JP2004288560A - 導電性接着フィルム及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚みの均一性に優れ、初期密着性に優れ、高導電性、高接着強度、熱放散性、および耐熱性を有する低温で熱圧着可能な導電性接着フィルムを提供する。
【課題手段】アクリル酸共重合体をメチルエチルケトンに溶解し、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、カップリング剤を加え溶解するまで攪拌混合し、次いで、各銀粉を攪拌混合中の前記溶液中にゆっくり添加し攪拌した。前記銀粉を添加した溶液をディスパーザーにより5000〜7000rpmで攪拌混合し、次いでホモミキサーにより10000〜12000rpmで銀粉を分散させた後、真空チャンバー内2mmHgで攪拌脱泡してワニスを得た。このワニスを100μmのポリエチレンテレフタレート基材にコンマコーターで塗布し、乾燥させて導電性接着フィルムを得た。
【課題手段】アクリル酸共重合体をメチルエチルケトンに溶解し、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、カップリング剤を加え溶解するまで攪拌混合し、次いで、各銀粉を攪拌混合中の前記溶液中にゆっくり添加し攪拌した。前記銀粉を添加した溶液をディスパーザーにより5000〜7000rpmで攪拌混合し、次いでホモミキサーにより10000〜12000rpmで銀粉を分散させた後、真空チャンバー内2mmHgで攪拌脱泡してワニスを得た。このワニスを100μmのポリエチレンテレフタレート基材にコンマコーターで塗布し、乾燥させて導電性接着フィルムを得た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性接着フィルム及びこれを用いた半導体装置に関するものである。更に詳しくは、IC、LSI等の半導体素子と、金属リードフレーム、ポリイミド基板および有機硬質基板等とのダイボンディングに好適な導電性接着フィルム、及びそれを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の組立において、半導体素子を金属リードフレームに接着させる工程、いわゆるダイボンディング工程において用いられる接合方法は、これまで金−シリコーン共晶に始まり、半田、樹脂ペーストと推移してきた。現在では主にIC、LSIの組立においては導電性の樹脂ペーストを使用している。
【0003】
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して、半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。これに伴い被着体は金属リードフレームに替わり、ポリイミド基板やソルダーレジストを表面に塗布した有機硬質基板を使用した半導体装置の要求が高まってきた。
【0004】
これらの半導体装置は、多くの熱を発生させることから、より高い熱放散性と導電性を要求される。これまで、半導体素子の接着には導電性樹脂ペーストを用いたものが主流となってきた。しかし、コスト削減により、従来ペーストを塗布する、いわゆるダイパット部のメッキを無くしたベア銅フレームや、新規に開発されたBGA、CSPに用いられるソルダーレジストを表面に塗布した有機基板では、硬化時にペースト部の温度変化により、揮発分が急激に揮発するため、ペーストがはじけ、ボイドが多発する現象が確認されている。
【0005】
これらの現象は、いずれもペースト樹脂を熱硬化させる際に、ペーストの温度が上昇し、樹脂の粘度が低下する。そのため金属フレーム、有機基板の表面上で、樹脂のはじきが生じ、ボイドとなり、硬化後のペースト厚が均一でない状態になる。この様に、ペースト厚が均一でないことが、半導体装置の組立工程において、不良の発生や半導体装置の信頼性が低下する原因となってきた。
【0006】
また、近年開発されたBGAやCSPといった高密度実装や、小型化が可能になった半導体装置において、従来のペースト樹脂を用いる場合、接着後に樹脂が、はみ出すという問題もある。
【0007】
これらの問題を解決する手法として、ICの熱放散として、ヒートシンクや放熱ファンの利用が検討され、例えば特許文献1に記載されているが、これらの放熱構造部とチップ間の接合部分には、高熱伝導性の接着剤が必要とされている。これらの導電性の接着剤は、接着部分にボイド等の空隙が存在すると、導電性が大幅に減少する。このため、ボイド、泡を内部に巻き込み易い液状の接着剤より、熱圧着可能なフィルム状接着剤が好ましい。しかしながら、導電性、初期密着性、高接着性、耐熱性の全て満足する導電性接着フィルムはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、厚みの均一性に優れ、初期密着性に優れ、高導電性、高接着強度、熱放散性、および耐熱性を有する低温で熱圧着可能な導電性接着フィルムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂と銀紛を組み合わせて使用し、均一分散させたフィルムが上記問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、
[1] ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂及び銀粉を含有してなることを特徴とする導電性接着フィルム、
[2] 熱可塑性樹脂がアクリル酸共重合体である[1]項記載の導電性接着フィルム、
[3] アクリル酸共重合体の分子量が10万以上である[2]項記載の導電性接着フィルム、
[4] 銀粉を70〜90重量%含有してなる[1][2]又は[3]項記載の導電性接着フィルム、
[5] さらに熱硬化性樹脂を含有してなる[1]〜[4]項のいずれかに記載の導電性接着フィルム、
[6] 導電性接着フィルムが、10−2Ω・cm以下の体積抵抗値を有する[1]〜[5]項のいずれかに記載の導電性接着フィルム、
[7] [1]〜[6]項のいずれかに記載の導電性接着フィルムを用いて製造された半導体装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂及び銀粉を含有してなる導電性接着フィルムである。ガラス転移温度が−10℃未満であるとフィルムのタック性が強くなりハンドリングが難しくなり、好ましくない。50℃を超えると初期密着性が悪くなり好ましくない。
【0012】
本発明に用いるアクリル酸共重合体としてはアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられ、中でもグリシジルエーテル基を有するグリシジルメタクリレート、水酸基を有するヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を有するカルボキシメタクリレートを含む共重合体が好ましい。
【0013】
これらアクリル酸共重合体の分子量は凝集力を高めることから10万以上が好ましく15万から100万がより好ましい。
【0014】
本発明に用いる銀紛(A)としては、還元法、電解法、アドマイズド法などで得られた銀粉が挙げられる。本発明はアドマイズド銀粉を含むことが好ましく、前記製法の内、アドマイズド法により得られるものであり、銀を溶融させた後、噴霧冷却して銀の微粒子を得ることより、粒子間に空隙を有さず、熱伝導性の低下が無く熱放散性を付与する。また、本発明に用いるアドマイズド銀粉は、平均粒径が3〜10μmで、かつ、銀粉の高充填させるにはタップ密度が4.5g/cm3以上であることが好ましい。タップ密度はJISK5101−1991の20.2タップ法に準じた方法により測定した。
【0015】
本発明に用いる銀粉には、アドマイズド銀粉の他に、前記製法で得られた微細球状銀粉やフレーク状銀粉を、それぞれ単独もしくは両者を混合して使用すると好ましい。これらの内、主成分としてフレーク状銀粉を用いることでフィルムのハンドリング性が飛躍的に向上することができる。また、微細球状銀粉は、導電性を付与する上で好ましい。
【0016】
また、本発明に用いるフレーク状の銀粉は、前記製法で得られた球状、塊状銀粉をジェットミル、ロールミル、ボールミルなどで機械的に粉砕するなどして得られるものであり、平均粒径が1〜15μmであることが好ましい。
【0017】
本発明に用いる微細球状銀粉は、平均粒径が0.5〜3.0μmであることが好ましい。
【0018】
本発明に用いる銀粉の最大粒径としては30μm以下が好ましい。30μm以上より大きい銀粉を使用した場合、フィルム表面に銀が析出し、外観不良や接着性の低下を引き起こすためである恐れがある。
【0019】
本発明において、銀の含有率を70〜90重量%とすることが好ましい。含有率が、70重量%より少ないと十分な導電性を得ることはできなくなる恐れがあり、また、90重量%より多くなると導電性は優れるものの、接着性、作業性を著しく低下させる恐れがある。
【0020】
本発明において用いる銀粉の種類はアドマイズ銀粉、球状、微細球状、フレーク状の中から少なくとも2種以上を組合せて用いるのが通常である。特に好ましくは、フレーク状銀粉が30〜80重量%、アドマイズド銀粉が15〜50重量%、微細球状銀粉は5〜20重量%である。
【0021】
本発明に用いる熱硬化性樹脂は、熱圧着時には濡れ性向上の役割を果たし、圧着後に加熱により硬化反応が進行し、三次元網目状化し、被着体である金属リードフレームや有機基板に強固に接着するものであれば、特に制限されることはない。具体的には、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
【0022】
本発明に用いられるエポキシ樹脂はモノマー、オリゴマ−及びポリマー全般をいう。例えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
【0023】
熱硬化性樹脂には、上記で挙げた成分のほかにも、エポキシオリゴマーなども用いることができる。この化合物は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有し、通常は分子量が1000〜50000、好ましくは3000〜10000程度である。
【0024】
エポキシ樹脂としては、従来周知の種々のエポキシ樹脂が用いられるが、通常は、分子量300〜2000程度のものが好ましく、特に好ましくは、分子量300〜800の常温液状のエポキシ樹脂および/または、分子量400〜2000、好ましくは500〜1500の常温固体のエポキシ樹脂した形で用いるのが望ましい。また、本発明に、特に好ましく使用されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常100〜2000g/eqである。
【0025】
本発明において、熱硬化性樹脂の含有量は1〜10重量%が好ましい。
【0026】
本発明において、エポキシ樹脂を硬化促進させるために硬化促進剤も用いることができる。これら硬化促進剤として例えば、ジシアンジアミド誘導体、イミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどが用いられる。これらは2種類以上を併用してもよい。中でも、イミダゾール類を使用することが好ましい。
【0027】
例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
【0028】
本発明において熱硬化性樹脂はシアネート基を有する有機化合物を含んでもよく、ビスフェノールAジシアネート、ビスフェノールFジシアネート、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル、ビスフェノールEジシアネート シアネートノボラック樹脂などがある。
【0029】
本発明に用いることのできる熱硬化性樹脂において、上記の硬化促進剤剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して好ましくは0〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。
【0030】
更にその他の成分として、エポキシ樹脂とアミン化合物の反応物も用いることができる。これはマイクロカプセル型硬化剤と呼ばれるもので、加熱により付加したアミン化合物がエポキシ樹脂より遊離し、エポキシ樹脂に作用するものである。例えば、ビスF型エポキシ樹脂と2−メチルイミダゾールにイソシアネートを付加させたものがある。
【0031】
更に本発明の導電性接着フィルムには必要に応じて添加剤を用いることができる。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系カップリング剤などある。その中でも、シリコンチップとの界面での密着性が良いシラン系カップリング剤が好ましい。例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。カップリング剤の配合量は樹脂分100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。
【0032】
本発明の導電性接着フィルムの製造方法としては、まず、前記各成分をN−メチル−2−ピロリドンや、アニソール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等の有機溶剤中で混合してワニス状とし、これを塗布してフィルムを形成する。更に、具体的には、例えば、耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片面または両面に同様のフィルム層を形成させ、支持体と共に接着フィルムとして得るか、またはロールや金属シート、ポリエステルシートなどの離型シート上に、フローコーター、ロールコーター、コンマコーターなどによりフィルムを形成させ、加熱乾燥後、剥離して、単層の接着フィルムとするなどの方法で得ることができる。
【0033】
この様にして得られた導電性接着フィルムは体積抵抗値が、10−2Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗値が10−2Ω・cm以下になると熱の放散性が著しく向上するため、小型化および高密度実装に対応した最新の半導体装置に適した接着フィルムを得ることができる。
【0034】
本発明は、前記のような従来技術を改善・改良するための半導体用接着フィルムに関するものであり、厚みの均一性に優れ、高い接着強度、導電性および耐熱性を有する。本発明の半導体装置は、前記導電性接着フィルムを用いて、半導体素子と、半導体搭載用基板やリードフレーム等とを接着して得られる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない
【0036】
実施例に用いた原料について、以下に説明する。
(A)銀粉
〔銀粉〕
(A−1)SF−86S(DMC2ジャパン(株);平均粒径:3.0μmフレーク状)
(A−2)SF−69(DMC2ジャパン(株);平均粒径:5.0μm球状)
(A−3)TKR−4A(徳力化学(株);平均粒径:5.0μmフレーク状)
(A−4)AgXF301(福田金属(株);平均粒径:5.0μmフレーク状)
(A−5)AgXF301H(福田金属(株);平均粒径:5.0μmアドマイズド銀粉)
【0037】
(B)熱可塑性樹脂
(B)アクリル酸共重合体樹脂又はポリイミド樹脂
[(B−1)エポキシ基含有アクリルゴム(商品名:SG80HDR、Tg:10℃、分子量はMw=350000である。
(B−2)エポキシ基含有アクリルゴム(商品名:SGP3DR、Tg:12℃、分子量はMw=850000である。
(B−3)エポキシ基含有アクリルゴム(商品名:SG80L−29、Tg:10℃、分子量はMw=400000である。
(B−4)シリコーン変性ポリイミド樹脂
ジアミン成分として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(0.15モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量837)(0.15モル)、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物(0.15モル)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを用いたアニソールに可溶なポリイミド樹脂。Tg:90℃、分子量Mw=50000。
【0038】
(C)熱硬化性樹脂
(C−1)クレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量:200g/eq、日本化薬(株))
(C−2)ビスF型シアネートエステル樹脂(AROCY L−10、旭化成エポキシ(株))
【0039】
(D)シランカップリング剤
〔カップリング剤2〕3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403E、信越シリコーン(株))
【0040】
(E)イミダゾール
(E−1)イミダゾール化合物(商品名:1B2MZ、メーカー:四国化成)
【0041】
実施例1〜6
表1に記載の配合割合に従い、熱可塑性樹脂(成分A)をメチルエチルケトンに溶解し、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、カップリング剤1を加え溶解するまで攪拌混合し、次いで、各銀粉を攪拌混合中の前記溶液中にゆっくり添加し攪拌した。前記銀粉を添加した溶液をディスパーザーにより5000〜7000rpmで攪拌混合し、次いでホモミキサーにより10000〜12000rpmで銀粉を分散させた後、真空チャンバー内2mmHgで攪拌脱泡してワニスを得た。このワニスを100μmのポリエチレンテレフタレート基材にコンマコーターで塗布し、乾燥させて導電性接着フィルムを得た後、以下に示す方法により各種性能を評価した。評価結果を表1に示す。
【0042】
[体積抵抗値]上記で得られたフィルムを、180℃で1時間処理し熱硬化させ、幅10mm、長さ60mmに切断し、スライドガラス上での体積抵抗をミリオーム計で測定した。
【0043】
[初期密着性]2.5mmφの金型で、上記で得られたフィルムを打ち抜き、圧着温度160℃、圧力20MPa、加圧時間0.5秒で仮圧着し、次いで、圧着温度160℃、圧力10MPa、加圧時間1.0秒で、フィルムを42−合金のリードフレームに貼り付ける。次いで、4mm角のシリコンチップを、上記2.5mmφのフィルムに、圧着温度180℃、圧力1MPa、圧着時間1.0秒でチップマウントし、室温でダイシェア強度を測定し初期密着性を測定した。初期密着力が1MPa以上であるものは○それ以下のものは×とした。
[240℃熱時接着強度]さらに180℃で1時間硬化させる。硬化後、プッシュプルゲージを用い240℃での熱時ダイシェア強度を測定した。熱時ダイシェア強度が0.5MPa以上であるものは○それ以下のものは×とした。
【0044】
[ハンドリング性]上記で得られたフィルムを100mm角に切り、半分に折り曲げた後98hPa(単位はSI単位を用いて下さい)の圧力でプレスする。その時、半分以上のちぎれがあると×、部分的なちぎれがあると△、なしで○と判定した。
【0045】
[熱分解温度]上記で得られたフィルムを、セイコーインスツルメント社製示査熱熱重量同時測定装置TG/DTA6200により、測定した5重量%の熱分解温度が350℃以上を○、350℃より低ければ×と判定した。
【0046】
[総合評価]体積抵抗値、初期密着性、体積抵抗値、熱時接着強度、ハンドリング性、熱分解温度の全てを良好なものを○、1つでも不満足のものを×とした。
【0047】
比較例1〜3
シリコーン変性ポリイミド樹脂については、アニソールに溶解して用いた。これ以外は、実施例1〜6と同様の操作を行い導電性接着フィルムを得た。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果から、実施例は初期密着性、導電性、接着性、ハンドリング性、耐熱性共に良好であった。比較例では、それぞれが満足するものが得られなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば初期密着性、接着性に優れ、特に室温だけでなく240℃のような半田溶融温度域でも十分な接着強度を有し、かつ熱放散性、電気伝導性を有する耐熱性に優れた導電性接着フィルムを提供できる。しかも従来にない低温、短時間での熱圧着できる量産性の点も有利な耐熱性のある導電性接着フィルムを得ることができる。また、それを使用した半導体装置は高い信頼性を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性接着フィルム及びこれを用いた半導体装置に関するものである。更に詳しくは、IC、LSI等の半導体素子と、金属リードフレーム、ポリイミド基板および有機硬質基板等とのダイボンディングに好適な導電性接着フィルム、及びそれを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の組立において、半導体素子を金属リードフレームに接着させる工程、いわゆるダイボンディング工程において用いられる接合方法は、これまで金−シリコーン共晶に始まり、半田、樹脂ペーストと推移してきた。現在では主にIC、LSIの組立においては導電性の樹脂ペーストを使用している。
【0003】
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して、半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。これに伴い被着体は金属リードフレームに替わり、ポリイミド基板やソルダーレジストを表面に塗布した有機硬質基板を使用した半導体装置の要求が高まってきた。
【0004】
これらの半導体装置は、多くの熱を発生させることから、より高い熱放散性と導電性を要求される。これまで、半導体素子の接着には導電性樹脂ペーストを用いたものが主流となってきた。しかし、コスト削減により、従来ペーストを塗布する、いわゆるダイパット部のメッキを無くしたベア銅フレームや、新規に開発されたBGA、CSPに用いられるソルダーレジストを表面に塗布した有機基板では、硬化時にペースト部の温度変化により、揮発分が急激に揮発するため、ペーストがはじけ、ボイドが多発する現象が確認されている。
【0005】
これらの現象は、いずれもペースト樹脂を熱硬化させる際に、ペーストの温度が上昇し、樹脂の粘度が低下する。そのため金属フレーム、有機基板の表面上で、樹脂のはじきが生じ、ボイドとなり、硬化後のペースト厚が均一でない状態になる。この様に、ペースト厚が均一でないことが、半導体装置の組立工程において、不良の発生や半導体装置の信頼性が低下する原因となってきた。
【0006】
また、近年開発されたBGAやCSPといった高密度実装や、小型化が可能になった半導体装置において、従来のペースト樹脂を用いる場合、接着後に樹脂が、はみ出すという問題もある。
【0007】
これらの問題を解決する手法として、ICの熱放散として、ヒートシンクや放熱ファンの利用が検討され、例えば特許文献1に記載されているが、これらの放熱構造部とチップ間の接合部分には、高熱伝導性の接着剤が必要とされている。これらの導電性の接着剤は、接着部分にボイド等の空隙が存在すると、導電性が大幅に減少する。このため、ボイド、泡を内部に巻き込み易い液状の接着剤より、熱圧着可能なフィルム状接着剤が好ましい。しかしながら、導電性、初期密着性、高接着性、耐熱性の全て満足する導電性接着フィルムはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、厚みの均一性に優れ、初期密着性に優れ、高導電性、高接着強度、熱放散性、および耐熱性を有する低温で熱圧着可能な導電性接着フィルムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂と銀紛を組み合わせて使用し、均一分散させたフィルムが上記問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、
[1] ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂及び銀粉を含有してなることを特徴とする導電性接着フィルム、
[2] 熱可塑性樹脂がアクリル酸共重合体である[1]項記載の導電性接着フィルム、
[3] アクリル酸共重合体の分子量が10万以上である[2]項記載の導電性接着フィルム、
[4] 銀粉を70〜90重量%含有してなる[1][2]又は[3]項記載の導電性接着フィルム、
[5] さらに熱硬化性樹脂を含有してなる[1]〜[4]項のいずれかに記載の導電性接着フィルム、
[6] 導電性接着フィルムが、10−2Ω・cm以下の体積抵抗値を有する[1]〜[5]項のいずれかに記載の導電性接着フィルム、
[7] [1]〜[6]項のいずれかに記載の導電性接着フィルムを用いて製造された半導体装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂及び銀粉を含有してなる導電性接着フィルムである。ガラス転移温度が−10℃未満であるとフィルムのタック性が強くなりハンドリングが難しくなり、好ましくない。50℃を超えると初期密着性が悪くなり好ましくない。
【0012】
本発明に用いるアクリル酸共重合体としてはアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられ、中でもグリシジルエーテル基を有するグリシジルメタクリレート、水酸基を有するヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を有するカルボキシメタクリレートを含む共重合体が好ましい。
【0013】
これらアクリル酸共重合体の分子量は凝集力を高めることから10万以上が好ましく15万から100万がより好ましい。
【0014】
本発明に用いる銀紛(A)としては、還元法、電解法、アドマイズド法などで得られた銀粉が挙げられる。本発明はアドマイズド銀粉を含むことが好ましく、前記製法の内、アドマイズド法により得られるものであり、銀を溶融させた後、噴霧冷却して銀の微粒子を得ることより、粒子間に空隙を有さず、熱伝導性の低下が無く熱放散性を付与する。また、本発明に用いるアドマイズド銀粉は、平均粒径が3〜10μmで、かつ、銀粉の高充填させるにはタップ密度が4.5g/cm3以上であることが好ましい。タップ密度はJISK5101−1991の20.2タップ法に準じた方法により測定した。
【0015】
本発明に用いる銀粉には、アドマイズド銀粉の他に、前記製法で得られた微細球状銀粉やフレーク状銀粉を、それぞれ単独もしくは両者を混合して使用すると好ましい。これらの内、主成分としてフレーク状銀粉を用いることでフィルムのハンドリング性が飛躍的に向上することができる。また、微細球状銀粉は、導電性を付与する上で好ましい。
【0016】
また、本発明に用いるフレーク状の銀粉は、前記製法で得られた球状、塊状銀粉をジェットミル、ロールミル、ボールミルなどで機械的に粉砕するなどして得られるものであり、平均粒径が1〜15μmであることが好ましい。
【0017】
本発明に用いる微細球状銀粉は、平均粒径が0.5〜3.0μmであることが好ましい。
【0018】
本発明に用いる銀粉の最大粒径としては30μm以下が好ましい。30μm以上より大きい銀粉を使用した場合、フィルム表面に銀が析出し、外観不良や接着性の低下を引き起こすためである恐れがある。
【0019】
本発明において、銀の含有率を70〜90重量%とすることが好ましい。含有率が、70重量%より少ないと十分な導電性を得ることはできなくなる恐れがあり、また、90重量%より多くなると導電性は優れるものの、接着性、作業性を著しく低下させる恐れがある。
【0020】
本発明において用いる銀粉の種類はアドマイズ銀粉、球状、微細球状、フレーク状の中から少なくとも2種以上を組合せて用いるのが通常である。特に好ましくは、フレーク状銀粉が30〜80重量%、アドマイズド銀粉が15〜50重量%、微細球状銀粉は5〜20重量%である。
【0021】
本発明に用いる熱硬化性樹脂は、熱圧着時には濡れ性向上の役割を果たし、圧着後に加熱により硬化反応が進行し、三次元網目状化し、被着体である金属リードフレームや有機基板に強固に接着するものであれば、特に制限されることはない。具体的には、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
【0022】
本発明に用いられるエポキシ樹脂はモノマー、オリゴマ−及びポリマー全般をいう。例えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
【0023】
熱硬化性樹脂には、上記で挙げた成分のほかにも、エポキシオリゴマーなども用いることができる。この化合物は、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有し、通常は分子量が1000〜50000、好ましくは3000〜10000程度である。
【0024】
エポキシ樹脂としては、従来周知の種々のエポキシ樹脂が用いられるが、通常は、分子量300〜2000程度のものが好ましく、特に好ましくは、分子量300〜800の常温液状のエポキシ樹脂および/または、分子量400〜2000、好ましくは500〜1500の常温固体のエポキシ樹脂した形で用いるのが望ましい。また、本発明に、特に好ましく使用されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常100〜2000g/eqである。
【0025】
本発明において、熱硬化性樹脂の含有量は1〜10重量%が好ましい。
【0026】
本発明において、エポキシ樹脂を硬化促進させるために硬化促進剤も用いることができる。これら硬化促進剤として例えば、ジシアンジアミド誘導体、イミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどが用いられる。これらは2種類以上を併用してもよい。中でも、イミダゾール類を使用することが好ましい。
【0027】
例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
【0028】
本発明において熱硬化性樹脂はシアネート基を有する有機化合物を含んでもよく、ビスフェノールAジシアネート、ビスフェノールFジシアネート、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル、ビスフェノールEジシアネート シアネートノボラック樹脂などがある。
【0029】
本発明に用いることのできる熱硬化性樹脂において、上記の硬化促進剤剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して好ましくは0〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。
【0030】
更にその他の成分として、エポキシ樹脂とアミン化合物の反応物も用いることができる。これはマイクロカプセル型硬化剤と呼ばれるもので、加熱により付加したアミン化合物がエポキシ樹脂より遊離し、エポキシ樹脂に作用するものである。例えば、ビスF型エポキシ樹脂と2−メチルイミダゾールにイソシアネートを付加させたものがある。
【0031】
更に本発明の導電性接着フィルムには必要に応じて添加剤を用いることができる。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系カップリング剤などある。その中でも、シリコンチップとの界面での密着性が良いシラン系カップリング剤が好ましい。例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。カップリング剤の配合量は樹脂分100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。
【0032】
本発明の導電性接着フィルムの製造方法としては、まず、前記各成分をN−メチル−2−ピロリドンや、アニソール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等の有機溶剤中で混合してワニス状とし、これを塗布してフィルムを形成する。更に、具体的には、例えば、耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片面または両面に同様のフィルム層を形成させ、支持体と共に接着フィルムとして得るか、またはロールや金属シート、ポリエステルシートなどの離型シート上に、フローコーター、ロールコーター、コンマコーターなどによりフィルムを形成させ、加熱乾燥後、剥離して、単層の接着フィルムとするなどの方法で得ることができる。
【0033】
この様にして得られた導電性接着フィルムは体積抵抗値が、10−2Ω・cm以下であることが好ましい。体積抵抗値が10−2Ω・cm以下になると熱の放散性が著しく向上するため、小型化および高密度実装に対応した最新の半導体装置に適した接着フィルムを得ることができる。
【0034】
本発明は、前記のような従来技術を改善・改良するための半導体用接着フィルムに関するものであり、厚みの均一性に優れ、高い接着強度、導電性および耐熱性を有する。本発明の半導体装置は、前記導電性接着フィルムを用いて、半導体素子と、半導体搭載用基板やリードフレーム等とを接着して得られる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない
【0036】
実施例に用いた原料について、以下に説明する。
(A)銀粉
〔銀粉〕
(A−1)SF−86S(DMC2ジャパン(株);平均粒径:3.0μmフレーク状)
(A−2)SF−69(DMC2ジャパン(株);平均粒径:5.0μm球状)
(A−3)TKR−4A(徳力化学(株);平均粒径:5.0μmフレーク状)
(A−4)AgXF301(福田金属(株);平均粒径:5.0μmフレーク状)
(A−5)AgXF301H(福田金属(株);平均粒径:5.0μmアドマイズド銀粉)
【0037】
(B)熱可塑性樹脂
(B)アクリル酸共重合体樹脂又はポリイミド樹脂
[(B−1)エポキシ基含有アクリルゴム(商品名:SG80HDR、Tg:10℃、分子量はMw=350000である。
(B−2)エポキシ基含有アクリルゴム(商品名:SGP3DR、Tg:12℃、分子量はMw=850000である。
(B−3)エポキシ基含有アクリルゴム(商品名:SG80L−29、Tg:10℃、分子量はMw=400000である。
(B−4)シリコーン変性ポリイミド樹脂
ジアミン成分として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(0.15モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量837)(0.15モル)、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物(0.15モル)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とを用いたアニソールに可溶なポリイミド樹脂。Tg:90℃、分子量Mw=50000。
【0038】
(C)熱硬化性樹脂
(C−1)クレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量:200g/eq、日本化薬(株))
(C−2)ビスF型シアネートエステル樹脂(AROCY L−10、旭化成エポキシ(株))
【0039】
(D)シランカップリング剤
〔カップリング剤2〕3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403E、信越シリコーン(株))
【0040】
(E)イミダゾール
(E−1)イミダゾール化合物(商品名:1B2MZ、メーカー:四国化成)
【0041】
実施例1〜6
表1に記載の配合割合に従い、熱可塑性樹脂(成分A)をメチルエチルケトンに溶解し、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、カップリング剤1を加え溶解するまで攪拌混合し、次いで、各銀粉を攪拌混合中の前記溶液中にゆっくり添加し攪拌した。前記銀粉を添加した溶液をディスパーザーにより5000〜7000rpmで攪拌混合し、次いでホモミキサーにより10000〜12000rpmで銀粉を分散させた後、真空チャンバー内2mmHgで攪拌脱泡してワニスを得た。このワニスを100μmのポリエチレンテレフタレート基材にコンマコーターで塗布し、乾燥させて導電性接着フィルムを得た後、以下に示す方法により各種性能を評価した。評価結果を表1に示す。
【0042】
[体積抵抗値]上記で得られたフィルムを、180℃で1時間処理し熱硬化させ、幅10mm、長さ60mmに切断し、スライドガラス上での体積抵抗をミリオーム計で測定した。
【0043】
[初期密着性]2.5mmφの金型で、上記で得られたフィルムを打ち抜き、圧着温度160℃、圧力20MPa、加圧時間0.5秒で仮圧着し、次いで、圧着温度160℃、圧力10MPa、加圧時間1.0秒で、フィルムを42−合金のリードフレームに貼り付ける。次いで、4mm角のシリコンチップを、上記2.5mmφのフィルムに、圧着温度180℃、圧力1MPa、圧着時間1.0秒でチップマウントし、室温でダイシェア強度を測定し初期密着性を測定した。初期密着力が1MPa以上であるものは○それ以下のものは×とした。
[240℃熱時接着強度]さらに180℃で1時間硬化させる。硬化後、プッシュプルゲージを用い240℃での熱時ダイシェア強度を測定した。熱時ダイシェア強度が0.5MPa以上であるものは○それ以下のものは×とした。
【0044】
[ハンドリング性]上記で得られたフィルムを100mm角に切り、半分に折り曲げた後98hPa(単位はSI単位を用いて下さい)の圧力でプレスする。その時、半分以上のちぎれがあると×、部分的なちぎれがあると△、なしで○と判定した。
【0045】
[熱分解温度]上記で得られたフィルムを、セイコーインスツルメント社製示査熱熱重量同時測定装置TG/DTA6200により、測定した5重量%の熱分解温度が350℃以上を○、350℃より低ければ×と判定した。
【0046】
[総合評価]体積抵抗値、初期密着性、体積抵抗値、熱時接着強度、ハンドリング性、熱分解温度の全てを良好なものを○、1つでも不満足のものを×とした。
【0047】
比較例1〜3
シリコーン変性ポリイミド樹脂については、アニソールに溶解して用いた。これ以外は、実施例1〜6と同様の操作を行い導電性接着フィルムを得た。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果から、実施例は初期密着性、導電性、接着性、ハンドリング性、耐熱性共に良好であった。比較例では、それぞれが満足するものが得られなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば初期密着性、接着性に優れ、特に室温だけでなく240℃のような半田溶融温度域でも十分な接着強度を有し、かつ熱放散性、電気伝導性を有する耐熱性に優れた導電性接着フィルムを提供できる。しかも従来にない低温、短時間での熱圧着できる量産性の点も有利な耐熱性のある導電性接着フィルムを得ることができる。また、それを使用した半導体装置は高い信頼性を得ることができる。
Claims (7)
- ガラス転移温度が−10℃以上50℃以下の熱可塑性樹脂及び銀粉を含有してなることを特徴とする導電性接着フィルム。
- 熱可塑性樹脂がアクリル酸共重合体である請求項1記載の導電性接着フィルム。
- アクリル酸共重合体の分子量が10万以上である請求項2記載の導電性接着フィルム。
- 銀粉を70〜90重量%含有してなる請求項1、2又は3記載の導電性接着フィルム。
- さらに熱硬化性樹脂を含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着フィルム。
- 導電性接着フィルムが、10−2Ω・cm以下の体積抵抗値を有する請求項1〜5のいずれかに記載の導電性接着フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性接着フィルムを用いて製造された半導体装置。
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2003
- 2003-03-25 JP JP2003081824A patent/JP2004288560A/ja active Pending
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