JP3490226B2 - 耐熱性カバーレイフィルム - Google Patents
耐熱性カバーレイフィルムInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着性、耐熱性を有
するカバーレイフィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、エレクトロニクス分野の発展が目
覚ましく、特に通信用・民生用の電子機器の小型化、軽
量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求がま
すます高度なものとなっている。このような要求に対し
て、フレキシブル印刷配線用基板(以下、FPCとす
る)は、可撓性を有し、繰り返し屈曲に耐えるため狭い
空間に立体的高密度の実装が可能であり、電子機器への
配線、ケーブル、あるいはコネクター機能を付与した複
合部品としてのその用途が拡大しつつある。特に最近で
は基板の高密度化が進んでおり、それに伴ってFPCに
IC等の部品を実装する機会が多くなっている。また回
路のファインパターン化による影響もあり、FPCに対
して耐熱性、とりわけ耐半田もぐり性が重要となってき
ている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この耐半田もぐり性と
は、FPCに部品を実装する際、熱をかけて溶かした半
田がFPC端子部のカバーレイフィルムの内側にもぐ
り、このもぐり量が多いと半田が回路部にまで流れ込
み、最終的に回路をショートさせてFPC不良となって
しまうものである。この耐半田もぐり性の改良について
は従来特に検討されておらず、早急なる改良の必要性が
あった。本発明は、前記諸特性を改良することを目的と
し、特に接着剤組成について着目したもので、耐半田も
ぐり性に優れた耐熱性カバーレイフィルムを提供するも
のである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる課題
を解決するために熱硬化性接着剤の組成に重点を置き、
鋭意検討を行ってきた結果、接着剤の耐熱性と高温時の
密着性とを向上させることによって耐半田もぐり性が改
良されることを見出し、本発明に至ったものである。そ
の要旨とするところは、電気絶縁性フィルムに熱硬化性
接着剤を塗布し、これを加熱乾燥した後、離型材と貼り
合わせてなる耐熱性カバーレイフィルムにおいて、該熱
硬化性接着剤組成が、イ)エポキシ樹脂100重量部、
ロ)末端にカルボキシル基を含有するニトリルゴム
(A)と、アクリロニトリル含量が25〜45重量%で
ある末端に官能基を持たないニトリルゴム(B)とから
なり、その配合重量比(A)/(B)が90/10〜7
0/30であるニトリルゴム混合物30〜60重量部、
ハ)硬化剤2〜30重量部、ニ)イミダゾール化合物、
硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種または2
種以上の硬化促進剤0.1〜3重量部、ホ)無機フィラ
ー20〜60重量部、ヘ)加硫剤0.2〜10重量部よ
りなり、かつト)イ)、ロ)及びハ)の合計の臭素含有
量が18重量%〜30重量%である耐熱性カバーレイフ
ィルムにある。 【0005】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態をさら
に詳述する。カバーレイフィルムの構成は、電気絶縁性
フィルム/熱硬化性接着剤/離型材からなる3層であ
り、接着剤の厚さは一般的に20〜50μmであるが、使用
状況等により適宜決められる。本発明に用いられる電気
絶縁性フィルムとしては、ポリイミドフィルム、PET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリエステ
ルフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエ
ーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルファイドフ
ィルム、アラミドフィルム等が例示され、なかでも耐熱
性・寸法安定性・機械特性等からポリイミドフィルムが
好ましい。フィルムの厚さは、通常12.5〜 125μmの範
囲であるが、必要に応じて適宜の厚さのものを使用すれ
ば良い。またこれらフィルムの片面もしくは両面に、低
温プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理
等の表面処理を施してもよい。 【0006】離型材としては、ポリエチレンフィルム、
ポリプロピレンフィルム、TPXフィルム、シリコーン
離型材付きポリエチレンフィルム、シリコーン離型材付
きポリプロピレンフィルム、ポリエチレン樹脂コート
紙、ポリプロピレン樹脂コート紙等が挙げられ、必要に
応じて適宜の厚さのものが使用される。 【0007】本発明の熱硬化性接着剤に用いるエポキシ
樹脂は、多官能エポキシ樹脂であり1分子中にエポキシ
基を2個以上有するものであれば良く、例えばビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂等が挙げられる。また難燃性を付与するた
めにこれらエポキシ樹脂をハロゲン化したもの、特に臭
素化したエポキシ樹脂を用いることが有効である。この
際臭素化エポキシ樹脂のみでは難燃性の付与はできるも
のの接着剤の耐熱性低下が起こるため、非臭素化エポキ
シ樹脂と混合して用いることが好ましい。非臭素化エポ
キシ樹脂は、エポキシ樹脂全体の5〜50重量%混合する
と好ましい。 【0008】非臭素化エポキシ樹脂の具体例として、エ
ピコート(以下、EKとする)828(ビスフェノールA
型)、同154 (フェノールノボラック型)、同1001(ビ
スフェノールA型)、同152 (フェノールノボラック
型、以上、油化シェルエポキシ社製商品名)、EOCN 102
S (クレゾールノボラック型)、同103S(クレゾールノ
ボラック型)、同104S(クレゾールノボラック型、以
上、日本化薬社製商品名)等が例示される。また臭素化
エポキシ樹脂の具体例としては、EK5050(臭素含量49
重量%)、同5049(臭素含量26重量%)、同5048(臭素
含量25重量%)、同5045(臭素含量19重量%、以上、油
化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型商品名)、
BREN-S(臭素含量35重量%、日本化薬社製商品名)等が
例示される。これらの臭素含量の異なるエポキシ樹脂
は、単独であるいは必要に応じて2種以上併用して用い
られる。 【0009】本発明の熱硬化性接着剤に用いるニトリル
ゴム(以下、NBRとする)は、Aとして末端にカルボ
キシル基を含有するNBRと、Bとして末端にカルボキ
シル基等の官能基を持たないアクリロニトリル含量が25
〜45重量%であるNBRとからなる。 【0010】Aの、末端にカルボキシル基を含有したN
BRとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンと
を共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化し
た共重合ゴムや、アクリロニトリル及びブタジエンとカ
ルボキシル基を含有した単量体との共重合ゴム等が挙げ
られる。このNBRは、末端カルボキシル基含有量 0.0
05〜5重量%が好ましい。末端カルボキシル基含有量が
0.005重量%未満では、反応性が落ち、また5重量%を
超えると、電気特性が低下する。またアクリロニトリル
含量は15〜40重量%が好ましい。このNBRの市販品と
しては、ニポール(以下、NPと略す)1072(アクリロ
ニトリル含量27.0重量%、末端カルボキシル基含量0.07
5 重量%)、同 1072J(アクリロニトリル27.0重量%、
末端カルボキシル基0.075 重量%)、同 DN 631(アク
リロニトリル33.5重量%、末端カルボキシル基約0.0075
重量%)、同 DN601 (以上、日本ゼオン社製商品名)
等が例示され、これらは単独あるいは必要に応じて2種
以上併用して用いることができる。 【0011】Bの、末端に官能基を持たないNBRは、
アクリロニトリル含量が25〜45重量%であることが必要
であり、好ましくは30〜45重量%である。アクリロニト
リル含量が25重量%未満では接着性が不充分であり、45
重量%を超えると溶剤に溶けにくく、接着剤の塗工性が
悪くなる。このNBRの市販品としては、例えばNP10
01(アクリロニトリル含量40.5重量%)、同1031(アク
リロニトリル含量40.5重量%)、同1032(アクリロニト
リル含量33.5重量%)、同 DN225(アクリロニトリル含
量33.5重量%)、Zポール2000(アクリロニトリル含量
36.0重量%)、Zポール2020(アクリロニトリル含量3
6.0重量%、以上、日本ゼオン社製商品名)等が挙げら
れ、これらは単独あるいは必要に応じて2種以上併用し
て用いることができる。 【0012】A/Bは、重量比で95/5〜50/50である
ことが必要であり、好ましくは90/10〜70/30である。
Aの重量比が95を超えると高温時の密着性が劣り、50未
満では硬化が不十分となり、耐溶剤性、耐熱性が劣る。
これらNBRの配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対
して20〜80重量部が必要であり、好ましくは30〜60重量
部である。20重量部未満では、耐半田もぐり性、接着力
が劣り、80重量部を超えると耐熱性が低下する。 【0013】硬化剤は、公知のエポキシ樹脂の硬化剤と
して用いられるものであれば良く、例えば、脂肪族アミ
ン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化
剤、ジシアンジアミド、三弗化硼素アミン錯塩等が例示
される。特に、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン
(以下、DDSと略記する)、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタンが好ましい。これらは単独あるいは必要に
応じて2種以上併用して用いられる。これら硬化剤の配
合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、3〜20重量
部が必要であり、好ましくは5〜15重量部である。3重
量部未満ではエポキシ樹脂の十分な硬化が得られず、耐
半田もぐり性、電気特性が低下し、20重量部を超えると
接着性が落ち、保存性が悪くなる。 【0014】硬化促進剤としては、例えば2−アルキル
−4−メチルイミダゾール、2−アルキル−4−エチル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾ
ール化合物;硼弗化錫、硼弗化亜鉛等の硼弗化物;オク
チル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩等が挙げら
れ、これらは単独あるいは必要に応じて2種以上併用し
て用いることができる。またこれら硬化促進剤の配合量
は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、 0.1〜3重量部
が必要であり、好ましくは 0.5〜2重量部である。 0.1
重量部未満ではエポキシ樹脂の十分な硬化が得られず、
耐半田もぐり性、電気特性が低下し、3重量部を超える
と保存性が劣化し、また接着性が低下する。 【0015】無機フィラーとしては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化アルミ
ニウム等の金属酸化物等が挙げられる。ただし、本発明
では、無機フィラーのうち加硫効果が著しいものは加硫
剤として扱う。これらフィラーの配合量はエポキシ樹脂
100重量部に対して20〜60重量部が必要であり、好まし
くは25〜40重量部である。20重量部未満では半田耐熱
性、対半田もぐり性が劣化し、60重量部を超えると接着
性が低下する。また最近のFPCはファインパターン化
が進んでおり、数10μmのパターンが実用化されている
ため、フィラーの粒径も約 0.1μm〜10μmのものを用
いるのが好ましい。なお、これらフィラーの樹脂マトリ
クスへの定着性や耐水性を向上させるために、ジメチル
ジクロロシラン等のクロロシラン、シリコーンオイル、
メチルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等
の処理剤を用いて疎水化処理を施すのが望ましい。これ
らのフィラーは単独あるいは必要に応じて2種以上併用
することができる。これらのフィラーを用いることによ
って樹脂の耐熱性・耐吸湿性が増し、熱衝撃による接着
剤の歪みが小さくなるため、吸湿時の半田耐熱性等の向
上につながる。 【0016】加硫剤としては、ゴムを加硫可能であれば
いずれのものでも良く、例えば、硫黄、酸化亜鉛、酸化
マグネシウム等が挙げられる。これら加硫剤の配合量
は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、 0.2〜10重量部
が必要であり、好ましくは1〜5重量部である。 0.2重
量部未満ではNBRが十分に加硫せず、耐熱性、耐溶剤
性が低下し、10重量部を超えると、残った加硫剤により
接着性等に影響を及ぼす。これらは、単独あるいは必要
に応じて2種以上併用して用いることができる。 【0017】なお、本発明では接着剤に難燃性を付与す
るために、接着剤中の、イ)エポキシ樹脂・ロ)NBR
・ハ)硬化剤の合計の臭素含有量が、イ)〜ハ)の18重
量%〜30重量%であることが必要である。18重量%未満
では十分な難燃性が得られず、30重量%を超えると臭素
化エポキシ樹脂の比率が多くなり、耐熱性が劣る。臭素
含有量はイ)〜ハ)の各組成から算出される。 【0018】本発明では、上記樹脂のほかに、諸特性を
低下させない範囲で、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂等の樹脂や、酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
また、本発明により十分な難燃性が得られるが、更に難
燃性を付与する目的で難燃助剤を併用することも可能で
ある。しかし環境問題等により、三酸化アンチモンの使
用は避けた方が好ましい。 【0019】本発明の熱硬化性接着剤に用いられる溶剤
としては、トルエン、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等が
挙げられる。上記溶剤を用いた溶液の固形分濃度は20〜
45%重量であればよく、好ましくは20〜40重量%であ
る。固形分濃度が20%重量未満では塗工ムラが生じやす
くなる。また45%重量を超えると粘度が上昇し、塗工性
が悪くなるという問題がある。 【0020】次に、本発明の耐熱性カバーレイフィルム
の製造方法について述べる。予め調製された前記組成に
必要量の溶剤を添加してなる接着剤溶液を、リバースロ
ールコーター、コンマコーター等を用いて、前記電気絶
縁性フィルムに塗布する。これをインラインドライヤー
に通して80〜 140℃で2〜10分処理して接着剤の溶剤を
乾燥除去して半硬化状態とした後、加熱ロールにてこの
接着剤塗布面に離型材を線圧 0.2〜20kg/cm 、温度60〜
120℃で圧着させる。接着剤の塗布厚は、乾燥状態で5
〜45μmであればよく、好ましくは5〜25μmである。
得られた積層フィルムをさらにキュアさせるために加熱
してもよい。その加熱温度としては、80〜 200℃、加熱
時間を1分〜10時間かけて処理するとよい。 【0021】 【実施例】次に、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1 接着剤組成として、表1の実施例1の欄に示す接着剤組
成を用い、ボールミルを用いて均一に分散させ、メチル
エチルケトンと共に撹拌混合し、完全に溶解させて固形
分濃度35重量%の接着剤溶液を得た。次いで該接着剤溶
液を厚さ25μmのカプトン(東レ・デュポン社製ポリイ
ミドフィルム商品名)フィルム上に、乾燥後の厚さが30
μmになるようにリバースロールコーターにより塗布
し、110 ℃×5分の条件でインラインドライヤーを通し
て溶剤を乾燥除去し、接着剤を半硬化状態とした。この
接着剤層付きフィルムの接着剤塗布面に、離型材ポリエ
チレンコート紙(厚さ 130μm)を重ね合わせ、温度80
℃、線圧5kg/cm 、ラインスピード7m/min でロールラ
ミネーターにより加熱圧着し、カバーレイフィルムを得
た。このカバーレイフィルムの特性を下記により評価
し、結果を表3に記す。 【0022】評価用サンプルの作製 カバーレイフィルムの離型材を剥し、接着剤塗布面と銅
箔光沢面とを 160℃・50kg/cm2の条件で30分間加熱圧着
したものをサンプルとして用いた。この時に使用される
銅箔としては、耐半田もぐり性の評価には、純水:硫
酸:過酸化水素=7:2:1の重量比で調製した酸溶液
中に、厚さ35μmのBHN箔(ジャパンエナジー社製圧
延銅箔製品名)を30秒間浸して銅箔表面の酸化物・防錆
剤を除去したものを使用した。その他の特性評価には未
処理の厚さ35μmのBHN箔(前出圧延銅箔)を用い
た。 【0023】 【表1】 【0024】実施例2〜実施例5 接着剤組成として、表1の実施例2〜実施例5の各欄に
示す接着剤組成を用いる以外は実施例1と同様に行いカ
バーレイフィルムを作製した。このカバーレイフィルム
の特性の測定結果を表3に併記する。 【0025】比較例1〜比較例6 接着剤組成として、表2の比較例1〜比較例6の各欄に
示す接着剤組成を用いる以外は実施例1と同様に行いカ
バーレイフィルムを作製した。このカバーレイフィルム
の特性の測定結果を表3に併記する。 【0026】 【表2】【0027】 【表3】 【0028】なお、表3に示した物性測定方法は、次の
通りである。 1)剥離強度 JIS C 6471に準拠して行う。サンプルに1mm幅の回路を
常法により作製し、この回路を、90°方向に50mm/minの
速度で銅箔側から引き剥し、その強度を測定した。 【0029】2)半田耐熱性 JIS C 6471に準拠して行う。サンプルを25mm角にカット
し、これを半田浴上に30秒間浮かべた後、目視により検
査し、ふくれ・剥れ等が生じない最高温度を測定した。
吸湿時の半田耐熱性の評価は、サンプルを40℃・90%RH
の条件下で1時間曝した後、同様に半田浴上に30秒間浮
かべた後、目視により検査し、ふくれ・剥れ等が生じな
い最高温度を測定した。 【0030】3)線間絶縁抵抗 JIS C 6471に準拠して行う。サンプルに IPC FC 241 で
決められた線間絶縁抵抗測定用回路を常法により作製
し、得られたサンプルを20℃・60%RHの条件下で96時間
曝した後の電気抵抗を測定した。 【0031】4)難燃性 UL94 V-0の規格値に準拠して行う。サンプルを0.5 イン
チ×5インチにカットし、10回燃焼させて(2回/1サ
ンプル)、燃焼時間の合計が10秒以内であればV-0合格
と判定した。 ○:合格 ×:不合格 【0032】5)耐半田もぐり性 前記条件で酸処理を施した圧延銅箔光沢面に、5mm径の
穴を開けたカバーレイフィルムを 160℃・50kg/cm2の条
件で30分間加熱圧着し、その5mm径の銅箔開口部に半田
ペースト(田村化研社製、製品番号 7310-25C-30-2)を
載せ、リフロー半田上に5秒間サンプルを載せ、拡大鏡
を用いて目視により外観検査を行う。検査基準は、カバ
ーレイフィルムの内側に潜っている半田のもぐり幅が
0.2mm以内を合格とし、その時の最も高いリフロー温度
を採用した。 【0033】表3から、接着剤の組成が本発明の範囲と
した実施例1〜実施例6においては、表記した特性値が
耐半田もぐり性を含めて向上しており、良好な値を示し
ていることがわかる。 【0034】 【発明の効果】本発明により、優れた接着性・耐熱性・
難燃性等を保持し、かつ、良好な耐半田もぐり性を有す
るカバーレイフィルムを提供することが可能となり、こ
れにより部品をフレキシブル印刷配線用基板上に実装す
る際の半田付けの作業性が良くなることで作業効率の上
昇にもつながり、実用上その利用価値は高い。
するカバーレイフィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、エレクトロニクス分野の発展が目
覚ましく、特に通信用・民生用の電子機器の小型化、軽
量化、高密度化が進み、これらの性能に対する要求がま
すます高度なものとなっている。このような要求に対し
て、フレキシブル印刷配線用基板(以下、FPCとす
る)は、可撓性を有し、繰り返し屈曲に耐えるため狭い
空間に立体的高密度の実装が可能であり、電子機器への
配線、ケーブル、あるいはコネクター機能を付与した複
合部品としてのその用途が拡大しつつある。特に最近で
は基板の高密度化が進んでおり、それに伴ってFPCに
IC等の部品を実装する機会が多くなっている。また回
路のファインパターン化による影響もあり、FPCに対
して耐熱性、とりわけ耐半田もぐり性が重要となってき
ている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この耐半田もぐり性と
は、FPCに部品を実装する際、熱をかけて溶かした半
田がFPC端子部のカバーレイフィルムの内側にもぐ
り、このもぐり量が多いと半田が回路部にまで流れ込
み、最終的に回路をショートさせてFPC不良となって
しまうものである。この耐半田もぐり性の改良について
は従来特に検討されておらず、早急なる改良の必要性が
あった。本発明は、前記諸特性を改良することを目的と
し、特に接着剤組成について着目したもので、耐半田も
ぐり性に優れた耐熱性カバーレイフィルムを提供するも
のである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる課題
を解決するために熱硬化性接着剤の組成に重点を置き、
鋭意検討を行ってきた結果、接着剤の耐熱性と高温時の
密着性とを向上させることによって耐半田もぐり性が改
良されることを見出し、本発明に至ったものである。そ
の要旨とするところは、電気絶縁性フィルムに熱硬化性
接着剤を塗布し、これを加熱乾燥した後、離型材と貼り
合わせてなる耐熱性カバーレイフィルムにおいて、該熱
硬化性接着剤組成が、イ)エポキシ樹脂100重量部、
ロ)末端にカルボキシル基を含有するニトリルゴム
(A)と、アクリロニトリル含量が25〜45重量%で
ある末端に官能基を持たないニトリルゴム(B)とから
なり、その配合重量比(A)/(B)が90/10〜7
0/30であるニトリルゴム混合物30〜60重量部、
ハ)硬化剤2〜30重量部、ニ)イミダゾール化合物、
硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種または2
種以上の硬化促進剤0.1〜3重量部、ホ)無機フィラ
ー20〜60重量部、ヘ)加硫剤0.2〜10重量部よ
りなり、かつト)イ)、ロ)及びハ)の合計の臭素含有
量が18重量%〜30重量%である耐熱性カバーレイフ
ィルムにある。 【0005】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態をさら
に詳述する。カバーレイフィルムの構成は、電気絶縁性
フィルム/熱硬化性接着剤/離型材からなる3層であ
り、接着剤の厚さは一般的に20〜50μmであるが、使用
状況等により適宜決められる。本発明に用いられる電気
絶縁性フィルムとしては、ポリイミドフィルム、PET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリエステ
ルフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエ
ーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルファイドフ
ィルム、アラミドフィルム等が例示され、なかでも耐熱
性・寸法安定性・機械特性等からポリイミドフィルムが
好ましい。フィルムの厚さは、通常12.5〜 125μmの範
囲であるが、必要に応じて適宜の厚さのものを使用すれ
ば良い。またこれらフィルムの片面もしくは両面に、低
温プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理
等の表面処理を施してもよい。 【0006】離型材としては、ポリエチレンフィルム、
ポリプロピレンフィルム、TPXフィルム、シリコーン
離型材付きポリエチレンフィルム、シリコーン離型材付
きポリプロピレンフィルム、ポリエチレン樹脂コート
紙、ポリプロピレン樹脂コート紙等が挙げられ、必要に
応じて適宜の厚さのものが使用される。 【0007】本発明の熱硬化性接着剤に用いるエポキシ
樹脂は、多官能エポキシ樹脂であり1分子中にエポキシ
基を2個以上有するものであれば良く、例えばビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂等が挙げられる。また難燃性を付与するた
めにこれらエポキシ樹脂をハロゲン化したもの、特に臭
素化したエポキシ樹脂を用いることが有効である。この
際臭素化エポキシ樹脂のみでは難燃性の付与はできるも
のの接着剤の耐熱性低下が起こるため、非臭素化エポキ
シ樹脂と混合して用いることが好ましい。非臭素化エポ
キシ樹脂は、エポキシ樹脂全体の5〜50重量%混合する
と好ましい。 【0008】非臭素化エポキシ樹脂の具体例として、エ
ピコート(以下、EKとする)828(ビスフェノールA
型)、同154 (フェノールノボラック型)、同1001(ビ
スフェノールA型)、同152 (フェノールノボラック
型、以上、油化シェルエポキシ社製商品名)、EOCN 102
S (クレゾールノボラック型)、同103S(クレゾールノ
ボラック型)、同104S(クレゾールノボラック型、以
上、日本化薬社製商品名)等が例示される。また臭素化
エポキシ樹脂の具体例としては、EK5050(臭素含量49
重量%)、同5049(臭素含量26重量%)、同5048(臭素
含量25重量%)、同5045(臭素含量19重量%、以上、油
化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型商品名)、
BREN-S(臭素含量35重量%、日本化薬社製商品名)等が
例示される。これらの臭素含量の異なるエポキシ樹脂
は、単独であるいは必要に応じて2種以上併用して用い
られる。 【0009】本発明の熱硬化性接着剤に用いるニトリル
ゴム(以下、NBRとする)は、Aとして末端にカルボ
キシル基を含有するNBRと、Bとして末端にカルボキ
シル基等の官能基を持たないアクリロニトリル含量が25
〜45重量%であるNBRとからなる。 【0010】Aの、末端にカルボキシル基を含有したN
BRとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンと
を共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化し
た共重合ゴムや、アクリロニトリル及びブタジエンとカ
ルボキシル基を含有した単量体との共重合ゴム等が挙げ
られる。このNBRは、末端カルボキシル基含有量 0.0
05〜5重量%が好ましい。末端カルボキシル基含有量が
0.005重量%未満では、反応性が落ち、また5重量%を
超えると、電気特性が低下する。またアクリロニトリル
含量は15〜40重量%が好ましい。このNBRの市販品と
しては、ニポール(以下、NPと略す)1072(アクリロ
ニトリル含量27.0重量%、末端カルボキシル基含量0.07
5 重量%)、同 1072J(アクリロニトリル27.0重量%、
末端カルボキシル基0.075 重量%)、同 DN 631(アク
リロニトリル33.5重量%、末端カルボキシル基約0.0075
重量%)、同 DN601 (以上、日本ゼオン社製商品名)
等が例示され、これらは単独あるいは必要に応じて2種
以上併用して用いることができる。 【0011】Bの、末端に官能基を持たないNBRは、
アクリロニトリル含量が25〜45重量%であることが必要
であり、好ましくは30〜45重量%である。アクリロニト
リル含量が25重量%未満では接着性が不充分であり、45
重量%を超えると溶剤に溶けにくく、接着剤の塗工性が
悪くなる。このNBRの市販品としては、例えばNP10
01(アクリロニトリル含量40.5重量%)、同1031(アク
リロニトリル含量40.5重量%)、同1032(アクリロニト
リル含量33.5重量%)、同 DN225(アクリロニトリル含
量33.5重量%)、Zポール2000(アクリロニトリル含量
36.0重量%)、Zポール2020(アクリロニトリル含量3
6.0重量%、以上、日本ゼオン社製商品名)等が挙げら
れ、これらは単独あるいは必要に応じて2種以上併用し
て用いることができる。 【0012】A/Bは、重量比で95/5〜50/50である
ことが必要であり、好ましくは90/10〜70/30である。
Aの重量比が95を超えると高温時の密着性が劣り、50未
満では硬化が不十分となり、耐溶剤性、耐熱性が劣る。
これらNBRの配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対
して20〜80重量部が必要であり、好ましくは30〜60重量
部である。20重量部未満では、耐半田もぐり性、接着力
が劣り、80重量部を超えると耐熱性が低下する。 【0013】硬化剤は、公知のエポキシ樹脂の硬化剤と
して用いられるものであれば良く、例えば、脂肪族アミ
ン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化
剤、ジシアンジアミド、三弗化硼素アミン錯塩等が例示
される。特に、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン
(以下、DDSと略記する)、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタンが好ましい。これらは単独あるいは必要に
応じて2種以上併用して用いられる。これら硬化剤の配
合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、3〜20重量
部が必要であり、好ましくは5〜15重量部である。3重
量部未満ではエポキシ樹脂の十分な硬化が得られず、耐
半田もぐり性、電気特性が低下し、20重量部を超えると
接着性が落ち、保存性が悪くなる。 【0014】硬化促進剤としては、例えば2−アルキル
−4−メチルイミダゾール、2−アルキル−4−エチル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾ
ール化合物;硼弗化錫、硼弗化亜鉛等の硼弗化物;オク
チル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩等が挙げら
れ、これらは単独あるいは必要に応じて2種以上併用し
て用いることができる。またこれら硬化促進剤の配合量
は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、 0.1〜3重量部
が必要であり、好ましくは 0.5〜2重量部である。 0.1
重量部未満ではエポキシ樹脂の十分な硬化が得られず、
耐半田もぐり性、電気特性が低下し、3重量部を超える
と保存性が劣化し、また接着性が低下する。 【0015】無機フィラーとしては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化アルミ
ニウム等の金属酸化物等が挙げられる。ただし、本発明
では、無機フィラーのうち加硫効果が著しいものは加硫
剤として扱う。これらフィラーの配合量はエポキシ樹脂
100重量部に対して20〜60重量部が必要であり、好まし
くは25〜40重量部である。20重量部未満では半田耐熱
性、対半田もぐり性が劣化し、60重量部を超えると接着
性が低下する。また最近のFPCはファインパターン化
が進んでおり、数10μmのパターンが実用化されている
ため、フィラーの粒径も約 0.1μm〜10μmのものを用
いるのが好ましい。なお、これらフィラーの樹脂マトリ
クスへの定着性や耐水性を向上させるために、ジメチル
ジクロロシラン等のクロロシラン、シリコーンオイル、
メチルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等
の処理剤を用いて疎水化処理を施すのが望ましい。これ
らのフィラーは単独あるいは必要に応じて2種以上併用
することができる。これらのフィラーを用いることによ
って樹脂の耐熱性・耐吸湿性が増し、熱衝撃による接着
剤の歪みが小さくなるため、吸湿時の半田耐熱性等の向
上につながる。 【0016】加硫剤としては、ゴムを加硫可能であれば
いずれのものでも良く、例えば、硫黄、酸化亜鉛、酸化
マグネシウム等が挙げられる。これら加硫剤の配合量
は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、 0.2〜10重量部
が必要であり、好ましくは1〜5重量部である。 0.2重
量部未満ではNBRが十分に加硫せず、耐熱性、耐溶剤
性が低下し、10重量部を超えると、残った加硫剤により
接着性等に影響を及ぼす。これらは、単独あるいは必要
に応じて2種以上併用して用いることができる。 【0017】なお、本発明では接着剤に難燃性を付与す
るために、接着剤中の、イ)エポキシ樹脂・ロ)NBR
・ハ)硬化剤の合計の臭素含有量が、イ)〜ハ)の18重
量%〜30重量%であることが必要である。18重量%未満
では十分な難燃性が得られず、30重量%を超えると臭素
化エポキシ樹脂の比率が多くなり、耐熱性が劣る。臭素
含有量はイ)〜ハ)の各組成から算出される。 【0018】本発明では、上記樹脂のほかに、諸特性を
低下させない範囲で、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂等の樹脂や、酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
また、本発明により十分な難燃性が得られるが、更に難
燃性を付与する目的で難燃助剤を併用することも可能で
ある。しかし環境問題等により、三酸化アンチモンの使
用は避けた方が好ましい。 【0019】本発明の熱硬化性接着剤に用いられる溶剤
としては、トルエン、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等が
挙げられる。上記溶剤を用いた溶液の固形分濃度は20〜
45%重量であればよく、好ましくは20〜40重量%であ
る。固形分濃度が20%重量未満では塗工ムラが生じやす
くなる。また45%重量を超えると粘度が上昇し、塗工性
が悪くなるという問題がある。 【0020】次に、本発明の耐熱性カバーレイフィルム
の製造方法について述べる。予め調製された前記組成に
必要量の溶剤を添加してなる接着剤溶液を、リバースロ
ールコーター、コンマコーター等を用いて、前記電気絶
縁性フィルムに塗布する。これをインラインドライヤー
に通して80〜 140℃で2〜10分処理して接着剤の溶剤を
乾燥除去して半硬化状態とした後、加熱ロールにてこの
接着剤塗布面に離型材を線圧 0.2〜20kg/cm 、温度60〜
120℃で圧着させる。接着剤の塗布厚は、乾燥状態で5
〜45μmであればよく、好ましくは5〜25μmである。
得られた積層フィルムをさらにキュアさせるために加熱
してもよい。その加熱温度としては、80〜 200℃、加熱
時間を1分〜10時間かけて処理するとよい。 【0021】 【実施例】次に、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1 接着剤組成として、表1の実施例1の欄に示す接着剤組
成を用い、ボールミルを用いて均一に分散させ、メチル
エチルケトンと共に撹拌混合し、完全に溶解させて固形
分濃度35重量%の接着剤溶液を得た。次いで該接着剤溶
液を厚さ25μmのカプトン(東レ・デュポン社製ポリイ
ミドフィルム商品名)フィルム上に、乾燥後の厚さが30
μmになるようにリバースロールコーターにより塗布
し、110 ℃×5分の条件でインラインドライヤーを通し
て溶剤を乾燥除去し、接着剤を半硬化状態とした。この
接着剤層付きフィルムの接着剤塗布面に、離型材ポリエ
チレンコート紙(厚さ 130μm)を重ね合わせ、温度80
℃、線圧5kg/cm 、ラインスピード7m/min でロールラ
ミネーターにより加熱圧着し、カバーレイフィルムを得
た。このカバーレイフィルムの特性を下記により評価
し、結果を表3に記す。 【0022】評価用サンプルの作製 カバーレイフィルムの離型材を剥し、接着剤塗布面と銅
箔光沢面とを 160℃・50kg/cm2の条件で30分間加熱圧着
したものをサンプルとして用いた。この時に使用される
銅箔としては、耐半田もぐり性の評価には、純水:硫
酸:過酸化水素=7:2:1の重量比で調製した酸溶液
中に、厚さ35μmのBHN箔(ジャパンエナジー社製圧
延銅箔製品名)を30秒間浸して銅箔表面の酸化物・防錆
剤を除去したものを使用した。その他の特性評価には未
処理の厚さ35μmのBHN箔(前出圧延銅箔)を用い
た。 【0023】 【表1】 【0024】実施例2〜実施例5 接着剤組成として、表1の実施例2〜実施例5の各欄に
示す接着剤組成を用いる以外は実施例1と同様に行いカ
バーレイフィルムを作製した。このカバーレイフィルム
の特性の測定結果を表3に併記する。 【0025】比較例1〜比較例6 接着剤組成として、表2の比較例1〜比較例6の各欄に
示す接着剤組成を用いる以外は実施例1と同様に行いカ
バーレイフィルムを作製した。このカバーレイフィルム
の特性の測定結果を表3に併記する。 【0026】 【表2】【0027】 【表3】 【0028】なお、表3に示した物性測定方法は、次の
通りである。 1)剥離強度 JIS C 6471に準拠して行う。サンプルに1mm幅の回路を
常法により作製し、この回路を、90°方向に50mm/minの
速度で銅箔側から引き剥し、その強度を測定した。 【0029】2)半田耐熱性 JIS C 6471に準拠して行う。サンプルを25mm角にカット
し、これを半田浴上に30秒間浮かべた後、目視により検
査し、ふくれ・剥れ等が生じない最高温度を測定した。
吸湿時の半田耐熱性の評価は、サンプルを40℃・90%RH
の条件下で1時間曝した後、同様に半田浴上に30秒間浮
かべた後、目視により検査し、ふくれ・剥れ等が生じな
い最高温度を測定した。 【0030】3)線間絶縁抵抗 JIS C 6471に準拠して行う。サンプルに IPC FC 241 で
決められた線間絶縁抵抗測定用回路を常法により作製
し、得られたサンプルを20℃・60%RHの条件下で96時間
曝した後の電気抵抗を測定した。 【0031】4)難燃性 UL94 V-0の規格値に準拠して行う。サンプルを0.5 イン
チ×5インチにカットし、10回燃焼させて(2回/1サ
ンプル)、燃焼時間の合計が10秒以内であればV-0合格
と判定した。 ○:合格 ×:不合格 【0032】5)耐半田もぐり性 前記条件で酸処理を施した圧延銅箔光沢面に、5mm径の
穴を開けたカバーレイフィルムを 160℃・50kg/cm2の条
件で30分間加熱圧着し、その5mm径の銅箔開口部に半田
ペースト(田村化研社製、製品番号 7310-25C-30-2)を
載せ、リフロー半田上に5秒間サンプルを載せ、拡大鏡
を用いて目視により外観検査を行う。検査基準は、カバ
ーレイフィルムの内側に潜っている半田のもぐり幅が
0.2mm以内を合格とし、その時の最も高いリフロー温度
を採用した。 【0033】表3から、接着剤の組成が本発明の範囲と
した実施例1〜実施例6においては、表記した特性値が
耐半田もぐり性を含めて向上しており、良好な値を示し
ていることがわかる。 【0034】 【発明の効果】本発明により、優れた接着性・耐熱性・
難燃性等を保持し、かつ、良好な耐半田もぐり性を有す
るカバーレイフィルムを提供することが可能となり、こ
れにより部品をフレキシブル印刷配線用基板上に実装す
る際の半田付けの作業性が良くなることで作業効率の上
昇にもつながり、実用上その利用価値は高い。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 栄口 吉次
茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地
信越化学工業株式会社 塩ビ技術研究所
内
(56)参考文献 特開 平4−328183(JP,A)
特開 平5−279639(JP,A)
特開 平3−212474(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C09J 7/02
C09J 163/00
H05K 3/28
C09J 163/00
C09J 113:00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 電気絶縁性フィルムに熱硬化性接着剤を
塗布し、これを加熱乾燥した後、離型材と貼り合わせて
なる耐熱性カバーレイフィルムにおいて、該熱硬化性接
着剤組成が、よりなり、かつト) イ)、ロ)及びハ)の合計の臭素
含有量が18重量%〜30重量%であることを特徴とす
る耐熱性カバーレイフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23638696A JP3490226B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 耐熱性カバーレイフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23638696A JP3490226B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 耐熱性カバーレイフィルム |
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ID=17000016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23638696A Expired - Fee Related JP3490226B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 耐熱性カバーレイフィルム |
Country Status (1)
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DE102005035905A1 (de) * | 2005-07-28 | 2007-02-01 | Tesa Ag | Nitrilkautschuk Blends zur Fixierung von Metallteilen auf Kunststoffen |
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1996
- 1996-09-06 JP JP23638696A patent/JP3490226B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1081858A (ja) | 1998-03-31 |
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