JP2023070764A - 熱硬化性マレイミド樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性マレイミド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ワニス状で濁りや分離がなく、優れた誘電特性を有し、LCPやMPIなど有機樹脂及び銅に対しても強い接着力を有する硬化物を与える熱硬化性マレイミド樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)両末端に反応性官能基を有するスチレン系エラストマー、(B)下記式(1)で表されるマレイミド化合物TIFF2023070764000011.tif41132(式(1)中、R1はダイマー酸骨格に由来する二価の炭化水素基を示す。)、(C)1分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂、及び(D)アニオン重合開始触媒を含み、(A)成分と(B)成分の比率(質量比(A)/(B))が2~20である熱硬化性マレイミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性マレイミド樹脂組成物、その樹脂組成物からなる未硬化及び硬化樹脂フィルム、接着剤、封止材並びに熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含む基板に関する。
近年、5Gという次世代の移動通信システムが流行しており、高速、大容量、低遅延通信を実現しようとしている。これらを実現するためには、高周波帯用の材料が必要であり、ノイズ対策として伝送損失の低減が必須となるために、誘電特性の優れた(低比誘電率かつ低誘電正接)絶縁材料の開発が求められている。
その中でも基板用途で、このような誘電特性の優れた絶縁材料が求められている。リジッド基板やフレキシブル基板などの基板に対して誘電特性の優れた絶縁材料が求められており、リジッド基板では反応性ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、フレキシブルプリント基板(FPC)では液晶ポリマー(LCP)や特性を改良した変性ポリイミド(MPI)と呼ばれる製品が使用されるようになってきている。
上記のFPCを製造する際、ベースフィルムやカバーレイフィルムを、配線部分を有する面などに熱プレス等を用いて貼りつけるための接着剤が必要である。従来は、エポキシ樹脂を主に使用した接着剤を用いているが、最近は接着剤も誘電特性の優れた材料が求められるようになってきている。
このような背景から、誘電特性が優れる接着剤が報告されているが(例えば、特許文献1~4)、その多くは、エポキシ樹脂、その他の熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の組合せである。これらの組成は周波数10GHz以下の領域では優れた誘電特性を有するが、5Gではさらにミリ波と呼ばれる28GHz以上の周波数領域での誘電特性を有することが求められており、従来の誘電特性に優れると言われた接着剤は、現在ではまだ十分な誘電特性とは言えないものが多い。
また、特殊なマレイミド化合物と熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物が優れた高周波特性を備え、導体との接着性をも高い水準で備える組成物として開示されている(特許文献5)。
特開2008-248141号公報 特開2011-68713号公報 国際公開第2016-17473号 特開2016-79354号公報 国際公開第2018-16489号
しかしながら、特許文献5に記載の樹脂組成物は、ワニス状で互いの樹脂の相溶性がなく、ワニスの分離が生じてしまい、樹脂フィルムが得られなかったり、仮に樹脂フィルムが得られても接着性が発現しなかったりすることが確認され、基板用途に適さないことがわかった。
従って、本発明は、ワニス状で濁りや分離がなく、優れた誘電特性を有し、LCPやMPIなど有機樹脂及び銅に対しても強い接着力を有する硬化物を与える熱硬化性マレイミド樹脂組成物並びにそれからなる未硬化及び硬化樹脂フィルム、接着剤、基板、また熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含む基板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記熱硬化性マレイミド樹脂組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
<1>
(A)両末端に反応性官能基を有するスチレン系エラストマー、
(B)下記式(1)で表されるマレイミド化合物、
Figure 2023070764000001
(式(1)中、R1はダイマー酸骨格に由来する二価の炭化水素基を示す。)
(C)1分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂
及び
(D)アニオン重合開始触媒
を含み、(A)成分と(B)成分の比率(質量比(A)/(B))が2~20である熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
<2>
(A)成分のスチレン系エラストマーが、スチレンと、アルケン及び/又は非共役ジエンとの共重合体であって、その両末端の反応性官能基が、アミノ基、カルボキシル基及びビニル基のうち少なくとも一種を含むものである<1>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
<3>
(D)成分がイミダゾール化合物、リン系化合物及びアミン化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である<1>または<2>に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
<4>
<1>~<3>のいずれかに記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物からなる未硬化樹脂フィルム。
<5>
<1>~<3>のいずれかに記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂フィルム。
<6>
<1>~<3>のいずれかに記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物からなる接着剤。
<7>
<1>~<3>のいずれかに記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物からなる封止材。
<8>
<1>~<3>のいずれかに記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含有する基板。
本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、ワニスにしても分離や濁りが生じず、その硬化物は誘電特性と接着力に優れるものであり、特にLCP及びMPIなどの有機樹脂並びに銅に対して強い接着力を有する。従って、本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、特に、FPC用材料として有用である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)両末端に反応性官能基を有するスチレン系エラストマー
(A)成分のスチレン系エラストマーは主に、組成物の硬化物の高周波での誘電特性、耐熱性及び接着性向上、並びに組成物をフィルム化した際の柔軟性向上に寄与し、スチレン系化合物由来の構造単位を有し、両末端に反応性の官能基を有する熱可塑性エラストマーであれば特に制限はなく、スチレン由来の構造単位を有する熱可塑性エラストマーであってもよい。
本発明においてスチレン系エラストマーは、スチレンと、アルケン及び/又は非共役ジエンとの共重合体であって、部分又は完全水添されている共重合体であることが好ましい。すなわち、スチレンをハードセグメント、アルケン及び/又は非共役ジエンをソフトセグメントとしたブロック共重合体及び/又はランダム共重合体であり、スチレン系エラストマーの例としては、スチレン/ブタジエン/スチレン・ブロック/ランダム共重合体、スチレン/イソプレン/スチレン・ブロック/ランダム共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン・ブロック/ランダム共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン・ブロック/ランダム共重合体、スチレン/ブタジエン・ブロック/ランダム共重合体などが挙げられる。品質の安定性からブロック共重合体が好ましい。
耐熱性の観点から、水素添加反応(水添)により共役ジエン成分の二重結合をなくした、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン・ブロック/ランダム共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン・ブロック/ランダム共重合体、スチレン/ブタジエン・ブロック/ランダム共重合体などを用いることが好ましい。水添は部分水添でも完全水添でもよいが、耐熱性の観点から完全水添又は水添率の高いものがより好ましい。
スチレン共重合体におけるスチレン/共役ジエン及びその二重結合を水添した部分の質量比は、10/90~70/30であることが好ましく、20/80~67/33がより好ましい。当該質量比がこの範囲内であれば、相溶性、分散性に優れて、品質の安定した組成物とすることができる。すなわち、スチレン系エラストマー中の質量基準のスチレン含有率として、10~90%であることが好ましく、20~67%であることがより好ましい。
また、(A)成分のスチレン系エラストマーの両末端は、アミノ基、カルボキシル基及びビニル基のうち少なくとも一種の反応性官能基によって変性されたものである。これによって、(A)成分は後述する(B)成分と反応し、耐熱性に優れた硬化物が得られる。スチレン系エラストマーの変性は、例えば、スチレン系エラストマーの重合時に、不飽和カルボン酸を共重合させることにより行うことができる。また、スチレン系エラストマーと不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混練することにより行うこともできる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸等を挙げることができる。スチレン系エラストマーをアミン変性する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、アミノ基を含有する不飽和単量体をスチレン系エラストマーと共重合することにより行うことができる。また、アミノ基を含有する重合開始剤を用いて重合することによってアミン変性を行うこともできる。
(A)成分の数平均分子量(Mn)は、10,000~300,000であることが好ましく、10,000~200,000であることがより好ましい。数平均分子量が上記範囲内であれば、得られる組成物が優れたフィルム性を有し、(B)成分及び(C)成分などの他の成分との相溶性、分散性に優れ、良好な接着性を示す。
なお、本明細書中で言及する数平均分子量とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした数平均分子量を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.35mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolumn SuperH-L
TSKgel SuperHZ4000(4.6mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperHZ3000(4.6mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperHZ2000(4.6mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:5μL(濃度0.2質量%のTHF溶液)
(A)成分のスチレン系エラストマーは市販されたものを用いてもよい。具体例としては、旭化成社製のタフテックシリーズや、クレイトン社製のFGシリーズなどが挙げられる。なお、本発明の組成物には、スチレン系エラストマーを1種単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物中、(A)成分の配合量は、60~99質量%であることが好ましく、65~95質量%であることがより好ましく、70~93質量%であることが更に好ましい。
(B)マレイミド化合物
本発明で用いる(B)成分は、下記式(1)で表されるマレイミド化合物であり、好ましくはダイマージアミンとマレイン酸無水物の反応物であるマレイミド化合物である。(B)成分は熱硬化性樹脂であり、(A)成分と反応することから、耐熱性と機械特性が良好となり、信頼性の高い組成物となる。加えて(B)成分はダイマー酸骨格に由来する二価炭化水素基を有しているために誘電特性が良好である。そのため組成物は優れた誘電特性を示す。
Figure 2023070764000002
(式(1)中、R1はダイマー酸骨格に由来する二価の炭化水素基を示す。)
ダイマー酸とは植物系油脂などの天然物を原料とする炭素数18の不飽和脂肪酸の二量化によって生成された、炭素数36のジカルボン酸を主成分とする液状の脂肪酸であり、ダイマー酸は単一の骨格ではなく、複数の構造を有し、何種類の異性体が存在する。ダイマー酸の代表的なものは直鎖型(a)、単環型(b)、芳香族環型(c)、多環型(d)という名称で分類される。
本明細書において、ダイマー酸骨格とは、このようなダイマー酸のカルボキシ基を1級アミノメチル基で置換した構造を有するダイマージアミンから誘導される基をいう。ダイダイマー酸骨格に由来する二価炭化水素基としては下記の構造を例示することができるがこれらに限定されるものではない。
また、(B)成分が有するダイマー酸骨格に由来する二価の炭化水素基は、水添反応により、該ダイマー酸骨格由来の炭化水素基中の炭素-炭素二重結合が低減した構造を有するものが、硬化物の耐熱性や信頼性の観点からより好ましい。
Figure 2023070764000003
(B)成分として式(1)の構造以外のマレイミド化合物を使用した場合、(A)成分との相溶性が低下するためにワニス状としたときに濁りや分離が発生する。それによって組成物内にムラが発生し、組成物の特性のばらつきが発生するおそれがある。
前記(A)成分と(B)成分の質量比率((A)/(B))は2~20であり、3~15であることが好ましい。この比率が20より大きいと、液状成分が多くなることからフィルム性が低下するおそれがある。反対に2よりも小さいと、熱硬化性成分が少なくなるために耐熱性が低下するおそれがある。
(C)1分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂
本発明で用いる(C)成分は、1分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の流動性や機械特性を向上させたり、LCPやMPIなどの有機樹脂に対する接着力を向上させたりする。エポキシ樹脂としては1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、(A)成分及び(B)成分との相溶性の観点から室温(25℃)で液状であるものが好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂及び4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂等のビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、フェノールビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂、トリアジン誘導体エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
(C)成分の配合量は(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.05~10質量部であることが好ましく、0.1~7.0であることがより好ましい。この範囲より多いと、誘電特性が悪化するおそれがある。逆に、(C)成分がこの範囲より少ないと接着力に乏しい組成物になってしまうおそれがある。さらには硬化性が低下するおそれがある。
(D)アニオン重合開始触媒
(D)成分であるアニオン重合開始触媒は、主に(A)、(B)及び(C)成分間のアニオン重合反応を開始、促進させるために添加するものである。
(D)成分としてはアニオン重合反応を促進するものであれば特に制限されるものではなく、イミダゾール化合物、リン系化合物及びアミン化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
イミダゾール化合物の具体例としては、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン等のジアミノトリアジン環を有するイミダゾール等が挙げられる。
リン系化合物の具体例としては、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート等が挙げられる。
アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α-メチルベンジルジメチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
(C)成分中のエポキシ基を開環し、その後エポキシ樹脂との付加体がマレイミド化合物の架橋反応を促進するようなイミダゾール化合物及び第3級アミン化合物などのアニオン重合開始触媒が特に好ましい。
(D)成分の配合量は(A)及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01~5.0質量部であることが好ましく、0.05~3.0であることがより好ましい。この範囲より多いと誘電特性の悪化のおそれがある。反対にこの範囲より小さいと硬化速度の低下のおそれがあり、好ましくない。
<その他の添加剤>
本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。該添加剤としては、シリカやアルミナ、窒化ホウ素を初めとする無機充填材、PTFEパウダーを初めとした樹脂パウダー、銀などの金属粒子、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン、無官能シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、スチレン系以外の熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、光増感剤、光安定剤、重合禁止剤、難燃剤、顔料、染料等が挙げられる。また、熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物の電気特性を改善するために、その他の添加剤としてイオントラップ剤等を配合してもよい。
本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び必要に応じてその他の添加剤を混合することにより製造することができる。
本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、有機溶剤に溶解してワニスとして扱うこともできる。熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、ワニスにすることによってシート状又はフィルム状に成形しやすくなる。有機溶剤は(A)成分及び(B)成分が溶解するものであれば制限なく使用することができる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等を好適に用いることができる。上記の有機溶剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ワニス中の本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の濃度は、5~80質量%が好ましく、10~75質量%がより好ましい。
この熱硬化性マレイミド樹脂組成物は、主に接着剤、プライマー、基板用のボンディングフィルムやシート材料、封止材、FPC用カバーレイフィルムの接着層、フレキシブルフラットケーブルとして好適に用いることができる。使用方法、形態には制限なく使用することができる。例えば、未硬化樹脂フィルムや硬化樹脂フィルムとして、また接着剤として使用出来る。以下に使用例を例示するが、これに限定されるものではない。
例えば、有機溶剤に溶解した熱硬化性マレイミド樹脂組成物(ワニス)を支持シートに塗工した後、通常80℃以上、好ましくは100℃以上の温度で0.5~5時間加熱することによって有機溶剤が除去され、未硬化のフィルム状やシート状の組成物を得ることができる。該支持シートとしては、一般的に用いられるのを用いてよく、例えばポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂などのポリエステル樹脂、などが挙げられ、これら支持シートの表面を離形処理していても構わない。また、塗工方法も特に限定されず、ギャップコーター、カーテンコーター、ロールコーター及びラミネータ等が挙げられる。また、塗工層の厚さも特に限定されないが、溶剤留去後の厚さが1~100μm、好ましくは3~80μmの範囲である。さらに塗工層の上にカバーフィルムを使用しても構わない。
また、塗工層の上に銅箔を貼り付けて、基板材料として用いることもできる。
さらに、基材にワニスを塗布し、通常80℃以上、好ましくは100℃以上の温度で0.5~5時間加熱することによって有機溶剤を除去し、基材に接着したいものを加熱しながら圧着させ、130℃以上、好ましくは150℃以上の温度で0.5~10時間加熱することで、接着させることができる。塗布方法として、スピンコーター、スリットコーター、スプレー、ディップコーター、バーコーター等が挙げられるが特に制限はない。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(A)末端に反応性官能基を有するスチレン系エラストマー
(A-1)アミン変性スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン・ブロック共重合体の水添物、スチレン含有率30%、数平均分子量33,000(タフテックMP10:旭化成(株)製)
(A-2)カルボン酸変性スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン・ブロック共重合体、スチレン含有率30%、数平均分子量90,000(タフテックM1913:旭化成(株)製)
(A-3)スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン・ブロック共重合体、スチレン含有率30%、数平均分子量74,000(タフテックH1041:旭化成(株)製、比較例用)
(B)マレイミド化合物
(B-1):下記式で示されるビスマレイミド化合物(SLK-6895、信越化学工業(株)製)
Figure 2023070764000004
-C3670-はダイマー酸骨格由来の炭化水素基を示す。
(B-2):下記式で示されるビスマレイミド化合物(SLK-3000、信越化学工業(株)製、比較例用)
Figure 2023070764000005
-C3670-はダイマー酸骨格由来の炭化水素基を示す。
(B-3):4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド(BMI-1000:大和化成工業(株)製、比較例用)
(C)エポキシ樹脂
(C-1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER-828:三菱ケミカル(株)製)
(C-2):ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000:日本化薬(株)製)
(D)アニオン重合開始触媒
(D-1):2-エチル-4-メチルイミダゾール(2E4MZ:四国化成(株)製)
(D-2):2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(2MZ-A:四国化成(株)製)
<ワニスの作製>
表1、2の配合で、ジムロート冷却管及び撹拌装置を備えた500mLの4つ口フラスコに各成分を投入し、50℃で2時間撹拌させることでワニス状の樹脂組成物を得た。
<ワニス外観>
フィルム化する前のワニスに関して、目視で溶け残りや濁りがなく、かつ石英セルに該樹脂組成物の30質量%キシレン溶液を入れ、光路長1mm、740nmの直光透過率を分光光度計U-4100((株)日立ハイテクサイエンス製)で、25℃で測定した際、70%以上であるものを◎、50%以上70%未満であるものを○、50%未満のものを×とした。
<未硬化フィルムの作製>
ワニス状熱硬化性マレイミド樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に、乾燥後の厚さが50μmとなるようにローラーコーターで塗布し、120℃で10分間乾燥させて未硬化樹脂フィルムを得た。
<未硬化樹脂フィルムハンドリング性>
前記未硬化樹脂フィルムを25℃の条件下で90度折り曲げた際にフィルムにクラックが発生したり、破断したりするかを目視で確認した。クラック、破断及びタック等が全く確認されなかった場合は○、少しでもクラック、破断又はタック等が確認された場合を×とした。
Figure 2023070764000006
Figure 2023070764000007
表1及び2の結果より、実施例1~7のワニス組成物は分離や濁りがなく安定であることが確認された。比較例3~5もワニス組成物の安定性を確認できた。一方、比較例1~2はワニスに濁りが生じてしまった。
表1及び2の結果より、未硬化樹脂フィルム特性は実施例1~7に関してはクラックや破断等はないことが確認された。比較例1、3、5も実施例と同様にクラック等は確認されなかった。一方で比較例2、4はクラックやタックの発生がみられた。比較例2、4は以後の評価を中止した。
<比誘電率、誘電正接>
前記未硬化樹脂フィルムを180℃、2時間の条件で硬化させた樹脂フィルムを切断して、60mm×60mmの試験片を作製した。得られた試験片について、SPDR誘電体共振器(MS46122B、アンリツ(株)製)を使用し、25℃における10GHzでの比誘電率、誘電正接を測定した。
<耐熱性>
上記の工程で作製した硬化樹脂フィルムについて、150℃で500時間保管した後に上記の装置を使用して25℃における10GHzでの誘電特性を測定した。初期の10GHzでの誘電正接の値と保管後の10GHzでの誘電正接の値の変化率が100%未満である場合は○、100%以上である場合は×と評価した
<ピール強度>
縦75mm、幅25mm、厚さ1.0mmのスライドガラスを用意し、その一方の表面に前記のPETフィルム付き未硬化樹脂フィルムのPET基材の貼っていない樹脂組成物面を載せ、120℃、0.3MPa圧、60秒の条件でラミネートを行った。ラミネート後、PET基材を剥がし、樹脂組成物面に18μm厚の銅箔(三井金属(株)製、Ra0.6μm)、50μm厚のLCP(千代田インテグレ(株)製)又はMPI(PIXEO SR、(株)カネカ製)を載せ、120℃、0.3MPa圧、60秒の条件でラミネートを行った。ラミネート後、180℃で2時間の条件で硬化させることで接着試験片を作製した。
接着性を評価するために、JIS-C-6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠し、温度23℃及び引張速度50mm/分の条件で、各接着試験片の銅箔、LCP又はMPIをスライドガラスから剥がすときの90°はく離接着強さ(kN/m)を測定した。
以上の評価結果を表3、4に示す。
Figure 2023070764000008
Figure 2023070764000009
以上の結果から、本発明の熱硬化性マレイミド樹脂組成物はワニスの分離や濁りがなく、硬化物の誘電特性に優れ、金属や有機樹脂に対しても高い接着力を示すことから、基板用途に適した絶縁材料としての有用性を確認できた。

Claims (8)

  1. (A)両末端に反応性官能基を有するスチレン系エラストマー、
    (B)下記式(1)で表されるマレイミド化合物、
    Figure 2023070764000010
    (式(1)中、R1はダイマー酸骨格に由来する二価の炭化水素基を示す。)
    (C)1分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂
    及び
    (D)アニオン重合開始触媒
    を含み、(A)成分と(B)成分の比率(質量比(A)/(B))が2~20である熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
  2. (A)成分のスチレン系エラストマーが、スチレンと、アルケン及び/又は非共役ジエンとの共重合体であって、その両末端の反応性官能基が、アミノ基、カルボキシル基及びビニル基のうち少なくとも一種を含むものである請求項1に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
  3. (D)成分がイミダゾール化合物、リン系化合物及びアミン化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1または請求項2に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する未硬化樹脂フィルム。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含有する硬化樹脂フィルム。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する接着剤。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物を含有する封止材。
  8. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を含有する基板。
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