JPH11131042A - 熱硬化性接着剤及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料 - Google Patents

熱硬化性接着剤及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板材料

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JPH11131042A
JPH11131042A JP20634798A JP20634798A JPH11131042A JP H11131042 A JPH11131042 A JP H11131042A JP 20634798 A JP20634798 A JP 20634798A JP 20634798 A JP20634798 A JP 20634798A JP H11131042 A JPH11131042 A JP H11131042A
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均 新井
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昌弘 湯山
Kichiji Eikuchi
吉次 栄口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が長期間持続し高温、長時間加熱処理
しても剥離強度の低下が抑制され、接着剤の劣化が改善
された熱硬化性接着剤及びそれを用いたフレキシブル印
刷配線用基板、カバーレイフィルム及びボンディングシ
ート。 【解決手段】 イ)エポキシ樹脂、ロ)ニトリルゴム
A、Bの混合物、ハ)硬化剤、ニ)イミダゾール化合
物、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種又は
2種以上の硬化促進剤からなる熱硬化性接着剤及びそれ
を用いたフレキシブル印刷配線用基板、カバーレイフィ
ルム及びボンディングシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブル印刷配
線板材料であるフレキシブル印刷配線用基板、カバーレ
イフィルム及びボンディングシートに使用される、優れ
た接着性、耐熱性等の特性を有し、かつ特に耐熱性が改
良された熱硬化性接着剤及びそれを用いたフレキシブル
印刷配線用基板、カバーレイフィルム及びボンディング
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス分野の発展が目
覚ましく、特に通信用・民生用の電子機器の小型化、軽
量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求がま
すます高度なものとなっている。このような要求に対し
て、フレキシブル印刷配線板は可とう性を有し、繰り返
し屈曲に耐える特性を有しているため狭い空間に立体的
高密度の実装が可能であり、電子機器への配線、ケーブ
ル、或いはコネクター機能を付与した複合部品としてそ
の用途が拡大しつつある。このフレキシブル印刷配線板
は、フレキシブル印刷配線用基板上に常法により回路を
作製したものであり、使用目的によっては、この回路を
保護するような形でカバーレイフィルムを貼り合わせ
る。
【0003】フレキシブル印刷配線用基板は高い耐熱性
と優れた電気・機械特性を備えている電気絶縁性の基材
フィルムと金属箔とを接着剤を介して積層一体化したも
ので、このフレキシブル印刷配線用基板に要求される特
性としては、接着性、密着性、耐熱性、電気特性、加工
性等が挙げられる。最近ではこのような用途に用いられ
るフレキシブル印刷配線板にカバーレイフィルムを圧着
するものが多くなってきている。このカバーレイフィル
ムは、電気絶縁性の基材フィルムの片面に接着剤を塗布
し半硬化状態としたものと離型材とを貼り合わせたもの
で、フレキシブル印刷配線板の回路保護、屈曲性の
向上等を目的として使用されている。このカバーレイフ
ィルムに要求される特性は、保存性、密着性、耐熱性、
電気特性、加工性等が挙げられる。
【0004】ボンディングシートは、離型材の片面に接
着剤を塗布し半硬化状態としたものと別の離型材とを貼
り合わせたもので、フレキシブル印刷配線板とフレキシ
ブル印刷配線板とを貼り合わせて多層フレキシブル印刷
配線板を製造する場合やフレキシブル印刷配線板と補強
板とを貼り合わせる場合等の接着材料として使用され
る。このボンディングシートに要求される特性は保存
性、密着性、耐熱性、電気特性、加工性等が挙げられ
る。
【0005】従来、これらの要求を満たすことのでき
る、フレキシブル印刷配線用基板、カバーレイフィル
ム、ボンディングシート等のフレキシブル印刷配線板材
料に使用される接着剤として、ナイロン/エポキシ樹脂
系、アクリル/フェノール樹脂系、ポリエステル/エポ
キシ樹脂系、ニトリルゴム(NBR)/エポキシ樹脂系
等の接着剤が提案されている(特公平5-62156 号、特開
昭63-297483 号、特開平4-206112号、特開昭64-26690号
各公報参照)。なかでもニトリルゴム(NBR)/エポ
キシ樹脂系の接着剤は、比較的要求される物性のバラン
スがとれた高接着性の接着剤が得られるが、ニトリルゴ
ム自体が不安定な不飽和二重結合を有するため、接着剤
を高温で、長時間加熱処理すると不飽和結合の劣化が進
み剥離強度が著しく低下するという欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決することを目的として、特に接着剤組成について
着目したもので、耐熱性を長期間持続することができ高
温、長時間加熱処理しても剥離強度の低下が抑制され、
接着剤の劣化が改善された熱硬化性接着剤及びそれを用
いたフレキシブル印刷配線用基板、カバーレイフィルム
及びボンディングシートを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討した結果、NBR/エ
ポキシ系接着剤に用いられるNBRとして不飽和二重結
合に水素添加したものを併用することによって、高温長
時間処理後の接着剤の劣化が改良されることを見出し本
発明を完成するに至った。その第1の発明は、イ)エポ
キシ樹脂 100重量部、ロ)ニトリルゴム混合物30〜 150
重量部[但し、A:アクリロニトリル含有量が20〜50重
量%且つ末端カルボキシル基含有量が 0.005〜5重量%
であり、かつヨウ素価が200 〜350 であるニトリルゴ
ム、B:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%であ
り、かつヨウ素価が0〜60である、末端に官能基を有さ
ないニトリルゴムであり、配合重量比がA/B=40/60
〜85/15である]、ハ)硬化剤2〜20重量部、ニ)イミ
ダゾール化合物、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択さ
れた1種又は2種以上の硬化促進剤 0.1〜3重量部から
なる熱硬化性接着剤であり、
【0008】そして第2の発明は上記のニトリルゴム混
合物においてCのアクリロニトリル含有量が20〜50重量
%、末端に官能基を有さず、かつヨウ素価が200 〜350
であるニトリルゴムを添加した熱硬化性接着剤であり、
イ)エポキシ樹脂 100重量部、ロ)ニトリルゴム混合物
30〜 150重量部[但し、A:アクリロニトリル含有量が
20〜50重量%且つ末端カルボキシル含有量が 0.005〜5
重量%であり、かつヨウ素価が200 〜350 であるニトリ
ルゴム、B:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%で
あり、かつヨウ素価が0〜60である、末端に官能基を有
さないニトリルゴムとC:アクリロニトリル含有量が20
〜50重量%であり、末端に官能基を有さず、かつヨウ素
価が200 〜350 であるニトリルゴムであり、その配合比
が(A+C)/B=40/60〜85/15、A/(B+C)=
40/60〜85/15、かつC/(A+B)=5 /95〜60/40
である]、ハ)硬化剤2〜20重量部、ニ)イミダゾール
化合物、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種
又は2種以上の硬化促進剤0.1〜3重量部からなる熱硬
化性接着剤である。
【0009】そして第3の発明は、上記各々の組成に
ホ)無機フィラー5〜50重量部、ヘ)加硫剤 0.2〜10重
量部を添加した熱硬化性接着剤であり、また第4〜第6
の発明は上記の各熱硬化性接着剤を用いたフレキシブル
印刷配線用基板、カバーレイフィルム及びボンディング
シートである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明のフレキシブル印刷配線板材料は、フレキシ
ブル印刷配線用基板、カバーレイフィルム、ボンディン
グシートである。フレキシブル印刷配線用基板の構成
は、電気絶縁性フィルム/熱硬化性接着剤/金属箔から
なる3層構造であり、接着剤の厚さは一般に10〜20μm
であるが、使用状況等により適宜決められる。カバーレ
イフィルムの構成は、電気絶縁性フィルム/熱硬化性接
着剤/離型材からなる3層構造であり、接着剤の厚さは
一般に15〜50μmであるが、使用状況等により適宜決め
られる。ボンディングシートの構成は、離型材/熱硬化
性接着剤/離型材からなる3層構造であり、接着剤の厚
さは一般に15〜50μmであるが、使用状況等により適宜
決められる。
【0011】本発明で使用可能な電気絶縁性フィルムと
しては、ポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテ
レフタレート)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリ
パラバン酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィ
ルム、ポリフェニレンスルファイドフィルム、アラミド
フィルム等が例示され、なかでも耐熱性、寸法安定性、
機械特性等からポリイミドフィルムが好ましい。フィル
ムの厚さは通常12.5〜75μmの範囲であるが、必要に応
じて適宜の厚さのものを使用すれば良い。また、これら
のフィルムの片面もしくは両面に、低温プラズマ処理、
コロナ放電処理、サンドブラスト処理等の表面処理を施
してもよい。
【0012】本発明で使用可能な金属箔としては、電解
銅箔、圧延銅箔、アルミニウム箔、タングステン箔、鉄
箔等が例示され、一般的には、加工性、屈曲性、電気伝
導率等から電解銅箔及び圧延銅箔が用いられる。金属箔
の厚さは一般的に18〜70μmであるが、使用状況等によ
り適宜決められる。
【0013】本発明で使用可能な離型材としては、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TPXフ
ィルム、PEフィルム、シリコーン離型剤付きポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びPEフィル
ム、ポリエチレン樹脂コート紙、ポリプロピレン樹脂コ
ート紙及びTPX樹脂コート紙等が挙げられ、離型材の
厚さは、フィルムベースのもので13〜75μm、紙ベース
のもので50〜 200μmが好ましいが、必要に応じて適宜
の厚さのものが使用される。
【0014】本発明の熱硬化性接着剤に用いるエポキシ
樹脂は、多官能エポキシ樹脂であり1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するものであればどのようなものでも
よく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また接着剤に難燃性を付与するためには、これらエポキ
シ樹脂をハロゲン化したもの、特に臭素化したエポキシ
樹脂を用いることが有効である。この際臭素化エポキシ
樹脂のみで難燃性を付与することは可能であるが、これ
を単独で用いると接着剤の耐熱性及び耐溶剤性等の低下
が起こるため、これを非臭素化エポキシ樹脂と混合して
用いることが好ましい。臭素化エポキシ樹脂の具体例と
しては、油化シェルエポキシ社製のエピコート5050
(Br含有量:約49重量%)、同5049(Br含有
量:約26重量%)、同5048(Br含有量:約25重量
%)、同5045(Br含有量:約19重量%)、日本化
薬社製のBREN−S(Br含有量:約35重量%)等が
例示される。また、非臭素化エポキシ樹脂の具体例とし
て、油化シェルエポキシ社製のエピコート828、同1
001、同152、同154、日本化薬社製のEOCN
102S、同103S、同104S等が例示される。こ
れらの臭素含有量の異なるエポキシ樹脂は、単独である
いは必要に応じて2種以上併用して用いられる。
【0015】本発明の熱硬化性接着剤に用いるニトリル
ゴム(以下NBRとする)は、ニトリルゴムAとしてア
クリロニトリル含有量が20〜50重量%且つ末端カルボキ
シル含有量が 0.005〜5重量%であり、かつヨウ素価が
200 〜350 であるNBRが使用されるが、これらは末端
にカルボキシル基が含有され、水素添加されていないニ
トリルゴムであって、例えば、アクリロニトリルとブタ
ジエン、イソプレン、ペンタジエン等の炭素数4〜5の
共役ジオレフィン及びアクリル酸もしくはメタクリル酸
等のカルボキシル基含有重合性単量体の三元共重合ゴム
であって、これら共重合ゴム中に存在する二重結合が水
素添加されず水素化されていないものが挙げられる。さ
らにニトリルゴムAとしては上記ニトリルゴム中におい
てアクリロニトリル量が20〜50重量%、末端カルボキシ
ル基含有量が 0.005〜5重量%であり、ヨウ素価が200
〜350 であることが必須であり、好ましくは、アクリロ
ニトリル含有量が25〜45重量%で、末端カルボキシル基
含有量が 0.01 〜1重量%であり、ヨウ素価が220 〜33
0 である。アクリロニトリル含有量が20重量%未満では
接着性が不十分となる。また、50重量%を超えると電気
特性が著しく低下し、さらには溶剤及びその他樹脂との
相溶性が悪くなるため、接着剤の保存性等に問題が生じ
る。末端カルボキシル基含有量が 0.005重量%未満では
反応性が落ちるために耐溶剤性が低下し、5重量%を超
えると接着性及び電気特性が低下する。このNBRの市
販品としては、日本ゼオン社製のニポール1072(ヨ
ウ素価270 )、同1072B(ヨウ素価270 )、同10
72J(ヨウ素価315 )、DN631(ヨウ素価279
)、同DN601(ヨウ素価315 )(以上商品名)等
が例示され、これらは単独あるいは必要に応じて2種以
上併用して用いることが出来る。
【0016】本発明におけるニトリルゴムBとしてアク
リロニトリル含有量が20〜50重量%且つヨウ素価が0〜
60である、末端に官能基を有さないニトリルゴム(以下
ではNBRと略す)が使用されるが、ヨウ素価が0〜60
である、末端に官能基を有さないニトリルゴムとして
は、例えば、アクリロニトリルとブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン等の炭素数4〜5の共役ジオレフィン
とを共重合させて得られる末端にカルボキシル基などの
官能基を有さない共重合ゴムであって、この共重合ゴム
中に存在する二重結合の一部または全部が水素添加され
水素化されヨウ素価が0〜60であるものが挙げられる。
さらにニトリルゴムBとしては、上記の二重結合の一部
または全部が水素添加され水素化されたヨウ素価が0〜
60であるニトリルゴム中において、アクリロニトリル含
有量が20〜50重量%、ヨウ素価が0〜60であることが必
須であり、好ましくは、アクリロニトリル含有量が25〜
45重量%で、ヨウ素価が0〜30である。アクリロニトリ
ル含有量が20重量%未満では接着性が不十分となる。ま
た、50重量%を超えると電気特性が著しく低下し、さら
には溶剤及びその他の樹脂との相溶性が悪くなるため、
接着剤の保存性等に問題が生じる。ヨウ素価が60を超え
ると長期間熱処理した際に接着剤が劣化してしまい剥離
強度等が低下する。このNBRの市販品としては、例え
ば日本ゼオン社製のZポール1020(ヨウ素価25)、
同1010(ヨウ素価10)、同2030L(ヨウ素価5
7)、同2020(ヨウ素価28)、同2020L(ヨウ
素価28)、同2011(ヨウ素価18)、同2010L
(ヨウ素価11)、同2000(ヨウ素価4)、同200
0L(ヨウ素価4)、同3110(ヨウ素価15、以上商
品名)等が挙げられ、これらは単独あるいは必要に応じ
て2種以上を併用して用いることができる。
【0017】本発明におけるニトリルゴムCとしてアク
リロニトリル含有量が20〜50重量%であり、末端に官能
基を有さず、かつヨウ素価が200 〜350 であるNBRが
使用されるが、これらは末端に官能基を有しない、かつ
水素添加されていないニトリルゴムであって、例えば、
アクリロニトリルとブタジエン、イソプレン、ペンタジ
エン等の炭素数4〜5の共役ジオレフィンとを共重合さ
せて得られる末端にカルボキシル基などの官能基を有さ
ない共重合ゴムであって、これら共重合ゴム中に存在す
る二重結合が水素添加されず水素化されていないものが
挙げられる。さらにニトリルゴムCとしては、上記のニ
トリルゴム中においてアクリロニトリル含有量が20〜50
重量%であり、ヨウ素価が200 〜350 であることが必須
であり、好ましくは、アクリロニトリル含有量が25〜45
重量%である。アクリロニトリル含有量が20重量%未満
では接着性が不十分となる。また50重量%を超えると電
気特性が著しく低下し、さらには溶剤及びその他の樹脂
との相溶性が悪くなるため、接着剤の保存性等に問題が
生じる。このNBRの市販品としては、例えば日本ゼオ
ン社製のニポール1001(アクリロニトリル含有量約
40.5重量%,ヨウ素価230 )、同1031(アクリロニ
トリル含有量約重量40.5%,ヨウ素価230 )、同103
2(アクリロニトリル含有量約33.5重量%,ヨウ素価28
0 )、同DN225(アクリロニトリル含有量約33.5重
量%,ヨウ素価280 )(以上商品名)等が挙げられ、こ
れらは単独あるいは必要に応じて2種以上併用して用い
ることができる。
【0018】これらNBRの配合比は、重量比でA/B
=40/60〜85/15、好ましくは60/40〜80/20である。
A/Bの重量比が85/15を超えると長期間熱処理後の特
性が不十分となり、40/60未満であると接着剤の硬化が
不十分となるため耐溶剤性、耐熱性が劣る。さらに本発
明においてはA、Bに加えてさらにCのNBRを添加す
ることにより接着性、剥離強度が向上して好ましい。C
のNBRを添加する場合は(A+C)/B=40/60〜85
/15、A/(B+C)=40/60〜85/15、C/(A+
B)=5 /95〜60/40であり、好ましくはそれぞれ(A
+C)/B=60/40〜83/17、A/(B+C)=40/60
〜75/25、C/(A+B)=5 /95〜30/70である。こ
のCのNBRを添加する場合は、A/(B+C)の重量
比が40/60未満では接着剤の硬化が不十分となるため耐
溶剤性・耐熱性が劣り、85/15を超えると長期間熱処理
後の特性が不十分となる、また、(A+C)/Bが85/
15を超えると長期間熱処理後の特性が不十分となり、40
/60未満であると接着剤の硬化が不十分となるため耐溶
剤性・耐熱性が劣る。
【0019】これらNBR全体の配合量としては、エポ
キシ 100重量部に対して30〜 150重量部が必須であり、
好ましくは40〜 130重量部である。30重量部未満では接
着力が劣り、 150重量部を超えると半田耐熱性及び耐溶
剤性が低下する。
【0020】本発明における硬化剤は、公知のエポキシ
樹脂の硬化剤として用いられるものであればよいが、例
えば脂肪族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸
無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三ふっ化硼素アミ
ン錯塩を用いるのが好ましい。特に、耐熱性・保存安定
性等の点から、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
(以下DDSと称する)、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン(以下DDMと称する)が好ましい。これら硬
化剤の配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対して2〜
20重量部が必要であり、好ましくは5〜15重量部であ
る。2重量部未満ではエポキシ樹脂の十分な硬化が得ら
れず、半田耐熱性及び電気特性が低下し、20重量部を超
えると接着剤の硬化が進みすぎるとともに、余剰硬化剤
により接着性及び半田耐熱性が悪化する。これらは単独
又は必要に応じて2種以上併用することが可能である。
【0021】本発明における硬化促進剤としては、例え
ば2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−アルキ
ル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル等のイミダゾール化合物、硼弗化錫、硼弗化亜鉛等の
硼弗化物、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル
酸塩等が挙げられる。上記で例示した中で、接着剤溶液
の保存性が良好で、かつ接着剤の流動性をコントロール
し易い硼弗化物、オクチル酸塩を用いるのが好ましい。
これら硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂 100重量部
に対して 0.1〜3重量部が必要であり、好ましくは 0.3
〜 1.5重量部である。 0.1重量部未満では接着剤の硬化
が十分に得られず、半田耐熱性及び電気特性が低下し、
3重量部を超えると接着性が落ちるとともに接着剤の保
存性が低下する。これは単独又は必要に応じて2種以上
併用することが可能である。
【0022】本発明における無機フィラーとしては、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化
物、酸化アルミニウム等の金属酸化物等が挙げられる。
ただし、本発明では無機フィラーのうち加硫効果が著し
いものは加硫剤として扱う。これらフィラーの配合量
は、エポキシ樹脂 100重量部に対して5〜50重量部が必
要であり、好ましくは25〜40重量部である。5重量部未
満では剥離強度が低下し、かつ強度のばらつきを生じる
可能性がある。50重量部を超えると接着性及び半田耐熱
性が低下する。無機フィラーの平均粒径は5μm以下が
好ましく、さらに好ましくは1μm以下である。これら
フィラーの樹脂マトリックスへの密着性や耐水性を向上
させるために、シラン系カップリング剤もしくはチタネ
ート系カップリング剤等の処理剤を用いて疎水化処理を
施すのが好ましく、この処理により樹脂の密着性、耐熱
性、耐吸湿性が向上する。これらの無機フィラーは単独
又は必要に応じて2種以上併用することが可能である。
これらの無機フィラーを接着剤に混合、分散させる方法
としては一般に使用されている、ポットミル、ボールミ
ル、ロールミル、ホモジナイザー等による方法が挙げら
れる。
【0023】本発明における加硫剤としては、ゴムを加
硫できるものであれば、いずれのものでもよく、例えば
硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。こ
れら加硫剤の配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対し
て 0.2〜10重量部が必要であり、好ましくは1〜5重量
部である。 0.2重量部未満ではNBRが十分に加硫せ
ず、耐熱性・耐溶剤性が低下し、10重量部を超えると残
った加硫剤が接着性等に悪影響を及ぼす。これらは単独
又は必要に応じて2種以上併用することが可能である。
【0024】本発明においては上記各組成物の他に本発
明の熱硬化性接着剤の諸特性を低下させない範囲で、フ
ェノール樹脂、酸化防止剤等の樹脂及び添加物を加える
ことは任意である。なお、本発明においては接着剤に難
燃性を付与するために、接着剤中のイ)エポキシ樹脂、
ロ)NBR、ハ)硬化剤に含まれるトータルの臭素含有
量が18重量%〜30重量%であることが好ましい。18重量
部未満では十分な難燃性が得られず、30重量部を超える
と臭素化エポキシ樹脂の比率が多くなり、耐熱性及び耐
薬品性等が劣る。臭素含有量はイ)〜ハ)の各成分中に
含有する量から算出される。また、臭素含有量が18重量
%〜30重量%であれば十分な難燃性がえられるが、さら
に難燃性を付与する目的で、ハロゲン化合物、難燃助剤
を併用することも可能である。ただし難燃助剤として三
酸化アンチモンは有効であるが、環境問題等により使用
を避けることが好ましい。
【0025】本発明の熱硬化性接着剤に用いられる溶剤
としては、トルエン、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン(以
下ではMEKとする)等が挙げられる。上記の溶剤を用
いた溶液の固形分濃度は20〜45重量%であればよく、さ
らに好ましくは25〜40重量%である。固形分濃度が20重
量%未満では接着剤の塗工時にムラが生じる可能性が高
く、45重量%を超えると接着剤の粘度が高いために塗工
性が悪くなるという問題が生じる。
【0026】本発明のフレキシブル印刷配線板材料の製
造方法について述べる。本発明のカバーレイフィルムの
製造方法は、予め調製された前記組成の接着剤に所要量
の溶剤を添加した接着剤溶液をリバースロールコータ
ー、コンマコーター等を用いて前記電気絶縁性フィルム
に塗布する。これをインラインドライヤーに通して40〜
160℃で2〜20分間加熱処理し接着剤中の溶剤を除去し
て接着剤を半硬化状態とする。この接着剤付きフィルム
の接着剤塗布面と離型材とを加熱ロールにより、線圧
0.2〜20kg/cm 、温度20〜 160℃で圧着させる。接着剤
の塗布厚は、一般に乾燥状態で15〜50μmであればよ
い。得られた積層フィルムの接着剤をさらに硬化させる
ために加熱処理してもよい。その加熱温度としては20〜
160℃、加熱時間は1〜 600分程度が好ましい。
【0027】本発明のボンディングシートの製造方法
は、予め調製された前記組成の接着剤に所要量の溶剤を
添加した接着剤溶液を、リバースロールコーター、コン
マコーター等を用いて離型材に塗布する。これをインラ
インドライヤーに通して40〜 160℃で2〜20分間加熱処
理し接着剤中の溶剤を除去して接着剤を半硬化状態とす
る。この接着剤付き離型材の接着剤塗布面と離型材とを
加熱ロールにより、線圧0.2〜20kg/cm 、温度20〜 160
℃で圧着させる。接着剤の塗布厚は、一般に乾燥状態で
15〜50μmであればよい。なお得られた積層フィルムの
接着剤をさらに硬化させるために加熱処理してもよい。
その加熱温度は20〜 160℃、加熱時間は1〜 600分程度
が好ましい。
【0028】本発明のフレキシブル印刷配線用基板の製
造方法は、予め調製された前記組成の接着剤に所要量の
溶剤を添加した接着剤溶液をリバースロールコーター、
コンマコーター等を用いて前記電気絶縁性フィルムに塗
布する。これをインラインドライヤーに通して40〜 160
℃で2〜20分間加熱処理し接着剤中の溶剤を除去して接
着剤を半硬化状態とする。この接着剤付きフィルムの接
着剤塗布面と金属箔とを加熱ロールにより、線圧 0.2〜
20kg/cm 、温度40〜 200℃で圧着させる。接着剤の塗布
厚は、一般的に乾燥状態で10〜20μmであればよい。な
お得られた積層フィルムの接着剤をさらに硬化させるた
めに加熱処理してもよい。その加熱温度は30〜 200℃、
加熱時間は1〜 600分程度が好ましい。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお表1,
3,5の接着剤組成の数字は重量部を示す。 [カバーレイフィルムの実施例1〜14、比較例1〜5] (実施例1)接着剤組成として、(表1)の実施例1の
欄に示す組成を用い、これをMEKとともに攪拌混合
し、完全に溶解させて固形分濃度30重量%の接着剤溶液
を得た。なお、この接着剤に用いられる各種NBRにつ
いてのA/B比率、(A+C)/B比率、A/(B+
C)比率を全て(表1)に示した。次に上記接着剤溶液
を厚さ25μmのカプトンフィルム(東レ・デュポン社
製、ポリイミドフィルム商品名)上に、乾燥後の厚さが
30μmとなるようにリバースロールコーターで塗布し、
100℃、10分の加熱乾燥条件で溶剤を除去し、接着剤を
半硬化状態とした。この半硬化状態の接着剤付きカプト
ンフィルムの接着剤面にシリコーン樹脂処理を行ったポ
リエチレンコート紙(厚さ 130μm)を温度60℃、線圧
2kg/cm の条件で圧着してカバーレイフィルムを得た。
このようにして得られたカバーレイフィルムについて評
価用のサンプルを作製し、その物性を評価し結果を(表
2)に示した。
【0030】(実施例2〜6、比較例1〜3)接着剤組
成として(表1)の実施例2〜6及び比較例1〜3の各
欄に示す組成を用いた以外は全て実施例1と同様に行
い、カバーレイフィルムを作製した。このカバーレイフ
ィルムの物性の評価結果を(表2)に記した。 (実施例7)接着剤組成として(表1)の実施例1の欄
に示すエポキシ樹脂、NBR、硬化剤及び硬化促進剤を
用い、これをMEKと共に攪拌混合し、完全に溶解させ
て固形分濃度30重量%の接着剤溶液とした。これに無機
フィラー及び加硫剤を加え、ボールミルを用いて均一に
分散させ接着剤溶液を得た。以下、実施例1と同様の方
法でカバーレイフィルムを作製した。このカバーレイフ
ィルムの物性の評価結果を(表2)に記載した。
【0031】(実施例8〜14、比較例4〜5)接着剤
組成として、(表1)の実施例8〜14及び比較例4〜
5の各欄に示す組成を用いた以外は実施例7と同様に行
い、カバーレイフィルムを作製した。このカバーレイフ
ィルムの物性の評価結果を(表2)に記した。
【0032】
【表1】
【表2】
【0033】[ボンディングシートの実施例1〜7、比
較例1〜5] (実施例1)接着剤組成として、(表3)の実施例1の
欄に示す組成を用い、これをMEKと共に攪拌混合し、
完全に溶解させて固形分濃度30重量%の接着剤溶液を得
た。なお、この接着剤に用いられる各種NBRについて
のA/B比率、(A+C)/B比率及びA/(B+C)
比率を全て(表3)に示した。次に前記接着剤溶液をシ
リコーン処理を行ったPETフィルム(厚さ25μm)上
に、乾燥後の厚さが50μmとなるようにリバースロール
コーターで塗布し、 100℃、10分の加熱乾燥条件で溶剤
を除去し、接着剤を半硬化状態とした。この半硬化状態
の接着剤付きPETフィルムの接着剤面にシリコーン樹
脂処理を行ったポリエチレンコート紙(厚さ 130μm)
を温度60℃、線圧2kg/cm の条件で圧着してボンディン
グシートを得た。このようにして得られたボンディング
シートについて評価用のサンプルを作製し、その物性を
評価し結果を(表4)に示した。
【0034】(実施例2〜4、比較例1〜3)接着剤組
成として(表3)の実施例2〜4及び比較例1〜3の各
欄に示す組成を用いた以外は実施例1と同様に行いボン
ディングシートを作製した。このボンディングシートの
物性の評価結果を(表4)に記した。
【0035】(実施例5)接着剤組成として、(表3)
の実施例1の欄に示すエポキシ樹脂、NBR、硬化剤及
び硬化促進剤を用い、これをMEKと共に攪拌混合し、
完全に溶解させて固形分濃度30重量%の接着剤溶液とし
た。これに無機フィラー及び加硫剤を加え、ボールミル
を用いて均一に分散させ接着剤溶液を得た。以下、実施
例1と同様の方法でボンディングシートを作製した。こ
のボンディングシートの物性の評価結果を(表4)に記
した。 (実施例6〜7、比較例4〜5)接着剤組成として、
(表3)の6〜7及び比較例4〜5の各欄に示す組成を
用いた以外は実施例5と同様に行いボンディングシート
を作製した。このボンディングシートの物性の評価結果
を(表4)に記した。
【0036】
【表3】
【表4】
【0037】[フレキシブル印刷配線用基板の実施例1
〜8、比較例1〜5] (実施例1)接着剤組成として、(表5)の実施例1の
欄に示す組成を用い、これをMEKと共に攪拌混合し、
完全に溶解させて固形分濃度30重量%の接着剤溶液を得
た。なお、この接着剤に用いられる各種NBRについて
のA/B比率、(A+C)/B比率及びA/(B+C)
比率を全て(表5)に示した。次に前記接着剤溶液を厚
さ25μmのカプトンフィルム(東レ・デュポン社製、ポ
リイミドフィルム商品名)上に、乾燥後の厚さが18μm
となるようにリバースロールコーターにて塗布し、 120
℃、10分の加熱乾燥条件で溶剤を除去し、接着剤を半硬
化状態とした。この半硬化状態の接着剤付きカプトンフ
ィルムの接着剤面に厚さ35μmのJTC箔(ジャパンエ
ナジー社製 電解銅箔商品名)の処理面を温度 100℃、
線圧2kg/cm の条件で圧着した。これについて80℃×1
時間、 150℃×2時間加熱処理を行い、接着剤を硬化さ
せてフレキシブル印刷配線用基板を得た。このようにし
て得られたフレキシブル印刷配線用基板を評価用のサン
プルとして、その物性を評価し結果を(表6)に示し
た。 (実施例2〜4、比較例1〜3)接着剤組成物として
(表5)の実施例2〜6及び比較例1〜3の各欄に示す
組成を用いた以外は実施例1と同様に行いフレキシブル
印刷配線用基板を作製した。このフレキシブル印刷配線
用基板の物性の評価結果を(表6)に記した。
【0038】(実施例5)接着剤組成として、(表5)
の実施例7の欄に示すエポキシ樹脂、NBR、硬化剤及
び硬化促進剤を用い、これをMEKと共に攪拌混合し、
完全に溶解させて固形分濃度30重量%の接着剤溶液とし
た。これに無機フィラー及び加硫剤を加え、ボールミル
を用いて均一に分散させ接着剤溶液を得た。以下、実施
例1と同様に行いフレキシブル印刷配線用基板を作製し
た。このフレキシブル印刷配線用基板の物性の評価結果
を(表6)に記した。 (実施例6〜8、比較例4〜5)接着剤組成として、
(表5)の実施例8〜10及び比較例4〜5の各欄に示
す組成を用いた以外は実施例7と同様に行いフレキシブ
ル印刷配線用基板を作製した。このフレキシブル印刷配
線用基板の物性の評価結果を(表6)に記した。
【0039】
【表5】
【表6】
【0040】《接着剤の各成分》 a:エピコート5050(油化シェルエポキシ社製ビス
フェノールA型臭素化エポキシ樹脂、臭素含有率約50
%) b:エピコート5048(油化シェルエポキシ社製ビス
フェノールA型臭素化エポキシ樹脂、臭素含有率約25
%) c:エピコート5045(油化シェルエポキシ社製ビス
フェノールA型臭素化エポキシ樹脂、臭素含有率約19
%) d:BREN−S(日本化薬社製ノボラック型臭素化エ
ポキシ樹脂、臭素含有率約35%) e:エピコート828(油化シェルエポキシ社製ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂) f:エピコート154(油化シェルエポキシ社製ノボラ
ック型臭素化エポキシ樹脂) g:EOCN103S(日本化薬社製ノボラック型エポ
キシ樹脂) h:ニポール1072(日本ゼオン社製NBR、アクリ
ルニトリル含有率約27.0%,カルボキシル基含有率約
0.075%,ヨウ素価270 ) i:DN631(日本ゼオン社製NBR、アクリルニト
リル含有率約33.5%,カルボキシル基含有率約 0.075
%,ヨウ素価270 ) j:Zポール2020(日本ゼオン社製NBR、アクリ
ルニトリル含有率約36%,、ヨウ素価28) k:Zポール2000(日本ゼオン社製NBR、アクリ
ルニトリル含有率約36%,ヨウ素価4) l:2030(日本ゼオン社製NBR、アクリルニトリ
ル含有率約36%,ヨウ素価57) m:ニポール1032(日本ゼオン社製NBR、アクリ
ルニトリル含有率約33.5%,ヨウ素価280 ) n:ニポール1001(日本ゼオン社製NBR、アクリ
ルニトリル含有率約40.5%,ヨウ素価280 ) o:DDS p:DDM q:オクチル酸亜鉛 r:ホウフッ化錫(45%水溶液) s:水酸化アルミニウム(昭和電工社製、H43M、平均
粒径約 0.6μm) t:水酸化マグネシウム(平均粒径約 1.0μm) u:硫黄(平均粒径約 1.0μm) v:酸化マグネシウム(平均粒径約 0.6μm) w:酸化亜鉛(平均粒径約 0.1μm)
【0041】(評価用サンプルの作製) (フレキシブル印刷配線用基板)実施例及び比較例で作
製したフレキシブル印刷配線用基板をそのまま評価用サ
ンプルとした。なお評価項目は剥離強度、半田耐熱性、
長期加熱後の剥離強度、長期耐熱性、耐溶剤性、線間絶
縁抵抗、難燃性とした。 (カバーレイフィルム)カバーレイフィルムの離型材を
剥がし、接着剤塗布面と厚さ35μmのBHN箔(前出)
の光沢面とを 160℃×50kg/cm2の条件で30分間加熱圧着
したものを評価用サンプルとして用いた。なお評価項目
は前記フレキシブル印刷配線用基板の評価項目にさらに
耐半田もぐり性を加えたものとした。使用される銅箔と
しては、耐半田もぐり性の評価には、純水:硫酸:過酸
化水素=7:2:1(重量比)の割合で調製した酸溶液
中に厚さ35μmのBHN箔(前出)を30秒間浸し銅箔表
面の防錆剤層を除去したものが使用され、その他の物性
評価には未処理のものが使用された。 (ボンディングシート)ボンディングシートの片側の離
型材を剥がし、厚さ35μmのBHN箔(前出)の光沢面
にボンディングシートの接着剤塗布面を仮止めする。次
にもう片側の離型材を剥がし、この接着剤塗布面に厚さ
25μmのカプトンフィルム(前出)をのせ、カプトンフ
ィルム(前出)/ボンディングシート(離型材除去品)
/BHN箔(前出)の光沢面という構成で、 160℃×50
kg/cm2の条件で30分間加熱圧着したものを評価用サンプ
ルとして用いた。なお評価項目はフレキシブル印刷配線
用基板の場合と同様とした。
【0042】(評価用サンプルの物性評価方法) 剥離強度 JIS・C・6471に準拠した。サンプルに1mm幅の
銅回路を常法(スクリーン印刷→銅エッチング等)によ
り作製し、この回路を90度方向に50mm/minの速度で銅箔
側から引き剥しその強度を測定した。 半田耐熱性 JIS・C・6471に準拠した。20℃、60%RH、24
時間調整を行ったサンプルを25mm角にカットし、これを
半田浴上に30秒間浮かべた後、外観を目視により検査し
た。この際膨れ、剥がれ等が生じない最高温度を半田耐
熱性温度として示した。 長期加熱後の剥離強度 剥離強度測定用サンプルを 150℃× 240時間加熱処理し
た後、常法により剥離強度を測定した。 長期耐熱性 カバーレイフィルム、ボンディングシート、フレキシブ
ル印刷配線用基板の評価用サンプルについて銅箔を常法
により除去し、この接着剤付きフィルムを 150℃× 240
時間加熱処理を行った。これを 180°方向に5回折り曲
げ、接着剤の折れ・剥がれの発生の有無について確認し
た。 ○:折れ・剥がれなし ×:折れ、剥がれあり
【0043】耐溶剤性 剥離強度測定用サンプルを50℃のMEK中に10分間浸漬
した後、これを取り出し20℃、60%RHの条件で24時間
放置したサンプルについて剥離強度を測定した。なお評
価は下式に従い行った。 耐溶剤性(%)=100 ×処理後の剥離強度値/初期の剥
離強度値 線間絶縁抵抗 JIS・C・6471に準拠した。サンプルにIPC・
FC・241に決められた線間絶縁抵抗測定用回路を常
法により作製し、得られたサンプルを20℃、60%RHの
条件下で96時間放置したサンプルについての電気抵抗を
測定した。 耐半田もぐり性 酸処理した圧延銅箔光沢面に5mmφの穴をあけたカバー
レイフィルムを加熱圧着し、その5mmφの銅箔開口部に
半田ペースト(タムラ化研製 7310-25C-30-2)をのせ
る。このサンプルをリフロー半田上で30秒間処理した
後、半田のもぐり具合について拡大鏡を用いて目視で外
観を観察した。判断基準はカバーレイフィルムにあけた
穴の外側にもぐっている半田のもぐり幅が 0.2mm以内を
合格とし、これに合格したものの中で最も高い温度の値
を示した。測定件数は各温度について20件とした。なお
この項目はカバーレイフィルムのみについて行った。 難燃性 UL94に準拠。測定結果についてUL94,V−0の
規格値により下記のように判定した。 V−0規格合格:○ ;V−0規格不合格:×
【0044】
【発明の効果】本発明によって優れた接着性、半田耐熱
性等を保持し、且つ長期間高温に曝した後でも諸物性が
良好なフレキシブル印刷配線板材料を提供することが可
能となり、フレキシブル印刷配線板の信頼性がより高く
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/28 H05K 3/28 F 3/46 3/46 T

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イ)エポキシ樹脂 100重量部、 ロ)ニトリルゴムA、Bの混合物 30〜 150重量部、 [但しA:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%且つ
    末端カルボキシル基含有量が 0.005〜5重量%であり、
    かつヨウ素価が200 〜350 であるニトリルゴム、 B:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%であり、か
    つヨウ素価が0〜60である、末端に官能基を有さないニ
    トリルゴムであり、配合重量比がA/B=40/60〜85/
    15である] ハ)硬化剤 2〜20重量部、 ニ)イミダゾール化合物、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種又は2 種以上の硬化促進剤 0.1〜3重量部 からなる熱硬化性接着剤。
  2. 【請求項2】 イ)エポキシ樹脂 100重量部、 ロ)ニトリルゴムA、B、Cの混合物 30〜 150重量部、 [但しA:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%、か
    つ末端カルボキシル基含有量が 0.005〜5重量%であ
    り、かつヨウ素価が200 〜350 であるニトリルゴム、
    B:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%であり、か
    つヨウ素価が0〜60である、末端に官能基を有さないニ
    トリルゴム C:アクリロニトリル含有量が20〜50重量%、末端に官
    能基を有さず、かつヨウ素価が200 〜350 であるニトリ
    ルゴムであり、配合比が(A+C)/B=40/60〜85/
    15、A/(B+C)=40/60〜85/15、かつC/(A+
    B)=5/95〜60/40である] ハ)硬化剤 2〜20重量部、 ニ)イミダゾール化合物、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種又は2 種以上の硬化促進剤 0.1〜3重量部 からなる請求項1記載の熱硬化性接着剤。
  3. 【請求項3】 ホ)無機フィラー 5〜50重量部、 ヘ)加硫剤 0.2〜10重量部 を添加してなる請求項1または2記載の熱硬化性接着
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、または3記載の熱硬化性
    接着剤を用いたフレキシブル印刷配線用基板。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、または3記載の熱硬化性
    接着剤を用いたカバーレイフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、または3記載の熱硬化性
    接着剤を用いたボンディングシート。
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