JP2009007442A - フレキシブルプリント配線板用接着剤組成物およびそれを用いたフレキシブルプリント配線板用接着フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カルボキシル基含有エラストマー(A)、結合アクリロニトリル含有量30〜60重量%のアクリロニトリルブタジエンゴム(B)、熱硬化性成分(C)、無機充填剤(D)、硬化剤(E)及びシリコーンオリゴマー(F)を含むフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物。
【選択図】 なし
Description
また、FPCは、耐熱性を向上させる手法としては、樹脂の高Tg(ガラス転移温度)化等が提案されているが、はく離接着強さが低下してしまいフィルムが硬く作業性が劣るなどの問題があり、上記特性を充分に満足させるためには、樹脂の改良だけでは不充分となってきた。
また、本発明は、[2] 熱硬化性成分(B)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれか又は両方の混合物である上記[1]に記載のフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物に関する。
また、本発明は、[3] シリコーンオリゴマー(F)が、2官能性シロキサン単位(R2SiO2/2)、3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)及び4官能性シロキサン単位(RSiO4/2)(式中、Rは有機基であり、シリコーンオリゴマー中のR基は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。)から選ばれる少なくとも1種類のシロキサン単位を含有し、重合度が2〜70で、末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有するシリコーンオリゴマーである上記[1]または上記[2]に記載のフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物に関する。
また、本発明は、[4] 上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物を用いたフレキシブルプリント配線板用接着フィルムに関する。
本発明に使用されるカルボキシル基含有エラストマー(A)としては、分子末端又は分子鎖中にカルボキシル基を含有していればよく、分子量、組成等に特に制限なく使用することができ、例えば、ブタジエン系重合体、アクリル重合体(アクリルゴム)、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、ポリアミドウレタンゴム、シリコーンゴム等があり、ブタジエン系重合体が好ましい。なお、ブタジエン系重合体としては、ブタジエン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。
カルボキシル基含有エラストマーの重量平均分子量は、500〜1000000の範囲ものが好ましく、より好ましくは1000〜800000、さらに好ましくは1000〜10000である。
これらのカルボキシル基含有エラストマー(A)の配合量は、(A)+(B)+(C)の樹脂固形分の合計100重量部に対して20〜90重量部の範囲が好ましい。20重量部未満では、接着力が低下する傾向があり、また、90重量部を超えると、耐熱性が低下する傾向がある。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などが例示される。エポキシ樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒドを酸またはアルカリを触媒として加え反応させたもので、フェノール類としては、フェノール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルソクレゾール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール等が使用され、アルデヒド類として、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、特に制限されるものではない。一般にはホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドが使用される。この他に、植物油変性フェノール樹脂を用いることもできる。植物油変性フェノール樹脂は、フェノール類と植物油とを酸触媒の存在下に反応させ、ついで、アルデヒド類をアルカリ触媒の存在下に反応させることにより得られる。酸触媒としてはパラトルエンスルホン酸などが挙げられる。アルカリ触媒としては,アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン系触媒が挙げられる。
また、熱硬化性成分(C)として、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂なども用いることができる。
これらの熱硬化性成分(C)の配合量は、(A)+(B)+(C)の樹脂固形分の合計100重量部に対して10〜90重量部の範囲が好ましい。10重量部未満では、耐熱性が低下する傾向があり、また、90重量部を超えると、硬化物が硬くなり接着力が低下する傾向がある。
これらの硬化剤(E)の配合量は、熱硬化性成分(C)100重量部に対し、0.1〜20重量部であると好ましい。0.1重量部未満では、熱硬化成分(C)が硬化せず耐熱性が低下する傾向があり、また、20重量部を超えると、未反応の硬化剤(E)が残り耐熱性を低下させる傾向がある。
ここで、2官能性シロキサン単位(R2SiO2/2)、3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)および4官能性シロキサン単位(SiO4/2)は、それぞれ下記の構造を有する。
R R O−
| | |
−O−Si−O− −O−Si−O− −O−Si−O−
| | |
R O− O−
R2SiO2/2 , RSiO3/2 , SiO4/2
(1)はく離接着強さ(常態)
厚さ25μmのポリイミドフィルムKapton100H(デュポン社製)とセパレータ(離型紙)のついた接着フィルムの接着フィルム面を、100℃のラミネートロール(線圧5kg/cm ラミネート速度1m/分)にて貼り合せた後、上記のセパレータをはがした接着フィルム面に厚さ25μmのポリイミドフィルムKapton100Hを100℃のラミネートロール(線圧5kg/cm ラミネート速度1m/分)にて貼り合せた。その後、プレス(温度170℃、圧力1MPa、3分間)を行い、150℃、2時間の後硬化を行ったものを試験片とした。硬化した試験片をJIS K 6854−3に準拠し、T形はく離接着強さを測定した。はく離温度は、23℃、はく離速度は10mm/分で行った。
(2)はく離接着強さ(リフロー炉通過後)
リフローはんだ付け装置(日本パルス研究所製 RF430)を用いて、試験片の表面最高温度が260℃となるように、(1)の硬化した試験片を加熱し、JIS K 6854−3に準拠し、T形はく離接着強さを測定した。はく離温度は、23℃、はく離速度は10mm/分で行った。
(3)リフローはんだ耐熱
厚さ35μmの圧延銅箔とセパレータのついた接着フィルムの接着フィルム面を100℃のラミネートロール(線圧5kg/cm、ラミネート速度1m/分)にて貼り合せた後、上記のセパレータをはがした接着フィルム面に35μmの圧延銅箔を100℃のラミネートロール(線圧5kg/cm、ラミネート速度1m/分)にて貼り合せた。その後、プレス(温度170℃、圧力1MPa、3分間)を行い、150℃2時間の後硬化を行ったものを試験片とした。上記試験片をJIS C 6481に準拠し、加湿条件(温度40℃、相対湿度80%)に12時間放置した後、リフローはんだ付け装置(日本パルス研究所製 RF430)を用いて、試験片の表面最高温度が260℃となるように、試験片を加熱し、接着剤層のフクレの有無を観測した。
(4)流れ出し性
厚さ25μmのポリイミドフィルムKapton100Hとセパレータのついた接着フィルムの接着フィルム面を、100℃のラミネートロール(線圧5kg/cm、ラミネート速度1m/分)にて貼り合せた後、上記のセパレータをはがした接着フィルム面に25μmのポリイミドフィルムKapton100Hを100℃のラミネートロール(線圧5kg/cm、ラミネート速度1m/分)にて貼り合せ試験片とした。上記試験片を80mm×80mmに切出し、プレス(160℃、3MPa、20分)を行った。その後、四辺それぞれの最大はみ出し部分をノギスにて測定し、その平均を流れ出し量(mm)とした。
(1)シリコーンオリゴマー溶液の製造
撹拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、テトラメトキシシラン40g及びメタノール93gを配合した溶液を入れ、次いで、酢酸0.47g及び蒸留水18.9gを添加し、50℃で8時間撹拌し、シロキサン単位の重合度が20(GPCによる重量平均分子量から換算、以下同じ)のシリコーンオリゴマーを合成した。得られたシリコーンオリゴマーは、水酸基と反応する末端官能基としてメトキシ基及び/又はシラノール基を有するものである。
得られたシリコーンオリゴマー溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%のシリコーンオリゴマー処理液を作製した。
無機充填剤(D)としてアエロジル200(酸化珪素;日本アエロジル株式会社製商品名)30重量部をメチルエチルケトンに分散させた後、シリコーンオリゴマーとして上記の実施例1の(1)で作製したシリコーンオリゴマー処理液を3.0重量部となるよう加え、30分間室温(25℃)にて撹拌した溶液に、カルボキシル基含有エラストマー(A)としてニポール1072J(カルボキシル基含有NBR;日本ゼオン株式会社製商品名)50重量部、結合アクリロニトリル含有量30〜60重量%のアクリロニトリルブタジエンゴム(B)としてニポール1001(結合アクリロニトリル含有量40.5重量% NBR;日本ゼオン株式会社)10重量部、熱硬化性成分(C)としてエポキシ樹脂とフェノール樹脂を用い、エポキシ樹脂としてYDCN703(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;東都化成株式会社製商品名)を20重量部、フェノール樹脂としてTD2625(レゾール型フェノール樹脂;大日本インキ株式会社製商品名)20重量部を加えた。さらに上記混合液に、硬化剤(D)のエポキシ樹脂硬化剤として2E4MZ(四国化成工業株式会社製商品名)0.5重量部を混合したものを接着剤溶液とした。
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートの上にシリコーン系離型剤を塗布したセパレータ(以下、セパレータ)に乾燥後の接着剤厚みが12.5μmになるように接着剤溶液を塗付し、熱風乾燥機中で90℃、3分間乾燥して接着フィルムを作製した。
実施例1において、ニポール1072JをWS023(カルボキシル基変性ブチルアクリレート・エチルアクリレート・アクリロニトリル系共重合体ゴム(帝国化学産業))、2E4MZをジシアンジアミドとした以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1において、YDCN703を0重量部、ESCN220S(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、住友化学株式会社製商品名)を20重量部、アエロジル200を0重量部、H42M(昭和電工株式会社製商品名)を30重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1において、1072Jを60重量部、YDCN703を10重量部、ESCN220Sを10重量部、TD2625を10重量部、アエロジル200を30重量部、シリコーンオリゴマーとして上記の実施例1の(1)で作製したシリコーンオリゴマー処理液を3重量部とした以外は実施例1と同様に行った。
実施例4において、YDCNを20重量部、ESCS220Sを0重量部、アエロジル200を40重量部、SC6000KPを4重量部とした以外は実施例4と同様に行った。
以上の実施例1〜5の結果を、配合と流れ出し性、常態はく離接着強さ、リフロー炉通過後のはく離接着強さ、はんだ耐熱性の測定結果と共に表1に示した。
実施例1において、シリコーンオリゴマー処理液を0重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1において、アエロジル200を0重量部、シリコーンオリゴマー処理液を0重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1において、ニポール1072Jを100重量部、YDCN703を0重量部、TD2625を0重量部、2E4MZを0.5重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
以上の比較例1〜3の結果を表2にまとめて示した。
Claims (4)
- カルボキシル基含有エラストマー(A)、結合アクリロニトリル含有量30〜60重量%のアクリロニトリルブタジエンゴム(B)、熱硬化性成分(C)、無機充填剤(D)、硬化剤(E)及びシリコーンオリゴマー(F)、を含むフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物。
- 熱硬化性成分(C)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれか又は両方の混合物である請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物。
- シリコーンオリゴマー(F)が、2官能性シロキサン単位(R2SiO2/2)、3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)及び4官能性シロキサン単位(RSiO4/2)(式中、Rは有機基であり、シリコーンオリゴマー中のR基は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。)から選ばれる少なくとも1種類のシロキサン単位を含有し、重合度が2〜70で、末端に水酸基と反応する官能基を1個以上有するシリコーンオリゴマーである請求項1または請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用接着剤組成物を用いたフレキシブルプリント配線板用接着フィルム。
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