031】硬化助剤としては、特に限定されるもので
はないが、特開昭62−34924号公報等に開示され
ている公知のものでよく、例えば、キノンジオキシム、
ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等の
オキシム・ニトロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレ
ンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリル
フタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート等のアリル系硬化助剤;エチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート等のメタクリレート系硬化助剤;ビニルトル
エン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの
ビニル系硬化助剤;等が例示される。これらの硬化助剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。硬化助剤の配合割合は、硬化剤1
00重量部に対して、通常1〜1000重量部、好まし
くは10〜500重量部の範囲である。
はないが、特開昭62−34924号公報等に開示され
ている公知のものでよく、例えば、キノンジオキシム、
ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等の
オキシム・ニトロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレ
ンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリル
フタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート等のアリル系硬化助剤;エチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート等のメタクリレート系硬化助剤;ビニルトル
エン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの
ビニル系硬化助剤;等が例示される。これらの硬化助剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。硬化助剤の配合割合は、硬化剤1
00重量部に対して、通常1〜1000重量部、好まし
くは10〜500重量部の範囲である。
【0032】フィラー 本発明に使用されるフィラーとしては、後述する粗化処
理液(フィラー可溶性水溶液)の種類に応じて、それら
に溶解し得るものを適宜選択すればよく、無機フィラー
や有機フィラーを用いることができる。無機フィラーと
しては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジ
ルコニウム、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレ
ーなどを挙げることができる。これらの中でも、炭酸カ
ルシウム及びシリカが、樹脂層の誘電特性を落とさず
に、かつ、フィラー可溶性水溶液で溶出されやすく、好
適である。また、これらの無機フィラーは、シランカッ
プリング剤処理やステアリン酸などの有機酸処理をした
ものであってもよい。
理液(フィラー可溶性水溶液)の種類に応じて、それら
に溶解し得るものを適宜選択すればよく、無機フィラー
や有機フィラーを用いることができる。無機フィラーと
しては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジ
ルコニウム、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレ
ーなどを挙げることができる。これらの中でも、炭酸カ
ルシウム及びシリカが、樹脂層の誘電特性を落とさず
に、かつ、フィラー可溶性水溶液で溶出されやすく、好
適である。また、これらの無機フィラーは、シランカッ
プリング剤処理やステアリン酸などの有機酸処理をした
ものであってもよい。
【0033】有機フィラーとしては、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、シ
リコーンレジン、ポリメチルメタクリレート、天然ゴ
ム、スチレン系ゴム、イソプレンゴム、エチレン系ゴ
ム、プロピレン系ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、シ
リコーンゴム、ニトリル系ゴム、フッ素ゴム、ノルボル
ネンゴム、エーテル系ゴムなどが挙げられる。
リエステル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、シ
リコーンレジン、ポリメチルメタクリレート、天然ゴ
ム、スチレン系ゴム、イソプレンゴム、エチレン系ゴ
ム、プロピレン系ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、シ
リコーンゴム、ニトリル系ゴム、フッ素ゴム、ノルボル
ネンゴム、エーテル系ゴムなどが挙げられる。
【0034】フィラーとしては、樹脂層の誘電特性を低
下させないように非導電性であることが好ましく、ま
た、その微細な形状は、特に限定されず、球状、繊維
状、板状などであってもよいが、メッキ密着性を高める
上で、微細な粉末状であることが好ましい。フィラーの
平均粒子径は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
(短径+長径)/2で算出される値で、通常0.1〜5
0μm、好ましくは0.2〜20μm、より好ましくは
0.5〜10μmの範囲である。フィラーの平均粒子径
がこの範囲にあるときに、メッキ密着性が特に高く好適
である。これらのフィラーは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラ
ーの配合割合は、必要とされる密着性の程度に応じて適
宜選択されるが、環構造含有重合体100重量部に対し
て、通常1〜100重量%、好ましくは5〜70重量
%、より好ましくは5〜50重量部の範囲であるとき
に、誘電特性とメッキ密着性が高度にバランスされ好適
である。
下させないように非導電性であることが好ましく、ま
た、その微細な形状は、特に限定されず、球状、繊維
状、板状などであってもよいが、メッキ密着性を高める
上で、微細な粉末状であることが好ましい。フィラーの
平均粒子径は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
(短径+長径)/2で算出される値で、通常0.1〜5
0μm、好ましくは0.2〜20μm、より好ましくは
0.5〜10μmの範囲である。フィラーの平均粒子径
がこの範囲にあるときに、メッキ密着性が特に高く好適
である。これらのフィラーは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラ
ーの配合割合は、必要とされる密着性の程度に応じて適
宜選択されるが、環構造含有重合体100重量部に対し
て、通常1〜100重量%、好ましくは5〜70重量
%、より好ましくは5〜50重量部の範囲であるとき
に、誘電特性とメッキ密着性が高度にバランスされ好適
である。
【0035】その他の配合剤 本発明においては、所望に応じて、上記の配合剤(フィ
ラー、硬化剤、硬化促進剤、硬化助剤)以外に、その他
の配合剤を添加することができる。その他の配合剤とし
ては、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング
剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス
などが挙げられ、その配合割合は、本発明の目的を損ね
ない範囲で適宜選択される。
ラー、硬化剤、硬化促進剤、硬化助剤)以外に、その他
の配合剤を添加することができる。その他の配合剤とし
ては、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング
剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス
などが挙げられ、その配合割合は、本発明の目的を損ね
ない範囲で適宜選択される。
【0036】樹脂層 本発明に使用される樹脂層は、環構造含有重合体とフィ
ラーとを含有する樹脂組成物を用いて形成される。この
樹脂組成物には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、
硬化助剤、その他の重合体、その他の配合剤を含有させ
てもよい。この樹脂組成物を用いて樹脂層を形成するに
は、各成分を有機溶媒に溶解ないしは分散させたワニ
スを基板上に流延または塗布し、次いで、乾燥等により
溶媒を除去する方法、シートまたはフィルムに溶融押
出する方法、前記ワニスを補強材(紙やガラスクロス
など)に含浸させてプリプレグとし、必要枚数を積層す
る方法、これらを組み合わせる方法などが挙げられ
る。これらの中でも、本発明の表面粗化法は、基板(例
えば、銅張積層板)上に、導体配線/絶縁層/導体配線
/絶縁層・・・・の多層構造を有する多層配線板を作成
する際の絶縁層(樹脂層)に好適に適用することがで
き、その場合、の溶液流延法による樹脂層の形成法を
採用することが好ましい。
ラーとを含有する樹脂組成物を用いて形成される。この
樹脂組成物には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、
硬化助剤、その他の重合体、その他の配合剤を含有させ
てもよい。この樹脂組成物を用いて樹脂層を形成するに
は、各成分を有機溶媒に溶解ないしは分散させたワニ
スを基板上に流延または塗布し、次いで、乾燥等により
溶媒を除去する方法、シートまたはフィルムに溶融押
出する方法、前記ワニスを補強材(紙やガラスクロス
など)に含浸させてプリプレグとし、必要枚数を積層す
る方法、これらを組み合わせる方法などが挙げられ
る。これらの中でも、本発明の表面粗化法は、基板(例
えば、銅張積層板)上に、導体配線/絶縁層/導体配線
/絶縁層・・・・の多層構造を有する多層配線板を作成
する際の絶縁層(樹脂層)に好適に適用することがで
き、その場合、の溶液流延法による樹脂層の形成法を
採用することが好ましい。
【0037】ワニスを調製する際の有機溶媒としては、
環構造含有重合体を溶解ないしは分散させ得るものであ
れば格別な制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、
エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどの
ハロゲン化炭化水素;などを挙げることができる。ワニ
ス中の固形分濃度は、通常1〜80重量%、好ましくは
5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%であ
る。本発明に使用される樹脂層の厚みは、使用目的に応
じて適宜選択されるが、通常1〜1000μm、好まし
くは5〜500μm、より好ましくは10〜100μm
である。樹脂層の厚みがこの範囲にあるときに、機械的
強度と誘電特性等が高度にバランスされ、好適である。
環構造含有重合体を溶解ないしは分散させ得るものであ
れば格別な制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、
エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどの
ハロゲン化炭化水素;などを挙げることができる。ワニ
ス中の固形分濃度は、通常1〜80重量%、好ましくは
5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%であ
る。本発明に使用される樹脂層の厚みは、使用目的に応
じて適宜選択されるが、通常1〜1000μm、好まし
くは5〜500μm、より好ましくは10〜100μm
である。樹脂層の厚みがこの範囲にあるときに、機械的
強度と誘電特性等が高度にバランスされ、好適である。
【0038】本発明の表面粗化法は、特に絶縁層のビル
ドアップ法に好適である。その場合の樹脂層の各特性値
は、以下の通りである。本発明に使用される樹脂層のガ
ラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択さ
れるが、通常100〜500℃、好ましくは130〜4
00℃、より好ましくは160〜350℃の範囲であ
る。樹脂層のTgがこの範囲にあるときに、耐熱性や成
形性がバランスされ好適である。本発明に使用される樹
脂層の誘電率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
1MHzの測定値で、通常5.0以下、好ましくは4.
0以下、より好ましくは3.5以下、最も好ましくは
3.0以下である。本発明に使用される樹脂層の誘電正
接は、使用目的に応じて適宜選択されるが、1MHzの
測定値で、通常0.10以下、好ましくは0.05以
下、好ましくは0.01以下である。本発明に使用され
る樹脂層の吸水率は、使用目的に応じて適宜選択される
が、通常0.5%以下、好ましくは0.3%以下であ
る。
ドアップ法に好適である。その場合の樹脂層の各特性値
は、以下の通りである。本発明に使用される樹脂層のガ
ラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択さ
れるが、通常100〜500℃、好ましくは130〜4
00℃、より好ましくは160〜350℃の範囲であ
る。樹脂層のTgがこの範囲にあるときに、耐熱性や成
形性がバランスされ好適である。本発明に使用される樹
脂層の誘電率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
1MHzの測定値で、通常5.0以下、好ましくは4.
0以下、より好ましくは3.5以下、最も好ましくは
3.0以下である。本発明に使用される樹脂層の誘電正
接は、使用目的に応じて適宜選択されるが、1MHzの
測定値で、通常0.10以下、好ましくは0.05以
下、好ましくは0.01以下である。本発明に使用され
る樹脂層の吸水率は、使用目的に応じて適宜選択される
が、通常0.5%以下、好ましくは0.3%以下であ
る。
【0039】表面粗化法 本発明の表面粗化法は、(1)環構造含有重合体とフィ
ラーを含有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、
(2)該樹脂層の表面を有機溶媒と接触させて処理した
後、(3)被処理表面をフィラー可溶性水溶液と接触さ
せて、該表面のフィラーを除去する工程を含むものであ
る。前記樹脂組成物から樹脂層を形成すると環構造含有
重合体のスキン層が形成されるため、フィラー可溶性水
溶液と接触させても、フィラーを溶出させることができ
ない。そこで、本発明では、樹脂層の表面を先ず有機溶
媒と接触させて処理する。この処理により、スキン層が
膨潤したり、あるいはクラックが入ることにより、次の
フィラー可溶性水溶液での処理工程で、表面のフィラー
が溶出するなどして容易に除去されるものと推定され
る。
ラーを含有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、
(2)該樹脂層の表面を有機溶媒と接触させて処理した
後、(3)被処理表面をフィラー可溶性水溶液と接触さ
せて、該表面のフィラーを除去する工程を含むものであ
る。前記樹脂組成物から樹脂層を形成すると環構造含有
重合体のスキン層が形成されるため、フィラー可溶性水
溶液と接触させても、フィラーを溶出させることができ
ない。そこで、本発明では、樹脂層の表面を先ず有機溶
媒と接触させて処理する。この処理により、スキン層が
膨潤したり、あるいはクラックが入ることにより、次の
フィラー可溶性水溶液での処理工程で、表面のフィラー
が溶出するなどして容易に除去されるものと推定され
る。
【0040】有機溶媒としては、格別な限定はないが、
例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−デカン、n
−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、デカリ
ン、シクロヘキセン、α−ピネン、ジペンテン等の脂環
式炭化水素;キシレン、トルエン、エチルベンゼン、ブ
チルベンゼン、i−プロピルベンゼン、シメン、メシチ
レン等の芳香族炭化水素;灯油、ショウノウ油、テルビ
ン油等の天然物系炭化水素;メチルエチルケトン、2−
ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;エーテル
類;アルコール類等が挙げられる。これらの中でも、炭
化水素が好ましく、芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素
がより好ましく、芳香族炭化水素が最も好ましい。これ
らの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができる。
例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−デカン、n
−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、デカリ
ン、シクロヘキセン、α−ピネン、ジペンテン等の脂環
式炭化水素;キシレン、トルエン、エチルベンゼン、ブ
チルベンゼン、i−プロピルベンゼン、シメン、メシチ
レン等の芳香族炭化水素;灯油、ショウノウ油、テルビ
ン油等の天然物系炭化水素;メチルエチルケトン、2−
ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;エーテル
類;アルコール類等が挙げられる。これらの中でも、炭
化水素が好ましく、芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素
がより好ましく、芳香族炭化水素が最も好ましい。これ
らの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0041】有機溶媒の使用量には、特別な制限はな
く、樹脂層の表面が濡れる程度で充分であるが、有機溶
媒との接触処理を安定して行うには、通常、樹脂層を浸
漬することができるような量で使用する。有機溶媒での
処理条件は、有機溶媒の種類または量に応じて適宜選択
されるが、処理温度は、通常、溶媒の凝固点〜沸点、好
ましくは10〜150℃、より好ましくは20〜100
℃であり、処理時間は、通常、1秒間〜10時間、好ま
しくは30秒間〜3時間、より好ましくは1〜30分間
である。有機溶媒処理後、溶媒を乾燥しても乾燥しなく
てもよい。
く、樹脂層の表面が濡れる程度で充分であるが、有機溶
媒との接触処理を安定して行うには、通常、樹脂層を浸
漬することができるような量で使用する。有機溶媒での
処理条件は、有機溶媒の種類または量に応じて適宜選択
されるが、処理温度は、通常、溶媒の凝固点〜沸点、好
ましくは10〜150℃、より好ましくは20〜100
℃であり、処理時間は、通常、1秒間〜10時間、好ま
しくは30秒間〜3時間、より好ましくは1〜30分間
である。有機溶媒処理後、溶媒を乾燥しても乾燥しなく
てもよい。
【0042】フィラー可溶性水溶液としては、樹脂に配
合するフィラーの種類に応じて適宜選択されればよい
が、通常、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素等の酸性水
溶液、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性
水溶液、クロム酸、クロム酸塩、過マンガン酸、オゾ
ン等の酸化性水溶液などが用いられる。好適には、過マ
ンガン酸カリウムまたはナトリウムのアルカリ水溶液
や、クロム酸の酸性水溶液が用いられる。フィラー可溶
性水溶液の処理条件は、フィラー及び処理液の種類また
は量に応じて適宜選択されるが、処理温度は、通常、水
溶液の凝固点〜沸点、好ましくは10〜100℃、より
好ましくは30〜90℃であり、処理時間は、通常、1
秒間〜10時間、好ましくは30秒間〜3時間、より好
ましくは1〜30分間である。この表面粗化法により、
樹脂層表面のフィラーが除去されて、窪み(凹み)形成
され、粗化が行われる。
合するフィラーの種類に応じて適宜選択されればよい
が、通常、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素等の酸性水
溶液、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性
水溶液、クロム酸、クロム酸塩、過マンガン酸、オゾ
ン等の酸化性水溶液などが用いられる。好適には、過マ
ンガン酸カリウムまたはナトリウムのアルカリ水溶液
や、クロム酸の酸性水溶液が用いられる。フィラー可溶
性水溶液の処理条件は、フィラー及び処理液の種類また
は量に応じて適宜選択されるが、処理温度は、通常、水
溶液の凝固点〜沸点、好ましくは10〜100℃、より
好ましくは30〜90℃であり、処理時間は、通常、1
秒間〜10時間、好ましくは30秒間〜3時間、より好
ましくは1〜30分間である。この表面粗化法により、
樹脂層表面のフィラーが除去されて、窪み(凹み)形成
され、粗化が行われる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。なお、実施例中、[部]は、特に断
りのない限り[重量部]のことである。 <試験及び評価方法> (1)ガラス転移温度は、TMA法により測定した。 (2)重量平均分子量及び数平均分子量は、特に記載し
ない限り、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン
換算値として測定した。 (3)主鎖の水素添加率及び重合体のグラフト変性率
は、1H−NMRにより測定した。 (4)1MHzにおける誘電率及び誘電正接は、JIS
C6481に準じて測定した。 (5)常温での曲げ強度、引張強度、及び引張伸び率、
並びに85℃×85%RH(相対湿度)×300時間の
条件下での吸水率は、JIS K6911に準拠して測
定した。 (6)フィラーの平均粒子径は、電子顕微鏡写真により
測定し、(長径+短径)/2で算出した。
具体的に説明する。なお、実施例中、[部]は、特に断
りのない限り[重量部]のことである。 <試験及び評価方法> (1)ガラス転移温度は、TMA法により測定した。 (2)重量平均分子量及び数平均分子量は、特に記載し
ない限り、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン
換算値として測定した。 (3)主鎖の水素添加率及び重合体のグラフト変性率
は、1H−NMRにより測定した。 (4)1MHzにおける誘電率及び誘電正接は、JIS
C6481に準じて測定した。 (5)常温での曲げ強度、引張強度、及び引張伸び率、
並びに85℃×85%RH(相対湿度)×300時間の
条件下での吸水率は、JIS K6911に準拠して測
定した。 (6)フィラーの平均粒子径は、電子顕微鏡写真により
測定し、(長径+短径)/2で算出した。
【0044】[合成例1]六塩化タングステン、トリイ
ソブチルアルミニウム、及びイソブチルアルコールから
なる重合触媒系を用い、公知の方法により8−エチルテ
トラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−3−ドデ
セン(以下、ETDと略記)を重合し、次いで、ニッケ
ルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウム
からなる水添触媒系を用いて、公知の方法によりETD
の開環重合体の水素化物(水素化率≧99%、Tg=1
38℃、Mn=18,500、Mw=31,600)を
調製した。このようにして得られたETD開環重合体水
素化物100部に対して、無水マレイン酸30部、ジク
ミルペルオキシド10部、tert−ブチルベンゼン3
00部を混合し、オートクレーブ中にて150℃で、4
時間反応を行った後、反応液を凝固、乾燥し、無水マレ
イン酸変性重合体(A)を得た。得られた変性重合体
(A)は、Tg=166℃、Mn=16,400、Mw
=35,200、変性率=28%であった。変性重合体
(A)100部と、架橋剤として4,4′−ビスアジド
ベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン4部をキシレ
ン300部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく
均一な溶液となった。
ソブチルアルミニウム、及びイソブチルアルコールから
なる重合触媒系を用い、公知の方法により8−エチルテ
トラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−3−ドデ
セン(以下、ETDと略記)を重合し、次いで、ニッケ
ルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウム
からなる水添触媒系を用いて、公知の方法によりETD
の開環重合体の水素化物(水素化率≧99%、Tg=1
38℃、Mn=18,500、Mw=31,600)を
調製した。このようにして得られたETD開環重合体水
素化物100部に対して、無水マレイン酸30部、ジク
ミルペルオキシド10部、tert−ブチルベンゼン3
00部を混合し、オートクレーブ中にて150℃で、4
時間反応を行った後、反応液を凝固、乾燥し、無水マレ
イン酸変性重合体(A)を得た。得られた変性重合体
(A)は、Tg=166℃、Mn=16,400、Mw
=35,200、変性率=28%であった。変性重合体
(A)100部と、架橋剤として4,4′−ビスアジド
ベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン4部をキシレ
ン300部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく
均一な溶液となった。
【0045】[合成例2]無水マレイン酸30部をアリ
ルグリシジルエーテル30部に代える以外は、合成例1
と同様にしてエポキシ変性重合体(B)を調製した。得
られた変性重合体(B)は、Tg=160℃、Mn=1
7,100、Mw=36,900、変性率=24%であ
った。この変性重合体(B)15部と、架橋剤として
4,4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘ
キサノン0.6部をキシレン45部に溶解させたとこ
ろ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
ルグリシジルエーテル30部に代える以外は、合成例1
と同様にしてエポキシ変性重合体(B)を調製した。得
られた変性重合体(B)は、Tg=160℃、Mn=1
7,100、Mw=36,900、変性率=24%であ
った。この変性重合体(B)15部と、架橋剤として
4,4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘ
キサノン0.6部をキシレン45部に溶解させたとこ
ろ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0046】[実施例1]合成例1で調製した重合体溶
液に、フィラーとしてシリコーンレジン粉末(東芝シリ
コーン社製、トスパール;平均粒子径2μm)30部添
加し、ペンシルホモジナイザーにて10分間混合した
後、黒化処理済みの銅張基板上にドクターブレード(Y
OSHIMITSU YD−1型 スペース 130μ
m)を用いて塗布し、80℃で15分間乾燥して溶媒を
除去した後、200℃、2時間で硬化させ、厚さ50μ
mの樹脂層(吸水率=0.175%、誘電率=2.8、
誘電正接=0.0035、引張強度=180MPa)を
形成した。次いで、樹脂層をキシレン中に室温で30分
間浸漬処理した後、過マンガン酸のアルカリ水溶液(N
aOH=40g、KMnO4=50g、水=1L)で7
4℃、30分間浸漬処理し表面粗化した。走査電子顕微
鏡で樹脂層の表面を観察したところ、フィラー粉末が溶
解・除去されたことによる多数の窪みができており、充
分に表面粗化されている様子が観察された。
液に、フィラーとしてシリコーンレジン粉末(東芝シリ
コーン社製、トスパール;平均粒子径2μm)30部添
加し、ペンシルホモジナイザーにて10分間混合した
後、黒化処理済みの銅張基板上にドクターブレード(Y
OSHIMITSU YD−1型 スペース 130μ
m)を用いて塗布し、80℃で15分間乾燥して溶媒を
除去した後、200℃、2時間で硬化させ、厚さ50μ
mの樹脂層(吸水率=0.175%、誘電率=2.8、
誘電正接=0.0035、引張強度=180MPa)を
形成した。次いで、樹脂層をキシレン中に室温で30分
間浸漬処理した後、過マンガン酸のアルカリ水溶液(N
aOH=40g、KMnO4=50g、水=1L)で7
4℃、30分間浸漬処理し表面粗化した。走査電子顕微
鏡で樹脂層の表面を観察したところ、フィラー粉末が溶
解・除去されたことによる多数の窪みができており、充
分に表面粗化されている様子が観察された。
【0047】[実施例2]合成例2で得られた重合体溶
液を使用する以外は、実施例1と同様に行い、樹脂層の
表面粗化を行ったところ、実施例1と同様な多数の窪み
ができており、充分に表面粗化されている様子が観察さ
れた。
液を使用する以外は、実施例1と同様に行い、樹脂層の
表面粗化を行ったところ、実施例1と同様な多数の窪み
ができており、充分に表面粗化されている様子が観察さ
れた。
【0048】[比較例1]キシレン浸漬を行わない以外
は、実施例1と同様にして、樹脂層の表面処理を行った
ところ、表面に窪みの形成はなく、表面粗化はされてい
なかった。
は、実施例1と同様にして、樹脂層の表面処理を行った
ところ、表面に窪みの形成はなく、表面粗化はされてい
なかった。
【0049】[比較例2]過マンガン酸のアルカリ水溶
液での処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、
樹脂層の表面処理を行ったところ、表面の窪みの形成は
なく、表面粗化はされていなかった。実施例1〜2及び
比較例1〜2で得られた粗化処理後の樹脂層に無電解銅
メッキ(厚み=10μm)を行ったところ、実施例1〜
2で得られた表面粗化樹脂層の上に形成したメッキ層
は、樹脂層表面に密着しており、粘着テープを貼付して
剥離試験を行ったところ、剥離し難いものであったが、
比較例1〜2で得られた表面処理樹脂層は、メッキ層が
簡単に剥れてしまった。
液での処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、
樹脂層の表面処理を行ったところ、表面の窪みの形成は
なく、表面粗化はされていなかった。実施例1〜2及び
比較例1〜2で得られた粗化処理後の樹脂層に無電解銅
メッキ(厚み=10μm)を行ったところ、実施例1〜
2で得られた表面粗化樹脂層の上に形成したメッキ層
は、樹脂層表面に密着しており、粘着テープを貼付して
剥離試験を行ったところ、剥離し難いものであったが、
比較例1〜2で得られた表面処理樹脂層は、メッキ層が
簡単に剥れてしまった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、環構造含有重合体から
形成された樹脂層の表面粗化法が提供される。本発明の
表面粗化法によれば、プリント配線板などの樹脂層(絶
縁層)を容易に表面粗化することができ、特に多層配線
板をビルドアップ法にて形成するのに好適である。
形成された樹脂層の表面粗化法が提供される。本発明の
表面粗化法によれば、プリント配線板などの樹脂層(絶
縁層)を容易に表面粗化することができ、特に多層配線
板をビルドアップ法にて形成するのに好適である。
Claims (5)
- 【請求項1】 (1)環構造含有重合体とフィラーを含
有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、(2)該樹
脂層の表面を有機溶媒と接触させて処理した後、(3)
被処理表面をフィラー可溶性水溶液と接触させて、該表
面のフィラーを除去することを特徴とする環構造含有重
合体から形成された樹脂層の表面粗化法。 - 【請求項2】 樹脂組成物が、硬化剤をさらに含有する
硬化性樹脂組成物である請求項1記載の表面粗化法。 - 【請求項3】 環構造含有重合体が、極性基含有不飽和
化合物をグラフトしたグラフト変性物である請求項1記
載の表面粗化法。 - 【請求項4】 有機溶剤が、芳香族炭化水素である請求
項1記載の表面粗化法。 - 【請求項5】 フィラー可溶性水溶液が、酸、アルカ
リ、または酸化性化合物の水溶液である請求項1記載の
表面粗化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5745498A JPH11236459A (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | 樹脂層の表面粗化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5745498A JPH11236459A (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | 樹脂層の表面粗化法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11236459A true JPH11236459A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=13056126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5745498A Pending JPH11236459A (ja) | 1998-02-23 | 1998-02-23 | 樹脂層の表面粗化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11236459A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004009485A (ja) * | 2002-06-06 | 2004-01-15 | Toppan Printing Co Ltd | ポリイミド系樹脂フィルムおよびそれを用いた多層配線基板およびその製造方法 |
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1998
- 1998-02-23 JP JP5745498A patent/JPH11236459A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004009485A (ja) * | 2002-06-06 | 2004-01-15 | Toppan Printing Co Ltd | ポリイミド系樹脂フィルムおよびそれを用いた多層配線基板およびその製造方法 |
JP4677703B2 (ja) * | 2002-06-06 | 2011-04-27 | 凸版印刷株式会社 | ポリイミド系樹脂フィルムおよびそれを用いた多層配線基板の製造方法 |
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