JP6726877B2 - 樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板 - Google Patents

樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板に関する。
ユビキタス社会の実現を目指し、情報伝達の高速化は継続して進展を続けている。高速信号を処理するため、従来、液晶ポリマー樹脂、フッ素樹脂等から作製された基板を備えるプリント配線板が提供されている。例えば、特許文献1には、導体層及び絶縁層を交互に積層して形成された多層プリント配線板において、絶縁層が、無機フィラー及びポリフェニレンエーテル樹脂を含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して硬化させた熱硬化性樹脂層と、液晶ポリマー樹脂層とで形成されているとともに、絶縁層全体に対して液晶ポリマー樹脂層が5〜80体積%を占めていることが、開示されている。
液晶ポリマー樹脂、フッ素樹脂等から作製された基板は、低い誘電率及び低い誘電正接を有しうるという利点がある。このため、この基板から、高速信号の伝送性に優れるプリント配線板を作製できる。
特開2011−216841号公報
液晶ポリマー樹脂、フッ素樹脂等のみからなる絶縁層を備える基板を作製するためには、液晶ポリマー樹脂、フッ素樹脂等を高温で成形する必要があるため、プリント配線板の生産性が悪化しやすい。一方、低温で成形が可能な材料から基板を作製すると、通常は基板の耐熱性が低下してしまう。
本発明の目的は、低温で成形可能であり、その硬化物は低い誘電率及び低い誘電正接を有しうるとともに高い耐熱性も有しうる熱硬化性樹脂組成物の乾燥物又は半硬化物を含む樹脂付き金属箔、この熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層を備える積層板、及びプリント配線板、並びに多層プリント配線板を提供することである。
本発明の一態様に係る樹脂付き金属箔は、金属箔と、前記金属箔上に重なる第一の樹脂層と、前記第一の樹脂層上に重なる第二の樹脂層とを備える。前記第一の樹脂層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。前記第二の樹脂層は、熱硬化性樹脂組成物の乾燥物又は半硬化物からなる。前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有する。
PS−X−PS (1)
前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックである。前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックである。前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有する。前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内である。前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である。
本発明の一態様に係る積層板は、絶縁層と、前記絶縁層上に重なる導体層とを備え、前記絶縁層は、第一の層と、前記第一の層上に重なる第二の層とを備える。前記第一の層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。前記第二の層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有する。
PS−X−PS (1)
前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックである。前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックである。前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有する。前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内である。前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である。
本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁層と、前記絶縁層上に重なる導体配線とを備える。前記絶縁層は、第一の層と、前記第一の層上に重なる第二の層と、を備える。前記第一の層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。前記第二の層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有する。
PS−X−PS (1)
前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックである。前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックである。前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有する。前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内である。
前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である。
本発明の一態様に係る多層プリント配線板は、複数の絶縁層と、複数の導体層と、を備え、前記複数の絶縁層と前記複数の導体層とは交互に積層している。前記複数の導体層のうち少なくとも一つは、導体配線である。前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つは、第一の層と、前記第一の層上に重なる第二の層とを備える。前記第一の層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。前記第二の層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む。前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有する。
PS−X−PS (1)
前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックである。前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックである。前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有する。前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内である。前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である。
本発明の一態様によれば、低温で成形可能であり、その硬化物は低い誘電率及び低い誘電正接を有しうるとともに高い耐熱性も有しうる熱硬化性樹脂組成物の乾燥物又は半硬化物を含む絶縁層を備える樹脂付き金属箔、上記の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層を備える積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板が得られる。
図1A及び図1Bは、本発明の実施の一形態に係る樹脂付き金属箔の複数の例を示す概略図である。 図2A〜図2Dは、本発明の他の実施の一形態に係る積層板の複数の例を示す概略図である。 図3A及び図3Bは、本発明の他の実施の一形態に係る積層板の複数の例を示す概略図である。 図4A及び図4Bは、本発明の他の実施の一形態に係るプリント配線板の例を示す概略図である。
まず、本発明の実施形態に係る樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板、及び多層プリント配線板を製造するために用いることができる組成物について、詳細に説明する。
<熱硬化性樹脂組成物>
本発明の実施形態に係る樹脂付き金属箔は、熱硬化性樹脂組成物の乾燥物又は半硬化物からなる層を備え、本発明の実施形態に係る積層板、プリント配線板、及び多層プリント配線板は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層を備える。なお、熱硬化性樹脂組成物の乾燥物とは、熱硬化性樹脂組成物に含まれる有機溶剤等の揮発成分が揮発したものであって、熱硬化性樹脂組成物が完全に硬化していないことをさす。この熱硬化性樹脂組成物(以下、組成物(X)という)について説明する。
組成物(X)は、有機材料を含有する。なお、組成物(X)が有機溶剤を含有する場合、有機溶剤は有機材料には含まれない。
有機材料は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有する。
PS−X−PS (1)
式(1)中のPSの各々はポリスチレンブロックであり、式(1)中のXはポリオレフィンブロックである。ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を有する。
ブロック共重合体(D)全体に対する、ブロック共重合体(D)中のポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内である。
さらに、ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である。なお、ブロック共重合体(D)の損失正接tanδは、動的粘弾性測定によって測定される。動的粘弾性は、例えばセイコーインスツルメンツ株式会社製の粘度弾性測定装置「DMS6100」によって測定された値から算出される。
本実施形態では、組成物(X)が上記のエポキシ化合物(A)、ビスマレイミド(B)及びポリフェニレンエーテル樹脂(C)を含有することで、組成物(X)の硬化物の低誘電率化及び低誘電正接化を達成できる。また、組成物(X)がブロック共重合体(D)を含有することで、その硬化物は良好な柔軟性を有する。このため、硬化物を含む絶縁層は良好なフレキシブル性を有しうる。さらに、組成物(X)を160〜200℃の範囲内の温度といった、低温で成形することもできる。これは、ブロック共重合体(D)の分子同士が、低温でも反応可能であるとともに、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)とブロック共重合体(D)とが、低温でも反応可能であるためと考えられる。さらに、組成物(X)の硬化物は、良好な耐熱性をも有しうる。
このため、組成物(X)は、低温で成形可能であり、その硬化物は低い誘電率及び低い誘電正接を有しうるとともに高い耐熱性も有しうる。
エポキシ化合物(A)について説明する。組成物(X)がエポキシ化合物(A)を含有することで、組成物(X)の硬化物は、特に高い耐熱性を有しうる。さらに、組成物(X)がエポキシ化合物(A)を含有することで、硬化物は、金属及び樹脂材料との良好な密着性を有しうる。
エポキシ化合物(A)は、好ましくは、ナフタレン骨格を有する多官能エポキシ樹脂を含有する。ナフタレン骨格を有する多官能エポキシ樹脂の例は、ノボラック型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、及びクレゾール型共縮合型エポキシ樹脂を含む。エポキシ化合物(A)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及びフェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の多官能エポキシ樹脂を含有してもよい。
組成物(X)中の有機材料に対する、エポキシ化合物(A)の量は、好ましくは3〜10質量%の範囲内である。このエポキシ化合物(A)の量が、3質量%以上であることで、硬化物は、特に高い耐熱性を有しうるとともに、金属及び樹脂材料との特に高い密着性を有しうる。また、この量が10質量%以下であることで、硬化物の良好な柔軟性が保たれうる。このエポキシ化合物(A)の量は、より好ましくは3〜7質量%の範囲内である。
ビスマレイミド(B)について説明する。組成物(X)がビスマレイミド(B)を含有することで、組成物(X)の硬化物がより高い耐熱性を有しうる。
ビスマレイミド(B)は、好ましくはモノマーである。この場合、組成物(X)中の有機材料におけるビスマレイミド(B)の溶解性が良好であるとともに、硬化物がより高い耐熱性を有しうる。
ビスマレイミド(B)は、好ましくは、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、及び1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。この場合、誘電損失が特に低減する。
組成物(X)中の有機材料に対する、ビスマレイミド(B)の量は、好ましくは3〜20質量%の範囲内である。このビスマレイミド(B)の量が3質量%以上であると、硬化物が特に高い耐熱性を有しうる。また、この量が20質量%以下であると、硬化物は良好な柔軟性を有しうる。このビスマレイミド(B)の量は、より好ましくは3〜15質量%の範囲内、更に好ましくは3〜10質量%の範囲内である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)について説明する。ポリフェニレンエーテル樹脂(C)は、例えばポリフェニレンエーテル鎖(c1)と、ポリフェニレンエーテル鎖(c1)の末端に結合している置換基(c2)とを、有する。置換基(c2)は、炭素−炭素二重結合を有する。
置換基(c2)は、例えば下記式(6)に示す置換基(c21)又は下記式(7)に示す置換基(c22)である。
Figure 0006726877
式(6)において、nは0〜10の整数であり、Zはアリーレン基であり、R1〜R3は各々独立に水素又はアルキル基である。なお、式(6)におけるnが0である場合は、Zはポリフェニレンエーテル樹脂(C)におけるポリフェニレンエーテル鎖(c1)の末端に直接結合している。
Figure 0006726877
式(7)において、R4は水素又はアルキル基である。
置換基(c21)に関し、式(6)中のZの具体例は、フェニレン基等の二価の単環芳香族基、及びナフチレン基の二価の多官能芳香族基を含む。Z中の芳香環における少なくとも一つの水素が、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキルカルボニル基で、置換されていてもよい。
置換基(c21)は、好ましくは、ビニルベンジル基を有する。置換基(c21)は、例えば下記式(61)に示す置換基又は下記式(62)に示す置換基である。
Figure 0006726877
Figure 0006726877
ポリフェニレンエーテル鎖(c1)は、例えば下記式(8)に示す構造を有する。
Figure 0006726877
式(8)において、mは1〜50の範囲内の数であり、R5〜R8は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基である。
アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜10である。より具体的には、アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基又はデシル基である。アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜10である。より具体的には、アルケニル基は、例えばビニル基、アリル基又は3−ブテニル基である。アルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜10である。より具体的には、アルキニル基は、例えばエチニル基又はプロパ−2−イン−1−イル基(プロパギル基ともいう)である。アルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜10である。より具体的には、アルキルカルボニル基は、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基又はシクロヘキシルカルボニル基である。アルケニルカルボニル基の炭素数は、好ましくは3〜18、より好ましくは3〜10である。より具体的には、アルケニルカルボニル基は、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基又はクロトノイル基である。アルキニルカルボニル基の炭素数は、好ましくは3〜18、より好ましくは3〜10である。より具体的には、アルキニルカルボニル基は、例えばプロピオロイル基である。特に好ましくは、R5〜R8は、各々独立に、水素原子又はアルキル基である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)の数平均分子量は、好ましくは1000〜7000の範囲内である。この場合、組成物(X)の硬化物は、特に優れた誘電特性を有するとともに、この硬化物の高ガラス転移温度化、密着性向上及び耐熱性向上を、バランス良く達成できる。なお、この数平均分子量は、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析結果から算出される。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)の、一分子当たりの置換基(c2)の数は、好ましくは1.5〜3の範囲内である。この置換基(c2)の数が1.5以上であると、エラストマー(A)とポリフェニレンエーテル樹脂(C)の反応生成物の架橋密度が十分に高くなるため、硬化物の耐熱性が特に向上しうる。この置換基(c2)の数が3.0以下であると、組成物(X)の過度な反応性が抑制されるため、組成物(X)の保存安定性、及び組成物(X)の成形時の流動性が、向上しうる。この数は、好ましくは1.7〜2.7の範囲内であり、より好ましくは1.8〜2.5の範囲内である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)の固有粘度は、好ましくは0.03〜0.12dL/gの範囲内である。固有粘度が0.03dL/g以上であれば、硬化物の誘電率及び誘電性正接が特に低下しうる。また、固有粘度が0.12dL/g以下であれば、組成物(X)の成形時の流動性が特に向上しうる。この固有粘度は、より好ましくは0.04〜0.11dL/gの範囲内であり、更に好ましくは0.06〜0.095dL/gの範囲内である。なお、この固有粘度は、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)を塩化メチレンに0.18g/45mlの濃度で溶解させて調製される溶液の、25℃における粘度である。この粘度は、Schott社製のAVS500 Visco System等の粘度計で測定される。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)に対する、このポリフェニレンエーテル樹脂(C)中の分子量13000以上の成分の量は、好ましくは5質量%以下である。この場合、組成物(X)の成形時の流動性が特に向上するとともに、組成物(X)の硬化性が特に向上しうる。この分子量13000以上の成分の量は、より好ましくは0〜5質量%の範囲内であり、更に好ましくは0〜3質量%の範囲内である。ポリフェニレンエーテル樹脂(C)が分子量13000以上の成分を含有しなければ、特に好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)に対する、このポリフェニレンエーテル樹脂(C)中の分子量13000以上の成分の量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られるポリフェニレンエーテル樹脂(C)の分子量分布から算出される。
組成物(X)に対する、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)の量は、好ましくは8〜35質量%の範囲内である。このポリフェニレンエーテル樹脂(C)の量が8質量%以上であると、硬化物がより高い耐熱性を有しうる。また、この量が35質量%以下であると、硬化物がより高い柔軟性を有しうる。この量は、より好ましくは10〜30質量%の範囲内であり、更に好ましくは10〜25質量%の範囲内である。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)は、例えば次の方法で合成される。
まず、ポリフェニレンエーテルを準備する。ポリフェニレンエーテルは、例えば2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくとも一方とを含むモノマーの共重合体と、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)とのうち、少なくとも一方を含有する。
より具体的には、例えばポリフェニレンエーテルは、下記式(81)で示される。
Figure 0006726877
式(81)において、sは0以上の数、tは0以上の数であり、sとtの合計は1以上の数である。sは好ましくは0〜20の範囲内の数であり、tは好ましくは0〜20の範囲内の数であり、sとtの合計値は好ましくは1〜30の範囲内の数である。
ポリフェニレンエーテルの末端の水酸基を、置換基(c2)で置換することで、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)を合成できる。そのためには、例えばポリフェニレンエーテルと、下記式(63)に示す化合物とを、反応させる。
Figure 0006726877
式(63)において、nは0〜10の整数であり、Zはアリーレン基であり、R1〜R3は各々独立に水素又はアルキル基である。Xは、ハロゲノ基であり、より具体的には例えばクロロ基、ブロモ基、ヨード基、又はフルオロ基である。Xは、特に好ましくはクロロ基である。なお、式(63)におけるnが0である場合は、ZはXと直接結合している。
式(63)に示す化合物は、例えばp−クロロメチルスチレン及びm−クロロメチルスチレンのうち少なくとも一方を含有する。
好ましくは、ポリフェニレンエーテルと式(63)に示す化合物とを、溶媒中で、アルカリ金属水酸化物の存在下で反応させる。この場合、アルカリ金属水酸化物が脱ハロゲン化剤として働くことで、反応が効率良く進行しうる。アルカリ金属水酸化物は、例えば水酸化ナトリウムである。溶媒は例えばトルエンである。
ポリフェニレンエーテルと式(63)に示す化合物とを、溶媒中で、アルカリ金属水酸化物と相間移動触媒との存在下で反応させることも好ましい。この場合、反応がより効率良く進行しうる。相間移動触媒は、例えばテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩である。
ポリフェニレンエーテルと、式(63)に示す化合物との反応時の温度は、好ましくは室温〜100℃の範囲内、より好ましくは30〜100℃の範囲内であり、この反応の時間は、好ましくは0.5〜20時間の範囲内、より好ましくは0.5〜10時間の範囲内である。
ブロック共重合体(D)について説明する。ブロック共重合体(D)は、上述の通り、式(1)で示される。ブロック共重合体(D)中のポリスチレンブロックは、ポリスチレン鎖からなるブロックである。ブロック共重合体(D)中のポリオレフィンブロックは、上述の通り、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を有する。
イソプレンユニットは、イソプレンに由来する、C58で表されるユニットである。具体的には、イソプレンユニットは、下記式(11)で示される3,4−イソプレンユニット、下記式(12)で示される1,2−イソプレンユニット及び下記式(13)で示される1,4−イソプレンユニットからなる群から選択される少なくとも一種のユニットを含有できる。
水添イソプレンユニットは、イソプレンユニットが水素添加された構造を有し、C510で表される。具体的には、水添イソプレンユニットは、下記式(14)で示される3,4−水添イソプレンユニット、下記式(15)で示される1,2−水添イソプレンユニット及び下記式(16)で示される1,4−水添イソプレンユニットからなる群から選択される少なくとも一種のユニットを含有できる。
Figure 0006726877
Figure 0006726877
Figure 0006726877
Figure 0006726877
Figure 0006726877
Figure 0006726877
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)とブロック共重合体(D)との反応性が良好である理由は、置換基(c2)とイソプレンユニット及び水添イソプレンユニットとが高い反応性を有するためであると、推察される。
ポリフェニレンエーテル樹脂(C)とブロック共重合体(D)との反応性が特に良好であるためには、ポリオレフィンブロックは、3,4−イソプレンユニット、1,2−イソプレンユニット、3,4−水添イソプレンユニット、及び1,2−水添イソプレンユニットからなる群から選択される、少なくとも一種のユニットを有することが好ましい。
また、組成物(X)の硬化物が特に良好な耐熱性を有するためには、ポリオレフィンブロックが水添ポリイソプレンユニットを有することが好ましい。耐熱性が向上する理由は、水添ポリイソプレンブロックが不飽和二重結合を有さないことで、硬化物に不飽和二重結合が残存しにくくなるからであると、推察される。
ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニット以外のユニットを更に有していてもよい。イソプレンユニット及び水添イソプレンユニット以外のユニットの例は、水添ポリブタジエンを含む。
ただし、ブロック共重合体(D)の分子同士の反応性、及びポリフェニレンエーテル樹脂(C)とブロック共重合体(D)との反応性が特に良好であるためには、ポリオレフィンブロック全体に対する、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットの合計の量は、90質量%以上であることが好ましい。ポリオレフィンブロック全体に対する、3,4−イソプレンユニット、1,2−イソプレンユニット、3,4−水添イソプレンユニット、及び1,2−水添イソプレンユニットの合計量が60質量%以上であれば特に好ましい。
上述のとおり、ブロック共重合体(D)全体に対する、ブロック共重合体(D)中のポリオレフィンブロックの合計量は、70〜90質量%の範囲内である。ポリオレフィンブロックの合計量が70質量%以上であることで、ブロック共重合体(D)の分子同士の反応性、及びポリフェニレンエーテル樹脂(C)とブロック共重合体(D)との反応性が良好であるとともに、ブロック共重合体(D)の分子同士の反応、及びポリフェニレンエーテル樹脂(C)とブロック共重合体(D)との反応によって生成する反応生成物は十分に高い架橋密度を有しうる。このため、硬化物が高い耐熱性を有しうる。また、ポリオレフィンブロックの合計量が90質量%以下であることで、ブロック共重合体(D)は、ポリフェニレンエーテル樹脂(C)との優れた相溶性を有することができる。ポリオレフィンブロックの合計量は、より好ましくは70〜88質量%の範囲内であり、更に好ましくは75〜88質量%の範囲内である。
また、上述の通り、ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である。このため、組成物(X)の乾燥物又は半硬化物のタック性が抑制されうるとともに、硬化物が高い耐熱性を有しうる。損失正接tanδが極大値を示す温度は、より好ましくは−10℃以上であり、更に好ましくは10℃以上である。
組成物(X)中の有機材料に対する、ブロック共重合体(D)の量は、40〜80質量%の範囲内であることが好ましい。この量が40質量%以上であると、硬化物が高い柔軟性を有しうる。また、このブロック共重合体(D)の量が80重量%以下であると、硬化物がより高い耐熱性を有しうるとともに低い線膨張係数も有しうる。
組成物(X)は、好ましくは、難燃剤を含有する。この場合、組成物(X)の硬化物は、良好な難燃性を有しうる。難燃剤は、例えばハロゲン系難燃剤とリン系難燃剤とのうち少なくとも一方を含有する。ハロゲン系難燃剤は、例えば臭素系難燃剤と塩素系難燃剤とのうち少なくとも一方を含有する。臭素系難燃剤の例は、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、及びヘキサブロモシクロドデカンを含む。塩素系難燃剤の例は、塩素化パラフィン等の塩素系難燃剤を含む。リン系難燃剤の例は、例えばリン酸エステル、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩系難燃剤、及びメラミン系難燃剤からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。リン酸エステルの例は、縮合リン酸エステル、及び環状リン酸エステルを含む。ホスファゼン化合物の例は、環状ホスファゼン化合物を含む。ホスフィン酸塩系難燃剤の例はホスフィン酸金属塩を含み、ホスフィン酸金属塩の例はジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩を含む。メラミン系難燃剤の例は、リン酸メラミン、及びポリリン酸メラミンを含む。
難燃剤は、好ましくは臭素系難燃剤を含有し、より好ましくは非相溶型の臭素含有化合物を含有する。非相溶型の臭素含有化合物は、少量であっても硬化物に高い難燃性を付与でき、しかも硬化物のガラス転移温度を低下させにくいため硬化物の良好な耐熱性を維持できる。組成物(X)中の有機材料に対する、非相溶型の臭素含有化合物中の臭素の量は、好ましくは8〜20質量%の範囲内である。この場合、硬化物が好な難燃性を有しうるとともに、組成物(X)の良好な流動性及び硬化物の良好な耐熱性が維持されうる。
組成物(X)は、無機充填材を含有してもよい。組成物(X)が無機充填材を含有すると、組成物(X)の硬化物は、特に高い耐熱性及び難燃性を有しうる。
また、一般に、エラストマーを含む樹脂組成物の硬化物の架橋密度は低いため、この硬化物の熱膨張係数は高く、特にガラス転移温度より高い温度での熱膨張係数が高い。しかし、組成物(X)が無機充填材を含有すると、組成物(X)の硬化物は良好な誘電特性、耐熱性及び難燃性を有しうるとともに、組成物(X)の粘度上昇が抑制され、しかも硬化物の熱膨張係数が低減されうる。特に、ガラス転移温度より高い温度での硬化物の熱膨張係数が低減されうる。さらに、硬化物は、高い靱性を有しうる。
無機充填材は、例えばシリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有できる。
無機充填材は、ビニルシランタイプ、スチリルシランタイプ、メタクリルシランタイプ、又はアクリルシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されていてもよい。この場合、組成物(X)の硬化物を含む絶縁層を備える積層板、プリント配線板、及び多層プリント配線板は、高い吸湿時の耐熱性を有しうるとともに、高い層間ピール強度を有しうる。
組成物(X)が無機充填材を含有する場合、組成物(X)に対する、無機充填材の量は、好ましくは10〜150質量%の範囲内、より好ましくは10〜100質量%の範囲内、更に好ましくは20〜100質量%の範囲内である。
組成物(X)は、上記成分以外の添加剤を更に含有してもよい。添加剤の例は、シリコーン系消泡剤、及びアクリル酸エステル系消泡剤等の消泡剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、並びに湿潤分散剤等の分散剤を含む。組成物(X)は、必要により、溶剤を含有してもよい。溶剤の例は、トルエンを含む。
<液晶ポリマー樹脂等>
本発明の実施形態に係る樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板、及び多層プリント配線板は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む層を備える。以下、液晶ポリマー樹脂を含む層を液晶ポリマー樹脂層といい、ポリイミド樹脂を含む層をポリイミド樹脂層といい、ポリアミドイミド樹脂を含む層をポリアミドイミド樹脂層といい、フッ素樹脂を含む層をフッ素樹脂層といい、ポリフェニレンエーテル樹脂を含む層をポリフェニレンエーテル樹脂層という。これらの語は、本明細書中では普通名詞とみなされる。
液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層及びポリフェニレンエーテル樹脂層の各々は、例えば材料である樹脂を含む樹脂液又は樹脂を含むシート材から作製される。シート材は、その内部にガラスクロスなどの基材を有し、この基材で強化されていてもよい。シート材は、例えばプリプレグであってもよい。
液晶ポリマー樹脂は、例えば、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
液晶ポリマー樹脂層を作製する場合、例えば液晶ポリマー樹脂をシート状に成形してシート材を作製し、このシート材を金属箔等の上に重ねることで、この樹脂層を作製できる。
ポリイミド樹脂は、例えば次のようにしてポリイミド樹脂を含有する樹脂液を調整することにより得られる。まず、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との重縮合によりポリアミド酸を生成させる。テトラカルボン酸二無水物は、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を含有することが好ましい。ジアミン成分は、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。続いて、ポリアミド酸を溶剤中で加熱する。溶剤は、例えばN−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、トルエン、ジメチルアセトアミド、ジメチルフォルムアミド、及びメトキシプロパノールからなる成分から選択される少なくとも一種の成分を含有する。加熱温度は、例えば60〜250℃の範囲内、好ましくは100〜200℃の範囲内であり、加熱時間は、例えば0.5〜50時間の範囲内である。これにより、ポリアミド酸が環化反応によりイミド化し、ポリイミド樹脂が生成する。これにより、ポリイミド樹脂を含有する樹脂液が得られる。
ポリイミド樹脂層を作製する場合、例えば金属箔等の上にポリイミド樹脂を含有する樹脂液を塗布してから、加熱して乾燥させることで、同層を作製できる。
ポリアミドイミド樹脂は、例えば次のようにしてポリアミドイミド樹脂を含有する樹脂液を調整することにより得られる。まず、無水トリメリット酸、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、2,4―ジイソシアン酸トリレン、ジアザビシクロウンデセン、及びN,N−ジメチルアセトアミドを混合して混合物を調製する。この混合物を加熱して反応させることで、ポリアミドイミドを含有する混合液を得る。続いて、混合液を冷却する。さらに、この混合液にビスマレイミドを配合する。これにより、ポリアミドイミドを含有する樹脂液が得られる。
ポリアミドイミド樹脂層を作製する場合、例えばポリアミドイミド樹脂を含有する樹脂液を金属箔等の上に塗布してから、加熱して乾燥させることで、同層を作製できる。
フッ素樹脂は、例えばポリテトラフルオロエチレンを含む。
ポリフェニレンエーテル樹脂層は、例えば炭素−炭素二重結合を有する置換基を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂と、炭素−炭素二重結合を有する架橋剤とを含有する樹脂組成物から作製される。架橋剤は、例えばジビニルベンゼン、ポリブタジエン、アルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカノール(メタ)アクリレート、フルオレン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、及びトリメチロールプロパン(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。ポリフェニレンエーテル樹脂と架橋剤の合計量に対する、ポリフェニレンエーテル樹脂の量は、例えば65〜95質量%の範囲内である。ポリフェニレンエーテル樹脂と、炭素−炭素二重結合を有する架橋剤とを含有する樹脂液を金属箔等の上に塗布してから加熱硬化させることで、ポリフェニレンエーテル樹脂層を作製できる。
<樹脂付き金属箔>
次に、本発明の一態様に係る樹脂付き金属箔1について説明する。
樹脂付き金属箔1は、金属箔10と、金属箔10上に重なる第一の樹脂層11と、第一の樹脂層11上に重なる第二の樹脂層12とを備える。第一の樹脂層11は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の樹脂層12は、熱硬化性樹脂組成物の乾燥物又は半硬化物からなる。この樹脂付き金属箔1を用いて、例えば積層板又はプリント配線板を作製することができる。その場合、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12から、絶縁層を作製することができる。また、金属箔1から、導体層又は導体配線を作製することができる。
樹脂付き金属箔1が上記のような第一の樹脂層11を備えるため、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12から作製される絶縁層の低誘電率化及び低誘電正接化を達成することができる。さらに、樹脂付き金属箔1が上記のような第二の樹脂層12を備えるため、樹脂付き金属箔1を材料として積層板及びプリント配線板の絶縁層を作製する時の、高温を伴うプロセスを削減することができる。これは、第二の樹脂層12が、比較的低温で成形可能であるため、すなわち第二の樹脂層12が比較的低温で溶融及び硬化するためである。また、このように低温で成形可能であるにもかかわらず、第二の樹脂層12の硬化物は高い耐熱性を有することができる。しかも、第二の樹脂層12の硬化物は、絶縁層の誘電率及び誘電正接の増大を引き起こしにくい。したがって、積層板及びプリント配線板の製造時における高温を伴うプロセスを削減しながら、積層板及びプリント配線板が備える絶縁層の低誘電率化及び低誘電正接化を実現して、積層板及びプリント配線板の高周波特性を向上できるとともに、その積層板及びプリント配線板は高い耐熱性を有しうる。さらに、第一の樹脂層11は良好な柔軟性を有することができるとともに、第二の樹脂層12の硬化物は第一の樹脂層11の有する柔軟性を阻害しにくいため、樹脂付き金属箔1を用いて、フレキシブル積層板やフレキシブルプリント配線板を作製することもできる。
図1A及び1Bに樹脂付き金属箔1の具体例を示す。
図1Aに示す樹脂付き金属箔1について説明する。樹脂付き金属箔1は、金属箔10、第一の樹脂層11、及び第二の樹脂層12を備え、これらがこの順番に並んで積層している。金属箔10は、例えば銅箔であり、金属箔10の厚みは、例えば2〜105μmの範囲内である。銅箔としては、例えば18μm銅箔のキャリア箔付き2μmを用いることができる。第一の樹脂層11は、単一の層であり、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層、又はポリフェニレンエーテル樹脂層である。第一の樹脂層11の厚みは、例えば1〜50μmの範囲内である。第二の樹脂層12の厚みは、例えば5〜50μmの範囲内である。
図1Aに示す樹脂付き金属箔1を製造するためには、例えばまず、金属箔10を用意し、この金属箔10上に第一の層11を形成する。第一の層11は、例えば既に説明した樹脂液又はシート材から作製される。例えば、金属箔10上に樹脂液を塗布してから乾燥することで、第一の樹脂層11を作製することができる。金属箔10上にシート材を重ねてからこれらを熱プレスすることで、第一の樹脂層11を作製することもできる。
次に、第一の樹脂層11上に第二の樹脂層12を作製する。例えば組成物(X)を第一の樹脂層11上に塗布した後、組成物(X)の塗膜を加熱して乾燥又は半硬化させることにより第二の樹脂層12を作製することができる。なお、組成物(X)の乾燥物又は半硬化物を含むシート材を第一の樹脂層11上に重ねることで第二の樹脂層12を作製してもよい。組成物(X)は低温で成形可能である。そのため、組成物(X)の乾燥又は半硬化は、例えば、加熱温度100〜160℃の範囲内、加熱時間5〜10分の範囲内の条件下での加熱処理でできる。また、組成物の(X)の硬化は、例えば、加熱温度160℃〜200℃の範囲内、加熱の時間30〜120分の範囲内の条件下での加熱処理でできる。これにより、樹脂付き金属箔1を作製することができる。
図1Bに示す樹脂付き金属箔1について説明する。樹脂付き金属箔1は、金属箔10、第一の樹脂層11、及び第二の樹脂層12を備える。第一の樹脂層11は、互いに組成の異なる第一の層111と第二の層112とを備える。第一の層111は、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層、又はポリフェニレンエーテル樹脂層である。第二の層112は、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層、又はポリフェニレンエーテル樹脂層であり、第一の層111とは異なる組成を有する。
図1Bに示す樹脂付き金属箔1を製造するためには、例えばまず金属箔10を用意し、この金属箔10上に第一の層111を形成する。第一の層111は、例えば第一の層111の成分を含有する樹脂液を金属箔1上に塗布してから乾燥することで形成することができる。続いて、第一の層111上に第二の層112を形成する。第二の層112は、例えば第二の層112の成分を含有する樹脂液を第一の層111の上に塗布してから乾燥することで形成することができる。これにより、金属箔10上に第一の樹脂層11を形成することができる。なお、第一の樹脂層11を作製する際は、第一の層111の成分を含有するシート材と第二の層112の成分を含有するシート材とを金属箔1上に順次重ねてからこれらを熱プレスすることで第一の樹脂層11を作製することもできる。
次に、第一の樹脂層11上に、第二の樹脂層12を作製する。第二の樹脂層12は、例えば図1Aに示す例の場合と同じ方法で作製できる。これにより、樹脂付き金属箔1を作製することができる。
樹脂付き金属箔1の構成は、図1A及び図1Bに示す具体例に限られない。例えば、第一の樹脂層11は、三つ以上の層を含んでもよい。例えば、第一の樹脂層11が、第一の層と、第二の層と、第三の層とを備え、これらがこの順に積層していてもよい。この場合、第一の層は、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層又はポリフェニレンエーテル樹脂層である。第二の層は、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層又はポリフェニレンエーテル樹脂層であり、第一の層とは異なる組成を有する。第三の層は、液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層又はポリフェニレンエーテル樹脂層であり、第二の層とは異なる組成を有する。第三の層は、第一の層と異なる組成を有してもよく、同じ組成を有してもよい。すなわち、第一の樹脂層内で直接接し合う二つの層は互いに異なる組成を有し、第一の樹脂層内で直接接し合わない二つの層は互いの同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。第三の層が第一の層と同じ組成を有する場合、第二の層が、同じ組成を有する第一の層と第三の層とで、挟まれて形成される。
<積層板>
次に、本発明の一態様に係る積層板2について説明する。
積層板2は、絶縁層20と、前記絶縁層20上に重なる導体層30とを備える。絶縁層20は、第一の層21と、前記第一の層21上に重なる第二の層22とを備える。第一の層21は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の層22は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。この積層板2を用いて、プリント配線板又は多層プリント配線板を作製することができる。
積層板2の絶縁層20が上記のような第一の層21及び第二の層22を備えるため、絶縁層20の低誘電率化及び低誘電正接化を達成できるとともに、絶縁層20を作製するときの高温を伴うプロセスを削減することができる。さらに、絶縁層20は高い耐熱性を有することができる。
図2A及び図2Bに積層板2の具体例を示す。
図2Aに示す積層板2について説明する。積層板2は、一つの絶縁層20と一つの導体層30とを備える。絶縁層20は、第一の層201と第二の層202とを備える。導体層30は例えば銅箔などの金属箔であってもよく、導体配線でもよい。導体層30の厚みは、例えば2〜105μmの範囲内である。第一の層201は、単一の層であり、例えば液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂から選択される少なくとも一種の成分を含む。第一の層201の厚みは、例えば1〜50μmの範囲内である。第二の層202は、例えば組成物(X)の硬化物であり、第二の層202の厚みは、例えば5〜50μmである。
図2Aに示す積層板2を製造するためには、例えば、まず金属箔などの導体層30を用意し、この導体層30上に、第一の層201を形成する。第一の層201は、例えば既に説明した樹脂液又はシート材から作製される。すなわち、導体層30上に、第一の層201の成分を含有する樹脂液を塗布してから乾燥することで、導体層30上に第一の層201を作製することができる。なお、導体層30上に、第一の層201の成分を含むシート材を重ねてから熱プレスすることで、第一の層201を作製することもできる。
次に、第一の層201上に第二の層202を作製する。例えば、組成物(X)を第一の層201上に塗布した後、組成物(X)の塗膜を加熱して、乾燥又は半硬化させる。続いて、この乾燥物又は半硬化物を更に加熱して硬化させることにより、第二の層202を作製することができる。組成物(X)は、低温で成形可能である。このため、組成物(X)の乾燥又は半硬化は、例えば、加熱温度100〜160℃の範囲内、加熱時間5〜10分の範囲内の条件下での加熱処理でできる。また、組成物の(X)の硬化は、例えば、加熱温度160℃〜200℃の範囲内、加熱の時間30〜120分の範囲内の条件下での加熱処理でできる。これにより、導体層30、第一の層201、及び第二の層202を備え、これらがこの順番に並んで積層した積層板2を作製することができる。また、第一の層201の成分を含有するシート材、及び組成物(X)の乾燥物又は半硬化物を含むシート材を、導体層30の上に順次重ねてから、これらを例えば熱プレスすることにより、積層板2を作製することもできる。
積層板2は、例えば上述の樹脂付き金属箔1をそのまま加熱して第二の樹脂層12を硬化させることによっても作製することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ積層板における導体層30、第一の層201及び第二の層202になる。これにより、導体層30と絶縁層20を備える積層板2を作製することができる。
なお、図1Aに示す例では、上記の通り導体層30、第一の層201及び第二の層202がこの順番に積層しているが、導体層30、第二の層202及び第一の層201がこの順番に積層していてもよい。すなわち、絶縁層20を構成する第一の層201と第二の層202は順序が逆に積層されていてもよい。また、第一の層が複数の層を含んでもよい。その場合、第一の層内で直接接し合う二つの層は互いに異なる組成を有し、第一の層内で直接接し合わない二つの層は互いの同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。
図2Bに示す積層板2について説明する。積層板2は、絶縁層20と、この絶縁層20の両面上にそれぞれある導体層30(以下、第一導体層31という)及び導体層30(以下、第二導体層32という)とを備える。すなわち、積層板2は、第一の導体層31、絶縁層20、及び第二の導体層32を備え、これらがこの順番に並んで積層している。絶縁層20は、第一の層201と第二の層202とを備える。図2Bに示す積層板2における絶縁層20の構成は、図2Aに示す積層板2における絶縁層20と同じでよい。
図2Bに示す積層板2を製造するためには、例えば一つの金属箔(以下、第一の金属箔という)、第一の層201の成分を含有するシート材(以下、第一シート材という)、第二の層202の成分を含有するシート材(以下、第二シート材という)、及び別の金属箔(以下、第二の金属箔という)をこの順番に重ねてから、これらを、例えば熱プレスすることにより、積層板2を製造することができる。この場合、第一の金属箔、第一シート材、第二シート材の硬化物、及び第二の金属箔が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層211、第二の層212及び第二の導体層32になる。
上述の樹脂付き金属箔1を材料として用いることで、図2Bに示す積層板2を製造することもできる。例えば樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に金属箔を重ねてから熱プレスすることで、積層板2を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層211及び第二の層212になり、第二の樹脂層12上に重ねた金属箔が第二の導体層32となる。
なお、図2Bに示す積層板2における第二の導体層32をエッチング処理等により全て除去することで、図2Aに示す積層板2を作製することもできる。
本実施形態に係る積層板2は、絶縁層20と、絶縁層20上に重なる導体層30とを備え、更に導体層30上に重なる第二の絶縁層22を備えてもよい。この場合、第二の絶縁層22は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含むことが好ましい。このような積層板2の具体例を、図2C及び図2Dに示す。
図2Cに示す積層板2について説明する。積層板2は、絶縁層20(以下、第一の絶縁層21という)と、この第一の絶縁層21の両面上にそれぞれある導体層30(以下、第一の導体層31という)及びそれとは別の導体層30(以下、第二の導体層32という)と、第二の導体層32上にある絶縁層22(以下、第二の絶縁層22という)とを備える。すなわち、積層板2は、第一の導体層31、第一の絶縁層21、第二の導体層32、及び第二の絶縁層22を備え、これらがこの順番に並んで積層している。第一の絶縁層21は、第一の層211と第二の層212とを備える。第一の絶縁層21の構成は、図2Aに示す積層板2における絶縁層20と同じでよい。
第二の絶縁層22は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の絶縁層22は、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂又はポリフェニレンエーテル樹脂層である。
第一の導体層31及び第二の導体層32の各々は、金属箔であってもよく、導体配線であってもよい。
図2Cに示す積層板2を作製するためには、例えば金属箔(以下、第一の金属箔という)、第一の層211の成分を含有するシート材(以下、第一シート材という)、第二の層212の成分を含有するシート材(以下、第二シート材という)、金属箔(以下、第二の金属箔という)、及び第二の絶縁層22の成分を含有するシート材(以下、第三シート材という)をこの順に重ねて、これらを熱プレスする。この場合、第一の金属箔、第一シート材、第二シート材の硬化物、第二の金属箔及び第三シート材が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層、第二の層、第二の導体層32、及び第二の絶縁層22になる。
上述の樹脂付き金属箔1と片面金属張積層板とを材料として用いることで、図2Cに示す積層板2を製造することもできる。例えば、樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、金属箔と絶縁層とを備える片面金属張積層板における金属箔を重ねてから熱プレスすることで、積層板2を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層211及び第二の層212になり、片面金属張積層板における金属箔及び絶縁層が、それぞれ積層板2における第二の導体層32及び第二の絶縁層22になる。
上述の樹脂付き金属箔1とプリント配線板とを材料として用いることで、図2Cに示す積層板2を製造することもできる。例えば樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、導体配線と絶縁層とを備えるプリント配線板における導体配線を重ねてから熱プレスすることで、積層板2を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層211及び第二の層212になり、プリント配線板における導体配線及び絶縁層が、それぞれ積層板2における第二の導体層32及び第二の絶縁層22になる。
なお、図2Cに示す例では、上記の通り第一の導体層31、第一の層211、第二の層212、第二の導体層32、及び第二の絶縁層22がこの順番に並んで積層しているが、第一の導体層31、第二の層212、第一の層211、第二の導体層32、及び第二の絶縁層22がこの順番に並んで積層されていてもよい。すなわち、第一の絶縁層21の第一の層211と第二の層212の順序が逆に積層されていてもよい。
また、第一の層211が複数の層を含んでもよい。その場合、第一の層211内で直接接し合う二つの層は互いに異なる組成を有し、第一の層211内で直接接し合わない二つの層は互いの同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。第二の絶縁層22も複数の層を含んでもよい。例えば、第一の層211が複数の層を含む場合と同じように、第二の絶縁層22を構成することができる。
図2Dに示す積層板2について説明する。
積層板2は、絶縁層20(以下、第一の絶縁層21という)と、この第一の絶縁層21の両面上にそれぞれある導体層30(以下、第一の導体層31という)及びそれとは別の導体層30(以下、第二の導体層32という)と、第二の導体層32上にある絶縁層22(以下、第二の絶縁層22という)と、第二の絶縁層22上にある導体層30(以下、第三の導体層33という)とを備える。すなわち、積層板2は、第一の導体層31、第一の絶縁層21、第二の導体層32、第二の絶縁層22及び第三の導体層33を備え、これらがこの順番に並んで積層している。第一の絶縁層21は、第一の層211と第二の層212とを備える。第一の絶縁層21及び第二の絶縁層22の構成は、図2Cに示す積層板における第一の絶縁層及び第二の絶縁層と同じでよい。第一の導体層31、第二の導体層32及び第三の導体層33の各々は、金属箔であってもよく、導体配線であってもよい。
図2Dに示す積層板2を作製するためには、例えば金属箔(以下、第一金属箔という)、第一の層211の成分を含有するシート材(以下、第一シート材という)、第二の層212の成分を含有するシート材(以下、第二シート材という)、金属箔(以下、第二金属箔という)、第二の絶縁層の成分を含有するシート材(以下、第三シート材という)、及び金属箔(以下、第三金属箔という)をこの順番に重ねて、これらを熱プレスする。この場合、第一の金属箔、第一シート材、第二シート材の硬化物、第二の金属箔、第三シート材及び第三の金属箔が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層211、第二の層212、第二の導体層32、第二の絶縁層22及び第三の導体層33になる。
上述の樹脂付き金属箔1と両面金属張積層板とを材料として用いることで、図2Dに示す積層板2を製造することもできる。例えば、樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、絶縁層と二つの金属箔とを備える両面金属張積層板における一方の金属箔を重ねてから熱プレスすることで、積層板2を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ積層板2における第一の導体層21、第一の層211及び第二の層212になり、両面金属張積層板における二つの金属箔及び絶縁層が、それぞれ積層板2における第二の導体層32、第三の導体層33及び第二の絶縁層22になる。
上述の樹脂付き金属箔1とプリント配線板とを材料として用いることで、図2Cに示す積層板2を製造することもできる。例えば、樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、二つの導体配線と絶縁層とを備えるプリント配線板における一方の導体配線を重ねてから熱プレスすることで、積層板2を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ積層板2における第一の導体層31、第一の層211及び第二の層212になり、プリント配線板における二つの導体配線及び絶縁層が、それぞれ積層板2における第二の導体層32、第三の導体層33及び第二の絶縁層22になる。
上記以外にも、樹脂付き金属箔、片面金属張積層板、両面金属張積層板、シート材、金属箔といった材料から、適宜の材料を選択して組み合わせることにより、積層板2を作成することができる。
例えば、次のようにして積層板2を作製することもできる。まず、金属箔(第一の導体層)及びその上にある第一の層を備える片面金属張積層板と、金属箔(第二の導体層)、第二の絶縁層、及び金属箔(第三の導体層)を備え、これらがこの順番に積層している両面金属張積層板とを準備する。組成物(X)の乾燥物又は半硬化物からなるシート材も準備する。片面金属張積層板と両面金属張積層板とを、第一の層と第二の導体層とが対向するように配置するとともに、両者の間にシート材を配置する。この状態で、片面金属張積層板、シート材及び両面金属張積層板を熱プレスする。そうすると、シート材が硬化することで、第二の層が作製され、この第二の層を介して両面金属張積層板と片面金属張積層板とが接着される。これにより、積層板2が製造される。
なお、図2Dに示す積層板2における第三の導体層33をエッチング等により全て除去することで、図2Cに示す積層板2を作製することもできる。
積層板2の構成は、図2A〜図2Dに示す具体例に限られない。例えば、積層板2は、複数の導体層と複数の絶縁層とを備え、これらが交互に(すなわち導体層、絶縁層、導体層…の順に)積層していてもよい。この場合、複数の絶縁層は、いずれも、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む層を備えることが好ましい。絶縁層が、ポリイミド樹脂層及びポリアミドイミド樹脂層のうち少なくとも一方を含む場合には、耐熱性及び寸法安定性を高めることもできる。また、複数の絶縁層のうち少なくとも一つは、組成物(X)の硬化物からなる層を備えることが好ましい。また、積層板2の二つの最外層のうち少なくとも一方は導体層であることが好ましい。
<プリント配線板>
次に、本発明の一態様に係るプリント配線板3について説明する。
プリント配線板3は、絶縁層40と、その絶縁層40上に重なる導体配線50とを備える。絶縁層40は、第一の層401と、第二の層402とを備える。第一の層401は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の層402は、組成物(X)の硬化物からなる。このプリント配線板3を用いて、例えば多層プリント配線板を作製することができる。
プリント配線板3の絶縁層20が上記のような第一の層401及び第二の層402を備えるため、絶縁層40の低誘電率化及び低誘電正接化を達成できるとともに、絶縁層40を作製するときの高温を伴うプロセスを削除することができる。さらに、絶縁層40は高い耐熱性を有することができる。
図3A及び3Bにプリント配線板3の具体例を示す。
図3Aに示すプリント配線板3について説明する。プリント配線板3は、導体配線50、第一の層401、第二の層402を備え、これらがこの順番に並んで積層している。第一の層401は、例えば液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む層である。第一の層401の厚みは、例えば1〜50μmの範囲内である。第二の層402は、例えば組成物(X)の硬化物であり、第二の層402の厚みは、例えば2〜105μmの範囲内である。
図3Aに示すプリント配線板3は、例えば図2Aに示す積層板2における導体層30の不要部分をエッチングなどで除去して導体配線50を作製することで、製造することができる。
図3Bに示すプリント配線板3について説明する。図3Bに示すプリント配線板3は、導体配線51、絶縁層40、及び導体層52を備え、これらがこの順番に並んで積層している。絶縁層40は、第一の層401と第二の層402とを備える。導体層52は、金属箔であってもよく、導体配線であってもよい。
図3Bに示すプリント配線板3は、例えば図2Bに示す積層板2における第一の導体層31と第二の導体層32とのうち少なくとも一方の不要部分をエッチングなどで除去して導体配線51又は52を作製することで、製造することができる。
なお、図3Bに示す例では、導体配線51、第一の層401、第二の層402、導体層52がこの順番に並んで積層しているが、導体配線51、第二の層402、第一の層401、導体層52がこの順番に並んで積層されていてもよい。すなわち、第一の層401と第二の層402の順序が逆に積層されていてもよい。
<多層プリント配線板>
次に本発明の一態様に係る多層プリント配線板4について説明する。
多層プリント配線板4は、複数の絶縁層と、複数の導体層とを備え、複数の絶縁層と複数の導体層とは交互に積層する。複数の導体層のうち少なくとも一つは、導体配線である。複数の絶縁層のうち、少なくとも一つは、第一の層401と、第一の層401上に重なる第二の層402とを備える。第一の層401は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の層402は、組成物(X)の硬化物からなる。この多層プリント配線板4は、例えば既に説明した樹脂付き金属箔、積層板、又はプリント配線板を用いて作製することができる。
多層プリント配線板4の絶縁層40が上記のような第一の層401及び第二の層402を備えるため、絶縁層の低誘電率化及び低誘電正接化を達成できるとともに、絶縁層を作製するときの高温を伴うプロセスを削減することができる。さらに、絶縁層は高い耐熱性を有することができる。
図4A及び図4Bに多層プリント配線板の具体例を示す。
図4Aに示す多層プリント配線板4について説明する。多層プリント配線板4は、第一の導体層61、第一の絶縁層41、第二の導体層62、及び第二の絶縁層42を備え、これらがこの順番に並んで積層している。
第一の導体層61及び第二の導体層62の各々は、例えば金属箔又は導体配線である。ただし、第一の導体層61及び第二の導体層62のうち少なくとも一方は導体配線である。
第一の絶縁層41は、第一の層411と第二の層412を備える。第一の絶縁層411は、例えば液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の層412は、例えば組成物(X)の硬化物からなる。第二の絶縁層42は、例えば液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第一の層411と第二の層412及び第二の絶縁層42の構成は、図2Cに示す積層板2における第一の層、第二の層及び第二の絶縁層と同じであってよい。
図4Aに示す多層プリント配線板4は、上述の樹脂付き金属箔1、積層板2又はプリント配線板3を用いて作製することができる。
例えば、図2Cに示す積層板2における第一の導体層31の不要部分をエッチング等により除去することで導体配線61を作製することで、多層プリント配線板4を製造できる。
多層プリント配線板4を次のようにして製造することもできる。金属箔(以下、第一の金属箔という)、第一の層の成分を含有するシート材(以下、第一シート材という)、第二の層の成分を含有するシート材(以下、第二シート材という)、金属箔(以下、第二の金属箔という)、及び第二の絶縁層22の成分を含有するシート材(以下、第三シート材という)をこの順に重ねて、これらを例えば熱プレスする。更に、第一の金属箔の不要部分をエッチング等により除去することで導体配線61を作製する。この場合、第一の金属箔から作製された導体配線、第一シート材、第二シート材の硬化物、第二の金属箔及び第三シート材が、それぞれ多層プリント配線板4における第一の導体層61、第一の層401、第二の層402、第二の導体層62、及び第二の絶縁層42になる。
上述の樹脂付き金属箔1と片面金属張積層板とを材料として用いることで、多層プリント配線板4を製造することもできる。例えば樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、金属箔と絶縁層とを備える片面金属張積層板における金属箔を重ねてから熱プレスする。続いて樹脂付き金属箔1における金属箔の不要部分をエッチング等により除去することで導体配線61を作製することで、多層プリント配線板4を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10から作製された導体配線、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ多層プリント配線板4における第一の導体層61、第一の層411及び第二の層412になり、片面金属張積層板における金属箔及び絶縁層が、それぞれ多層プリント配線板4における第二の導体層62及び第二の絶縁層42になる。
上述の樹脂付き金属箔1とプリント配線板とを材料として用いることで、図4Aに示す多層プリント配線板4を製造することもできる。例えば樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、導体配線と絶縁層とを備えるプリント配線板における導体配線を重ねてから熱プレスすることで、積層板を製造する。次に、樹脂付き金属箔1における金属箔10の不要部分をエッチング等で除去することで、導体配線を作製する。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10から作製された導体配線、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ多層プリント配線板4における第一の導体層61、第一の層411及び第二の層412になり、プリント配線板における導体配線及び絶縁層が、それぞれ多層プリント配線板4における第二の導体層62及び第二の絶縁層42になる。
なお、図4Aに示す例では、上記の通り第一の導体層61、第一の層411、第二の層412、第二の導体層62、及び第二の絶縁層42がこの順番に並んで積層しているが、第一の導体層61、第二の層412、第一の層411、第二の導体層62、及び第二の絶縁層42がこの順番に並んで積層されていてもよい。すなわち、第一の絶縁層41の第一の層411と第二の層412の順序が逆に積層されていてもよい。
また、第一の層411が複数の層を含んでもよい。その場合、第一の層411内で直接接し合う二つの層は互いに異なる組成を有し、第一の層411内で直接接し合わない二つの層は互いの同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。第二の絶縁層42も複数の層を含んでもよい。例えば、第一の層411が複数の層を含む場合と同じように、第二の絶縁層42を構成することができる。
図4Bに示す多層プリント配線板4について説明する。多層プリント配線板4は、第一の導体層61、第一の絶縁層41、第二の導体層62、第二の絶縁層42、第三の導体層63を備え、これらがこの順番で積層している。第一の導体層61、第二の導体層62及び第三の導体層63のうち少なくとも一つが導体配線である。第一の絶縁層41と第二の絶縁層42のうち少なくとも一つが第一の層401及び第二の層402を備え、第一の層401は液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。第二の層402は、組成物(X)の硬化物を含む。第二の絶縁層42は、第一の絶縁層41の成分を含有する層を含むことが好ましい。第二の絶縁層42は、例えば液晶ポリマー樹脂層、ポリイミド樹脂層、ポリアミドイミド樹脂層、フッ素樹脂層及びポリフェニレンエーテル樹脂層である。
図4Bに示す多層プリント配線板4は、上述の樹脂付き金属箔1、積層板2又はプリント配線板3を用いて作製することができる。
例えば、図2Dに示す積層板2における第一の導体層31及び第三の導体層33のうち少なくとも一方の不要部分をエッチング等により除去することで導体配線61又は62を作製することで、多層プリント配線板4を作製できる。
多層プリント配線板4を次のように作製することもできる。
例えば金属箔(以下、第一金属箔という)、第一の層411の成分を含有するシート材(以下、第一シート材という)、組成物(X)の乾燥物又は半硬化物を含有するシート材(以下、第二シート材という)、金属箔(以下、第二金属箔という)、第二の絶縁層42の成分を含有するシート材(以下、第三シート材という)、及び金属箔(以下、第三金属箔という)をこの順番に重ねて、これらを熱プレスする。次に、第一金属箔及び第二金属箔のうち少なくとも一方の不要部分をエッチング等により除去することで、導体配線を作製することで、多層プリント配線板4を作製することもできる。この場合、第一の金属箔(又はこれから作製された導体配線)、第一シート材、第二シート材の硬化物、第二の金属箔、第三シート材及び第三の金属箔(又はこれから作製された導体配線)が、それぞれ多層プリント配線板4における第一の導体層61、第一の層411、第二の層412、第二の導体層62、第二の絶縁層42及び第三の導体層63になる。
上述の樹脂付き金属箔1と両面金属張積層板とを材料として用いることで、図4Bに示す多層プリント配線板4を製造することもできる。例えば、樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、絶縁層と二つの金属箔とを備える両面金属張積層板における一方の金属箔を重ねてから熱プレスすることで、多層プリント配線板4を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ多層プリント配線板4における第一の導体層61、第一の層411及び第二の層412になり、両面金属張積層板における二つの金属箔及び絶縁層が、それぞれ多層プリント配線板4における第二の導体層62、第三の導体層63及び第二の絶縁層42になる。必要により、第一の導体層61及び第三の層63のうち少なくとも一方の不要部分をエッチング等により除去することで導体配線を作製してもよい。
上述の樹脂付き金属箔1とプリント配線板とを材料として用いることで、図4Bに示す多層プリント配線板4を製造することもできる。例えば、樹脂付き金属箔1の第二の樹脂層12上に、二つの導体配線と絶縁層とを備えるプリント配線板における一方の導体配線を重ねてから熱プレスすることで、多層プリント配線板4を製造することができる。この場合、樹脂付き金属箔1における金属箔10、第一の樹脂層11及び第二の樹脂層12の硬化物が、それぞれ多層プリント配線板4における第一の導体層61、第一の層411及び第二の層412になり、プリント配線板における二つの導体配線及び絶縁層が、それぞれ多層プリント配線板4における第二の導体層62、第三の導体層63及び第二の絶縁層42になる。必要により、第一の導体層61の不要部分をエッチング等により除去することで導体配線を作製してもよい。
上記以外にも、樹脂付き金属箔、片面金属張積層板、両面金属張積層板、プリント配線板、シート材、金属箔といった材料から、適宜の材料を選択して組み合わせることにより、多層プリント配線板4を作成することができる。
多層プリント配線板4の構成は、図4A及び4Bに示す具体例に限られない。例えば、多層プリント配線板4は、3つ以上の複数の絶縁層を備えてもよい。多層プリント配線板4における複数の絶縁層は、いずれも、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む層を備えることが好ましい。また、複数の絶縁層のうち少なくとも一つは、組成物(X)の硬化物からなる層を備えることが好ましい。特に絶縁層が、ポリイミド樹脂層及びポリアミドイミド樹脂層のうち少なくとも一方を含む場合には、多層プリント配線板4の耐熱性及び寸法安定性を高めることもできる。
また、多層プリント配線板4の二つの最外層のうち少なくとも一方は導体層であることが好ましい。また、多層プリント配線板4の最外層にある導体層が導体配線であってもよく、最外層ではない導体層が導体配線であってもよい。プリント配線板3及び多層プリント配線板4の導体配線の例には、信号層、電源層、及びグラウンド層が含まれる。導体配線が高速信号の伝送が必要な回路や伝送距離の長い回路を含む場合には、この導体配線が第一の層411に接触していることが好ましい。この場合、多層プリント配線板4の高速信号の伝送損失を低減することができる。
なお、実際の多層プリント配線板においては、導体層は、各種の回路を構成する導体パターンを備えるが、図4A及び図4Bでは、導体層を簡略化して図示している。また多層プリント配線板は異なる導体層同士を電気的に接続するためのスルーホールめっき等を備えることができるが、図4A及び図4Bでは図示省略している。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。なお、本発明は、この実施例のみには制限されない。
実施例1〜17及び比較例1〜2として、図4Bに示すような導体層を3層備える多層プリント配線板を製造した。説明の便宜上、実施例においては、3層の各導体配線(導体パターンを設ける前の銅箔からなる導体層も含む)は、一方の最外層(図4Bにおける上層)から順にL1〜L3と名付けて区別することにする。なお、表1中、「PCB構成」は導体層を3層備える多層プリント配線板の層構成を意味する。また、以下において、例えば「L1/L2の積層板(又はプリント配線板)」等の表現は、L1、L2の導体配線を含む積層板(又はプリント配線板)を意味し、また、「L1〜L3の3層プリント配線板」等の表現は、L1〜L3の導体配線を全て含む3層プリント配線板を意味する。
1.ポリフェニレンエーテル樹脂1の合成
温度調節器、攪拌装置、冷却設備、及び滴下ロートが取り付けられた容量1リットルの3つ口フラスコ内に、式(81)に示すポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製、品番SA90、固有粘度0.083dl/g、末端の水酸基数平均1.9個、数平均分子量2000)200g、p−クロロメチルスチレンとm−クロロメチルスチレンとの質量比50:50の混合物(東京化成工業株式会社製、品名クロロメチルスチレン:CMS)30g、相間移動触媒(テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド)1.227g、及びトルエン400gを入れ、これらを攪拌しながら75℃まで徐々に加熱した。次に、3つ口フラスコ内に、アルカリ金属水酸化物水溶液(水酸化ナトリウム20gと水20gとの混合物)を20分間かけて、滴下した。次に、3つ口フラスコの内容物を75℃で4時間攪拌した。次に、3つ口フラスコの内容物を10質量%の塩酸で中和してから、3つ口フラスコ内に多量のメタノールを入れることで、沈殿物を析出させた。3つ口フラスコの内容物を濾過することで沈殿物を分離し、これをメタノールと水との質量比80:20の混合液で3回洗浄してから、減圧下、80℃で3時間乾燥させることで、生成物を得た。
生成物を1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)で分析した結果、5〜7ppmにエテニルベンジルに由来するピークが確認された。これにより、生成物が、炭素−炭素二重結合を有する置換基を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂であることが確認できた。具体的には、生成物がエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテルであることが確認できた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリフェニレンエーテル樹脂の分子量分布を測定し、その結果から算出した数平均分子量は、2300であった。
2.シート材の作製
次のようにして、実施例1〜17及び比較例1〜2のシート材(接着シート)を作製した。
表1及び2に示す「原料組成」に示す成分とトルエンとを混合することで、固形分濃度25質量%の熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中の、溶剤であるトルエン以外の成分のことである。表1及び2中の「原料組成」の欄における、ポリフェニレンエーテル樹脂1以外の成分の詳細は次の通りである。
・ビスマレイミド1:大和化成工業製、品番BMI−1000。
・ビスマレイミド2:大和化成工業製、品番BMI−TMH。
・エポキシ化合物1:日本化薬製、品番NC−3000。
・エポキシ化合物2:DIC製、品番HP7200。
・ブロック共重合体1:クラレ製、品名ハイブラー7125、tanδが極大値を示す温度−15℃、スチレンブロック割合20質量%、1,4−イソプレンユニット割合4質量%、3,4−イソプレンユニット割合3質量%、1,4−水添イソプレンユニット割合19質量%、1,2−水添イソプレンユニット割合5質量%、3,4−水添イソプレンユニット割合49質量%。
・ブロック共重合体2:クラレ製、品名ハイブラー5125、tanδが極大値を示す温度−13℃、スチレンブロック割合23質量%、1,4−イソプレンユニット割合31質量%、1,2−イソプレン割合4質量%、3,4−イソプレンユニット割合42質量%。
・ブロック共重合体3:クラレ製、品名ハイブラー7125、tanδが極大値を示す温度8℃、スチレンブロック割合21質量%、1,4−イソプレンユニット割合20質量%、1,3−イソプレンユニット割合10質量%、3,4−イソプレンユニット割合49質量%。
・エラストマー1:クラレ製、品名セプトン4033、tanδが極大値を示す温度−60℃、ポリスチレン−水添(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレンのブロック共重合体、ポリスチレン含有量30質量%。
・エラストマー2:クラレ製、品名セプトン2007、tanδが極大値を示す温度−50℃、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンのブロック共重合体、ポリスチレン含有量30質量%。
次に、コンマコーター及びこれに接続された乾燥機を用いて、厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に熱硬化性樹脂組成物を塗布してから、塗膜を150℃で5分間加熱した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み25μmのシート材を作製した。
3.評価試験
3−1.銅箔引き剥がし強さ
表1及び2に示す、L1/第一絶縁層/L2という積層構造を有する「高周波基板」(両面銅張積層板)を用意した。また前記と同じ両面銅張積層板における一つの銅箔をエッチングして除去することで、表1及び2に示す第二絶縁層/L3という積層構造を有する片面銅張積層板を作製した。片面銅張積層板の導体層と高周波基板のL3とを対向させるとともに、これらの間に接着シートとしてシート材を配置し、これらを180℃、2MPaの条件で1時間加熱プレスすることで、サンプルを作製した。このサンプルの両面銅張積層板の銅箔と樹脂シートの硬化物との、90°剥離強度を測定した。
3−2.樹脂引き剥がし強さ
上記銅箔引き剥がし強さの試験の場合と同じ方法で、サンプルを作製した。このサンプルにおける、液晶ポリマー製の絶縁層と樹脂シートの硬化物からなる層との間の90°剥離強度を測定した。
3−3.はんだ耐熱性
上記銅箔引き剥がし強さの試験の場合と同じ方法で、サンプルを作製した。サンプルから、JIS C6471に基づき試験片を作製した。この試験片を260℃のはんだ浴に60秒浮かべてから引き上げた後、試験片の外観を観察した。その結果、膨れ、はがれ等の外観異常が認められない場合を「A」、外観異常が認められた場合を「B」と、評価した。
3−4.吸湿はんだ耐熱性
上記銅箔引き剥がし強さの試験の場合と同じ方法で、サンプルを作製した。サンプルから、JIS C6471に基づき試験片を作製した。この試験片を、30℃、90%RHの雰囲気に24時間曝露してから、試験片の外観を観察した。その結果、膨れ、はがれ等の外観異常が認められない場合を「A」、外観異常が認められた場合を「B」と、評価した。
3−5.誘電特性
厚み18μmの二つの銅箔を、その光沢面同士が対向するように配置し、二つの銅箔の間に樹脂シートを配置した。これらを200℃、2MPaの条件で1時間加熱プレスすることで、サンプルを作製した。このサンプルにエッチング処理を施すことで両面の銅箔を除去することで、樹脂シートの硬化物からなる試験片を作製した。この試験片の、試験周波数2GHzの場合での比誘電率及び誘電正接を、IPC TM−650 2.5.5.5に基づいて測定した。
3−6.伝送損失
作製した3層プリント配線板について、L2の信号層の5GHzでの伝送損失を測定した。その結果、良好な伝送損失特性が認められた場合を「A」、誘電体損失に纏わる伝送損失特性の悪化が認められた場合を「B」と、評価した。
3−7.耐折性
上記銅箔引き剥がし強さの試験の場合と同じ方法で、サンプルを作製した。サンプルから、JIS C6471に基づき試験片を作製した。この試験片に、1Nの張力を加えることで、試験片の曲率半径が3mmになるまで毎分90回の折り曲げ速さで変形させた。試験片を3回曲げ変形させてから、試験片の外観を観察した。その結果、試験片における銅箔の外観に変化が認められない場合を「A」、銅箔に変形が認められる場合を「B」と、評価した。
Figure 0006726877
Figure 0006726877

Claims (8)

  1. 金属箔と、前記金属箔上に重なる第一の樹脂層と、前記第一の樹脂層上に重なる第二の樹脂層とを備え、
    前記第一の樹脂層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含み、
    前記第二の樹脂層は、熱硬化性樹脂組成物の乾燥物又は半硬化物からなり、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有し、
    PS−X−PS (1)
    前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックであり、
    前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックであり、
    前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有し、
    前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内であり、
    前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である、
    樹脂付き金属箔。
  2. 絶縁層と、前記絶縁層上に重なる導体層とを備え、
    前記絶縁層は、第一の層と、前記第一の層上に重なる第二の層と、を備え、
    前記第一の層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含み、
    前記第二の層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有し、
    PS−X−PS (1)
    前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックであり、
    前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックであり、
    前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有し、
    前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内であり、
    前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である、
    積層板。
  3. 前記導体層上に重なる第二の絶縁層を備え、
    前記第二の絶縁層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む
    請求項2に記載の積層板。
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物に対する、前記ポリフェニレンエーテル樹脂(C)の量は、8〜35質量%の範囲内である、
    請求項2又は3に記載の積層板。
  5. 前記熱硬化性樹脂組成物に対する、前記ビスマレイミド(B)の量は、3〜20質量%の範囲内である、
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の積層板。
  6. 前記熱硬化性樹脂組成物に対する、前記エポキシ化合物(A)の量は、3〜10質量%の範囲内である、
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の積層板。
  7. 絶縁層と、前記絶縁層上に重なる導体配線とを備え、
    前記絶縁層は、第一の層と、前記第一の層上に重なる第二の層とを備え、
    前記第一の層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含み、
    前記第二の層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有し、
    PS−X−PS (1)
    前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックであり、
    前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックであり、
    前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有し、
    前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内であり、
    前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である、
    プリント配線板。
  8. 複数の絶縁層と、複数の導体層とを備え、前記複数の絶縁層と前記複数の導体層とは交互に積層し、
    前記複数の導体層のうち少なくとも一つは、導体配線であり、
    前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つは、第一の層と、前記第一の層上に重なる第二の層とを備え、
    前記第一の層は、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含み、
    前記第二の層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、ビスマレイミド(B)と、炭素−炭素二重結合を有する置換基(c2)を末端に有するポリフェニレンエーテル樹脂(C)と、下記式(1)で示されるブロック共重合体(D)とを含有し、
    PS−X−PS (1)
    前記式(1)中のPSは各々ポリスチレンブロックであり、
    前記式(1)中のXはポリオレフィンブロックであり、
    前記ポリオレフィンブロックは、イソプレンユニット及び水添イソプレンユニットのうち少なくとも一方を含有し、
    前記ブロック共重合体(D)全体に対する、前記ブロック共重合体(D)中の前記ポリオレフィンブロックの合計は、70〜90質量%の範囲内であり、
    前記ブロック共重合体(D)の損失正接tanδが極大値を示す温度は、−20℃以上である、
    多層プリント配線板。
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