JP7191667B2 - ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents
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これにより、WET性能と、低ロス性と、操縦安定性とを高度にバランスさせることができる。
これにより、操縦安定性に優れながら、WET性能と低ロス性とを両立することができる。
これにより、WET性能と、低ロス性と、操縦安定性とをより高度にバランスさせることができる。
これにより、耐寒性を向上させることができる。
これにより、WET性能をさらに高めることができる。
これにより、WET性能をさらに高めることができる。
これにより、タイヤのWET性能と、低ロス性と、操縦安定性とを高度にバランスさせることができる。
これにより、タイヤのWET性能と、低ロス性と、操縦安定性とを高度にバランスさせることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム成分と、スチレン・アルキレンブロック共重合体と、ポリオレフィン系軟化剤と、補強性充填剤とを含み、前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量が、前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、30質量%以上であり、前記ポリオレフィン系軟化剤が、アルケン重合体および水素化ジエン重合体からなる群より選択される1種以上を含み、前記ジエン系ゴム成分100質量部当たり、前記補強性充填剤を45質量部以上含む、ゴム組成物である。
これにより、WET性能と、低ロス性と、操縦安定性とを高度にバランスさせることができる。
ジエン系ゴム成分としては、公知のゴム組成物において用いられるジエン系ゴム成分を用いることができる。ジエン系ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、合成ポリイソプレンゴム、これらの変性体などが挙げられる。ジエン系ゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これにより、耐寒性を向上させることができる。
これにより、耐寒性を向上させることができる。
スチレン・アルキレンブロック共重合体は、スチレン系モノマー由来のブロックと、アルキレンブロックとを有する共重合体である。本発明に係るゴム組成物におけるスチレン・アルキレンブロック共重合体は、当該スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、当該スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量が30質量%以上である。合計スチレン含量が30質量%以上であることにより、操縦安定性が高まる。スチレン・アルキレンブロック共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これにより、操縦安定性に優れながら、WET性能と低ロス性とを両立することができる。
これにより、操縦安定性に優れながら、WET性能と低ロス性とを両立することができる。このスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体のエチレンブチレンブロックは、上述したエチレン単位とブチレン単位を有するブロックである。
本発明において、ポリオレフィン系軟化剤は、アルケン重合体および水素化ジエン重合体からなる群より選択される1種以上を含む軟化剤である。ポリオレフィン系軟化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これにより、WET性能と、低ロス性と、操縦安定性とをより高度にバランスさせることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100質量部当たり、補強性充填剤を45質量部以上含む。45質量部未満では、摩耗性能が低下する。
これにより、WET性能をさらに高めることができる。
本発明に係るゴム組成物は、熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、C5系樹脂、C5~C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、アルキルフェノール系樹脂およびこれらを一部水素添加したものなどが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
C5系樹脂は、C5系合成石油樹脂を指し、C5留分を、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる樹脂を意味する。具体的には、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3-ペンタジエン及び1-ペンテンなどを主成分とする共重合体、2-ペンテンとジシクロペンタジエンとの共重合体、1,3-ペンタジエンを主体とする重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
C5~C9系樹脂は、C5~C9系合成石油樹脂を指し、C5~C11留分を、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる樹脂を意味する。例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体などが挙げられる。これらの中でも、C9以上の成分の少ないC5~C9系樹脂は、ジエン系ゴム成分との相溶性が優れるため好ましい。具体的には、C5~C9系樹脂におけるC9以上の成分の割合が50質量%未満の樹脂が好ましく、40質量%以下の樹脂がより好ましい。また、これらを一部水添したもの(例えば、荒川化学工業社製のアルコン(登録商標))なども挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
C9系樹脂は、C9系合成石油樹脂を指し、C9留分をAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる樹脂を意味する。例えば、インデン、メチルインデン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどを主成分とする共重合体などが挙げられる。また、これらを一部水添したもの(例えば、荒川化学工業社製のアルコン(登録商標))なども挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
テルペン系樹脂は、松属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレビン油またはこれから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得ることができる。例えば、β-ピネン樹脂、α-ピネン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
テルペン-芳香族化合物系樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、あるいはさらにホルマリンで縮合することで得ることができる。例えば、テルペン-フェノール樹脂などが挙げられる。前記テルペン-フェノール樹脂のなかでも、テルペン-フェノール樹脂中のフェノール成分が50質量%未満の樹脂が好ましく、40質量%以下の樹脂がより好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ロジン系樹脂としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油レジン、ウッドロジンなどの天然樹脂ロジン;変性ロジン;変性ロジン誘導体などが挙げられる。前記変性ロジン誘導体は、具体的には、重合ロジン、その部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジシクロペンタジエン樹脂は、ジシクロペンタジエンを、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒などを用いて重合して得ることができる。ジシクロペンタジエン樹脂の市販品の具体例としては、クイントン1920(日本ゼオン社製)、クイントン1105(日本ゼオン社製)、マルカレッツM-890A(丸善石油化学社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキルフェノール系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p-tert-ブチルフェノール-アセチレン樹脂などのアルキルフェノール-アセチレン樹脂、低重合度のアルキルフェノール-ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これにより、WET性能をさらに高めることができる。
本発明に係るゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤は、例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チオウレアおよびジエチルチオウレアの中から選ばれる少なくとも1種である。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グアニジン類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジンなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジンおよび1-o-トリルビグアニドが好ましく、1,3-ジフェニルグアニジンがより好ましい。
スルフェンアミド類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N-シクロヘキシルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-tert-ブチルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-メチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-エチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-プロピル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ペンチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オクチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-2-エチルヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-デシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ドデシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-ステアリル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジメチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジエチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジプロピル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジペンチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジオクチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジ-2-エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジドデシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジステアリル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、N-シクロヘキシルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミドおよびN-tert-ブチルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミドが好ましい。
チアゾール類としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(N,N-ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4-メチル-2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-(4-メチル-2-ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2-メルカプト-6-ニトロベンゾチアゾール、2-メルカプト-ナフト[1,2-d]チアゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、6-アミノ-2-メルカプトベンゾチアゾールなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高い点で、2-メルカプトベンゾチアゾールおよびジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。
チオウレアは、NH2CSNH2で表される化合物である。
ジエチルチオウレアは、C2H5NHCSNHC2H5で表される化合物である。
シランカップリング剤を用いることによって、例えば、ゴム加工時の作業性が更に優れると共に、耐摩耗性がより良好なタイヤを得ることができる。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫剤としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄などが挙げられる。加硫剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、補強性充填剤としてシリカを含む場合、更に、特開2016-160424号公報および特開2016-160423号公報などに記載のグリセリン脂肪酸エステルを含むことが好ましい。グリセリン脂肪酸エステルを含む場合、ゴム組成物の加工性が向上し、また、ゴム組成物をタイヤに適用することで、タイヤの低ロス性を更に向上することができる。
本発明に係るゴム組成物は、上述した成分以外に、ゴム工業界で通常使用される成分、例えば、老化防止剤、加硫促進助剤、有機酸化合物などを、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜選択して含有することができる。
本発明に係るゴム組成物の調製方法は特に限定されず、公知の混練方法を用いて、ジエン系ゴム成分、スチレン・アルキレンブロック共重合体、ポリオレフィン系軟化剤、補強性充填剤などの成分を混練すればよい。
これにより、タイヤのWET性能と、低ロス性と、操縦安定性とを高度にバランスさせることができる。
本発明に係るタイヤは、上記いずれかに記載のゴム組成物を用いた、タイヤである。
これにより、タイヤのWET性能と、低ロス性と、操縦安定性とを高度にバランスさせることができる。
天然ゴム(NR):RSS#3
スチレンブタジエンゴム(低TgSBR):後述する方法で合成する
スチレンブタジエンゴム(高TgSBR):後述する方法で合成する、ゴム成分100質量部に対してオイル分37.5質量部を含む、重量平均分子量(Mw)=85.2×104、分子量200×104以上500×104以下の割合=4.6%、収縮因子(g’)=0.57、ガラス転移温度(Tg)=-24℃
スチレン・アルキレンブロック共重合体(合計スチレン含量15質量%):JSR社製のDYNARON(登録商標)8600P、単位(A)および単位(B)の総質量に対する単位(A)の割合=68質量%
スチレン・アルキレンブロック共重合体(合計スチレン含量35質量%):JSR社製のDYNARON(登録商標)8903P、単位(A)および単位(B)の総質量に対する単位(A)の割合=70質量%
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名NipSil(登録商標) AQ
カーボンブラック:旭カーボン社製の商品名#80
シランカップリング剤:エトキシ(3-メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタコサン-1-イルオキシ)シラン、エボニック・デグサ社製の商品名Si363
C5~C9系樹脂(C5-C9樹脂):JXTGエネルギー社製の商品名T-REZ RD104
C9系樹脂(C9樹脂):JXTGエネルギー社製の商品名日石ネオポリマー140
ワックス:マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋社製の商品名オゾエース0701
老化防止剤(6PPD):N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製の商品名ノクラック 6C
加硫促進剤(DPG):1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーD
加硫促進剤(MBTS):ベンゾチアゾールジスルフィド、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーDM
加硫促進剤(CBS):N-シクロヘキシルベンゾチアゾール-2-スルフェンアミド、三新化学工業社製の商品名サンセラーCM-G
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn-ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行う。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)-3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行う。その後、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性SBRを得る。変性SBRのミクロ構造は、結合スチレン量が10質量%、ブタジエン部分のビニル結合量が40%、ピーク分子量が200,000である。
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、撹拌機付槽型反応器である撹拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とする。予め水分除去した、1,3-ブタジエンを17.9g/分、スチレンを9.8g/分、n-ヘキサンを145.3g/分の条件で混合する。この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn-ブチルリチウムを0.117mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給する。更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.0194g/分の速度で、重合開始剤としてn-ブチルリチウムを0.242mmol/分の速度で、撹拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続する。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御する。重合が十分に安定したところで、反応器頂部出口より、カップリング剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去し、110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定する。次に、反応器の出口より流出した重合体溶液に、カップリング剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミンを0.0302mmol/分(水分5.2ppm含有n-ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加し、カップリング剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合されカップリング反応する。このとき、反応器の出口より流出した重合溶液にカップリング剤が添加されるまでの時間は4.8分、温度は68℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は7℃である。カップリング反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n-ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了する。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が37.5gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合する。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性SBRを得る。
表1~2に示す配合処方(質量部)に従って、ゴム組成物を調製する。そのゴム組成物をトレッドゴムに用いて、常法に従ってサイズ:195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを作製する。
<WET性能>
各供試タイヤにつき、湿潤路のコース上において、テストドライバーが、様々な走行を行い、走行中のタイヤの走行性能についてフィーリング評価を行う。比較例1のWET性能を100として指数表示する。評価を表2に示す。指数値が大きいほどタイヤのWET性能に優れることを示す。
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムについて、損失正接(tanδ)を、上島製作所製スペクトロメーター、温度50℃、初期歪2%、動歪1%、周波数52Hzの条件で測定する。比較例1のtanδの逆数を100として指数表示する。評価を表2に示す。指数値が大きいほど低ロス性に優れる。
各供試タイヤにつき、乾燥路面での実車試験にて、テストドライバーによるフィーリングに基づき、操縦安定性を評価する。比較例1の操縦安定性を100として指数表示する。評価を表2に示す。指数値が大きいほどタイヤの操縦安定性に優れることを示す。
Claims (9)
- ジエン系ゴム成分と、スチレン・アルキレンブロック共重合体と、ポリオレフィン系軟化剤と、補強性充填剤とを含み、
前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の合計スチレン含量が、前記スチレン・アルキレンブロック共重合体の総質量に対して、30質量%以上であり、
前記ポリオレフィン系軟化剤が、アルケン重合体および水素化ジエン重合体からなる群より選択される1種以上を含み、
前記ジエン系ゴム成分100質量部当たり、前記補強性充填剤を50質量部以上含む、ゴム組成物。 - 前記スチレン・アルキレンブロック共重合体のアルキレンブロックが、-(CH2-CH(C2H5))-単位(A)と-(CH2-CH2)-単位(B)とを有し、単位(A)の合計含量が、単位(A)および単位(B)の総質量に対して、40質量%以上である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム成分100質量部当たり、前記ポリオレフィン系軟化剤を5~25質量部含む、請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム成分が、当該ジエン系ゴム成分100質量部当たり、天然ゴムを40質量部以上含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
- さらに、前記ジエン系ゴム成分100質量部当たり、熱可塑性樹脂を1~70質量部含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
- 前記補強性充填剤が、シリカとシリカ以外の白色充填剤とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
- タイヤ用である、請求項1~6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
- タイヤのトレッド用である、請求項1~7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いた、タイヤ。
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