JP4277440B2 - 硬化性組成物、絶縁材料および回路基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性組成物、絶縁材料及び回路基板に関し、さらに詳しくは、カバーコート材料や層間絶縁材料に好適な硬化性組成物、電気絶縁性、低吸水性及び積層性に優れた絶縁材料並びに回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体部品の急速な進歩により、電子機器は小型軽量化、高性能化、多機能化の傾向にあり、これらに追従して回路基板の高密度化が進みつつある。例えば、半導体回路の細線化、高多層化、スルーバイアホール、ブラインドバイアホール等の小径化、小型チップ部品の表面実装による高密度実装等が進みつつある。
ここで、使用される電気絶縁材料としては、通常、電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板上に、電気絶縁層(2)を形成させるカバーコート材、又は電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板上に電気絶縁層(2)を積層し、該電気絶縁層(2)の上に導電体回路(2)を形成する場合の層間絶縁材料が挙げられる。
これらの絶縁材料として使用される硬化性組成物は、通常、有機溶媒に溶解又は分散させたワニス、あるいはBステージフィルムとして使用されている。例えば、(1)ポリビニルアセタール樹脂と室温で液状のエポキシ樹脂とを含有するもの(例えば、特開平7−266492号公報参照)、(2)室温で固体のエポキシ樹脂と室温で液状のエポキシ樹脂とを含有するもの(例えば、特開平11−87927号公報参照)、(3)ノルボルネン系重合体のごとき環構造含有重合体と硬化剤及び室温で固体の固形ゴムを含有するもの等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの硬化性組成物を用いて電気絶縁層を形成する場合においては、導電体回路の高密度化を図るために、電気絶縁層の厚みを薄くしたときに、十分な平滑性を得るために積層時間を長くしなければならない。すなわち、積層時間を短縮すると十分な平滑性が得られなくなる。また、上記(1)や(2)の硬化性組成物を用いる場合には、電気絶縁性、低吸水性及び耐熱性が劣るという問題が生じていた。
そこで本発明は、かかる実状に鑑み、カバーコート材料や層間絶縁材料に好適な電気絶縁性、低吸水性及び積層性に優れた硬化性組成物、絶縁材料及び回路基板を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決を図るべく、本発明は第1に、官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を提供する。
また本発明は第2に、支持体と、該支持体上に官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を積層し、硬化させてなる硬化性組成物層を有する絶縁材料を提供する。
さらに本発明は、第3に、電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板と、該内層基板上に官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を積層し、硬化させてなる硬化性組成物層を有する回路基板を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される官能基を有する環構造含有重合体樹脂は、官能基を有することと重合体中に環構造を有することを特徴とする。該樹脂は通常熱可塑性である。官能基としては格別な限定はなく、硬化剤の種類に応じて適宜選択される。具体的には、ラジカル反応性の官能基やイオン反応性の官能基等が挙げられ、硬化収縮を起こさない観点でイオン反応性の官能基が好適である。イオン反応性の官能基としては、例えば、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、エステル基、シラノール基、アミノ基、スルホン基等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基等が好ましく、酸無水物基及びカルボキシル基が特に好ましい。これらの官能基は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0006】
重合体樹脂中の官能基の含有量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単位数を基準として、通常1〜200モル%、好ましくは5〜70モル%、より好ましくは20〜50モル%の範囲である。重合体樹脂の官能基含有量がこの範囲にあるときに、低誘電特性、低吸水性及び耐熱性が高度にバランスされ好適である。
【0007】
重合体樹脂中の環構造は、主鎖及び/又は側鎖のいずれに在ってもよいが、耐熱性や耐溶剤性の観点から主鎖に環構造を含有するものが好ましい。また、環構造としては、単環及び多環(縮合多環、橋架け環及びこれらの組合せ多環等)が挙げられ、脂環と芳香環とがあるが、本発明においては脂環が好ましい。環構造を構成する炭素原子数には格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、耐熱性、耐溶剤性及び成形性の諸特性が高度にバランスされ好適である。
【0008】
環構造含有重合体樹脂中の環構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であり、その上限は100重量%である。環構造含有重合体樹脂中の環構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、低誘電特性、低吸水性及び耐熱性に劣り好ましくない。
【0009】
かかる環構造を有する重合体樹脂としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル系環状炭化水素重合体、(5)主鎖中に芳香環の繰り返し単位を有する芳香族系重合体、及び(6)これらの水素添加物等が挙げられる。これらの中でも、高信頼性、特に強度特性が要求される分野では、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物等が好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
【0010】
ノルボルネン系重合体としては、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報等で開示される方法によってノルボルネン系モノマーを重合させたものを用いることができる。具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加型共重合体等が挙げられる。これらの中でも、高信頼性、特に強度特性が要求される分野では、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物の付加型共重合体が好ましく、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物がより好ましい。
【0011】
ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や特開平2−227424号公報、特開平2−276842号公報等に開示されている公知のモノマーを使用することができる。
ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
【0012】
トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(単に、テトラシクロドデセンともいう)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、
【0013】
テトラシクロ[7.4.0.110.13.02.7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.111.14.03.8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、
ペンタシクロ[6.5.13.6.02.7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13.6.110.13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、シクロペンタジエンの4量体以上の付加物、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、テトラシクロ[6.5.0.12.5.08.13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン、テトラシクロ[6.6.0.12.5.08.13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン等の官能基を有さないノルボルネン系モノマー;
【0014】
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシイソプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン等の官能基を有するノルボルネン系モノマー;等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系モノマーとそれと共重合可能な他のビニル化合物との共重合体であってもよい。ノルボルネン系重合体中のノルボルネン系モノマー結合量の割合は、使用目的に応じて適宜選定されるが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるものが、低誘電特性や耐熱性の特性が高度にバランスされ好適である。
【0016】
共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のエチレン又はα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;等が挙げられる。これらの共重合可能なビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
ノルボルネン系モノマー又はノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物との重合方法及び水素添加方法には格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
【0018】
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。水素化により、主鎖又は側鎖に存在する炭素−炭素不飽和結合を部分的に又は全面的に水素化して飽和させる。芳香環を含有するノルボルネン系重合体の場合、水素化により芳香環を水素化してもよいし、主鎖及び側鎖の非芳香族炭素−炭素不飽和結合のみを水素添加してもよい。
【0019】
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系モノマーの付加(共)重合体を用いることができる。
【0020】
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−2568318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系モノマーを、1,2−又は1,4−付加重合させた(共)重合体体及びその水素添加物を用いることができる。
【0021】
ビニル系環状炭化水素系重合体としては、例えば、特開昭51−59989号公報に開示されているビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサン等のビニル系環状炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭63−43910号公報や特開昭64−1706号公報等に開示されているスチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族系重合体の芳香環水素添加物等を用いることができる。
【0022】
主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等を用いることができる。
【0023】
官能基を有する環構造含有重合体樹脂は、例えば、1)前記環構造含有重合体樹脂に官能基を有する化合物を変性反応により導入することによって、2)官能基を含有する単量体を(共)重合することによって、あるいは3)エステル基等の官能基を含有する単量体を(共)重合成分として(共)重合した後、エステル基を加水分解することによって得られる。本発明においては、1)の方法で得られるものが好適である。
上記変性環構造含有重合体樹脂は常法に従い製造することができ、例えば、環構造含有重合体樹脂にイオン反応性の官能基含有不飽和化合物をグラフト変性して得ることができる。
【0024】
イオン反応性の官能基含有不飽和化合物は前記官能基と炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物である。具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸等の不飽和無水カルボン酸化合物;アリルアルコール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−アリロキシフェノール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール化合物;等が挙げられる。これらの中でも不飽和エポキシ化合物や不飽和無水カルボン酸化合物が好ましく、不飽和無水カルボン酸化合物が特に好ましい。
【0025】
イオン反応性の官能基含有不飽和化合物を効率よくグラフト共重合させるためには、通常ラジカル開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。ラジカル開始剤としては、例えば、有機ペルオキシド、有機ペルエステル等が好ましく使用される。これらのラジカル開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ラジカル開始剤の使用割合は、未変性環構造含有重合体樹脂100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜2.5重量部の範囲である。
【0026】
グラフト変性反応には特に限定はなく、常法に従って行うことができる。反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜350℃であり、反応時間は、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜10時間の範囲である。
環構造含有重合体樹脂のグラフト変性物のグラフト変性率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単位数を基準として、通常1〜100モル%、好ましくは5〜70モル%、より好ましくは20〜50モル%の範囲である。変性環構造含有重合体樹脂のグラフト変性率がこの範囲にあるときに、低誘電特性、低吸水性及び耐湿性の特性が高度にバランスされ好適である。
【0027】
ここで、グラフト変性率は、変性率=X×100(%)で表される値であり、1H−NMRを測定し、算出することができる。すなわち、1H−NMR測定データーから官能基含有不飽和化合物由来の水素のピーク面積の総和Aと、官能基を有する環構造含有重合体樹脂のグラフト変性物中の環構造含有重合体由来の水素のピーク面積の総和Bをそれぞれ計算し、その比B/Aを求める。この比は、式:(D−X)/(C×X)=B/Aの関係にあるので、この式からXを求めることができる。ここで、Cは、官能基含有不飽和化合物が重合体に変性されたときに該変性された化合物1分子が有する水素原子の数を表し、Dは環構造含有重合体の単量体1単位が有する水素原子の数を表す。例えば、官能基含有不飽和化合物が無水マレイン酸の場合にはC=3である。また、環構造含有脂重合体がエチルテトラシクロドデセンを開環重合し水素化した重合体である場合にはD=22である。
【0028】
本発明に使用される官能基を有する環構造含有重合体樹脂(グラフト変性物を含む)の分子量は使用目的に応じて適宜選択されるが、トルエン又はテトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,000、より好ましくは20,000〜100,000の範囲である。官能基を有する環構造含有重合体樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、成形性や耐熱性に特に優れ好適である。
【0029】
本発明に使用される官能基を有する環構造含有重合体樹脂のガラス転移温度には格別の制限はないが、通常50℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であるときに、耐熱性に優れ好適である。
これらの官能基を有する環構造含有重合体樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明で使用される硬化剤は格別な限定はなく、通常の硬化性組成物で使用されるものである。硬化剤としては、例えば、イオン性硬化剤、ラジカル性硬化剤等が挙げられるが、密着性及び硬化収縮しない点で、イオン性硬化剤が好適である。
イオン性硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン;ジアミノシクロヘキサン、ジアミノノルボルナン、3(4)、8(9)−ビス(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式ポリアミン;4,4’−アジミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;等のポリアミン、4,4’−ビスアジドベンザル−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルホン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、2,2’−ジアジドスチルベン等のビスアジド化合物;
【0031】
無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸無水物;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸等の多価ジカルボン酸;1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヒドロキノンジヒドロキシジエチルエーテル、トリシクロデカンジメタノール、1,1,1−トリメチロールプロパン等のポリオール;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の多価フェノール;ナイロン−6、ナイロン−66,ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等の多価イソシアネート;フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールF型エポキシ化合物等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキシ化合物等のエポキシ化合物等が挙げられる。
これらの中でも、特に硬化性樹脂が官能基として酸無水物基を有するもののときは、耐熱性、耐溶剤性、保存安定性の観点から、ポリアミン、ポリオール、多価フェノール、エポキシ化合物が好ましく、特に多価エポキシ化合物が好ましい。
【0032】
ラジカル性硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシド、ジクロミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、オクタノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、ペルオキシジカーボネート等の有機過酸化物;等が挙げられる。
【0033】
硬化剤の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50〜4,000、好ましくは100〜3,000、より好ましくは200〜2,000の範囲である。
これらの硬化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化剤の配合割合は、前記官能基を有する環構造含有重合体樹脂100重量部に対して、通常0.1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の範囲である。
【0034】
本発明に使用される液状ゴムは、溶液の不存在下の常温(25℃)で液状のゴムである。液状ゴムの25℃における粘度は、通常0.01〜10,000Pa・s、好ましくは0.05〜1,000Pa・s、より好ましくは0.1〜500Pa・sの範囲である。
液状ゴムの具体例としては、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプレン、液状シリコーンゴム、液状ポリスルフィドゴム、液状フッ素ゴム、液状ポリイソブチレン等が挙げられる。
これらの液状ゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。液状ゴムの配合量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、前記官能基を有する環構造含有重合体樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜70重量部、より好ましくは10〜50重量部の範囲である。液状ゴムの配合量がこの範囲にあるときに、積層性(溶融粘度特性)、絶縁抵抗性、耐熱性及び耐クラック性が高度にバランスされ好適である。
【0035】
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴムを必須の成分として、必要に応じて、その他の重合体やその他の配合剤を配合することができる。
その他の重合体としては、例えば、常温(25℃)で固体状のゴム質重合体及びその他の樹脂等を挙げることができる。
【0036】
常温で固体のゴム質重合体としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン三元共重合体ゴム等のジエン系ゴム;これらジエン系ゴムの水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・その他のα−オレフィン共重合体等の飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・ジエン共重合体等のα−オレフィン・ジエン系重合体ゴム;ウレタンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレンアクリルゴム等の特殊ゴム;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレンの水素添加物・スチレンブロック共重合体ゴム等の熱可塑性エラストマー;ウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリアミド系熱可塑性エラストマー;1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー;等が挙げられる。
【0037】
その他の樹脂としては、例えば、鎖状重合体や官能基を有さない環構造含有重合体等が挙げられる。鎖状重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド;エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。
これらのその他の重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その他の重合体の配合割合は、前記液状ゴム100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下であり、その下限は0重量部である。
【0038】
その他の配合剤としては、硬化促進剤、硬化助剤、フィラー、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、チクソトロピック付与剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、乳剤等が挙げられ、その配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
【0039】
本発明においては、硬化物性をさらに高める上で、硬化促進剤を配合するのが好適である。硬化促進剤としては特に限定されないが、硬化剤が例えば多価エポキシ化合物の場合には、第3級アミン系化合物や三フッ化ホウ素錯化合物等が好適である。中でも、第3級アミン系化合物を使用すると、微細配線に対する積層性、絶縁抵抗性、耐熱性、耐薬品性が向上する。
第3級アミン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン等の鎖状3級アミン化合物;ピラゾール類、ピリジン類、ピラジン類、ピリミジン類、インダゾール類、キノリン類、イソキノリン類、イミダゾール類、トリアゾール類等の含窒素複素環化合物が挙げられる。これらの中でも、イミダゾール類、特に置換基を有するイミダゾール類が好ましい。
【0040】
置換イミダゾール化合物の具体例としては、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、ビス−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2.4−ジメチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のアルキル置換イミダゾール化合物;2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−(2’−シアノエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−[2’−(3”,5”−ジアミノトリアジニル)エチル]イミダゾール等のアリール基やアラルキル基等の環構造を含有する炭化水素基で置換されたイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの中でも、環構造含有の置換基を有するイミダゾール化合物が、前記官能基を有する脂環式オレフィン重合体との相溶性の観点から好ましく、特に、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
これらの硬化促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組合せて用いられる。硬化促進剤の配合量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、前記官能基を有する環構造含有重合体樹脂100重量部に対して、通常0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5重量部である。
【0041】
硬化助剤は、特に限定されるものではない。例えば、キノンジオキシム、ベンゾキノンオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート系硬化助剤;ビニルケトン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン等のビニル系硬化助剤等が挙げられる。これらの硬化助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合割合は、硬化剤100重量部に対して、通常1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部の範囲である。
【0042】
本発明の硬化性組成物は、その使用形態に格別な限定はないが、好ましくは、(1)該硬化性組成物を有機溶媒に溶解又は分散させたワニス、又は(2)該硬化性組成物を成形してなる成形物(特にフィルム又はシート)である。
【0043】
ワニスの調製に使用される有機溶媒としては、例えば、非極性溶媒として、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒等が挙げられ、極性溶媒として、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アニソール等のエーテル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒を挙げることができる。
【0044】
これらの中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンアセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸シクロヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が好ましい。これらの溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの溶媒の中でも、微細配線への埋め込み性に優れ、気泡等を生じさせないものとして、芳香族炭化水素系溶媒や脂環式炭化水素系溶媒のごとき非極性溶媒と、ケトン系溶媒のごとき極性溶媒とを混合した混合溶媒が好ましい。これらの非極性溶媒と極性溶媒の混合比は適宜選択できるが、(非極性溶媒):(極性溶媒)重量比で、通常5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜80:20の範囲である。
有機溶媒の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、硬化性組成物の溶液又は分散液の固形分濃度が、通常5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%になる範囲である。
硬化性組成物の有機溶媒中への溶解又は分散の方法は、常法に従えばよく、例えば攪拌子とマグネチックスタラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロール等を使用した方法等で行うことができる。
【0045】
成形物としてはフィルム又はシートが好ましく、通常の溶液流延法により、例えば、上記ワニスを支持体に塗布した後、溶媒を乾燥除去して得ることができる。塗布方法としては、例えば、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコート等の任意の方法を用いることができる。溶媒の除去乾燥の条件は、溶媒の種類により適宜選択されるが、乾燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好ましくは1分〜30分である。
フィルム又はシートの厚みは、通常0.1〜150μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1.0〜80μmである。
【0046】
使用される支持体としては、樹脂フィルムや金属箔等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、通常、熱可塑性樹脂フィルムが用いられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。これらの樹脂フィルムの中で、耐熱性や耐薬品性、積層後の剥離性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルムが好ましい。金属箔としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔等が挙げられる。導電性が良好で安価であることから、銅箔、特に電解銅箔や圧延銅箔が好適である。支持体の厚さは特に制限されないが、作業性の観点から、通常1μm〜150μm、好ましくは2μm〜100μm、より好ましくは3〜50μmである。
【0047】
本発明の硬化性組成物は、支持体上に積層させた後、硬化させる前の120℃における溶融粘度特性によって特に限定されないが、好適にはレオメトリック社製(型式RDA−II)の動的粘弾性測定装置を用いて測定される値において、通常10,000〜100,000Pa・s、好ましくは15,000〜80,000Pa・s、より好ましくは20,000〜50,000Pa・sのものである。硬化性樹脂組成物層の120℃における溶融粘度特性が過度に小さいと、樹脂層表面の平坦性に劣り、また樹脂組成物がプレス時に染み出し、プレス板を汚染する等の問題を生じることがある。逆に、過度に大きいと配線パターン埋め込み性や平坦性に劣ることがある。
【0048】
本発明の硬化性組成物は、低誘電率特性、低吸水性、耐熱性、埋め込み性及び保存安定性等の特性に優れるので、電子部品用の各種有機材料に好適であり、ワニスやフィルム又はシートの形態として、例えば、プリント配線基板用絶縁材料、ビルドアップ多層配線基板用層間絶縁材料膜、フレキシブルプリント配線基板用絶縁材料膜、LSI、VLSI素子等の半導体素子の層間絶縁材料膜等の絶縁材料;半導体素子用カバーコート材料、保護コート材料、プリント配線基板用ソルダーレジスト材料等に使用できる。また、本発明の硬化性組成物は透明性にも優れるので、液晶ディスプレイ基板用のカラーフィルターやTFTアレイの平坦化膜、各種配線の平坦化膜、液晶ディスプレイ用のセル(隔壁:ポリマーセルともいう)等の材料に使用できる。
【0049】
本発明の回路基板は、電気絶縁層(1)と、その表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板上に本発明の硬化性組成物を硬化させてなる電気絶縁層(2)が形成され、必要に応じて、該電気絶縁層(2)の上に導電体回路(2)が形成されてなるものである。
内層基板の電気絶縁層(1)は、公知の電気絶縁材料、例えば、脂環式オレフィン重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、ポリフェニルエーテル等を硬化してなるもので形成される。本発明においては、電気絶縁層(1)として、前記脂環式オレフィン重合体を含有する硬化性重合体組成物の硬化物からなるものが好適である。また、内層基板は、ガラス繊維、アラミド繊維等を強度向上のために含有させたものであってもよい。
【0050】
導電体回路(1)は、導電性金属等の導電体により形成された電気回路であって、その回路構成等は通常の多層回路基板に用いられているものと同様なものを使用することができる。導電体回路の具体例としては、導電体の厚みが1〜50μm、好ましくは8〜35μm、導電体幅の最小が1〜300μm、好ましくは10〜100μm、導電体間隔の最小が1〜300μm、好ましくは10〜100μmである。
内層基板の具体例としては、プリント配線基板、シリコンウェーハ基板等が挙げられる。内層基板の厚みは、通常50μm〜2mm、好ましくは60μm〜1.6mm、より好ましくは100μm〜1mmである。
【0051】
内層基板上と電気絶縁層(2)との密着力を向上させるために内層基板を前処理することが好ましい。前処理としては、アルカリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液や過マンガン酸等を内層基板表面に接触させて表面を粗化する方法、アルカリ性過硫酸カリウム水溶液、硫化カリウム−塩化アンモニウム水溶液等により表面を酸化した後に還元する方法、及び内層基板の導電体回路部分にメッキを析出させ、粗化する方法等が挙げられる。
【0052】
電気絶縁層(2)を構成する材料は、前記の硬化性組成物の硬化物である。内層基板上に電気絶縁層(2)を形成する方法としては、1)硬化性組成物のワニスを内層基板上に塗布した後、溶媒を除去乾燥して硬化性組成物の塗布層を形成した後、該組成物を硬化させる方法、又は2)硬化性組成物をフィルム又はシートに成形し、そのシート又はフィルムを加熱圧着等により内層基板上に積層させた後に、硬化させる方法が挙げられる。
内層基板上に、硬化性組成物のワニスを塗布して硬化性組成物を積層する場合には、内層基板上に塗布し、溶媒を除去する。塗布方法としては、例えば、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコート等の任意の方法を用いることができる。溶媒の除去乾燥の条件は、溶媒の種類により適宜選択されるが、乾燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好ましくは1分〜30分である。
【0053】
硬化性組成物からなるBステージフィルム又はシートを内層基板上に積層するには、通常支持体付きフィルム又はシートを、該フィルム又はシートが内層基板面に接するように重ね合わせ、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の加圧機を使用して加熱圧着することにより行う。加熱圧着は、配線への埋め込み性を向上させ、気泡等の発生を抑えるために減圧下で行うのが好ましい。加熱圧着時の温度は、通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃、圧着圧力は、通常10kPa〜20Mpa、好ましくは100kPa〜10Mpa、圧着時間は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間であり、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を減圧する。
【0054】
硬化性組成物を硬化させるために、通常、硬化性組成物を加熱する。硬化剤の種類に応じて硬化条件は適宜選択されるが、硬化させるための温度は、通常30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ましくは100〜200℃であり、硬化時間は、通常0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。
前記支持体付きフィルム又はシートを内層基板に積層させた場合には、前記支持体が付いたままで、硬化性組成物からなるフィルム又はシートを加熱し硬化させてもよいが、通常は、前記支持体を剥がした後に硬化性組成物からなるフィルム又はシートを加熱し硬化させる。
【0055】
電気絶縁層(2)上に新たな導電体回路を形成する方法としては、メッキやスパッタリングによる方法等が挙げられる。メッキやスパッタリングを行う前に、電気絶縁層(2)と導電体回路(2)との密着力を高めるために、電気絶縁層(2)の表面を過マンガン酸やクロム酸等の液と接触させ、あるいはプラズマ処理等を施すことができる。
【0056】
一方、前記支持体付きフィルム又はシートを内層基板に積層させた場合は、支持体を全て除去し、該フィルム又はシートを硬化させた後に、メッキやスパッタリング等によって導電体回路(2)を形成させる。支持体が導電性金属箔の場合は、該金属箔を一部又は全部残して、そのまま導電体回路(2)として利用することもできる。
本発明においては、電気絶縁層(2)及び導電体回路(2)を形成して得られた基板を、新たな内層基板として、新たに電気絶縁層及び導電体回路を幾層にも積層することができる。
【0057】
本発明の回路基板は、通常、電気絶縁層(2)で仕切られた導電体回路(1)と導電体回路(2)との間をビアで接続して使用される。ビアは、ドリル、レーザー等の物理的処理等によって形成することもできるし、硬化性組成物をマスキングして光硬化させ、未硬化部分を取り除く、いわゆるフォトリソグラフィーによっても形成することができる。これらのビア形成方法のうち、絶縁層の特性を低下させず、より微細なビアを形成することができるという観点から、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、UV−YAGレーザー等のレーザーによる方法が好ましい。
【0058】
また、上記回路基板は、導電体回路の一部が金属電源層や金属グラウンド層、金属シールド層になっていてもよい。
本発明の回路基板は、コンピューターや携帯電話等の電子機器において,CPUやメモリ等の半導体素子、その他の実装部品を実装するためのプリント配線板として使用できる。特に、微細配線を有するものは、高密度プリント配線基板として、高速コンピューターや高周波領域で使用する携帯端末の配線基板として好適である。
【0059】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中、[部]及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
【0060】
(1)分子量
特に断りのない限り、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値として測定した。
(2)水素化率及びカルボキシル基含有率
1H−NMRスペクトルの測定により求めた。
(3)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量法(DSC法)により測定した。
(4)誘電率
JPCA−BU01に定める誘電率測定方法に従い、比誘電率(ε)を測定し、εが3.3以下の場合を◎、εが3.3を超え3.8以下の場合を○、εが3.8を超え4.0以下の場合を△、εが4.0を超えている場合を×として評価した。
(5)絶縁性
多層回路基板の2層目の電気絶縁層上に、配線間隔距離50ミクロン、配線幅50ミクロンの櫛形電極を形成した後、直流電圧50Vを印加した状態で、120℃、飽和水蒸気条件下に放置し、300時間後に電気抵抗値を測定した。電気抵抗が109Ω以上のものは◎、108Ω以上で109未満のものは○、108未満で短絡していないものは△、短絡しているものは×と評価した。
(6)密着性
多層回路基板を121℃の飽和水蒸気条件下で100時間処理した後、JISK 5400に従い碁盤目密着性試験を行い、JIS K 5400に定める評価点を以下の基準にて評価した。
○:8点以上、△:8点未満4点以上、×:4点未満
(7)厚みばらつきの評価
得られた多層回路基板の配線板を切断し、その断面を走査型顕微鏡にて、内層回路基板において電気絶縁層(1)上に導電体回路(1)が有る部分と、導電体回路(1)が無い部分とをそれぞれ50ヶ所選択し、内層回路基板の電気絶縁層(1)の表面から、電気絶縁層(1)に積層された電気絶縁層(2)の表面までの距離(導電体回路(1)がある部分においては電気絶縁層(2)と導電体回路(1)との合計厚さになる。導電体回路(1)が無い部分においては電気絶縁層(2)のみの厚さになる。)を測定し、導電体回路(1)が有る部分及び導電体回路(1)が無い部分の測定値の平均をそれぞれ求め、それら平均値の差が3ミクロン以下のものは○、3ミクロンを超え5ミクロン以下のものは△、5ミクロンを超えるものは×とした。
(8)インピーダンスばらつきの評価
内層回路にグラウンド層パターンを形成し、積層した絶縁層上に伝送線路を形成させた50本のマイクロストリップラインを用いて特性インピーダンスを時間領域ネットワーク解析法にて測定し、その最大と最小の差が測定した特性インピーダンスの平均の10%以内のものを○、10%を超え15%以内のものを△、15%を超えるものを×とした。
【0061】
(実施例1)
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エンを開環重合し、次いで水素添加反応を行い、数平均分子量(Mn)=31,200、重量平均分子量(Mw)=55,800、Tg=約140℃の水素化重合体を得た。得られたポリマーの水素添加率は99%以上であった。
得られた重合体100部、無水マレイン酸40部及びジクミルパーオキシド5部をt−ブチルベンゼン250部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を1000部のイソプロピルアルコール中に注ぎ、反応性生物を凝固させマレイン酸変性水素化重合体を得た。この変性水素化重合体を100℃で20時間真空乾燥した。この変性水素化重合体の分子量はMn=33,200、Mw=68,300で、Tgは170℃であった。また、マレイン酸基含有率は25モル%であった。
【0062】
前記変性水素化重合体100部、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート50部、ジクミルペルオキシド5部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール0.03部、平均粒径3μmのポリリン酸メラミン塩30部、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール5部及び25℃における粘度が0.28Pa・sである液状ポリブタジエン20部を、キシレン170部及びシクロペンタノン110部からなる混合溶媒に溶解させてワニスを得た。
【0063】
該ワニスをダイコーターを用いて、300mm角の厚さ40ミクロンのポリエチレンナフタレートフィルム(キャリアフィルム)に塗工し、その後窒素オーブン中で100℃で10分間乾燥させて、樹脂厚み40ミクロンのキャリアーフィルム付きドライフィルムを得た。
【0064】
配線幅及び配線間隔が75μm、導体厚みが18μmで、表面がマイクロエッチング処理された内層回路が形成された厚さ0.8mmの両面銅張り基板(ガラスフィラー及びハロゲン不含エポキシ樹脂を含有するワニスをガラスクロスに含浸させて得られたもの)上に、前述のキャリアーフィルム付きドライフィルムを樹脂面が内側となるようにして両面銅張り基板両面に重ね合わせた。これを、一次プレスとして耐熱ゴム製プレス板を上下に備えた真空積層装置を用いて、200Paに減圧して、温度110℃、圧力0.5MPaで60秒間加熱圧着した。次いで、二次プレスとして耐熱ゴム製プレス板を上下に備えた真空積層装置を用いて、200Paに減圧して、温度140℃、圧力1.0MPaで60秒間加熱圧着した。そして、ポリエチレンナフタレートフィルムのみを剥がし、150℃の窒素オーブン中で120分間放置し、内層基板上に電気絶縁層を形成した。
【0065】
得られた積層版の絶縁層部分に、UV−YAGレーザーを用いて直系30ミクロンの層間接続のビアホールを形成した。次いで、前記積層板を水洗、乾燥させた後、1000Wのアルゴンプラズマに10分間さらした。
次に該積層板を銅スパッタ処理し、ビアホールの壁面及び積層板表面全面に厚さ0.1ミクロンの銅の薄膜を形成させた。
この積層板表面に市販の感光性ドライフィルムを熱圧着して貼り付け、さらに、このドライフィルム上に所定のパターンのマスクを密着させ露光した後、現像してレジストパターンを得た。次にレジスト非形成部分に電解銅メッキを施し厚さ12ミクロンの電解銅メッキを膜を形成させた。次いで、レジストパターンを剥離液にて剥離除去し、レジスト形成部分の下に隠れていたスパッタ銅薄膜を塩化第二銅と塩酸混合溶液により除去して配線パターンを形成した。そして,最後に、170℃で30分間アニール処理をして回路基板を得た。
【0066】
一方、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン0.1部をイソプロピルアルコール100部に溶解させ、導電体層前処理溶液を得た。前述までで得られた回路基板を導電体層前処理溶液に室温で1分間浸漬させた後、90℃で15分間乾燥させた。この処理を施した回路基板を前述のコア基板として使用し、前記と同様にして絶縁層、導電体層を繰り返し形成し、両面計6層の多層回路基板を得た。
【0067】
(比較例1)
実施例1で使用した液状ポリブタジエンを用いない以外は実施例1と同様にして多層回路基板を得た。
(比較例2)
比較例1で2次プレスの時間を600秒とする以外は実施例1と同様にして多層回路基板を得た。
実施例及び比較例で得られた多層回路基板を用いて各種評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の硬化性組成物によれば、密着性が高く、絶縁性に優れた多層回路基板を容易に得ることができる。また、本発明の硬化性組成物は積層性がよく、短時間の積層が可能で生産性に優れる。さらに、本発明の硬化性組成物を用いることによって、ばらつきが少なく、インピーダンスばらつきも小さい絶縁層を得ることができる。したがって、本発明の回路基板は、コンピューターや携帯電話等の電子機器において、CPUやメモリ等の半導体素子、その他の実装部品を実装するための信号安定性に優れた高密度の多層回路基板作製が可能である。
Claims (3)
- 酸無水物基及びカルボキシル基の少なくとも一方の官能基を有する、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物である環構造含有重合体樹脂100重量部、エポキシ化合物である硬化剤0.1〜200重量部、環構造含有の置換基を有するイミダゾール化合物である硬化促進剤0.001〜30重量部、及び液状ポリブタジエンである液状ゴム1〜100重量部を含有してなる硬化性組成物。
- 支持体と、該支持体上に、請求項1に記載の硬化性組成物を積層し、該硬化性組成物を硬化させてなる硬化性組成物層を有する絶縁材料。
- 電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板と、該内層基板上に、請求項1に記載の硬化性組成物を積層し、該硬化性組成物を硬化させてなる硬化性組成物層を有する回路基板。
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