JP2017171890A - 樹脂組成物、熱硬化性フィルム、硬化物、プリント配線板、半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、熱硬化性フィルム、硬化物、プリント配線板、半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低CTEと、樹脂フィルムの薄層化を両立させた樹脂組成物を提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】スチレン系熱可塑性エラストマーと、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、を含み、前記熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率が60〜85重量%であり、前記無機充填材が最大粒径5μmであって、全成分に対して54〜85重量%含まれる、樹脂組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物、熱硬化性フィルム、硬化物、プリント配線板、および半導体装置に関する。
電子機器は小型化や高性能化が進み、情報伝達に使用される電気信号の高速化が必要とされている。高速電気信号を伝達する際に信号の損失が生じるが、回路材料の誘電体における誘電特性を下げることによって、信号の損失を低減させることができることが知られていた。
一方、部品の高機能化に伴い回路材料は高多層化へなり、より薄く、信頼性の高い材料が求められている。
そこで、熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)を低下させるため、フィラーを入れることが行われていた(例えば、非特許文献1参照)が、フィラーを添加すると、フィルムにしたときに可撓性が低下して脆くなり、フィルム状にしにくくなることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、必ずしもフィラーの添加が部品の改良に繋がるとは限らなかった。
特開2004−149758
本発明は、低CTEと、樹脂フィルムの薄層化を両立させた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る一実施態様は、スチレン系熱可塑性エラストマーと、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、を含み、前記熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率が60〜85重量%であり、前記無機充填材が最大粒径5μmであって、全成分に対して54〜85重量%含まれる、樹脂組成物である。前記熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率が65〜80重量%であり、前記無機充填材が全成分に対して60〜80重量%含まれてもよい。
前記熱硬化性樹脂が、第1の熱硬化性樹脂と、前記第1の熱硬化性樹脂以外の比誘電率2.9以下の第2の熱硬化性樹脂と、を含み、前記第1の熱硬化性樹脂の全樹脂成分に対する含有率が10〜30重量%であり、前記第2の熱硬化性樹脂の全樹脂成分に対する含有率が0〜25%重量であってもよい。前記第1の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であってもよい。上記いずれかの樹脂組成物について、硬化後の室温での引張弾性率が0.2〜1.0GPaであってもよい。
本発明に係る他の一実施態様は、上記いずれかの樹脂組成物を含む熱硬化性フィルムである。厚さが10μm以下であってもよい。
本発明に係るさらなる一実施態様は、上記いずれかの樹脂組成物、または上記いずれかの熱硬化性フィルムの硬化物である。
本発明に係るさらなる一実施態様は、上記硬化物を含むプリント配線板である。
本発明に係るさらなる一実施態様は、上記硬化物を含む半導体装置である。
本発明によって、低CTEと、樹脂フィルムの薄層化を両立させた樹脂組成物を提供することができるようになった。
本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==樹脂組成物==
本発明に係る樹脂組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、無機充填材を含む。熱硬化性樹脂は、1種類でも複数種類でもよいが、複数種類であることが好ましく、以下の実施形態では、2種類の熱硬化性樹脂を含む態様を記載する。なお、1種類の場合は、第1の熱硬化性樹脂だけを含有させればよい。
(A)スチレン系熱可塑性エラストマー
本明細書において、スチレン系熱可塑性エラストマーとは、スチレン、その同族体もしくはその類似体を有する熱可塑性エラストマーのことをいう。スチレン系熱可塑性エラストマーの例としては、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEEPS)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、およびスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)が挙げられ、それぞれ市販のものを用いればよい。ここで例示した化合物は単独で用いられてもよいし、2つ以上のものが混合して用いられてもよい。銅箔に対する接着強度向上の観点からは、スチレン系熱可塑性エラストマーがSEEPSを含むことが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマー中のSEEPSの量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。加熱硬化時の熱流動性の観点からは、スチレン系熱可塑性エラストマーがSEBSやSBSを含むことが好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマー中のSEBSやSBSの量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率は特に限定されないが、60.0重量%以上であることが好ましく、62.3重量%以上であることがより好ましく、65.0重量%以上であることがさらに好ましく、70.0重量%以上がさらに好ましい。また、85.0重量%以下であることが好ましく、83.0重量%以下であることがより好ましく、80.0重量%以下であることがさらに好ましく、75.0重量%以下がさらに好ましい。
(B)第1の熱硬化性樹脂
第1の熱硬化性樹脂は、接着力や耐熱性の付与に寄与する。第1の熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド系樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタンなどが例示できるが、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、シロキサン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、およびナフタレン環含有エポキシ樹脂が挙げられ、それぞれ市販のものを用いればよい。エポキシ樹脂組成物において、ここで例示した化合物は単独で用いられてもよいし、2つ以上のものが混合して用いられてもよい。なお、フィルムの成形性の観点から、第1の熱硬化性樹脂は液状であることが好ましい。
第1の熱硬化性樹脂の全樹脂成分に対する含有率は特に限定されないが、10重量%以上であることが好ましく、12重量%以上であることがより好ましく、14重量%以上であることがさらに好ましい。また、30重量%以下であることが好ましく、25重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。
(C)第2の熱硬化性樹脂
第2の熱硬化性樹脂は、第1の熱硬化性樹脂と異なるものであれば、種類は特に限定されず、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド系樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタンなどが例示できる。特に低誘電性樹脂が好ましく、その場合、比誘電率は、2.9以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.3以下であることがさらに好ましい。具体的には、シクロオレフィン樹脂や変性フェニレンエーテル樹脂などが例示できるが、これらに限定されない。変性フェニレンエーテル樹脂としては、末端にスチレン基を有しフェニレンエーテル骨格を有するものが好ましい。このような化合物は、特開2004−59644号公報に記載されており、例えば三菱ガス化学株式会社から、オリゴフェニレンエーテルのスチレン誘導体として上市されている。変性フェニレンエーテル樹脂は、硬化時の低溶融粘度化の観点から数平均分子量が800〜4500であることが好ましく、800〜2000であることがさらに好ましい。また、ピール強度の観点からは、変性フェニレンエーテル樹脂は、数平均分子量が1500〜3500であることが好ましい。これは、分子量が高くなるにつれ硬化後の弾性率を低くできるためである。ここで例示した化合物は単独で用いられてもよいし、2つ以上のものが混合して用いられてもよい。
第2の熱硬化性樹脂の全樹脂成分に対する含有率は特に限定されないが、0重量%以上であることが好ましく、4重量%以上であることがより好ましく、8重量%以上であることがさらに好ましく、12重量%以上がさらに好ましい。また、25重量%以下であることが好ましく、22重量%以下であることがより好ましく、18重量%以下であることがさらに好ましい。
(D)無機充填材
無機充填材は、特に限定されず、導電フィラーであっても、絶縁フィラーであってもよく、用途や性能によって、適宜、選択することができる。
導電フィラーとしては、例えば、銀、金、銅、パラジウム及びこれらの合金などの金属粒子や、銀、金、銅、パラジウム及びこれらの合金などを少なくとも表面に備えた粒子、例えば、これらの金属又は合金でコーティングされたフィラーが挙げられる。
絶縁フィラーとしては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ガラス、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの粒子が挙げられるが、樹脂組成物の低熱膨張化の観点からシリカであることが好ましい。
無機充填材の形状は、特に限定されず、球状、リン片状等が挙げられ、均一分散性の点から、好ましくは球状のものを使用することができる。(D)の最大粒径は5μmである。平均粒子径は、特に限定されないが、フィルム化の容易性の点から、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることがさらに好ましく、また、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。平均粒子径を0.1〜1μmとすることで、樹脂組成物の誘電率の低下を図れる。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法によって測定した体積基準のメジアン径をいう。
無機充填材の含有量は、樹脂組成物全量に対して、54.0重量%以上であり、55.0重量%以上であることが好ましく、59.7重量%以上であることがより好ましく、60.0重量%以上であることがさらに好ましく、65.0%以上がさらに好ましい。また、85.0重量%以下であることが好ましく、82.9重量%以下であることがより好ましく、80.0重量%以下であることがさらに好ましく、75.0重量%以下がさらに好ましい。
なお、無機充填材は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(E)硬化触媒
(E)成分の硬化触媒は、本発明の樹脂組成物を用いて形成される熱硬化性フィルムの硬化、より具体的には、(B)成分の硬化反応を促進する触媒である。(B)成分がエポキシ樹脂の場合、(E)成分としては、例えば、イミダゾール系硬化触媒、アミン系硬化触媒、リン系硬化触媒等が挙げられる。イミダゾール系硬化触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。中でも、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、および、1−シアノエチル−2−エチル−4−イミダゾールが好ましい。また、変性されたイミダゾール類であってもよい。
アミン系硬化触媒としては、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン等のトリアジン化合物、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン化合物が挙げられる。中でも、2,4−ジアミノ−6−〔2’―メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジンが好ましい。
また、リン系硬化触媒としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
これらの中でもイミダゾール系硬化触媒が、適度な硬化性で調整できるため好ましい。さらに、ベンゼン環を有するイミダゾール系硬化触媒が、本発明の樹脂組成物を用いて形成される熱硬化性フィルムのシェルフライフを長くできるためより好ましい。このようなイミダゾール系硬化触媒としては、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられ、特に1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
(F)その他の成分
本発明の樹脂組成物は、(A)〜(E)以外の成分を必要に応じて含有してもよい。例えば、難燃剤や改質剤などが挙げられる。また、基板への接着性を向上させるために、シリコーンアルコキシオリゴマーであり、官能基として、水酸基、エポキシ、ビニル、メチル、アミノ、イソシアネート等を有するシランカップリング剤を含有してもよい。
==熱硬化性フィルム==
熱硬化性フィルムを作製するために、上述の樹脂組成物を用いてもよい。それによって、樹脂フィルムの薄層化が可能になる。例えば、本発明の熱硬化性フィルムは、周知の方法に従って、樹脂組成物を有機溶剤に溶解又は分散させてワニスとし、得られたワニスを支持体に塗布した後、乾燥させることで製造することができる。
有機溶剤としては、芳香族系溶剤(例えばトルエン、キシレン等)やケトン系溶剤(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)が使用できる。有機溶剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、有機溶剤の使用量は、特に限定されないが、固形分が20〜50重量%となるように使用することが好ましい。ワニスの粘度は特に限定されないが、100〜3000mPa・sであることが好ましい。なお、この粘度は、E型粘度計を用いて、回転数5rpm、25℃で測定した値とする。
支持体は、特に限定されず、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の有機フィルム等が例示できる。支持体はシリコーン系化合物等で離型処理されていてもよい。
ワニスを塗布する方法も特に限定されないが、薄膜化・膜厚制御の点からはグラビア法、スロットダイ法、ドクターブレード法が好ましい。
乾燥条件は、ワニスに使用される有機溶剤の種類や量、塗布の厚み等に応じて、適宜、設定することができ、例えば、50〜120℃で、1〜30分間、乾燥すればよい。
製造する熱硬化性フィルムの厚さは、特に限定されないが、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
==樹脂組成物または熱硬化性フィルムの硬化方法==
樹脂組成物または熱硬化性フィルムは、公知の方法に従って硬化させ、硬化物を製造することができる。硬化温度は、特に限定されず、通常は150〜250℃で行うことができるが、好ましくは180℃以上、より好ましくは190℃以上である。硬化時間は、硬化温度等により適宜選択することができるが、1〜120分が好ましい。
室温での硬化物の引張弾性率は特に限定されないが、0.1〜2.0GPaであることが好ましく、0.1〜1.5GPaであることがより好ましく、0.2〜1.0GPaであることがさらに好ましい。なお、硬化物の引張試験は、ISO527に従って行うことができる。
==プリント配線板及び半導体装置==
本発明の樹脂組成物は、ダイアタッチフィルムや放熱部材用接着剤、基板(プリント配線板)間の層間接着剤、ビルドアップ配線の絶縁層材として使用することができる。本発明の樹脂組成物や熱硬化性フィルムを用いて層間接着された(多層)プリント配線板は、層間接着部が低CTEのため寸法安定性に優れ、層間のビア接続の信頼性が向上する。また、層間接着部が薄層で可撓性を有するため、(多層)プリント配線板が薄型化されると共に反りの発生が抑制される。本発明の半導体装置は、低CTEでありながら薄層化可能な樹脂組成物を用いて形成されるので、高信頼性である。ここで、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電子部品、半導体回路、これらを組み込んだモジュール、電子機器等を含むものである。
以下、実施例によって、本発明をより詳細に説明する。
表1及び表2に記載の通りの配合で、(A)〜(E)成分を混合し、得られた樹脂組成物を80℃に加温された反応釜に投入した。反応釜において、回転数150rpmで回転させながら、常圧で3時間、混合した。その後、常温まで自然冷却して得られた樹脂組成物のワニスを支持体の片面に塗布した。支持体には、離型処理を施したPET(Polyethylene terephthalate)フィルムを用いた。塗布したワニスを100℃で5分乾燥させ、支持体上においてフィルム状に成形した(以下、フィルム状に加工した樹脂組成物を「接着フィルム」と呼ぶ)。
この接着フィルムについて、以下の点で評価を行った。結果を、表1および表2に纏めた。なお、評価が合格の場合は、得られた数値を記載した。
(1)接着フィルムの製膜性
接着フィルムの製膜性として、接着フィルムに自立性がある場合は○、無い場合は×とした。
(2)接着フィルムの可撓性
接着フィルムを200℃、1時間プレス硬化させて得た硬化フィルムをU字に曲げた時、割れなかった場合は○、割れた場合は×と評価した。
(3)接着フィルムの硬化物の熱膨張係数(CTE)
接着フィルムを熱プレスで200℃、1時間、1MPaで、硬化後の厚みがおよそ300μmとなるよう硬化させて、マックサイエンス製のTMA試験機で引張測定し、30℃〜40℃の平均熱膨張係数を読み取った。熱膨張係数(CTE)は、40ppm以下を合格、40ppm超を×とした。
(4)接着フィルムの硬化物の誘電率(ε)
接着フィルムを熱プレスで200℃、1時間、1MPaで、硬化後の厚みがおよそ30μmとなるよう硬化させて、ベガテクノロジー製SPDRにて10GHzで測定した。誘電率(ε)は、3.5以下を合格、3.5超を×とした。
(5)接着フィルムの硬化物の誘電正接(tanδ)
接着フィルムを熱プレスで200℃、1時間、1MPaで、硬化後の厚みがおよそ30μmとなるよう硬化させて、ベガテクノロジー製SPDRにて10GHzで測定した。誘電正接(tanδ)は0.003以下を合格、0.003超を×とした。
(6)接着フィルムの硬化物の接着強度
接着フィルムを福田金属箔製銅箔(CF−T9FZ−SV)の粗化面に挟み込み熱プレスで200℃、1時間、1MPaで硬化させ、1cm幅に切り出し、180°ピール強度を測定した。6N以上を合格、6N未満を×とした。
前記熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率が62.3重量%以上83.0重量%以下であって、無機充填材の全成分に対する含有率が54.0%以上82.9重量%以下である時に、全ての評価要素が○となり、いずれかまたは両方の値が上記範囲から外れていた場合、少なくとも、製膜性、可撓性、CTEの全ての評価を満たすものはなかった。このように、本発明の樹脂組成物を用いて接着フィルムを作製すれば、低CTEと、樹脂フィルムの薄層化を両立することが可能になる。

Claims (10)

  1. スチレン系熱可塑性エラストマーと、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、を含み、
    前記熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率が60〜85重量%であり、前記無機充填材が最大粒径5μmであって、全成分に対して54〜85重量%含まれる、樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性エラストマーの全樹脂成分に対する含有率が65〜80重量%であり、前記無機充填材が全成分に対して60〜80重量%含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、第1の熱硬化性樹脂と、前記第1の熱硬化性樹脂以外の比誘電率2.9以下の第2の熱硬化性樹脂と、を含み、
    前記第1の熱硬化性樹脂の全樹脂成分に対する含有率が10〜30重量%であり、前記第2の熱硬化性樹脂の全樹脂成分に対する含有率が0〜25%重量である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記第1の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 硬化後の室温での引張弾性率が0.2〜1.0GPaである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む熱硬化性フィルム。
  7. 厚さが10μm以下である、請求項6に記載の熱硬化性フィルム。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物、または請求項6もしくは7に記載の熱硬化性フィルムの硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物を含むプリント配線板。
  10. 請求項8に記載の硬化物を含む半導体装置。
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