JP3978832B2 - 回路基板用接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布性、生産性にすぐれた回路基板用接着剤、及びこれを用いて形成された、誘電特性、低吸水性に優れた回路基板に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、高度情報化社会の急激な進展に伴い、コンピューターや通信機器などの情報処理機器の処理能力の向上、即ち高速化が迫られており、また携帯可能なように小型化、軽量化が必要とされている。
こうした要求のなかで、これらの機器に使用されるプリント配線板(PWB)を高密度化する技術が必要となり、具体的には従来のPWBに用いられる補強基材含浸型の絶縁層に代えて薄膜の絶縁フィルムを多層に積層する方法がとられている。
これらの絶縁フィルムや補強基材含浸型の絶縁膜を積層接着するために、回路基板用接着材としてエポキシ樹脂系接着剤、イミド系接着剤などが使用されているが、エポキシ樹脂系接着剤は誘電特性に劣り、不純物の影響で絶縁信頼性が低下するといった問題があり、イミド系接着剤は吸水率が大きいため、同様に信頼性が低下するといった問題があった。
特に、高密度化が要求されるプリント配線基板の絶縁膜には優れた誘電特性、低吸水性等を有する材料が使用されるようになってきているが、これらの材料は一般的に密着性に劣るために接着剤を使用するケースが多いが、材料の特性が優れても、接着剤の特性によって回路基板としての特性が低下してしまうという問題があった。
また、これらの接着剤は熱硬化性であるため、保存安定性、生産性に劣るという問題もあった。
【0003】
近年、上記課題を解決するために、熱可塑性ポリイミド系接着剤を使用する技術も開示されているが、該熱可塑性ポリイミドはガラス転移温度が高く、接着する際に高温度で圧着する必要があるために絶縁層の耐熱性が不足するといった問題もあった。
【0004】
以上のように、絶縁膜の特性を損なわない程度に優れた特性を有し、且つ生産性、保存安定性に優れたバランスのある回路基板用接着剤は見出されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、絶縁膜の特性を損なわない程度に優れた特性を有し、且つ生産性、保存安定性に優れたバランスのある回路基板用接着剤、及び該接着剤を用いた回路基板を提供することである。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の熱硬化型エポキシ樹脂接着剤に代えて、環状オレフィン系重合体と硬化剤とを、有機溶媒に溶解した樹脂組成物を回路基板の層間接着剤として使用することで、上記課題が解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして本発明によれば、(1)数平均分子量が3,000〜1,000,000である環状オレフィン系重合体と硬化剤とを有機溶媒に溶解させて成る回路基板用接着剤が提供される。
本発明によれば、(2)環状オレフィン系重合体が、少なくとも一部に炭素数4個以上の置換基を有する繰り返し単位を含有するものである(1)記載の回路基板用接着剤が提供される。
本発明によれば、(3)環状オレフィン系重合体が、少なくとも一部に極性基を有する繰り返し単位を有するものである(1)または(2)記載の回路基板用接着剤が提供される。
本発明によれば、(4)環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が140℃以上である(1)乃至(3)のいずれかに記載の回路基板用接着剤が提供される。
本発明によれば、(5)硬化剤が、(i)光反応性物質、または(ii)有機過酸化物と硬化助剤である(1)乃至(4)のいずれかに記載の回路基板用接着剤が提供される。
本発明によれば、(6)環状オレフィン系重合体100重量部に対し、硬化剤を0.1〜30重量部用いる(1)乃至(5)のいずれかに記載の回路基板用接着剤が提供される。
本発明によれば、()基板上に、(1)乃至(6)のいずれか記載の接着剤層、(2)絶縁層、及び(3)導電層からなる配線層の組合せが少なくとも1形成されていることを特徴とする回路基板が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態について、項目に分けて説明する。
【0009】
環状オレフィン系重合体
本発明の環状オレフィン系重合体は、重合体の全繰返し単位中に環状オレフィン系単量体の繰返し単位を含有するものである。環状オレフィン系単量体の結合様式は主鎖中に環状構造を導入しうるものであればとくに限定されず、該単量体の炭素−炭素不飽和結合を重合したもの、環状共役ジエンを付加重合したものの何れでもよい。例えば、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体を付加重合させたものでも良いし環状オレフィン以外の共重合可能な単量体と共重合させたものでも良い。また、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体を開環重合させたものでも良い。環状オレフィン系重合体は、該開環重合体を、水素添加させたものでも良い。環状オレフィン系重合体は、単環の環状オレフィン系単量体を付加重合させたものでも良い。環状オレフィン系重合体は、シクロペンタジエンやシクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,4−付加重合させたものでも良い。環状オレフィン系重合体は、単環の環状オレフィン系単量体および環状共役ジエン系単量体と、環状オレフィン以外の共重合可能な単量体とを共重合させたものでも良い。これらの重合体はさらに水素添加させたものでも良い。
【0010】
特に耐熱性の点からは、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体を主成分とした付加(共)重合体および該ノルボルネン環を有する脂環族系単量体の開環重合体水素添加物が好ましい。耐熱性の点からは、重合体全繰返し単位中に、上記環状オレフィン系単量体を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有するのが好ましく、該重合体のガラス転移温度もDSC測定にて140℃以上、好ましくは160℃以上であるのが好ましい。重合体のガラス転移温度が上記範囲にあると、該接着剤を用いて形成した絶縁膜層の信頼性が向上して好ましい。
【0011】
本発明の環状オレフィン系重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)で表すと、1,000〜1,000,000、好ましくは3,000〜500,000、より好ましくは5,000〜300,000、最も好ましくは10,000〜200,000の範囲である。
数平均分子量が過度に小さいと、接着層の強度が低下して、クラック等が発生する原因となり、逆に数平均分子量が過度に大きいと共重合体の粘度が大きすぎて、成形や塗膜の加工性が悪くなり好ましくない。よって数平均分子量が上記範囲にあると、接着層の強度と、粘度及び加工性が適度にバランスされて特に好ましい。
【0012】
上記環状オレフィン系重合体は、密着性の向上を目的として極性基を含有するのが好ましい。また、該接着剤は機械特性、耐熱性等の向上を目的として硬化させることもできるが、硬化反応を容易にするためにも極性基を含有するものが好ましい。
極性基の導入は、該重合体を変性する方法と極性基を有する単量体を共重合する方法が挙げられる。
【0013】
さらに本発明で使用される環状オレフィン系重合体は、絶縁膜の特性を損なわせないために、以下に記載する物性値を有することが好ましい。
(a)吸水率:吸水率は0.1%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.02%以下である。吸水率が小さいと、接着層が吸水しないために金属配線層等のイオンが溶出しにくく、膜の絶縁信頼性が向上する。
(b)誘電率,誘電正接:誘電率は3.0以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下である。誘電正接は0.01以下、好ましくは0.005以下、より好ましくは0.0005以下である。誘電率、誘電正接も、重合体の段階ではできるだけ小さい値であることが好ましく、小さいと、配線間のデータの伝送速度が向上したり、伝送損失や発熱が小さくなる。
【0014】
環状オレフィン系単量体
前述の環状オレフィン系重合体の主成分となる環状オレフィン系単量体は、炭素−炭素不飽和結合を有する環状の炭化水素化合物であれば特に限定はされないが、主なものには、(1)ノルボルネン環を有する脂環族系単量体、(2)単環の環状オレフィン系単量体、(3)環状共役ジエン系単量体などが挙げられる。
【0015】
(1)ノルボルネン環を有する脂環族系単量体
本発明のノルボルネン環を有する脂環族系単量体は、特開平5−320268や特開平2−36224などに記載されているノルボルネン環を有する脂環族系単量体であり、これらのノルボルネン環を有する脂環族系単量体は、それぞれ独立で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン環を有する脂環族系単量体は、(a)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外の不飽和結合を持たない単量体、(b)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外の不飽和結合を持つ単量体、(c)芳香環を持つ単量体、(d)極性基を有する単量体の何れでも良い。
【0016】
(a)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外に不飽和結合を持たない単量体の具体例としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などのビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エンなどのテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体;トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3−エン;5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの環状置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、などが挙げられる。
【0017】
(b)重合反応に関与する炭素−炭素不飽和結合以外に不飽和結合を持つ単量体の具体例としては、例えば5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、、などの環外に不飽和結合を持つビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;8−メチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、などの環外に不飽和結合を持つテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体;トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3,7−ジエン;5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンテニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの不飽和結合を持つ環状置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、などが挙げられる。
【0018】
(c)芳香環を有する単量体の具体例としては、例えば、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.12,5.01,6.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、などが挙げられる。
【0019】
(d)極性基を有する単量体の具体例としては、例えば、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などの酸素原子を含む置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、などの酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン誘導体;5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、などが挙げられる。
【0020】
(2)単環の環状オレフィン系単量体
本発明の単環の環状オレフィン系単量体は、炭素−炭素二重結合を環内に一つ有するものであり、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの特開昭64−66216などに記載されている単環の環状オレフィン系単量体のことである。これらの単環の環状オレフィン系単量体は、それぞれ独立で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
(3)環状共役ジエン系単量体
本発明の環状共役ジエン系単量体は、環内に共役系炭素−炭素二重結合を有するものであり、例えば、13−シクロペンタジエン、13−シクロヘキサジエン、13−シクロヘプタジエン、13−シクロオクタジエンなどの、特開平7−258318などに記載されている環状共役ジエン系単量体のことである。これらの環状共役ジエン系単量体は、それぞれ独立で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明の重合体は、材料の柔軟性を付与する目的で、6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などの炭素数4以上の長鎖アルキル置換基を有するノルボルネン環を有する脂環族系単量体を共重合するのが好ましい。特に開環重合の場合には、耐熱性の点から、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、などの2環以上の環からなるノルボルネン環を有する脂環族系単量体、ヘキサシクロヘプタデセン系単量体などの3環以上の環からなるノルボルネン環を有する脂環族系単量体、または1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、などを使用するのが好ましい。
【0023】
その他共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜12からなるα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンなどのスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレンなどの鎖状共役ジエン;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類や一酸化炭素を挙げることができるが、共重合が可能であるならば、特にこれらに限定されるものではない。
【0024】
極性基含有環状オレフィン系重合体
本発明の環状オレフィン系重合体は、密着性を向上させたり、硬化反応を容易にしたり、架橋密度を上げたり、他の配合剤、樹脂等との相溶性を向上させたり、耐熱性を向上させる等の目的で、極性基を含有していることが好ましい。本発明の極性基含有環状オレフィン系重合体の極性基とは、金属や他の樹脂材料との密着性を向上させたり、硬化反応時に硬化点になる機能を有する様な極性基であれば何でも良く、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、シラノール基、アミノ基、ニトリル基、ハロゲン基、アシル基、スルホン基などが挙げられるが、少ない変性率で密着性、感光性が付与できるとの理由から特にエポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、などが好ましい。本発明の極性基含有環状オレフィン系重合体は、前述の環状オレフィン系重合体に、例えば下記の3種類の方法によってエポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基などの極性基を導入して得ることができる。
(1)上記環状オレフィン系重合体に極性基含有不飽和化合物をグラフト反応によって付加させる方法
(2)上記環状オレフィン系重合体中の炭素−炭素不飽和結合に直接極性基を導入する方法
(3)上記環状オレフィン系重合体中に極性基を含有する環状オレフィン系単量体を共重合させる方法
以下にそれぞれの極性基の導入方法の詳細を説明する。
【0025】
(1)極性基含有不飽和化合物のグラフト反応
本発明の極性基含有環状オレフィン系重合体は、上記の環状オレフィン系重合体を有機過酸化物の存在下に極性基含有不飽和化合物を反応させることにより得ることができる。極性基含有不飽和化合物としては、特に限定されないが、少量で感光性の付与ができて且つ、密着性が向上する理由から、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、シリル基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0026】
エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、p−スチリルカルボン酸グリシジル等の不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸等の不飽和ポリカルボン酸のモノグリシジルエステルあるいはポリグリシジルエステル類;アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル類;2−(o−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−アリルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−アリルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(o−アリルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−アリルフェニル)プロピレンオキシド、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、アリル−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル等などが挙げられる。これらの中でも、特に高い反応率で該エポキシ基含有不飽和化合物がグラフト付加できるという点で、アリルグリシジルエステル類及びアリルグリシジルエーテル類が好ましく、アリルグリシジルエーテル類が特に好ましい。これらのエポキシ基含有不飽和化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
カルボキシル基含有不飽和化合物としては、例えば特開平5−271356号公報に記載の化合物をもちいることができる。また、カルボキシ基含有不飽和化合物には、不飽和カルボン酸誘導体も含まれる。例えば、不飽和カルボン酸の酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステルを挙げることができる。
【0028】
ヒドロキシル基含有不飽和化合物としては、例えばアリルアルコール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、2−アリルフェノール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールなどが挙げられる。
【0029】
シリル基含有不飽和化合物としては、例えばクロロジメチルビニルシラン、トリメチルシリルアセチレン、5−トリメチルシリル−1,3−シクロペンタジエン、3−トリメチルシリルアリルアルコール、トリメチルシリルメタクリレート、1−トリメチルシリロキシ−1,3−ブタジエン、1−トリメチルシリロキシ−シクロペンテン、2−トリメチルシリロキシエチルメタクリレート、2−トリメチルシリロキシフラン、2−トリメチルシリロキシプロペン、アリロキシ−t−ブチルジメチルシラン、アリロキシトリメチルシランなどが挙げられる。
【0030】
有機過酸化物としては、例えば、有機パーオキシド、有機パーエステルなどが好ましく使用される。このような有機過酸化物の具体的な例としては、ベンゾイルパーオキシド、ジクロロベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルパーアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーフェニルアセテート、tert−ブチルパーイソブチレ−ト、tert−ブチルパー−sec−オクトエート、tert−ブチルパーレート、クミルパーレート、及びtert−ブチルパーオキシジエチルアセテートを挙げることができる。さらに、本発明においては、有機過酸化物としてアゾ化合物を使用することもできる。アゾ化合物の具体的な例としては、アゾビスイソブチロニトリル及びジメチルアゾイソブチレートを挙げることができる。これらの中でも、有機過酸化物として、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシド)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキシドが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。有機過酸化物の使用割合は、反応時の仕込み割合で未変性環状オレフィン系重合体100重量部に対して、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜2.5重量部の範囲である。有機過酸化物の使用範囲がこの範囲にあるとき、極性基含有不飽和化合物の反応率、得られた極性基含有重合体の吸水率、誘電特性などの諸物性が高度にバランスされ好適である。
【0031】
グラフト変性反応は、特に限定はなく、常法に従って行うことができる。反応温度が、通常0〜400℃、好ましくは60〜350℃で、反応時間が、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜10時間の範囲である。反応終了後は、メタノール等の貧溶媒を多量に反応系に添加してポリマーを析出させ、濾別洗浄後、減圧乾燥等により得ることができる。
【0032】
(2)炭素−炭素不飽和結合の直接変性
本発明の極性基含有環状オレフィン系重合体は、上記の環状オレフィン系重合体中のオレフィン性炭素−炭素不飽和結合を変性して極性基を付加したり、該オレフィン性不飽和結合に極性基を有する化合物を結合させたりして極性基を導入することが出来る。
極性基の導入方法に関しては特開平6−172423号公報に記載されているような方法を用いることができ、オレフィン性不飽和結合の酸化による方法、分子内に1つ以上の極性基を含有する化合物のオレフィン性不飽和結合への付加反応による方法、及びその他の方法によってエポキシ基やカルボキシル基、ヒドロキシル基等を導入する方法が挙げられる。
【0033】
(3)極性基含有環状オレフィン系モノマーの共重合
極性基含有環状オレフィンモノマーとしては特に制限はないが、前述の単量体の説明の中の(d)の極性基を有する単量体を挙げることができる。なかでも、共重合のし易いものとして、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10.]−ドデカ−3−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などのヒドロキシ基、カルボキシル基またはエステル基を含有する単量体が好ましい。重合触媒および重合方法は、公知の、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体の重合触媒、重合方法を用いることができる。
【0034】
(4)極性基導入率
本発明の極性基含有環状オレフィン系重合体の極性基導入率は、使用目的に応じて適宜選択されるが、重合体中の総モノマー単位数を基準として、通常0.1〜100モル%、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは〜30モル%の範囲である。極性基含有環状オレフィン系重合体の極性基導入率がこの範囲にあるとき、吸水率、誘電特性と金属導体層との接着強度が高度にバランスされ好適である。極性基導入率は、下式(1)で表される。
極性基導入率(変性率:モル%)=(X/Y)×100 (1)
X:(a)グラフトモノマー変性残基全モル数
あるいは
(b)不飽和結合含有モノマーの全モル数×不飽和結合への極性基付加率
あるいは
(c)極性基含有モノマーの全モル数
(いずれもH−NMRで測定する。)
Y:ポリマーの総モノマー単位数(ポリマーの重量平均分子量/モノマーの平均分子量)
【0035】
硬化性環状オレフィン系重合体組成物
本発明の環状オレフィン系重合体は、さらに硬化剤を加えて硬化性環状オレフィン系重合体組成物としても良い。
本発明の硬化性重合体組成物の硬化手段には、特に制限はなく、例えば、熱、光、及び放射線などを用いて行うことができ、硬化剤の種類は、それらの手段によって適宜選択される。
本発明の硬化性重合体組成物には、硬化剤以外に、所望により、硬化助剤、難燃剤、その他の配合剤などを配合することができる。
【0036】
(硬化剤)
本発明において使用する硬化剤は特に限定はされないが、(1)有機過酸化物、(2)熱により効果を発揮する硬化剤、(3)光により効果を発揮する硬化剤、などが用いられる。
(1)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;t−ブチルハイドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシド類;ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルパーオキシド類:オクタノイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類;パーオキシジカーボネートなどのパーオキシエステル類;が挙げられる。
これらの中でも、硬化後の樹脂の性能から、ジアルキルパーオキシドが好ましく、アルキル基の種類は、成形温度によって変えることができる。
【0037】
(2)熱により効果を発揮する硬化剤
熱により効果を発揮する硬化剤は、加熱によって架橋反応させうる硬化剤であれば特に限定されないが、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ビスアジド、酸無水物、ジカルボン酸、ジオール、多価フェノール、ポリアミド、ジイソシアネート、ポリイソシアネートなどが挙げられる。
具体的な例としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、などの脂肪族ポリアミン;ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン;1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミンN−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ポリアミン;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン、メタキシシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン類;4,4−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルスルホン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、2,2’−ジアジドスチルベンなどのビスアジド;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性環状オレフィン樹脂等の酸無水物類;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸等のジカルボン酸類;1,3’−ブタンジオール、1,4’−ブタンジール、ヒドロキノンジヒドロキシジエチルエーテル、トリシクロデカンジメタノール等のジオール類;1,1,1−トリメチロールプロパン等のトリオール類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の多価フェノール類;ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等のジイソシアネート類;ジイシシアネート類の2量体もしくは3量体、ジオール類もしくはトリオール類へのジイソシアネート類のアダクト物などのポリイソシアネート類;イソシアネート部をブロック剤により保護したブロック化イソシアネート類等が挙げられる。
これらは、1種でも2種以上の混合物として使用しても良い。これらの中でも、脂肪族系ポリアミン、芳香族系ポリアミンが、均一に分散させやすく好ましい。さらには耐熱性に優れるなどの理由により芳香族ポリアミン類が、また強度特性に優れるなどの理由により多価フェノール類などが特に好ましい。
また、必要に応じて硬化促進剤を配合して、架橋反応の効率を高めることも可能である。
前記硬化剤の配合量は、特に制限はないものの、架橋反応を効率良く行わしめ、且つ、得られる硬化物の物性改善を計ること及び経済性の面などから、該重合体100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲で使用される。硬化剤の量が少なすぎると架橋が起こりにくく、十分な耐熱性、耐溶剤を得ることができず、また多すぎると架橋した樹脂の吸水性、誘電特性などの特性が低下するため好ましくない。よって配合量が上記範囲にある時に、これらの特性が高度にバランスされて好適である。
【0038】
また、硬化促進剤としては、ピリジン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルホルムアミド、イミダゾール類等のアミン類などが挙げられ、硬化速度の調整を行ったり、架橋反応の効率をさらに良くする目的で添加される。硬化促進剤の配合量は、特に制限はないものの、前述の重合体100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲で使用され、配合量がこの範囲にあるときに、架橋密度と、誘電特性、吸水率などが高度にバランスされて好適である。また、なかでもイミダゾール類が誘電特性に優れて好適である。
【0039】
(3)光により効果を発揮する硬化剤
光により効果を発揮する硬化剤は、g線、h線、i線等の紫外線、遠紫外線、x線、電子線等の活性光線の照射により、該重合体と反応し、架橋化合物を生成する光反応性物質であれば特に限定されるものではないが、例えば芳香族ビスアジド化合物、光アミン発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。芳香族ビスアジド化合物の具体例としては、4,4’−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキサノン〔4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノンと同一〕、4,4’−ジアジドジフェニルスルフォン、4,4’−ジアジドベンゾフェノン、4,4’−ジアジドジフェニル、2,7−ジアジドフルオレン、4,4’−ジアジドフェニルメタン等が代表例として挙げられる。これらは、1種類でも2種類以上組み合わせても使用できる。
【0040】
光アミン発生剤の具体例としては、芳香族アミンあるいは脂肪族アミンのo−ニトロベンジロキシカルボニルカーバメート、2,6−ジニトロベンジロキシカルボニルカーバメートあるいはα,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニルカーバメート体等が挙げられ、具体的には、アニリン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどのo−ニトロベンジロキシカルボニルカーバメート体が挙げられる。これらは、1種類でも2種類以上組み合わせても使用できる。
【0041】
光酸発生剤とは、活性光線の照射によって、ブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成する物質であって、例えばオニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられる。
これらの活性光線の照射により解裂して酸を生成可能な化合物は、単独でも2種類以上混合して用いても良い。
【0042】
これらの光反応性化合物の添加量は、特に制限はないものの、該重合体との反応を効率良く行わしめ、且つ得られる架橋樹脂の物性を損なわないこと及び経済性などの面から、該重合体100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲で使用される。光反応性物質の添加量が少なすぎると架橋が起こりにくく、十分な耐熱性、耐溶剤を得ることができず、また多すぎると架橋した樹脂の吸水性、誘電特性などの特性が低下するため好ましくない。よって配合量が上記範囲にある時に、これらの特性が高度にバランスされて好適である。
【0043】
(硬化助剤)
本発明においては、硬化性及び配合剤の分散性をさらに高めるために、硬化助剤を使用することができる。
硬化助剤としては、特に限定されるものではないが、特開昭62−34924号公報等に開示されている公知のものでよく、例えば、キノンジオキシム、ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート系硬化助剤;ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどのビニル系硬化助剤;等が例示される。これらの中でも、アリル系硬化助剤、メタクリレート系硬化助剤が、均一に分散させやすく好ましい。
硬化助剤の添加量は、硬化剤の種類により適宜選択されるが、硬化剤1重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。硬化助剤の添加量は、少なすぎると硬化が起こりにくく、逆に、添加量が多すぎると、硬化した樹脂の電気特性、防湿性等が低下するおそれが生じる。
【0044】
(配合剤)
本発明の樹脂組成物は、所望により以下の配合剤を配合してもよい。
【0045】
(難燃剤)
難燃剤は必須成分ではないが、層間絶縁膜層全体の厚みが大きくなる場合には添加するのが好ましい。難燃剤としては、特に制約はないが、硬化剤によって分解、変性、変質しないものが好ましく、通常ハロゲン系難燃剤が用いられる。ハロゲン系難燃剤としては、塩素系及び臭素系の種々の難燃剤が使用可能であるが、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、樹脂の物性への影響等の面から、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA、及びその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)等]、テトラブロモビスフェノールS、及びその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等]、テトラブロモ無水フタル酸、及びその誘導体[例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド等]、エチレンビス(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレート、ヘキサクロロシクロペンタジエンのディールス・アルダー反応の付加物、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン等を使用するのが好ましい。難燃剤の添加量は、環状オレフィン系重合体100重量部に対して、通常3〜150重量部、好ましくは10〜140重量部、特に好ましくは15〜120重量部である。難燃剤の難燃化効果をより有効に発揮させるための難燃助剤として、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、三塩化アンチモン等のアンチモン系難燃助剤を用いることができる。これらの難燃助剤は、難燃剤100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用する。
【0046】
(その他のポリマー成分)
また、本発明においては、硬化性重合体組成物に、必要に応じて、ゴム質重合体やその他の熱可塑性樹脂を配合することができる。
ゴム質重合体は、常温(25℃)以下のガラス転移温度を持つ重合体であって、通常のゴム状重合体および熱可塑性エラストマーが含まれる。ゴム質重合体のムーニー粘度(ML 1+4 ,100℃)は、使用目的に応じて適宜選択され、通常5〜200である。ゴム状重合体としては、例えば、エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体ゴム;エチレン−メチルメタクリレート、エレン−ブチルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレンのランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
【0047】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリブタジエン樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹脂などを挙げることができる。これらの熱可塑性エラストマーのうち、好ましくは、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体などであり、具体的には、特開平2−133406号公報、特開平2−305814号公報、特開平3−72512号公報、特開平3−74409号公報などに記載されているものを挙げることができる。
その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテートなどが挙げられる。
これらのゴム状重合体やその他の熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、絶縁材料の特性を損なわせないためには、環状オレフィン系重合体100重量部に対し、30重量部以下であるのが好ましい。
【0048】
(その他の配合剤)
本発明の硬化性重合体組成物には、必要に応じて、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、有機または無機の充填剤などのその他の配合剤を適量添加することができる。
具体的には、例えば、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス[エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系酸化防止剤;トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブリルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系安定剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル;合成ハイドロタルサイト;アミン系の帯電防止剤;フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング剤;シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等のカップリング剤;可塑剤;顔料や染料などの着色剤;などを挙げることができる。
有機または無機の充填剤としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを例示できる。
【0049】
有機溶媒
本発明の接着性剤は、前述の環状オレフィン系重合体を有機溶媒に溶解させたワニスの状態で用いる。このとき使用する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、クロロベンゼン、ジクロベンゼン、トリクロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。これらの溶媒は1種類で使用することも、2種類以上の混合溶媒として使用することも可能である。溶媒は、環状オレフィン系重合体、及び必要に応じて配合する各成分を均一に溶解ないしは分散するに足りる量比で用いられ、通常固形分濃度が1〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%になるように調整される。また本発明においては、上記ワニスを予め溶液流延法などの手法によりシート(フィルム)にして用いることもできる。ワニスを補強基材などに含浸させてシート(プリプレグ)の形で用いることもできる。
【0050】
接着方法
本発明の接着剤を用いて絶縁膜(フィルム)を接着して回路基板を製造する方法は大きく分類して、(1)溶液塗布法、及び(2)接着フィルムによる接着法、が挙げられる。
【0051】
(溶液塗布法)
溶液塗布法の場合には、以下の手順で回路基板を製造する。
(1)配線形成された回路基板用のコア基板(ガラスエポキシ樹脂基板、ガラスビスマレイミドトリアジン樹脂基板、セラミック基板、メタル基板等)上に、前述のワニスをスピンコーター、ロールコーター等を用いて均一に塗布し、加熱乾燥によって溶媒を除去する。溶媒の除去温度は通常40〜150℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃である。乾燥温度が上記範囲にあるとき、溶媒の残存濃度、接着剤の硬化性等が高度にバランスされて好適である。乾燥後の接着層の厚みは、通常1〜500μm、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜50μmである。接着層の厚みが上記範囲にあるときに、強度特性、誘電特性、信頼性等が高度にバランスされて好適である。
(2)接着層が形成されたコア基板上に絶縁膜(フィルムまたは補強基剤含浸フィルム)を積層し、接着剤のガラス転移温度よりも50℃以上高い温度にて加熱加圧接着する。
(3)接着された絶縁膜に配線および層間接続バイアホールを形成する。
(4)上記絶縁膜上にさらに(1)同様の方法にてワニスを塗布した後に溶媒を除去して第二の接着層を形成する。
(5)形成された接着層の上に第二の絶縁膜を積層した後、加熱加圧によって(2)同様の方法で接着する。
(6)以下(3)〜(5)の操作を任意の回数繰り返して多層絶縁を形成して、回路基板を製造する。
【0052】
溶液塗布法の場合は、上述の如くに溶媒乾燥後に加熱加圧接着する以外にも、溶媒除去前に絶縁膜を積層接着し、溶媒乾燥と同時に接着を行ってもよい。
【0053】
(接着フィルムによる接着法)
フィルムによる接着法は、絶縁膜表面に接着剤の塗膜を形成する代わりに、コア基板と1層目の絶縁膜、2層目以降の絶縁膜同士で接着フィルムを挟んだ後に加熱圧着する以外は溶液塗布法と同様に実施することができる。
【0054】
以上2種類の接着方法のいずれにおいても、接着された絶縁層の耐熱性、機械特性等をさらに向上させる目的で、接着層に硬化剤を配合した場合には接着剤を接着後に加熱または光によって硬化させても構わない。
【0055】
(回路基板)
本発明の接着剤を使用することができる回路基板としては、ガラスエポキシ多層積層板、ガラスポリイミド多層積層板、ガラスビスマレイミドトリアジン樹脂多層積層板、ガラスポリフェニレンエーテル樹脂多層積層板などの補強基材含浸型多層積層板;ポリイミドフレキシブルプリント配線板、ポリエステルフレキシブルプリント配線板などのフレキシブルプリント配線板;ポリフェニレンエーテル樹脂付き金属箔、ポリイミド樹脂付き金属箔などの樹脂付き金属箔を使用する高密度実装基板;ボールグリッドアレイ、マルチチップモジュールなどの半導体パッケージ基板;チップサイズパッケージキャリアフィルムなどが挙げられる。
【0056】
【実施例】
以下に、実施例、及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
(1)ガラス移転温度は、示差走査熱量法(DSC法)により測定した。
(2)分子量は、特に断りのない限り、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
(3)共重合比率は、H−NMRにより測定した。
(4)エポキシ基含有率は、H−NMRにより測定し、前記の式により算出した。
(5)カルボキシ基含有率は、H−NMRにより測定し、前記の式により算出した。
(6)ヒドロキシル基含有率は、H−NMRにより測定し、前記の式により算出した
(7)信頼性の評価は、85℃、85%相対湿度の条件で1,000時間放置し、その後1kVの電圧を層間に印加して不良率を測定した。
(8)誘電率及び誘電正接は、JIS K6911に従って、1MHzで測定した。
(9)吸水率は、JIS K7209に従って、キャスト法により製造した直径50mm、厚さ3mmの円盤形の試験片を用いて測定した。
【0057】
[実施例1](エポキシ変性ノルボルネン系共重合体の製造)
[重合]
米国特許5,468,819号明細書に記載されている公知の方法によって2−ノルボルネン(NB)と5−デシル−2−ノルボルネン(DNB)の付加共重合体(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=69,200、重量平均分子量(Mw)=132,100、モノマー組成比NB/DNB=76/24(モル比)、Tg=260℃)を得た。
[エポキシ変性]
得られたノルボルネン系ポリマー28重量部、5,6−エポキシ1−ヘキセン10重量部及びジクミルパーオキシド2重量部をt−ブチルベンゼン130重量部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を300重量部のメタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固したエポキシ変性重合体を100℃で20時間真空乾燥し、エポキシ変性ノルボルネン系ポリマーを26重量部得た。この樹脂の分子量はMn=72,600、Mw=198,400でTgは265℃であった。この樹脂の1H−NMRにて測定したエポキシ基含有率は、ポリマーの繰り返し構造単位当たりで2.4%であった。エポキシ変性ノルボルネン系ポリマー15重量部と光反応性物質として4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン0.6重量部をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0058】
[実施例2]
(エポキシ変性ノルボルネン/エチレン共重合体の製造)
[重合]特開平7−292020号公報に記載されている公知の方法によって、NBとエチレンの付加共重合体(NB組成63モル%、Mn=66,200、Mw=142,400、Tg=184℃)を得た。
[エポキシ変性]得られたノルボルネン/エチレン共重合体30重量部、5,6−エポキシ−1−ヘキセン10重量部及びジクミルパーオキシド2重量部をt−ブチルベンゼン130重量部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を300重量部のメタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固したエポキシ変性重合体を100℃で20時間真空乾燥し、エポキシ変性ポリマーを29重量部を得た。この樹脂分子量は、Mn=82,400、Mw=192,300でTgは185℃であった。この樹脂の1H−NMRにて測定したエポキシ基含有率は、ポリマーの繰り返し構造単位当たりで2.4%であった。エポキシ変性ポリマー15重量部と光反応性物質として4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン0.6重量部をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0059】
[実施例3]
(エポキシ変性ノルボルネン系共重合体の製造)
[重合]5−デシル−2−ノルボルネン26重量部の代わりに5−へキシル−2−ノルボルネン(HNB)18重量部、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)3重量部を加えた以外は、実施例1と同様にして重合を行った。21重量部のポリマー(ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=71,100、重量平均分子量(Mw)=107,000、共重合組成比はNB/HNB/ENB=74/23/3(モル比)、Tg=323℃)を得た。
[エポキシ変性]得られたノルボルネン系ポリマー30重量部を120重量部のトルエンに加え、120℃に加熱して溶解し、t−ブチルヒドロパーオキシド1.2重量部とヘキサカルボニルモリブデン0.09重量部を加えて2時間還流した。これを100重量部の冷メタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固したエポキシ変性重合体を80℃で20時間真空乾燥し、エポキシ変性ノルボルネン系ポリマーを30重量部得た。このポリマーのMn=85,200、Mw=154,600、Tg=328℃で、1H−NMRにて測定した不飽和結合へのエポキシ変性率は、100%であり、ポリマーの繰り返し構造単位当たりのエポキシ基含有率は3.0%であった。エポキシ変性ポリマー15重量部と光反応性物質として4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン0.6重量部をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0060】
[実施例4](マレイン酸変性)
[マレイン酸変性]
実施例1で得られたノルボルネン系ポリマー30重量部を150重量部のトルエンに加え、120℃に加熱して溶解し、無水マレイン酸のトルエン溶液(3重量部/100重量部)及びジクミルパーオキシドのトルエン溶液(0.3重量部/45重量部)を徐々に添加して、4時間反応した。これを600重量部の冷メタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固した変性重合体を80℃で20時間真空乾燥し、マレイン酸変性ノルボルネン系ポリマーを30重量部を得た。このポリマーのMn73100、Mw162,400、Tg266℃で、H−NMRにて測定したポリマーの繰り返し構造単位当たりのマレイン酸含有率は2.5%であった。15重量部の得られたポリマーと硬化助剤として9重量部のトリアリルシアヌレート、パーオキサイドとして1.2重量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0061】
[実施例5](ヒドロキシ変性NB/HNB/ENB共重合体)
[ヒドロキシ変性]実施例3で得られたノルボルネン系ポリマー30重量部を300重量部のトルエンに加え、120℃に加熱して溶解し、90重量%ギ酸50重量部と30重量%過酸化水素水7.5重量部を徐々に滴下して2時間還流した。次いで、水酸化ナトリウム溶解メタノールで中和処理した後、700重量部のアセトン中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固した変性重合体を80℃で20時間真空乾燥し、ヒドロキシ変性ノルボルネン系ポリマーを30重量部を得た。このポリマーのMn=82,100、Mw=133,400、Tg=328℃で、1H−NMRにて測定した不飽和結合のヒドロキシ変性率は100%であり、ポリマーの繰り返し構造単位当たりのヒドロキシ基含有率は3.0%であった。15重量部の得られたポリマーと9重量部のトリアリルシアヌレート、1.2重量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0062】
[実施例6]
[重合]特開平4−77520号公報記載の公知の方法によりメチルメトキシテトラシクロドデセンの開環重合及び水素添加反応を行い、水素添加率100%、ポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)=16,400、重量平均分子量(Mw)=58,100、Tg=172℃の重合体を得た。
得られたポリマー15重量部、硬化助剤として9重量部のトリアリルシアヌレート、1.2重量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0063】
[実施例7]
[重合]
特開平7−258318号公報記載の公知の方法によりシクロヘキサジエンの付加重合及び水素添加反応を行い、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=48,300、重量平均分子量(Mw)=72,200、Tg=218℃の重合体を得た。得られた重合体の1H−NMRによる水素添加率は85%であった。
[エポキシ変性]
得られたシクロヘキサジエン重合体30重量部を120重量部のトルエンに加え、120℃に加熱して溶解し、t−ブチルヒドロパーオキシド1.2重量部とヘキサカルボニルモリブデン0.09重量部を加えて2時間還流した。これを300重量部の冷メタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固したエポキシ変性重合体を80℃で20時間真空乾燥し、エポキシ変性ポリマーを30重量部得た。このポリマーのMn68200、Mw122,100、Tg220℃で、H−NMRにて測定した不飽和結合へのエポキシ変性率は、100%であり、ポリマーの繰り返し構造単位当たりのエポキシ基含有率は15%であった。得られたポリマー15重量部と光反応性物質として4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン0.6重量部をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0064】
[実施例8](開環重合体水添添加物)
[重合]
特開平4−363312号公報記載の公知の方法によってテトラシクロドデセンと8−メチルテトラシクロドデセンの開環重合及び水素添加を行い、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)=31,200、重量平均分子量(Mw)=55,800、Tg=158℃の重合体を得た。得られたポリマーの1H−NMRによる水素添加率は99%以上であった。
[エポキシ変性]
得られた重合体を28重量部、5,6−エポキシ1−ヘキセン10重量部及びジクミルパーオキシド2重量部をt−ブチルベンゼン130重量部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を300重量部のメタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固したエポキシ変性重合体を100℃で20時間真空乾燥し、エポキシ変性ノルボルネン系ポリマーを28重量部得た。この樹脂の分子量はMn=38,600、Mw=85,100でTgは165℃であった。この樹脂のH−NMRにて測定したエポキシ基含有率は、ポリマーの繰り返し構造単位当たりで2.0%であった。エポキシ変性ノルボルネン系ポリマー15重量部と光反応性物質4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン0.6重量部をキシレン45重量部に溶解させたところ、沈殿を生じることなく均一な溶液となった。
【0065】
[実施例9]
[回路基板の形成]
実施例1で得られた均一な溶液を孔径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン(登録商標名:テフロン製精密フィルターでろ過して接着剤を得た。(1)この溶液をスピナーを使用して、ガラスビスマレイミドトリアジン樹脂4層基板(コア基板)上に塗布したのち、80℃で90秒間溶媒を除去乾燥して膜厚15μmの塗膜(接着層)を形成させた。(2)接着層が形成されたコア基板上に、さらに厚さ60μmの熱硬化ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)フィルム付き金属箔を積層した後、接着剤のガラス転移温度以上の温度にて加熱加圧により接着した後、温度はそのままで4時間保持して接着層を硬化させた。(3)接着されたPPEフィルム付き金属箔表面の銅箔の一部をエッチングにより除去して配線パターン形成し、さらにレーザー加工装置にて層間接続バイアホールを形成して、第一の絶縁膜を形成した。(4)配線およびバイアホール形成されたPPE絶縁層の表面にさらに(1)同様の方法にて実施例1で得られた溶液を塗布した後に溶媒を乾燥除去し、(2)同様の方法にてPPEフィルムを加熱加圧接着し、(3)同様の方法にて配線およびバイアホール形成して、第2の絶縁膜を形成した。(4)の操作を再度繰り返して第3の絶縁膜を形成して、3層回路基板を製造した。得られた回路基板を用いて前述(7)〜(9)の評価をした結果、不良率は2%以下、誘電率は2.85、誘電正接は、0.004、吸水率は0.06であり、良好な結果であった。
【0066】
[実施例10〜実施例16]
それぞれ実施例2〜実施例8で得られた均一な溶液を用いる以外は、実施例9と同様な方法で3層回路基板を形成して、実施例1同様に評価した結果、不良率は何れも2%以下、誘電率は2.85〜2.9、誘電正接は0.004〜0.006、吸水率は0.06〜0.08の範囲であった。
【0067】
[比較例1](エポキシ樹脂系接着剤)
(1)アクリル変性ビスフェノール型エポキシ樹脂を主成分とした液状接着剤をスピナーを使用して、ガラスビスマレイミドトリアジン樹脂4層基板(コア基板)上に塗布したのち、80℃で90秒間プリベークして膜厚20μmの塗膜(接着層)を形成させた。(2)接着層が形成されたコア基板上に、さらに厚さ60μmの熱硬化ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)フィルム付き金属箔を積層した後、150℃にて加熱加圧により接着した後、温度はそのままで4時間保持して接着層を硬化させた。(3)接着されたPPEフィルム付き金属箔表面の銅箔の一部をエッチングにより除去して配線パターン形成し、さらにレーザー加工装置にて層間接続バイアホールを形成して、第一の絶縁膜を形成した。(4)配線およびバイアホールが形成されたPPE絶縁層の表面にさらに(1)同様の方法にて液状接着剤を塗布した後に接着剤のプリベークによる半硬化を行い、(2)同様の方法にてPPEフィルムを加熱加圧接着し、(3)同様の方法にて配線およびバイアホールを形成して、第2の絶縁膜を形成した。(4)の操作を再度繰り返して第3の絶縁膜を形成して、3層回路基板を製造した。得られた回路基板を評価した結果、不良率は8%、誘電率は3.8、誘電正接は0.10、吸水率は0.18であり、従来の熱硬化ポリフェニレンエーテル樹脂フィルムの特性を低下させる値となった。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁膜の特性を損なわない程度に優れた特性を有し、且つ生産性、保存安定性に優れたバランスのある回路基板用接着剤、及び該接着剤を用いた回路基板を提供することが可能となる。

Claims (7)

  1. 数平均分子量が3,000〜1,000,000である環状オレフィン系重合体と硬化剤とを有機溶媒に溶解させて成る回路基板用接着剤。
  2. 環状オレフィン系重合体が、少なくとも部に炭素数4個以上の置換基を有する繰り返し単位を含有するものである請求項1記載の回路基板用接着剤。
  3. 環状オレフィン系重合体が、少なくとも極性基を有する繰り返し単位を有するものである請求項1又は2記載の回路基板用接着剤。
  4. 環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が140℃以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路基板用接着剤
  5. 硬化剤が、(i)光反応性物質、または(ii)有機過酸化物と硬化助剤である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路基板用接着剤
  6. 環状オレフィン系重合体100重量部に対し、硬化剤を0.1〜30重量部用いる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回路基板用接着剤
  7. 基板上に、(1)請求項1乃至6のいずれか1項に記載の接着剤層、(2)絶縁層、及び(3)導電層からなる配線層の組合せが少なくとも1形成されていることを特徴とする回路基板。
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