JP2003060355A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板の製造方法

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JP2003060355A
JP2003060355A JP2001244788A JP2001244788A JP2003060355A JP 2003060355 A JP2003060355 A JP 2003060355A JP 2001244788 A JP2001244788 A JP 2001244788A JP 2001244788 A JP2001244788 A JP 2001244788A JP 2003060355 A JP2003060355 A JP 2003060355A
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conductor circuit
layer
circuit board
forming
insulating layer
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JP2001244788A
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Masahiko Sugimura
正彦 杉村
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電気絶縁層中に埋め込まれた構造の導電体回路
(配線)を簡便且つ効率よく形成して、その上に平坦で
絶縁特性に優れる電気絶縁層を形成して、高密度で信頼
性の高い回路基板を製造する方法を提供する。 【解決手段】内層基板1上に硬化性組成物を用いて硬化
性樹脂層2を形成する工程と、該硬化性樹脂層2上に導
電体回路3を形成する工程と、導電体回路3を上部から
加圧して導電体回路3を前記硬化性樹脂中に埋め込む工
程と、及び硬化性樹脂層2を硬化させることにより電気
絶縁層2を形成する工程を有する回路基板の製造方法、
並びに前記内層基板1と、その上に形成された電気絶縁
層2と、電気絶縁層2と略同一高さに電気絶縁層2中に
埋め込まれて形成された導電体回路3を有する回路基板
であって、前記電気絶縁層2が脂環式オレフィン重合体
と硬化剤とを含有する硬化性組成物から形成されてなる
回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューターや
携帯電話等の電子機器に用いられる回路基板の製造方法
に関する。より詳しくは、電気絶縁層中に埋め込まれた
構造の導電体回路を簡便且つ効率よく形成することがで
きる回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、多機能化に伴
って、回路基板もより高密度化が要求されるようになっ
てきている。回路基板を高密度化するためには、回路基
板を多層化するのが一般的である。このような回路基板
(多層回路基板)は、通常、電気絶縁層(1)と導電体
回路(A)からなる内層基板上に電気絶縁層(2)を積
層し、さらにその上に導電体回路と電気絶縁層とを交互
に積層することにより製造される。
【0003】導電体回路(以下、「配線」ともいう。)
を形成する方法としては、例えば、平坦な絶縁膜上に形
成された導電体膜上に感光性エッチングレジスト膜を形
成し、エッチングにより配線部分以外の導体膜を除去す
ることにより配線を形成する方法(サブトラクティブ
法)、穴明け加工した配線基板(絶縁基板)上に全面無
電解銅メッキにより金属薄膜を形成した後、メッキレジ
ストにより配線パターンを形成し、露出した銅メッキ膜
を電極として、この部分のみ電解メッキを成長させた
後、メッキレジストを剥離し、金属薄膜をエッチングす
ることで配線を形成する方法(セミアディティブ法)、
メッキレジストを露光現像することにより、配線部分の
み開口し、開口した部分のみ無電解銅メッキを成長させ
ることで配線を形成する方法(フルアディティブ法)等
が知られている。
【0004】しかしながら、これらの方法によれば、電
気絶縁層の上に配線が形成されるため、その上に平坦な
電気絶縁層を形成しようとすると、全体的に電気絶縁層
の厚みを大きくしなければならず、小型でかつ高密度な
回路基板を得ることが困難であった。
【0005】そこで、この問題の解決を図るべく、電気
絶縁層中に埋め込まれた配線構造を形成する方法が種々
提案されている。例えば、(a)特開2000−236
145号公報には、絶縁層上に凹部を形成した後、該凹
部内に埋め込み導電層を形成し、次いで、前記絶縁層の
凹部が形成されていない側から前記埋め込み導電層に到
達する透孔を形成し、さらに該透孔内に導通用導電層を
形成する配線基板の製造方法が記載されている。また、
(b)特開平2000−261141号公報には、第1
の配線が形成されたコア基材の上に絶縁層を形成し、こ
の絶縁層に第1の配線の形状に応じた凹部を形成し、さ
らに、この凹部に第1の配線に導通するビア・ホールを
形成し、ビア・ホール及び凹部を埋め込むように電解パ
ネルメッキ膜又は蒸着膜を形成して層間接続部及び第2
の配線を形成し、以降、この処理を繰り返す多層配線基
板の製造方法が記載されている。さらに、(c)特開2
000−332387号公報には、回路パターンが形成
されたプリント配線基板上に、パターン間を埋めるよう
に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、減圧雰囲気中で
平滑板を樹脂層に押し付ける真空プレス工程と、樹脂層
を硬化させる樹脂硬化工程と、その後平滑板を除去して
樹脂層を研磨することにより回路パターンを露出させる
研磨工程を有するプリント配線基板の製造方法が記載さ
れている。
【0006】しかしながら、上記(a)及び(b)の方
法は、絶縁樹脂層に予め配線を埋め込む凹部を形成する
工程が必要であるため工程数が多くなり、多層回路基板
を形成する上で有利な方法とは言えない。(c)の方法
は、予め回路パターンを形成した後にパターン間を埋め
るように樹脂層を形成するため、樹脂層と回路との密着
性が不十分となり、層間が剥離しやすくなるという問題
がある。
【0007】また、特開平10−178241号公報に
は、銅箔と、その銅箔の厚さよりも厚い、無機繊維質等
を含有しない半硬化ないしは硬化状態の絶縁樹脂層と、
硬化性絶縁樹脂及び無機繊維質又は無機粉末等の充填材
からなる絶縁コア材とを順次積層して、銅箔をエッチン
グして所望の配線(回路)を形成した後、加熱加圧プレ
ス機等によって絶縁樹脂層の軟化温度以上の硬化温度で
加熱加圧して、配線を絶縁樹脂層の中に埋め込むプリン
ト配線板の製造方法が記載されている。しかしながら、
この方法は、配線が形成された内層基板を製造する技術
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
の下でなされたものであって、簡便且つ効率よく電気絶
縁層中に埋め込まれた構造の導電体回路(配線)を形成
することができ、その上に平坦で絶縁特性に優れる電気
絶縁層を形成して、高密度で信頼性の高い回路基板を製
造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高密度で信
頼性の高い回路基板を製造する方法を鋭意検討した結
果、内層基板上に硬化性組成物を用いて硬化性樹脂層を
形成し、該硬化性樹脂層を硬化する前にその上に導電体
回路を形成し、該導電体回路を硬化性樹脂層中に埋め込
んだ後、硬化性樹脂を硬化させて電気絶縁層を形成する
回路基板の製造方法を案出した。そして、この方法によ
れば、電気絶縁層との密着性に極めて優れた埋め込み構
造の導電体回路が形成できること、及びその上に平坦で
膜厚が制御された絶縁層を積層することができることを
見出した。また、硬化性樹脂として脂環式オレフィン重
合体を使用することにより、絶縁特性に優れた電気絶縁
層を得ることができることを見出した。本発明はこれら
の知見に基づいて完成されたものである。
【0010】かくして本発明の第1によれば、電気絶縁
層(1)とその表面に形成された導電体回路(A)とか
らなる内層基板上に、硬化性組成物を用いて硬化性樹脂
層を形成する工程と、該硬化性樹脂層上に導電体回路
(B)を形成する工程と、前記導電体回路(B)を上部
から加圧して、該導電体回路(B)を前記硬化性樹脂中
に埋め込む工程と、及び硬化性樹脂層を硬化させること
により電気絶縁層(2)を形成する工程を有する回路基
板の製造方法が提供される。
【0011】本発明の製造方法においては、硬化性組成
物からなるドライフィルムを前記内層基板上に積層する
ことにより硬化性樹脂層を形成するのが好ましく、前記
硬化性組成物として、脂環式オレフィン重合体及び硬化
剤を含有する組成物を使用するのがより好ましい。ま
た、前記導電体回路(B)を形成する工程が、前記硬化
性樹脂層上に、導電体回路(B)を形成する部分に開口
部を有するレジストパターンを形成し、前記開口部内に
導電性材料を充填することにより導電体回路(B)を形
成するものであるのが好ましい。
【0012】本発明は第2に、電気絶縁層(1)と導電
体回路(A)からなる内層基板と、該内層基板上に形成
された電気絶縁層(2)と、及び前記電気絶縁層(2)
の高さと略同一高さに該電気絶縁層(2)中に埋め込ま
れて形成された導電体回路(B)とを有する回路基板で
あって、前記電気絶縁層(2)が脂環式オレフィン重合
体と硬化剤とを含有する硬化性組成物から形成されてな
ることを特徴とする回路基板を提供する
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板の製造方
法及び回路基板を詳細に説明する。本発明の製造方法に
使用される内層基板は、電気絶縁層(1)とその表面に
形成された導電体回路(A)とを有するものであれば特
に制限されない。例えば、プリント配線基板やシリコン
ウェハー基板等が挙げられる。内層基板の厚みは、通常
50μm〜2mm、好ましくは60μm〜1.6mm、
より好ましくは100μm〜1mmである。また、内層
基板はガラス繊維、樹脂繊維等を強度向上のために含有
させたものであってもよい。
【0014】内層基板を構成する電気絶縁層(1)の材
料は、電気絶縁性樹脂であれば特に限定されない。電気
絶縁層(1)の材料としては、例えば、脂環式オレフィ
ン重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)ア
クリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹
脂、芳香族ポリエーテル等が挙げられる。
【0015】内層基板を構成する導電体回路(A)は、
導電性金属等の導電性物質により形成された電気回路で
ある。その回路構成等には特に制限はなく、通常の回路
基板に用いられているものと同様なものとすることがで
きる。導電体回路の具体例としては、導電体の厚みが1
〜50μm、好ましくは8〜35μm、導電体幅の最小
が1〜300μm、好ましくは10〜100μm、導電
体間隔の最小が1〜300μm、好ましくは10〜10
0μmである。
【0016】また内層基板は、内層基板と電気絶縁層
(2)との密着力を向上させるために表面処理が施され
ているのが好ましい。表面処理の方法としては、アルカ
リ性亜塩素酸ナトリウム水溶液や過マンガン酸等を内層
基板表面に接触させて表面を粗化する方法、アルカリ性
過硫酸カリウム水溶液、硫化カリウム−塩化アンモニウ
ム水溶液等により表面を酸化した後に還元する方法、及
び内層基板の導電体回路部分にメッキを析出させ、粗化
する方法、チオール化合物やシラン化合物等によりプラ
イマー層を形成する方法等が挙げられる。中でもチオー
ル化合物を用いたプライマー層を形成する方法は、導電
体回路が銅である場合に、銅の腐食がなく、高い密着性
が得られる点で好適である。
【0017】さらに、本発明の製造方法においては、内
層回路基板として、電気絶縁層(1)の両面に導電体回
路(A)を形成したものを使用し、両面に電気絶縁層
(2)及び導電体回路(B)を積層することもできる。
以下の説明においては、便宜上、電気絶縁層(1)上に
導電体回路(A)を形成し、その片面側のみに電気絶縁
層(2)及び導電体回路(B)を形成する回路基板を例
にとって説明する。
【0018】本発明の製造方法は、内層基板上に硬化性
組成物を用いて硬化性樹脂層を形成する工程を有する。
硬化性組成物は電気絶縁性樹脂を含有するものであれば
よく、例えば、エポキシ系樹脂、マレイミド樹脂、(メ
タ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジ
ン樹脂、脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル
等の電気絶縁性樹脂と硬化剤とを含有する組成物を使用
することができる。これらの電気絶縁性樹脂の中でも、
絶縁特性(絶縁抵抗性)及び耐クラック性に優れる電気
絶縁層を形成できる観点から、エポキシ系樹脂、脂環式
オレフィン重合体又は芳香族ポリエーテルが好ましく、
脂環式オレフィン重合体の使用が特に好ましい。脂環式
オレフィン重合体を使用する場合には、特に絶縁特性に
優れた電気絶縁層を形成することができる。
【0019】エポキシ系樹脂としては、例えば、特開平
11−1547号公報記載の硬化性組成物に用いるエポ
キシ樹脂が好適に用いられる。
【0020】脂環式オレフィン重合体は、脂環式構造を
有する不飽和炭化水素(以下、「脂環式オレフィン」と
いう)の重合体である。脂環式構造としては、シクロア
ルカン構造やシクロアルケン構造等が挙げられるが、機
械的強度、耐熱性等の観点から、シクロアルカン構造が
好ましい。また、脂環式構造としては、単環、多環(縮
合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多環等)のいず
れであっても良い。脂環式構造を構成する炭素原子数に
格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜
20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるとき
に、機械的強度、耐熱性及び成形性の諸特性が高度にバ
ランスされ好適である。
【0021】脂環式オレフィン重合体は極性基を有する
ものが好ましい。極性基としては、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジ
ル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、
エステル基、カルボン酸無水物基等が挙げられ、特に、
カルボキシル基又はカルボン酸無水物基が好適である。
【0022】脂環式オレフィン重合体は、通常、脂環式
オレフィンを付加重合又は開環重合し、そして必要に応
じて不飽和結合部分を水素化することによって、或いは
芳香族オレフィンを付加重合又は開環重合し、さらに当
該重合体の芳香環部分を水素化することによって得るこ
とができる。また、極性基を有する脂環式オレフィン重
合体は、例えば、1)前記脂環式オレフィン重合体に極
性基を変性反応により導入することによって、2)極性
基を含有する単量体を共重合成分として共重合すること
によって、又は3)エステル基等の極性基を含有する単
量体を共重合成分として共重合した後、エステル基等を
加水分解等により脱離することによって得ることができ
る。
【0023】脂環式オレフィン重合体を得るために使用
される脂環式オレフィンとしては、例えば、ビシクロ
〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボル
ネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト
−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.
1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.
2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ
〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビ
シクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチ
ル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−
オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−
エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプ
ト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.
1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.
2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシカ
ルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカ
ルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2
−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘ
プト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、
【0024】ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチ
ルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6
−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシ
クロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカ
ルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,
6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
シル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5
−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト
−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.0.
2,5〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロ
ペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5
−デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.0.
2,5〕−ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ
〔4.4.0.12,5〕−ウンデカ−3,8−ジエ
ン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕−ウンデカ−
3−エン、テトラシクロ〔7.4.0.110 ,13
2,7〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン
(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラ
ヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.1
11,14.03,8〕−テトラデカ−3,5,7,1
2−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,
4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセ
ン)、
【0025】テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロ
ドデセン)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.
,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチ
ル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テ
トラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ド
デカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、
8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テト
ラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデ
カ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
〔4.4.0.1 ,5.17,10〕−ドデカ−3−
エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシ
クロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−
3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、
8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.0.
2,5.1 ,10〕−ドデカ−3−エン、
【0026】8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロ
ヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラ
シクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ
−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.0
2,7.09,13〕ペンタデカ−3,10−ジエン、
ペンタシクロ〔7.4.0.13,6.110,13
2,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンのごときノ
ルボルネン系単量体;
【0027】シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチル
シクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シク
ロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テ
トラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロ
ヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロ
ヘキセンやビニルシクロヘキサンのごときビニル系脂環
式炭化水素系単量体;シクロペンタジエン、シクロヘキ
サジエンのごとき脂環式共役ジエン系モノマー等が挙げ
られる。また、芳香族オレフィンとしては、スチレン、
α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ
る。これらの脂環式オレフィンや芳香族オレフィンは、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0028】さらに、脂環式オレフィン重合体は、前記
脂環式オレフィンや芳香族オレフィンと、これら共重合
可能な単量体とを共重合して得られるものであってもよ
い。脂環式オレフィン又は芳香族オレフィンと共重合可
能な単量体としては、エチレン;プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブ
テン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−
ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−
ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、
3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数3〜
20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メ
チル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;
等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。脂環式オレフィンや芳香族オレフィンの重合方法、
及び必要に応じて行われる水素添加の方法には格別な制
限はなく、公知の方法を採用できる。
【0029】脂環式オレフィン重合体の具体例として
は、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添
加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネ
ン系単量体とビニル化合物との付加重合体、単環シクロ
アルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂
環式炭化水素重合体及びその水素添加物、芳香族オレフ
ィン重合体の芳香環水素添加物等が挙げられる。これら
の中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその
水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノル
ボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香
族オレフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、ノ
ルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が特に好
ましい。これらの脂環式オレフィン重合体は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0030】脂環式オレフィン重合体の分子量に特に制
限はない。脂環式オレフィン重合体の分子量は、シクロ
ヘキサン又はトルエンを有機溶剤とするゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定される
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常
1,000〜1,000,000、好ましくは5,00
0〜500,000、より好ましくは10,000〜2
50,000の範囲である。脂環式オレフィン重合体の
重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときには、耐
熱性、成形物表面の平滑性等がバランスされ好適であ
る。
【0031】脂環式オレフィン重合体の分子量分布は、
シクロヘキサン又はトルエンを有機溶剤とするGPCで
測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは
4以下、より好ましくは3以下である。なお、前記の重
量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の
範囲及び測定法は、ノルボルネン系重合体に好適に適合
するが、それに限定されるものではない。また、上記方
法で重量平均分子量や分子量分布が測定できない脂環式
オレフィン重合体の場合には、通常の溶融加工法により
樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するも
のを使用することができる。また、脂環式オレフィン重
合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択で
きるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より
好ましくは100℃以上、さらに好ましくは125℃以
上である。
【0032】芳香族ポリエーテルは芳香環を有するポリ
エーテルであり、具体的には、ポリフェニレンエーテ
ル、変性ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。芳香
族ポリエーテルは、例えば、2,6−ジメチルフェノー
ルや2,6−フェニルフェノールのごとき、2,6−ジ
置換フェノール類を、銅(II)アミン錯体のごとき塩
基性銅(II)の存在下で酸素と反応させて得ることが
できる。
【0033】硬化剤としては、例えば、1−アリル−
3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジア
リル−5−グリシジルイソシアヌレートのごときアリル
基とエポキシ基とを含有するハロゲン原子を含まないイ
ソシアヌレート系硬化剤等の窒素系硬化剤;グリシジル
エーテル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グ
リシジルエステル型エポキシ化合物等の多価エポキシ化
合物;酸無水物やジカルボン酸化合物等のジカルボン酸
誘導体;ジオール化合物、トリオール化合物、多価フェ
ノール化合物等のポリオール化合物等が挙げられる。こ
れらの中でも、多価エポキシ化合物が好ましく、特に耐
クラック性を高める観点からグリシジルエーテル型エポ
キシ化合物が好ましい。
【0034】グリシジルエーテル型エポキシ化合物の具
体例としては、ビスフェノールAビス(エチレングリコ
ールグリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールA
ビス(ジエチレングリコールグリシジルエーテル)エー
テル、ビスフェノールAビス(トリエチレングリコール
グリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールA ビ
ス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテ
ル等のビスフェノールA系グリシジルエーテル型エポキ
シ化合物等が挙げられる。
【0035】硬化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。また、その配
合割合は電気絶縁性樹脂100重量部に対して、通常5
〜150重量部、好ましくは15〜110重量部、より
好ましくは30〜100重量部の範囲である。
【0036】また、電気絶縁性樹脂と硬化剤との硬化反
応を促進させるために、硬化促進剤や硬化助剤を硬化剤
と併用することもできる。硬化促進剤としては、微細配
線に対する積層性、絶縁抵抗性、耐熱性、耐薬品性が向
上する観点から第3級アミン系化合物の使用が好まし
い。第3級アミン系化合物の具体例としては、ベンジル
ジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチ
ルホルムアミド等の鎖状3級アミン化合物;ピラゾール
類、ピリジン類、ピラジン類、ピリミジン類、インダゾ
ール類、キノリン類、イソキノリン類、イミダゾール
類、トリアゾール類の含窒素複素環化合物等が挙げられ
る。これらの中でも、置換基を有する置換イミダゾール
化合物の使用が好ましく、脂環式オレフィン重合体又は
芳香族ポリエーテルとの相溶性の観点から、環構造含有
置換基を有するイミダゾールの使用がより好ましい。
【0037】環構造含有置換基を有するイミダゾールの
具体例としては、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メ
チルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾ
ール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、ベン
ズイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−(2'
−シアノエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチ
ル−1−[2'−(3”,5”−ジアミノトリアジニ
ル)エチル]イミダゾール等が挙げられる。
【0038】硬化促進剤は、単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて用いられる。硬化促進剤の配合量は使用
目的に応じて適宜選択されるが、電気絶縁性樹脂100
重量部に対して、通常0.001〜30重量部、好まし
くは0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜
5重量部である。
【0039】硬化助剤は必要に応じて使用される。硬化
助剤としては、例えばキノンジオキシム、ベンゾキノン
ジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニ
トロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイ
ミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート
等のアリル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等
のメタクリレート系硬化助剤;ビニルトルエン、エチル
ビニルベンゼン、ジビニルベンゼン等のビニル系硬化助
剤等が挙げられる。
【0040】この他、アリル基を有する硬化剤に対して
硬化助剤として機能する過酸化物を添加することもでき
る。過酸化物としては、ハロゲン元素を含有しないもの
が好ましい。かかる過酸化物としては、例えば、ベンゾ
イルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−(ペル
オキシドベンゾエート)−3−ヘキシン、1,4−ビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウ
ロイルペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−
3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルベンゾエー
ト、t−ブチルベルフェニルアセテート、t−ブチルペ
ルイソブチレート、t−ブチルペル−sec−オクトエ
ート、t−ブチルペルピパレート、クミルペルピパレー
ト、t−ブチルペルジルアセテート、メチルエチルケト
ンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,
1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオ
キシ)ブタン、t−ブチルハイドロペルオキシド、2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、α,α’
−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、オクタノイルペルオキシド、イソブチリルペル
オキシド、ペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
【0041】過酸化物の使用量は、電気絶縁性樹脂10
0重量部に対して、通常0.1〜40重量部、好ましく
は1〜20重量部の範囲である。過酸化物量がこの範囲
内にあるものは配線埋め込み等の積層性に優れる。ま
た、硬化性組成物には、紫外線吸収剤、難燃剤、その他
の配合剤を添加することができる。
【0042】さらに、前記硬化性組成物には、所望によ
り、ビアホール等形成用の開口(孔)を形成する際に使
用されるレーザー光線の波長領域に吸収を持つ化合物等
の他の成分をさらに配合することができる。例えば、炭
酸ガスレーザーを用いる場合にはシリカ等を、紫外線レ
ーザー(例えばUV−YAGレーザー等)を用いる場合
には、紫外線吸収剤をそれぞれ用いることができる。レ
ーザー光線の波長領域に吸収を持つ化合物を含有する組
成物を用いた場合にはレーザーによる孔形成が容易で、
スミアの発生等も少なくなる。
【0043】紫外線吸収剤の具体例としては、フェニル
サリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系化
合物;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒド
ロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、
ビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルフェニ
ル)メタン等のベンゾフェノン系化合物;2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,
6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチ
ルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビ
ス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール等の
ベンゾトリアゾール系化合物;2,4−ジ−t−ブチル
フェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシベンゾエート等のベンゾエート系化合物;2−エチ
ルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリ
レート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルア
クリレート等のシアノアクリレート系化合物;ビス
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)セバケ
ート等のヒンダードアミン系化合物;ニッケルビス(オ
クチルフェニル)サルファイド、[2,2’−チオビス
(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミ
ンニッケル等の有機金属化合物、酸化亜鉛、酸化すず、
酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、クレー等の無機
化合物等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリア
ゾール系化合物が脂環式オレフィン重合体との相溶性や
加熱硬化時の安定性に優れる点から好ましい。紫外線吸
収剤の使用量は、電気絶縁性樹脂100重量部に対し
て、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重量
部である。
【0044】難燃剤としては、例えば、アンチモン、マ
グネシウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、モリ
ブデン、スズ等の無機化合物からなる無機難燃剤;ポリ
リン酸メラミン、リン酸エステル等の含リン化合物、含
リン化合物と塩基性含窒素化合物とリン酸との塩からな
るリン系難燃剤等が使用できる。難燃剤の使用量は使用
目的に応じて適宜選択されるが、電気絶縁性樹脂100
重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは
1〜20重量部である。
【0045】他の配合剤としては、ゴム質重合体のごと
き軟質重合体、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、
レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッ
キング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成
油、ワックス、乳剤、充填剤等が例示される。
【0046】上述した硬化性組成物と有機溶剤とを混合
することにより、硬化性組成物の溶液又は分散液(以
下、「ワニス」という。)を調製することができる。有
機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶
剤;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂
肪族炭化水素系溶剤;シクロペンタン、シクロヘキサン
等の脂環式炭化水素系溶剤;クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシク
ロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤;酢酸
イソブチル、酢酸シクロヘキシル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコ
ールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメ
チルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、アニソール等のエー
テル系溶剤;エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート等のカーボネート系溶剤;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のア
ミド系溶剤等を使用することができる。これらの溶剤
は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0047】これらの溶剤の中でも、微細配線への埋め
込み性に優れ、気泡等を生じさせないものとして、芳香
族炭化水素系溶剤や脂環式炭化水素系溶剤のごとき非極
性溶剤とケトン系溶剤のごとき極性溶剤とを混合した混
合溶剤が好ましい。これらの非極性溶剤と極性溶剤との
混合比は適宜選択できるが、(非極性溶剤):(極性溶
剤)重量比で、通常5:95〜95:5、好ましくは1
0:90〜90:10、より好ましくは20:80〜8
0:20の範囲である。
【0048】有機溶剤の使用量は、使用目的に応じて適
宜選択されるが、ワニスの固形分濃度が、通常5〜80
重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは
20〜60重量%になる範囲である。
【0049】硬化性組成物を溶媒中へ溶解又は分散させ
る方法としては、例えば、撹拌子とマグネチックスター
ラーを使用した撹拌、高速ホモジナイザー、ディスパー
ジョン、遊星撹拌機、二軸撹拌機、ボールミル、三本ロ
ール等を使用した方法等が挙げられる。
【0050】硬化性樹脂層を形成する方法としては、
(A)上記で得られたワニスを基板上に塗布した後、有
機溶剤を除去乾燥する方法、又は(B)硬化性組成物か
らなるドライフィルムを、加熱圧着等により基板上に重
ね合わせる方法が挙げられる。これらの中でも、より平
坦な電気絶縁層を形成でき、かつ、多層形成も容易であ
る観点から、(B)の方法を採用するのが好ましい。
【0051】(A)の方法において、ワニスを内層基板
上に塗布する方法は特に制限されず、例えば、ワニスを
ダイコーター、ロールコーター又はカーテンコーターに
より基板に塗布する方法が挙げられる。基板にワニスを
塗布した後、70〜140℃、1〜30分乾燥すること
により、硬化性樹脂層を形成することができる。
【0052】(B)の方法において用いられるドライフ
ィルムは、通常、離型フィルム表面に所定量のワニスを
溶液キャスト法や溶融キャスト法により支持体(樹脂製
のキャリアフィルムや金属箔)に塗布、乾燥して得るこ
とができる。離型フィルムとしては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレー
トフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフ
ィルム、ナイロンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルム;
銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔等
の金属箔等を用いることができる。これらの中でも、耐
熱性や耐薬品性、積層後の剥離性等の観点から、熱可塑
性樹脂フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポ
リエステルフィルムがより好ましい。離型フィルムの厚
さは特に制限されないが、作業性の観点から、通常1μ
m〜150μm、好ましくは2μm〜100μm、より
好ましくは3μm〜50μmである。
【0053】溶剤の除去乾燥の条件は溶剤の種類により
適宜選択されるが、乾燥温度は、通常20〜300℃、
好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間は、通常3
0秒〜1時間、好ましくは1分〜30分である。
【0054】前記ドライフィルムを内層回路基板上に積
層するには、通常、加圧ラミネーター、プレス、真空ラ
ミネーター、真空プレス、ロールラミネーター等の加圧
機を使用して加熱圧着する。加熱圧着は、配線埋め込み
特性を向上させ、気泡等の発生を抑えるために真空下
(減圧下)で行うのが好ましい。加熱圧着時の温度は、
通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃、圧着
力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは100
kPa〜10MPa、圧着時間は、通常30秒〜5時
間、好ましくは1分〜3時間であり、通常100kPa
〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paに雰囲気を
減圧する。
【0055】また、ドライフィルムを重ね合わせた後、
その片面又は両面に敷板を配置して加熱圧着させること
により、積層時における硬化性組成物のシミ出しを防止
し、回路基板の平坦性をさらに高めることができる。用
いられる敷板の材質としては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、ポリペ
ンテン等のポリオレフィン、ナイロン−66等のポリア
ミド、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂等
が挙げられる。
【0056】このようにして形成される硬化性樹脂層
は、乾燥して表面のべとつきがなくなった、いわゆる予
備硬化状態(Bステージ)に至っていない状態の樹脂層
である。硬化性樹脂層の厚みは、通常1μm〜100μ
m、好ましくは5μm〜80μm、より好ましくは10
μm〜70μmである。厚みがこの範囲であると電気絶
縁性に優れ、回路基板において高密度の配線形成が可能
な電気絶縁層を得ることができる。
【0057】次に、上記のようにして得られる硬化性樹
脂層上に導電体回路(B)を形成する。導電体回路
(B)を形成する方法は特に制限されない。例えば、
(1)硬化性樹脂層上に導電層を形成し、その上に感光
性エッチングレジスト膜を形成し、エッチングにより導
電体回路を形成する部分以外の導体層を除去することに
より、導電体回路(B)を形成する方法(サブトラクテ
ィブ法)、(2)硬化性樹脂層上に全面無電解金属メッ
キ又はスパッタリングにより金属薄膜を形成した後、メ
ッキレジストにより回路パターンを形成し、露出した銅
メッキ膜を電極とし、この部分のみ電解メッキを成長さ
せ、メッキレジストを剥離し、金属薄膜をエッチングす
ることで導電体回路(B)を形成する方法(セミアディ
ティブ法)、(3)硬化性樹脂層上に導電体回路を形成
する部分に開口部を有するレジストパターンを形成し、
開口部に導電性物質を充填することで導電体回路(B)
を形成する方法(フルアディティブ法)等が挙げられ
る。
【0058】本発明においては、これらの方法の中で
も、(2)又は(3)のアディティブ法が好ましい。こ
の方法によれば、エッチング工程を省略又は短縮するこ
とができるため、微細パターンの形成が可能となる。
【0059】導電体回路(B)を形成する導電性物質と
しては、例えば、銅、ニッケル、スズ、はんだ、ロジウ
ム、金等の導電性金属が挙げられる。これらの中でも、
銅の使用が好ましい。また、前記離型フィルムが導電性
金属箔の場合は、当該金属箔を一部又は全部残して、そ
のまま導電体回路として利用することもできる。
【0060】上記(2)の方法においては、先ず、無電
解メッキ、スパッタリング法、真空蒸着法等により金属
薄膜を形成させる。金属薄膜の厚さは、後に形成される
導電体回路の配線幅/配線間隔が50μm/50μm程
度の微細さの場合には、15μm以下の厚さが好まし
い。
【0061】また、金属メッキとしては、電解メッキ又
は無電解メッキのいずれもが使用できる。電解メッキと
しては、銅、はんだ、ニッケル、ロジウム、金等の電解
メッキが使用できる。また、無電解メッキとしては、
銅、ニッケル、スズ等の無電解メッキ液を用いることが
できる。
【0062】次に、この金属薄膜上にレジストパターン
を形成し、金属メッキにより導電性物質をレジストパタ
ーンの開口部に充填する。この場合、電気絶縁層(2)
と導電体回路との密着力を高めるために、硬化性樹脂層
の表面を過マンガン酸やクロム酸等の液と接触させ、あ
るいはプラズマ処理等を施すことができる。
【0063】次いで、レジストを剥離した後、金属薄膜
をエッチングして形成した導電体回路(B)を上部から
加圧して該導電体回路を硬化性樹脂層中に埋め込む。こ
のためには、公知の真空積層装置を使用して、導電体回
路(B)上に平滑板を載置し、平滑板の上部から加圧す
るのが好ましい。より具体的には、導電体回路(B)及
び硬化性樹脂層の表面に、例えば、ステンレス製の平板
を載置し、温度70℃〜150℃、好ましくは100℃
〜140℃で、圧力0.1MPa〜10MPa、好まし
くは0.5MPa〜5MPaで、50秒〜500秒、好
ましくは100秒〜300秒間加熱加圧する。
【0064】この場合、導電体回路(B)及び硬化性樹
脂層と平板との間には、剥離フィルムを挟むのが好まし
い。硬化性組成物のシミ出しを防止し、回路基板の平坦
性をさらに高めることができるからである。用いられる
剥離フィルムの材質としては、例えば、ポリ四フッ化エ
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
ポリオレフィン類;ナイロン−66等のポリアミド類;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル類;ポリカーボネート;アクリル
樹脂等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0065】以上のようにして、硬化性樹脂層中に導電
体回路(B)を埋め込むことができる。導電体回路
(B)がテーパー形状である場合、図1(a)に示すよ
うに、導電体回路(B)3が硬化性樹脂層2の中に埋め
込まれることになるので、導電体回路(B)3と電気絶
縁層(2)2aとの密着性がより高められる(図1
(b)参照)。
【0066】次に、硬化性樹脂層を硬化させることによ
り電気絶縁層(2)を形成する。硬化条件は用いる硬化
性樹脂及び硬化剤の種類に応じて適宜選択されるが、硬
化温度は、通常30〜400℃、好ましくは70〜30
0℃、より好ましくは100〜200℃であり、硬化時
間は、通常0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間
である。
【0067】次いで、導電体回路(A)と導電体回路
(B)との間を接続するビアホール形成するための開口
を電気絶縁層(2)中に形成する。ビアホール形成用の
開口を電気絶縁層(2)に形成させる方法としては、レ
ジストパターンの形成後、ドリル、レーザ、プラズマエ
ッチング等の物理的処理等によってもよいし、電気絶縁
層を形成する前の硬化性樹脂層をマスキングして光硬化
させ、未硬化部分を取り除いた後、硬化する、いわゆる
フォトリソグラフィーによってもよい。これらの方法の
うち、絶縁層の特性を低下させず、より微細なビアホー
ルを形成することができるという観点から、炭酸ガスレ
ーザ、エキシマレーザ、UV−YAGレーザ等のレーザ
による方法が好ましい。ビアホール形成用の開口の内径
は、通常10〜150μm、好ましくは15〜75μm
の範囲である。
【0068】続いて、この電気絶縁層(2)表面とビア
ホール形成用開口の内壁面に導電性物質を充填する。導
電性物質としては、前述した導電体回路(B)に用いら
れる導電性物質と同様なものを使用することができる。
また、導電性物質を充填する方法としては、例えば、ス
パッタリング等のドライプロセス(乾式メッキ法)や無
電解メッキにより金属薄膜を形成した後、電解メッキ等
の湿式メッキによりメッキ膜及びビアホールの穴埋めメ
ッキを形成する方法が挙げられる。
【0069】その後は、レジストを剥離した導電体層の
表面を導電体層の表面の高さが電気絶縁層(2)の高さ
と略同じ高さとなるまで、例えば、化学的機械研磨法
(CMP法)等により研磨することにより、電気絶縁層
(1)と導電体回路(A)とからなる内層基板と、内層
基板上に形成された電気絶縁層(2)と、電気絶縁層
(2)に埋め込まれた構造の導電体回路(B)と、導電
体回路(A)と導電体回路(B)とを電気的に接続する
ビアホールとからなる回路基板を製造することができ
る。
【0070】また、内層基板1の両面に電気絶縁層
(2)2a及び導電体回路(B)3を形成する等の場合
には、所望により、さらにスルーホール(図示を省略)
を形成することにより、多層回路基板を製造することが
できる(図2参照)。
【0071】以上のようにして得られた多層回路基板を
新たな内層基板として用い、その上に幾層にも電気絶縁
層と導電体回路を積み上げることができる。また、新た
な電気絶縁層を積層する前に、均一厚みの電気絶縁層を
積層できる観点から、予めスペーサーを新たに内層回路
基板表面に形成又は配置させることもできる。電気絶縁
層と導電体回路を交互に積層する場合には、ビアホール
上にさらに他のビアホールを形成するのが好ましい。ビ
アホールによる配線のデッドスペースをなくし、より高
密度化が達成できるからである。
【0072】本発明の回路基板は、コンピューターや携
帯電話等の電子機器において、CPUやメモリ等の半導
体素子、その他の実装部品を実装するためのプリント配
線板として使用できる。特に、微細配線を有するものは
高密度プリント配線基板として、高速コンピューター
や、高周波領域で使用する携帯端末の配線基板として好
適である。
【0073】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定され
るものではない。なお、実施例中、部及び%は、特に断
りのない限り重量基準である。 (1)分子量は、特に断りのない限り、トルエンを溶媒
とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。 (2)水素化率(水素添加前の重合体中の不飽和結合の
モル数に対する水素添加された水素のモル数の割合)及
びカルボキシル基含有率(重合体中の総モノマー単位数
に対するカルボキシル基のモル数の割合)は、H-N
MRにより測定結果から求めた。 (3)ガラス移転温度(Tg)は、示差走査熱量法(D
SC法)により測定した。
【0074】(製造例)8−エチル−テトラシクロ
〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−
エンを開環重合し、次いで水素添加反応を行い、数平均
分子量(Mn)=31,200、重量平均分子量(M
w)=55,800、Tg=約140℃の水素化重合体
を得た。得られた水素化重合体の水素化率は99%以上
であった。
【0075】この水素化重合体100部、無水マレイン
酸40部及びジクミルパーオキシド5部をt−ブチルベ
ンゼン250部に溶解し、140℃で6時間反応を行っ
た。得られた反応生成物溶液をイソプロピルアルコール
1000部中に注ぎ、反応生成物を凝固させ、得られた
固形物を100℃で20時間真空乾燥して、マレイン酸
変性水素化重合体を得た。このマレイン酸変性水素化重
合体の分子量はMn=33,200、Mw=68,30
0でTgは170℃であった。マレイン酸基含有率は2
5モル%であった。
【0076】得られたマレイン酸変性水素化重合体10
0部、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレ
ート50部、ジクミルペルオキシド5部、1−ベンジル
−2−フェニルイミダゾール0.03部、2−[2−ヒ
ドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
フェニル]ベンゾトリアゾール5部及び水素化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON E
XA−7015、大日本インキ株式会社製、エポキシ当
量=210g)20部をキシレン175部及びシクロペ
ンタノン117部からなる混合溶媒に溶解させてワニス
を得た。
【0077】次いで、得られたワニスを孔径5.0μm
のテフロン(登録商標)製精密フィルターでろ過した
後、ダイコーターを用いて、300mm角の厚さ75μ
mのポリエチレンナフタレートフィルム(キャリアフィ
ルム)に塗工し、その後、窒素オーブン中、100℃で
10分間乾燥させ、樹脂厚み40μmのキャリアフィル
ム付きドライフィルムを得た。
【0078】(実施例)以下の実施例について、図3及
び図4を参照して説明する。先ず、配線基板のベースと
なるコア基板10の片面に銅(Cu)配線11が形成さ
れた内層基板12を用意し、該内層基板12上に上記製
造例で得られたキャリアフィルム付きドライフィルム
を、樹脂面が内側となるように重ね合わせた。これを、
真空積層装置を用いて200Paに減圧した後、一次プ
レスとして耐熱ゴム製プレス板を上下に備えた真空積層
装置(名機製作所(株)製、型式:MVLP−500)
を用い、温度110℃、圧力0.5MPaで60秒間加
熱圧着した。
【0079】次に、同じ真空積層装置を用いて200P
aに減圧した後、二次プレスとして耐熱ゴム製プレス板
を上下に備え、且つその内側に1.0mmステンレス板
を備えた真空積層装置(名機製作所(株)製、型式:M
VLP−500)を用い、温度130℃、圧力1.0M
Paで60秒間加熱圧着した。次いで、キャリアフィル
ムのみを剥がして未硬化樹脂層13を形成して、図3
(a)に示す積層板を得た。
【0080】次に、該基板の未硬化樹脂層13を周波数
13.56MHz、出力100W、ガス圧0.8Paのア
ルゴンプラズマに、基板表面温度を約130℃に保持し
て、10分間さらした。さらに、上記で得られた表面が
プラズマ処理された未硬化樹脂層に、出力500W、ガ
ス圧0.8Paでニッケルスパッタ処理し、厚さ0.1μ
mのニッケル膜を形成させ、次いで出力500W、ガス
圧0.8Paで銅スパッタ処理し、厚さ0.3μmの銅薄
膜14を形成させて、図3(b)に示す金属薄膜を有す
る積層板を得た。
【0081】続いて、この積層板表面に市販の感光性ド
ライフィルムを熱圧着して貼り付け、さらに、このドラ
イフィルム上に所定のパターンのマスクを密着させ露光
した後、現像して、図3(c)に示すレジストパターン
15を得た。
【0082】次に、レジスト非形成部分に電解銅メッキ
を施し、厚さ18μmの電解銅メッキ膜を形成させた。
次いで、レジストパターンを剥離液にて剥離除去し、塩
化第二銅と塩酸混合溶液によりエッチング処理を行うこ
とにより、図3(d)に示すように、前記金属薄膜及び
電解銅メッキ膜からなる配線パターン14aを形成し
た。
【0083】さらに、基板の両面に、それぞれ順次、テ
フロンフィルム(離型フィルム)16、ステンレス板1
7を載置し、真空積層装置(名機製作所(株)製、型
式:MVLP−500)を用い、温度130℃、圧力
1.0MPaで180秒間加熱加圧することにより、図
3(e)に示すように、配線パターン14aを未硬化樹
脂層13中に埋め込ませた。
【0084】その後、テフロンフィルムを剥がし、図4
(f)に示すように、窒素オーブン中で180℃、60
分間加熱することにより未硬化樹脂層13を硬化させ
て、配線パターン14aが埋め込まれた電気絶縁層13
aを形成した。得られた基板表面のJIS B0601
−1994で定義された表面粗さRaは1μm以下であ
り、基板表面が平滑であることが確認された。
【0085】次に、配線パターン14aが電気絶縁層1
3aに埋め込まれた基板上に、フォトレジスト(商品
名:ZPN1100、日本ゼオン(株)製)を塗布、プ
リベークし、さらに、このレジスト上に所定のパターン
のマスクを密着させ露光した後、ポストエクスポージャ
ーベークを行った後、現像して、図4(g)に示す逆テ
ーパー形状のレジストパターン18を得た。
【0086】次いで、UV−YAGレーザー(第三高調
波)を用いて、図4(h)に示すように、直径30μm
の層間接続のビアホール形成用の開口部19を形成し
た。
【0087】次に、基板表面温度を約130℃に保持し
て、基板面を周波数13.56MHz、出力100W、
ガス圧0.8Paのアルゴンプラズマに10分間さらし
た。さらに、プラズマ処理された基板面を出力500
W、ガス圧0.8Paでニッケルスパッタ処理し、厚さ
0.1μmのニッケル膜を形成させ、出力500W、ガ
ス圧0.8Paで銅スパッタ処理し、厚さ0.3μmの銅
薄膜を形成させ、その上に電解銅メッキを施し、厚さ1
8μmの電解銅メッキ膜及びビアホールの穴埋めメッキ
20を形成させることによって、図4(i)に示す積層
板を得た。
【0088】最後に、レジストを剥離し、ビアホールの
穴埋めメッキ部分をCMP法により表面研磨することに
より、図4(j)に示す配線埋め込み型の積層基板を得
た。さらに、この工程を順次繰り返すことにより、多層
積層基板の形成が可能である。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平坦で絶縁特性に優れる電気絶縁層を簡便且つ効率よく
形成して、高密度で信頼性の高い回路基板を製造する方
法が提供される。また本発明によれば、絶縁特性に優れ
る電気絶縁層を有するアクティブ素子を内蔵する回路基
板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、導電体回路(B)の断面がテーパー形
状であることを示す図であり、(a)は、硬化性樹脂層
2上に形成された導電体回路(B)の断面図であり、
((b)は、電気絶縁層2aに埋め込まれた導電体回路
(B)の断面である。
【図2】図2は、内層基板1の両面に電気絶縁層(2)
2a及び導電体回路(B)3を形成したタイプの多層回
路基板の構造断面図である。
【図3】図4(a)〜(e)は、実施例の回路基板の製
造方法の工程断面図である。
【図4】図4(f)〜(j)は、実施例の回路基板の製
造方法の工程断面図である。
【符号の説明】
1、12…内層基板、2…硬化性樹脂層、2a,13a
…電気絶縁層、3…導電体回路(B)、3’…導電体回
路(A)、10…コア基板、11…銅配線、13…未硬
化樹脂層、14…銅薄膜、14a…配線パターン、1
5,18…レジストパターン、16…テフロンフィルム
(離型フィルム)、17…ステンレス板、19…開口
部、20…穴埋めメッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/22 H05K 3/22 B Fターム(参考) 2H096 AA27 HA27 LA30 5E343 AA02 AA16 AA17 BB02 BB24 BB44 BB71 DD22 DD23 DD33 DD43 ER49 ER50 GG06 GG08 GG11 5E346 AA06 AA12 AA15 AA22 AA32 AA51 BB15 CC02 CC32 CC33 CC37 DD02 DD22 DD33 EE31 GG17 GG28 HH11 HH25 HH26 HH31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁層(1)とその表面に形成された
    導電体回路(A)とからなる内層基板上に、硬化性組成
    物を用いて硬化性樹脂層を形成する工程と、該硬化性樹
    脂層上に導電体回路(B)を形成する工程と、前記導電
    体回路(B)を上部から加圧して、該導電体回路(B)
    を前記硬化性樹脂中に埋め込む工程と、及び硬化性樹脂
    層を硬化させることにより電気絶縁層(2)を形成する
    工程を有する回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】硬化性組成物からなるドライフィルムを前
    記内層基板上に積層することにより、前記硬化性樹脂層
    を形成する請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記硬化性組成物が、脂環式オレフィン重
    合体及び硬化剤を含有する組成物である請求項1又は2
    記載の回路基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記導電体回路(B)を形成する工程が、
    前記硬化性樹脂層上に、導電体回路(B)を形成する部
    分に開口部を有するレジストパターンを形成し、前記開
    口部内に導電性材料を充填することにより導電体回路
    (B)を形成するものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の回路基板の製造方法。
  5. 【請求項5】電気絶縁層(1)と導電体回路(A)から
    なる内層基板と、該内層基板上に形成された電気絶縁層
    (2)と、前記電気絶縁層(2)の高さと略同一高さに
    該電気絶縁層(2)中に埋め込まれて形成された導電体
    回路(B)とを有する回路基板であって、前記電気絶縁
    層(2)が脂環式オレフィン重合体と硬化剤とを含有す
    る硬化性組成物から形成されてなることを特徴とする回
    路基板。
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