JP2002121403A - 硬化性組成物、絶縁材料および回路基板 - Google Patents

硬化性組成物、絶縁材料および回路基板

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JP2002121403A JP2000319824A JP2000319824A JP2002121403A JP 2002121403 A JP2002121403 A JP 2002121403A JP 2000319824 A JP2000319824 A JP 2000319824A JP 2000319824 A JP2000319824 A JP 2000319824A JP 2002121403 A JP2002121403 A JP 2002121403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カバーコート材料や層間絶縁材料に好適な電気
絶縁性、低吸水性及び積層性に優れた硬化性組成物、絶
縁材料及び回路基板を提供する。 【解決手段】官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬
化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物、支持体
と、該支持体上に官能基を有する環構造含有重合体樹
脂、硬化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を
積層し、硬化させてなる硬化性組成物層を有する絶縁材
料、及び電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電
体回路(1)とからなる内層基板と、該内層基板上に官
能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴ
ムを含有してなる硬化性組成物を積層し、硬化させてな
る硬化性組成物層を有する回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性組成物、絶
縁材料及び回路基板に関し、さらに詳しくは、カバーコ
ート材料や層間絶縁材料に好適な硬化性組成物、電気絶
縁性、低吸水性及び積層性に優れた絶縁材料並びに回路
基板に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体部品の急速な進歩により、
電子機器は小型軽量化、高性能化、多機能化の傾向にあ
り、これらに追従して回路基板の高密度化が進みつつあ
る。例えば、半導体回路の細線化、高多層化、スルーバ
イアホール、ブラインドバイアホール等の小径化、小型
チップ部品の表面実装による高密度実装等が進みつつあ
る。ここで、使用される電気絶縁材料としては、通常、
電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路
(1)とからなる内層基板上に、電気絶縁層(2)を形
成させるカバーコート材、又は電気絶縁層(1)とその
表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板
上に電気絶縁層(2)を積層し、該電気絶縁層(2)の
上に導電体回路(2)を形成する場合の層間絶縁材料が
挙げられる。これらの絶縁材料として使用される硬化性
組成物は、通常、有機溶媒に溶解又は分散させたワニ
ス、あるいはBステージフィルムとして使用されてい
る。例えば、(1)ポリビニルアセタール樹脂と室温で
液状のエポキシ樹脂とを含有するもの(例えば、特開平
7−266492号公報参照)、(2)室温で固体のエ
ポキシ樹脂と室温で液状のエポキシ樹脂とを含有するも
の(例えば、特開平11−87927号公報参照)、
(3)ノルボルネン系重合体のごとき環構造含有重合体
と硬化剤及び室温で固体の固形ゴムを含有するもの等が
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の硬化性組成物を用いて電気絶縁層を形成する場合にお
いては、導電体回路の高密度化を図るために、電気絶縁
層の厚みを薄くしたときに、十分な平滑性を得るために
積層時間を長くしなければならない。すなわち、積層時
間を短縮すると十分な平滑性が得られなくなる。また、
上記(1)や(2)の硬化性組成物を用いる場合には、
電気絶縁性、低吸水性及び耐熱性が劣るという問題が生
じていた。そこで本発明は、かかる実状に鑑み、カバー
コート材料や層間絶縁材料に好適な電気絶縁性、低吸水
性及び積層性に優れた硬化性組成物、絶縁材料及び回路
基板を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決を図るべ
く、本発明は第1に、官能基を有する環構造含有重合体
樹脂、硬化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物
を提供する。また本発明は第2に、支持体と、該支持体
上に官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び
液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を積層し、硬化さ
せてなる硬化性組成物層を有する絶縁材料を提供する。
さらに本発明は、第3に、電気絶縁層(1)とその表面
に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板と、
該内層基板上に官能基を有する環構造含有重合体樹脂、
硬化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を積層
し、硬化させてなる硬化性組成物層を有する回路基板を
提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用される官能基を有す
る環構造含有重合体樹脂は、官能基を有することと重合
体中に環構造を有することを特徴とする。該樹脂は通常
熱可塑性である。官能基としては格別な限定はなく、硬
化剤の種類に応じて適宜選択される。具体的には、ラジ
カル反応性の官能基やイオン反応性の官能基等が挙げら
れ、硬化収縮を起こさない観点でイオン反応性の官能基
が好適である。イオン反応性の官能基としては、例え
ば、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシル基、酸無
水物基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、オキシカル
ボニル基、カルボニル基、エステル基、シラノール基、
アミノ基、スルホン基等が挙げられる。これらの中で
も、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、酸無
水物基、アミノ基等が好ましく、酸無水物基及びカルボ
キシル基が特に好ましい。これらの官能基は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0006】重合体樹脂中の官能基の含有量は、使用目
的に応じて適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単
位数を基準として、通常1〜200モル%、好ましくは
5〜70モル%、より好ましくは20〜50モル%の範
囲である。重合体樹脂の官能基含有量がこの範囲にある
ときに、低誘電特性、低吸水性及び耐熱性が高度にバラ
ンスされ好適である。
【0007】重合体樹脂中の環構造は、主鎖及び/又は
側鎖のいずれに在ってもよいが、耐熱性や耐溶剤性の観
点から主鎖に環構造を含有するものが好ましい。また、
環構造としては、単環及び多環(縮合多環、橋架け環及
びこれらの組合せ多環等)が挙げられ、脂環と芳香環と
があるが、本発明においては脂環が好ましい。環構造を
構成する炭素原子数には格別な制限はないが、通常4〜
30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜1
5個の範囲であるときに、耐熱性、耐溶剤性及び成形性
の諸特性が高度にバランスされ好適である。
【0008】環構造含有重合体樹脂中の環構造を有する
繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択され
るが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以
上、より好ましくは70重量%以上であり、その上限は
100重量%である。環構造含有重合体樹脂中の環構造
を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、低誘電
特性、低吸水性及び耐熱性に劣り好ましくない。
【0009】かかる環構造を有する重合体樹脂として
は、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環
の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重
合体、(4)ビニル系環状炭化水素重合体、(5)主鎖
中に芳香環の繰り返し単位を有する芳香族系重合体、及
び(6)これらの水素添加物等が挙げられる。これらの
中でも、高信頼性、特に強度特性が要求される分野で
は、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共
役ジエン系重合体及びその水素添加物等が好ましく、ノ
ルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好まし
い。
【0010】ノルボルネン系重合体としては、例えば、
特開平3−14882号公報や特開平3−122137
号公報等で開示される方法によってノルボルネン系モノ
マーを重合させたものを用いることができる。具体的に
は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素
添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノル
ボルネン系モノマーとビニル化合物との付加型共重合体
等が挙げられる。これらの中でも、高信頼性、特に強度
特性が要求される分野では、ノルボルネン系モノマーの
開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加
型重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニ
ル化合物の付加型共重合体が好ましく、ノルボルネン系
モノマーの開環重合体水素添加物がより好ましい。
【0011】ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や
特開平2−227424号公報、特開平2−27684
2号公報等に開示されている公知のモノマーを使用する
ことができる。ノルボルネン系モノマーの具体例として
は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用
名:ノルボネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチ
ル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オ
クタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロペンチル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキ
シル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−
シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2
−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、
【0012】トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−
3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、ト
リシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,8−ジ
エン、トリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3
−エン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10
ドデカ−3−エン(単に、テトラシクロドデセンともい
う)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.
2.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テト
ラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−
エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テ
トラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3
−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テ
トラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3
−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.
0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘ
キシル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10
ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシク
ロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、
8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.
4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、
【0013】テトラシクロ[7.4.0.110.13.0
2.7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,
4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.
11.14.03.8]テトラデカ−3,5,7,12−テト
ラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,1
0a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシ
クロ[6.5.13.6.02.7.09,13]ペンタデカ−
3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.
3.6.110.13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエ
ン、シクロペンタジエンの4量体以上の付加物、5−フ
ェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、テ
トラシクロ[6.5.0.12.5.08.1 3]トリデカ−
3,8,10,12−テトラエン、テトラシクロ[6.
6.0.12.5.08.13]テトラデカ−3,8,10,
12−テトラエン等の官能基を有さないノルボルネン系
モノマー;
【0014】5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メ
トキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2
−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−エトキシカル
ボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチル
プロピオネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−
エニル−2−メチルオクタネート、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、
5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシイ
ソプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−
エン−5,6−ジカルボン酸イミド、8−メトキシカル
ボニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10
ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニ
ル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデ
カ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8
−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12.5.1
7.10]ドデカ−3−エン等の官能基を有するノルボルネ
ン系モノマー;等が挙げられる。これらのノルボルネン
系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0015】ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系
モノマーとそれと共重合可能な他のビニル化合物との共
重合体であってもよい。ノルボルネン系重合体中のノル
ボルネン系モノマー結合量の割合は、使用目的に応じて
適宜選定されるが、通常30重量%以上、好ましくは5
0重量%以上、より好ましくは70重量%以上であるも
のが、低誘電特性や耐熱性の特性が高度にバランスされ
好適である。
【0016】共重合可能なビニル化合物としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4
−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1
−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のエチレン
又はα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3
−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−
1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,
7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン
等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メ
チル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;等が挙げられ
る。これらの共重合可能なビニル化合物は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0017】ノルボルネン系モノマー又はノルボルネン
系モノマーと共重合可能なビニル化合物との重合方法及
び水素添加方法には格別な制限はなく、公知の方法に従
って行うことができる。
【0018】水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に
従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水
素により水素化する方法により得ることができる。水素
化により、主鎖又は側鎖に存在する炭素−炭素不飽和結
合を部分的に又は全面的に水素化して飽和させる。芳香
環を含有するノルボルネン系重合体の場合、水素化によ
り芳香環を水素化してもよいし、主鎖及び側鎖の非芳香
族炭素−炭素不飽和結合のみを水素添加してもよい。
【0019】単環の環状オレフィン系重合体としては、
例えば、特開昭64−66216号公報に開示されてい
るシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等
の単環の環状オレフィン系モノマーの付加(共)重合体
を用いることができる。
【0020】環状共役ジエン系重合体としては、例え
ば、特開平6−136057号公報や特開平7−256
8318号公報に開示されているシクロペンタジエン、
シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系モノマーを、
1,2−又は1,4−付加重合させた(共)重合体体及
びその水素添加物を用いることができる。
【0021】ビニル系環状炭化水素系重合体としては、
例えば、特開昭51−59989号公報に開示されてい
るビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサン等のビ
ニル系環状炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加
物、特開昭63−43910号公報や特開昭64−17
06号公報等に開示されているスチレン、α−メチルス
チレン等のビニル芳香族系重合体の芳香環水素添加物等
を用いることができる。
【0022】主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体とし
ては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニ
レンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等
を用いることができる。
【0023】官能基を有する環構造含有重合体樹脂は、
例えば、1)前記環構造含有重合体樹脂に官能基を有す
る化合物を変性反応により導入することによって、2)
官能基を含有する単量体を(共)重合することによっ
て、あるいは3)エステル基等の官能基を含有する単量
体を(共)重合成分として(共)重合した後、エステル
基を加水分解することによって得られる。本発明におい
ては、1)の方法で得られるものが好適である。上記変
性環構造含有重合体樹脂は常法に従い製造することがで
き、例えば、環構造含有重合体樹脂にイオン反応性の官
能基含有不飽和化合物をグラフト変性して得ることがで
きる。
【0024】イオン反応性の官能基含有不飽和化合物は
前記官能基と炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物で
ある。具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジ
ル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリ
シジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエ
ーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、
p−アリルフェノールのグリシジルエーテル等の不飽和
エポキシ化合物;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチ
ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボ
ン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5
−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸等の不飽和
カルボン酸化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マレイ
ン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、無水シトラコン酸等の不飽和無水カルボン酸化合
物;アリルアルコール、2−アリル−6−メトキシフェ
ノール、4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−
アリロキシフェノール、3−ブテン−1−オール、4−
ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等の
不飽和アルコール化合物;等が挙げられる。これらの中
でも不飽和エポキシ化合物や不飽和無水カルボン酸化合
物が好ましく、不飽和無水カルボン酸化合物が特に好ま
しい。
【0025】イオン反応性の官能基含有不飽和化合物を
効率よくグラフト共重合させるためには、通常ラジカル
開始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。ラジ
カル開始剤としては、例えば、有機ペルオキシド、有機
ペルエステル等が好ましく使用される。これらのラジカ
ル開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。ラジカル開始剤の使用割
合は、未変性環構造含有重合体樹脂100重量部に対し
て、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.0
1〜5重量部、より好ましくは0.1〜2.5重量部の
範囲である。
【0026】グラフト変性反応には特に限定はなく、常
法に従って行うことができる。反応温度は、通常0〜4
00℃、好ましくは60〜350℃であり、反応時間
は、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜10時間
の範囲である。環構造含有重合体樹脂のグラフト変性物
のグラフト変性率は、使用目的に応じて適宜選択される
が、重合体中の総モノマー単位数を基準として、通常1
〜100モル%、好ましくは5〜70モル%、より好ま
しくは20〜50モル%の範囲である。変性環構造含有
重合体樹脂のグラフト変性率がこの範囲にあるときに、
低誘電特性、低吸水性及び耐湿性の特性が高度にバラン
スされ好適である。
【0027】ここで、グラフト変性率は、変性率=X×
100(%)で表される値であり、 1H−NMRを測定
し、算出することができる。すなわち、1H−NMR測
定データーから官能基含有不飽和化合物由来の水素のピ
ーク面積の総和Aと、官能基を有する環構造含有重合体
樹脂のグラフト変性物中の環構造含有重合体由来の水素
のピーク面積の総和Bをそれぞれ計算し、その比B/A
を求める。この比は、式:(D−X)/(C×X)=B
/Aの関係にあるので、この式からXを求めることがで
きる。ここで、Cは、官能基含有不飽和化合物が重合体
に変性されたときに該変性された化合物1分子が有する
水素原子の数を表し、Dは環構造含有重合体の単量体1
単位が有する水素原子の数を表す。例えば、官能基含有
不飽和化合物が無水マレイン酸の場合にはC=3であ
る。また、環構造含有脂重合体がエチルテトラシクロド
デセンを開環重合し水素化した重合体である場合にはD
=22である。
【0028】本発明に使用される官能基を有する環構造
含有重合体樹脂(グラフト変性物を含む)の分子量は使
用目的に応じて適宜選択されるが、トルエン又はテトラ
ヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン
換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜
1,000,000、好ましくは20,000〜50
0,000、より好ましくは20,000〜100,0
00の範囲である。官能基を有する環構造含有重合体樹
脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、
成形性や耐熱性に特に優れ好適である。
【0029】本発明に使用される官能基を有する環構造
含有重合体樹脂のガラス転移温度には格別の制限はない
が、通常50℃以上、好ましくは100℃以上、より好
ましくは120℃以上であるときに、耐熱性に優れ好適
である。これらの官能基を有する環構造含有重合体樹脂
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0030】本発明で使用される硬化剤は格別な限定は
なく、通常の硬化性組成物で使用されるものである。硬
化剤としては、例えば、イオン性硬化剤、ラジカル性硬
化剤等が挙げられるが、密着性及び硬化収縮しない点
で、イオン性硬化剤が好適である。イオン性硬化剤とし
ては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレ
ンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレン
ペンタミン等の脂肪族ポリアミン;ジアミノシクロヘキ
サン、ジアミノノルボルナン、3(4)、8(9)−ビ
ス(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.
2.6]デカン、1,3−(ジアミノメチル)シクロヘ
キサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−
アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチ
ルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘ
キシル)メタン等の脂環式ポリアミン;4,4’−アジ
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−
1,4−ジイソプロピルベンゼン、α、α’−ビス(4
−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、メタフェ
ニレンジアミン、メタキシリレンジアミン等の芳香族ポ
リアミン;等のポリアミン、4,4’−ビスアジドベン
ザル−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4’−ジア
ジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)
シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジ
ドジフェニルスルホン、4,4’−ジアジドジフェニル
メタン、2,2’−ジアジドスチルベン等のビスアジド
化合物;
【0031】無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水
物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水
マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸無水物;フマル
酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミッ
ク酸等の多価ジカルボン酸;1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、ヒドロキノンジヒドロキシジ
エチルエーテル、トリシクロデカンジメタノール、1,
1,1−トリメチロールプロパン等のポリオール;フェ
ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の
多価フェノール;ナイロン−6、ナイロン−66,ナイ
ロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナ
イロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリ
アミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミ
ド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミ
ド;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイ
ソシアネート等の多価イソシアネート;フェノールノボ
ラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポ
キシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノ
ールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ
化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、臭
素化ビスフェノールF型エポキシ化合物等のグリシジル
エーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポ
キシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、脂環
式エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキシ化合物
等のエポキシ化合物等が挙げられる。これらの中でも、
特に硬化性樹脂が官能基として酸無水物基を有するもの
のときは、耐熱性、耐溶剤性、保存安定性の観点から、
ポリアミン、ポリオール、多価フェノール、エポキシ化
合物が好ましく、特に多価エポキシ化合物が好ましい。
【0032】ラジカル性硬化剤としては、例えば、メチ
ルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオ
キシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルハ
イドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,
5−ジハイドロペルオキシド、ジクロミルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(tert−ブ
チルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、オクタ
ノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、ペル
オキシジカーボネート等の有機過酸化物;等が挙げられ
る。
【0033】硬化剤の分子量は、使用目的に応じて適宜
選択されればよいが、通常50〜4,000、好ましく
は100〜3,000、より好ましくは200〜2,0
00の範囲である。これらの硬化剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。硬化剤の配合割合は、前記官能基を有する環構造含
有重合体樹脂100重量部に対して、通常0.1〜20
0重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましく
は5〜50重量部の範囲である。
【0034】本発明に使用される液状ゴムは、溶液の不
存在下の常温(25℃)で液状のゴムである。液状ゴム
の25℃における粘度は、通常0.01〜10,000
Pa・s、好ましくは0.05〜1,000Pa・s、
より好ましくは0.1〜500Pa・sの範囲である。
液状ゴムの具体例としては、液状ポリイソプレン、液状
ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエンゴム、液状
アクリロニトリル−ブタジエンゴム、液状ポリクロロプ
レン、液状シリコーンゴム、液状ポリスルフィドゴム、
液状フッ素ゴム、液状ポリイソブチレン等が挙げられ
る。これらの液状ゴムは、それぞれ単独で、あるいは2
種以上を組み合わせて用いることができる。液状ゴムの
配合量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、前記官
能基を有する環構造含有重合体樹脂100重量部に対し
て、通常1〜100重量部、好ましくは5〜70重量
部、より好ましくは10〜50重量部の範囲である。液
状ゴムの配合量がこの範囲にあるときに、積層性(溶融
粘度特性)、絶縁抵抗性、耐熱性及び耐クラック性が高
度にバランスされ好適である。
【0035】本発明の硬化性樹脂組成物は、前記官能基
を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴムを
必須の成分として、必要に応じて、その他の重合体やそ
の他の配合剤を配合することができる。その他の重合体
としては、例えば、常温(25℃)で固体状のゴム質重
合体及びその他の樹脂等を挙げることができる。
【0036】常温で固体のゴム質重合体としては、例え
ば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチ
レン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン
共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン三元
共重合体ゴム等のジエン系ゴム;これらジエン系ゴムの
水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体等のエチレ
ン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・その他のα
−オレフィン共重合体等の飽和ポリオレフィンゴム;エ
チレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレフィン
・ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合
体、イソブチレン・ジエン共重合体等のα−オレフィン
・ジエン系重合体ゴム;ウレタンゴム、ポリエーテル系
ゴム、アクリルゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチ
レンアクリルゴム等の特殊ゴム;スチレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレ
ンの水素添加物・スチレンブロック共重合体ゴム等の熱
可塑性エラストマー;ウレタン系熱可塑性エラストマ
ー;ポリアミド系熱可塑性エラストマー;1,2−ポリ
ブタジエン系熱可塑性エラストマー;等が挙げられる。
【0037】その他の樹脂としては、例えば、鎖状重合
体や官能基を有さない環構造含有重合体等が挙げられ
る。鎖状重合体としては、例えば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、シンジオタク
チックポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の
ポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン−
6、ナイロン−66等のポリアミド;エチレン・エチル
アクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。こ
れらのその他の重合体は、それぞれ単独で、あるいは2
種以上を組み合わせて用いることができる。その他の重
合体の配合割合は、前記液状ゴム100重量部に対し
て、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以
下、より好ましくは50重量部以下であり、その下限は
0重量部である。
【0038】その他の配合剤としては、硬化促進剤、硬
化助剤、フィラー、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、
レベリング剤、チクソトロピック付与剤、帯電防止剤、
スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染
料、顔料、天然油、合成油、ワックス、乳剤等が挙げら
れ、その配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で適
宜選択される。
【0039】本発明においては、硬化物性をさらに高め
る上で、硬化促進剤を配合するのが好適である。硬化促
進剤としては特に限定されないが、硬化剤が例えば多価
エポキシ化合物の場合には、第3級アミン系化合物や三
フッ化ホウ素錯化合物等が好適である。中でも、第3級
アミン系化合物を使用すると、微細配線に対する積層
性、絶縁抵抗性、耐熱性、耐薬品性が向上する。第3級
アミン系化合物の具体例としては、ベンジルジメチルア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、トリベンジルアミン等の鎖状3級アミン
化合物;ピラゾール類、ピリジン類、ピラジン類、ピリ
ミジン類、インダゾール類、キノリン類、イソキノリン
類、イミダゾール類、トリアゾール類等の含窒素複素環
化合物が挙げられる。これらの中でも、イミダゾール
類、特に置換基を有するイミダゾール類が好ましい。
【0040】置換イミダゾール化合物の具体例として
は、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、ビス−2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−イソ
プロピルイミダゾール、2.4−ジメチルイミダゾー
ル、2−ヘプタデシルイミダゾール等のアルキル置換イ
ミダゾール化合物;2−フェニルイミダゾール、2−フ
ェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−
メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、ベ
ンズイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−
(2’−シアノエチル)イミダゾール、2−エチル−4
−メチル−1−[2’−(3”,5”−ジアミノトリア
ジニル)エチル]イミダゾール等のアリール基やアラル
キル基等の環構造を含有する炭化水素基で置換されたイ
ミダゾール化合物等が挙げられる。これらの中でも、環
構造含有の置換基を有するイミダゾール化合物が、前記
官能基を有する脂環式オレフィン重合体との相溶性の観
点から好ましく、特に、1−ベンジル−2−フェニルイ
ミダゾールが好ましい。これらの硬化促進剤は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組合せて用いられる。硬
化促進剤の配合量は、使用目的に応じて適宜選択される
が、前記官能基を有する環構造含有重合体樹脂100重
量部に対して、通常0.001〜30重量部、好ましく
は0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5
重量部である。
【0041】硬化助剤は、特に限定されるものではな
い。例えば、キノンジオキシム、ベンゾキノンオキシ
ム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系
硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイミド等の
マレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリ
ル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタク
リレート系硬化助剤;ビニルケトン、エチルビニルベン
ゼン、ジビニルベンゼン等のビニル系硬化助剤等が挙げ
られる。これらの硬化助剤は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。その配
合割合は、硬化剤100重量部に対して、通常1〜10
00重量部、好ましくは10〜500重量部の範囲であ
る。
【0042】本発明の硬化性組成物は、その使用形態に
格別な限定はないが、好ましくは、(1)該硬化性組成
物を有機溶媒に溶解又は分散させたワニス、又は(2)
該硬化性組成物を成形してなる成形物(特にフィルム又
はシート)である。
【0043】ワニスの調製に使用される有機溶媒として
は、例えば、非極性溶媒として、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水
素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン
等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘ
キサン等の脂環式炭化水素系溶媒等が挙げられ、極性溶
媒として、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセ
トフェノン等のケトン系溶媒;酢酸イソブチル、酢酸シ
クロヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−
ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテ
ート等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、アニソール等のエーテル系溶媒;エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ
ート系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒を挙げるこ
とができる。
【0044】これらの中でも、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノンアセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸シクロヘ
キシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、プロピレン
グリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカー
ボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン等のアミド系溶媒等が好ましい。これらの溶媒
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。これらの溶媒の中でも、微細配線
への埋め込み性に優れ、気泡等を生じさせないものとし
て、芳香族炭化水素系溶媒や脂環式炭化水素系溶媒のご
とき非極性溶媒と、ケトン系溶媒のごとき極性溶媒とを
混合した混合溶媒が好ましい。これらの非極性溶媒と極
性溶媒の混合比は適宜選択できるが、(非極性溶媒):
(極性溶媒)重量比で、通常5:95〜95:5、好ま
しくは10:90〜90:10、より好ましくは20:
80〜80:20の範囲である。有機溶媒の使用量は、
使用目的に応じて適宜選択されるが、硬化性組成物の溶
液又は分散液の固形分濃度が、通常5〜80重量%、好
ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60
重量%になる範囲である。硬化性組成物の有機溶媒中へ
の溶解又は分散の方法は、常法に従えばよく、例えば攪
拌子とマグネチックスタラーを使用した攪拌、高速ホモ
ジナイザー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌
機、ボールミル、三本ロール等を使用した方法等で行う
ことができる。
【0045】成形物としてはフィルム又はシートが好ま
しく、通常の溶液流延法により、例えば、上記ワニスを
支持体に塗布した後、溶媒を乾燥除去して得ることがで
きる。塗布方法としては、例えば、ディップコート、ロ
ールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコ
ート等の任意の方法を用いることができる。溶媒の除去
乾燥の条件は、溶媒の種類により適宜選択されるが、乾
燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜20
0℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好まし
くは1分〜30分である。フィルム又はシートの厚み
は、通常0.1〜150μm、好ましくは0.5〜10
0μm、より好ましくは1.0〜80μmである。
【0046】使用される支持体としては、樹脂フィルム
や金属箔等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、通
常、熱可塑性樹脂フィルムが用いられ、具体的には、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフ
タレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレ
ートフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。これ
らの樹脂フィルムの中で、耐熱性や耐薬品性、積層後の
剥離性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエス
テルフィルムが好ましい。金属箔としては、例えば、銅
箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔等が
挙げられる。導電性が良好で安価であることから、銅
箔、特に電解銅箔や圧延銅箔が好適である。支持体の厚
さは特に制限されないが、作業性の観点から、通常1μ
m〜150μm、好ましくは2μm〜100μm、より
好ましくは3〜50μmである。
【0047】本発明の硬化性組成物は、支持体上に積層
させた後、硬化させる前の120℃における溶融粘度特
性によって特に限定されないが、好適にはレオメトリッ
ク社製(型式RDA−II)の動的粘弾性測定装置を用
いて測定される値において、通常10,000〜10
0,000Pa・s、好ましくは15,000〜80,
000Pa・s、より好ましくは20,000〜50,
000Pa・sのものである。硬化性樹脂組成物層の1
20℃における溶融粘度特性が過度に小さいと、樹脂層
表面の平坦性に劣り、また樹脂組成物がプレス時に染み
出し、プレス板を汚染する等の問題を生じることがあ
る。逆に、過度に大きいと配線パターン埋め込み性や平
坦性に劣ることがある。
【0048】本発明の硬化性組成物は、低誘電率特性、
低吸水性、耐熱性、埋め込み性及び保存安定性等の特性
に優れるので、電子部品用の各種有機材料に好適であ
り、ワニスやフィルム又はシートの形態として、例え
ば、プリント配線基板用絶縁材料、ビルドアップ多層配
線基板用層間絶縁材料膜、フレキシブルプリント配線基
板用絶縁材料膜、LSI、VLSI素子等の半導体素子
の層間絶縁材料膜等の絶縁材料;半導体素子用カバーコ
ート材料、保護コート材料、プリント配線基板用ソルダ
ーレジスト材料等に使用できる。また、本発明の硬化性
組成物は透明性にも優れるので、液晶ディスプレイ基板
用のカラーフィルターやTFTアレイの平坦化膜、各種
配線の平坦化膜、液晶ディスプレイ用のセル(隔壁:ポ
リマーセルともいう)等の材料に使用できる。
【0049】本発明の回路基板は、電気絶縁層(1)
と、その表面に形成された導電体回路(1)とからなる
内層基板上に本発明の硬化性組成物を硬化させてなる電
気絶縁層(2)が形成され、必要に応じて、該電気絶縁
層(2)の上に導電体回路(2)が形成されてなるもの
である。内層基板の電気絶縁層(1)は、公知の電気絶
縁材料、例えば、脂環式オレフィン重合体、エポキシ樹
脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、トリアジン樹脂、ポリフェニルエーテ
ル等を硬化してなるもので形成される。本発明において
は、電気絶縁層(1)として、前記脂環式オレフィン重
合体を含有する硬化性重合体組成物の硬化物からなるも
のが好適である。また、内層基板は、ガラス繊維、アラ
ミド繊維等を強度向上のために含有させたものであって
もよい。
【0050】導電体回路(1)は、導電性金属等の導電
体により形成された電気回路であって、その回路構成等
は通常の多層回路基板に用いられているものと同様なも
のを使用することができる。導電体回路の具体例として
は、導電体の厚みが1〜50μm、好ましくは8〜35
μm、導電体幅の最小が1〜300μm、好ましくは1
0〜100μm、導電体間隔の最小が1〜300μm、
好ましくは10〜100μmである。内層基板の具体例
としては、プリント配線基板、シリコンウェーハ基板等
が挙げられる。内層基板の厚みは、通常50μm〜2m
m、好ましくは60μm〜1.6mm、より好ましくは
100μm〜1mmである。
【0051】内層基板上と電気絶縁層(2)との密着力
を向上させるために内層基板を前処理することが好まし
い。前処理としては、アルカリ性亜塩素酸ナトリウム水
溶液や過マンガン酸等を内層基板表面に接触させて表面
を粗化する方法、アルカリ性過硫酸カリウム水溶液、硫
化カリウム−塩化アンモニウム水溶液等により表面を酸
化した後に還元する方法、及び内層基板の導電体回路部
分にメッキを析出させ、粗化する方法等が挙げられる。
【0052】電気絶縁層(2)を構成する材料は、前記
の硬化性組成物の硬化物である。内層基板上に電気絶縁
層(2)を形成する方法としては、1)硬化性組成物の
ワニスを内層基板上に塗布した後、溶媒を除去乾燥して
硬化性組成物の塗布層を形成した後、該組成物を硬化さ
せる方法、又は2)硬化性組成物をフィルム又はシート
に成形し、そのシート又はフィルムを加熱圧着等により
内層基板上に積層させた後に、硬化させる方法が挙げら
れる。内層基板上に、硬化性組成物のワニスを塗布して
硬化性組成物を積層する場合には、内層基板上に塗布
し、溶媒を除去する。塗布方法としては、例えば、ディ
ップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコー
ト、スリットコート等の任意の方法を用いることができ
る。溶媒の除去乾燥の条件は、溶媒の種類により適宜選
択されるが、乾燥温度は、通常20〜300℃、好まし
くは30〜200℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜
1時間、好ましくは1分〜30分である。
【0053】硬化性組成物からなるBステージフィルム
又はシートを内層基板上に積層するには、通常支持体付
きフィルム又はシートを、該フィルム又はシートが内層
基板面に接するように重ね合わせ、加圧ラミネータ、プ
レス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ
等の加圧機を使用して加熱圧着することにより行う。加
熱圧着は、配線への埋め込み性を向上させ、気泡等の発
生を抑えるために減圧下で行うのが好ましい。加熱圧着
時の温度は、通常30〜250℃、好ましくは70〜2
00℃、圧着圧力は、通常10kPa〜20Mpa、好
ましくは100kPa〜10Mpa、圧着時間は、通常
30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間であり、通常
100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10P
aに雰囲気を減圧する。
【0054】硬化性組成物を硬化させるために、通常、
硬化性組成物を加熱する。硬化剤の種類に応じて硬化条
件は適宜選択されるが、硬化させるための温度は、通常
30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ま
しくは100〜200℃であり、硬化時間は、通常0.
1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。前記支
持体付きフィルム又はシートを内層基板に積層させた場
合には、前記支持体が付いたままで、硬化性組成物から
なるフィルム又はシートを加熱し硬化させてもよいが、
通常は、前記支持体を剥がした後に硬化性組成物からな
るフィルム又はシートを加熱し硬化させる。
【0055】電気絶縁層(2)上に新たな導電体回路を
形成する方法としては、メッキやスパッタリングによる
方法等が挙げられる。メッキやスパッタリングを行う前
に、電気絶縁層(2)と導電体回路(2)との密着力を
高めるために、電気絶縁層(2)の表面を過マンガン酸
やクロム酸等の液と接触させ、あるいはプラズマ処理等
を施すことができる。
【0056】一方、前記支持体付きフィルム又はシート
を内層基板に積層させた場合は、支持体を全て除去し、
該フィルム又はシートを硬化させた後に、メッキやスパ
ッタリング等によって導電体回路(2)を形成させる。
支持体が導電性金属箔の場合は、該金属箔を一部又は全
部残して、そのまま導電体回路(2)として利用するこ
ともできる。本発明においては、電気絶縁層(2)及び
導電体回路(2)を形成して得られた基板を、新たな内
層基板として、新たに電気絶縁層及び導電体回路を幾層
にも積層することができる。
【0057】本発明の回路基板は、通常、電気絶縁層
(2)で仕切られた導電体回路(1)と導電体回路
(2)との間をビアで接続して使用される。ビアは、ド
リル、レーザー等の物理的処理等によって形成すること
もできるし、硬化性組成物をマスキングして光硬化さ
せ、未硬化部分を取り除く、いわゆるフォトリソグラフ
ィーによっても形成することができる。これらのビア形
成方法のうち、絶縁層の特性を低下させず、より微細な
ビアを形成することができるという観点から、炭酸ガス
レーザー、エキシマレーザー、UV−YAGレーザー等
のレーザーによる方法が好ましい。
【0058】また、上記回路基板は、導電体回路の一部
が金属電源層や金属グラウンド層、金属シールド層にな
っていてもよい。本発明の回路基板は、コンピューター
や携帯電話等の電子機器において,CPUやメモリ等の
半導体素子、その他の実装部品を実装するためのプリン
ト配線板として使用できる。特に、微細配線を有するも
のは、高密度プリント配線基板として、高速コンピュー
ターや高周波領域で使用する携帯端末の配線基板として
好適である。
【0059】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。なお、実施例中、[部]及び%は、
特に断りのない限り重量基準である。本実施例において
行った評価方法は以下のとおりである。
【0060】(1)分子量 特に断りのない限り、トルエンを溶媒とするゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン
換算値として測定した。 (2)水素化率及びカルボキシル基含有率1 H−NMRスペクトルの測定により求めた。 (3)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量法(DSC法)により測定した。 (4)誘電率 JPCA−BU01に定める誘電率測定方法に従い、比
誘電率(ε)を測定し、εが3.3以下の場合を◎、ε
が3.3を超え3.8以下の場合を○、εが3.8を超
え4.0以下の場合を△、εが4.0を超えている場合
を×として評価した。 (5)絶縁性 多層回路基板の2層目の電気絶縁層上に、配線間隔距離
50ミクロン、配線幅50ミクロンの櫛形電極を形成し
た後、直流電圧50Vを印加した状態で、120℃、飽
和水蒸気条件下に放置し、300時間後に電気抵抗値を
測定した。電気抵抗が109Ω以上のものは◎、108Ω
以上で109未満のものは○、108未満で短絡していな
いものは△、短絡しているものは×と評価した。 (6)密着性 多層回路基板を121℃の飽和水蒸気条件下で100時
間処理した後、JISK 5400に従い碁盤目密着性
試験を行い、JIS K 5400に定める評価点を以
下の基準にて評価した。 ○:8点以上、△:8点未満4点以上、×:4点未満 (7)厚みばらつきの評価 得られた多層回路基板の配線板を切断し、その断面を走
査型顕微鏡にて、内層回路基板において電気絶縁層
(1)上に導電体回路(1)が有る部分と、導電体回路
(1)が無い部分とをそれぞれ50ヶ所選択し、内層回
路基板の電気絶縁層(1)の表面から、電気絶縁層
(1)に積層された電気絶縁層(2)の表面までの距離
(導電体回路(1)がある部分においては電気絶縁層
(2)と導電体回路(1)との合計厚さになる。導電体
回路(1)が無い部分においては電気絶縁層(2)のみ
の厚さになる。)を測定し、導電体回路(1)が有る部
分及び導電体回路(1)が無い部分の測定値の平均をそ
れぞれ求め、それら平均値の差が3ミクロン以下のもの
は○、3ミクロンを超え5ミクロン以下のものは△、5
ミクロンを超えるものは×とした。 (8)インピーダンスばらつきの評価 内層回路にグラウンド層パターンを形成し、積層した絶
縁層上に伝送線路を形成させた50本のマイクロストリ
ップラインを用いて特性インピーダンスを時間領域ネッ
トワーク解析法にて測定し、その最大と最小の差が測定
した特性インピーダンスの平均の10%以内のものを
○、10%を超え15%以内のものを△、15%を超え
るものを×とした。
【0061】(実施例1) 8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−ドデカ−3−エン を開環重合し、次いで水素添加反応を行い、数平均分子
量(Mn)=31,200、重量平均分子量(Mw)=
55,800、Tg=約140℃の水素化重合体を得
た。得られたポリマーの水素添加率は99%以上であっ
た。得られた重合体100部、無水マレイン酸40部及
びジクミルパーオキシド5部をt−ブチルベンゼン25
0部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られ
た反応生成物溶液を1000部のイソプロピルアルコー
ル中に注ぎ、反応性生物を凝固させマレイン酸変性水素
化重合体を得た。この変性水素化重合体を100℃で2
0時間真空乾燥した。この変性水素化重合体の分子量は
Mn=33,200、Mw=68,300で、Tgは1
70℃であった。また、マレイン酸基含有率は25モル
%であった。
【0062】前記変性水素化重合体100部、1,3−
ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート50部、ジ
クミルペルオキシド5部、1−ベンジル−2−フェニル
イミダゾール0.03部、平均粒径3μmのポリリン酸
メラミン塩30部、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビ
ス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリ
アゾール5部及び25℃における粘度が0.28Pa・
sである液状ポリブタジエン20部を、キシレン170
部及びシクロペンタノン110部からなる混合溶媒に溶
解させてワニスを得た。
【0063】該ワニスをダイコーターを用いて、300
mm角の厚さ40ミクロンのポリエチレンナフタレート
フィルム(キャリアフィルム)に塗工し、その後窒素オ
ーブン中で100℃で10分間乾燥させて、樹脂厚み4
0ミクロンのキャリアーフィルム付きドライフィルムを
得た。
【0064】配線幅及び配線間隔が75μm、導体厚み
が18μmで、表面がマイクロエッチング処理された内
層回路が形成された厚さ0.8mmの両面銅張り基板
(ガラスフィラー及びハロゲン不含エポキシ樹脂を含有
するワニスをガラスクロスに含浸させて得られたもの)
上に、前述のキャリアーフィルム付きドライフィルムを
樹脂面が内側となるようにして両面銅張り基板両面に重
ね合わせた。これを、一次プレスとして耐熱ゴム製プレ
ス板を上下に備えた真空積層装置を用いて、200Pa
に減圧して、温度110℃、圧力0.5MPaで60秒
間加熱圧着した。次いで、二次プレスとして耐熱ゴム製
プレス板を上下に備えた真空積層装置を用いて、200
Paに減圧して、温度140℃、圧力1.0MPaで6
0秒間加熱圧着した。そして、ポリエチレンナフタレー
トフィルムのみを剥がし、150℃の窒素オーブン中で
120分間放置し、内層基板上に電気絶縁層を形成し
た。
【0065】得られた積層版の絶縁層部分に、UV−Y
AGレーザーを用いて直系30ミクロンの層間接続のビ
アホールを形成した。次いで、前記積層板を水洗、乾燥
させた後、1000Wのアルゴンプラズマに10分間さ
らした。次に該積層板を銅スパッタ処理し、ビアホール
の壁面及び積層板表面全面に厚さ0.1ミクロンの銅の
薄膜を形成させた。この積層板表面に市販の感光性ドラ
イフィルムを熱圧着して貼り付け、さらに、このドライ
フィルム上に所定のパターンのマスクを密着させ露光し
た後、現像してレジストパターンを得た。次にレジスト
非形成部分に電解銅メッキを施し厚さ12ミクロンの電
解銅メッキを膜を形成させた。次いで、レジストパター
ンを剥離液にて剥離除去し、レジスト形成部分の下に隠
れていたスパッタ銅薄膜を塩化第二銅と塩酸混合溶液に
より除去して配線パターンを形成した。そして,最後
に、170℃で30分間アニール処理をして回路基板を
得た。
【0066】一方、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメ
ルカプト−s−トリアジン0.1部をイソプロピルアル
コール100部に溶解させ、導電体層前処理溶液を得
た。前述までで得られた回路基板を導電体層前処理溶液
に室温で1分間浸漬させた後、90℃で15分間乾燥さ
せた。この処理を施した回路基板を前述のコア基板とし
て使用し、前記と同様にして絶縁層、導電体層を繰り返
し形成し、両面計6層の多層回路基板を得た。
【0067】(比較例1)実施例1で使用した液状ポリ
ブタジエンを用いない以外は実施例1と同様にして多層
回路基板を得た。 (比較例2)比較例1で2次プレスの時間を600秒と
する以外は実施例1と同様にして多層回路基板を得た。
実施例及び比較例で得られた多層回路基板を用いて各種
評価試験を行った。評価結果を第1表に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の硬化性組
成物によれば、密着性が高く、絶縁性に優れた多層回路
基板を容易に得ることができる。また、本発明の硬化性
組成物は積層性がよく、短時間の積層が可能で生産性に
優れる。さらに、本発明の硬化性組成物を用いることに
よって、ばらつきが少なく、インピーダンスばらつきも
小さい絶縁層を得ることができる。したがって、本発明
の回路基板は、コンピューターや携帯電話等の電子機器
において、CPUやメモリ等の半導体素子、その他の実
装部品を実装するための信号安定性に優れた高密度の多
層回路基板作製が可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC033 AC063 AC073 AC083 AC123 BC011 BC031 BD123 BK001 BN051 BN201 CD052 CD102 CD132 CE001 CH071 CN011 CN023 CN031 CP033 EC056 EK036 EK066 EK076 EK086 EL136 EN036 EN046 EN086 EQ036 ER006 FD142 FD146 GQ01 5E346 AA02 AA15 AA26 BB01 CC02 CC08 DD03 GG19 GG28 HH08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬
    化剤及び液状ゴムを含有してなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】支持体と、該支持体上に、官能基を有する
    環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び液状ゴムを含有して
    なる硬化性組成物を積層し、硬化させてなる硬化性組成
    物層を有する絶縁材料。
  3. 【請求項3】電気絶縁層(1)とその表面に形成された
    導電体回路(1)とからなる内層基板と、該内層基板上
    に、官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び
    液状ゴムを含有してなる硬化性組成物を積層し、硬化さ
    せてなる硬化性組成物層を有する回路基板。
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