JP2011006683A - 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、金属張積層板、印刷配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、金属張積層板、プリント配線板に関する。
電子機器用のプリント配線板として、主にエポキシ樹脂を用いた積層板が広く使用されている。しかしながら、電子機器における実装密度の増大に伴うパターンの細密化、表面実装方式の定着並びに信号伝播速度の高速化と取り扱う信号の高周波化に伴い、プリント配線板材料の低誘電損失化や耐熱性及び耐電食性の向上が強く要望されている。また、近年の環境問題から、ハロゲン系の難燃剤を使用せず、非ハロゲン系で良好な難燃性を有する材料も強く要望されている。
エポキシ樹脂を硬化剤とし、スチレンと無水マレイン酸からなる共重合樹脂を使用する樹脂組成物又は積層板の事例として、例えば、可撓性付与のために、反応性エポキシ希釈剤とアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を必須とする、可撓性エポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸からなる共重合樹脂等による可撓性印刷配線板が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。また、エポキシ樹脂、芳香族ビニル化合物及び無水マレイン酸から得られる酸価が280以上の共重合樹脂、並びにジシアンアミドを含有するエポキシ樹脂化合物が報告されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、ブロム化されたエポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エポキシ樹脂硬化剤)、スチレン系化合物、及び溶剤を含むプリプレグ、電気用積層板材料(例えば,特許文献3参照。)や、エポキシ樹脂、芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸の共重合樹脂、フェノール化合物を含むプリプレグ、電気用積層板材料が報告されている(例えば,特許文献4及び5参照)。またエポキシ樹脂、カルボン酸無水物型エポキシ樹脂用架橋剤、アリル網目形成化合物を含む樹脂組成物、積層板、プリント配線板が報告されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、これらはいずれもパターンの細密化、信号の高周波化等に伴い要求されている性能が不充分である。すなわち、低誘電損失性、高耐熱性、高耐湿性、銅箔との高接着性等における性能が不充分である。さらに、これらはハロゲン系難燃剤を使用している。
また、近年、パターンの細密化に伴いスルーホールの穴径はより小さくなり、穴壁間も狭められる傾向にある。このような状況下でプリント配線板は、絶縁材料上または絶縁材料内に配線や回路パターンあるいは電極などを構成する金属が、高湿環境下、電位差の作用によって絶縁材料上または絶縁材料内を移行する金属マイグレーション(電食)が発生しやすくなり高い絶縁信頼性を満足できなくなってきている。更には、スルーホールのドリル加工時などに微少なクラックが発生し、この微少クラックから金属マイグレーションが発生することも懸念されている。
本発明の目的は、上記の問題を踏まえ、誘電特性、耐熱性、耐湿性、耐電食性及び銅箔との接着性、耐薬品性、並びに非ハロゲン難燃剤による難燃性の全てに関して優れる熱硬化性樹脂組成物、及びその使用、例えば、プリプレグ、積層板及びプリント配線板等を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、スチレン−無水マレイン酸系の共重合樹脂と、分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネート化合物、及び特定のリン系難燃剤などを組み合わせることによって、それらの課題を解決しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)(A)一般式(I):
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、R2は、(xが2以上の場合は、互いに独立して)ハロゲン原子、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は水酸基であり、そしてxは、0〜3の整数である)で示される繰返し単位(a)、及び一般式(II):
(式中、Y1及びY2は、互いに独立して、水素原子、水酸基、アミノ基、シアナト基又はエポキシ基である)で示される繰返し単位(b)を含む共重合樹脂;
(B)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネート化合物;
(C)ホスファゼン化合物及び2置換ホスフィン酸金属塩からなる群より選択される少なくとも1種のリン系難燃剤
を含む熱硬化性樹脂組成物;
2)(D)一般式(III):
(B)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネート化合物;
(C)ホスファゼン化合物及び2置換ホスフィン酸金属塩からなる群より選択される少なくとも1種のリン系難燃剤
を含む熱硬化性樹脂組成物;
2)(D)一般式(III):
(式中、nは、1〜10の整数である)で示されるエポキシ樹脂
をさらに含む、上記1)記載の熱硬化性樹脂組成物;
3)成分(A)が、繰り返し単位(a)及び(b)に加えて、一般式(IV):
をさらに含む、上記1)記載の熱硬化性樹脂組成物;
3)成分(A)が、繰り返し単位(a)及び(b)に加えて、一般式(IV):
(式中、Y1及びY2は、互いに独立して、水素原子、水酸基、アミノ基、シアナト基又はエポキシ基であり、R3は、(yが2以上の場合は、互いに独立して)ハロゲン原子、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、チオール基又はカルボキシル基であり、yは、0〜3の整数である)で示される繰り返し単位(c)を含む共重合樹脂である、上記1)又は2)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物;
4)成分(B)が、一般式(V):
4)成分(B)が、一般式(V):
(式中、R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキレン基、
又は−S−であり、R5及びR6は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である)で示されるジシアナト誘導体、及びその環化オリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種以上のシアネート化合物である、上記1)〜3)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物;
5)成分(B)が、(i)上記4)記載のシアネート化合物と、一般式(VI):
5)成分(B)が、(i)上記4)記載のシアネート化合物と、一般式(VI):
(式中、R7、R8は、互いに独立して、水素原子又はメチル基であり、n1は、1〜3の整数である)で示されるアラルキルフェノール化合物、及び一般式(VII):
(式中、R9は、水素原子又はメチル基であり、R10は、メチル基、エチル基又は
であり、n2は、1〜2の整数である)で示されるアルキルフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物とを、水酸基/シアナト基比が、0.01〜0.3の範囲で反応させることにより得られるフェノール変性シアネートエステルオリゴマー、あるいは(ii)前記フェノール変性イソシアネートエステルオリゴマーと少なくとも1種の前記フェノール化合物との混合物である、上記1)〜4)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物;
6)(E)酸化防止剤をさらに含む、上記1)〜5)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物;
7)(F)シランカップリング剤をさらに含む、上記1)〜6)いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物;
8)上記1)〜7)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物をワニス化し、基材に含浸、乾燥して得られるプリプレグ;
9)上記8)に記載のプリプレグを1枚又は複数枚重ね、さらにその上下面又は片面に金属箔を積層し、加熱加圧して得られる金属張積層板;
10)上記9)に記載の金属張積層板を用いたプリント配線板、に関する。
6)(E)酸化防止剤をさらに含む、上記1)〜5)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物;
7)(F)シランカップリング剤をさらに含む、上記1)〜6)いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物;
8)上記1)〜7)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物をワニス化し、基材に含浸、乾燥して得られるプリプレグ;
9)上記8)に記載のプリプレグを1枚又は複数枚重ね、さらにその上下面又は片面に金属箔を積層し、加熱加圧して得られる金属張積層板;
10)上記9)に記載の金属張積層板を用いたプリント配線板、に関する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物から得られる積層板は、誘電特性、耐湿耐熱性、銅箔への接着性、耐電食性及び難燃性に優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の成分(A)は、繰返し単位(a)及び(b)を含むか、又は繰り返し単位(a)、(b)及び(c)を含むスチレン−無水マレイン酸系の共重合樹脂である。
繰返し単位(a)は、スチレン又はその誘導体に由来する単位であり、式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、R2は、(xが2以上の場合は、互いに独立して)ハロゲン原子、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は水酸基であり、そしてxは、0〜3の整数である。
炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜5個の、アルキル、アルケニル又はアルキニル等、具体的にアルキルとしては、メチル、エチル、n−若しくはi−プロピル、n−、i−若しくはt−ブチル、又はペンチル等が挙げられ、アルケニルとしては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−ブテニル又は1,3−ブタジエニル等が挙げられ、アルキニルとしては、エチニル、2−プロピニル等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール又はアラルキル等、具体的にアリールとしては、フェニル、ナフチル又はそれらの組合せ(例えば、ビフェニル等)若しくはそれらの縮合多環式基(例えば、インデニル等)が挙げられ、アラルキルとしてはベンジル、フェネチル等が挙げられる。これらは場合により、ハロゲン原子、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、水酸基、チオール基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
繰返し単位(a)は、代表的にはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−クロルスチレン及びp−ブロムスチレン並びにこれらの置換位置が異なる異性体等に由来する単位であり、これらの1種又は2種以上の化合物から得ることができる。更に、上記の繰り返し単位以外にも、各種の共重合可能なモノマーと共重合させてもよい。これら各種の重合可能なモノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル及びフッ化ビニル等のビニル化合物、並びにメチルメタクリレートやメチルアクリレートのようなメタクリロイル基又はアクリロイル基を有するエステルや塩が挙げられる。また、必要に応じて、繰り返し単位(a)に、フリーデル・クラフツ反応やリチウム等の金属系触媒を用いた反応により、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基又はヒドロキシル基等の置換基を導入することができる。
繰返し単位(b)は、無水マレイン酸又はその誘導体に由来する単位であり、Y1及びY2は、互いに独立して、水素原子、水酸基、アミノ基、シアナト基又はエポキシ基であり、好ましくは水素原子である。
繰返し単位(c)は、N−フェニルマレイミド又はその誘導体に由来する単位であり、Y1及びY2は、互いに独立して、水素原子、水酸基、アミノ基、シアナト基又はエポキシ基であり、好ましくは水素原子である。R3は、(yが2以上の場合は、互いに独立して)ハロゲン原子、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、チオール基、又はカルボキシル基であり、yは、0〜3の整数である。ここで、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基の例は、前述のとおりである。特にy=0であるN−フェニルマレイミド、又はR3が水酸基であるN−(ヒドロキシフェニル)マレイミド誘導体に由来する単位が、得られる積層板の誘電特性やガラス転移温度の点から好ましく、N−フェニルマレイミドが耐熱性や耐湿性の点から特に好ましい。
本発明によれば、成分(A)は、一般式(VIII):
(式中、R1、R2及びxは、上記と同義であり、p及びqは、繰返し単位の数を示す自然数であるが、但し一般式(VIII)は、ブロック共重合体のみを意味するものではなく、例えばランダム共重合体又はブロック共重合体等のいずれであってもよい)で示される共重合樹脂であることが好ましい。特に、R1が、水素原子若しくはメチル基であり、x=0であるか、又はR1がメチル基である、一般式(VIII)の共重合樹脂が好ましい。また特に、x=0である、一般式(VIII)の共重合樹脂が好ましい。
上記一般式(VIII)の共重合樹脂において、その共重合組成比p/qは、比誘電率及び誘電正接と、ガラス転移温度、はんだ耐熱性及び銅箔に対する接着性とのバランスを考慮すると、0.8〜20が好ましい。
また本発明によれば、成分(A)は、一般式(IX):
(式中、R1、R2、R3、Y1、Y2、x及びyは、上記と同義であり、p、q及びrは、繰返し単位の数を示す自然数であるが、但し一般式(IX)は、ブロック共重合体のみを意味するものではなく、例えばランダム共重合体又はブロック共重合体等のいずれであってもよい)で示される共重合樹脂であることも好ましい。特に、y=0であるか、又はR3がメチル基である、一般式(IX)の共重合樹脂が好ましい。また特に、x及びy=0である一般式(IX)の共重合樹脂が好ましい。
上記一般式(IX)の共重合樹脂において、その繰り返し単位の共重合組成比p/(q+r)は、積層板の比誘電率及び誘電正接と、ガラス転移温度、はんだ耐熱性及び銅箔に対する接着性とのバランスを考慮すると、0.8〜20が好ましく、1〜3がより好ましい。
上記一般式(IX)の共重合樹脂において、その繰り返し単位のq/rは、積層板の比誘電率及び誘電正接と、ガラス転移温度、はんだ耐熱性及び銅箔に対する接着性とのバランスを考慮すると、0.02〜50が好ましく、0.1〜10がより好ましい。
本発明の成分(A)の共重合樹脂は、モノマー単位(a)、(b)、及び場合により(c)を含む共重合モノマーをラジカル等により重合することによって得られる。また、予めモノマー単位(a)及び(b)を含む共重合樹脂に、高分子反応でモノマー単位(c)に対応するモノアミン化合物、例えばアニリン、o−、m−又はp−アミノフェノール、o−、m−又はp−アミノトルエン、o−、m−又はp−アミノベンジルアルコール等を付加反応(イミド化)させることによっても得られる。製造が安価で容易である点から、予めモノマー単位(a)及び(b)を含む共重合樹脂に、高分子反応でモノマー単位(c)に対応するモノアミン化合物を付加(イミド化)反応させることによって得る方法がより好ましい。モノアミン化合物には、誘電特性の点からアニリン、o−又はm−又はp−アミノフェノールが好ましく、耐熱性の点からo−、m−又はp−アミノフェノールがより好ましく、特に難燃性の点からp−アミノフェノールが好ましい。
成分(A)の重量平均分子量は、積層板及びプリント配線板の耐熱性及び機械強度と200℃以下での成形加工性とのバランスを考慮すると、1,000〜300,000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、溶離液としてテトラヒドロフランを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン検量線により換算した値である。
本発明によれば、成分(B)の1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネート化合物は、特に限定されるものではないが、一般式(V):
(式中、R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキレン基、
又は−S−であり、R5及びR6は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である)で示されるジシアナト誘導体、及びその環化オリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種以上のシアネート化合物(以下、成分(BI)と称す)であることが好ましい。このようなシアネート化合物の具体例としては、2,2−ジ(シアナトフェニル)プロパン、ジ(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ジ(4−シアナトフェニル)チオエーテル、2,2−ジ(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジ(シアナトフェニル)エタン、フェノールとジシクロペンタジエン共重合物のシアネート及びフェノールノボラックシアネート等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
(式中、R4は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキレン基、
又は−S−であり、R5及びR6は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である)で示されるジシアナト誘導体、及びその環化オリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種以上のシアネート化合物(以下、成分(BI)と称す)であることが好ましい。このようなシアネート化合物の具体例としては、2,2−ジ(シアナトフェニル)プロパン、ジ(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ジ(4−シアナトフェニル)チオエーテル、2,2−ジ(4−シアナトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジ(シアナトフェニル)エタン、フェノールとジシクロペンタジエン共重合物のシアネート及びフェノールノボラックシアネート等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明によれば、成分(B)は、上述の成分(BI)と、一般式(VI):
(式中、R7、R8は、互いに独立して、水素原子又はメチル基であり、n1は、1〜3の整数である)で示されるアラルキルフェノール化合物、及び一般式(VII):
(式中、R9は、水素原子又はメチル基であり、R10は、メチル基、エチル基又は
であり、n2は、1〜2の整数である)で示されるアルキルフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物とを、水酸基/シアナト基当量比が、0.01〜0.3の範囲で反応させることにより得られるフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(以下、成分(BII)と称す)であるのが好ましい。水酸基/シアナト基当量比は、誘電特性と吸湿後の耐熱性に優れた積層板及びプリント配線板を与えることから、0.02〜0.15の範囲が特に好ましい。これらのフェノール化合物を使用することにより、ワニス調整の際に、ワニス粘度が増加せず、充分な誘電特性が得られ、かつ吸湿した際にも優れた耐熱性を示す。
本発明によれば、一般式(VI)及び一般式(VII)で表されるフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物のうち、一般式(VI)で表されるフェノール化合物としては、p−(α−クミル)フェノール、モノ(又はトリ)(α−メチルベンジル)フェノールが挙げられる。一般式(VII)で表されるフェノール化合物としては、p−tert−ブチルフェノール、2,4(又は2,6)−ジ−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミノフェノール及びp−tert−オクチルフェノールが挙げられる。また、これらフェノール化合物の1種類単独で、又は2種類以上を混合して使用しても良い。
また、誘電特性や吸湿時の耐熱性を向上させるために、成分(BII)に、更に一般式(VI)及び一般式(VII)で表されるフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物を配合することが好ましい。この追加のフェノール化合物は、水酸基/シアナト基当量比が0〜0.29の範囲であるのが好ましい(ここで、水酸基は、追加のフェノール化合物の水酸基当量を意味し、シアナト基は、成分(BII)の反応に用いた成分(BI)のシアナト基当量を意味する)。また、成分(BII)のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを合成するために反応させるフェノール化合物と、成分(BII)を合成した後に配合するフェノール化合物は、同じであっても異なってもよい。
本発明によれば、成分(BII)のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーは、成分(BI)のシアネート化合物が単独で環化反応によりトリアジン環を形成するシアネートエステルオリゴマー(主にシアネート化合物の3、5、7、9及び11量体を含む)と、成分(BI)のシアナト基に、一般式(VI)及び一般式(VII)で表されるフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物のフェノール性水酸基が付加したイミドカーボネート化変性オリゴマー、及び一般式(VI)及び一般式(VII)で表されるフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物の1個又は2個が、トリアジン環を構成する構造内に導入したことによって生成する、すなわちトリアジン環から伸びる3個の鎖のうち1個または2個が当該フェノール化合物に由来する分子に置き換わることにより、シアネート化合物の単独オリゴマーよりも架橋点が少ない変性オリゴマーとの混合オリゴマーである。
一般に、シアネート化合物は結晶性が高いので、本発明の樹脂組成物を溶媒に溶解しワニス化する際に、溶媒中にシアネートモノマーが再結晶することがなく、またワニスの粘度上昇によりガラス基材等への含浸性が低下してプリプレグ表面の平滑性が失われることがなく、且つ塗工作業性を保持するようにゲル化時間及びワニスのポットライフを長くするためには、成分(BII)のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを使用することが好ましい。特に成分(BII)において、成分(BI)のシアネート化合物のオリゴマーへの転化率が10〜70%、特には20〜70%となるように反応させることが好ましく、また数平均分子量が、380〜2500、特には800〜2000の範囲であることが好ましい。
また、成分(BII)のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを調整する際に、予め成分(BI)のシアネート化合物と共に成分(A)を混合溶解し、成分(A)と成分(BI)によるセミIPN(Interpenetrating Polymer Network)構造とすることも有効であり、このセミIPN構造とすることにより、ガラス転移温度や銅箔接着性、誘電特性を向上させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、積層板及びプリント配線板のガラス転移温度、はんだ耐熱性及び銅箔への接着性と、比誘電率及び誘電正接とのバランスを考慮して、成分(A)100重量部に対し、成分(B)は、10〜250重量部の範囲で配合することが好ましく、50〜200重量部とすることが特に好ましい。
本発明によれば、(C)リン系難燃剤としては、少ない配合量で優れた難燃効果が得られることからホスファゼン化合物及び2置換ホスフィン酸金属塩からなる群より選択される少なくとも1種のリン系難燃剤が用いられる。ホスファゼン化合物は、下記の一般式(X):
(式中、R11、R12は、互いに独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、そしてsは、自然数である)で示される直鎖状ホスファゼン化合物及び下記の一般式(XI):
(式中、R13、R14は、互いに独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、そしてtは、自然数である)で示される環状ホスファゼン化合物からなる群より選択されるホスファゼン化合物であり、例えばこれらは大塚化学株式会社から商業的に入手できる。ホスファゼン化合物を配合することにより、積層板に優れた難燃性を付与することができる。
2置換ホスフィン酸金属塩は、下記の一般式(XII):
(式中、R15、R16は、互いに独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、uは、1〜9の整数であり、そしてMは、Li,Na,K,Mg,Ca,Sr,Ba,Al,Ge,Sn,Sb,Bi,Zn,Ti,Zr,Mn,Fe,及びCeからなる群より選択される金属であり、uは、Mの原子価に相当する整数である)で示され、特開2001−2686号に記載される製造方法により製造できる。また商業的に、例えばドイツ・クラリアント社から入手できる。この2置換ホスフィン酸金属塩を配合することにより、積層板に優れた難燃性を付与することができる。
一般式(XII)において、Mは、化合物中のリン含有量を多くできることや、耐湿性の点からAl又はNaが好ましく、低誘電特性の点からAlが特に好ましい。また一般式(XII)のR15、R16は、化合物中のリン含有量を多くできることから、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はプロピル基であることが特に好ましい。特に好ましい2置換ホスフィン酸塩の例として、ジメチルホスフィン酸アルミニウムを挙げることができる。
本発明によれば、成分(C)のリン系難燃剤は、充分な難燃効果が得られ、耐湿耐熱性や耐薬品性も優れていることから、成分(A)100重量部に対し、50〜250重量部配合することが好ましい。
本発明によれば、(D)エポキシ樹脂は、成分(A)と共に硬化する熱硬化性樹脂であって、一般式(III)
(式中、nは、1以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数である)で示されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂である。該成分(D)によって、誘電特性や耐熱性が従来の積層板より向上した積層板が得られる。特に、積層板及びプリント配線板の吸湿後の耐熱性が優れていることから、nは、2〜7の範囲が好ましい。
本発明においては、成分(D)に、更に、その他のエポキシ樹脂の1種又は2種以上を併用して使用することができる。その他のエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、積層板及びプリント配線板のガラス転移温度、はんだ耐熱性及び銅箔への接着性と、比誘電率及び誘電正接とのバランスを考慮して、成分(A)100重量部に対し、成分(D)は、10〜250重量部の範囲で配合することが好ましく、50〜200重量部とすることが特に好ましい。あるいは成分(A)100重量部に対し、成分(B)と成分(D)とを合わせて100〜400重量部とすることも好ましく、さらに150〜300重量部とすることが好ましく、200〜280重量部とすることが特に好ましい。
本発明によれば、(E)酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、硫黄有機化合物系酸化防止剤が用いられる。フェノール系酸化防止剤の具体例としては、ピロガロール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのモノフェノール系や2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール系及び1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどの高分子型フェノール系が挙げられる。硫黄有機化合物系酸化防止剤の具体例としては、ジウラリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。これらの酸化防止剤、1種を用いても2種以上を併用してもよい。本発明の(E)酸化防止剤は優れた絶縁特性を有することから、成分(A)100重量部に対して0.1〜20重量部配合することが好ましい。
本発明によれば、(F)シランカップリング剤としては、耐薬品性、接着性に優れることから、エポキシ系、アミン系、イソシアナト系シランカップリング剤が用いられる。具体的には、エポキシ系シランカップリング剤としては3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が、アミン系シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が、イソシアナト系シランカップリング剤としては3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を用いても2種以上を併用してもよい。本発明の(F)シランカップリング剤は優れた耐薬品性や接着性を有することから、成分(A)100重量部に対して0.1〜10重量部配合することが好ましい
本発明の熱硬化性樹脂組成物に、硬化促進剤として、成分(A)の繰返し単位(b)の無水マレイン酸若しくはその誘導体に由来する単位と成分(D)のエポキシ樹脂のグリシジル基との硬化反応を促進させる触媒機能を有する化合物、及び/又は成分(B)の1分子中に2個以上のシアナト基を含有するシアネート化合物の反応、又は成分(BI)のシアネート化合物と、一般式(IV)及び一般式(V)で表されるフェノール化合物からなる群より選択されるフェノール化合物との反応を促進させる触媒機能を有する化合物を併用することが好ましい。
成分(A)の繰返し単位(b)の無水マレイン酸若しくはその誘導体に由来する単位と、(D)エポキシ樹脂のグリシジル基との硬化反応を促進させる触媒機能を有する化合物としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、イミダゾール類化合物、有機リン化合物、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩等が挙げられ、イミダゾール化合物を使用することが好ましい。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール(2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等が挙げられる。その配合量は、優れた触媒機能を発揮して短時間に硬化反応を行いかつ、ワニスやプリプレグの保存安定性も優れていることから、(D)エポキシ樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部配合することが好ましい。
成分(B)の1分子中に2個以上のシアナト基を含有するシアネート化合物の反応、又は成分(BI)のシアネート化合物と、一般式(VI)及び一般式(VII)で表されるフェノール化合物からなる群より選択されるフェノール化合物とからフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを得るための反応を促進させる触媒機能を有する化合物としては、鉄、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、スズの有機金属塩及び有機金属錯体等が挙げられる。その配合量は成分(BI)100重量部に対して0.01〜3重量部が好ましい。更には、その一部又は全部を、成分(BII)のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを合成する際に配合してもよく、合成後に配合してもよい。また、両者の硬化促進剤を併用する場合、その合計量は、触媒機能やワニス、プリプレグの保存安定性が優れることから、成分(BII)100重量部に対して0.01〜5重量部とすることが好ましい。
本発明の熱硬化樹脂組成物に、必要に応じて、充填剤、成分(A)以外の熱可塑性樹脂、エラストマー等の添加剤を配合することができる。
充填剤としては、無機系では、溶融シリカ、ガラス、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、窒化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、チタン酸カリウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムなどを、粉末又は球形化したビーズとして用いることができる。また、ウィスカー、単結晶繊維、ガラス繊維、中空フィラー等の形状のものも配合することができる。有機系では、シリコーンパウダー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の高分子の粉末等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
本発明によれば、成分(C)のホスファゼン化合物及び2置換ホスフィン酸の金属塩以外の難燃剤として、りん酸トリクレシル及びりん酸トリス(ジクロロプロピル)等のリン酸エステル系難燃剤、並びに赤リン、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の無機物の難燃剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物をワニス化する場合、溶剤は特に制限するものではないが、ケトン系、芳香族炭化水素系、エステル系、アミド系、アルコール系等が用いられる。具体的には、ケトン系溶剤として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が、芳香族炭化水素系としては、トルエン、キシレン等が、エステル系溶剤としてはメトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、ブトキシエチルアセテート、酢酸エチル等が、アミド系溶剤としてはN−メチルピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が、アルコール系溶剤としてはメタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、加熱硬化させることにより、誘電特性、耐熱性、絶縁信頼性、耐電食性、耐薬品性、難燃性に優れ、かつ、低吸水率である金属張積層板及びプリント配線板の製造に供せられる。すなわち、本発明の熱硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解していったんワニス化し、ガラス布等の基材に含浸し乾燥することによって、まずプリプレグを作製する。ついでこのプリプレグを任意枚数と片面若しくは上下に金属箔を重ねて加熱、加圧成形することにより、金属張積層板を作製し、更にパターン化によりプリント配線板とすることができる。
本発明のプリプレグは、例えば、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工し、次いで加熱等により半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを製造することができる。本発明の基材として、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものを使用することができる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びポリテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要に応じて単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90重量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、例えば本発明のプリプレグを、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用途に用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力2〜100kg/cm2、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
本発明のプリント配線板は、本発明の金属張積層板を用いて、例えば感光性樹脂を金属表面にコーティングした後、パターンを形成するように光照射し、次いでエッチングする等の方法を用いて、作製することができる。
下記の実施例により、本発明を更に詳しく説明する。これらの実施例は、本発明をいかなる意味においても制限するものではない。下記例中の部は特に断らない限り、重量部を意味する。
合成例1:成分(A):共重合樹脂溶液(A−1)の調製
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた、加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容器に、スチレンと無水マレイン酸からの共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名:EF−40、式(VIII)において、p/q=4.0、重量平均分子量:10,000)568.5g、トルエン100g、及びシクロヘキサノン120gを入れ、125〜135℃まで昇温し、5時間還流した。その後約80℃まで冷却し、メチルエチルケトン237.5gを添加し、共重合樹脂溶液(固形分:55重量%)(A−1)を得た。
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた、加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容器に、スチレンと無水マレイン酸からの共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名:EF−40、式(VIII)において、p/q=4.0、重量平均分子量:10,000)568.5g、トルエン100g、及びシクロヘキサノン120gを入れ、125〜135℃まで昇温し、5時間還流した。その後約80℃まで冷却し、メチルエチルケトン237.5gを添加し、共重合樹脂溶液(固形分:55重量%)(A−1)を得た。
合成例2:成分(A):共重合樹脂溶液(A−2)の調製
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器を備えた、加熱及び冷却可能な1リットル容の反応容器に、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名:EF−40)514gとトルエン100gを入れ、100℃に昇温した。溶液の温度を97〜103℃に保ちながら、予めシクロヘキサノン120gにp−アミノフェノール54.5gを溶解した溶液を滴下した。100℃で1時間反応を行った後、125〜135℃に昇温し、5時間還流により反応を行った。その後約80℃まで冷却し、メチルエチルケトン237.5gを添加し、スチレンと無水マレイン酸とp−ヒドロキシフェニルマレイミドからなる共重合樹脂の溶液(A−2)を得た。(A−2)の固形分は55重量%であり、一般式(IX)において、p/(q+r)=4.0、q/r=1であった。また、重量平均分子量は10,000であった。
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器を備えた、加熱及び冷却可能な1リットル容の反応容器に、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名:EF−40)514gとトルエン100gを入れ、100℃に昇温した。溶液の温度を97〜103℃に保ちながら、予めシクロヘキサノン120gにp−アミノフェノール54.5gを溶解した溶液を滴下した。100℃で1時間反応を行った後、125〜135℃に昇温し、5時間還流により反応を行った。その後約80℃まで冷却し、メチルエチルケトン237.5gを添加し、スチレンと無水マレイン酸とp−ヒドロキシフェニルマレイミドからなる共重合樹脂の溶液(A−2)を得た。(A−2)の固形分は55重量%であり、一般式(IX)において、p/(q+r)=4.0、q/r=1であった。また、重量平均分子量は10,000であった。
合成例3:成分(A):共重合樹脂溶液(A−3)の調製
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた、加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容
器に、スチレンと無水マレイン酸からの共重合樹脂(エルフ・アトケム社製:商品名SMA1000:式(VIII)において、p/q=1.3、重量平均分子量:8,000)410g、及びシクロヘキサノン273gを入れ、150〜160℃まで昇温し、24時間還流した。その後約100℃まで冷却し、トルエン398gを添加し、共重合樹脂溶液(固形分:38重量%)(A−3)を得た。
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた、加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容
器に、スチレンと無水マレイン酸からの共重合樹脂(エルフ・アトケム社製:商品名SMA1000:式(VIII)において、p/q=1.3、重量平均分子量:8,000)410g、及びシクロヘキサノン273gを入れ、150〜160℃まで昇温し、24時間還流した。その後約100℃まで冷却し、トルエン398gを添加し、共重合樹脂溶液(固形分:38重量%)(A−3)を得た。
合成例4:成分(A):共重合樹脂溶液(A−4)の調製
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた、加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容器に、スチレンと無水マレイン酸からの共重合樹脂(エルフ・アトケム社製:商品名EF−40):式(VIII)において、p/q=4.0、重量平均分子量:10,000)410g、及びシクロヘキサノン273gを入れ、150〜160℃まで昇温し、24時間還流した。
その後約100℃まで冷却し、トルエン398gを添加し、共重合樹脂溶液(固形分:38重量%)(A−4)を得た。
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた、加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容器に、スチレンと無水マレイン酸からの共重合樹脂(エルフ・アトケム社製:商品名EF−40):式(VIII)において、p/q=4.0、重量平均分子量:10,000)410g、及びシクロヘキサノン273gを入れ、150〜160℃まで昇温し、24時間還流した。
その後約100℃まで冷却し、トルエン398gを添加し、共重合樹脂溶液(固形分:38重量%)(A−4)を得た。
合成例5:成分(A):共重合樹脂溶液(A−5)の調製
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器を備え、加熱及び冷却が可能な反応容器に、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名SMA1000)202部とシクロヘキサノン134部を入れ、100℃に昇温し、97〜103℃に保ちながら、アニリン46.5部を少量づつ滴下した。滴下後、100℃で4時間反応を行った後、155〜160℃に昇温し、12時間還流して反応を行った。その後、約100℃に冷却してトルエン159部を添加し、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミドからなる共重合樹脂の溶液(A−5)を得た。(A−5)の固形分は45重量%であり、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミドの共重合組成比は、一般式(IX)において、p/(q+r)=1、q/r=1であった。また、重量平均分子量は9,000であった。
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器を備え、加熱及び冷却が可能な反応容器に、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名SMA1000)202部とシクロヘキサノン134部を入れ、100℃に昇温し、97〜103℃に保ちながら、アニリン46.5部を少量づつ滴下した。滴下後、100℃で4時間反応を行った後、155〜160℃に昇温し、12時間還流して反応を行った。その後、約100℃に冷却してトルエン159部を添加し、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミドからなる共重合樹脂の溶液(A−5)を得た。(A−5)の固形分は45重量%であり、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミドの共重合組成比は、一般式(IX)において、p/(q+r)=1、q/r=1であった。また、重量平均分子量は9,000であった。
合成例6:成分(A):共重合樹脂溶液(A−6)の調製
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器を備え、加熱及び冷却が可能な反応容器に、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名EF−40)493部とトルエン329部を入れ、80℃に昇温し、77〜83℃に保ちながらアニリン17.9部を少量づつ滴下した。滴下後、シクロヘキサノン49部とp−アミノフェノール10.5部を入れて、80℃で1時間反応を行った後、120〜130℃に昇温し、5時間還流により反応を行った。その後約80℃に冷却してメチルエチルケトン42部を添加し、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミド及びフェノール性水酸基を有するN−フェニルマレイミドからなる共重合樹脂の溶液(A−6)を得た。(A−6)の固形分は55重量%であり、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミド及びフェノール性水酸基を有するN−フェニルマレイミドの共重合組成比は、式(IX)において、p/(q+r)=4.0、q/r=2.3であった。また、重量平均分子量は10,000であった。
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器を備え、加熱及び冷却が可能な反応容器に、スチレンと無水マレイン酸の共重合樹脂(エルフ・アトケム社製、商品名EF−40)493部とトルエン329部を入れ、80℃に昇温し、77〜83℃に保ちながらアニリン17.9部を少量づつ滴下した。滴下後、シクロヘキサノン49部とp−アミノフェノール10.5部を入れて、80℃で1時間反応を行った後、120〜130℃に昇温し、5時間還流により反応を行った。その後約80℃に冷却してメチルエチルケトン42部を添加し、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミド及びフェノール性水酸基を有するN−フェニルマレイミドからなる共重合樹脂の溶液(A−6)を得た。(A−6)の固形分は55重量%であり、スチレンと無水マレイン酸とN−フェニルマレイミド及びフェノール性水酸基を有するN−フェニルマレイミドの共重合組成比は、式(IX)において、p/(q+r)=4.0、q/r=2.3であった。また、重量平均分子量は10,000であった。
合成例7:成分(B):フェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)の調製
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた3リットル容の反応容器にトルエン652.5g、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(Arocy B−10、旭チバ株式会社製商品名)1500g、p−(α−クミル)フェノール(東京化成工業株式会社製商品名)22.5gを配合し、液温を120℃に保った後で反応促進剤としてナフテン酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製商品名)0.3g添加して4時間加熱反応(反応濃度:70重量%)させてシアネート化合物モノマーの転化率が約55%となるようなフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを合成した。シアネート化合物モノマーの転化率は、液体クロマトグラフィー(機種:ポンプ;日立製作所(株)製L−6200、RI検出機;L−3300、カラム:東ソー(株)製TSKgel−G4000H、G2000H、溶媒:THF、濃度:1%)で確認した。また、この時のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーの数平均分子量(Mn)は1430であった。また同時に、p−(α−クミル)フェノールの溶出ピークが消失していることを確認した。
温度計、冷却管、攪拌装置を備えた3リットル容の反応容器にトルエン652.5g、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(Arocy B−10、旭チバ株式会社製商品名)1500g、p−(α−クミル)フェノール(東京化成工業株式会社製商品名)22.5gを配合し、液温を120℃に保った後で反応促進剤としてナフテン酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製商品名)0.3g添加して4時間加熱反応(反応濃度:70重量%)させてシアネート化合物モノマーの転化率が約55%となるようなフェノール変性シアネートエステルオリゴマーを合成した。シアネート化合物モノマーの転化率は、液体クロマトグラフィー(機種:ポンプ;日立製作所(株)製L−6200、RI検出機;L−3300、カラム:東ソー(株)製TSKgel−G4000H、G2000H、溶媒:THF、濃度:1%)で確認した。また、この時のフェノール変性シアネートエステルオリゴマーの数平均分子量(Mn)は1430であった。また同時に、p−(α−クミル)フェノールの溶出ピークが消失していることを確認した。
比較合成例1:スチレン樹脂(a−1)の調製
温度計、撹拌装置、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容器に、スチレン277g、アゾビスイソブチロニトリル4.0g、ドデカンチオール0.4g、メチルエチルケトン216g及びトルエン200gを入れ、窒素雰囲気下、重合反応を70℃で4時間行い、スチレン樹脂の溶液(a―1)を得た。(a−1)の固形分は41重量%であった。また、重量平均分子量は20,000であった。
温度計、撹拌装置、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた加熱及び冷却可能な2リットル容の反応容器に、スチレン277g、アゾビスイソブチロニトリル4.0g、ドデカンチオール0.4g、メチルエチルケトン216g及びトルエン200gを入れ、窒素雰囲気下、重合反応を70℃で4時間行い、スチレン樹脂の溶液(a―1)を得た。(a−1)の固形分は41重量%であった。また、重量平均分子量は20,000であった。
実施例1〜3、比較例1
以下の各成分を、表1に示した配合割合(重量部)で混合し、均一なワニスを得た。
成分(A):合成例1及び2で得られた共重合樹脂溶液(A−1)又は(A−2)、
成分(B):合成例7で得られたシアナートエステルオリゴマー(B−1)、
成分(C):ポリジフェノキシホスファゼン(大塚化学株式会社製、商品名:SPB−100)、
成分(C):メチルエチルホスフィン酸アルミニウム塩、
成分(D):エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000H)、
硬化促進剤:p−(α−クミル)フェノール及び2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:2MZ)、
溶剤:メチルエチルケトン。
以下の各成分を、表1に示した配合割合(重量部)で混合し、均一なワニスを得た。
成分(A):合成例1及び2で得られた共重合樹脂溶液(A−1)又は(A−2)、
成分(B):合成例7で得られたシアナートエステルオリゴマー(B−1)、
成分(C):ポリジフェノキシホスファゼン(大塚化学株式会社製、商品名:SPB−100)、
成分(C):メチルエチルホスフィン酸アルミニウム塩、
成分(D):エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000H)、
硬化促進剤:p−(α−クミル)フェノール及び2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名:2MZ)、
溶剤:メチルエチルケトン。
実施例4
成分(A)として、合成例3で得られた共重合樹脂溶液(A−3)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、ポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社製商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、及びフェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例3で得られた共重合樹脂溶液(A−3)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、ポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社製商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、及びフェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例5
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例6
成分(A)として、合成例5で得られた共重合樹脂溶液(A−5)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例5で得られた共重合樹脂溶液(A−5)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例7
成分(A)として、合成例6で得られた共重合樹脂溶液(A−6)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN−190、住友化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例6で得られた共重合樹脂溶液(A−6)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN−190、住友化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例8
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂(TMH−574、住友化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂(TMH−574、住友化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例9
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビフェニル型エポキシ樹脂(YX−4000H、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、成分(E)としてピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビフェニル型エポキシ樹脂(YX−4000H、ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、成分(E)としてピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例10
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(D)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP−7200L、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(D)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP−7200L、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
比較例2
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロールを、表2に示す配合量で配合してメチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例4で得られた共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロールを、表2に示す配合量で配合してメチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
比較例3
成分(A)として、比較合成例1で得られた共重合樹脂溶液(a−1)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合してメチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として、比較合成例1で得られた共重合樹脂溶液(a−1)、成分(B)として、合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを、表2に示す配合量で配合してメチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
比較例4
成分(A)として、合成例3で得られた共重合樹脂溶液(A−3)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を、表2に示す配合量で配合してメチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として、合成例3で得られた共重合樹脂溶液(A−3)、成分(C)として、実施例4で用いたのと同様のポリジフェノキシホスファゼンとジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を、表2に示す配合量で配合してメチルエチルケトンに溶解した後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを、表2に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例11
成分(A)として合成例3で得られた共重合樹脂溶液(A−3)、成分(B)として合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)としてポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、成分(F)として3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−402、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノール、を表3に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として合成例3で得られた共重合樹脂溶液(A−3)、成分(B)として合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)としてポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、成分(F)として3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−402、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノール、を表3に示す配合量で配合し、メチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例12
成分(A)として合成例4の共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、ポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、成分(F)として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを表3に示す配合量で配合しメチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
成分(A)として合成例4の共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として合成例7で得られたフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、ポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N−770、大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、成分(F)として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを表3に示す配合量で配合しメチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従って配合し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例13
成分(A)として合成例4の共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として合成例7のフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、ポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂(TMH−574、住友化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、成分(F)として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(KBE−9007、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノール、を表3に示す配合量で配合しメチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として合成例4の共重合樹脂溶液(A−4)、成分(B)として合成例7のフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)として、ポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂(TMH−574、住友化学工業株式会社製商品名)、成分(E)として、ピロガロール、成分(F)として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(KBE−9007、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノール、を表3に示す配合量で配合しメチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従って配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例14
成分(A)として合成例3の共重合樹脂溶液(A−3)、成分(B)として合成例7のフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)としてポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、成分(F)として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを表3に示す配合量で配合しメチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従い配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
成分(A)として合成例3の共重合樹脂溶液(A−3)、成分(B)として合成例7のフェノール変性シアネートエステルオリゴマー(B−1)、成分(C)としてポリジフェノキシホスファゼン(SPB−100、大塚化学株式会社商品名)とジメチルホスフィン酸アルミニウム、成分(D)として、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000H、日本化薬株式会社製商品名)、成分(E)として、4,4−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、成分(F)として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業株式会社商品名)、フェノール化合物として、p−(α−クミル)フェノールを表3に示す配合量で配合しメチルエチルケトンに溶解後、硬化促進剤としてナフテン酸亜鉛と2−メチルイミダゾールを表3に従い配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
比較例5
実施例14において成分(A)を比較合成例1のスチレン樹脂(a−1)に変えた以外は実施例14と同様に配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例14において成分(A)を比較合成例1のスチレン樹脂(a−1)に変えた以外は実施例14と同様に配合し、不揮発分65%のワニスを得た。
実施例1〜14及び比較例1〜5のワニスを0.2mm厚のガラス布(坪量210g/m2)に含浸し160℃で5分間乾燥してプリプレグを得た。このプリプレグ4枚と上下に厚み18μmの銅箔を積層し、230℃、2.45MPaの条件で2時間プレス成形し銅張積層板を作製した。次いで、銅張積層板の銅をエッチングにより除去した後、積層板の試験片を得た。評価は誘電特性、ガラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、吸水率、外層ピール強度、耐電食性、耐燃せいを評価した。なお、評価方法は、下記のようにして行った。
(1)誘電特性:1GHzの誘電特性をトリプレート構造直線線路共振器法により測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg):熱機械分析法(TMA法)により測定した。
(3)はんだ耐熱性:50mm×50mmにカットした試験片をプレッシャークッカーにより121℃、0.22MPaの条件で5h吸湿処理した後、260℃のはんだ浴に20秒間浸漬し試験片の状態を目視により観察し、ふくれ、ミーズリングのないものを○、ミーズリングの発生したものを△、フクレの発生したものを×とした。
(4)吸水率:50mm×50mmにカットした試験片をプレッシャークッカーにより121℃、0.22MPaの条件で5h吸湿処理し、吸湿処理前後の重量差より吸水率を算出した。
(5)銅箔ピール強度:エッチングにより1cm幅の銅ラインを形成し90℃方向の銅箔ピール強度をオートグラフにより測定した。
(6)耐電食性:スルーホール穴壁間隔を350μmとしたテストパターンを用いて、各試料について400穴の絶縁抵抗を経時的に測定した。測定条件は、85℃/85%RH雰囲気中100V印加して行い、導通破壊が発生するまでの時間を測定した。
(7)耐アルカリ性:50mm×50mmにカットした試験片を40℃に保った10%NaOH溶液に30分間浸漬した後、105℃で30分乾燥し、浸漬前後の外観の変化を目視により観察し、変化の無いものを○、変化(変色)したものを×とした。
(8)難燃性:UL94垂直試験法に準拠して評価した。
(1)誘電特性:1GHzの誘電特性をトリプレート構造直線線路共振器法により測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg):熱機械分析法(TMA法)により測定した。
(3)はんだ耐熱性:50mm×50mmにカットした試験片をプレッシャークッカーにより121℃、0.22MPaの条件で5h吸湿処理した後、260℃のはんだ浴に20秒間浸漬し試験片の状態を目視により観察し、ふくれ、ミーズリングのないものを○、ミーズリングの発生したものを△、フクレの発生したものを×とした。
(4)吸水率:50mm×50mmにカットした試験片をプレッシャークッカーにより121℃、0.22MPaの条件で5h吸湿処理し、吸湿処理前後の重量差より吸水率を算出した。
(5)銅箔ピール強度:エッチングにより1cm幅の銅ラインを形成し90℃方向の銅箔ピール強度をオートグラフにより測定した。
(6)耐電食性:スルーホール穴壁間隔を350μmとしたテストパターンを用いて、各試料について400穴の絶縁抵抗を経時的に測定した。測定条件は、85℃/85%RH雰囲気中100V印加して行い、導通破壊が発生するまでの時間を測定した。
(7)耐アルカリ性:50mm×50mmにカットした試験片を40℃に保った10%NaOH溶液に30分間浸漬した後、105℃で30分乾燥し、浸漬前後の外観の変化を目視により観察し、変化の無いものを○、変化(変色)したものを×とした。
(8)難燃性:UL94垂直試験法に準拠して評価した。
表1〜3から明らかなように、本発明による実施例1〜14で得られた積層板は誘電特性、耐湿耐熱性、接着性(銅箔引きはがし強さ)、耐電食性、耐薬品性、耐燃性の特性において全てに優れている。一方、比較例1〜5で得られた積層板は誘電特性、耐湿耐熱性、接着性、耐電食性、耐薬品性、耐燃性の特性において全てに優れるものはない。
本発明の組成物を基材に含浸又は塗工して得たプリプレグ、及びプリプレグを積層成形することにより製造した積層板は、プリント配線板を製造するための材料として有用である。本発明のプリント配線板は、誘電特性に優れることから高速情報処理機器、ハロゲン化合物を含まずに優れた耐燃性を示すことから環境対応型電子機器等、各種の電子機器回路形成に有用である。
Claims (10)
- (A)一般式(I):
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、R2は、(xが2以上の場合は、互いに独立して)ハロゲン原子、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は水酸基であり、そしてxは、0〜3の整数である)で示される繰返し単位(a)、及び一般式(II):
(式中、Y1及びY2は、互いに独立して、水素原子、水酸基、アミノ基、シアナト基又はエポキシ基である)で示される繰返し単位(b)を含む共重合樹脂;
(B)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネート化合物;
(C)ホスファゼン化合物及び2置換ホスフィン酸金属塩からなる群より選択される少なくとも1種のリン系難燃剤
を含む熱硬化性樹脂組成物。 - 成分(B)が、
(i)請求項4記載のシアネート化合物と、一般式(VI):
(式中、R7、R8は、互いに独立して、水素原子又はメチル基であり、n1は、1〜3の整数である)で示されるアラルキルフェノール化合物、及び一般式(VII):
(式中、R9は、水素原子又はメチル基であり、R10は、メチル基、エチル基又は
であり、n2は、1〜2の整数である)で示されるアルキルフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種のフェノール化合物とを、水酸基/シアナト基比が、0.01〜0.3の範囲で反応させることにより得られるフェノール変性シアネートエステルオリゴマー、あるいは
(ii)前記フェノール変性イソシアネートエステルオリゴマーと少なくとも1種の前記フェノール化合物との混合物
である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。 - (E)酸化防止剤
をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。 - (F)シランカップリング剤
をさらに含む、請求項1〜6いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物をワニス化し、基材に含浸、乾燥して得られるプリプレグ。
- 請求項8に記載のプリプレグを1枚又は複数枚重ね、さらにその上下面又は片面に金属箔を積層し、加熱加圧して得られる金属張積層板
- 請求項9記載の金属張積層板を用いたプリント配線板。
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