JP2003046254A - 回路基板および回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板および回路基板の製造方法

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JP2003046254A
JP2003046254A JP2001232705A JP2001232705A JP2003046254A JP 2003046254 A JP2003046254 A JP 2003046254A JP 2001232705 A JP2001232705 A JP 2001232705A JP 2001232705 A JP2001232705 A JP 2001232705A JP 2003046254 A JP2003046254 A JP 2003046254A
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electric insulating
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JP2001232705A
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English (en)
Inventor
Koichi Ikeda
功一 池田
Yasuhiro Wakizaka
康尋 脇坂
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便且つ効率よく平坦で絶縁特性に優れる電気
絶縁層を形成して、高密度で信頼性の高いアクティブ素
子を内蔵する回路基板を製造する方法、及び絶縁特性に
優れる電気絶縁層を有するアクティブ素子を内蔵する回
路基板を提供する。 【解決手段】電気絶縁層(1)とその表面に形成された
導電体回路(A)とからなる内層基板上に、厚み10μ
m以上300μm以下のアクティブ素子を実装する工程
と、前記内層基板及びアクティブ素子上に、電気絶縁性
樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物を硬化させてな
る電気絶縁層(2)を形成する工程とを有する回路基板
の製造方法、及びアクティブ素子を内蔵してなる回路基
板であって、電気絶縁層(1)と導電体回路(A)とか
らなる内層基板、及び該内層基板表面に形成されたアク
ティブ素子上に形成された脂環式オレフィン重合体を含
有する電気絶縁層(2)を有する回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内層基板上にアク
ティブ素子を実装し、その上に硬化性組成物を用いて電
気絶縁層を形成する回路基板の製造方法、並びに絶縁信
頼性及びクラック耐性に優れる電気絶縁層を有するアク
ティブ素子を内蔵する回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体チップ等のアクティブ
素子を内蔵する回路基板が知られている。近年の電子機
器の小型化、多機能化に伴って、この種の回路基板に
も、より高密度化が要求されるようになってきている。
回路基板を高密度化するためには、回路基板を多層化す
るのが一般的である。アクティブ素子を内蔵する多層回
路基板は、通常、電気絶縁層(1)と導電体回路(A)
からなる内層基板上にアクティブ素子を設置した後、該
内層基板及びアクティブ素子上に電気絶縁層(2)を積
層し、さらにその上に導電体回路と電気絶縁層とを交互
に積層することにより製造される。また、アクティブ素
子と導電体回路間あるいは導電体回路相互間は、電気絶
縁層に形成されたビア等の配線で電気的に接続される。
【0003】内層基板及びアクティブ素子上に電気絶縁
層を形成する方法としては、例えば、絶縁樹脂の塗布液
を複数回塗布して表面が平坦な絶縁層を形成する方法
や、フッ素樹脂繊維からなる布やガラスクロスに、エポ
キシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ
てBステージのシートとし、これを熱プレスした後、硬
化させる方法等が知られている(特開平11−2432
80号公報等参照)。
【0004】しかしながら、上記樹脂液を塗布する方法
では、素子や配線のある部分とない部分とに凹凸が生
じ、電気絶縁層の平滑性が低下する。平滑性に劣る電気
絶縁層上に更なる配線を形成すると、配線パターン精度
が悪化するため、高密度な多層回路基板を得ることがで
きない。また、フッ素樹脂繊維の布に熱硬化性樹脂を含
浸させてBステージのシートを積層して絶縁層を形成す
る方法では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂やポリイ
ミド樹脂等を使用するので、電気絶縁層の絶縁特性に問
題があった。
【0005】また、回路基板の高密度実装を実現するた
めには平坦な層を積層する必要がある。従来、アクティ
ブ素子を内蔵する回路基板を得る技術としては、絶縁基
板に凹部を設け、該凹部にアクティブ素子を埋め込み、
その上に電気絶縁層を形成する方法が知られている(例
えば、特開昭57−7147号公報、特開平1−175
297号公報、特開平9−321408号公報等参
照)。これらの技術は、アクティブ素子の実装占有体積
を小さくして平坦な層を積層することにより、高密度実
装を実現することを目的としている。
【0006】しかしながら、これらの方法は内層基板
(絶縁基板)にアクティブ素子を埋設するための凹部を
形成する工程が必要であるが、近年における電子機器の
小型化、多機能化に伴って、実装するアクティブ素子数
の増加、回路パターンの細線化、多層化がより進み、製
造工程が煩雑となっている状況を考えると、必ずしも工
業的に有利な方法とはいえない。
【0007】このように、近年の回路基板の高密度化に
伴い、アクティブ素子を内蔵する回路基板においても、
より簡便に且つ効率よく、平坦で絶縁特性に優れる電気
絶縁層を形成する技術の開発が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
の下でなされたものであって、簡便に且つ効率よく、平
坦で絶縁特性に優れる電気絶縁層を形成して、高密度で
信頼性の高いアクティブ素子を内蔵する回路基板を製造
する方法を提供することを第1の課題とする。また本発
明は、絶縁特性に優れる電気絶縁層を有するアクティブ
素子を内蔵する回路基板を提供することを第2の課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、内層基板
上に厚みを薄くしたアクティブ素子を実装した後、該内
層基板及びアクティブ素子上に、電気絶縁性樹脂を含有
する硬化性組成物を用いて効率よく平坦性に優れる電気
絶縁層を形成できること、及び脂環式オレフィン重合体
を用いることにより絶縁特性に優れた電気絶縁層を形成
でき、高密度で信頼性の高いアクティブ素子を内蔵する
回路基板が得られることを見出し、本発明を完成するに
到った。
【0010】かくして本発明の第1によれば、電気絶縁
層(1)とその表面に形成された導電体回路(A)とか
らなる内層基板上に、厚み10μm以上300μm以下
のアクティブ素子を実装する工程と、前記内層基板及び
アクティブ素子上に、電気絶縁性樹脂と硬化剤とを含有
する硬化性組成物を硬化させてなる電気絶縁層(2)を
形成する工程とを有する回路基板の製造方法が提供され
る。
【0011】本発明の製造方法においては、前記電気絶
縁性樹脂は脂環式オレフィン重合体であるのが好まし
く、前記内層基板上にアクティブ素子を実装する工程の
前に、アクティブ素子を研磨し、アクティブ素子の厚み
を10μm以上300μm以下にする工程を有するのが
好ましい。また、前記電気絶縁層(2)を形成する工程
は、電気絶縁性樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物
を成形してなるシート又はフィルムを前記内層基板及び
アクティブ素子上に積層し、硬化させて電気絶縁層
(2)を形成するものであるのが好ましい。
【0012】本発明の第2によれば、アクティブ素子を
内蔵してなる回路基板であって、電気絶縁層(1)と導
電体回路(A)とからなる内層基板、及び該内層基板表
面に形成されたアクティブ素子上に、脂環式オレフィン
重合体を含有する電気絶縁層(2)を有する回路基板が
提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板の製造方
法及び回路基板を詳細に説明する。本発明の回路基板に
使用される内層基板は、電気絶縁層(1)と、その表面
に形成された導電体回路(A)とを有するものであれば
特に制限されない。例えば、プリント配線基板やシリコ
ンウェハー基板等が挙げられる。内層基板の厚みは、通
常50μm〜2mm、好ましくは60μm〜1.6m
m、より好ましくは100μm〜1mmである。
【0014】内層基板を構成する電気絶縁層(1)の材
料は電気絶縁性のものであれば特に限定されない。電気
絶縁層(1)の材料としては、例えば、脂環式オレフィ
ン重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)ア
クリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹
脂、芳香族ポリエーテル等を含有する硬化性組成物を硬
化してなるものが挙げられる。また、内層基板はガラス
繊維、樹脂繊維等を強度向上のために含有させたもので
あってもよい。
【0015】内層基板を構成する導電体回路(A)は、
導電性金属等の導電体により形成された電気回路であ
る。その回路構成等には特に制限なく、通常の回路基板
に用いられているものと同様なものとすることができ
る。導電体回路の具体例としては、導電体の厚みが1〜
50μm、好ましくは8〜35μm、導電体幅の最小が
1〜300μm、好ましくは10〜100μm、導電体
間隔の最小が1〜300μm、好ましくは10〜100
μmである。
【0016】また、内層基板とアクティブ素子及び電気
絶縁層(2)との密着力を向上させるために、内層基板
を表面処理することが好ましい。表面処理の方法として
は、アルカリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液や過マンガン
酸等を内層基板表面に接触させて表面を粗化する方法、
アルカリ性過硫酸カリウム水溶液、硫化カリウム−塩化
アンモニウム水溶液等により表面を酸化した後に還元す
る方法、内層基板の導電体回路部分にメッキを析出さ
せ、粗化する方法、及びチオール化合物やシラン化合物
等によりプライマー層を形成する方法等が挙げられる。
【0017】本発明の回路基板は、アクティブ素子
(「能動素子」ともいう。)を内蔵してなる。アクティ
ブ素子とは、回路の構成要素のうち、回路にエネルギー
を与える素子をいう。本発明の回路基板においては、内
蔵されるアクティブ素子の種類や数に特に制限はない。
アクティブ素子としては、例えば、半導体素子(半導体
チップ、LSIチップ等)、電子管、電池、センサー、
トランジスタ、サイリスタ、トンネルダイオード等が挙
げられる。
【0018】アクティブ素子には、導電体回路と電気的
に接続するための接続端子が設けられている。アクティ
ブ素子に設けられる接続端子の形状や数は特に制限され
ない。
【0019】また、アクティブ素子は、接続端子の最上
部からアクティブ素子の裏面側までの厚さを10μm以
上300μm以下、好ましくは10μm以上100μm
以下になるまで研磨して薄膜化したものが用いられる。
このような素子を得るために、裏面側(接続端子が設け
られていない面側)を、例えば化学的機械研磨法(CM
P法)等により研磨することができる。このような薄い
アクティブ素子を用いることで、電気絶縁層(2)の平
滑性を確保し、高密度で信頼性の高い回路基板を得るこ
とが可能となる。
【0020】アクティブ素子を内蔵する回路基板を得る
方法としては、例えば、特開昭57−7147号公報、
特開平1−175297号公報、特開平9−32140
8号公報に記載のように、内層基板表面に凹部を設け、
該凹部にアクティブ素子を埋め込む方法や、内層回路基
板表面にアクティブ素子を設置する方法等が挙げられ
る。前者の方法では、内層基板のアクティブ素子を実装
する部分に凹部を設け、該凹部にアクティブ素子を埋設
し、さらに前記凹部内の空隙部に接着剤を充填してアク
ティブ素子を固定するのが好ましい。また、後者の方法
では、内層基板の所定表面部に接着層を形成した後、ア
クティブ素子を貼着させるのが好ましい。凹部形成工程
を経ない後者の方法によれば、製造工程を簡略化でき、
しかも、高密度基板を得るのに有利である。
【0021】アクティブ素子を固定するために用いられ
る接着剤としては熱硬化性組成物が好ましく、例えば、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹
脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂、脂環式オ
レフィン重合体等と硬化剤とからなるものが挙げられ
る。中でも接着性の良好さから、脂環式オレフィン重合
体と硬化剤とからなる熱硬化性組成物が好ましい。硬化
剤としては、後述する硬化性組成物に用いるものと同様
のものが使用できる。
【0022】アクティブ素子を実装する場合、接続端子
の向きは上向き(内層基板側と反対の向き)でも、下向
き(内層基板側の向き)でもよい。上向きに実装する場
合には、接続端子は後述するように導電体回路(B)と
電気絶縁層(2)中に形成されるビア(via)を介し
て電気的に接続され、下向きに実装する場合には、内層
基板上の導電体回路(A)と電気的に接続される。ま
た、下向きに実装する場合には、接続端子がアクティブ
素子の本体面から突出しているため、接続端子、本体面
及び内層基板面との間で空隙ができるが、この空隙には
上述した熱硬化性組成物等を封入してアクティブ素子を
固定するのが好ましい。
【0023】本発明の回路基板は、前記内層基板及びア
クティブ素子上に電気絶縁層(2)を有する。電気絶縁
層(2)は、硬化性組成物を硬化させて形成することが
できる。硬化性組成物としては、電気絶縁性樹脂と硬化
剤とを含有する組成物が好ましい。電気絶縁性樹脂とし
ては、例えば、エポキシ系樹脂、マレイミド樹脂、(メ
タ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジ
ン樹脂、脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル
等が挙げられる。これらの中でも、絶縁抵抗性及び耐ク
ラック性に優れる電気絶縁層を形成できる観点から、エ
ポキシ系樹脂、脂環式オレフィン重合体又は芳香族ポリ
エーテルが好ましく、脂環式オレフィン重合体の使用が
特に好ましい。
【0024】エポキシ系樹脂としては、例えば、特開平
11−1547号公報記載の硬化性組成物に用いるエポ
キシ樹脂等が好適に用いられる。
【0025】脂環式オレフィン重合体は、脂環式構造を
有する不飽和炭化水素(以下、脂環式オレフィンとい
う)の重合体である。脂環式構造としては、シクロアル
カン構造やシクロアルケン構造等が挙げられるが、機械
的強度、耐熱性等の観点から、シクロアルカン構造が好
ましい。また、脂環式構造としては、単環、多環(縮合
多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環等)のいずれ
であっても良い。脂環式構造を構成する炭素原子数は、
格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜
20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるとき
に、機械的強度、耐熱性及び成形性の諸特性が高度にバ
ランスされ好適である。
【0026】脂環式オレフィン重合体は、極性基を有す
るものが好ましい。極性基としては、ヒドロキシル基、
カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシ
ジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ
基、エステル基、カルボン酸無水物基等が挙げられ、特
に、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好適であ
る。
【0027】脂環式オレフィン重合体は、通常、脂環式
オレフィンを付加重合又は開環重合し、そして必要に応
じて不飽和結合部分を水素化することによって、或いは
芳香族オレフィンを付加重合又は開環重合し、さらに当
該重合体の芳香環部分を水素化することによって得るこ
とができる。また、極性基を有する脂環式オレフィン重
合体は、例えば、1)前記脂環式オレフィン重合体に極
性基を有する化合物を変性反応により導入することによ
って、2)極性基を含有する単量体を共重合成分として
共重合することによって、又は3)エステル基等の極性
基を含有する単量体を共重合成分として共重合した後、
エステル基を加水分解することによって得ることができ
る。
【0028】脂環式オレフィン重合体を得るために使用
される脂環式オレフィンとしては、例えば、ビシクロ
〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボル
ネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト
−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.
1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.
2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ
〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビ
シクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチ
ル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−
オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−
エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプ
ト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.
1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.
2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−
カルビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカ
ルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2
−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘ
プト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、
【0029】ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチ
ルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6
−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシ
クロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカ
ルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,
6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
シル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5
−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト
−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.0.
2,5〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロ
ペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5
−デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.0.
2,5〕−ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ
〔4.4.0.12,5〕−ウンデカ−3,8−ジエ
ン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕−ウンデカ−
3−エン、テトラシクロ〔7.4.0.110 ,13
2,7〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン
(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラ
ヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.1
11,14.03,8〕−テトラデカ−3,5,7,1
2−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,
4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセ
ン)、
【0030】テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロ
ドデセン)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.
,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチ
ル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テ
トラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ド
デカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、
8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テト
ラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデ
カ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
〔4.4.0.1 ,5.17,10〕−ドデカ−3−
エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシ
クロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−
3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、
8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.0.
2,5.1 ,10〕−ドデカ−3−エン、
【0031】8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロ
ヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラ
シクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ
−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.0
2,7.09,13〕ペンタデカ−3,10−ジエン、
ペンタシクロ〔7.4.0.13,6.110,13
2,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンのごときノ
ルボルネン系単量体;
【0032】シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチル
シクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シク
ロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テ
トラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロ
ヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロ
ヘキセンやビニルシクロヘキサンのごときビニル系脂環
式炭化水素系単量体;シクロペンタジエン、シクロヘキ
サジエンのごとき脂環式共役ジエン系モノマー等が挙げ
られる。また、芳香族オレフィンとしては、スチレン、
α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ
る。これらの脂環式オレフィンや芳香族オレフィンは、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0033】さらに、脂環式オレフィン重合体は、前記
脂環式オレフィンや芳香族オレフィンと、これら共重合
可能な単量体とを共重合して得られるものであってもよ
い。脂環式オレフィン又は芳香族オレフィンと共重合可
能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブ
テン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−
ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、
3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜
20のエチレン又はα−オレフィン;1,4−ヘキサジ
エン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル
−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非
共役ジエン;等が挙げられる。これらの単量体は、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。脂環式オレフィンや芳香族オレフィンの
重合方法、及び必要に応じて行われる水素添加の方法に
は格別な制限はなく、公知の方法を採用できる。
【0034】脂環式オレフィン重合体の具体例として
は、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添
加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネ
ン系単量体とビニル化合物との付加重合体、単環シクロ
アルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂
環式炭化水素重合体及びその水素添加物、芳香族オレフ
ィン重合体の芳香環水素添加物等が挙げられる。これら
の中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその
水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノル
ボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香
族オレフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、ノ
ルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が特に好
ましい。これらの脂環式オレフィン重合体は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0035】脂環式オレフィン重合体の分子量に特に制
限はない。脂環式オレフィン重合体の分子量は、シクロ
ヘキサン又はトルエンを有機溶剤とするゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定される
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常
1,000〜1,000,000、好ましくは5,00
0〜500,000、より好ましくは10,000〜2
50,000の範囲である。脂環式オレフィン重合体の
重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときには、耐
熱性、成形物表面の平滑性等がバランスされ好適であ
る。
【0036】脂環式オレフィン重合体の分子量分布は、
シクロヘキサン又はトルエンを有機溶剤とするGPCで
測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは
4以下、より好ましくは3以下である。なお、前記の重
量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の
範囲及び測定法は、ノルボルネン系重合体に好適に適合
するが、それに限定されるものではない。また、上記方
法で重量平均分子量や分子量分布が測定できない脂環式
オレフィン重合体の場合には、通常の溶融加工法により
樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するも
のを使用することができる。また、脂環式オレフィン重
合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択で
きるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より
好ましくは100℃以上、さらに好ましくは125℃以
上である。
【0037】芳香族ポリエーテルは芳香環を有するポリ
エーテルであり、具体的には、ポリフェニレンエーテ
ル、変性ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。芳香
族ポリエーテルは、例えば、2,6−ジメチルフェノー
ルや2,6−フェニルフェノールのごとき、2,6−ジ
置換フェノール類を、銅(II)アミン錯体のごとき塩
基性銅(II)の存在下で酸素と反応させて得ることが
できる。
【0038】硬化剤としては、例えば、1−アリル−
3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジア
リル−5−グリシジルイソシアヌレートのごときアリル
基とエポキシ基とを含有するハロゲン原子を含まないイ
ソシアヌレート系硬化剤等の窒素系硬化剤;グリシジル
エーテル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グ
リシジルエステル型エポキシ化合物等の多価エポキシ化
合物;酸無水物やジカルボン酸化合物等のジカルボン酸
誘導体;ジオール化合物、トリオール化合物、多価フェ
ノール化合物等のポリオール化合物等が挙げられる。こ
れらの中でも、多価エポキシ化合物が好ましく、特に耐
クラック性を高める観点からグリシジルエーテル型エポ
キシ化合物が好ましい。
【0039】グリシジルエーテル型エポキシ化合物の具
体例としては、ビスフェノールAビス(エチレングリコ
ールグリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールA
ビス(ジエチレングリコールグリシジルエーテル)エー
テル、ビスフェノールAビス(トリエチレングリコール
グリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールA ビ
ス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテ
ル等のビスフェノールA系グリシジルエーテル型エポキ
シ化合物等が挙げられる。
【0040】硬化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。また、その配
合割合は電気絶縁性樹脂100重量部に対して、通常5
〜150重量部、好ましくは15〜110重量部、より
好ましくは30〜100重量部の範囲である。
【0041】また、電気絶縁性樹脂と硬化剤との硬化反
応を促進させるために、硬化促進剤や硬化助剤を硬化剤
と併用することもできる。硬化促進剤としては、第3級
アミン系化合物の使用が、微細配線に対する積層性、絶
縁抵抗性、耐熱性、耐薬品性が向上する観点から好まし
い。第3級アミン系化合物の具体例としては、ベンジル
ジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチ
ルホルムアミド等の鎖状3級アミン化合物;ピラゾール
類、ピリジン類、ピラジン類、ピリミジン類、インダゾ
ール類、キノリン類、イソキノリン類、イミダゾール
類、トリアゾール類等の化合物が挙げられる。これらの
中でも、置換基を有する置換イミダゾール化合物の使用
が好ましく、環構造含有の置換基を有するイミダゾール
の使用が脂環式オレフィン重合体又は芳香族ポリエーテ
ルとの相溶性の観点からより好ましい。
【0042】環構造含有の置換基を有するイミダゾール
の具体例としては、2−フェニルイミダゾール、2−フ
ェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−
メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、ベ
ンズイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−
(2'−シアノエチル)イミダゾール、2−エチル−4
−メチル−1−[2'−(3”,5”−ジアミノトリア
ジニル)エチル]イミダゾール等が挙げられる。
【0043】硬化促進剤は、単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて用いられる。硬化促進剤の配合量は使用
目的に応じて適宜選択されるが、電気絶縁性樹脂100
重量部に対して、通常0.001〜30重量部、好まし
くは0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜
5重量部である。
【0044】硬化助剤は必要に応じて使用される。硬化
助剤としては、例えばキノンジオキシム、ベンゾキノン
ジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニ
トロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイ
ミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート
等のアリル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等
のメタクリレート系硬化助剤;ビニルトルエン、エチル
ビニルベンゼン、ジビニルベンゼン等のビニル系硬化助
剤等が挙げられる。
【0045】この他、アリル基を有する硬化剤に対して
硬化助剤として機能する過酸化物を添加することもでき
る。過酸化物としては、ハロゲン元素を含有しないもの
が好ましい。かかる過酸化物としては、例えば、ベンゾ
イルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−(ペル
オキシドベンゾエート)−3−ヘキシン、1,4−ビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウ
ロイルペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルベンゾエー
ト、t−ブチルベルフェニルアセテート、t−ブチルペ
ルイソブチレート、t−ブチルペル−sec−オクトエ
ート、t−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレー
ト、t−ブチルペルジルアセテート、メチルエチルケト
ンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,
1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオ
キシ)ブタン、t−ブチルハイドロペルオキシド、2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、α,α’
−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、オクタノイルペルオキシド、イソブチリルペル
オキシド、ペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
【0046】過酸化物の使用量は、電気絶縁性樹脂10
0重量部に対して、通常0.1〜40重量部、好ましく
は1〜20重量部の範囲である。過酸化物量がこの範囲
内にあるものは配線埋め込み等の積層性に優れる。
【0047】硬化性組成物には、エポキシ基含有化合
物、紫外線吸収剤、難燃剤及びその他の配合剤を添加す
ることができる。エポキシ基含有化合物としては、例え
ば、常温(25℃)で液体の液状エポキシ基含有化合物
が挙げられる。液状エポキシ基含有化合物としては、例
えば、フェノール型液状エポキシ化合物、アミン型液状
エポキシ化合物、直鎖又は分岐のアルキルエーテル型液
状エポキシ化合物、ポリアルキレンエーテル型液状エポ
キシ化合物、水素化ビスフェノールA型液状エポキシ化
合物、エステル型液状エポキシ化合物、エポキシ変性液
状ゴム(具体的にはエポキシ変性液状ポリブタジエ
ン)、ゴム分散液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
液状エポキシ樹脂、ビスフェノールF型液状エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型液状エポキシ樹脂、ヘキサ
ヒドロフタル酸ジグリシジエステル等が挙げられる。こ
れらの中でも耐薬品性に優れる等の観点から、水素化ビ
スフェノールA型液状エポキシ化合物の使用が好まし
い。
【0048】エポキシ基含有化合物は、単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合
割合は、電気絶縁樹脂100重量部に対して、通常1〜
100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好まし
くは10〜60重量部、更に好ましくは15〜40重量
部の範囲である。
【0049】さらに、前記硬化性組成物には、ビアホー
ル等の孔を形成するときに使用されるレーザー光線の波
長領域に吸収を持つ化合物等の他の成分を、所望により
さらに配合することができる。例えば、炭酸ガスレーザ
ーを用いる場合にはシリカ等を、紫外線レーザー(例え
ばUV−YAGレーザー等)を用いる場合には、紫外線
吸収剤を用いることができる。レーザー光線の波長領域
に吸収を持つ化合物を含有する組成物を用いた場合には
レーザーによる孔形成が容易で、スミアの発生等も少な
くなる。
【0050】紫外線吸収剤の具体例としては、フェニル
サリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系化
合物;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、
ビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルフェニ
ル)メタン等のベンゾフェノン系化合物;2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,
6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチ
ルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビ
ス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール等の
ベンゾトリアゾール系化合物;2,4−ジ−t−ブチル
フェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシベンゾエート等のベンゾエート系化合物;2−エチ
ルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリ
レート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルア
クリレート等のシアノアクリレート系化合物;ビス
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)セバケ
ート等のヒンダードアミン系化合物;ニッケルビス(オ
クチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス
(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミ
ンニッケル等の有機金属化合物、酸化亜鉛、酸化スズ、
酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、クレー等の無機
化合物等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリア
ゾール系化合物が脂環式オレフィン重合体との相溶性や
加熱硬化時の安定性に優れる点から好ましい。紫外線吸
収剤の使用量は、電気絶縁性樹脂100重量部に対し
て、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重量
部である。
【0051】難燃剤としては、例えば、アンチモン、マ
グネシウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、モリ
ブデン、スズ等の無機化合物からなる無機難燃剤;リン
酸、リン酸エステル等の含リン化合物、ポリリン酸メラ
ミン、含リン化合物と塩基性含窒素化合物とリン酸との
塩からなるリン系難燃剤等が使用できる。難燃剤の使用
量は使用目的に応じて適宜選択されるが、電気絶縁性樹
脂100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好
ましくは1〜20重量部である。他の配合剤としては、
ゴム質重合体のごとき軟質重合体、耐熱安定剤、耐候安
定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリッ
プ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックス、乳剤、充填剤等が例示
される。
【0052】内層基板上にアクティブ素子を設置した基
板(以下、「アクティブ素子設置内層基板」という)上
に電気絶縁層(2)を形成する方法としては、A)硬化
性組成物のワニスを内層基板上に塗布した後、溶剤を除
去乾燥して硬化性組成物の塗布層を形成した後、当該組
成物を硬化させる方法、又はB)硬化性組成物をフィル
ム又はシートに成形し、そのシート又はフィルムを加熱
圧着させた後に、硬化させる方法が挙げられる。電気絶
縁層(2)の平滑性を高めるためには、B)の方法によ
るのが好ましい。
【0053】アクティブ素子設置内層基板上に、硬化性
組成物のワニスを塗布して硬化性組成物を積層する場合
には、必要に応じてワニスを濾過した後、内層基板に塗
布し、溶剤を除去する。塗布方法としては、例えば、デ
ィップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコ
ート、スリットコート等の任意の方法を用いることがで
きる。溶剤の除去乾燥の条件は、溶剤の種類により適宜
選択されるが、乾燥温度は、通常20〜300℃、好ま
しくは30〜200℃であり、乾燥時間は、通常30秒
〜1時間、好ましくは1分〜30分である。
【0054】ワニスを得る方法に格別な制限はない。例
えば撹拌子とマグネチックスタラーを使用した撹拌、高
速ホモジナイザー、ディスパージョン、遊星撹拌機、二
軸撹拌機、ボールミル、三本ロール等を使用し、硬化性
組成物を構成する各成分や有機溶剤を混合する方法が挙
げられる。ワニスを調製する際の温度は、硬化剤による
反応が作業性に影響を及ぼさない範囲であり、さらには
安全性の点から混合時に使用する有機溶剤の沸点以下が
好ましい。
【0055】有機溶剤としては、例えば、非極性溶剤と
して、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチ
ルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ペンタン、
n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶
剤;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水
素系溶剤等が挙げられる。また、極性溶剤として、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等の
ケトン系溶剤;酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、
安息香酸メチル、安息香酸エチル、γ−ブチロラクト
ン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、
エチレングリコールメチルエーテルアセテート等のエス
テル系溶剤;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、アニソール等のエーテル系溶剤;エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶
剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、N−
メチルピロリドン等のアミド系溶剤を挙げることができ
る。これらの中でも、カーボネート系溶剤又はアミド系
溶剤等の使用が好ましい。これらの溶剤は、単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】これらの溶剤の中でも、微細配線への埋め
込み性に優れ、気泡等を生じさせないものとして、芳香
族炭化水素系溶剤や脂環式炭化水素系溶剤のごとき非極
性溶剤と、ケトン系溶剤のごとき極性溶剤とを混合した
混合溶剤の使用がより好ましい。これらの非極性溶剤と
極性溶剤の混合比は適宜選択できるが、(非極性溶
剤):(極性溶剤)重量比で、通常5:95〜95:
5、好ましくは10:90〜90:10、より好ましく
は20:80〜80:20の範囲である。有機溶剤の使
用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、硬化性組
成物のワニスの固形分濃度が、通常5〜80重量%、好
ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60
重量%になる範囲である。
【0057】硬化性組成物の成形体であるフィルム又は
シートを得るためには、上記ワニスを、通常の溶液流延
法により支持体に塗布した後、溶剤を乾燥除去する。支
持体への塗布方法としては、例えば、ディップコート、
ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリット
コート等の任意の方法を用いることができる。溶剤の除
去乾燥の条件は、溶剤の種類により適宜選択されるが、
乾燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜2
00℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好ま
しくは1分〜30分である。フィルム又はシートの厚み
は、通常0.1〜150μm、好ましくは0.5〜10
0μm、より好ましくは1.0〜80μmである。
【0058】使用される支持体としては、樹脂フィルム
や金属箔等が挙げられる。樹脂フィルム(キャリアフィ
ルム)としては、通常、熱可塑性樹脂フィルムが用いら
れ、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネート
フィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルム
等が挙げられる。これらの樹脂フィルムの中で、耐熱性
や耐薬品性、積層後の剥離性等の観点から、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート
フィルム等のポリエステルフィルムが好ましい。金属箔
としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロ
ム箔、金箔、銀箔等が挙げられる。導電性が良好で安価
であることから、銅箔、特に電解銅箔や圧延銅箔が好適
である。支持体の厚さは特に制限されないが、作業性の
観点から、通常1μm〜150μm、好ましくは2μm
〜100μm、より好ましくは3μm〜50μmであ
る。
【0059】硬化性組成物の成形体であるフィルム又は
シートをアクティブ素子設置内層基板上に積層するに
は、通常、支持体付きフィルム又はシートを、当該フィ
ルム又はシートがアクティブ素子設置内層基板面に接す
るように重ね合わせ、加圧ラミネータ、プレス、真空ラ
ミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の加圧機を
使用して加熱圧着することにより行う。加熱圧着は、配
線への埋め込み性を向上させ、気泡等の発生を抑えるた
めに減圧下で行うのが好ましい。加熱圧着時の温度は、
通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃、圧着
圧力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは10
0kPa〜10MPa、圧着時間は、通常30秒〜5時
間、好ましくは1分〜3時間であり、通常100kPa
〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を
減圧する。こうした加熱圧着工程は、平滑性を得るた
め、2回以上に分けて行うこともできる。
【0060】硬化性組成物を硬化させるために、通常、
硬化性組成物を加熱する。硬化剤の種類に応じて硬化条
件は適宜選択されるが、硬化させるための温度は、通常
30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ま
しくは100〜200℃であり、硬化時間は、通常0.
1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。前記支
持体付きフィルム又はシートをアクティブ素子設置内層
基板に積層させた場合には、前記支持体が付いたまま
で、硬化性組成物からなるフィルム又はシートを加熱し
硬化させてもよいが、通常は、前記支持体を剥がした後
に硬化性組成物からなるフィルム又はシートを加熱し硬
化させる。
【0061】このようにして得られる電気絶縁層(2)
の厚みは、通常1μm〜100μm、好ましくは5μm
〜80μm、より好ましくは10μm〜70μmであ
る。膜の厚みがこの範囲であると電気絶縁性に優れ、回
路基板において高密度の配線形成が可能である。
【0062】以上のようにして内層基板及びアクティブ
素子上に電気絶縁層(2)を形成することにより、電気
絶縁層(2)が最表面となった本発明の回路基板を得る
ことができる。この回路基板を最終的な回路基板製品と
して得た場合には、当該基板において、電気絶縁層
(2)はソルダーレジスト層として機能する。
【0063】本発明の回路基板を更に内層基板として、
電気絶縁層(2)上に新たな導電体回路を形成し、多層
回路基板を得ることができる。この多層回路基板は、電
気絶縁層(1)と導電体回路(A)からなる内層基板上
にアクティブ素子が実装され、それらの上に電気絶縁層
及び導電体回路が交互に積層された構造を有する。ま
た、本発明の回路基板においては、電気絶縁層(2)上
にアクティブ素子をさらに設置した構造とすることもで
きる。電気絶縁層(2)上にアクティブ素子を実装する
方法としては、前述した内層基板上にアクティブ素子を
実装する方法と同様な方法を採用することができる。
【0064】電気絶縁層(2)上に新たな導電体回路を
形成する方法としては、メッキやスパッタリングによる
方法等が挙げられる。メッキやスパッタリングを行う前
には、電気絶縁層(2)と導電体回路(B)との密着力
を高めるために、電気絶縁層(2)の表面を過マンガン
酸やクロム酸等の液による接触処理、あるいはプラズマ
処理等を施すことができる。なお、前記支持体付きフィ
ルム又はシートを内層基板に積層させた場合は、支持体
を全て除去し、該フィルム又はシートを硬化させた後
に、メッキやスパッタリング等によって導電体回路
(B)を形成させる。支持体が導電性金属箔の場合は、
金属箔を一部又は全部残して、そのまま導電体回路
(B)として利用することもできる。
【0065】また、電気絶縁層(2)に所定のビアホー
ルを形成した後、電気絶縁層(2)の表面に乾式及び/
又は湿式メッキにより導電体層を形成させ、次いで、該
導電体層をパターン化して導電体回路(B)を形成する
こともできる。
【0066】乾式メッキの方法としては、例えば、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
分子線エピタキシー法、イオン注入法、イオンビームミ
キシング法のごとき物理蒸着(PVD)法;プラズマC
VD法、光CVD法等の化学蒸着法等が挙げられる。こ
れらのうち、物理蒸着法、特にスパッタリング法が好適
である。湿式メッキの方法としては、例えば、電気絶縁
層(2)表面にパラジウム、錫等の金属コロイドを吸着
させた後に還元し、無電解メッキ層を形成させた後、通
常の電気メッキ液を用いて電解メッキを行う方法が挙げ
られる。湿式メッキによって形成される導電体として
は、ニッケル、銅、アルミニウム、金、銀、クロム等の
金属で形成されたものが挙げられる。導電体層の厚みと
しては、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μ
mの範囲である。得られた導電体層を常法に従ってパタ
ーン化することにより、導電体回路(B)を形成するこ
とができる。
【0067】以上のようにして得られた多層回路基板を
新たな内層基板として用い、その上に幾層にも電気絶縁
層と導電体回路を積み上げることができる。また、新た
な電気絶縁層を積層する前に、均一厚みの電気絶縁層を
積層できる観点から、予めスペーサーを新たに内層回路
基板表面に形成又は配置させることもできる。
【0068】電気絶縁層(2)で仕切られた導電体回路
(A)と導電体回路(B)、あるいはアクティブ素子と
導電体回路(B)とは、電気絶縁層(2)中に形成され
るビアで電気的に接続される。ビアの内径は、通常10
〜150μm、好ましくは15〜75μmの範囲であ
る。
【0069】ビアは、ビアホールを形成した後、該ホー
ル内に、ニッケル、銅、アルミニウム、金、銀、クロム
等の金属又はこれらの合金等の導電性物質を充填するこ
とにより形成することができる。ビアホールの形成方法
には格別な限定はなく、例えば、ドリル、レーザー等の
物理的手段によっても形成できるし、前記硬化性組成物
をマスキングして光で硬化させ、未硬化部分を取り除
く、いわゆるフォトリソグラフィーによって形成するこ
ともできる。これらのビア形成方法のうち、電気絶縁層
(2)の特性を低下させることなくビアを形成できると
いう観点から、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、
UV−YAGレーザー等のレーザーによる方法が好まし
い。
【0070】電気絶縁層と導電体回路を交互に積層する
場合には、ビアホール上にさらに他のビアホールを形成
するのが好ましい。ビアホールによる配線のデッドスペ
ースをなくし、より高密度化が達成できるからである。
また、接続端子が上向き(導電体回路(B)が形成され
る側)にアクティブ素子が実装されている場合には、通
常、ビアは接続端子上に形成される。
【0071】本発明の多層回路基板は、コンピューター
や携帯電話等の電子機器において、CPUやメモリ等の
半導体素子、その他の実装部品を実装するためのプリン
ト配線板として使用できる。特に、微細構造を有するも
のは、高密度プリント配線板として、高速コンピュータ
ーや高周波領域で使用する携帯端末の配線基板として好
適である。
【0072】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定され
るものではない。なお、実施例中、部及び%は、特に断
りのない限り重量基準である。
【0073】(1)分子量(重量平均分子量Mw、数平
均分子量Mn)の測定 トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値とし
て測定した。 (2)水素化率及びカルボキシル基含有率の測定 H−NMRスペクトルにより測定した。 (3)ガラス転移温度(Tg)の測定 示差走査熱量法(DSC法)により測定した。
【0074】(4)半導体素子を実装した内層基板上に
形成した電気絶縁層の平坦性評価 半導体素子を実装した内層基板A上に電気絶縁層を形成
した後、この基板をルーターにより切断し、光学顕微鏡
を用いて以下の絶縁層の厚みa(内層基板上に半導体素
子及び配線がともにない内層基板絶縁樹脂の表面から、
積層した電気絶縁層の外層表面までの電気絶縁層が最も
薄い部分の厚さ)と、絶縁層の厚みb(内層基板上に半
導体素子が実装されいている部分の内層基板絶縁樹脂の
表面から積層した電気絶縁層の外層表面までの電気絶縁
層が最も厚い部分の厚さ)とを測定した。このbとaと
の差を算出し、bとaとの差が15μm以下のものを
○、15μmを越え20μm以下のものを△、20μm
を超えるものを×として評価した。
【0075】(5)半導体素子接続端子の絶縁抵抗性試
験 半導体素子を内蔵した回路基板Dに、半導体素子接続端
子に直流電圧5.5Vを印加させ、温度85℃、相対湿
度85%の条件下にて100時間放置した。その後光学
顕微鏡により半導体素子接続端子400個を観察して、
マイグレーションの発生している接続端子の個数を計測
した。マイグレーションの発生している接続端子の数が
10個以下のものを○、10個を超え50個以下のもの
を△、50個を超えるものを×として評価した。
【0076】(6)耐クラック性の評価 38μmのアパーチャーを用いたUV−YAGレーザー
加工機(MODEL5310:Electoro Sc
ientfic Industries,Inc.製)
にて、周波数40kHz、出力0.6W、ショット数4
0の加工条件で、マスク径0.64mmにて、ビアホー
ル表面が40μm、ビアホール底面が30μm、ビアホ
ール中心間距離が80μm、縦、横に20穴×20穴の
合計400穴を加工して得られた基板を、−55℃のガ
ルテン溶液に3分間、次いで、125℃のガルテン溶液
に3分間浸漬することを1サイクルとし、これを連続し
て100サイクル行なった。この後、絶縁樹脂中に発生
する1μm以上のクラック数を光学顕微鏡にて計測し、
クラックの発生数が5箇所未満のものを○、発生数が5
箇所以上のものを×として評価した。
【0077】(製造例)8−エチル−テトラシクロ
〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−
エンを開環重合し、次いで水素添加反応を行い、数平均
分子量(Mn)=31,200、重量平均分子量(M
w)=55,800、Tg=約140℃の水素化重合体
を得た。得られた重合体の水素化率は99%以上であっ
た。得られた水素化重合体100部、無水マレイン酸4
0部及びジクミルパーオキシド5部をt−ブチルベンゼ
ン250部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。
反応液をイソプロピルアルコール1000部に注ぎ、マ
レイン酸変性水素化重合体を凝固させた。得られた変性
水素化重合体を100℃で20時間真空乾燥した。この
変性水素化重合体の分子量はMn=33,200、Mw
=68,300でTgは170℃であった。マレイン酸
基含有率は25モル%であった。
【0078】前記変性水素化重合体100部、ビスフェ
ノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテ
ル)エーテル40部、2−[2−ヒドロキシ−3,5−
ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾト
リアゾール5部及び1−ベンジル−2−フェニルイミダ
ゾール0.1部をキシレン215部及びシクロペンタノ
ン54部からなる混合溶剤に溶解させてワニスAを得
た。
【0079】(実施例1)製造例で得られたワニスAを
孔径5.0μmのテフロン(登録商標)製精密フィルタ
ーでろ過した後、ダイコーターを用いて、300mm角
の厚さ75μmのポリエチレンナフタレートフィルム
(キャリアフィルム)上に塗工し、その後、窒素オーブ
ン中、120℃で10分間乾燥させ、樹脂厚み100μ
mのキャリアフィルム付きフィルム(ドライフィルム)
を得た。
【0080】一方、2−ジブチルアミノ−4,6−s−
トリアジンの0.1重量%イソプロピルアルコール溶液
を調製した。この溶液に、配線板及び配線間距離が50
μm、導体厚みが18μmで表面がマイクロエッチング
処理された内蔵回路が形成された、厚さ0.8mmの両
面銅張り基板(ガラスフィラー及びハロゲン不含有エポ
キシ樹脂を含有するワニスをガラスクロスに含浸させて
得られたコア材)を25℃で1分間浸漬した後、90℃
で15分間、窒素置換されたオーブン中で乾燥させてプ
ライマー層を形成させて、内層基板を得た。
【0081】(薄型半導体素子の作製)1辺100μm
角の正方形であり、厚みが20μmのNi−Auメッキ
が施された400個の端子を端子間距離100μmでエ
リア状に配列させた半導体素子を用意した(この半導体
素子は、端子の最上部から半導体素子の端子のない面ま
での厚さ100μm、1辺が5mm角の正方形の形状を
有する)。この半導体素子の端子のない側の面を化学的
機械的研磨法(CMP法)により端子の最上部から半導
体素子の裏面までの厚さが60μmになるまで研磨し
て、薄型半導体素子Aを作製した。
【0082】(半導体素子の内装基板への実装)次い
で、前述の内層基板の所定位置にワニスAをスクリーン
印刷法を用いて1辺が5mm角の正方形にコートした
後、120℃、10分乾燥させ、厚さ1μmの半導体素
子実装用接着層を形成した。この半導体素子実装用接着
層を形成させた内装基板の接着層部分に、先に得た薄型
半導体素子Aの端子が上向きになるように配置し、13
0℃、2分、0.5kPaの条件で加熱加圧して実装し
た。
【0083】(半導体素子上への絶縁層形成)前述の薄
型半導体素子Aを実装した内層基板上の両面に、前述の
キャリアフィルム付きドライフィルムを、樹脂面が内側
となるようにして薄型半導体素子Aを実装した内層基板
両面に重ね合わせた。これを、一次プレスとして耐熱ゴ
ム製プレス板を上下に備えた真空積層装置を用いて、2
00Paに減圧して、温度140℃、圧力0.5MPa
で60秒間加熱圧着した。次いで、二次プレスとして金
属製プレス板で覆われた耐熱ゴム製プレス板を上下に備
えた真空積層装置を用いて、200Paに減圧して、温
度140℃、圧力1.0MPaで300秒間加熱圧着し
た。そして、ポリエチレンナフタレートフィルムのみを
剥がし、170℃の窒素オーブン中に60分間放置し、
内層基板の両面に電気絶縁層を形成した基板Aを得た。
この基板Aの平坦性試験を行った。評価結果を第1表に
示す。
【0084】次に、基板Aの所定位置に、38μmのア
パーチャを用いたUV−YAGレーザー加工機(MOD
EL 5310:Electoro Scientfi
cIndustries,Inc.製)にて、周波数4
0kHz、出力0.6W、ショット数40の加工条件
で、直径40μmの層間接続、端子露出用のビアホール
を形成した。
【0085】次いで、ビアホールを形成した積層板を、
周波数13.56MHz、出力100W、ガス圧0.8P
aのアルゴンプラズマに、基板表面温度を約130℃に
保持して、10分間さらした。さらに、プラズマ処理さ
れた回路基板を出力500W、ガス圧0.8Paでニッ
ケルスパッタ処理し、厚さ0.1μmのニッケル膜を形
成させた後、出力500W、ガス圧0.8Paで銅スパ
ッタ処理して、厚さ0.3μmの銅薄膜を形成させて、
金属薄膜を有する積層板Bを得た。
【0086】この積層板Bの両面に市販の感光性レジス
トのドライフィルムを熱圧着して貼り付け、さらに、こ
のドライフィルム上に所定のパターンのマスクを密着さ
せ露光した後、現像してレジストパターンを得た。次
に、硫酸銅五水塩200g/L、硫酸50g/L、塩酸
50g/L、添加剤EVF-21-A(上村工業(株)
製)2.5mL/L及びEVF-21-B(上村工業(株)
製)を10mL/Lになるようにして調製した電解メッ
キ液を用いて、メッキ液温度が25℃、電流密度1.5
A/dmの条件で電解銅メッキを施し、厚さ18μm
の電解銅メッキ膜を形成し、レジスト非形成部分及びビ
アホール内の厚付けメッキを行った。
【0087】次いで、レジストパターンを剥離液にて剥
離除去し、塩化第二銅と塩酸混合溶液によりエッチング
処理を行うことにより、前記金属薄膜及び電解銅メッキ
膜からなる配線パターンを形成した。そして、170℃
で30分間、オーブン中に放置(アニール処理)して両
面2層の配線パターン付き半導体素子内蔵多層回路基板
Cを得た。
【0088】得られた配線パターン付き半導体素子内蔵
多層回路基板C上を、亜塩素酸ナトリウム100部、水
酸化ナトリウム13部及び三リン酸ナトリウム17部を
イオン交換水1667部に溶解させた腐食剤溶液に90
℃で5分間浸漬させて、基板の銅表面を酸化させ、アン
カー形成処理(粗面化処理)を行った。処理後の銅基板
表面の表面粗さ(Ra)は1.0μmであった。
【0089】前述の粗面化処理した両面2層の配線パタ
ーン付き半導体素子内蔵多層回路基板Cの外層を1層目
とし、前述の内層基板を形成したのと同様にして電気絶
縁層、導電体層を繰り返し形成し、両面合計6層の多層
回路基板Dを得た。得られた多層回路基板Dについて半
導体素子接続端子の絶縁抵抗性試験を行った評価結果を
第1表に示す。
【0090】(実施例2)前記実施例1の電気絶縁層形
成において、前述のキャリアフィルム付きドライフィル
ムを用いる代わりに、ワニスAを孔径5.0μmのテフ
ロン製精密フィルターでろ過した後、ダイコーターを用
いて、前述の薄型半導体素子を実装した内層基板にコー
ティングし、170℃の窒素オーブン中に120分間放
置して厚さ100μmの電気絶縁層を形成した以外は実
施例1と同様にして、多層回路基板A〜Dを作製し、平
坦性、耐クラック性及び絶縁抵抗性試験を行なった。そ
れぞれの試験の評価結果を第1表に示す。
【0091】(比較例)変性水素化重合体100部に代
えて、エポキシ樹脂YD−7011(東都化成(株)
製)30部とポリアミド樹脂(商品名:マクロメトル6
217、ヘンケル白水(株)製)30部の配合物を用い
た以外は実施例2と同様にして、比較例の多層回路基板
A〜Dを作製し、平坦性、耐クラック性及び絶縁抵抗性
試験を行なった。それぞれの試験の評価結果を第1表に
示す。
【0092】
【表1】
【0093】これらの結果から、半導体素子を実装した
内層基板上に形成し、脂環オレフィン重合体のドライフ
ィルムによって電気絶縁層を形成したもの(実施例1)
は、実施例2及び比較例に比して平坦性に優れていた。
また、脂環式オレフィン重合体にて絶縁層を形成したも
の(実施例1、2)は、レーザー加工時に発生するクラ
ック数が少なく、比較例に比して耐クラック性に優れて
いた。更に、脂環式オレフィン重合体にて絶縁層を形成
したもの(実施例1、2)は、比較例に比して半導体素
子接続端子間の絶縁抵抗性に優れていた。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回路基板
の製造方法によれば、簡便且つ効率よく絶縁特性に優れ
る平坦な絶縁層を形成して、高密度で信頼性の高いアク
ティブ素子を内蔵してなる回路基板を製造することがで
きる。また、本発明の回路基板は、環状オレフィン系樹
脂組成物から形成されてなる絶縁特性に優れる電気絶縁
層を有するアクティブ素子を内蔵する回路基板である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA02 AA12 CC02 CC04 CC05 CC08 CC09 CC10 CC32 CC55 DD02 DD17 DD24 DD32 DD44 EE33 EE38 FF07 FF14 FF17 GG15 GG17 GG22 GG27 GG28 HH08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁層(1)とその表面に形成された
    導電体回路(A)とからなる内層基板上に、厚み10μ
    m以上300μm以下のアクティブ素子を実装する工程
    と、前記内層基板及びアクティブ素子上に、電気絶縁性
    樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物を硬化させてな
    る電気絶縁層(2)を形成する工程とを有する回路基板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記電気絶縁性樹脂が、脂環式オレフィン
    重合体である請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記内層基板上にアクティブ素子を実装す
    る工程の前に、アクティブ素子を研磨し、アクティブ素
    子の厚みを10μm以上300μm以下にする工程を有
    する請求項1又は2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記電気絶縁層(2)を形成する工程が、
    電気絶縁性樹脂と硬化剤とを含有する硬化性組成物を成
    形してなるシート又はフィルムを前記内層基板及びアク
    ティブ素子上に積層し、硬化させて電気絶縁層(2)を
    形成するものである請求項1〜3のいずれかに記載の回
    路基板の製造方法。
  5. 【請求項5】アクティブ素子を内蔵してなる回路基板で
    あって、電気絶縁層(1)と導電体回路(A)とからな
    る内層基板と該内層基板表面に形成されたアクティブ素
    子との上に形成された脂環式オレフィン重合体を含有す
    る電気絶縁層(2)を有する回路基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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