JP6328938B2 - エラストマー組成物、フィルムおよび半導体装置 - Google Patents

エラストマー組成物、フィルムおよび半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、エラストマー組成物、フィルムおよび半導体装置に関する。
電子機器の小型化、薄型化、軽量化、高機能化に伴い、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit、以下FPCという)が広く用いられている。FPCは、絶縁性のフィルム(ベースフィルム)上に回路パターンを形成する導体を貼り合わせ、さらに回路パターン上に保護層(カバーレイ)を形成した構造を有している。カバーレイには、絶縁性、ベースフィルムとの接着性といった特性が要求される。さらに、FPCにおける信号の高周波化に伴い、カバーレイは、良好な高周波特性(低誘電率、低誘電正接)を有していることが要求される。特許文献1および2は、カバーレイとして用いられるフィルム状の樹脂組成物を開示している。
国際公開2008−18483号 特開2011−68713号公報
ベースフィルムには種々の材料が用いられるが、中でもポリイミドが広く用いられている。従来のカバーレイは、ポリイミドに対する接着性が十分でなかった。
本発明は、ポリイミドに対し良好な接着強度を有し、かつ、良好な高周波特性を有するエラストマー組成物を提供する。
本発明は、(A)スチレン系熱可塑性エラストマーと、(B)エポキシ樹脂と、(C)両末端にスチレン基を有するポリフェニレンエーテルオリゴマーと、(D)液状ゴムとを有し、前記(A)成分と前記(B)成分の合計に対し、前記(A)成分が70〜95質量%含まれ、前記(A)、(B)、および(C)成分の合計に対し、前記(C)成分が10〜40質量%含まれることを特徴とするエラストマー組成物を提供する。
前記(A)成分は、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンであってもよい。
前記(D)成分は、スチレン・ブタジエン系の液状ゴムであってもよい。
このエラストマー組成物は、1GHz以上の周波数における比誘電率が3.0以下であってもよい。
このエラストマー組成物は、(E)イミド基を有する化合物を含んでもよい。
前記(E)成分は、マレイミド化合物およびイミドアクリレート化合物の少なくとも一方を含んでもよい。
このエラストマー組成物は、(F)有機過酸化物を含んでもよい。
このエラストマー組成物は、(G)式(1)のホスフィン酸金属塩を含んでもよい。
Figure 0006328938
また、本発明は、上記いずれかのエラストマー組成物で形成されたフィルムを提供する。
さらに、本発明は、上記のフィルムを用いた半導体装置を提供する。
本発明によれば、ポリイミドに対し良好な接着強度を有し、かつ、良好な高周波特性を有するエラストマー組成物を得ることができる。
本発明に係るエラストマー組成物は、(A)スチレン系熱可塑性エラストマーと、(B)エポキシ樹脂と、(C)両末端にスチレン基を有するポリフェニレンエーテルオリゴマーと、(D)液状ゴムとを含む。
(A)成分のスチレン系熱可塑性エラストマーとは、スチレン、その同族体もしくはその類似体を含有する熱可塑性エラストマーをいう。(A)成分としては、例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEEPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、およびポリブタジエン(PB)が挙げられる。ここで例示した化合物は単独で用いられてもよいし、2つ以上のものが混合して用いられてもよい。ポリイミドに対する接着強度向上の観点からは、(A)成分がSEEPSを含むことが好ましい。(A)成分中のSEEPSの量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。(A)成分は、(A)成分と(B)成分との合計に対し70〜95質量%含まれることが好ましい。すなわち、(A)成分と(B)成分との質量割合は95:5〜70:30の範囲にあることが好ましい。(A)成分が多すぎると成形性が悪化する。(A)成分が少なすぎると高周波特性が悪化し、さらに成形性も悪化する。また、(A)成分としては、高周波特性の観点から比誘電率が3.0以下のものを用いることが好ましい。
(B)成分のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、シロキサン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、およびナフタレン環含有エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂組成物において、ここで例示した化合物は単独で用いられてもよいし、2つ以上のものが混合して用いられてもよい。なお、フィルムの成形性の観点から、(B)成分のエポキシ樹脂は液状であることが好ましい。
(C)成分のポリフェニレンエーテルオリゴマーとしては、例えば、式(2)で示されるビニル化合物が用いられる。式(2)のビニル化合物は、数平均分子量が500〜5000であることが好ましく、1000〜3500であることがより好ましい。
Figure 0006328938
式(2)中、R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基である。これらの中でも、R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9が水素原子であることが好ましい。
式(2)のうち、−(O−X−O)−は式(3)で示される。
Figure 0006328938
式(3)中、R10,R11,R12,R15,R17は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。これらの中でも、R10,R11,R12,R15,R17が炭素数6以下のアルキル基であることが好ましい。R13,R14,R16は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。これらの中でも、R13,R14,R16は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基であることが好ましい。
式(2)において、−(Y−O)−は次式(4)で定義される1種類の構造、または下記構造式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。これらの中でも、−(Y−O)−は下記構造式(4)で定義される1種類の構造が配列したものであることが好ましい。
Figure 0006328938
式(4)において、R19,R21は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。これらの中でも、R19,R21が炭素数6以下のアルキル基であることが好ましい。R18,R20は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。これらの中でも、R18,R20が水素原子または炭素数3以下のアルキル基であることが好ましい。
式(2)において、Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。これらの中でも、Zがメチレン基であることが好ましい。d,eは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示す。c,fは、0または1の整数を示す。これらの中でも、c,fが1であることが好ましい。
これらのなかでも好ましくは、R10,R11,R12,R15,R17は炭素数3以下のアルキル基、R13,R14,R16は水素原子または炭素数3以下のアルキル基、R19,R21は炭素数3以下のアルキル基、R18,R20は水素原子である。
また、式(2)における−(O−X−O)−は、次式(5)で示されることが好ましい。
Figure 0006328938
また、式(2)における−(Y−O)−が式(6)、若しくは、式(7)で示される構造、または、式(6)で示される構造および式(7)で示される構造がランダムに配列した構造を有することが好ましい。これらの中でも、−(Y−O)−は下記構造式(7)で定義される構造が配列した構造を有することが好ましい。
Figure 0006328938
Figure 0006328938
(D)成分としては、例えば、液状ジエン系ゴム、液状ウレタン系ゴム、液状シリコーン系ゴムが挙げられる。(D)成分を添加することにより、樹脂組成物の成形性を向上させることができる。具体的には、例えばフィルムに成形するための乾燥時に亀裂が発生するのを防止することができる。高周波特性の観点からは、スチレン−ブタジエン系の液状ゴムを使用することが好ましい。また、(D)成分は、−COO−、−CN−、−OHといったモル分極率の高い官能基を含まないことが好ましい。これらの官能基を含まない(D)成分を用いることで、エラストマー組成物の低誘電率化につながるためである。(D)成分は、(A)〜(D)の合計量(エラストマー組成物が後述の(E)〜(I)を含む場合には(A)〜(I)成分の合計量)に対し、5〜15質量%含まれることが好ましく、8〜12質量%含まれることがより好ましい。
(C)成分は、(A)、(B)、および(C)成分の合計に対し、10〜40質量%含まれることが好ましい。(C)成分が少なすぎると成形性が悪化する。(C)成分が多すぎると相対的に(A)成分及び(B)成分の量が減少するため、接着性が悪化する。また、(C)成分としては、高周波特性の観点から比誘電率が3.0以下のものを用いることが好ましい。
エラストマー組成物は、上記の(A)〜(D)成分に加えて、(E)イミド基を有する化合物、(F)有機過酸化物、(G)のホスフィン酸金属塩、(H)触媒、および(I)シランカップリング剤のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。また、これらの成分の他、Al23やSiO2等の絶縁材料で形成された無機フィラーを含んでいてもよい。さらに、エラストマー組成物は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられる、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤を含んでもよい。
(E)成分としては、イミド基を有する化合物であればどのようなものが用いられてもよい。例えば、マレイミド化合物およびイミドアクリレート化合物の少なくとも一方を含む化合物が用いられてもよい。より具体的には、(E)成分は、例えば式(8)〜(11)のマレイミド化合物いずれかであってもよい。(E)成分を添加することにより、誘電特性を維持しつつポリイミドとの接着性を強化することができる。(E)成分は、(A)〜(E)の合計量(エラストマー組成物が(F)〜(I)を含む場合には(A)〜(I)成分の合計量)に対し、5〜25質量%含まれることが好ましい。
Figure 0006328938
ここで、R22〜R29は、それぞれ水素原子、または炭素数6以下のアルキル基もしくはフェニル基である。Bは単結合または炭素数20以下の2価の炭化水素基または酸素原子である。R22〜R29は互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006328938
ここで、R30〜R37は、それぞれ水素原子、または炭素数6以下のアルキル基である。Dは単結合または炭素数20以下の2価の炭化水素基である。R30〜R37は互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006328938
ここで、R38〜R48は、それぞれ水素原子、または炭素数6以下のアルキル基である。R38〜R48は互いに同一であっても異なっていてもよい。gは1〜20の整数である。
Figure 0006328938
ここで、Eは炭素数20以下の2価の脂肪族炭化水素基である。
(F)成分としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。(F)成分を添加することにより、熱硬化性樹脂の反応を促進することができ、反応性を安定させることができる。本発明のエラストマー組成物をフィルム化して使用することを考慮すると、(F)成分としては、フィルム化の乾燥工程の60〜120℃の温度域では活性化せず、それ以上の温度域で活性化するものが好ましい。そのような(F)成分としては、t−ブチルパーオキシベンゾエートが挙げられる。
(G)成分としては、例えば式(1)の化合物が用いられる。(G)成分を添加することにより、高周波特性および接着性を損なわずに難燃性を向上させることができる。
Figure 0006328938
ここで、R1、R2は、それぞれ、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。aおよびbは、1〜9の整数である。Mは、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ge、Sn、Sb、Bi、Zn、Ti、Zr、Mn、Fe、またはCeである。(G)成分としては、特にホスフィン酸アルミニウムが好ましい。さらに、ホスフィン酸アルミニウムのうち、ジアルキルホスフィン酸アルミニウムであることが好ましく、ジエチルホスフィン酸アルミニウムであることがより好ましい。
(H)成分は、エポキシ樹脂の硬化を促進する触媒である。(H)成分としては、例えば、イミダゾール系硬化触媒、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒等が挙げられる。イミダゾール系硬化触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。中でも、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、および、1−シアノエチル−2−エチル−4−イミダゾールが好ましい。アミン系硬化触媒としては、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン等のトリアジン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン化合物が挙げられる。中でも、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジンが好ましい。また、リン系硬化触媒としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール系硬化触媒が、有機成分のみで低温硬化促進させることから特に好ましい。
このエラストマー組成物は、フィルム状に加工され、例えば、FPCのカバーレイとして用いられる。あるいは、このフィルムは、多層FPCにおいて、層間接着剤として用いられる。さらに、このフィルムは、FPC以外の硬質基板における実装に用いられてもよい。すなわち、フィルム状のエラストマー組成物を用いて、半導体装置を製造することができる。
(1)試料の作製
表1および表2は、実施例1〜11および比較例1〜7のエラストマー組成物の組成、並びに後述する評価の結果を示す。表1および表2において、エラストマー組成物の組成は質量部で表されている。
(A)成分としては、エラストマーa1およびa2が用いられた。エラストマーa1としては、株式会社クラレ製のセプトン(登録商標)4044(SEEPS)が用いられた。エラストマーa2としては、旭化成ケミカルズ株式会社製のタフテック(登録商標)H1052(SEBS)が用いられた。
(B)成分としては、エポキシ樹脂b1、b2、およびb3が用いられた。エポキシ樹脂b1としては、三菱化学株式会社製のエピコート828(ビスフェノールA型、液状)が用いられた。エポキシ樹脂b2としては、DIC株式会社製のHP4032D(ナフタレン環含有、液状)が用いられた。エポキシ樹脂b3としては、日本化薬株式会社製のNC3000H(ビフェニル型、固形)が用いられた。
(C)成分としては、三菱瓦斯化学株式会社製のOPE−2St 2200が用いられた。OPE−2St 2200は、式(2)で表され、−(O−X−O)−が式(5)、−(Y−O)−が式(7)で表され、c及びdが0〜100であって、数平均分子量2250である。
(D)成分としては、液状ゴムd1、d2が用いられた。液状ゴムd1としては、株式会社クラレ製のL−SBR−820(スチレン・ブタジエン系)が用いられた。液状ゴムd2としては、株式会社クラレ製のLIR−403(イソプレン系)が用いられた。
(E)成分としては、イミド化合物e1およびe2が用いられた。イミド化合物e1としては、ケイ・アイ化成株式会社製のBMI−70(ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン)が用いられた。イミド化合物e2としては、東亞合成株式会社製のM−140(N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド)が用いられた。
(F)成分としては、日油株式会社製のパーブチル(登録商標)Z(t−ブチルベンゾイルペルオキシド)が用いられた。(G)成分としては、クラリアントジャパン株式会社製のOP935が用いられた。(H)成分としては、触媒h1、h2が用いられた。触媒h1としては、四国化成工業株式会社製の1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール)が用いられた。触媒h2としては、四国化成工業株式会社製の2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)が用いられた。(I)成分としては、信越化学工業株式会社製のKBM−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)が用いられた。
表1および表2の配合割合で各成分を計量および配合した後、(F)成分及び(H)成分を除いた各成分とトルエンを80℃に加温された反応釜に投入した。反応釜において、回転数150rpmで回転させながら、常圧で3時間、混合した。混合後、冷却し、(F)成分及び(H)成分を加えた。こうして得られたエラストマー組成物のワニスを支持体の片面に塗布した。支持体としては、離型処理を施したPET(Polyethylene terephthalate)フィルムを用いた。塗布したワニスを90℃で乾燥させ、支持体上においてフィルム状に成形した。フィルムの厚さは約20〜25μmであった。以下、フィルム状に加工したエラストマー組成物を「接着フィルム」という。
(2)評価
作製した接着フィルムについて以下の評価を行った。
(2−1)成形性
支持体上に形成された接着フィルムを目視で外観観察し、割れの発生していたものを不良品(×)、それ以外を良品(○)と判断した。
(2−2)高周波特性
接着フィルムを200℃で加熱硬化させ、支持体から剥離した後、試験片を切り出した。試験片のサイズは40±0.5mm×100±2mmであった。試験片の厚みを測定した後、試験片を長さ100mm、直径2mm以下の筒状に丸めて、空洞共振摂動法により、誘電率εおよび誘電正接tanδを測定した。測定には、共振周波数が2GHz帯の共振器を用いた。
(2−3)ピール強度(引きはがし強度)
接着性の評価のため、JIS C6471に従ってピール強度を測定した。銅箔(福田金属箔粉工業株式会社製CF−T9FZ−SV)の粗化面上に接着フィルムを載せ、その上にポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製50EN)を載せて重ね合わせた後、プレス機で熱圧着させた(200℃、60min、10kgf)。この試験片を10mm幅にカットし、オートグラフで接着フィルムをポリイミドフィルムから引きはがし、ピール強度(180°方向引きはがし)を測定した。表1および表2には5つの試験片における測定結果の平均値を記載した。
(2−4)評価結果
Figure 0006328938
Figure 0006328938
実施例1〜3は、(A)、(B)、(C)、および(D)成分を含む例である。具体的には、実施例1〜3は、(A)、(B)、および(D)成分として、エラストマーa1、エポキシ樹脂b1、液状ゴムd1を含む。実施例4は、実施例3に対して(A)成分を、エラストマーa1単体からエラストマーa1およびa2の混合物に変更した例である。実施例5は、実施例3に対して(E)成分としてイミド化合物e1を添加した例である。実施例6は、実施例5に(F)成分を添加した例である。実施例7は、実施例6に対して(A)成分の含有量を増やした例である。実施例8は、実施例6に対して(B)成分をエポキシ樹脂b2に変更した例である。実施例9は、実施例6に対して(G)成分を添加した例である。実施例10は、(E)成分としてイミド化合物e2を用いた例である。実施例11は、(D)成分として液状ゴムd2を用いた例である。なお実施例10および11は、(B)成分としてエポキシ樹脂b3を用いている。
比較例1は、(A)、(B)、および(C)成分の合計に対する(C)成分の含有量が40質量%を超えた例である。比較例2および3は、(A)、(B)、および(C)成分の合計に対する(C)成分の含有量が10質量%を下回った例である。比較例4および5は、(A)および(B)成分の合計に対する(A)成分の割合が95質量%を超えた例および70質量%を下回った例である。比較例6および7は、(D)成分を含まない例である。
成形性の試験において、実施例1〜11はいずれも良好な成形性を示したが、比較例2、3、および5はいずれも不良が発生した。なお成形性の不良により、高周波特性およびピール強度の測定ができなかったものは、表2において「不可」と記載した。
高周波特性の試験において、実施例1〜11はいずれも、比誘電率は3.0を下回り(より詳細には2.6を下回っている)、また誘電正接は0.0032〜0.0047であり、良好な特性を示した。
ピール強度試験において、実施例1〜11はいずれもピール強度が5N以上であり、ポリイミドに対する接着性が優れていた。また、(E)成分を含む実施例では、さらに接着性の向上が確認された。

Claims (10)

  1. (A)スチレン系熱可塑性エラストマーと、
    (B)エポキシ樹脂と、
    (C)両末端にスチレン基を有するポリフェニレンエーテルオリゴマーと、
    (D)液状ゴムと
    を有し、
    前記(A)成分と前記(B)成分の合計に対し、前記(A)成分が70〜95質量%含まれ、
    前記(A)、(B)、および(C)成分の合計に対し、前記(C)成分が10〜40質量%含まれる
    ことを特徴とするエラストマー組成物。
  2. 前記(A)成分は、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のエラストマー組成物。
  3. 前記(D)成分は、スチレン・ブタジエン系の液状ゴムである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエラストマー組成物。
  4. 1GHz以上の周波数における比誘電率が3.0以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
  5. (E)イミド基を有する化合物を含む
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
  6. 前記(E)成分は、マレイミド化合物およびイミドアクリレート化合物の少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載のエラストマー組成物。
  7. (F)有機過酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
  8. (G)式(1)のホスフィン酸金属塩を含む
    Figure 0006328938
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のエラストマー組成物で形成されたフィルム。
  10. 請求項9に記載のフィルムを用いた半導体装置。
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